JPH11342199A - 輸液ポンプ及びその駆動方法 - Google Patents

輸液ポンプ及びその駆動方法

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JPH11342199A
JPH11342199A JP10152544A JP15254498A JPH11342199A JP H11342199 A JPH11342199 A JP H11342199A JP 10152544 A JP10152544 A JP 10152544A JP 15254498 A JP15254498 A JP 15254498A JP H11342199 A JPH11342199 A JP H11342199A
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JP
Japan
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fingers
infusion pump
phase
stepping motor
driving
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JP10152544A
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English (en)
Inventor
Takao Nishizawa
孝夫 西沢
Kanehiko Iguchi
謙彦 井口
Koji Tsuchiya
浩司 土屋
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CKD Corp
Original Assignee
CKD Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輸液ポンプの振動・騒音の発生を抑え、輸液
流の脈動を抑えること。 【解決手段】 輸液ポンプ1には、液体容器に接続され
たチューブ2が装着される。ポンプ13には、チューブ
2を圧縮するフィンガ9A〜9Gが設けられる。駆動機
構13は、フィンガ9A〜9Gに対応したプッシュロッ
ド14A〜14Gと、ロッド14A〜14Gを駆動する
カムシャフト15と、同シャフト15を駆動するステッ
ピングモータ19とを備える。ロッド14A〜14G
は、ローラ21a〜21gを介してカム15a〜15g
に接触する。ポンプ1は、モータ19をマイクロステッ
プ駆動させることにより、フィンガ9A〜9Gを駆動さ
せる。マイクロステップ駆動は、モータ各相に供給され
る電流値が疑似正弦波状をなすように位相制御し、各相
電流値の位相を相互にずらすことである。これにより、
モータ各相の励磁が、オン/オフの中間の電流値により
制御され、モータ19の基本ステップ角が細分化され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば、医療用
の点滴装置等に使用され、容器に収容された液体をチュ
ーブを介して輸送するようにした輸液ポンプに係る。詳
しくは、ステッピングモータを駆動源とする輸液ポンプ
及びその駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、医療用の点滴装置に
おいては、薬液バッグ等の容器に収容された薬液をチュ
ーブを介して人体等へ輸送するために、フィンガ駆動方
式の輸液ポンプが使用される。
【0003】図10に示すように、この種の輸液ポンプ
41は、本体ケース42と、その表面43を開閉するた
めのドアケース44とを備える。図11に示すように、
本体ケース42は、その表面43の中心に沿って伸びる
凹溝45と、その凹溝45内に設けられた複数のフィン
ガ46と、各フィンガ46を駆動するための駆動機構と
を含む。各フィンガ46は、凹溝45の深さ方向に順次
に往復動するものである。ドアケース44は、各フィン
ガ46に対応して設けられたフィンガプレート47を有
する。各フィンガ46は、フィンガプレート47との間
で、チューブ48を押圧するためのものである。
【0004】この輸送ポンプ41を使用するには、図1
0,11に示すように、薬液バッグ等の容器に接続され
たチューブ48の一部が凹溝45に沿って嵌め込まれ、
その上からドアケース44により閉じられる。これによ
り、チューブ48が両ケース42,44の間に保持され
る。この状態で、駆動機構を動作させて各フィンガ46
を駆動させることにより、チューブ48が凹溝45の長
さ方向に沿って順次に揉み押さえられ、圧縮される。こ
の結果として、薬液バッグの薬液がチューブ48を通じ
て人体等へと輸送される。
【0005】図12は、この種の輸液ポンプの駆動機構
49の一例を示す。この駆動機構49は、駆動源として
ステッピングモータ50を備える。輸液ポンプにステッ
ピングモータ50が使用されるのは、輸液ポンプによる
輸液量を、そのモータ50の回転角(基本ステップ角)
のレベルで制御できるからである。即ち、ステッピング
モータ50は、その動作が、供給されるパルス信号によ
ってデジタル的に制御されるものである。従って、ステ
ッピングモータ50のための駆動回路にパルス信号を1
回送ることにより、モータ50は基本ステップ角の分だ
け回転し、その回転に応じた分だけ各フィンガ46が作
動して、それに相当する分の液体が輸送される。一方、
例えば、パルス信号を駆動回路へ96回送ることによ
り、モータ50は一回転し、その一回転に応じた分だけ
各フィンガ46が作動して、それに相当する分の液体が
輸送されることになる。
【0006】図12に示す駆動機構49では、ステッピ
ングモータ50の回転を、ウォムーギア51、ギア5
2、カムシャフト53を介して各フィンガ46の往復動
に変換するようにしている。別の駆動機構として、ステ
ッピングモータの回転を、モータプーリ、タイミングベ
ルト、カムプーリ及びカムシャフトを介して各フィンガ
の往復動に変換するようにしたものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
輸液ポンプの駆動機構49では、ステッピングモータ5
0が従前の駆動方法により駆動されることから、同モー
タ50のステップ駆動に起因して振動・騒音が発生する
という問題があった。
【0008】即ち、一般にステッピングモータは、2相
励磁、4相励磁等の励磁方法により駆動される。このよ
うな駆動方法では、ステッピングモータに供給される電
流がパルス的に変化することから、同モータは、電流の
パルス的変化に従い、段階的に回転することになる。こ
のため、基本ステップ角が大きいステッピングモータほ
ど、その回転が滑らかでなくなり、トルクのむら(トル
ク・リップル)が大きくなり、振動や騒音が発生し易く
なっていた。
【0009】そこで、従来の輸液ポンプでは、図12に
示すように、ステッピングモータ50と支持フレーム5
4との間に防振ゴム等の防振部材55を設けて、モータ
50の振動がフレーム54やフィンガ46等の他部材に
伝わらないようにし、振動・騒音の伝達を抑えるように
している。或いは、ステッピングモータとタイミングベ
ルトとの間、タイミングベルトとカムシャフトとの間等
に防振部材を設けて、同様に振動・騒音の対策を施した
もある。しかしながら、上記の駆動機構49等では、ス
テッピングモータ50それ自体が振動・騒音の発生源で
あることから、その発生源自体を対策しない限り、振動
・騒音を完全に防ぐことはできなかった。しかも、上記
の駆動機構49では、防振部材55を必要としているこ
とから、ポンプが大型化し、その部品数が増大し、更に
は、それらの組み付け精度が問題となっていた。
【0010】一方、上記の駆動機構49等では、ステッ
ピングモータ49の振動が各フィンガ46に伝わると、
これらフィンガ46が振動を伴って動作することにな
り、チューブの中の液体の流れに脈動が発生するおそれ
があった。このため、輸液ポンプからの液体の吐出に脈
動が伴い、液体を安定した流れで輸送することができ
ず、液体の輸送精度が低下するおそれがあった。図13
は、従来の輸液ポンプに係り、単位時間当たりの液体の
吐出量及びその積算吐出量の経時変化を示す。このグラ
フからも明らかなように、輸液ポンプの液体の吐出量
は、経時的に大きな脈動を伴って変化し、それによって
積算吐出量が不安定になっていることが分かる。特に、
医療用の点滴装置に使用される輸液ポンプでは、扱われ
る薬液によって高い輸送精度が要求されることがあるこ
とから、従来の輸液ポンの駆動方法では適用が困難とな
っていた。
【0011】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、輸液ポンプにおける振動・騒
音の発生を抑え、輸液流の脈動を抑えることを可能にし
た輸液ポンプ及びその駆動方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、ステッピングモータに
より回転されるカムにより複数のフィンガを駆動してチ
ューブを押圧することにより、容器に収容された液体を
チューブを介して輸送するようにした輸液ポンプの駆動
方法において、ステッピングモータをマイクロステップ
駆動させることにより各フィンガを駆動するようにした
ことを趣旨とする。ここで、マイクロステップ駆動と
は、例えば、ステッピングモータに対する励磁を、オン
/オフだけでなく、その中間の電流値によって制御する
ことにより、基本ステップ角を細分化することである。
【0013】上記の構成によれば、ステッピングモータ
をマイクロステップ駆動させるので、本来、段階的に回
転するステッピングモータの回転が、基本ステップ角が
細分化されることによって、滑らかなものとなる。従っ
て、その滑らかな回転がカムを介して各フィンガに伝達
されることから、各フィンガが滑らかに駆動されるよう
になる。
【0014】上記の目的を達成するために、請求項2に
記載の発明は、請求項1の発明の構成において、マイク
ロステップ駆動は、ステッピングモータの各相に流され
る電流値が疑似正弦波状をなすように位相制御すると共
に、各相に流れる電流値の位相を所定の規則をもって相
互にずらしたものであることを趣旨とする。
【0015】上記の構成によれば、マイクロステップ駆
動が、ステッピングモータの各相に流される電流値が疑
似正弦波状をなすように位相制御することと、各相に流
れる電流値の位相変化を互いにずらすこととにより具体
的に特定される。これにより、請求項1の発明と同様の
作用が得られる。
【0016】上記の目的を達成するために、請求項3に
記載の発明は、請求項1又は請求項2の発明の駆動方法
を適用した輸液ポンプであって、各フィンガとカムとの
間に、各フィンガを駆動するためにカムに対して転がり
接触するローラを設けたことを趣旨とする。
【0017】上記の構成によれば、カムに対して転がり
接触するローラが、各フィンガとカムとの間に設けられ
ることから、各フィンガとカムとの間の摩擦が滑り摩擦
よりも小さい転がり摩擦となり、騒音が小さくなる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の輸液ポンプ及びそ
の駆動方法を具体化した一実施の形態を図面を参照して
詳細に説明する。
【0019】図1は本実施の形態における輸液ポンプ1
の構造を示す部分断面図である。この輸液ポンプ1は、
医療用の点滴装置として使用されるものであり、薬液バ
ッグ等の容器(図示しない)に収容された薬液を、チュ
ーブ2を介して人体等へ輸送するようにしたフィンガ駆
動方式のものである。この輸液ポンプ1は、本体ケース
3と、その表面4に対して開閉されるドアケース5とを
備える。本体ケース3は、運搬用のハンドル6を有す
る。
【0020】図2に示すように、本体ケース3は、その
表面4の中心に沿って伸びる凹溝7と、その表面4の中
央においてチューブ2を圧縮するための圧縮部8とを備
える。凹溝7は、チューブ2を装着するためのものであ
る。圧縮部8は、その凹溝7の中に複数(この場合は
「7個」)のフィンガ9A,9B,9C,9D,9E,
9F,9Gを有するものである。この圧縮部8の凹溝7
の幅は、その凹溝7に装着されたチューブ2の蛇行を許
容する程度の大きさに設定される。一方、図3に示すよ
うに、ドアケース5は、その内面10の中央において、
前記圧縮部8に対応して設けられたフィンガプレート1
1を有する。
【0021】各フィンガ9A〜9Gは、凹溝7の深さ方
向に往復動することにより、フィンガプレート11との
間で、チューブ2を押圧・圧縮するためのものである。
図2に示すように、これらフィンガ9A〜9Gのうち、
最上位に位置するものと、最上位から6番目に位置する
ものとが、チューブ2を完全に押しつぶすためのシール
フィンガ9A,9Fである。これらシールフィンガ9
A,9Fは、扁平な板状をなすが、その真ん中に突条9
aを有する。これらシールフィンガ9A,9Fは、フィ
ンガプレート11との間でチューブ2を扁平状に押しつ
ぶして薬液の流路を完全に遮断する、即ち流路をシール
するためのものである。このようにチューブ2を完全に
シールすることは、輸液ポンプ1における薬液の輸送精
度を確保するために不可欠のことである。これら二つの
シールフィンガ9A,9F以外の五つのフィンガは、チ
ューブ2を押しつぶすことなく圧縮するための圧縮フィ
ンガ9B〜9E,9Gである。これら圧縮フィンガ9B
〜9E,9Gは、シールフィンガ9A,9Fとは異な
り、単に扁平な板状をなしている。
【0022】図3に示すように、フィンガプレート11
は、長尺状をなす本片11aと、その本片11aに対し
て独立して動くことのできる二つの独立片11b,11
cとを有する。これら独立片11b,11cは、それぞ
れ各シールフィンガ9A,9Fに対応して設けられるも
のである。各フィンガ9A〜9Gの滑らかな動きを確保
するために、凹溝7の内壁(フィンガガイド)12と各
フィンガ9A〜9Gとの間には、多少のクリアランスが
設けられる。
【0023】図1に示すように、本体ケース3には、各
フィンガ9A〜9Gを駆動するための駆動機構13が設
けられる。図4は、その駆動機構13だけを取り出して
示す。この駆動機構13は、各フィンガ9A〜9Gのそ
れぞれに対応して設けられたプッシュロッド14A,1
4B,14C,14D,14E,14F,14Gと、そ
れらプッシュロッド14A〜14Gを往復動させるため
のカムシャフト15と、そのカムシャフト15をプーリ
16,17及びベルト18を介して駆動するためのステ
ッピングモータ19とを備える。この実施の形態では、
3相のステッピングモータ19が使用される。カムシャ
フト15上の複数のカム15a,15b,15c,15
d,15e,15f,15gはそれぞれ異なるプロフィ
ールを有するものである。各カム15a〜15gは、各
プッシュロッド14A〜14Gをそれらを往復動させる
ためにある。各プッシュロッド14A〜14Gの一端
は、付属のバネの力により、各カム15a〜15gに対
して当接している。図5は各プッシュロッド14A〜1
4Gと、各カム15a〜15gとの関係を示す断面図で
ある。図4,5に示すように、各フィンガ9A〜9Gに
対応して設けられたプッシュロッド14A〜14Gと各
カム15a〜15gとの間には、各フィンガ9A〜9G
を駆動するために各カム15a〜15gに対して転がり
接触するローラ21a,21b,21c,21d,21
e,21f,21gが設けられる。各ローラ21a〜2
1gは、各プッシュロッド14A〜14Gの基端におい
てローラピン22を介して回転可能に支持される。
【0024】次に、上記ステッピングモータ19を駆動
するための電気的構成及びその駆動方法について説明す
る。図6は駆動回路を示すブロック図である。この駆動
回路は、ステッピングモータ19をマイクロステップ駆
動させるための回路であり、同モータ19に対する電力
の供給を制御するための電力制御回路31と、その回路
31をマイクロステップ駆動のために制御するためのマ
イクロステップ駆動制御回路32とを備える。ここで、
マイクロステップ駆動とは、例えば、ステッピングモー
タ19に対する励磁を、オン/オフだけでなく、その中
間の電流値によって制御することにより、ステッピング
モータ19の基本ステップ角を細分化することである。
電力制御回路31には、ステッピングモータ19のため
の直流電源が供給される。マイクロステップ駆動制御回
路32には、本回路32のための直流電源が供給される
と共に、パルス信号、回転方向信号、モータ電流設定信
号及び非常停止信号が別途の制御回路から供給される。
マイクロステップ駆動制御回路32は、これら各種信号
に基づいて電力制御回路31を制御する。
【0025】図7は電力制御回路31及びステッピング
モータ19の回路構成を示す。ステッピングモータ19
はそれぞれコイルよりなる第1の相PhU、第2の相P
hV及び第3の相PhWを有する。電力制御回路31
は、三つの組トランジスタ33,34,35を備える。
第1の組トランジスタ33は第1の相PhUに対応して
設けられ、一対のトランジスタUH,ULを有する。第
2の組トランジスタ34は第2の相PhVに対応して設
けられ、一対のトランジスタVH,VLを有する。第3
の組トランジスタ35は第3の相PhWに対応して設け
られ、一対のトランジスタWH,WLを有する。マイク
ロステップ駆動制御回路32が各組トランジスタ33〜
35を制御することにより、各相PhU〜PhWに対す
る励磁が、オン/オフだけでなく、その中間の電流値に
よって制御され、ステッピングモータ19の基本ステッ
プ角が細分化されるようになている。
【0026】図8は、各相PhU〜PhWを励磁するた
めの励磁シーケンスと、各相PhU〜PhWに対する電
流変化を示すグラフである。この実施の形態では、マイ
クロステップ駆動の方法として、ステッピングモータ1
9の各相PhU〜PhWに流される電流値を疑似正弦波
状をなすように位相制御すると共に、各相PhU〜Ph
Wに流れる電流値の位相を所定の規則をもって相互にず
らすようにしている。
【0027】次に、上記のように構成した輸送ポンプ1
の動作を説明する。この輸液ポンプ1を使用するには、
図1,5に示すように、先ず、薬液バッグに接続された
チューブ2の一部を凹溝7に沿って嵌め込み、その上か
らドアケース5で閉じる。これにより、チューブ2が両
ケース3,5の間に保持される。この状態で、ステッピ
ングモータ19を起動させてカムシャフト15を回転さ
せることにより、各カム15a〜15gの回転に伴って
各プッシュロッド14A〜14Gがそれぞれ往復動し、
これに伴い、各フィンガ9A〜9Gがチューブ2へ向か
って往復動される。これにより、圧縮部8においては、
チューブ2が凹溝7の長さ方向に沿って順次に揉み押さ
えられ、圧縮される。この結果、薬液バッグの薬液がチ
ューブ2を通じて人体等へと輸送される。
【0028】この実施の形態の構成によれば、ステッピ
ングモータ19をマイクロステップ駆動させている。即
ち、ステッピングモータ19の各相PhU〜PhWに流
される電流値が疑似正弦波状をなすように位相制御さ
れ、各相PhU〜PhWに流れる電流値の位相変化が互
いにずらされる。これにより、基本ステップ角が細分化
されることになり、本来は基本ステップ角をもって段階
的に回転するものであるステッピングモータ19の回転
が、滑らかなものとなる。従って、その滑らかな回転が
各カム15a〜15g、各プッシュロッド14A〜14
Gを介して各フィンガ9A〜9Gに伝達されることか
ら、各フィンガ9A〜9Gが滑らかに駆動され、トルク
・リップルの発生がなくなる。この結果、輸液ポンプ1
における振動・騒音の発生を抑えることができるように
なる。
【0029】このため、本実施の形態の輸液ポンプ1で
は、従来の輸液ポンプとは異なり、駆動機構13に防振
部材を設ける必要がなくなり、振動・騒音の発生を、そ
の発生源であるステッピングモータ19それ自体につい
て対策することができる。このことから、輸液ポンプ1
が防振部材により大型化したり、部品点数が増えたりす
ることがなくなり、その防振部材の組み付け精度が問題
になることはない。
【0030】この実施の形態の構成によれば、各カム1
5a〜15gに対して転がり接触するローラ21a〜2
1gが、各フィンガ9A〜9Gに対応して設けられたプ
ッシュロッド14A〜14Gと各カム15a〜15gと
の間に設けられる。このため、各プッシュロッド14A
〜14Gと各カム15a〜15gとの間の摩擦が滑り摩
擦よりも小さい転がり摩擦となり、両者14A〜14
G,15a〜15gの間のステックスリップが小さくな
る。この結果、各プッシュロッド14A〜14Gと各カ
ム15a〜15gとの間の摩擦騒音の発生を抑えること
ができ、より一層の騒音対策に寄与することができるよ
うになる。更に、各プッシュロッド14A〜14Gの動
き、延いては各フィンガ9A〜9Gの動きをより滑らか
にすることができるようになる。加えて、各プッシュロ
ッド14A〜14Gと各カム15a〜15gとの間の摩
擦を小さくすることができることから、通常、両者14
A〜14G,15a〜15gの間に付与されるグリスを
減量又は省略することもできるようになる。
【0031】上記のように本実施の形態によれば、ステ
ッピングモータ19における振動の発生を抑え、各フィ
ンガ9A〜9Gを滑らかに動作させることができること
から、チューブ2の薬液流における脈動の発生を抑える
ことができるようになる。このため、輸液ポンプ1によ
り薬液を安定した流れをもって輸送することができるよ
うになり、薬液の輸送精度を向上させることができるよ
うになる。
【0032】図9は、本実施の形態の輸液ポンプ1に係
り、単位時間当たりの液体の吐出量及びその積算吐出量
の経時変化を示す。このグラフからも明らかなように、
輸液ポンプ1の液体の吐出量は、微視的には変動はある
ものの、経時的にはほぼ一定の幅で安定的に推移し、大
きな脈動を伴わないことが分かる。この結果として、積
算吐出量も安定的に推移していることが分かる。このこ
とは、図9のグラフと図13のグラフとを比較すれば、
顕著である。
【0033】このように本実施の形態の構成によれば、
輸液ポンプ1により薬液を安定的に輸送することができ
ることから、特に医療用の点滴装置において、高い輸送
精度が要求される薬液を輸送する場合にも輸液ポンプ1
を有効に適用することができるようになる。
【0034】尚、この発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲
で以下のように実施することができる。
【0035】前記実施の形態では、3相のステッピング
モータ19にマイクロステップ駆動による駆動方法を具
体化したが、2相又は5相等のステッピングモータにも
マイクロステップ駆動による駆動方法を具体化すること
ができる。
【0036】
【発明の効果】請求項1に記載の発明の構成によれば、
ステッピングモータをマイクロステップ駆動させること
により各フィンガを駆動するようにしている。従って、
基本ステップ角が細分化されて滑らかとなる回転が、カ
ムを介して各フィンガに伝達されることから、各フィン
ガが滑らかに駆動されるようになる。この結果、輸液ポ
ンプにおける振動・騒音の発生を抑えることができ、輸
液流の脈動を抑えることができるという効果を発揮す
る。
【0037】請求項2に記載の発明の構成によれば、請
求項1の発明の構成において、マイクロステップ駆動の
内容として、ステッピングモータの各相に流される電流
値が疑似正弦波状をなすように位相を制御し、各相に流
れる電流値の位相を相互にずらすようにしている。これ
により、請求項1の発明と同様の作用及び効果が得られ
る。
【0038】請求項3に記載の発明の構成によれば、請
求項1又は請求項2の発明の構成に適用した輸液ポンプ
であって、各フィンガとカムとの間に、各フィンガを駆
動するためにカムに対して転がり接触するローラを設け
ている。従って、各フィンガとカムとの間の摩擦が、ロ
ーラにより、滑り摩擦よりも小さい転がり摩擦となり、
ステックスリップが小さくなる。この結果、各フィンガ
とカムとの間の摩擦騒音が小さくなり、その意味で、よ
り一層の騒音対策に寄与することができるという効果を
発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係り、輸液ポンプの構造を示す
部分断面図である。
【図2】同じく、本体ケースの表面を示す平面図であ
る。
【図3】同じく、ドアケースの内面を示す平面図であ
る。
【図4】同じく、駆動機構を示す側面図である。
【図5】同じく、各プッシュロッドと、各カムとの関係
を示す断面図である
【図6】同じく、駆動回路を示すブロック図である。
【図7】同じく、電力制御回路及びステッピングモータ
を示す回路構成図である。
【図8】同じく、モータ各相の励磁シーケンスと、各相
の電流変化を示すグラフである。
【図9】同じく、液体吐出量及びその積算吐出量の経時
変化を示すグラフである。
【図10】従来の輸液ポンプを示す断面図である。
【図11】同じく、従来の本体ケースの表面を示す平面
図である。
【図12】同じく、従来の駆動機構を示す側面図であ
る。
【図13】同じく、従来の液体吐出量及びその積算吐出
量の経時変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 輸液ポンプ 2 チューブ 9A〜9G フィンガ 15 カムシャフト 15a〜15g カム 19 ステッピングモータ PhU 第1の相 PhV 第2の相 PhW 第3の相 21a〜21g ローラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステッピングモータにより回転されるカ
    ムにより複数のフィンガを駆動してチューブを押圧する
    ことにより、容器に収容された液体を前記チューブを介
    して輸送するようにした輸液ポンプの駆動方法におい
    て、 前記ステッピングモータをマイクロステップ駆動させる
    ことにより前記各フィンガを駆動するようにしたことを
    特徴とする輸液ポンプの駆動方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の輸液ポンプの駆動方法
    において、 前記マイクロステップ駆動は、前記ステッピングモータ
    の各相に流される電流値が疑似正弦波状をなすように位
    相制御すると共に、前記各相に流れる電流値の位相を所
    定の規則をもって相互にずらしたものであることを特徴
    とする輸液ポンプの駆動方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の駆動方法
    を適用した輸液ポンプであって、 前記各フィンガと前記カムとの間に、前記各フィンガを
    駆動するために前記カムに対して転がり接触するローラ
    を設けたことを特徴とする輸液ポンプ。
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