JPH11343239A - 排尿障害の予防・治療剤 - Google Patents
排尿障害の予防・治療剤Info
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- JPH11343239A JPH11343239A JP8069699A JP8069699A JPH11343239A JP H11343239 A JPH11343239 A JP H11343239A JP 8069699 A JP8069699 A JP 8069699A JP 8069699 A JP8069699 A JP 8069699A JP H11343239 A JPH11343239 A JP H11343239A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 エンドセリン誘発尿道抵抗増加に対する優れ
た抑制作用を示し、エンドセリンが関与する排尿障害の
予防・治療に有用な新規な医薬を提供するものである。 【解決手段】 一般式〔I〕: 【化1】 (但し、環Aはヒドロキシ低級アルキル基置換フェニル
基、環Bは低級アルキル基置換フェニル基、Alkは低
級アルキレン基、Rは置換されていてもよい含窒素6員
芳香族複素単環式基を表す。)で示される化合物又はそ
の薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなる排尿障害
予防・治療剤。
た抑制作用を示し、エンドセリンが関与する排尿障害の
予防・治療に有用な新規な医薬を提供するものである。 【解決手段】 一般式〔I〕: 【化1】 (但し、環Aはヒドロキシ低級アルキル基置換フェニル
基、環Bは低級アルキル基置換フェニル基、Alkは低
級アルキレン基、Rは置換されていてもよい含窒素6員
芳香族複素単環式基を表す。)で示される化合物又はそ
の薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなる排尿障害
予防・治療剤。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規排尿障害予防
・治療剤に関する。
・治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】前立腺肥大症は高齢人口の増加に伴って
年々増大する傾向にあるが、前立腺肥大が進むと、それ
により前立腺部尿道内圧が上昇し、結果として排尿障害
等の臨床症状を伴う。このような前立腺肥大に伴う排尿
障害の治療においては、前立腺部尿道内圧低下作用を有
する薬剤、例えば塩酸タムスロシン(化学名:5−〔2
−〔〔2−(エトキシフェノキシ)エチル〕アミノ〕プ
ロピル〕−2−メトキシベンゼンスルホンアミド・塩酸
塩)のようなα1受容体遮断薬などの薬剤が使用されて
いる。
年々増大する傾向にあるが、前立腺肥大が進むと、それ
により前立腺部尿道内圧が上昇し、結果として排尿障害
等の臨床症状を伴う。このような前立腺肥大に伴う排尿
障害の治療においては、前立腺部尿道内圧低下作用を有
する薬剤、例えば塩酸タムスロシン(化学名:5−〔2
−〔〔2−(エトキシフェノキシ)エチル〕アミノ〕プ
ロピル〕−2−メトキシベンゼンスルホンアミド・塩酸
塩)のようなα1受容体遮断薬などの薬剤が使用されて
いる。
【0003】近年、エンドセリンが前立腺に及ぼす生理
的作用について種々の検討がなされており、強力な血管
収縮作用を有するペプチドであるエンドセリン−1が前
立腺部尿道内圧を上昇させる作用を有すること、並びに
この作用はα1受容体拮抗薬では抑制されなかったこと
が報告されている(ジャーナル・オブ・ウロロジー、第
158巻、253頁、1997年)。
的作用について種々の検討がなされており、強力な血管
収縮作用を有するペプチドであるエンドセリン−1が前
立腺部尿道内圧を上昇させる作用を有すること、並びに
この作用はα1受容体拮抗薬では抑制されなかったこと
が報告されている(ジャーナル・オブ・ウロロジー、第
158巻、253頁、1997年)。
【0004】また、エンドセリン拮抗作用を有する式:
【0005】
【化2】
【0006】で示される環状ペプチド化合物が肥大前立
腺平滑筋のエンドセリン−1誘発収縮を抑制したとの報
告(日本泌尿器科学会誌、第84巻、9号、第1649
〜54、1993年)がある。
腺平滑筋のエンドセリン−1誘発収縮を抑制したとの報
告(日本泌尿器科学会誌、第84巻、9号、第1649
〜54、1993年)がある。
【0007】更に、特定のフェノキシフェニル酢酸誘導
体(即ち、N−(4−イソプロピルベンゼンスルホニ
ル)−α−(4−カルボキシ−2−n−プロピルフェノ
キシ)−3,4−メチレンジオキシフェニル−アセタミ
ド二カリウム塩)がエンドセリン−1誘発前立腺収縮を
抑制する作用を有しており、当該フェノキシフェニル酢
酸化合物を前立腺肥大に伴う排尿障害の治療に使用する
ことが提案されている(特表平8−508034)。
体(即ち、N−(4−イソプロピルベンゼンスルホニ
ル)−α−(4−カルボキシ−2−n−プロピルフェノ
キシ)−3,4−メチレンジオキシフェニル−アセタミ
ド二カリウム塩)がエンドセリン−1誘発前立腺収縮を
抑制する作用を有しており、当該フェノキシフェニル酢
酸化合物を前立腺肥大に伴う排尿障害の治療に使用する
ことが提案されている(特表平8−508034)。
【0008】一方、本発明に係る有効成分であるベンゼ
ンスルホンアミド誘導体〔I〕は、優れたエンドセリン
受容体拮抗作用を有し、高血圧症、肺高血圧症、腎性高
血圧症、レイノー病、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化
等の循環器系疾患等の治療に有用であることは知られて
いるが(特開平9−59160)、当該化合物が前立腺
肥大に伴う排尿障害に対して改善効果を示すことは未だ
報告されていない。
ンスルホンアミド誘導体〔I〕は、優れたエンドセリン
受容体拮抗作用を有し、高血圧症、肺高血圧症、腎性高
血圧症、レイノー病、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化
等の循環器系疾患等の治療に有用であることは知られて
いるが(特開平9−59160)、当該化合物が前立腺
肥大に伴う排尿障害に対して改善効果を示すことは未だ
報告されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ベンゼンス
ルホンアミド誘導体を有効成分とする新規排尿障害予防
・治療剤を提供するものである。
ルホンアミド誘導体を有効成分とする新規排尿障害予防
・治療剤を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは種々検討の
結果、ある種のベンゼンスルホンアミド誘導体が、エン
ドセリン−1誘発尿道内圧増加を効果的に抑制する作用
を有することを見出し、本発明を完成するに到った。
結果、ある種のベンゼンスルホンアミド誘導体が、エン
ドセリン−1誘発尿道内圧増加を効果的に抑制する作用
を有することを見出し、本発明を完成するに到った。
【0011】即ち、本発明は、一般式〔I〕:
【0012】
【化3】
【0013】(但し、環Aはヒドロキシ低級アルキル基
置換フェニル基、環Bは低級アルキル基置換フェニル
基、Alkは低級アルキレン基、Rは置換されていても
よい含窒素6員芳香族複素単環式基を表す。)で示され
る化合物又はその薬理的に許容し得る塩を有効成分とし
てなる、排尿障害予防・治療剤に関する。
置換フェニル基、環Bは低級アルキル基置換フェニル
基、Alkは低級アルキレン基、Rは置換されていても
よい含窒素6員芳香族複素単環式基を表す。)で示され
る化合物又はその薬理的に許容し得る塩を有効成分とし
てなる、排尿障害予防・治療剤に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明における有効成分であるベ
ンゼンスルホンアミド誘導体〔I〕において、含窒素6
員芳香族複素単環式基としては、例えば、ピリジル基、
ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基等があ
げられる。当該芳香族複素環式基の置換基としては、例
えば、臭素原子、塩素原子又はフッ素原子の如きハロゲ
ン原子等があげられる。
ンゼンスルホンアミド誘導体〔I〕において、含窒素6
員芳香族複素単環式基としては、例えば、ピリジル基、
ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基等があ
げられる。当該芳香族複素環式基の置換基としては、例
えば、臭素原子、塩素原子又はフッ素原子の如きハロゲ
ン原子等があげられる。
【0015】上記本発明の有効成分〔I〕の具体例とし
ては、例えば環Aがヒドロキシ−C1-6アルキル基置換フ
ェニル基であり、環BがC1-6アルキル基置換フェニル
基であり、AlkがC1-6アルキレン基であり、Rが臭素
原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい含窒素6
員芳香族複素単環式基(ピリミジニル基等)である化合
物等があげられる。
ては、例えば環Aがヒドロキシ−C1-6アルキル基置換フ
ェニル基であり、環BがC1-6アルキル基置換フェニル
基であり、AlkがC1-6アルキレン基であり、Rが臭素
原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい含窒素6
員芳香族複素単環式基(ピリミジニル基等)である化合
物等があげられる。
【0016】上記有効成分のうち、好ましい化合物とし
ては、例えば、一般式〔I〕において、環Aが2−ヒド
ロキシ−1,1−ジメチルエチルフェニル基の如きヒド
ロキシ−C1-4アルキル基置換フェニル基であり、Al
kがエチレン基であり、環Bがメチルフェニル基の如き
C1-4アルキル基置換フェニル基であり、Rがブロモピリ
ミジニル基である化合物があげられる。
ては、例えば、一般式〔I〕において、環Aが2−ヒド
ロキシ−1,1−ジメチルエチルフェニル基の如きヒド
ロキシ−C1-4アルキル基置換フェニル基であり、Al
kがエチレン基であり、環Bがメチルフェニル基の如き
C1-4アルキル基置換フェニル基であり、Rがブロモピリ
ミジニル基である化合物があげられる。
【0017】上記のうち、とりわけ好ましい化合物とし
ては、4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチ
ル)−N−〔6−{2−(5−ブロモピリミジン−2−
イルオキシ)エトキシ}−5−(4−メチルフェニル)
ピリミジン−4−イル〕ベンゼンスルホンアミド又はそ
の薬理的に許容し得る塩(ナトリウム塩の如きアルカリ
金属塩など)があげられる。
ては、4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチ
ル)−N−〔6−{2−(5−ブロモピリミジン−2−
イルオキシ)エトキシ}−5−(4−メチルフェニル)
ピリミジン−4−イル〕ベンゼンスルホンアミド又はそ
の薬理的に許容し得る塩(ナトリウム塩の如きアルカリ
金属塩など)があげられる。
【0018】本発明の有効成分であるベンゼンスルホン
アミド誘導体〔I〕は、遊離の形でも、また薬理的に許
容し得る塩の形でも本医薬用途に供することができる。
かかる薬理的に許容し得る塩としては、無機酸もしくは
有機酸との酸付加塩、無機塩基、有機塩基又はアミノ酸
との塩があげられ、具体的には、塩酸塩、硫酸塩、臭化
水素酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、
マレイン酸塩、シュウ酸塩、アルカリ金属塩(ナトリウ
ム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(マグネ
シウム塩、カルシウム塩など)、トリエチルアミン塩、
リジンとの塩などがあげられる。
アミド誘導体〔I〕は、遊離の形でも、また薬理的に許
容し得る塩の形でも本医薬用途に供することができる。
かかる薬理的に許容し得る塩としては、無機酸もしくは
有機酸との酸付加塩、無機塩基、有機塩基又はアミノ酸
との塩があげられ、具体的には、塩酸塩、硫酸塩、臭化
水素酸塩、メタンスルホン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、
マレイン酸塩、シュウ酸塩、アルカリ金属塩(ナトリウ
ム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(マグネ
シウム塩、カルシウム塩など)、トリエチルアミン塩、
リジンとの塩などがあげられる。
【0019】また、本発明の有効成分であるベンゼンス
ルホンアミド誘導体〔I〕又はその薬理的に許容し得る
塩は、その分子内塩、付加物、錯体、水和物あるいは溶
媒和物を含むものである。
ルホンアミド誘導体〔I〕又はその薬理的に許容し得る
塩は、その分子内塩、付加物、錯体、水和物あるいは溶
媒和物を含むものである。
【0020】本発明の有効成分であるベンゼンスルホン
アミド誘導体〔I〕又はその薬理的に許容し得る塩は、
経口的にも非経口的にも投与することができ、薬理的に
許容し得る担体又は希釈剤とともに、錠剤、注射剤など
の医薬製剤として使用することができる。
アミド誘導体〔I〕又はその薬理的に許容し得る塩は、
経口的にも非経口的にも投与することができ、薬理的に
許容し得る担体又は希釈剤とともに、錠剤、注射剤など
の医薬製剤として使用することができる。
【0021】経口投与する場合の剤形は、錠剤、顆粒
剤、カプセル剤又は散剤の如き固形剤、或いは溶液剤又
はけん濁剤の如き液剤のいずれの形態でも使用すること
ができる。
剤、カプセル剤又は散剤の如き固形剤、或いは溶液剤又
はけん濁剤の如き液剤のいずれの形態でも使用すること
ができる。
【0022】かかる経口投与製剤のための医薬担体とし
ては、例えば結合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラチ
ン、ソルビット、トラガント、ポリビニルピロリドン
等)、賦形剤(乳糖、砂糖、コーンスターチ、リン酸カ
リウム、ソルビット、グリシンなど)、滑沢剤(ステア
リン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコー
ル、シリカ等)、崩壊剤(バレイショデンプン等)、或
いは湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム等)、慣用のもの
をいずれも使用することができる。
ては、例えば結合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラチ
ン、ソルビット、トラガント、ポリビニルピロリドン
等)、賦形剤(乳糖、砂糖、コーンスターチ、リン酸カ
リウム、ソルビット、グリシンなど)、滑沢剤(ステア
リン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコー
ル、シリカ等)、崩壊剤(バレイショデンプン等)、或
いは湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム等)、慣用のもの
をいずれも使用することができる。
【0023】一方、非経口投与する場合の剤形は、例え
ば、注射用蒸留水、生理食塩水又はブドウ糖水溶液など
を用いて注射剤や点滴注射剤とするのが好ましい。
ば、注射用蒸留水、生理食塩水又はブドウ糖水溶液など
を用いて注射剤や点滴注射剤とするのが好ましい。
【0024】本発明の有効成分であるベンゼンスルホン
アミド誘導体〔I〕又はその薬理的に許容し得る塩の投
与量は、投与方法、患者の年齢、体重、状態或いは疾患
の程度によっても異なるが、通常、一日当たりの投与量
は、約0.01mg〜100mg、好ましくは0.01
mg〜10mgとするのが好ましい。
アミド誘導体〔I〕又はその薬理的に許容し得る塩の投
与量は、投与方法、患者の年齢、体重、状態或いは疾患
の程度によっても異なるが、通常、一日当たりの投与量
は、約0.01mg〜100mg、好ましくは0.01
mg〜10mgとするのが好ましい。
【0025】本発明の有効成分であるベンゼンスルホン
アミド誘導体〔I〕又はその薬理的に許容し得る塩は、
エンドセリン誘発尿道抵抗増加に対する優れた抑制作用
を示し、エンドセリンが関与する排尿障害(例えば、前
立腺肥大に伴う排尿障害)の予防・治療に有用である。
アミド誘導体〔I〕又はその薬理的に許容し得る塩は、
エンドセリン誘発尿道抵抗増加に対する優れた抑制作用
を示し、エンドセリンが関与する排尿障害(例えば、前
立腺肥大に伴う排尿障害)の予防・治療に有用である。
【0026】例えば、4−(2−ヒドロキシ−1,1−
ジメチルエチル)−N−〔6−{2−(5−ブロモピリ
ミジン−2−イルオキシ)エトキシ}−5−(4−メチ
ルフェニル)ピリミジン−4−イル〕ベンゼンスルホン
アミド・ナトリウム塩(1.5水和物)は、後記実験例
1に記載の通り、エンドセリン−1投与(0.4nmo
l/kg;静脈内投与)により尿道抵抗増加を惹起させ
たイヌを用いて検討した結果、本化合物投与(1mg/
kg;十二指腸内投与)により、エンドセリン−1誘発
尿道抵抗増加を完全に抑制した。
ジメチルエチル)−N−〔6−{2−(5−ブロモピリ
ミジン−2−イルオキシ)エトキシ}−5−(4−メチ
ルフェニル)ピリミジン−4−イル〕ベンゼンスルホン
アミド・ナトリウム塩(1.5水和物)は、後記実験例
1に記載の通り、エンドセリン−1投与(0.4nmo
l/kg;静脈内投与)により尿道抵抗増加を惹起させ
たイヌを用いて検討した結果、本化合物投与(1mg/
kg;十二指腸内投与)により、エンドセリン−1誘発
尿道抵抗増加を完全に抑制した。
【0027】この結果から、上記化合物等のベンゼンス
ルホンアミド誘導体〔I〕またはその薬理的に許容し得
る塩は、エンドセリン−1が関与する排尿障害治療に有
用である。
ルホンアミド誘導体〔I〕またはその薬理的に許容し得
る塩は、エンドセリン−1が関与する排尿障害治療に有
用である。
【0028】本発明の有効成分であるベンゼンスルホン
アミド誘導体〔I〕又はその薬理的に許容し得る塩は、
例えば、特開平9−59160記載の既知方法に準じ
て、一般式〔II〕:
アミド誘導体〔I〕又はその薬理的に許容し得る塩は、
例えば、特開平9−59160記載の既知方法に準じ
て、一般式〔II〕:
【0029】
【化4】
【0030】(但し、環A1は保護されたヒドロキシル
基で置換された低級アルキル基置換フェニル基を表し、
他の記号は前記と同一意味を表す。)で示される化合物
又はその塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩の如き無機酸塩、
ナトリウム塩の如きアルカリ金属塩、カルシウム塩の如
きアルカリ土類金属塩など)と一般式〔III〕:
基で置換された低級アルキル基置換フェニル基を表し、
他の記号は前記と同一意味を表す。)で示される化合物
又はその塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩の如き無機酸塩、
ナトリウム塩の如きアルカリ金属塩、カルシウム塩の如
きアルカリ土類金属塩など)と一般式〔III〕:
【0031】
【化5】
【0032】(但し、X1は反応性残基を表し、Rは前
記と同一意味を表す。)で示される化合物とを脱酸剤
(例えば、水素化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、水
酸化アルカリ金属等)の存在下で反応させ、環A1上の
保護されたヒドロキシル基から当該保護基(テトラヒド
ロピラニル基等の如きヒドロキシル基の慣用の保護基)
を常法により除去した後、所望により、生成物をその薬
理的に許容し得る塩に変換することにより製することが
できる。
記と同一意味を表す。)で示される化合物とを脱酸剤
(例えば、水素化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、水
酸化アルカリ金属等)の存在下で反応させ、環A1上の
保護されたヒドロキシル基から当該保護基(テトラヒド
ロピラニル基等の如きヒドロキシル基の慣用の保護基)
を常法により除去した後、所望により、生成物をその薬
理的に許容し得る塩に変換することにより製することが
できる。
【0033】上記化合物〔III〕において、反応性残
基X1としては、例えば塩素原子の如きハロゲン原子が
あげられる。
基X1としては、例えば塩素原子の如きハロゲン原子が
あげられる。
【0034】上記化合物〔II〕又はその塩と〔II
I〕との反応は、例えば適当な溶媒(例えば、テトラヒ
ドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムア
ミド等)中、室温〜150℃、とりわけ室温〜100℃
で実施することができる。
I〕との反応は、例えば適当な溶媒(例えば、テトラヒ
ドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムア
ミド等)中、室温〜150℃、とりわけ室温〜100℃
で実施することができる。
【0035】実験例 〔エンドセリン−1誘発尿道抵抗増加抑制作用〕 (方法)一夜絶食させた雄性雑種成犬(4頭;体重:1
0〜14kg)にペントバルビタール麻酔下(30mg
/kg,i.v.)で、両側の大腿静脈にポリエチレン
チューブを挿入した。麻酔状態は当該ポリエチレンチュ
ーブからペントバルビタールを持続注入(4.5mg/
kg)して維持し、動物用人口呼吸器で通気(毎分20
回、1回当たり15ml/kg)した。次いで、十二指
腸内に検体化合物を投与するためのポリエチレンチュー
ブを挿入した後、膀胱及び尿道起始部を露出させた。ま
た、尿が膀胱内に貯留することのないよう、両側の輸尿
管にシリコンチューブ付きポリエチレンチューブを挿入
し、尿の体外排出路を確保した。更に、腹側部及び背側
部の前立腺部尿道抵抗を測定するために、膀胱頂部を切
開し、2穴のオープンチップカテーテル(12Fr、C
LINY社製)を、膀胱体部を介して前立腺部尿道まで
挿入した。該カテーテルを尿道起始部及び膀胱体部で結
さつした後、その一端を三方活栓を介して圧トランデュ
ーサとシリンジポンプ(SP−25、テルモ社製)に連
結した。このカテーテルを通じて生理食塩水(37℃)
を持続注入(3ml/hr)することにより生じる灌流
圧の変化(尿道抵抗の変化、単位:mmHg)を歪み圧
力用アンプ(AP−621G、日本光電製)を介してリ
ニアコーダ(WR−3701、GRAPHTEC製)上
に記録した。
0〜14kg)にペントバルビタール麻酔下(30mg
/kg,i.v.)で、両側の大腿静脈にポリエチレン
チューブを挿入した。麻酔状態は当該ポリエチレンチュ
ーブからペントバルビタールを持続注入(4.5mg/
kg)して維持し、動物用人口呼吸器で通気(毎分20
回、1回当たり15ml/kg)した。次いで、十二指
腸内に検体化合物を投与するためのポリエチレンチュー
ブを挿入した後、膀胱及び尿道起始部を露出させた。ま
た、尿が膀胱内に貯留することのないよう、両側の輸尿
管にシリコンチューブ付きポリエチレンチューブを挿入
し、尿の体外排出路を確保した。更に、腹側部及び背側
部の前立腺部尿道抵抗を測定するために、膀胱頂部を切
開し、2穴のオープンチップカテーテル(12Fr、C
LINY社製)を、膀胱体部を介して前立腺部尿道まで
挿入した。該カテーテルを尿道起始部及び膀胱体部で結
さつした後、その一端を三方活栓を介して圧トランデュ
ーサとシリンジポンプ(SP−25、テルモ社製)に連
結した。このカテーテルを通じて生理食塩水(37℃)
を持続注入(3ml/hr)することにより生じる灌流
圧の変化(尿道抵抗の変化、単位:mmHg)を歪み圧
力用アンプ(AP−621G、日本光電製)を介してリ
ニアコーダ(WR−3701、GRAPHTEC製)上
に記録した。
【0036】尿道抵抗増加を惹起させるために、フェニ
レフリン(α1アゴニスト)又はエンドセリン−1の生
理食塩水溶液を、上記手術終了後60分以上経過した時
点で所定量を静脈内投与(容量:0.1ml/kg)し
た。
レフリン(α1アゴニスト)又はエンドセリン−1の生
理食塩水溶液を、上記手術終了後60分以上経過した時
点で所定量を静脈内投与(容量:0.1ml/kg)し
た。
【0037】検体化合物としては、4−(2−ヒドロキ
シ−1,1−ジメチルエチル)−N−〔6−{2−(5
−ブロモピリミジン−2−イルオキシ)エトキシ}−5
−(4−メチルフェニル)ピリミジン−4−イル〕ベン
ゼンスルホンアミド・ナトリウム塩・1.5水和物を用
いた(5%ヒドロキシプロピル−β−サイクリックデキ
ストランに溶解して投与した)。
シ−1,1−ジメチルエチル)−N−〔6−{2−(5
−ブロモピリミジン−2−イルオキシ)エトキシ}−5
−(4−メチルフェニル)ピリミジン−4−イル〕ベン
ゼンスルホンアミド・ナトリウム塩・1.5水和物を用
いた(5%ヒドロキシプロピル−β−サイクリックデキ
ストランに溶解して投与した)。
【0038】(結果)フェニレフリン(静脈内投与)
は、下記表1に示した通り、0.3μg/kgから用量
依存的に麻酔犬の前立腺部尿道抵抗を増加させ、同30
μg/kg投与時の前立腺部尿道抵抗増加の平均値は
4.9mmHgであった。
は、下記表1に示した通り、0.3μg/kgから用量
依存的に麻酔犬の前立腺部尿道抵抗を増加させ、同30
μg/kg投与時の前立腺部尿道抵抗増加の平均値は
4.9mmHgであった。
【0039】また、エンドセリン−1(静脈内投与)
は、下記表2に示した通り、0.05nmol/kgか
ら用量依存的な前立腺部尿道抵抗増加作用を示し、同
0.4〜0.8nmol/kgで最大値を示した(その
作用は、フェニレフリンのそれに比べて持続的であっ
た)。エンドセリン−1の0.4nmol/kg投与に
よる尿道抵抗増加の平均値は18.9mmHgであり、
フェニレフリン30μg/kg投与時のそれの約4倍で
あった。
は、下記表2に示した通り、0.05nmol/kgか
ら用量依存的な前立腺部尿道抵抗増加作用を示し、同
0.4〜0.8nmol/kgで最大値を示した(その
作用は、フェニレフリンのそれに比べて持続的であっ
た)。エンドセリン−1の0.4nmol/kg投与に
よる尿道抵抗増加の平均値は18.9mmHgであり、
フェニレフリン30μg/kg投与時のそれの約4倍で
あった。
【0040】一方、検体(1mg/kg、十二指腸内投
与)は、エンドセリン−1投与(0.4nmol/k
g)による尿道抵抗増加を完全に抑制した。この結果か
ら、本発明に係るベンゼンスルホンアミド誘導体(I)
又はその薬理的に許容し得る塩は、前立腺肥大に伴う排
尿障害の治療に有用であることがわかる。
与)は、エンドセリン−1投与(0.4nmol/k
g)による尿道抵抗増加を完全に抑制した。この結果か
ら、本発明に係るベンゼンスルホンアミド誘導体(I)
又はその薬理的に許容し得る塩は、前立腺肥大に伴う排
尿障害の治療に有用であることがわかる。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】製造例 (1)エチレングリコール(1.3L)にナトリウム
(35.65g)を23〜75℃で徐々に添加し、当該
混合物にN−〔6−クロロ−5−(4−メチルフェニ
ル)ピリミジン−4−イル〕−4−〔2−(2−テトラ
ヒドロピラニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル〕ベ
ンゼンスルホンアミド(160g)を4℃にて添加す
る。当該混合物を100℃で16時間攪拌した後、反応
混合物を室温まで冷却する。反応混合物を氷冷した飽和
塩化アンモニウム水溶液−酢酸エチル混液中に注ぎ、酢
酸エチルで抽出する。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、有
機層を無水硫酸ナトリウム及び活性炭で乾燥した後、セ
ライトろ過により固形物をろ去し、ろ液を減圧下で濃縮
する。残さを酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルにて
結晶化することにより、N−〔6−(2−ヒドロキシエ
トキシ)−5−(4−メチルフェニル)ピリミジン−4
−イル〕−4−〔2−(2−テトラヒドロピラニルオキ
シ)−1,1−ジメチルエチル〕ベンゼンスルホンアミ
ドの無色結晶80.26gを得る。また、母液を濃縮
後、酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルから再結晶
し、本品の結晶73.1gを得る。
(35.65g)を23〜75℃で徐々に添加し、当該
混合物にN−〔6−クロロ−5−(4−メチルフェニ
ル)ピリミジン−4−イル〕−4−〔2−(2−テトラ
ヒドロピラニルオキシ)−1,1−ジメチルエチル〕ベ
ンゼンスルホンアミド(160g)を4℃にて添加す
る。当該混合物を100℃で16時間攪拌した後、反応
混合物を室温まで冷却する。反応混合物を氷冷した飽和
塩化アンモニウム水溶液−酢酸エチル混液中に注ぎ、酢
酸エチルで抽出する。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、有
機層を無水硫酸ナトリウム及び活性炭で乾燥した後、セ
ライトろ過により固形物をろ去し、ろ液を減圧下で濃縮
する。残さを酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルにて
結晶化することにより、N−〔6−(2−ヒドロキシエ
トキシ)−5−(4−メチルフェニル)ピリミジン−4
−イル〕−4−〔2−(2−テトラヒドロピラニルオキ
シ)−1,1−ジメチルエチル〕ベンゼンスルホンアミ
ドの無色結晶80.26gを得る。また、母液を濃縮
後、酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルから再結晶
し、本品の結晶73.1gを得る。
【0044】m.p.137.0−138.0℃ (2)本品(80.0g)をテトラヒドロフラン(33
0ml)−ジメチルアセタミド(132ml)混液に溶
解し、当該溶液を水素化ナトリウム(60%油状分散
物、17.72g)のテトラヒドロフラン(330m
l)けん濁液に氷水冷却下で滴下する。該混合物に5−
ブロモ−2−クロロピリミジン(40.0g、オースト
ラリアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー、第17
巻、第794頁、1964年)を同温で添加した後、室
温で16時間攪拌する。反応混合物を氷−飽和塩化アン
モニウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機
層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、活性炭処理する。当該処理液から固形物を
セライトろ過により除去する。ろ液を減圧濃縮し、残さ
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロ
ロホルム:酢酸エチル=30:1〜20:1)で精製し
た後、酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルにて結晶化
することにより、N−〔6−{2−(5−ブロモピリミ
ジン−2−イルオキシ)エトキシ}−5−(4−メチル
フェニル)ピリミジン−4−イル〕−4−〔2−(2−
テトラヒドロピラニルオキシ)−1,1−ジメチルエチ
ル〕ベンゼンスルホンアミドの無色結晶91.83gを
得る。
0ml)−ジメチルアセタミド(132ml)混液に溶
解し、当該溶液を水素化ナトリウム(60%油状分散
物、17.72g)のテトラヒドロフラン(330m
l)けん濁液に氷水冷却下で滴下する。該混合物に5−
ブロモ−2−クロロピリミジン(40.0g、オースト
ラリアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー、第17
巻、第794頁、1964年)を同温で添加した後、室
温で16時間攪拌する。反応混合物を氷−飽和塩化アン
モニウム水溶液中に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機
層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥後、活性炭処理する。当該処理液から固形物を
セライトろ過により除去する。ろ液を減圧濃縮し、残さ
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液;クロ
ロホルム:酢酸エチル=30:1〜20:1)で精製し
た後、酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルにて結晶化
することにより、N−〔6−{2−(5−ブロモピリミ
ジン−2−イルオキシ)エトキシ}−5−(4−メチル
フェニル)ピリミジン−4−イル〕−4−〔2−(2−
テトラヒドロピラニルオキシ)−1,1−ジメチルエチ
ル〕ベンゼンスルホンアミドの無色結晶91.83gを
得る。
【0045】m.p.138.0−139.0℃ (3)本品(120g)、p−トルエンスルホン酸・1
水和物(39.21g)及びテトラヒドロフラン(95
0ml)−メタノール(190ml)−水(95ml)
混液とを混合し、該混合物を室温にて17時間攪拌す
る。該反応混合物を40〜60℃に加温しながら更に3
時間攪拌する。反応混合物を室温まで冷却し、室温にて
p−トルエンスルホン酸・1水和物(26.16g)を
添加する。該混合物を室温で2時間攪拌後、メタノール
(250ml)を加え、15分間環流する。反応混合物
を室温まで冷却し、炭酸水素ナトリウム(29.58
g)の水溶液を加えた後、減圧濃縮する。残さにジイソ
プロピルエーテル及び水を加え、生成した結晶をろ取
し、クロロホルム−テトラヒドロフラン混液に溶解し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮する。残さをメ
タノールに溶解後、冷却し、析出した結晶をろ取するこ
とにより、4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエ
チル)−N−〔6−{2−(5−ブロモピリミジン−2
−イルオキシ)エトキシ}−5−(4−メチルフェニ
ル)ピリミジン−4−イル〕−ベンゼンスルホンアミド
の無色結晶(67.67g)を得る。
水和物(39.21g)及びテトラヒドロフラン(95
0ml)−メタノール(190ml)−水(95ml)
混液とを混合し、該混合物を室温にて17時間攪拌す
る。該反応混合物を40〜60℃に加温しながら更に3
時間攪拌する。反応混合物を室温まで冷却し、室温にて
p−トルエンスルホン酸・1水和物(26.16g)を
添加する。該混合物を室温で2時間攪拌後、メタノール
(250ml)を加え、15分間環流する。反応混合物
を室温まで冷却し、炭酸水素ナトリウム(29.58
g)の水溶液を加えた後、減圧濃縮する。残さにジイソ
プロピルエーテル及び水を加え、生成した結晶をろ取
し、クロロホルム−テトラヒドロフラン混液に溶解し、
無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮する。残さをメ
タノールに溶解後、冷却し、析出した結晶をろ取するこ
とにより、4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエ
チル)−N−〔6−{2−(5−ブロモピリミジン−2
−イルオキシ)エトキシ}−5−(4−メチルフェニ
ル)ピリミジン−4−イル〕−ベンゼンスルホンアミド
の無色結晶(67.67g)を得る。
【0046】m.p.181.0−182.0℃ (4)本品(107.0g)のテトラヒドロフラン(1
000ml)−メタノール(200ml)けん濁液に2
8%ナトリウムメトキシド/メタノール(32.3g)
及びメタノール(200ml)の混合物をドライアイス
−アセトン冷却下で2時間かけて滴下する。当該混合物
を減圧下35℃で濃縮し、残さにメタノールを加えて環
流後、得られる溶液を結晶が析出し始めるまで減圧濃縮
する。該溶液を室温にて16時間攪拌した後、析出晶を
ろ取する。得られる結晶を70℃で減圧乾燥することに
より、4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチ
ル)−N−〔6−{2−(5−ブロモピリミジン−2−
イルオキシ)エトキシ}−5−(4−メチルフェニル)
ピリミジン−4−イル〕ベンゼンスルホンアミド・ナト
リウム塩の0.8メタノール和物(70.7g)を得る
(m.p.218−234℃(分解))。次いで、本品
を75〜80℃で4.5日間減圧乾燥した後、室温(常
圧)にて一夜放置することにより、4−(2−ヒドロキ
シ−1,1−ジメチルエチル)−N−〔6−{2−(5
−ブロモピリミジン−2−イルオキシ)エトキシ}−5
−(4−メチルフェニル)ピリミジン−4−イル〕ベン
ゼンスルホンアミド・ナトリウム塩・1.5水和物(7
0.74g、無色結晶)を得る。
000ml)−メタノール(200ml)けん濁液に2
8%ナトリウムメトキシド/メタノール(32.3g)
及びメタノール(200ml)の混合物をドライアイス
−アセトン冷却下で2時間かけて滴下する。当該混合物
を減圧下35℃で濃縮し、残さにメタノールを加えて環
流後、得られる溶液を結晶が析出し始めるまで減圧濃縮
する。該溶液を室温にて16時間攪拌した後、析出晶を
ろ取する。得られる結晶を70℃で減圧乾燥することに
より、4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチ
ル)−N−〔6−{2−(5−ブロモピリミジン−2−
イルオキシ)エトキシ}−5−(4−メチルフェニル)
ピリミジン−4−イル〕ベンゼンスルホンアミド・ナト
リウム塩の0.8メタノール和物(70.7g)を得る
(m.p.218−234℃(分解))。次いで、本品
を75〜80℃で4.5日間減圧乾燥した後、室温(常
圧)にて一夜放置することにより、4−(2−ヒドロキ
シ−1,1−ジメチルエチル)−N−〔6−{2−(5
−ブロモピリミジン−2−イルオキシ)エトキシ}−5
−(4−メチルフェニル)ピリミジン−4−イル〕ベン
ゼンスルホンアミド・ナトリウム塩・1.5水和物(7
0.74g、無色結晶)を得る。
【0047】m.p.202−243℃(分解) 水分含量(カール・フィッシャー法):4.34% 参考例1 (2−アセトキシ−1,1−ジメチルエチル)ベンゼン
(ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、第
23巻、920頁、1958年)のメチレンクロリド溶
液に5〜20℃で発煙硫酸を滴下し、次いでチオニルク
ロリドを10〜12℃で滴下した後、室温で18時間攪
拌する。反応混合物を氷水中に注ぎ、酢酸エチルを加え
る。メチレンクロリドを留去し、残さに酢酸エチルを加
える。該混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水
で洗浄する。該有機層にアンモニア水を10〜18℃で
滴下し、同温度で1時間攪拌する。反応混合物を減圧濃
縮し、残さに水を加える。該混合物を濃塩酸で酸性と
し、析出した結晶をろ取し、水洗し、減圧乾燥する。残
さをクロロホルムにて結晶化することにより、4−(2
−アセトキシ−1,1−ジメチルエチル)ベンゼンスル
ホンアミドの結晶を得る。
(ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー、第
23巻、920頁、1958年)のメチレンクロリド溶
液に5〜20℃で発煙硫酸を滴下し、次いでチオニルク
ロリドを10〜12℃で滴下した後、室温で18時間攪
拌する。反応混合物を氷水中に注ぎ、酢酸エチルを加え
る。メチレンクロリドを留去し、残さに酢酸エチルを加
える。該混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を食塩水
で洗浄する。該有機層にアンモニア水を10〜18℃で
滴下し、同温度で1時間攪拌する。反応混合物を減圧濃
縮し、残さに水を加える。該混合物を濃塩酸で酸性と
し、析出した結晶をろ取し、水洗し、減圧乾燥する。残
さをクロロホルムにて結晶化することにより、4−(2
−アセトキシ−1,1−ジメチルエチル)ベンゼンスル
ホンアミドの結晶を得る。
【0048】m.p.156−158℃ 参考例2 (1)4,6−ジクロロ−5−(4−メチルフェニル)
ピリミジン(10.0g)、4−(2−アセトキシ−
1,1−ジメチルエチル)ベンゼンスルホンアミド(1
1.58g)、炭酸カリウム(14.45g)及びジメ
チルスルホキシド(50ml)の混合物を75℃(内温)
で3時間攪拌し、該混合物に更に4−(2−アセトキシ
−1,1−ジメチルエチル)ベンゼンスルホンアミド
(0.34g)を添加する。該混合物を70〜75℃で
1.5時間攪拌し、反応混合物を冷却後、氷100gと
濃塩酸(60ml)との混合物に注ぎ、酢酸エチルで抽
出する。有機層を洗浄、乾燥後、減圧濃縮する。残さを
酢酸エチル−ジイソプロピルエーテル混液から結晶化す
ることにより、4−(2−アセトキシ−1,1−ジメチ
ルエチル)−N−{6−クロロ−5−(4−メチルフェ
ニル)ピリミジン−4−イル}ベンゼンスルホンアミド
の無色針状晶(14.97g)を得る。
ピリミジン(10.0g)、4−(2−アセトキシ−
1,1−ジメチルエチル)ベンゼンスルホンアミド(1
1.58g)、炭酸カリウム(14.45g)及びジメ
チルスルホキシド(50ml)の混合物を75℃(内温)
で3時間攪拌し、該混合物に更に4−(2−アセトキシ
−1,1−ジメチルエチル)ベンゼンスルホンアミド
(0.34g)を添加する。該混合物を70〜75℃で
1.5時間攪拌し、反応混合物を冷却後、氷100gと
濃塩酸(60ml)との混合物に注ぎ、酢酸エチルで抽
出する。有機層を洗浄、乾燥後、減圧濃縮する。残さを
酢酸エチル−ジイソプロピルエーテル混液から結晶化す
ることにより、4−(2−アセトキシ−1,1−ジメチ
ルエチル)−N−{6−クロロ−5−(4−メチルフェ
ニル)ピリミジン−4−イル}ベンゼンスルホンアミド
の無色針状晶(14.97g)を得る。
【0049】m.p.188.0−189.0℃ (2)本品(20.0g)にテトラヒドロフラン(60
ml)−メタノール(60ml)混液にけん濁し、当該
けん濁液に4N水酸化ナトリウム水溶液(52.8m
l)を氷水冷却下で滴下する。該混合物を同温度で1時
間攪拌し、反応液を濃塩酸で中和した後、酢酸エチルで
抽出する。有機層を洗浄、乾燥後、減圧濃縮する。残さ
を酢酸エチルに溶解し、該溶液を常圧で濃縮する。該濃
縮液をn−ヘキサンで希釈した後、室温にて放置し、析
出晶をろ取し、洗浄することにより、N−{6−クロロ
−5−(4−メチルフェニル)ピリミジン−4−イル}
−4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ベ
ンゼンスルホンアミドの無色針状晶(17.31g)を
得る。
ml)−メタノール(60ml)混液にけん濁し、当該
けん濁液に4N水酸化ナトリウム水溶液(52.8m
l)を氷水冷却下で滴下する。該混合物を同温度で1時
間攪拌し、反応液を濃塩酸で中和した後、酢酸エチルで
抽出する。有機層を洗浄、乾燥後、減圧濃縮する。残さ
を酢酸エチルに溶解し、該溶液を常圧で濃縮する。該濃
縮液をn−ヘキサンで希釈した後、室温にて放置し、析
出晶をろ取し、洗浄することにより、N−{6−クロロ
−5−(4−メチルフェニル)ピリミジン−4−イル}
−4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)ベ
ンゼンスルホンアミドの無色針状晶(17.31g)を
得る。
【0050】m.p.227−228℃ (3)本品(142.89g)のメチレンクロリドけん
濁液にジヒドロピラン(39ml)及びカンファースル
ホン酸(1.54g)を室温下で添加し、該混合物を同
温にて30分間攪拌する。反応混合物に飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液(9ml)を加え、溶媒を留去する。残
さに酢酸エチル(2L)を加え、析出晶をろ取し、水洗
する。上記酢酸エチル層を洗浄、乾燥した後、減圧濃縮
する。残さと上記で得られた結晶を合わせ、クロロホル
ム−テトラヒドロフランに溶解し、乾燥後、該溶液を減
圧濃縮する。残さをクロロホルム−ジイソプロピルエー
テルにて結晶化することにより、N−〔6−クロロ−5
−(4−メチルフェニル)ピリミジン−4−イル〕−4
−〔2−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1,1
−ジメチルエチル〕ベンゼンスルホンアミドの無色結晶
(158.59g)を得る。
濁液にジヒドロピラン(39ml)及びカンファースル
ホン酸(1.54g)を室温下で添加し、該混合物を同
温にて30分間攪拌する。反応混合物に飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液(9ml)を加え、溶媒を留去する。残
さに酢酸エチル(2L)を加え、析出晶をろ取し、水洗
する。上記酢酸エチル層を洗浄、乾燥した後、減圧濃縮
する。残さと上記で得られた結晶を合わせ、クロロホル
ム−テトラヒドロフランに溶解し、乾燥後、該溶液を減
圧濃縮する。残さをクロロホルム−ジイソプロピルエー
テルにて結晶化することにより、N−〔6−クロロ−5
−(4−メチルフェニル)ピリミジン−4−イル〕−4
−〔2−(2−テトラヒドロピラニルオキシ)−1,1
−ジメチルエチル〕ベンゼンスルホンアミドの無色結晶
(158.59g)を得る。
【0051】m.p.141.0−143.5℃
Claims (5)
- 【請求項1】 一般式〔I〕: 【化1】 (但し、環Aはヒドロキシ低級アルキル基置換フェニル
基、環Bは低級アルキル基置換フェニル基、Alkは低
級アルキレン基、Rは置換されていてもよい含窒素6員
芳香族複素単環式基を表す。)で示される化合物又はそ
の薬理的に許容し得る塩を有効成分としてなる排尿障害
予防・治療剤。 - 【請求項2】 Rがハロゲン原子で置換された含窒素
6員芳香族複素単環式基である請求項1記載の排尿障害
予防・治療剤。 - 【請求項3】 含窒素6員芳香族複素単環式基がピリ
ミジニル基である請求項1又は2記載の排尿障害予防・
治療剤。 - 【請求項4】 環Aがヒドロキシ−C1-4アルキル基
置換フェニル基、環BがC1-4アルキル基置換フェニル
基、Alkがエチレン基、及びRが臭素原子で置換された
ピリミジニル基である化合物を有効成分とする請求項3
記載の排尿障害予防・治療剤。 - 【請求項5】 4−(2−ヒドロキシ−1,1−ジメ
チルエチル)−N−〔6−{2−(5−ブロモピリミジ
ン−2−イルオキシ)エトキシ}−5−(4−メチルフ
ェニル)ピリミジン−4−イル〕ベンゼンスルホンアミ
ド又はその薬理的に許容し得る塩を有効成分としてな
る、排尿障害の予防・治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8069699A JPH11343239A (ja) | 1998-03-31 | 1999-03-25 | 排尿障害の予防・治療剤 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-86012 | 1998-03-31 | ||
JP8601298 | 1998-03-31 | ||
JP8069699A JPH11343239A (ja) | 1998-03-31 | 1999-03-25 | 排尿障害の予防・治療剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11343239A true JPH11343239A (ja) | 1999-12-14 |
Family
ID=26421670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8069699A Pending JPH11343239A (ja) | 1998-03-31 | 1999-03-25 | 排尿障害の予防・治療剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11343239A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004509874A (ja) * | 2000-09-25 | 2004-04-02 | アクテリオン ファマシューティカルズ リミテッド | 新規なアリールアルカン−スルフォンアミド類 |
-
1999
- 1999-03-25 JP JP8069699A patent/JPH11343239A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004509874A (ja) * | 2000-09-25 | 2004-04-02 | アクテリオン ファマシューティカルズ リミテッド | 新規なアリールアルカン−スルフォンアミド類 |
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Legal Events
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20040427 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041012 |