JPH11342562A - 高機能性表面処理膜及びその製造方法 - Google Patents
高機能性表面処理膜及びその製造方法Info
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- JPH11342562A JPH11342562A JP15098598A JP15098598A JPH11342562A JP H11342562 A JPH11342562 A JP H11342562A JP 15098598 A JP15098598 A JP 15098598A JP 15098598 A JP15098598 A JP 15098598A JP H11342562 A JPH11342562 A JP H11342562A
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Abstract
ールの発生により塗膜の耐久性が悪くなる、基材表面の
光沢が劣化する、透明性が悪くなる等の問題を有してい
た。また、化学吸着単分子膜は、塗膜の耐久性、透明性
には優れるものの、防汚性以外の他の機能性(例えば、
抗菌性)を付加しようとした場合、その膜厚が数nmであ
ることから機能性を有する添加剤(例えば、抗菌剤)を
担持できない等の問題を有していた。 【解決手段】 基材1表面に抗菌性を有する下層膜2
と、防汚性を有する化学吸着膜3とを設けることを特徴
とする高機能性表面処理膜とする。また、基材表面に抗
菌性を有する下層膜を形成する工程と、防汚性を有する
化学吸着膜を形成する工程とを有することを特徴とする
高機能性表面処理膜の製造方法とする。
Description
なわち防汚性と抗菌性を併せ持つ高機能性表面処理膜に
関するものである。
法として、フッ素ポリマーを塗布焼き付けたり、フロロ
カーボン系の化学吸着単分子膜を形成する方法が提案さ
れている(特開平8−188448号公報参照)。ま
た、フッ素ポリマー中に抗菌剤を分散させ塗布焼き付け
る方法で、抗菌性と防汚性を兼ね備えた表面処理膜も提
案されている。
ーを塗布する方法では、ピンホールの発生により塗膜の
耐久性が悪くなる、基材表面の光沢が劣化する、透明性
が悪くなる等の問題を有していた。また、化学吸着単分
子膜は、塗膜の耐久性、透明性には優れるものの、防汚
性以外の他の機能性(例えば、抗菌性)を付加しようと
した場合、その膜厚が数nmであることから機能性を有す
る添加剤(例えば、抗菌剤)を担持できない等の問題を
有していた。
ので、抗菌性・防汚性を有する高機能性表面処理膜を提
供することを第一の目的とする。また、前記高機能性表
面処理膜の製造方法を提供することを第二の目的とす
る。
るために本発明の高機能性表面処理膜は、基材表面に抗
菌性を有する下層膜と、防汚性を有する化学吸着膜とを
設けることを特徴とする高機能性表面処理膜とする。こ
の構成により、耐久性、透明性に優れた抗菌性・防汚性
を有する表面処理膜を実現できる。
の高機能性表面処理膜の製造方法として、基材表面に抗
菌性を有する下層膜を形成する工程と、防汚性を有する
化学吸着膜を形成する工程とを有することを特徴とする
高機能性表面処理膜の製造方法とする。この方法によ
り、上記高機能性表面処理膜を簡単且つ確実に形成する
ことができる。
基材表面に抗菌剤を有する下層膜と防汚性を有する化学
吸着膜を設けることを特徴とする高機能性表面処理膜で
あり、この構成により、金属酸化物膜に含まれる抗菌剤
が下層に含まれているにも関わらず、フッ化アルキル系
化学吸着膜の膜厚が非常に薄いために、十分にその抗菌
効果を発揮できる。
能性表面処理膜の製造方法である。本発明の請求項3に
記載の発明は、下層膜を形成する工程が、金属アルコキ
シドに抗菌剤を分散させることにより金属酸化物膜を形
成する工程からなる前記高機能性表面処理膜の製造方法
であり、この構成により抗菌剤を金属酸化物膜に分散す
ることができ、抗菌性を有する表面処理膜を提供でき
る。フッ化アルキル系化学吸着膜のみでは1分子層から
なるため劣化を起こしやすいが、下層に金属酸化物を設
けることで耐久性を向上することが可能となる。
の割合が金属アルコキシドに対し重量分率にして0.5%〜
5%であることを特徴とする高機能性表面処理膜の製造方
法であり、この範囲で抗菌剤を添加することにより、抗
菌効果を十分に発揮し、基材への密着性も良好な金属酸
化物下層膜を形成することができる。
学吸着膜を形成する工程が、抗菌剤を分散した金属酸化
物膜表面の活性水素と一端にCF3基を有し多端にクロロ
シリル基またはアルコキシル基を有するシラン系界面活
性剤を縮合反応させ、フッ化アルキル系化学吸着膜を形
成する工程からなる前記高機能性表面処理膜の製造方法
である。この構成により、アンカー効果により密着して
いるフッ素ポリマーの塗膜に比べ耐久性に優れる。更
に、膜厚が非常に薄いため透明性に優れ、基材表面の光
沢を損なうことがない。
照しながら説明する。図1において、本発明の高機能性
表面処理膜は、基材1(ガラス、ステンレス、陶磁器な
ど)の表面に抗菌剤を分散した金属酸化物膜からなる下
層2を設け、更にその表面に化学結合により吸着したフ
ッ化アルキル系化学吸着膜3を設けて形成しているもの
である。
液に重量分率で0%〜5%となるように分散し、その中に基
材を浸漬した後引き上げるディップ法により塗布後、焼
成する。抗菌剤としては、銀、銅等を含む無機系抗菌剤
を用いる。抗菌剤の最適混合比は抗菌剤によって異なる
が、金属アルコキシドに対し重量分率で0%〜5%含有すれ
ば十分に抗菌性を発揮することができる。5%以上加えた
場合には、金属酸化物膜の密着性が劣るという問題を生
じる。例えば、東京応化工業(株)のSi-P-Film中に大
同特殊鋼(株)の銀テックを分散させた溶液をディップ
法により塗布後、400℃で15分焼成することでシリカ層
を形成する。
下の方法で形成する。フッ化アルキル基を含むシラン系
界面活性剤として一般式(化3)、(化4)を用いる。
ッ化炭素系溶媒に1wt%溶解した溶液に10分程度浸漬し、
その後有機溶剤で洗浄することなく、そのまま水分をほ
とんど含まない(好ましくは相対湿度5%以下)雰囲気中
で溶媒を蒸発させ乾燥させる。この段階で、一部のシラ
ン系界面活性剤は、下層膜表面の水酸基と反応してシロ
キサン結合を生じ、基材表面に固定される。その後、基
材を水分を含む(相対湿度程度30%以上)雰囲気中に移
すと、下層膜表面に固定されたシラン系界面活性剤の未
反応の活性基が空気中の水分と反応しポリマー化する。
このようにして形成した塗膜はシロキサン結合で下層膜
表面に固定されるため、きわめて撥水撥油性、耐久性に
優れている。
面に作製した高機能性表面処理膜についての実験結果に
ついて示す。
に対する濡れ角度を測定した。この結果、濡れ角度は11
6°であり、フッ素樹脂の代表的な材料であるポリ4フ
ッ化エチレンに相当する非常に優れた撥水性・撥油性を
有するものである。
加速評価した。従来の表面処理である、下層膜を設けず
フッ化アルキル系化学吸着単分子膜を設けたものと比較
した結果を図2に示す。下層膜を設けない場合には100
時間経過した後の接触角は52°まで低下しているが、下
層膜を設けた場合には、100時間経過した後でも100°以
上を保っており、防汚性を十分に発揮できる。すなわ
ち、従来に比べ耐久性に改善が見られた。
腸菌および黄色ブドウ球菌)について実施した。抗菌試
験は次に示す方法で行った。試験菌の数が105〜106個/
mlとなるよう調製した菌液をサンプル表面に滴下し、フ
ィルムをのせ密着させる。35℃、相対湿度90%の状態に
24時間静置した後、菌液を回収して標準寒天培地にて35
℃、相対湿度90%で培養する。測定した菌数を(表1)
に示す。
た場合には菌数が0に減少しており、抗菌効果が認めら
れる。また、下層膜の上にフッ化アルキル系化学吸着膜
を処理した場合についても同様の抗菌効果が認められ
る。
その表面に化学結合したフッ化アルキル系化学吸着膜を
設けた表面処理により、防汚性・抗菌性の両方を併せ持
つことができる。
の発明によれば、耐久性、透明性に優れた抗菌性・防汚
性を有する表面処理膜を実現できる。更に、その透明性
により基材表面の特徴を生かすことができ、特にステン
レス基材に用いた場合、従来のフッ素樹脂による黒色の
防汚コーティングに比べ、熱線反射率の向上も実現でき
る。
高機能性表面処理膜を簡単且つ確実に形成することがで
きる。
剤を担持し、且つ緻密性に優れた下膜層を形成すること
ができる。これにより、抗菌効果だけではなく、基材の
保護膜としても有効に働き、特に、ガラス基材に用いた
場合、基材からのアルカリ分溶出による膜劣化を防ぐこ
とが可能となる。
層の密着性を損なうことなく、抗菌効果を十分に発揮で
きる量の抗菌剤を担持させることができる。
のフッ素樹脂コーティングのような焼成を必要とせず、
室温において、耐久性に優れた防汚性を有する高機能性
表面処理膜を簡単且つ確実に形成することができる。
分子が基材にほぼ垂直に配向した化学吸着膜を形成する
ことができる。これにより、防汚性を発現するCF3基
が最も表面に現れ、より防汚性に優れた高機能性表面処
理膜を形成することができる。
300℃耐熱試験における水に対する接触角の変化を示す
図
Claims (6)
- 【請求項1】 基材表面に抗菌性を有する下層膜と、防
汚性を有する化学吸着膜とを設けることを特徴とする高
機能性表面処理膜。 - 【請求項2】 基材表面に抗菌性を有する下層膜を形成
する工程と、防汚性を有する化学吸着膜を形成する工程
とを有することを特徴とする高機能性表面処理膜の製造
方法。 - 【請求項3】 下層膜を形成する工程が、金属アルコキ
シドに抗菌剤を分散した溶液を塗布することにより金属
酸化物膜を形成する工程からなる請求項2に記載の高機
能性表面処理膜の製造方法。 - 【請求項4】 抗菌剤の割合が、金属アルコキシドに対
して重量分率にして0.1%〜5%であることを特徴とす
る請求項3に記載の高機能性表面処理膜の製造方法。 - 【請求項5】 化学吸着膜を形成する工程が、前記下層
膜の活性水素と一端にCF3基を有し他端にクロロシリ
ル基またはアルコキシシリル基を有するシラン系界面活
性剤を縮合反応させる工程と、化学吸着膜を形成する工
程からなる請求項2または請求項3に記載の高機能性表
面処理膜の製造方法。 - 【請求項6】 一端にCF3基を有し、他端にクロロシ
リル基またはアルコキシシリル基を有するシラン系界面
活性剤が、(化1)または(化2)から選ばれる少なく
とも一つを含む請求項5に記載の高機能性表面処理膜の
製造方法。 【化1】 【化2】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15098598A JP3932671B2 (ja) | 1998-06-01 | 1998-06-01 | 高機能性表面処理膜及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11342562A true JPH11342562A (ja) | 1999-12-14 |
JP3932671B2 JP3932671B2 (ja) | 2007-06-20 |
Family
ID=15508774
Family Applications (1)
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JP15098598A Expired - Fee Related JP3932671B2 (ja) | 1998-06-01 | 1998-06-01 | 高機能性表面処理膜及びその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3932671B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003138386A (ja) * | 2001-08-21 | 2003-05-14 | Kobe Steel Ltd | 抗菌性および/または防藻性に優れた部材、並びにその製造方法 |
KR101682144B1 (ko) * | 2016-05-20 | 2016-12-02 | 로움하이텍 주식회사 | 유기규소화합물 및 이를 포함하는 방오성 코팅용 조성물 |
WO2022224892A1 (ja) * | 2021-04-20 | 2022-10-27 | 富士フイルム株式会社 | 積層体 |
-
1998
- 1998-06-01 JP JP15098598A patent/JP3932671B2/ja not_active Expired - Fee Related
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WO2022224892A1 (ja) * | 2021-04-20 | 2022-10-27 | 富士フイルム株式会社 | 積層体 |
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