JP2004251292A - 流体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で、小型化、軽量化に有利であり、大きな駆動力が得られ、チューブバルブにおいては、チューブ内の流路を容易かつ確実に開閉することができ、ポンプにおいては、容易かつ確実に流体を移送することができる流体装置を提供する。
【解決手段】本発明の流体装置は、圧電素子を備えた振動体50を有し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより前記振動体50を励振する超音波モータ5と、前記振動体50に当設し、前記振動体50からの振動の伝達により駆動力が付与されて回転するロータ4と、前記ロータ4に固定的に設けられ、前記ロータ4の回転軸方向に突出する押圧部材とを有し、前記押圧部材の回転により、チューブ10内の流路を開閉する流体装置であって、前記押圧部材により前記チューブ10内の所定部位の流路を圧閉するよう構成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
チューブ内の流路を開閉するチューブバルブ(流路開閉装置)が知られている。
【0003】
このチューブバルブとしては、駆動系に電磁式のモータおよびリードスクリューを用いてチューブを押圧してその流路を圧閉するもの(例えば、特許文献1参照)や、駆動系にソレノイドを用いてチューブを押圧してその流路を圧閉するもの(例えば、特許文献2参照)がある。
しかしながら、前記特許文献1のチューブバルブでは、チューブ内の流路を圧閉するための十分な押圧力を得るために、減速機構を必要とする。
【0004】
また、前記特許文献2のチューブバルブでは、チューブ内の流路を圧閉するための押圧力を得るには、常に大電流を流す必要がある。
そして、いずれの特許文献1、2のチューブバルブにおいても、構造が複雑であり、また、小型化、軽量化がし難い。しかも、電磁力を用いているため、電磁ノイズが発生し、その電磁ノイズが他の機器に影響を及ぼすおそれがあるという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−87259号公報
【特許文献2】
特開平8−189573号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡単な構造で、小型化、軽量化に有利であり、大きな駆動力が得られ、チューブバルブにおいては、チューブ内の流路を容易かつ確実に開閉することができ、ポンプにおいては、容易かつ確実に流体を移送することができる流体装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の流体装置は、圧電素子を備えた振動体を有し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより前記振動体を励振する超音波モータと、
前記振動体に当設し、前記振動体からの振動の伝達により駆動力が付与されて回転するロータと、
前記ロータに固定的に設けられ、前記ロータの回転軸方向に突出する押圧部材とを有し、
前記押圧部材の回転により、チューブ内の流路を開閉する流体装置であって、
前記押圧部材により前記チューブ内の所定部位の流路を圧閉するよう構成されていることを特徴とする。
【0008】
これにより、駆動系に超音波モータを用いるため、構造を簡素化することができ、小型化、軽量化に有利である。
また、大きな駆動力が得られ、チューブ内の流路を容易かつ確実に開閉することができる。
また、通常のモータを用いないことから、電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺機器に影響を及ぼすことを防止することができる。
また、押圧部材がロータに固定的に設けられているので、部品点数を削減することができ、構造をより簡素化することができる。
【0009】
本発明の流体装置では、前記押圧部材は、外周面をカム面とするカム部材で構成されており、前記カム部材のカム面が前記チューブに当接し、該チューブを圧閉するのが好ましい。
本発明の流体装置は、圧電素子を備えた振動体を有し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより前記振動体を励振する超音波モータと、
前記振動体に当設し、前記振動体からの振動の伝達により駆動力が付与されて回転するロータと、
前記ロータに連動して回転し、前記ロータの回転軸方向に突出し、外周面をカム面とするカム部材とを有し、
前記カム部材の回転により、チューブ内の流路を開閉する流体装置であって、
前記カム部材のカム面が前記チューブに当接し、前記チューブ内の所定部位の流路を圧閉するよう構成されていることを特徴とする。
【0010】
これにより、駆動系に超音波モータを用いるため、構造を簡素化することができ、小型化、軽量化に有利である。
また、大きな駆動力が得られ、チューブ内の流路を容易かつ確実に開閉することができる。
また、通常のモータを用いないことから、電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺機器に影響を及ぼすことを防止することができる。
【0011】
本発明の流体装置は、圧電素子を備えた振動体を有し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより前記振動体を励振する超音波モータと、
前記振動体に当設し、前記振動体からの振動の伝達により駆動力が付与されて回転するロータとを有し、
チューブ内の流路を開閉する流体装置であって、
前記ロータに該ロータの略周方向に沿って長孔が形成され、前記長孔に前記チューブが挿通されており、前記長孔に臨む縁部が前記チューブに当接し、前記チューブ内の所定部位の流路を圧閉するよう構成されていることを特徴とする。
【0012】
これにより、駆動系に超音波モータを用いるため、構造を簡素化することができ、小型化、軽量化に有利である。
また、大きな駆動力が得られ、チューブ内の流路を容易かつ確実に開閉することができる。
また、通常のモータを用いないことから、電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺機器に影響を及ぼすことを防止することができる。
また、ロータに長孔が形成されているので、部品点数を削減することができ、構造をより簡素化することができる。
【0013】
本発明の流体装置は、圧電素子を備えた振動体を有し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより前記振動体を励振する超音波モータと、
前記振動体に当設し、前記振動体からの振動の伝達により駆動力が付与されて回転するロータと、
移動自在に設けられた可動部と、
前記ロータの回転運動を前記可動部の往復運動に変換する変換機構とを有し、
前記可動部の移動により、チューブ内の流路を開閉する流体装置であって、
前記可動部が移動して前記チューブ内の所定部位の流路を圧閉するよう構成されていることを特徴とする。
【0014】
これにより、駆動系に超音波モータを用いるため、構造を簡素化することができ、小型化、軽量化に有利である。
また、大きな駆動力が得られ、チューブ内の流路を容易かつ確実に開閉することができる。
また、通常のモータを用いないことから、電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺機器に影響を及ぼすことを防止することができる。
また、変換機構を有しているので、より大きな押圧力が得られ、より確実にチューブ内の流路を圧閉することができる。
【0015】
本発明の流体装置は、圧電素子を備えた振動体を有し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより前記振動体を励振する超音波モータと、
前記振動体に当設し、前記振動体からの振動の伝達により駆動力が付与されて回転するロータと、
移動自在に設けられた可動部と、
前記ロータの回転運動を前記可動部の揺動運動に変換する変換機構とを有し、
前記可動部の揺動により、チューブ内の流路を開閉する流体装置であって、
前記可動部が揺動して前記チューブ内の所定部位の流路を圧閉するよう構成されていることを特徴とする。
【0016】
これにより、駆動系に超音波モータを用いるため、構造を簡素化することができ、小型化、軽量化に有利である。
また、変換機構を有しているので、大きな駆動力が得られ、チューブ内の流路を容易かつ確実に開閉することができる。
また、通常のモータを用いないことから、電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺機器に影響を及ぼすことを防止することができる。
また、変換機構を有しているので、より大きな押圧力が得られ、より確実にチューブ内の流路を圧閉することができる。
【0017】
本発明の流体装置は、圧電素子を備えた振動体を有し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより前記振動体を励振する超音波モータと、
前記振動体に当設し、前記振動体からの振動の伝達により駆動力が付与されて回転するロータと、
前記ロータに連動して回転する可動部とを有し、
前記可動部の回転により、チューブ内の流路を開閉する流体装置であって、
前記可動部の回転により前記チューブが屈曲し、該チューブ内の所定部位の流路を閉塞させるよう構成されていることを特徴とする。
【0018】
これにより、駆動系に超音波モータを用いるため、構造を簡素化することができ、小型化、軽量化に有利である。
また、大きな駆動力が得られ、チューブ内の流路を容易かつ確実に開閉することができる。
また、通常のモータを用いないことから、電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺機器に影響を及ぼすことを防止することができる。
また、チューブを屈曲させてチューブ内の流路を閉塞させるので、チューブ内の流路をより確実に閉塞させることができる。
【0019】
本発明の流体装置では、前記可動部は、前記ロータに設けられ、前記ロータの回転軸方向に突出する保持部で構成され、前記保持部に前記チューブが係止されているのが好ましい。
これにより、チューブ内の流路をより確実に閉塞させることができる。
本発明の流体装置では、前記可動部は、前記ロータに設けられ、前記ロータの回転軸方向に突出する1対のピンで構成され、前記一対のピン間に前記チューブが位置しているのが好ましい。
これにより、チューブ内の流路をより確実に閉塞させることができる。
【0020】
本発明の流体装置では、前記ロータの周面に前記振動体が当接しているのが好ましい。
本発明の流体装置は、圧電素子を備えた振動体を有し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより前記振動体を励振する超音波モータと、
前記振動体に当設し、前記振動体からの振動の伝達により駆動力が付与されて変位する変位体と、
前記変位体に連動して可動する可動部と、
ポンプ室とを有し、
前記可動部の可動により、前記ポンプ室の容積が増減して、流体が移送されるよう構成されていることを特徴とする。
【0021】
これにより、駆動系に超音波モータを用いるため、構造を簡素化することができ、小型化、軽量化に有利である。
また、大きな駆動力が得られ、容易かつ確実に流体を移送することができる。
また、通常のモータを用いないことから、電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺機器に影響を及ぼすことを防止することができる。
【0022】
本発明の流体装置では、前記変位体は、回転自在に設けられたロータで構成され、該ロータの周面に前記振動体が当接しているのが好ましい。
これにより、流体装置をより円滑に作動させることができる。
本発明の流体装置では、前記ロータの回転運動を前記可動部の直線運動に変換する変換機構を有し、前記変換機構により前記可動部が往復運動し、前記可動部の往復運動により、前記ポンプ室の容積が増減するのが好ましい。
これにより、より大きな駆動力が得られ、より確実に流体を移送することができる。
【0023】
本発明の流体装置では、前記ポンプ室の少なくとも一部は、ベローズで構成されており、前記可動部の可動により、前記ベローズが伸縮して前記ポンプ室の容積が増減するのが好ましい。
これにより、可動部によってベローズを直接駆動することができ、構造をより簡素化することができ、小型化、軽量化が図れる。
【0024】
本発明の流体装置では、前記ポンプ室の少なくとも一部は、ダイヤフラムで構成されており、前記可動部の可動により、前記ダイヤフラムが変形して前記ポンプ室の容積が増減するのが好ましい。
これにより、可動部によってダイヤフラムを直接駆動することができ、構造をより簡素化することができ、小型化、軽量化が図れる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の流体装置を添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の流体装置をチューブバルブに適用した場合の第1実施形態を示す正面図、図2は、図1中のI−I線での断面図、図3は、超音波モータを構成する振動体を示す斜視図、図4は、図3中のII−II線での断面図、図5は、ロータを正転方向に駆動する振動体の励振状態を示す説明図、図6は、ロータを逆転方向に駆動する振動体の励振状態を示す説明図、図7は、振動体を駆動制御する回路構成を示すブロック図である。
【0026】
図1および図2に示すように、チューブバルブ(流路開閉装置)1は、ベース2と、このベース2に設けた回転軸3と、この回転軸3に回転自在に軸支したロータ(変位体)4と、このロータ4に駆動力を付与する超音波モータ5とを有している。超音波モータ5は、ロータ4の外周部に平面的に配置されて組み付けられている。これらベース2、回転軸3、ロータ4および超音波モータ5により、駆動系の主要部が構成される。
【0027】
ロータ4は、超音波モータ5を構成する後述する振動体50の振動により、駆動力が付与され、回転軸3をロータ回転中心とする正転方向(時計回りの方向)A1または逆転方向(反時計回りの方向)A2に正逆回転(変位)する。また、ロータ4の外周面は、後述する超音波モータ5を構成する振動体50の凸部51が当接(摺接)する摺動面41を形成する。この場合、振動体50は、その凸部51がロータ4の摺動面41を押圧する状態が維持されるように、図示しない腕部(弾性体)を介して支持(弾性的に支持)されている。
【0028】
ロータ4の図2中左側の側面には、可動部として、外周面をカム面61とする略卵型状のカム部材(ロータ4の回転軸3方向に突出する押圧部材)6が設けられており、ロータ4とカム部材6とが一体的に回転(ロータ4とカム部材6とが連動して回転)するようになっている。この場合、例えば、カム部材6がロータ4に固着されていてもよく、また、ロータ4とカム部材6とが一体的に(一部材で)形成されていてもよいが、特に、ロータ4とカム部材6とが一体的に形成されているのが好ましい。
【0029】
ロータ4にカム部材6を設けることにより、装置全体の小型化、軽量化を図ることができる。そして、ロータ4とカム部材6とを一体的に形成することにより、部品点数を削減することができ、また、ロータ4とカム部材6とをより強固に接合することができ、信頼性が向上する。
このカム部材6のカム面61とベース2上に突出させた受部21との間には、可撓性を有する(復元可能な)チューブ(管状体)10が設置されている。チューブ10は、カム部材6のカム面61と受部21とに当接、すなわち、カム部材6のカム面61と受部21とで挟持されている。このチューブ10の内腔は、流体が流れる(流動する)流路を構成する。
【0030】
カム部材6がロータ4と共に正転方向(時計回りの方向)A1に回転(正回転)すると、カム部材6のカム面61は、その半径が最短側から最長側に向ってチューブ10の表面を摺動する。これにより、カム部材6は、チューブ10に対する押圧力が徐々に増大するようにそのチューブ10を受部21側に押圧(加圧)する。これによって、カム部材6と受部21とでチューブ10が挟み付けられ、圧潰変形し、チューブ10内の流路が圧閉される(閉塞する)。すなわち、圧閉状態(閉塞状態)となる。
【0031】
一方、上記した圧閉状態(閉塞状態)から、カム部材6がロータ4と共に逆転方向(反時計回りの方向)A1に回転(逆回転)すると、カム部材6のカム面61は、その半径が最長側から最短側に向ってチューブ10の表面を摺動する。これにより、チューブ10に対するカム部材6による押圧力は、徐々に減少し、圧潰変形状態にあるチューブ10が元の形状に復元し、チューブ10内の流路が開放される(開通する)。すなわち、開放状態(開通状態)となる。
【0032】
なお、ロータ4には、回転量(変位量)検出手段としてのロータリエンコーダ7が設置されている。このロータリエンコーダ7の機能は、図7に示す後述する超音波モータ5の駆動制御回路とともに説明する。
次に、上記した超音波モータの構成およびその駆動制御を説明する。
なお、図3および図4において、超音波モータ5を構成する振動体50は、その厚さ方向を誇張して示している。
【0033】
図3および図4に示すように、超音波モータ5を構成する振動体50は、ほぼ長方形の板状をなしている。振動体50は、例えば第1の4つの電極52a、52b、52cおよび52dと、第1の圧電素子53と、補強板54と、第2の圧電素子55と、第2の4つの電極56a、56b、56cおよび56dとを順に積層して構成されている。第1の電極52a〜52d、第2の電極56a〜56dは、第1の電極52a〜52dと、第2の電極56a〜56dとが、それぞれ、対応するように配置されている。第1および第2の圧電素子53、55は、それぞれ、長方形状をなしているとともに、これらとほぼ同一の長方形状をなす補強板54の両面にそれぞれ設置(固着)されている。
【0034】
前記振動体50をより詳細に説明すると、振動体50においては、第1の圧電素子53を4つの長方形の領域にほぼ等しく分割(区分)し、分割された各領域に、第1の電極52a〜52dがそれぞれ設置されている。同様にして、第2の圧電素子55もまた4つの領域に分割(区分)し、分割された各領域に、第2の電極56a〜56dが第1の圧電素子53の第1の電極52a〜52dに対して図3および図4中上下対称的にそれぞれ設置されている。
【0035】
第1の圧電素子53の表面側に積層される一方の対角線上の第1の電極52a、52cと、第2の圧電素子55の裏面側に積層される一方の対角線上の第2の電極56a、56cとは、すべて電気的に接続されている。これにより、第1のグループ電極57が形成される。同様にして、第1の圧電素子53の表面側に積層される他方の対角線上の第1の電極52b、52dと、第2の圧電素子55の裏面側に積層される一方の対角線上の第2の電極56b、56dとは、すべて電気的に接続(以下、単に「接続」と言う)されている。これにより、第2のグループ電極58が形成される。そして、第1および第2のグループ電極57、58は、後述する駆動制御回路に接続されている。
【0036】
これら第1および第2の圧電素子53、55の構成材料としては、特に限定されないが、例えばチタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものが好適に用いられる。
また、第1および第2の圧電素子53、55間に介在された補強板54は、振動体50全体を補強する機能を有し、振動体50が過振幅、外力等によって損傷するのを防止する。補強板54の構成材料としては、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅系合金等の弾性を有する各種金属材料であるのが好ましい。
【0037】
また、補強板54は、第1および第2の圧電素子53、55に対する共通の電極としての機能も有している。なお、補強板54は、アース(接地)されている。
この補強板54には、凸部51が一体的に形成されている。
補強板54の厚さは、第1および第2の圧電素子53、55の厚さよりも薄くするのが好ましい。これにより、振動体50、すなわち凸部51を高い効率で振動させることができる。
【0038】
さらに、補強板54は、アース(接地)することにより、第1および第2の圧電素子53、55に対する共通の電極としての機能も有する。すなわち、第1の圧電素子53には、第1の電極52a〜52dのうちの所定の電極と補強板54とによって交流電圧が印加される。第2の圧電素子55には、第2の電極56a〜56dのうちの所定の電極と補強板54とによって交流電圧が印加される。
【0039】
第1および第2の圧電素子53、55は、そのほぼ全体に交流電圧が印加されると長手方向(長辺の方向)に繰り返し伸縮(伸長・収縮)する。これに伴なって、補強板54も長手方向に繰り返し伸縮する。すなわち、第1および第2の圧電素子53、55のほぼ全体に交流電圧が印加されると、振動体50は、励振され、長手方向(長辺の方向)に微小な振幅で振動(縦振動)し、凸部51が縦振動(往復運動)する。
【0040】
次に、超音波モータ5の振動体50によるロータ4への回転駆動力の伝達作用を図5および図6を参照して説明する。なお、図5および図6においては、振動体50の変形状態を誇張して示す。
図5に示すように、ロータ4を正転方向(時計回りの方向)A1に回転させる場合、すなわち、ロータ4に対し正転方向(時計回りの方向)A1に回転駆動力を伝達する場合には、第1のグループ電極57への通電が行われる。
【0041】
第1のグループ電極57の通電により、振動体50の対角線上に位置する第1の電極52a、52cおよび第2の電極56a、56cが通電される。そして、これらの電極52a、52c、56aおよび56cと、補強板54との間に、交流電圧が印加されると、振動体50の各電極52a、52c、56aおよび56cに対応する部分が、それぞれ矢印a方向に繰り返し伸縮する。これにより、振動体50の凸部51は、矢印bで示す斜めの方向への変位、つまり、振動(往復運動)、または、矢印cで示すほぼ楕円に沿うような変位、つまり、楕円振動(楕円運動)する。このとき、ロータ4の摺動面41は、振動体50の各電極52a、52c、56aおよび56cに対応する部分が伸長するときに、振動体50の凸部51からの摩擦力、つまり、押圧力を受ける。
【0042】
すなわち、ロータ4は、振動体50の凸部51の振動変位Sの径方向成分S1(ロータ4の径方向の変位)によって、振動体50の凸部51とロータ4の摺動面41との間に大きな摩擦力が与えられ、振動変位Sの周方向成分S2(ロータ4の円周方向の変位)によって、ロータ4には、正転方向A1への駆動トルク(回転駆動力)が付与される。
【0043】
このように、振動体50が振動すると、ロータ4の摺動面41には、駆動トルク(回転駆動力)が繰り返し作用し、これにより、ロータ4は、正転方向A1に回転する。
このとき、振動体50の他の対角線上に位置する第2のグループ電極58、すなわち、第1の電極52b、52dおよび第2の電極56b、56dには、通電が行われていない。このため、第2のグループ電極58は、振動体50の振動を検出する振動検出手段として利用することも可能である。
【0044】
一方、ロータ4を逆転方向(反時計回りの方向)A2に回転させる場合、すなわち、ロータ4に対し逆転方向(反時計回りの方向)A2に回転駆動力を伝達する場合には、図6に示すように、第2のグループ電極58への通電が行われる。
第2のグループ電極58の通電により、振動体50の対角線上に位置する第1の電極52b、52dおよび第2の電極56b、56dが通電される。そして、これらの電極52b、52d、56bおよび56dと、補強板54との間に、交流電圧が印加されると、振動体50の各電極52b、52d、56bおよび56dに対応する部分が、それぞれ矢印a方向に繰り返し伸縮する。これにより、振動体50の凸部51は、矢印bで示す斜めの方向への変位、つまり、振動(往復運動)、または、矢印cで示すほぼ楕円に沿うような変位、つまり、楕円振動(楕円運動)する。このとき、ロータ4の摺動面41は、振動体50の各電極52b、52d、56bおよび56dに対応する部分が伸長するときに、振動体50の凸部51からの摩擦力、つまり、押圧力を受ける。
【0045】
すなわち、ロータ4は、振動体50の凸部51の振動変位Sの径方向成分S1(ロータ4の径方向の変位)によって、振動体50の凸部51とロータ4の摺動面41との間に大きな摩擦力が与えられ、振動変位Sの周方向成分S2(ロータ4の円周方向の変位)によって、ロータ4には、逆転方向A2への駆動トルク(回転駆動力)が付与される。
【0046】
このように、振動体50が振動すると、ロータ4の摺動面41には、駆動トルク(回転駆動力)が繰り返し作用し、これにより、ロータ4は、逆転方向A2に回転する。
このとき、振動体50の他の対角線上に位置する第1のグループ電極57、すなわち、第1の電極52a、52cおよび第2の電極56a、56cには、通電が行われていない。このため、第1のグループ電極57は、振動体50の振動を検出する振動検出手段として利用することも可能である。
【0047】
ここで、上記振動体50の形状・大きさや凸部51の位置などを適宜選択し、屈曲振動(図5および図6中、横方向の振動)の共振周波数を縦振動の周波数と同程度にすると、振動体50の縦振動と屈曲振動とが同時に発生する。これにより、振動体50の凸部51は、図5および図6中の矢印cで示すように、ほぼ楕円に沿って変位(楕円振動)させることができる。また、従来知られているように縦振動と屈曲振動を別々に位相をずらして駆動すると、楕円振動の長径と短径の比(長径/短径)を変えることができる。
【0048】
ところで、第1および第2の圧電素子53、55に印加する交流電圧の周波数は、特に限定されないが、振動体50の振動(縦振動)の共振周波数とほぼ同程度であるのが好ましい。これにより、振動体50の振幅が大きくなり、高い効率でロータ4を回転駆動することができる。
このような超音波モータ5を用いることにより、チューブバルブ1の小型化(薄型化)を図ることができる利点の他に、通常のモータを用いないことから、従前のような電磁ノイズが全くないか、あっても僅かであるので、周辺の機器に影響を及ぼすことがないという利点もある。
【0049】
また、ロータ4の回転駆動には、可逆的な回転制御が可能になる。
また、振動体50は、通常のモータのように磁力で駆動する場合とは異なり、上述したような摩擦力(押圧力)によってロータ4を駆動することから、駆動力(駆動トルク)が高い。このため、変速機構(減速機構)を介さなくても十分な力でロータ4を駆動することができる。これにより、別途減速機構を設ける必要がないため、減速機構でのエネルギーロスがない。しかも、振動体50の面内振動をロータ4の回転に直接変換していることから、この変換に伴なうエネルギーロスが少なく、ロータ4を高い効率で回転駆動することができる。
さらに、ロータ4が振動体50で直接駆動(回転)され、特に、別途減速機構を設ける必要がないため、装置全体の軽量化、小型化(薄型化)に特に有利である。これにより、構造を極めて簡素化することができ、容易に製造することができるとともに、製造コストの低減化を図ることができる。
【0050】
次に、上記した超音波モータ5の駆動制御回路を説明する。
図7に示すように、駆動制御回路は、振動体50が接続されるスイッチング回路8と駆動回路9とで構成されている。スイッチング回路8は、互いに連動する第1の切換スイッチ部80Aと第2の切換スイッチ部80Bとを有する。
第1の切換スイッチ部80Aは、振動体50の第1のグループ電極57が接続される端子81および一対の切換端子82、83を有する。同様に、第2の切換スイッチ部80Bは、振動体50の第2のグループ電極58が接続される端子84および一対の切換端子85、86を有する。
【0051】
一方、上記駆動回路9は、発振回路91、増幅回路92および回転量(変位量)制御回路93を備えている。発振回路91の入力側は、第1の切換スイッチ部80Aの切換端子83および第2の切換スイッチ部80Bの切換端子86にそれぞれ接続される。また、増幅回路92の出力側は、第1の切換スイッチ部80Aの切換端子82および第2の切換スイッチ部80Bの切換端子85にそれぞれ接続される。
【0052】
スイッチング回路8には、ロータ4の回転方向、つまり、正転方向A1または逆転方向A2の回転が指示される。このスイッチング回路8は、ロータ4の回転方向の指示情報に基づき、振動体50の第1のグループ電極57または第2のグループ電極58を選択的に切換えて通電する。これにより、第1および第2の圧電素子53、55には、交流電圧が発振回路91および増幅回路92を介して印加される。
【0053】
発振回路91および増幅回路92は、後述する回転量(変位量)制御回路93によりそれぞれ制御される。
回転量制御回路93には、ロータ4の外周部に設置される回転量(変位量)検出手段としてのロータリエンコーダ7が接続される。ロータリエンコーダ7は、複数のスリットが一定間隔で形成されたスリット回転板71と、発光部および受光部を有するセンサ72とで構成される。スリット回転板71は、ロータ4と一体的に回転する。
【0054】
この場合、センサ72としては、例えばフォトリフレクタやフォトインタラプタ等が好適に用いられる。フォトリフレクタは、スリット回転板71の外周部に向けて光を照射する発光素子と、スリット回転板71にて反射した光(反射光)を受光する受光素子(光電変換素子)とで構成される。一方、フォトインタラプタは、スリット回転板71の外周部へ向けて光を照射する発光素子と、スリット回転板71を透過した光(透過光)を受光する受光素子(光電変換素子)とで構成される。
【0055】
回転量制御回路93には、ロータ4の回転量や回転速度が指示される。そして、ロータ4が回転すると、ロータリエンコーダ7のスリット回転板71がロータ4と一体的に回転する。このスリット回転板71の回転量や回転速度は、ロータ4の回転量や回転速度に対応する。ロータ4の回転に伴って、センサ72からは、スリット回転板71の回転数に応じたパルス信号が出力される。このパルス信号は、回転量制御回路93に入力される。
【0056】
このとき、回転量制御回路93は、センサ72からのパルス信号を計数し、この計数値に基づいて、ロータ4の回転数が求められる。また、ロータ4の回転速度は、センサ72からのパルスの周期または所定時間内のパルス数に基づいて求めることができる。
なお、回転量(変位量)検出手段としては、上記したロータリエンコーダ7のような光学的な検出手段に限らず、磁気的な検出手段であってもよい。
【0057】
上記した駆動制御回路は、電源スイッチがオンの状態において、ロータ4の回転方向、および回転量(ロータ4の回転回数や回転角度)や回転数(回転速度)の指示があると、その指示に基づいて、スイッチング回路8および駆動回路9の回転量制御回路93が作動する。
ロータ4を正転方向A1に回転させる旨の指示の場合には、スイッチング回路8の端子81と切換端子82とが接続し、端子84と切換端子86とが接続するように、第1のグループ電極57側に切り替わる。これにより、駆動回路9の増幅回路92の出力側と、振動体50の第1の電極52a、52cおよび第2の電極56a、56cとが導通する。一方、第2のグループ電極58側は、駆動回路9の発振回路91の入力側に導通する。これにより、駆動回路9の発振回路91の入力側と、振動体50の第1の電極52b、52dおよび第2の電極56b、56dとが導通する。
【0058】
発振回路91から出力される交流電圧は、増幅回路92で増幅されて、振動体50の各電極52a、52c、56aおよび56cと、補強板54との間に印加される。これにより、上述したように、振動体6の各電極52a、52c、56aおよび56cに対応する部分が、それぞれ繰り返し伸縮する。このような交流電圧の印加により、振動体50の凸部51は、図5の矢印bで示すような斜めの方向への振動(往復運動)、または、矢印cで示すような楕円振動(楕円運動)する。そして、ロータ4の摺動面41は、振動体50の各電極52a、52c、56aおよび56cに対応する部分が伸長するときに、振動体50の凸部51からの摩擦力(押圧力)を受ける。この繰り返しの摩擦力(押圧力)によって、ロータ4が正転方向A1に回転駆動される。
【0059】
このとき、第2のグループ電極58側は、通電されていないため、駆動していない。このため、振動体50の各電極52b、52d、56bおよび56dは、それぞれ検出電極となり、振動体50の各電極52b、52d、56bおよび56dと、補強板54との間に誘起される電圧(誘起電圧)の検出に用いられる。そして、この誘起電圧(検出電圧)は、発振回路91へ入力され、発振回路91は、その検出電圧に基づいて、振動体50の振幅が最大、すなわち、検出電圧が最大になるような周波数(共振周波数)の交流電圧を出力する。これにより、ロータ4を効率良く回転させることができる。
【0060】
また、回転量制御回路93は、指示されたロータ4の回転量(目標値)に基づいて、各電極への通電を制御する。
すなわち、回転量制御回路93は、ロータ4の回転量が、指示されたロータ4の回転量(目標値)になるまで発振回路91および増幅回路92を作動させ、振動体50を駆動し、ロータ4を回転させる。
【0061】
一方、ロータ4を逆転方向A2に回転させる旨の指示の場合には、図7に示すように、スイッチング回路8の端子81と切換端子83とが接続し、端子84と切換端子85とが接続するように、第2のグループ電極58側に切り替わる。これにより、駆動回路9の増幅回路92の出力側と、振動体50の第1の電極52b、52dおよび第2の電極56b、56dとが導通する。また、第1のグループ電極57側は、駆動回路9の発振回路91の入力側に導通する。これにより、駆動回路9の発振回路91の入力側と、振動体50の第1の電極52a、52cおよび第2の電極56a、56cとが導通する。以降の動作は、上述したロータ4を正転方向A1に回転させる旨の指示の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0062】
以上述べたように、このチューブバルブ1によれば、駆動系に超音波モータ5を用いるため、構造を簡素化することができ、小型化、軽量化に有利である。
また、その超音波モータ5をロータ4の外周部に配置することにより、ロータ4と超音波モータ5とが平面的に組み付けられる。これにより、装置全体の厚さが薄くなり、小型化を図ることができる。
【0063】
また、駆動系に超音波モータ5を用いるため、大きな駆動力が得られ、チューブ10内の流路を容易かつ確実に開閉することができる。そして、特に、カム部材6と受部21とでチューブ10内の流路を徐々に圧閉するので、大きな圧閉力が得られる。
【0064】
(第2実施形態)
次に、本発明の流体装置の第2実施形態について説明する。
図8は、本発明の流体装置をチューブバルブに適用した場合の第2実施形態を示す正面図、図9は、図8中のIII−III線での断面図である。
【0065】
以下、第2実施形態のチューブバルブ(流体装置)1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態のチューブバルブ1と、前述した第1実施形態とは、可動部の構成が異なっている。
すなわち、図8および図9に示すように、第2実施形態のチューブバルブ(流体装置)1では、ロータ4には、略円弧状の偏心カム溝(長孔)11が、ロータ4の略周方向に沿って形成されている。このロータ4に形成された偏心カム溝11には、チューブ10が挿通され、ロータ4の偏心カム溝11に臨む縁部(摺動面11a)により、可動部が構成される。
【0066】
この偏心カム溝11は、ベース2に受部21を介して保持されたチューブ10が遊挿状態で挿通可能な溝幅を有する。
また、偏心カム溝11内の内周面のうちの外側(外周側)の部分は、チューブ10が当接(摺接)する摺動面11aを形成する。この摺動面11aは、ロータ4の逆転方向(反時計回りの方向)A2に向って、ロータ4の回転軸(ロータ回転中心)3からの長さ(半径)がチューブ10の口径(直径)に相当する長さ以上に縮小するような螺旋状の偏心形態を有する。
【0067】
偏心カム溝11がロータ4と共に正転方向(時計回りの方向)A1に回転(正回転)すると、偏心カム溝11の摺動面11aは、チューブ10に対する押圧力が徐々に増大するようにそのチューブ10を受部21側に押圧(加圧)する。これによって、偏心カム溝11の摺動面11aと受部21とでチューブ10が挟み付けられ、圧潰変形し、チューブ10内の流路が圧閉される(閉塞する)。すなわち、圧閉状態(閉塞状態)となる。
【0068】
一方、上記した圧閉状態(閉塞状態)から、偏心カム溝11がロータ4と共に逆転方向(反時計回りの方向)A2に回転(逆回転)すると、偏心カム溝11の摺動面11aによるチューブ10に対する押圧力は、徐々に減少し、圧潰変形状態にあるチューブ10が元の形状に復元し、チューブ10内の流路が開放される(開通する)。すなわち、開放状態(開通状態)となる。
【0069】
このチューブバルブ1によれば、前述した第1実施形態のチューブバルブ1と同様の効果が得られる。
そして、このチューブバルブ1では、ロータ4に偏心カム溝11が形成されているので、装置全体の厚さをさらに薄くすることができる。
なお、本発明では、例えば、偏心していない長孔(溝)が、ロータ4の略周方向に沿って形成されていてもよい。
【0070】
(第3実施形態)
次に、本発明の流体装置の第3実施形態について説明する。
図10は、本発明の流体装置をチューブバルブに適用した場合の第3実施形態を示す正面図、図11は、図10中のIV−IV線での断面図である。
以下、第3実施形態のチューブバルブ(流体装置)1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図10および図11に示すように、第3実施形態のチューブバルブ(流体装置)1は、ロータ4の回転運動を押圧部材(可動部)14の直線運動(往復運動)に変換する変換機構を有し、押圧部材14が直線的に移動してチューブ10内の流路を圧閉するよう構成されている。
【0071】
この変換機構は、本実施形態では、カム機構で構成されている。すなわち、変換機構は、ロータ4に形成されたカム溝(長孔)12と、このカム溝12に係合した(カム溝12内に挿入された)ピン13とを有しており、このピン13に、棒状の押圧部材14が固定されている。
カム溝12は、正転方向(時計回りの方向)A1に向って、ロータ4の回転軸(ロータ回転中心)3からの長さ(半径)が長くなる螺旋状(渦巻き状)の形態を有する。このカム溝12は、ロータ4の回転軸3の近傍から外周部まで形成されている。
【0072】
一方、押圧部材14は、ベース2の側壁に形成されたガイド溝22に沿って図10および図11中上下方向に移動自在(往復動自在)に支持され、その下端側の先端部14aは、尖らせた形態を有する。また、ピン13は、押圧部材14の上端部に固定されている。
押圧部材14の先端部14aは、その最上昇位置でベース2の受部21上のチューブ10の表面に当接している。このとき、チューブ10内の流路は、開放されている(開通している)。また、ピン13は、ロータ4の回転軸3から最長位置におけるカム溝12に係合している。
【0073】
カム溝12がロータ4と共に正転方向(時計回りの方向)A1に回転(正回転)すると、押圧部材14は、ピン13と共に徐々に下降する。これにより、押圧部材14の先端部14aは、チューブ10に対する押圧力が徐々に増大するようにそのチューブ10を受部21側に押圧(加圧)する。これによって、押圧部材14の先端部14aと受部21とでチューブ10が挟み付けられ、圧潰変形し、チューブ10内の流路が圧閉される(閉塞する)。すなわち、圧閉状態(閉塞状態)となる。
【0074】
一方、上記した圧閉状態(閉塞状態)から、カム溝12がロータ4と共に逆転方向(反時計回りの方向)A2に回転(逆回転)すると、押圧部材14は、ピン13と共に徐々に上昇する。これにより、チューブ10に対する押圧部材14による押圧力は、徐々に減少し、圧潰変形状態にあるチューブ10が元の形状に復元し、チューブ10内の流路が開放される(開通する)。すなわち、開放状態(開通状態)となる。
【0075】
このチューブバルブ1によれば、前述した第1実施形態のチューブバルブ1と同様の効果が得られる。
そして、このチューブバルブ1では、ロータ4の回転に伴い螺旋状のカム溝12に沿って押圧部材14がピン13を介して僅かずつ直線的に移動するので、大きな圧閉力(押圧力)が得られ、チューブ10内の流路を確実に圧閉することができる。
【0076】
(第4実施形態)
次に、本発明の流体装置の第4実施形態について説明する。
図12は、本発明の流体装置をチューブバルブに適用した場合の第4実施形態を示す正面図である。
以下、第4実施形態のチューブバルブ(流体装置)1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図12に示すように、第4実施形態のチューブバルブ(流体装置)1は、ロータ4の回転運動を、押圧部材としての揺動レバー(可動部)17の揺動運動に変換する変換機構を有し、揺動レバー17が揺動してチューブ10内の流路を圧閉するよう構成されている。
【0077】
この変換機構は、本実施形態では、スライダークランク機構で構成されている。すなわち、変換機構は、ロータ4の側面に設けられたクランクピン(作用点)15と、固定ピン(支点)16と、突起部(力点)19およびスライド溝18が設けられた揺動レバー17とを有している。
揺動レバー17の一端部は、固定ピン16によりベース2上に回動自在に軸支されている。スライド溝18は、揺動レバー17の他端部側に形成されている。
【0078】
また、突起部19は、揺動レバー17の一端部側に形成されている。この場合、突起部19は、ベース2上に突出した受部21に対向する位置に位置しており、これら突起部19と受部21との間には、チューブ10が設置される。チューブ10は、突起部19と受部21とに当接、すなわち、突起部19と受部21とで挟持されている。
また、スライド溝18には、クランクピン15がスライド(移動)自在に係合(挿入)されている。
【0079】
本実施形態では、超音波モータ5の駆動によるロータ4の回転方向は、正転方向(時計回りの方向)A1の一方向のみとされる。なお、前記ロータ4の回転方向は、逆転方向(反時計回りの方向)A2の一方向のみとしてもよい。
揺動レバー17の突起部19は、ロータ4の回転軸3に対するクランクピン15の最上死点でベース2の受部21上のチューブ10の表面に当接している。このとき、チューブ10内の流路は、開放されている(開通している)。
【0080】
ロータ4が正転方向(時計回りの方向)A1に回転(正回転)すると、これと共にクランクピン15は最下死点側に向って移動(回転)し、これにより揺動レバー17は下方に向って回動する。これにより、揺動レバー17の突起部19は、受部21に接近する方向に移動し、その突起部19は、チューブ10に対する押圧力が徐々に増大するようにそのチューブ10を受部21側に押圧(加圧)する。これによって、揺動レバー17の突起部19と受部21とでチューブ10が挟み付けられ、圧潰変形し、チューブ10内の流路が圧閉される(閉塞する)。すなわち、圧閉状態(閉塞状態)となる。
【0081】
一方、上記した圧閉状態(閉塞状態)から、ロータ4がさらに正転方向(時計回りの方向)A1に回転(正回転)すると、これと共にクランクピン15は最下死点から最上死点側に向って移動(回転)し、これにより揺動レバー17は上方に向って回動する。これにより、揺動レバー17の突起部19は、受部21から離間する方向に移動し、チューブ10に対するその突起部19による押圧力は、徐々に減少し、圧潰変形状態にあるチューブ10が元の形状に復元し、チューブ10内の流路が開放される(開通する)。すなわち、開放状態(開通状態)となる。
【0082】
このチューブバルブ1によれば、前述した第1実施形態のチューブバルブ1と同様の効果が得られる。
そして、このチューブバルブ1では、固定ピン16による支点とクランクピン15による作用点間の長さと、固定ピン16による支点と突起部19による力点間の長さとの比により、小さな駆動力で大きな圧閉力(押圧力)が得られ、チューブ10内の流路を確実に圧閉することができる。
【0083】
また、固定ピン16による支点とクランクピン15による作用点間の長さと、固定ピン16による支点と突起部19による力点間の長さとの比を変更することにより、チューブ10に対する圧閉力(押圧力)を容易に調整することができる。
【0084】
(第5実施形態)
次に、本発明の流体装置の第5実施形態について説明する。
図13は、本発明の流体装置をチューブバルブに適用した場合の第5実施形態を示す正面図である。
以下、第5実施形態のチューブバルブ(流体装置)1について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図13に示すように、第5実施形態のチューブバルブ(流体装置)1では、可動部を保持部である1対のピン(凸部)30、30で構成するとともに、チューブ10の屈曲変形(折れ曲がり)により、チューブ10内の流路を閉塞させる。
【0085】
すなわち、第5実施形態のチューブバルブ1では、ロータ4の偏心位置に、1対のピン30、30が、周方向に並んで設けられている。これらのピン30は、ロータ4の回転軸3の方向に突出している。
一方、ベース2には、保持管23が形成されており、チューブ10は、この保持管23内に挿入され、かつ、前記1対のピン30と30の間に設置されている(1対のピン30、30に係止されている)。
【0086】
1対のピン30、30は、ロータ4の回転軸3に対する最上位置においてチューブ10を伸長状態にする(図13に2点鎖線で示す)。このとき、チューブ10内の流路は、開放されている(開通している)。
ロータ4が正転方向(時計回りの方向)A1に回転(正回転)すると、これと共に1対のピン30、30は図13中の右下方向に向って移動(回転)する。これにより、1対のピン30、30間に位置するチューブ10は、ベース2の保持管23の先端の近傍の部位を屈曲点(屈曲部位)として図13中右側に傾倒して屈曲(屈曲変形)する。これによって、チューブ10の屈曲部位が圧潰され、チューブ10内の流路が圧閉される(閉塞する)。すなわち、圧閉状態(閉塞状態)となる。
【0087】
一方、上記した圧閉状態(閉塞状態)から、ロータ4が逆転方向(反時計回りの方向)A2に回転(逆回転)すると、これと共に1対のピン30、30は図13中の左上方向に向って移動(回転)する。これにより、1対のピン30、30間に位置するチューブ10は、図13中上側に向って立ち上がるように伸長し(屈曲変形状態にあるチューブ10が元の形状に復元し)、チューブ10内の流路が開放される(開通する)。すなわち、開放状態(開通状態)となる。
【0088】
このチューブバルブ1によれば、前述した第1実施形態のチューブバルブ1と同様の効果が得られる。
そして、このチューブバルブ1では、1対のピン30、30でチューブ10を屈曲させてその流路を閉塞させるので、小さな駆動力でチューブ10内の流路を確実に閉塞させることができる。
【0089】
(第6実施形態)
次に、本発明の流体装置の第6実施形態について説明する。
図14は、本発明の流体装置をベローズポンプに適用した場合の第6実施形態を示す断面図、図15は、図14に示すベローズポンプの側面図である。
以下、第6実施形態のポンプ(流体装置)100について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。例えば、ポンプ100の駆動系は、前述した第1実施形態のチューブバルブ1の駆動系と基本的に同様な構成であるので、その説明は省略する。
図14および図15に示すように、第6実施形態のポンプ(流体装置)100は、ベース101と、このベース101に設けた回転軸102と、この回転軸102に回転自在に軸支したロータ(変位体)103と、このロータ103に駆動力を付与する超音波モータ5とを有している。ロータ103の外周面は、超音波モータ5を構成する振動体50の凸部51が当接(摺接)する摺動面104を形成する。超音波モータ5は、ロータ103の外周部に平面的に配置されて組み付けられている。これらベース101、回転軸102、ロータ103および超音波モータ5により、駆動系の主要部が構成される。
【0090】
また、ポンプ100は、ベース101に対し、図14および図15中上下方向に直線的に移動自在(往復動自在)に設けた作動杆(可動部)105と、この作動杆105の図14および図15中下側に固着されたベローズ106とを有している。これら作動杆105およびベローズ106により、流体の圧送機構の主要部が構成される。この圧送機構は、前記駆動系により駆動される。
【0091】
また、ベローズ106は、ポンプ室を形成する。このベローズ106には、ベローズ106内に流体を吸入する吸入チューブ107と、ベローズ106内に吸入された流体を排出(送出)する排出チューブ108とが、それぞれ、吸入弁107Aおよび排出弁108Aを介して接続されている。
【0092】
また、ポンプ100は、ロータ103の回転運動を作動杆105の直線運動(往復運動)に変換する変換機構を有している。
この変換機構は、本実施形態では、カム機構で構成されている。すなわち、変換機構は、ロータ103の回転軸102の軸周りに偏心させて形成された環状カム溝109と、この環状カム溝109に係合した(環状カム溝109内に挿入された)ピン110とを有しており、このピン110に、作動杆105が固定されている。
【0093】
本実施形態では、超音波モータ5の駆動によるロータ103の回転方向は、正転方向(時計回りの方向)A1の一方向のみとされる。なお、前記ロータ103の回転方向は、逆転方向(反時計回りの方向)A2の一方向のみとしてもよい。ピン110が、図14および図15に示すように、ロータ103の回転軸102から最長位置における環状カム溝109に係合しているときには、作動杆105は最上昇位置に位置する。このとき、ベローズ106は、伸長している(伸長状態となっている)。
【0094】
環状カム溝109がロータ103と共に正転方向(時計回りの方向)A1に180°回転すると、作動杆105は、ピン110と共に直線的に下降し、ベローズ106は、伸長状態から収縮する(収縮状態となる)。これにより、ベローズ106内の流体が排出弁108Aを介して排出チューブ108から排出(送出)される。このとき、吸入弁107Aは、閉弁状態を維持する。
【0095】
このようなベローズ106の収縮による流体の排出工程は、ロータ103が180°回転したときに終了する。このとき、ピン110は、ロータ103の回転軸102から最短位置における環状カム溝109に係合し、作動杆105は最下降位置に位置する。
この状態から環状カム溝109がロータ103と共に正転方向(時計回りの方向)A1にさらに180°回転すると、作動杆105は、ピン110と共に直線的に上昇し、ベローズ106は、収縮状態から伸長する(伸長状態となる)。これにより、ベローズ106内には、流体が吸入弁107Aを介して吸入チューブ107から吸入される。このとき、排出弁108Aは、閉弁状態を維持する。
【0096】
このようなベローズ106の伸長による流体の吸入工程は、ロータ103が180°回転したときに終了する。このとき、ピン110は、ロータ103の回転軸102から最長位置における環状カム溝109に係合し、作動杆105は最上昇位置に戻る。
このようなロータ103の超音波モータ5の駆動による連続回転により、作動杆105は直線的に往復動(往復運動)し、ベローズ106は、繰り返し伸縮する。そして、このベローズ106の伸縮により、ポンプ室の容積が増減し、流体が移送される。
【0097】
以上述べたように、このポンプ100によれば、前述した第1実施形態のチューブバルブ1と同様に、駆動系に超音波モータ5を用いるため、構造を簡素化することができ、小型化、軽量化に有利である。
また、その超音波モータ5をロータ4の外周部に配置することにより、ロータ4と超音波モータ5とが平面的に組み付けられる。これにより、装置全体の厚さが薄くなり、小型化を図ることができる。
【0098】
また、ロータ103の回転運動を作動杆105の直線運動(往復運動)に変換する変換機構を介してベローズ106を伸縮させるので、構造をより簡素化することができ、小型化、軽量化が図れる。
また、駆動系に超音波モータ5を用いるため、大きな駆動力が得られ、容易かつ確実に流体を移送することができる。
【0099】
(第7実施形態)
次に、本発明の流体装置の第7実施形態について説明する。
図16は、本発明の流体装置をダイヤフラムポンプに適用した場合の第7実施形態を示す断面図、図17は、図16に示すダイヤフラムポンプの平面図、図18は、図16に示すダイヤフラムポンプのロータを裏面側から見た斜視図である。
【0100】
以下、第7実施形態のポンプ(流体装置)200について、前述した第6実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図16〜図18に示すように、第7実施形態のポンプ(流体装置)1では、ダイヤフラム206でポンプ室205の天井部位を構成する。
すなわち、ポンプ200は、ハウジング201と、ハウジング201内に回転軸202を介して水平回転自在に設置されるロータ(変位体)203と、このロータ203に駆動力を付与する超音波モータ5とを有している。ロータ203の外周面は、超音波モータ5を構成する振動体50の凸部51が当接(摺接)する摺動面204を形成する。超音波モータ5は、ロータ203の外周部に平面的に配置されて組み付けられている。これら回転軸202、ロータ203および超音波モータ5により、駆動系の主要部が構成される。
【0101】
また、ハウジング201内には、ポンプ室205が設けられている。このポンプ室205の天井部位は、円盤状のダイヤフラム206で形成されている。ダイヤフラム206の上面中心部には、凸部(可動部)207が設けられている。これらポンプ室205および凸部207により、流体の圧送機構の主要部が構成される。この圧送機構は、前記駆動系により駆動される。
【0102】
また、ポンプ室205には、ポンプ室205に流体を吸入する吸入チューブ208と、ポンプ室205内に吸入された流体を排出(送出)する排出チューブ209とが、それぞれ、吸入弁208Aおよび排出弁209Aを介して接続されている。
また、ポンプ200は、ロータ203の回転運動を凸部207の直線運動(往復運動)に変換する変換機構を有している。
【0103】
この変換機構は、本実施形態では、カム機構で構成されている。すなわち、変換機構は、ロータ203の裏面側に一体的に形成された環状カム面210を有しており、この環状カム面210に、凸部207の先端部が当接される。
この環状カム面210は、ロータ203の周方向に沿って厚さが変化する高さ分布を有している。すなわち、環状カム面210は、図18に示すように、ロータ203の一方(図18中左側)の端面側における肉厚を厚くして最大高さt1に形成し、他方(図18中右側)の端面側における肉厚を薄くして最小高さt2に形成してなる形態を有する。
【0104】
本実施形態では、超音波モータ5の駆動によるロータ203の回転方向は、正転方向(時計回りの方向)A1の一方向のみとされる。なお、前記ロータ203の回転方向は、逆転方向(反時計回りの方向)A2の一方向のみとしてもよい。
凸部207の先端部が、ロータ203の環状カム面210における最小高さt2の位置に当接しているときには、ダイヤフラム206の面は、平面形状をなしている(水平状態となっている)。
【0105】
環状カム面210がロータ203と共に正転方向(時計回りの方向)A1に180°回転すると、凸部207は、環状カム面210に押圧され、ダイヤフラム206の付勢力に抗して下降する。同時に、ダイヤフラム206の中心部が凸部207の下降により押圧され、ダイヤフラム206は、図16に2点鎖線で示すように、ポンプ室205の内側が凸となるように湾曲する。これにより、ポンプ室205内の流体が排出弁209Aを介して排出チューブ209から排出(送出)される。このとき、吸入弁208Aは、閉弁状態を維持する。
【0106】
このようなダイヤフラム206の変形による流体の排出工程は、ロータ203が180°回転し、凸部207の先端部が環状カム面210の最大高さt1の位置に到達した時点で終了する。
この状態から環状カム面210がロータ203と共に正転方向(時計回りの方向)A1にさらに180°回転すると、凸部207は、ダイヤフラム206の付勢力により上昇する。同時に、ダイヤフラム206は、ポンプ室205の外側に向って、元の平面形状に復元する。これにより、ポンプ室205内には、流体が吸入弁208Aを介して吸入チューブ208から吸入される。このとき、排出弁209Aは、閉弁状態を維持する。
【0107】
このようなダイヤフラム206の復元による流体の吸入工程は、ロータ203が180°回転し、凸部207の先端部が環状カム面210の最小高さt2の位置に到達した時点で終了する。
このようなロータ203の超音波モータ5の駆動による連続回転により、凸部207は直線的に往復動(往復運動)し、ダイヤフラム206は、繰り返し変形する。そして、このダイヤフラム206の変形により、ポンプ室205の容積が増減し、流体が移送される。
【0108】
このポンプ200によれば、前述した第6実施形態のポンプ100と同様の効果が得られる。
そして、このポンプ200では、ロータ203の回転運動を凸部207の直線運動(往復運動)に変換する変換機構を介してダイヤフラム206を変形させるので、構造をより簡素化することができ、小型化、軽量化が図れる。
【0109】
以上、本発明の流体装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。
なお、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0110】
また、前記実施形態では、超音波モータの個数は、1個であったが、本発明では、超音波モータの個数は、2個以上であってもよい。
また、前記実施形態では、変位体は、回転自在に設けられたロータであるが、本発明では、変位体は、ロータに限らず、例えば、直線的に移動するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態(チューブバルブ)を示す正面図。
【図2】図1中のI−I線での断面図である。
【図3】超音波モータを構成する振動体を示す斜視図。
【図4】図3中のII−II線での断面図。
【図5】ロータを正転方向に駆動する振動体の励振状態を示す説明図。
【図6】ロータを逆転方向に駆動する振動体の励振状態を示す説明図。
【図7】振動体を駆動制御する回路構成を示すブロック図。
【図8】第2実施形態(チューブバルブ)を示す正面図。
【図9】図8中のIII−III線での断面図である。
【図10】第3実施形態(チューブバルブ)を示す正面図。
【図11】図10中のIV−IV線での断面図。
【図12】第4実施形態(チューブバルブ)を示す正面図。
【図13】第5実施形態(チューブバルブ)を示す正面図。
【図14】第6実施形態(ベローズポンプ)を示す断面図。
【図15】図14に示すベローズポンプの側面図。
【図16】第7実施形態(ダイヤフラムポンプ)を示す断面図。
【図17】図16に示すダイヤフラムポンプの平面図。
【図18】ロータを裏面側から見た斜視図。
【符号の説明】
1…チューブバルブ、2…ベース、21…受部、22…ガイド溝、23…保持管、3…回転軸、4…ロータ、41…摺動面、5…超音波モータ、50…振動体、51…凸部、52a〜52d、第1の電極、53…第1の圧電素子、54…補強板、55…第2の圧電素子、56a〜56d…第2の電極、57…第1のグループ電極、58…第2のグループ電極、6…カム部材、61…カム面、7…ロータリエンコーダ、71…スリット回転板、72…センサ、8…スイッチング回路、80A…第1の切換スイッチ部、80B…第2の切換スイッチ部、81、84…端子、82、83、85、86…切換端子、9…駆動回路、91…発振回路、92…増幅回路、93…回転量制御回路、10…チューブ、11…偏心カム溝、11a…摺動面、12…カム溝、13…ピン、14…押圧部材、14a…先端部、15…クランクピン、16…固定ピン、17…揺動レバー、18…スライド溝、19…突起部、30…ピン、100…ポンプ、101…ベース、102…回転軸、103…ロータ、104…摺動面、105…作動杆、106…ベローズ、107…吸入チューブ、107A…吸入弁、108…排出チューブ、108A…排出弁、109…環状カム溝、110…ピン、200…ポンプ、201…ハウジング、202…回転軸、203…ロータ、204…摺動面、205…ポンプ室、206…ダイヤフラム、207…凸部、208…吸入チューブ、208A…吸入弁、209…排出チューブ、209A…排出弁、210…環状カム面

Claims (14)

  1. 圧電素子を備えた振動体を有し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより前記振動体を励振する超音波モータと、
    前記振動体に当設し、前記振動体からの振動の伝達により駆動力が付与されて回転するロータと、
    前記ロータに固定的に設けられ、前記ロータの回転軸方向に突出する押圧部材とを有し、
    前記押圧部材の回転により、チューブ内の流路を開閉する流体装置であって、
    前記押圧部材により前記チューブ内の所定部位の流路を圧閉するよう構成されていることを特徴とする流体装置。
  2. 前記押圧部材は、外周面をカム面とするカム部材で構成されており、前記カム部材のカム面が前記チューブに当接し、該チューブを圧閉する請求項1に記載の流体装置。
  3. 圧電素子を備えた振動体を有し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより前記振動体を励振する超音波モータと、
    前記振動体に当設し、前記振動体からの振動の伝達により駆動力が付与されて回転するロータと、
    前記ロータに連動して回転し、前記ロータの回転軸方向に突出し、外周面をカム面とするカム部材とを有し、
    前記カム部材の回転により、チューブ内の流路を開閉する流体装置であって、
    前記カム部材のカム面が前記チューブに当接し、前記チューブ内の所定部位の流路を圧閉するよう構成されていることを特徴とする流体装置。
  4. 圧電素子を備えた振動体を有し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより前記振動体を励振する超音波モータと、
    前記振動体に当設し、前記振動体からの振動の伝達により駆動力が付与されて回転するロータとを有し、
    チューブ内の流路を開閉する流体装置であって、
    前記ロータに該ロータの略周方向に沿って長孔が形成され、前記長孔に前記チューブが挿通されており、前記長孔に臨む縁部が前記チューブに当接し、前記チューブ内の所定部位の流路を圧閉するよう構成されていることを特徴とする流体装置。
  5. 圧電素子を備えた振動体を有し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより前記振動体を励振する超音波モータと、
    前記振動体に当設し、前記振動体からの振動の伝達により駆動力が付与されて回転するロータと、
    移動自在に設けられた可動部と、
    前記ロータの回転運動を前記可動部の往復運動に変換する変換機構とを有し、
    前記可動部の移動により、チューブ内の流路を開閉する流体装置であって、
    前記可動部が移動して前記チューブ内の所定部位の流路を圧閉するよう構成されていることを特徴とする流体装置。
  6. 圧電素子を備えた振動体を有し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより前記振動体を励振する超音波モータと、
    前記振動体に当設し、前記振動体からの振動の伝達により駆動力が付与されて回転するロータと、
    移動自在に設けられた可動部と、
    前記ロータの回転運動を前記可動部の揺動運動に変換する変換機構とを有し、
    前記可動部の揺動により、チューブ内の流路を開閉する流体装置であって、
    前記可動部が揺動して前記チューブ内の所定部位の流路を圧閉するよう構成されていることを特徴とする流体装置。
  7. 圧電素子を備えた振動体を有し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより前記振動体を励振する超音波モータと、
    前記振動体に当設し、前記振動体からの振動の伝達により駆動力が付与されて回転するロータと、
    前記ロータに連動して回転する可動部とを有し、
    前記可動部の回転により、チューブ内の流路を開閉する流体装置であって、
    前記可動部の回転により前記チューブが屈曲し、該チューブ内の所定部位の流路を閉塞させるよう構成されていることを特徴とする流体装置。
  8. 前記可動部は、前記ロータに設けられ、前記ロータの回転軸方向に突出する保持部で構成され、前記保持部に前記チューブが係止されている請求項7に記載の流体装置。
  9. 前記ロータの周面に前記振動体が当接している請求項1ないし8のいずれかに記載の流体装置。
  10. 圧電素子を備えた振動体を有し、前記圧電素子に交流電圧を印加することにより前記振動体を励振する超音波モータと、
    前記振動体に当設し、前記振動体からの振動の伝達により駆動力が付与されて変位する変位体と、
    前記変位体に連動して可動する可動部と、
    ポンプ室とを有し、
    前記可動部の可動により、前記ポンプ室の容積が増減して、流体が移送されるよう構成されていることを特徴とする流体装置。
  11. 前記変位体は、回転自在に設けられたロータで構成され、該ロータの周面に前記振動体が当接している請求項10に記載の流体装置。
  12. 前記ロータの回転運動を前記可動部の直線運動に変換する変換機構を有し、前記変換機構により前記可動部が往復運動し、前記可動部の往復運動により、前記ポンプ室の容積が増減する請求項11に記載の流体装置。
  13. 前記ポンプ室の少なくとも一部は、ベローズで構成されており、前記可動部の可動により、前記ベローズが伸縮して前記ポンプ室の容積が増減する請求項10ないし12のいずれかに記載の流体装置。
  14. 前記ポンプ室の少なくとも一部は、ダイヤフラムで構成されており、前記可動部の可動により、前記ダイヤフラムが変形して前記ポンプ室の容積が増減する請求項10ないし12のいずれかに記載の流体装置。
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