JPH11342335A - 炭化水素の改質用触媒の製造方法 - Google Patents

炭化水素の改質用触媒の製造方法

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JPH11342335A
JPH11342335A JP15154798A JP15154798A JPH11342335A JP H11342335 A JPH11342335 A JP H11342335A JP 15154798 A JP15154798 A JP 15154798A JP 15154798 A JP15154798 A JP 15154798A JP H11342335 A JPH11342335 A JP H11342335A
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Akiyoshi Asaki
明美 浅木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒成分の表面積に対する割合を増大を増大
し炭化水素の改質効率が向上する炭化水素の改質用触媒
の製造方法を提供する。 【解決課題】 アルミナおよびマグネシアの主要原料に
酸化ニッケルを湿式で混合し乾燥後に粉砕した混合物
を、結合材を添加して有機性の核とともに造粒する。造
粒した成型体に通孔3を表面から核5に亘って径方向に
穿設し、核5も破砕して除去する。成型体を仮焼後に焼
成して内部空間2を有した中空の担体を形成する。硝酸
ニッケルおよび希土類元素化合物を含有する溶液中に担
体を浸漬して含浸させた後乾燥する。担体を再び焼成
し、改質用触媒を形成する。触媒成分を担持し改質活性
を有する担体に触媒成分を含浸するので、表面積全体に
対する触媒成分の割合を増大でき、改質効果が向上でき
る。内部空間に連通する通孔により、含浸時間を短縮で
き製造性を向上でき、表面積を増大でき、軽量化でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化ニッケル、酸
化コバルトおよび酸化モリブデンの少なくともいずれか
を含有し炭化水素を改質する多孔質の炭化水素の改質用
触媒の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば都市ガスなどのガスの製造
をはじめとして、各種の石油化学プラントでは、様々な
改質用触媒が使用されている。
【0003】この改質用触媒は、ニッケル(Ni)、モ
リブデン(Mo)、コバルト(Co)などの触媒成分を
そのまま使用することは少なく、触媒成分の溶液を耐久
性のある多孔質の触媒担体に含浸させることによって、
触媒担体の多数の微細な空孔の内面を含む広い面積に触
媒成分を付着させ、反応炉の中に大量に充填して使用す
る際に、触媒成分の表面積の増加、形状保持などの安定
性の確保、経済性の確保などを図っている。
【0004】この多孔質の触媒担体は、例えば特公昭4
5−30695号公報、特公昭45−21373号公
報、および、特開平4−341347号公報に記載のよ
うに、アルミナ(Al2 3 )、シリカ(SiO2 )、
マグネシア(MgO)などの粒子状の原料を結合材とと
もに所定の形状、例えば有機質の核とともに造粒して核
の表面に層状に付着させて球形に成形し、これを焼結す
ることによって、中空状に製造している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公昭45−30695号公報、特公昭45−21373
号公報、および、特開平4−341347号公報に記載
の従来の触媒担体では、多孔質であっても、内部まで十
分に触媒成分の溶液を含浸させることが困難で、溶液の
含浸が外周面の近傍にとどまり、触媒成分の表面積に対
する割合が不十分となるおそれがある問題がある。
【0006】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、触媒成分の表面積に対する割合を増大し炭化水素
の改質効率が向上する炭化水素の改質用触媒の製造方法
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の炭化水素
の改質用触媒の製造方法は、アルミナを主成分とする主
要原料にニッケル化合物、コバルト化合物およびモリブ
デン化合物の少なくともいずれかを添加して混合し、こ
の混合により得られた混合物を用いて成型した後、この
成型により得られた成型体にニッケル化合物、コバルト
化合物およびモリブデン化合物の少なくともいずれかを
含有する溶液を含浸させて焼成するものである。
【0008】そして、アルミナを主成分とする主要原料
にニッケル化合物、コバルト化合物およびモリブデン化
合物の少なくともいずれかを添加して混合した混合物を
成型した後、成型体にニッケル化合物、コバルト化合物
およびモリブデン化合物の少なくともいずれかを含有す
る溶液を含浸させて焼成するため、触媒成分を担持する
担体の主要原料にあらかじめ触媒成分のニッケル化合
物、コバルト化合物およびモリブデン化合物の少なくと
もいずれかを添加して得た混合物を用いて担体となる成
型体を成型した後、触媒成分のニッケル化合物および希
土類元素化合物の少なくともいずれかを含有する溶液を
含浸させて焼成するため、改質用触媒の表面積全体に対
する触媒成分の割合が増大し、得られた改質用触媒の炭
化水素の改質効率が向上する。
【0009】請求項2記載の炭化水素の改質用触媒の製
造方法は、請求項1記載の炭化水素の改質用触媒の製造
方法において、成型体に含浸する溶液は、希土類元素化
合物を含有するものである。
【0010】そして、成型体にニッケル化合物、コバル
ト化合物およびモリブデン化合物の少なくともいずれか
とともに希土類元素化合物を含浸させるため、焼成後の
耐熱性が向上する。
【0011】請求項3記載の炭化水素の改質用触媒の製
造方法は、請求項1または2記載の炭化水素の改質用触
媒の製造方法において、成型に用いる混合物は、主要原
料にニッケル化合物、コバルト化合物およびモリブデン
化合物の少なくともいずれかを添加して湿式混合した
後、乾燥して粉粒状に粉砕したものを用いるものであ
る。
【0012】そして、主要原料に触媒成分のニッケル化
合物、コバルト化合物およびモリブデン化合物の少なく
ともいずれかを添加して湿式混合した後に乾燥し、粉粒
状に粉砕して成型体を成型するため、ニッケル化合物が
成型体に略均一に分散し、表面積全体に対する触媒成分
の割合が増大し、炭化水素の改質効率が向上する。
【0013】請求項4記載の炭化水素の改質用触媒の製
造方法は、請求項1ないし3いずれか一記載の炭化水素
の改質用触媒の製造方法において、成型体を焼成した後
に溶液を含浸させるものである。
【0014】そして、成型体を焼成した後に溶液を含浸
させるため、成型体の強度が増大して保形性が向上し、
溶液の含浸の際に成型体が損傷することを防止する。
【0015】請求項5記載の炭化水素の改質用触媒の製
造方法は、請求項1ないし4いずれか一記載の炭化水素
の改質用触媒の製造方法において、成型は、混合物を有
機質の核とともに造粒して前記核の表面に層状に担持
し、溶液を含浸する前に前記核を除去するものである。
【0016】そして、混合物を有機質の核とともに造粒
して核の表面に層状に担持して成型し、得られた成型体
に溶液を含浸する前に核を除去するため、内部に空間が
形成され、表面積が増大して炭化水素の改質効率が向上
するとともに、軽量化して取扱性が向上し、材料コスト
も低減する。
【0017】請求項6記載の炭化水素の改質用触媒の製
造方法は、請求項5記載の炭化水素の改質用触媒の製造
方法において、溶液を含浸する前の成型体に外周面と核
とに連通する通孔を穿設するものである。
【0018】そして、溶液を含浸する前の成型体に外周
面と核とに連通する通孔を穿設するため、核により内部
に形成される空間と外部とが確実に連通し、溶液の含浸
が短時間で容易にでき、製造性が向上するとともに、表
面積全体に対する触媒成分の割合が増大し、炭化水素の
改質効率が向上する。
【0019】請求項7記載の炭化水素の改質用触媒の製
造方法は、請求項6記載の炭化水素の改質用触媒の製造
方法において、通孔は、成型体を貫通して穿設するもの
である。
【0020】そして、成型体を貫通して通孔を穿設する
ため、内部の空間と外部とを連通する通孔を容易に形成
できるとともに、通孔を介して内部の空間を流通する抵
抗が低減し、炭化水素の改質の際の圧力損失が低減す
る。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の炭化水素の改質用
触媒を図面を参照して説明する。
【0022】図2において、1は改質用触媒で、この改
質用触媒1は、アルミナ(Al2 3 )およびマグネシ
ア(MgO)を主要原料として、触媒成分であるニッケ
ル化合物としての酸化ニッケル(NiO)を含有し、例
えば外径が16mm〜18mm程度の球状で、液体や気体が
流通可能な多数の微細な気孔を有する多孔質に形成され
ている。そして、この改質用触媒1は、内部に空間であ
る内部空間2が設けた中空状に形成されている。さら
に、改質用触媒1には、表面から内部空間2に連通する
略円形の通孔3,3が径方向に連通して穿設されてい
る。
【0023】次に、上記改質用触媒の製造工程を図1を
参照して説明する。
【0024】まず、例えば高純度のアルミナクリンカの
微粉や水酸化アルミニウムを酸化物であるAl2 3
算で約65重量%以上、水酸化マグネシウムを酸化物で
あるMgO換算で約15重量%以下、ニッケル化合物と
しての酸化ニッケルを5重量%以上20重量%以下、好
ましくは15重量%で配合して、水酸化ナトリウム(N
aOH)水溶液により例えばpH9まで共沈混合する
(ステップ1)。ここで、アルミナが65重量%より少
なくなると、耐熱性および強度が低下するため、アルミ
ナとして65重量%以上含有するように配合する。ま
た、マグネシアが15重量%より多くなると、低融点化
合物を生成し、耐熱性が低下するとともに、触媒成分と
反応して触媒能力を有しない化合物が生成され、触媒能
力である改質活性が低下するため、マグネシアとして1
5重量%以下で含有する。さらに、酸化ニッケルが5重
量%より少なくなると、触媒の活性低下が生じ、20重
量%より多くなると、アルミナおよびマグネシアと反応
して低融点化合物を生成して耐熱性が低下するととも
に、後述する焼成の際に気孔が閉塞して緻密化するた
め、酸化ニッケルを5重量%以上20重量%以下、好ま
しくは15重量%で配合する。
【0025】この後、水洗して中性とし(ステップ
2)、フィルタプレスなどにて脱水濾過して水分を50
%〜60%除去し(ステップ3)、得られた泥状物を乾
燥する(ステップ4)。そして、乾燥により得られた塊
状物を例えば1メッシュの篩を全通する粉粒状に粉砕し
て混合物を得る(ステップ5)。ここで、1メッシュの
篩を全通する程度に粉砕することにより、得られる混合
物の粒度が荒く、後述する焼成後の気孔形状や気孔径な
どの多孔質状態が良好なものとなるとともに、成型体1a
の成型後の強度が向上するためである。
【0026】次に、パン造粒機を用いて、混合物に、
水、澱粉、セルロース、カルボキシメチルセルロース、
デキストリンなどの各種結合材を外配合で例えば1重量
%以上6重量%以下添加するとともに、有機性の核5を
投入して混合して造粒する(ステップ6)。なお、この
核5は、例えば樹脂や木屑などの有機性材料にて径寸法
が約6mm程度の球体に形成されたものである。この核5
との混合により、核5の回りに混合物が結合材により層
状に付着して造粒される。そして、直径が約16mm〜1
8mm程度となった時点で造粒を停止し、この造粒により
得られた成型体1aを例えば200℃で2時間乾燥する
(ステップ7)。
【0027】ここで、直径が約16mm〜18mm程度に造
粒する点は、通常都市ガスなどの改質に用いられる改質
用触媒1が充填される反応塔は、内径が100mm程度で
あり、通気性や流通抵抗などにより、改質用触媒1の直
径が約16mm〜18mm程度に造粒する。また、径寸法が
約6mm程度の核5を用いる点については、外径が約16
mm〜18mm程度となることから、肉厚が5mm程度とな
り、所定の強度が得られるとともに、内部空間2の体積
が増大して表面積の増大および重量の低減が得られるた
めである。なお、結合材の添加量は、造粒中の湿度や気
温、造粒時間などの雰囲気により適宜設定される。
【0028】この後、図3に示すように、乾燥した成型
体1aに例えばコアドリルなどにより直径が約3.8mmの
円筒状の通孔3を表面から核5に亘って径方向に穿設す
る(ステップ8)。ここで、通孔3の直径は、成型体1a
の直径の10%〜30%とする。すなわち、30%より
大きくなると強度が低下し、10%より小さいと表面積
の増大が望めないため、通孔3の穿設により強度の低下
を抑制できるとともに表面積を増大できる成型体1aの直
径の10%〜30%で形成する。また、この通孔3の穿
設の際、核5も破砕し、破砕した核5の破砕物を吸い出
すなどして除去する。
【0029】そして、通孔3を穿設した成型体1aを例え
ば600℃〜650℃で仮焼した後(ステップ9)、1
000℃〜1300℃、好ましくは1000℃〜120
0℃で焼成し、内部空間2に残留する核5を完全に燃焼
させて内部空間2を有した中空の担体を形成する(ステ
ップ10)。ここで、1300℃より高くなると、酸化ニ
ッケルとアルミナとが不活性なスピネル構造の化合物を
形成し、酸化ニッケルの改質効果が低減するとともに、
過度の焼結により気孔が閉塞して担体が緻密化する。ま
た、1000℃より低いとアルミナの耐熱性が得られる
アルファ化が生じにくくなる。このため、1000℃〜
1300℃、好ましくは1000℃〜1200℃で焼成
する。
【0030】次に、得られた担体に、例えば触媒成分で
あるニッケル化合物としての硝酸ニッケルを酸化物であ
るNiO換算で約1重量%以上8重量%、ランタン(L
a)、セリウム(Ce)、イットリウム(Y)などの触
媒成分である希土類元素化合物としての希土類元素酸化
物を約0.5重量%以上1.5重量%を外配合で担持す
る条件で、ニッケル化合物および希土類元素化合物を含
有する溶液中に担体を浸漬して含浸させて乾燥する(ス
テップ11)。この溶液への担体の浸漬の際、担体は通孔
3,3が設けられているため、溶液が容易に内部空間2
に流入し、担体の表面および内部空間2の内面の双方か
ら気孔に浸透し、担体への溶液の含浸時間が短縮する。
【0031】この後、触媒成分を担持した担体を100
0℃〜1300℃、好ましくは1000℃〜1200℃
で焼成して(ステップ12)、改質用触媒1を形成する。
なお、この焼成温度は、成型体1aの焼成と同様、130
0℃より高くなると、酸化ニッケルとアルミナとが不活
性なスピネル構造の化合物を形成し、酸化ニッケルの改
質効果が低減するとともに、過度の焼結により気孔が閉
塞して担体が緻密化する。また、1000℃より低いと
アルミナの耐熱性が得られるアルファ化が生じにくくな
る。このため、1000℃〜1300℃、好ましくは1
000℃〜1200℃で焼成する。
【0032】上記実施の形態によれば、アルミナを主成
分とする主要原料に触媒成分の酸化ニッケルを混合した
混合物を用いて成型し、得られた成型体1aを焼成して触
媒成分の酸化ニッケルを含浸させて焼成するため、触媒
成分を担持し炭化水素の改質効果を有する担体に触媒成
分を含浸するので、表面積全体に対する触媒成分の割合
を増大でき、改質活性を増大でき、高い改質効果が得ら
れるとともに、触媒成分を担持させるために含浸させる
時間を短縮でき、製造性を向上できる。
【0033】また、担体に触媒成分を含有する溶液に希
土類元素化合物を含有させたため、担体を構成するアル
ミナの耐熱性を向上でき、熱負荷の大きい炭化水素の改
質に用いても気孔率が低減したり軟化や剥落などの損傷
を防止でき、安定して炭化水素の改質ができる。
【0034】そして、担体を形成する際に、主要原料に
触媒成分の酸化ニッケルを湿式混合し、乾燥後に粉粒状
に粉砕して、得られた粉粒物を用いて造粒するため、主
要原料と酸化ニッケルとが担体全体に略均一に分散し、
担体自体の改質効果を向上できる。
【0035】さらに、成型体1aを焼成して得られた担体
に溶液を含浸させたため、保形性を向上でき、溶液の含
浸の際に担体が崩れ落ちるなどの損傷を防止できる。
【0036】また、成型の際、核5とともに造粒して核
5の表面に層状に混合物を担持させたため、触媒成分を
担持する担体に内部空間2が形成され、表面積が増大し
て炭化水素の改質効率を向上できるとともに、軽量化し
て例えば反応塔へ改質用触媒1を充填した際の反応塔の
重量負荷が低減して反応塔の損傷を防止したり、運搬が
容易となるなどの取扱性を向上でき、材料コストも低減
できる。
【0037】そして、外周面が内部空間2に連通する通
孔3,3を穿設したため、溶液を容易に短時間で確実に
含浸でき、高改質効果を有する改質用触媒1が容易に短
時間で形成でき、製造性を向上できる。
【0038】さらに、内部に核5が存在する成型体1aに
通孔3,3を穿設するため、例えば穿設の際に内部空間
2側の縁が欠け落ちるなどの損傷を防止して、容易に通
孔3,3を形成できる。
【0039】また、通孔3,3の穿設の際に核5も除去
するため、核5の不燃物が残留せず焼成の際に確実な燃
焼除去が容易にできる。
【0040】さらに、通孔3,3を径方向に貫通するよ
うに穿設したため、容易に通孔を穿設できるとともに、
改質用触媒1を反応塔に充填して改質する際の圧力損失
を低減でき、効率よく改質できる。
【0041】そして、核5とともに造粒した後に焼成し
て核5を除去するため、溶液を容易に含浸でき、有機性
の核5を用いることにより、焼成にて容易に除去でき、
製造性を向上できる。
【0042】また、主要原料としてアルミナの他にマグ
ネシアを混合したため、炭化水素の改質の際にカーボン
の発生を低減でき、改質性を向上できる。
【0043】さらに、成型体1aを成型する原料となる混
合物として、共沈・湿式混合により主要原料および触媒
成分を混合し乾燥して得られた塊状物を粉砕したものを
混合物として用いたため、例えば粉末を物理的に混合す
る場合に比して均一な組成が得られ、組成が均一な担体
が得られ、担体自体の改質効果を向上できる。また、共
沈・湿式混合し乾燥して得られた塊状物を粉砕した混合
物を造粒したため、得られる改質用触媒の気孔分布が均
一化するとともに連続気孔率を容易に増大できる。
【0044】そして、核5とともに混合物を造粒したた
め、形状が均一な球状に容易に形成できる。
【0045】なお、主要原料としてマグネシアを混合し
て説明したが、アルミナのみでもできる。
【0046】また、触媒成分として酸化ニッケルを担持
させて説明したが、カーボン発生の抑制など炭化水素の
改質状況に対応してコバルト化合物やモリブデン化合物
を用いたり、ニッケル化合物、コバルト化合物およびモ
リブデン化合物を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0047】さらに、希土類元素化合物を含有した溶液
を担体に含浸させたが、担体の耐熱性が十分に得られる
場合には、希土類元素化合物を添加しなくてもよい。ま
た、希土類元素の酸化物として改質活性を有する場合に
は、この希土類元素化合物の含浸により改質効果を向上
できる。
【0048】また、主要原料とニッケル化合物との混合
は、湿式混合が好ましいが、例えば成型の際に結合材と
ともに物理的に混練して坏土を調製し、この坏土を用い
て成型してもよく、成型方法もプレス成型や押し出し成
型などの造粒に限らずいずれの方法でもよく、また成型
体1aも球状に限られず、いずれの形状でもよい。
【0049】さらに、内部空間2を形成させる核5を用
いて成型したが、核5を用いずに内部空間2を有しない
ものでもよい。
【0050】そしてさらには、通孔3を設けなくてもよ
い。
【0051】また、通孔3は径方向に貫通させずに放射
状に設けてもよい。
【0052】
【実施例】上記実施の形態により形成した改質用触媒1
と、従来より流通する改質用触媒との性状や改質効果に
ついて比較検討した。
【0053】なお、本実施例の改質用触媒としては、表
1に示すように、アルミナが65.9重量%、マグネシ
アが15重量%、酸化ニッケルが15重量%となるよう
に、高純度のアルミナクリンカの微粉や水酸化アルミニ
ウムと、水酸化マグネシウムと、硝酸ニッケルとを配合
して湿式混合させ、水酸化ナトリウムにてpH9まで調
整して共沈させ、沈殿物を脱水濾過して100℃で2時
間乾燥した後、1メッシュを全通する条件で粉砕し、混
合物を調製した。そして、この混合物に結合材を混合し
て外径が約6mmの核5とともに造粒し、直径が約18mm
に形成した後、200℃で2時間乾燥して成型体1aを成
型した。この後、成型体1aに径寸法が約3.8mmの通孔
3,3を径方向に4箇所、十字状に穿設するとともに核
5を除去し、600℃〜650℃で仮焼した後1000
℃〜1200℃で焼成し、担体を形成した。そして、硝
酸ニッケルを含有する溶液に担体を浸漬して硝酸ニッケ
ルを含浸させ、再び1000℃〜1200℃で焼成して
改質用触媒1を形成した。なお、硝酸ニッケルの含浸に
より、表1に示すように、酸化ニッケルが2.1重量%
担持された。
【0054】一方、従来の改質用触媒としては、球状の
もの、1つの通孔が設けられたリング状のもの、および
7つの通孔が設けられたリング状のものを用いた。
【0055】そして、得られた本実施例の改質用触媒1
および比較例である各従来例の総表面積および圧力損失
を表1に示す。
【0056】
【表1】 この表1に示す結果、通孔3,3を4箇所設けることに
より、従来の改質用触媒に比して圧力損失を低い値に押
さえられ、総表面積は各比較例より大きい値が得られる
ことがわかる。
【0057】一方、本実施例の改質用触媒1と、比較例
1である球状のもの品質を表2および表3に示すととも
に、径寸法が100mmの反応塔に充填して炭化水素であ
るn−ペンタンを9kg/cm2 Gの圧力で発熱量の異なる
ガスに改質した結果を表2に、炭化水素であるメタンを
9kg/cm2 Gの圧力で発熱量の異なるガスに改質した結
果を表3に示す。
【0058】
【表2】
【表3】 この表2に示す結果から、出口ガス温度を異ならしめて
異なる条件で改質し発熱量の異なるガスを生成させる場
合でも、出口ガス温度が550℃の場合、メタネーショ
ン反応のアプローチ温度が+15℃、シフト反応のアプ
ローチ温度が+15℃、出口ガス温度が675℃の場
合、メタネーション反応のアプローチ温度が+20℃、
シフト反応のアプローチ温度が+25℃で、各アプロー
チ温度が極めて小さく、この改質により、出口ガスが平
衡状態にほぼ達していることが認められ、出口ガス温度
が低い条件でも、十分に改質活性が働いて効率よく改質
できることが認められた。
【0059】さらに、表3に示す結果から、出口ガス温
度が600℃および700℃の低温条件で改質させた結
果、従来より生成ガス熱量が低く、比較例に比して優れ
た改質活性を有していることが認められる。
【0060】
【発明の効果】請求項1記載の炭化水素の改質用触媒の
製造方法によれば、アルミナを主成分とする主要原料に
あらかじめ触媒成分のニッケル化合物、コバルト化合物
およびモリブデン化合物の少なくともいずれかを添加し
て混合した混合物を成型した後、さらに成型体に触媒成
分のニッケル化合物、コバルト化合物およびモリブデン
化合物の少なくともいずれかを含有する溶液を含浸させ
て焼成するため、表面積全体に対する触媒成分の割合を
増大でき、改質活性を増大でき、炭化水素の改質効率を
向上できる。
【0061】請求項2記載の炭化水素の改質用触媒の製
造方法によれば、請求項1記載の炭化水素の改質用触媒
の製造方法の効果に加え、成型体にニッケル化合物、コ
バルト化合物およびモリブデン化合物の少なくともいず
れかとともに希土類元素化合物を含浸させるため、得ら
れた改質用触媒の耐熱性を向上できる。
【0062】請求項3記載の炭化水素の改質用触媒の製
造方法によれば、請求項1または2記載の炭化水素の改
質用触媒の製造方法の効果に加え、主要原料に触媒成分
のニッケル化合物、コバルト化合物およびモリブデン化
合物の少なくともいずれかを添加して湿式混合した後に
乾燥し、粉粒状に粉砕して成型体を成型するため、ニッ
ケル化合物が成型体に略均一に分散し、表面積全体に対
する触媒成分の割合を増大でき、改質活性を増大でき、
改質用触媒の炭化水素の改質効率を向上できる。
【0063】請求項4記載の炭化水素の改質用触媒の製
造方法によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の炭
化水素の改質用触媒の製造方法の効果に加え、成型体を
焼成した後に溶液を含浸させるため、成型体の強度が増
大して保形性を向上でき、溶液の含浸の際に成型体が損
傷することを防止できる。
【0064】請求項5記載の炭化水素の改質用触媒の製
造方法によれば、請求項1ないし4いずれか一記載の炭
化水素の改質用触媒の製造方法の効果に加え、混合物を
有機質の核とともに造粒して核の表面に層状に担持して
成型し、得られた成型体に溶液を含浸する前に核を除去
するため、内部に空間が形成され、表面積が増大して炭
化水素の改質効率を向上できるとともに、軽量化して取
扱性を向上でき、材料コストも低減できる。
【0065】請求項6記載の炭化水素の改質用触媒の製
造方法によれば、請求項5記載の炭化水素の改質用触媒
の製造方法の効果に加え、溶液を含浸する前の成型体に
外周面と核とに連通する通孔を穿設するため、核により
内部に形成される空間と外部とが確実に連通し、溶液の
含浸が短時間で容易にでき、製造性を向上できるととも
に、表面積全体に対する触媒成分の割合が増大し、改質
用触媒の炭化水素の改質効率を向上できる。
【0066】請求項7記載の炭化水素の改質用触媒の製
造方法によれば、請求項6記載の炭化水素の改質用触媒
の製造方法に加え、成型体を貫通して通孔を穿設するた
め、内部の空間と外部とを連通する通孔を容易に形成で
きるとともに、通孔を介して内部の空間を流通する抵抗
が低減し、炭化水素の改質の際の圧力損失が低減して、
改質効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の改質用触媒を示す断面
図である。
【図2】同上改質用触媒を製造する工程を示すフローチ
ャートである。
【図3】同上改質用触媒の通孔を形成した状況を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 改質用触媒 1a 成型体 2 空間である内部空間 3 通孔 5 核

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナを主成分とする主要原料にニッ
    ケル化合物、コバルト化合物およびモリブデン化合物の
    少なくともいずれかを添加して混合し、 この混合により得られた混合物を用いて成型した後、 この成型により得られた成型体にニッケル化合物、コバ
    ルト化合物およびモリブデン化合物の少なくともいずれ
    かを含有する溶液を含浸させて焼成することを特徴とす
    る炭化水素の改質用触媒の製造方法。
  2. 【請求項2】 成型体に含浸する溶液は、希土類元素化
    合物を含有することを特徴とする請求項1記載の炭化水
    素の改質用触媒の製造方法。
  3. 【請求項3】 成型に用いる混合物は、主要原料にニッ
    ケル化合物、コバルト化合物およびモリブデン化合物の
    少なくともいずれかを添加して湿式混合した後、乾燥し
    て粉粒状に粉砕したものを用いることを特徴とする請求
    項1または2記載の炭化水素の改質用触媒の製造方法。
  4. 【請求項4】 成型体を焼成した後に溶液を含浸させる
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の炭
    化水素の改質用触媒の製造方法。
  5. 【請求項5】 成型は、混合物を有機質の核とともに造
    粒して前記核の表面に層状に担持し、 溶液を含浸する前に前記核を除去することを特徴とする
    請求項1ないし4いずれか一記載の炭化水素の改質用触
    媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 溶液を含浸する前の成型体に外周面と核
    とに連通する通孔を穿設することを特徴とする請求項5
    記載の炭化水素の改質用触媒の製造方法。
  7. 【請求項7】 通孔は、成型体を貫通して穿設すること
    を特徴とする請求項6記載の炭化水素の改質用触媒の製
    造方法。
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