JPH11346010A - 光検出素子 - Google Patents

光検出素子

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JPH11346010A
JPH11346010A JP11052078A JP5207899A JPH11346010A JP H11346010 A JPH11346010 A JP H11346010A JP 11052078 A JP11052078 A JP 11052078A JP 5207899 A JP5207899 A JP 5207899A JP H11346010 A JPH11346010 A JP H11346010A
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JP
Japan
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thin film
oxide
superconductor
ferromagnetic
photodetector
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Application number
JP11052078A
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English (en)
Inventor
Hideo Nojima
秀雄 野島
Kenji Nakanishi
健司 中西
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Priority to US09/276,303 priority patent/US6229154B1/en
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01JMEASUREMENT OF INTENSITY, VELOCITY, SPECTRAL CONTENT, POLARISATION, PHASE OR PULSE CHARACTERISTICS OF INFRARED, VISIBLE OR ULTRAVIOLET LIGHT; COLORIMETRY; RADIATION PYROMETRY
    • G01J5/00Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry
    • G01J5/10Radiation pyrometry, e.g. infrared or optical thermometry using electric radiation detectors
    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10NELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10N60/00Superconducting devices
    • H10N60/80Constructional details
    • H10N60/84Switching means for devices switchable between superconducting and normal states

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  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Photometry And Measurement Of Optical Pulse Characteristics (AREA)
  • Thin Magnetic Films (AREA)
  • Light Receiving Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 超電導体薄膜と強磁性体薄膜を積層すること
により、超高速、高感度の光検出素子を提供する。 【解決手段】 光検出素子が、基板上に形成された強磁
性体薄膜と高温超電導体薄膜とが、絶縁体薄膜を介し
て、各々の層が少なくとも1層以上、積層された光検出
部と、該光検出部に接続配置された電極とを具備するこ
とを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光検出素子に関す
るものであり、特に、高温超電導体薄膜と強磁性体薄膜
の積層膜を用いた超高速、高感度な光検出素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、大容量の情報を高速に処理するた
めに、光通信と超高速スイッチを結合させたネットワー
クシステムの研究開発が活発に進められている。超高速
のスイッチ素子としては、超電導体の単一磁束量子(S
FQ:Single Flux Quantum)を用いた素子が開発され
ており、100Gb/sの処理速度が可能である。この
ような超高速のSFQ素子と光通信とを結合させるため
に、現在は、光ファイバと半導体光検出素子(フォトダ
イオード)が用いられている。
【0003】しかしながら、半導体による光検出素子
は、光に対する応答速度が十分でなく、さらに、超電導
体で形成されるSFQ素子と同一基板に形成することが
困難であるという問題点を有していた。すなわち、超電
導体からなるSFQ素子と同一基板に形成できないた
め、光検出素子からSFQ素子までの信号伝送の距離が
長くなり、S/N比や速度が減少していた。
【0004】一方、高温超電導体が光に対して、極めて
高速応答することは、以前より注目され、超高速光検出
素子への応用が期待されてきた(たとえば、Hegmann et
al., Appl.Phys.Lett.,Vol.67,(1995), pp.285 )。
【0005】さらに、高温超電導体とペロブスカイト型
マンガン酸化物との積層は、結晶構造が似ていること、
格子定数が近いこと等から、以前より新たな物性を目指
した検討がなされてきた(Chahara et al., Appl. Phy
s. Lett. Vol.62, (1993) pp.780)。最近では、この積
層構造を基本として、高温超電導体とスピン偏極率の大
きな強磁性体であるペロブスカイト型マンガン酸化物と
の間にペロブスカイト型絶縁体酸化膜を挟み、強磁性体
から超電導体にスピン偏極した準粒子を注入すること
で、増幅率の大きな3端子デバイスが可能となることが
報告されている(たとえば、Vas'ko et al.,Phys. Rev.
Lett., Vol. 78, (1997) pp.1134)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
光検出素子を半導体ではなく、超電導体で形成するとい
う観点から研究を進めた。特に、酸化物高温超電導体
は、光に対する応答速度が速く、100Gb/s以上の
光応答が可能であると予測され、従来からも、活発な研
究がなされている。◆しかしながら、高温超電導体の光
に対する電圧感度は小さいため、光の入射に応答して生
じる電気信号が小さいという問題があった。
【0007】そこで、本発明は、かかる課題を解決する
ためになされたものであり、超電導体薄膜と強磁性体薄
膜を積層することにより、超高速、高感度の光検出素子
を提供することを目的とする。
【0008】また、良好な超電導体薄膜、強磁性体薄
膜、絶縁体薄膜の積層化技術の開発によって、超電導体
薄膜から強磁性体薄膜への絶縁体薄膜のリークを介した
スピン偏極キャリアの注入効果を抑え、磁束のみが関与
するような素子構造の光検出素子を提供することをも目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる光検出素
子は、超電導体と強磁性体との相互作用について、本願
発明者らが、鋭意検討を重ねた結果、強磁性体と超電導
体とを近接して配置すると、強磁性体の磁場が超電導体
に作用し、超電導体におけるクーパーペアの分離により
生じた準粒子の再結合時間が長くなり、その結果、入射
光に対する電圧感度が大きくなることを見出し、初めて
可能となったものである。
【0010】まず、光検出素子の応答速度について考察
する。光検出素子の応答速度は、光が照射されることに
よって生成される準粒子の再結合時間τの逆数、1/τ
で表すことができる。
【0011】すなわち、超電導状態におけるクーパーペ
アの分離が起こり、準粒子が生成され、その再結合にか
かる時間τによって決定される。さらに、その光検出素
子の応答速度1/τは、超電導体の臨界温度Tcの3乗
に比例するため、超電導体が高温超電導体であれば、高
速応答することになる。
【0012】しかしながら、そのクーパーペアの分離か
ら準粒子の再結合するまでの時間は、極めて短いため、
通常、その信号を検出することが極めて困難である。
【0013】ここで、電圧感度について考察する。光照
射によって、クーパーペアが分離し、準粒子が生成する
と、下式(1)に示すように、準粒子密度nに比例し
て、超電導体のエネルギーギャップ2Δが減少する。
【0014】δ(2Δ)=−n/N ……(1) ここで、Nは超電導体のフェルミレベルでの状態密度で
ある。
【0015】このように、エネルギーギャップが減少す
ると、臨界電流密度Jcが減少するため、定電流で動作
させると、電圧が発生する。すなわち、準粒子密度nが
大きければ、発生する電圧は大きくなる。
【0016】次に、準粒子密度nについて考察する。準
粒子密度nは、光の強度Iと超電導体の膜厚t、準粒子
の寿命τを用いて、下式(2)のように表される。
【0017】n=Iτ/t …… (2) すなわち、準粒子の寿命τが大きくなれば、準粒子密度
nが大きくなり、従って、エネルギーギャップの減少に
より、電圧が大きくなる。
【0018】そこで、本願発明者らは、磁界を印加する
ことにより、準粒子のスピンを反転させ、寿命τを長く
できることにより、電圧を増大させ得ることを見いだし
た。そのためには、強磁性体を超電導体に隣接させるこ
とにより、その磁性で準粒子の再結合時間を長くし、そ
の信号強度を大きくすることが重要となる。
【0019】さらに、超電導体と強磁性体との間で電荷
の移動が起こる(導通する)と、近接効果により、超電
導体薄膜の劣化が起こる。よって、超電導体と強磁性体
との間に絶縁物を介入させることが重要となる。
【0020】そこで、上記目的を達成するために、本願
請求項1記載の発明にかかる光検出素子は、基板上に形
成された強磁性体薄膜と高温超電導体薄膜とが、絶縁体
薄膜を介して、各々の層が少なくとも1層、積層された
光検出部と、該光検出部に接続配置された電極とを具備
することを特徴とする。
【0021】このように構成することにより、上記理由
により電圧感度が向上する。なお、本構成では、高温超
電導体本来の応答速度が若干犠牲となるが、高温超電導
体は、本来十分速い応答速度を持つため、この程度の速
度減少は大きな問題とはならない。
【0022】さらに、本願請求項2記載の発明にかかる
光検出素子は、前記光検出部において、前記強磁性体薄
膜の磁性が高温超電導体薄膜に作用し、高温超電導体薄
膜に光が入射することによるクーパーペアの分離から再
結合までの時間を長くするように、強磁性体薄膜と高温
超電導体薄膜とが近接配置されたことを特徴とする。
【0023】また、超電導体薄膜に光が入射できるよう
にするために、本願請求項3記載の発明にかかる光検出
素子は、前記光検出部において、入射される光に対し前
記強磁性体薄膜が、透明であるような膜厚であることを
特徴とする。◆また、本願請求項4記載の発明にかかる
光検出素子は、前記絶縁体薄膜上に形成された前記超電
導体薄膜が、ミアンダ構造であることを特徴とする。
【0024】また、現在、高温超電導体のその多くは酸
化物であるため、格子の整合や、酸素の相互拡散の面か
ら、強磁性体薄膜の酸化物であることが好ましい。ま
た、同様のことが、超電導体薄膜と強磁性体薄膜の間に
介在する絶縁体薄膜についても成立し、同様に酸化物絶
縁体が好ましい。
【0025】そこで、本願請求項5記載の発明にかかる
光検出素子は、前記高温超電導体薄膜が酸化物高温超電
導体薄膜であり、前記強磁性体薄膜が酸化物強磁性体薄
膜であり、前記絶縁体薄膜が酸化物絶縁体薄膜であるこ
とを特徴とする。
【0026】このように構成することにより、酸化物超
電導体薄膜と酸化物強磁性体薄膜との格子整合がとれた
積層薄膜が得られる。さらに、酸化物絶縁体薄膜によ
り、酸化物超電導体薄膜と酸化物強磁性体薄膜の間の近
接効果による電子状態のしみだしを抑制することができ
超電導体の特性劣化を防ぐことができる。これにより、
応答速度が速く、かつ電圧感度が高い光検出部を形成す
ることができる。
【0027】さらに、好ましくは、本願請求項6記載の
発明のように、前記酸化物超電導体薄膜が、YBa2
37-X薄膜であり、前記酸化物強磁性体薄膜が、
(R,A)MnO3(R=La,Nd,Sm:A=Ca,
Sr,Ba,Pb)で表される複合ペロブスカイト型マ
ンガン酸化物薄膜であり、前記絶縁体薄膜が、SrTi
3薄膜であることを特徴とする。
【0028】このように構成することにより、格子整合
のとれた積層薄膜が得られ、応答速度が速く、電圧感度
が高い光検出部が形成できる。
【0029】また、本願光検出素子の製造方法は、基板
上において、強磁性体薄膜と高温超電導体薄膜を絶縁体
薄膜を介して交互に積層して光検出部を作製する工程
と、前記光検出部の両端に電極を形成する工程とを含む
こと特徴とする。このようにして製造することにより、
酸化物超電導体薄膜と酸化物強磁性体薄膜の積層膜を、
組成のずれを起こさずに効率よく製造できる。
【0030】さらに、前記酸化物強磁性体薄膜と酸化物
超電導体薄膜を絶縁体薄膜を介して交互に積層した薄膜
に光を入射する手段として、光ファイバなどを用いるこ
とができる。光ファイバを用いた場合、伝搬される高速
・大容量の情報を検出して処理する光通信システムを形
成することが可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、図面を用
いて実施形態により詳細に説明する。◆図1(a)は、
本発明における第1の実施形態としての光検出素子の構
造図であり、図1(b)は、光検出素子のうち光検出部
について拡大した構造断面図である。図1(b)に示す
ように、光検出部は、高温超電導体薄膜11として、そ
の酸化物であるYBa2Cu37-X、強磁性体薄膜12
として、その酸化物であるLa0.9Sr0.1MnO3
膜、絶縁体薄膜13として、その酸化物であるSrTi
3、基板14としてSrTiO3を用い、各々の薄膜が
順次積層されたものである。ここでの、強磁性体薄膜1
2のLa1-XSrXMnO3はX<0.175では、絶縁
体としてふるまい、たとえばx=0.1において77K
での抵抗率は105Ω・cmにも達する強磁性絶縁体と
なる。
【0032】本実施形態における素子構造において、積
層構造の端面より、電極を形成するため、強磁性体薄膜
に電荷を与えないことが重要である。その第1の方法と
して、強磁性体薄膜材料そのものの特性を利用する、す
なわち、組成比を変えることにより、金属的振る舞いを
するのでなく、絶縁体として作用する強磁性薄膜を選択
する方法が好適に利用できる。さらなる第2の方法とし
て、光検出素子の端面のうち、強磁性体薄膜に接する部
分にのみ電極との導通をさせない素子構造を微細加工技
術により形成し、端面からの電荷を与えないようにする
ことも有効である。
【0033】以下、本実施形態における光検出素子の製
造方法について述べる。上記YBa 2Cu37-X薄膜、
La0.9Sr0.1MnO3薄膜、SrTiO3薄膜はレーザ
ー蒸着法によって形成した。すなわち、基板としてSr
TiO3(001)単結晶を用い、固相反応法で作製し
たYBa2Cu37-X、La0.9Sr0.1MnO3、SrT
iO3焼結体をターゲットにして、エキシマレーザー
(KrF:248nm)を照射して基板上に薄膜を形成
する。レーザーの強度は、2J/cm2とし、基板の温
度は800oCとした。薄膜作製時に酸素を導入し、酸
素分圧を400mTorrとした。
【0034】まず、YBa2Cu37-X、La0.9Sr
0.1MnO3、SrTiO3を、それぞれ個別に形成して
作製した薄膜の材料特性を調べた。作製したそれぞれの
薄膜は、蛍光X線分析(XRF)、ラザフォード後方散
乱(RBS)、誘導結合プラズマ分光(ICP)等で組
成を分析した結果、Y:Ba:Cu=1:2:3、L
a:Sr:Mn=0.9:0.1:1、Sr:Ti=
1:1の組成であり、ターゲット組成と同一組成の薄膜
が得られた。また、X線回折測定の結果、作製したこれ
らの薄膜は、各々がSrTiO3基板にエピタキシャル
成長した良質な薄膜であることがわかった。
【0035】上記の作製条件で、YBa2Cu37-X
SrTiO3、La0.9Sr0.1MnO 3の各々のターゲッ
トに、交互にレーザーを照射して、酸化物超電導体薄膜
YBa2Cu37-Xと酸化物強磁性体薄膜La0.9Sr
0.1MnO3を、酸化物絶縁体薄膜SrTiO3を介し
て、所望の層数だけ積層した。各層の膜厚は、それぞ
れ、約20nm、10nm、5nmとし、超電導体薄膜
/強磁性体薄膜を1ユニットとして、全体で10ユニッ
トの積層膜を作製した。この結果、全体の膜厚として4
00nmの積層膜を形成した。積層薄膜形成後、500
Torrの酸素雰囲気で室温まで冷却した。
【0036】このようにして作製した積層膜を、光検出
部の形状に加工するために、フォトレジスト(AZ−1
518)で保護し、保護されていない部分をArイオン
ビームで除去した。さらに、その後、再びフォトレジス
トで保護し、電極を形成する部分だけレジストを除去
し、Ag薄膜を蒸着して、その後にリフトオフの手法
で、電極以外のAg薄膜を除去し、電極を形成した。
【0037】上記工程により、図1(a)に示すような
形状で、Ag薄膜で電極15を形成し、さらに、電極1
5上に、超音波を用いたワイヤボンディングにより、電
流端子16、電圧端子17を形成した。ここで、光検出
部の光が照射される面積は、10μm×10μmとし
た。
【0038】次に、上記工程により得られた光検出素子
の電圧感度を、液体窒素温度77Kで評価した。光検出
素子の電流端子16に、10mAの定電流を流した状態
で、光源として波長800nmのレーザダイオードを用
い、光ファイバ18を通して光を照射した。照射する光
の強度を変化させて、電圧端子17間の電圧を測定した
結果、図2に示す特性が得られた。ここで、図2は入射
光強度を横軸にとり、電圧端子17間の出力電圧を縦軸
に取ったグラフである。この図より解るように、本実施
形態における光検出素子の電圧感度は20V/Wで、高
い電圧感度を有していた。
【0039】次に、本実施形態における光検出素子の光
に対する応答速度を評価した。応答速度は、液体ヘリウ
ム温度4.2Kで測定した。応答速度の評価のために、
光源として、Ti:サファイアのレーザ(波長800n
m)を使用して、光ファイバ18を通して光検出素子に
照射した。超高速応答の評価のために、Nb/AlOX/N
bのジョセフソン接合を用いたパルスサンプリングの手
法(参考:超高速ジョセフソンデバイス(培風館),p28
2)を用いた。すなわち、直流サンプリング法で用いた
直流印加電流の上に、ジョセフソンゲートで発生させた
極めて幅の狭いパルスを重畳させ、被測定信号をサンプ
リングする手法である。この結果、時間分解能として
8.5psecの値が得られた。すなわち、応答速度と
して、117GHzが可能であることが分かった。
【0040】比較例として、光検出部として酸化物超電
導体YBa2Cu37-Xの単層膜を用いた以外は、上記
実施形態と同様にして光検出素子を作製した。上記実施
形態と同様に評価した結果、電圧感度として3V/Wが
得られた。この結果から、本願発明により、電圧感度が
大きく向上できることが分かった。
【0041】図3は、本発明における第2の実施形態と
しての光検出素子の構造断面図である。図3に示すよう
に、光検出部は、高温超電導体薄膜21として、その酸
化物であるNdBa2Cu37-X、強磁性体薄膜22と
して、その酸化物であるLa0 .67Ca0.33MnO3
膜、絶縁体薄膜23として、その酸化物であるLaAl
3、基板24としてLaAlO3を用いた。
【0042】製造方法は実施形態1で述べたレーザ蒸着
法を用いて形成した。すなわち、基板としてLaAlO
3(001)単結晶を用い、固相反応法で作製したNd
Ba2Cu37-X(YBCO)、La0.67Ca0.33Mn
3(LCMO)、LaAlO3(LAO)焼結体をター
ゲットにして、レーザーを照射して基板上にLCMO、
LAO、NBCOの順に薄膜を形成した。それぞれの厚
さは、100nm、5nm、50nmであった。レーザ
ーの強度は、2J/cm2とし、基板の温度は800o
とした。YBCOの上には、Ag電極を同様の方法で形
成し、電圧及び電流端子をつけて測定を行った結果、
1.3mmの半導体レーザに対して電圧感度17V/W
が得られた。また、チタンサファイアレーザを用いた応
答速度の測定でも10psの値が得られた。
【0043】次に、光検出素子の超電導層として通常の
超電導薄膜を用いる代わりに、ミアンダ構造に加工した
超電導薄膜を用いた以外は、第2の実施形態と同様に形
成された光検出素子である第3の実施形態について、図
4を用いて説明する。図4は、本実施形態における光検
出素子の構造平面図及び断面図である。図4に示すよう
に、光検出部は、高温超電導体薄膜26としてNdBa
2Cu37-X、強磁性体薄膜28としてNd0.67Ca
0.33MnO3薄膜、絶縁体薄膜27として、SrTi
3、基板29としてLSAT:LaAlO3−Sr2
lTaO6(001)単結晶基板を用いた。製造方法は
実施形態1で述べたレーザ蒸着法を用いて形成した。す
なわち、基板としてLaAlO3(001)単結晶を用
い、固相反応法で作製したNdBa2Cu37-X(YB
CO)、La0.67Ca0.33MnO3(LCMO)、La
AlO3(LAO)焼結体をターゲットにして、レーザ
ーを照射して基板上にLCMO、LAO、NBCOの順
に薄膜を形成した。
【0044】その後、フォトリソグラフィーの工程を用
いて、超電導膜をミアンダ状の形状加工を行う。それぞ
れの厚さは、100nm、5nm、50nmであった。
また、超電導体のミアンダの線幅は1μmであった。レ
ーザーの強度は、2J/cm 2とし、基板の温度は80
oCとした。YBCOの上には、Ag電極を上述と同
様の方法で形成し、電圧及び電流端子をつけて測定を行
った結果、1.5mmの半導体レーザに対して電圧感度
25V/Wが得られた。また、チタンサファイアレーザ
を用いた応答速度の測定でも12psの値が得られた。
【0045】本願発明の光検出素子は、上記実施形態に
限定されるものではなく、特に素子の形状、製造方法を
適宜選択し、目的に応じて最適化することによって、同
様の効果を奏することができることは言うまでもない。
そして、特に、本願発明の構成要件である超電導体薄膜
を構成する材料、強磁性体薄膜を構成する材料、絶縁体
薄膜を構成する材料、基板材料については、以下のよう
な条件を満たす材料より、適宜選択して用いることが好
ましい。
【0046】すなわち、超電導体薄膜を構成するその材
料についても、YBa2Cu37-Xに限られる訳でな
く、高温超電導体の範囲であれば、NdBa2Cu3
7-X等123系、CuBa2Ca3Cu4Y等Cu系、B
2Sr2Ca2Cu3Y等Bi系、Tl2Ba2Ca2Cu
3Y等Tl系、HgBa2Ca2Cu3Y等Hg系などを
適宜選択して用いることができる。特に、ギャップ端に
おける準粒子の再結合時間は、Tcの3乗に反比例する
ためTcの高い材料が有効であって、Tcが90Kクラ
スのLn−123系(Ln=Y,Nd,Sm)が好適に
使用できる。また、Tc=117KクラスのCu系超電
導体でも、Bi系超電導体を用いても好適に実施でき
る。上記、Tl系、Hg系の材料は、揮発性が高く良質
な薄膜をつくりにくといった問題点を残すものの、本願
発明に適用することは可能である。
【0047】また、強磁性体薄膜を構成するその材料に
ついても、Nd1-XSrXMnO3、La1-XSrXMn
3、La1-XCaXMnO3等に限られる訳でなく、強磁
性体の範囲であれば、(R,A)MnO3(R=La,
Nd,Sm:A=Ca,Sr,Ba,Pb)、Sr2
oFeO6、Ba2MoFeO6、Ca2MoFeO6など
を適宜選択して用いることができる。
【0048】ただし、全てをエピタキシャルで形成する
ことを考えると、ペロブスカイト型マンガン酸化物薄膜
が望ましく、これら材料は飽和磁化が比較的大きく、強
磁性体としても良好である。なによりも、超電導体と極
めて格子整合性がよい。また、エピタキシャル多層膜形
成にまだ多少の問題点を残すものの、フェライト系も良
好な磁性体として、本願発明が適用可能である。金属系
磁性体は、最上面に作製する場合はプロセス温度も低
く、有効であるが、その際光は裏面から照射しなければ
ならないといった条件付きで本願発明の適用は可能であ
る。
【0049】さらに、絶縁体薄膜を構成するその材料に
ついても、SrTiO3に限られる訳でなく、絶縁体の
範囲であれば、LaAlO3,MgOなどを適宜選択し
て用いることができる。特に、超電導体と磁性体間にリ
ークがないことが必要であり、磁性体から超電導膜にキ
ャリアが注入されず、また、トンネル電流も注入され
ず、近接効果も生じず、磁束のみが超電導体に侵入する
ような特性が望ましい。また、すべての層をエピタキシ
ャルでつくるという観点から、上記基板と同素材である
SrTiO3などが好ましい。
【0050】また、上記実施形態においては、基板材料
としてLaAlO3を用いているが、本発明は、この材
料に限定されるものではなく、エピタキシャル成長させ
るのに適当な基板、即ち、格子定数と熱膨張係数が高温
超電導体やペロブスカイト型マンガン酸化物と適合する
ことが重要である。即ち、ペロブスカイト構造をもち、
格子定数が3.86Å程度の基板が望ましい。すなわ
ち、SrTiO3(a=3.905)、LSAT(LaAlO3-
Sr2AlTaO6、a=3.86)が好適である。また、少々
問題点が残るもののLaAlO3(a=3.79)や、MgO
を用いても良いことは言うまでもない。
【0051】最後に、すべての層とも入射光に対して透
明であることが望ましい。
【0052】
【発明の効果】以上より明らかなように、本発明による
光検出素子は、高温超電導体薄膜と強磁性体薄膜とを、
絶縁体薄膜を介して積層した積層膜で、光検出部を形成
することにより、光の照射によって発生した超電導体の
準粒子の再結合時間を長くすることができるため、超電
導体の電圧感度が向上し、高感度、超高速で光を検出す
ることができる。
【0053】すなわち、本発明によれば、光検出部とし
て、酸化物超電導体薄膜と酸化物強磁性体薄膜を酸化物
絶縁体薄膜を介して積層した薄膜を用いることにより、
高感度、超高速の光検出素子を得ることができる。さら
に、光通信と超高速スイッチを結合させることが可能に
なり、大容量の情報処理を高速に行うネットワークスイ
ッチが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1の実施形態における光検出素子の
構造図であり、(b)は光検出素子の光検出部について
拡大した構造断面図である。
【図2】本発明の光検出素子の電圧感度特性を示す図で
ある。
【図3】第2の実施形態における光検出素子の構造断面
図である。
【図4】第3の実施形態における光検出素子の構造平面
図及び断面図である。
【符号の説明】
11 酸化物超電導体薄膜YBa2Cu37-X 12 酸化物強磁性体薄膜Nd1-XSrXMnO3 13 酸化物絶縁体薄膜SrTiO3 14 単結晶基板LaAlO3 15 Ag電極 16 電流端子 17 電圧端子 18 光ファイバ 21 酸化物超電導体薄膜YBa2Cu37-X 22 酸化物絶縁体薄膜SrTiO3 23 酸化物強磁性体薄膜Nd1-XSrXMnO3 24 単結晶基板LaAlO3 25 光ファイバー 26 酸化物超電導体薄膜YBa2Cu37-X 27 酸化物超電導体薄膜YBa2Cu37-X 28 酸化物強磁性体薄膜Nd1-XSrXMnO3 29 単結晶基板LaAlO3

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された強磁性体薄膜と高温
    超電導体薄膜とが、絶縁体薄膜を介して、各々の層が少
    なくとも1層以上、積層された光検出部と、該光検出部
    に接続配置された電極とを具備することを特徴とする光
    検出素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光検出部において、前記
    強磁性体薄膜の磁性が高温超電導体薄膜に作用し、高温
    超電導体薄膜に光が入射することによるクーパーペアの
    分離から再結合までの時間(緩和時間)を長くするよう
    に、強磁性体薄膜と高温超電導体薄膜とが近接配置され
    たことを特徴とする光検出素子。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の光検出部におい
    て、入射される光に対し透明となる膜厚の強磁性体薄膜
    が積層されていることを特徴とする光検出素子。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の光検出部におい
    て、前記絶縁体薄膜上に形成された前記超電導体薄膜
    が、ミアンダ構造であることを特徴とする光検出素子。
  5. 【請求項5】 前記高温超電導体薄膜が酸化物高温超電
    導体薄膜であり、前記強磁性体薄膜が酸化物強磁性体薄
    膜であり、前記絶縁体薄膜が酸化物絶縁体薄膜であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至4記載の光検出素子。
  6. 【請求項6】 前記酸化物超電導体薄膜が、YBa2
    37-X薄膜であり、前記酸化物強磁性体薄膜が、
    (R,A)MnO3(R=La,Nd,Sm:A=Ca,S
    r,Ba,Pb)で表される複合ペロブスカイト型マン
    ガン酸化物薄膜であり、前記絶縁体薄膜が、SrTiO
    3薄膜であることを特徴とする請求項5記載の光検出素
    子。
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