JPH11340851A - 無線伝搬路解析回路とこの回路を備えた移動通信装置 - Google Patents

無線伝搬路解析回路とこの回路を備えた移動通信装置

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JPH11340851A
JPH11340851A JP10142916A JP14291698A JPH11340851A JP H11340851 A JPH11340851 A JP H11340851A JP 10142916 A JP10142916 A JP 10142916A JP 14291698 A JP14291698 A JP 14291698A JP H11340851 A JPH11340851 A JP H11340851A
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signal
circuit
sample
signal sample
samples
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JP10142916A
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Hidehiro Takahashi
英博 高橋
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝搬路変動に対し遅れることなく十分な数の
マルチパスに対し正確な解析を可能とし、しかも大容量
のメモリを必要とすることなく安価で高速処理を可能に
する。 【解決手段】 レジスタ群72や最小選択回路73、比
較回路74等のハード回路により構成される上位サンプ
ル記録回路70を設け、整合フィルタ60から出力され
た信号サンプルを先ず16個保存し、以後整合フィルタ
60から新たな信号サンプルが出力されるごとに、この
新たな信号サンプルと、上記16個の信号サンプルのう
ち絶対値が最小の信号サンプルとを比較回路74でレベ
ル比較し、新たな信号サンプルの方が大きい場合には、
この信号サンプルのIQ信号とサンプル番号を表す時刻
データを、上記最小の信号サンプルのデータに代わって
デュアルポートRAM90に格納するようにしたもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無線通信システ
ム、特にマルチパス対策が必要な移動通信システムで使
用される無線伝搬路解析回路とこの回路を備えた移動通
信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、種々の移動通信システムが開発さ
れているが、その中でも特に符号分割多元接続(CDM
A:Code Division Multiple Access )方式を採用した
広帯域移動通信システムのように高速で広帯域の無線通
信を行うシステムでは、マルチパス対策が必要不可欠で
ある。
【0003】そこで、CDMA通信システムでは、例え
ば送信側装置において無線伝送する信号をフレーム化し
て各フレームに固定信号(パイロット)を挿入し、受信
側装置において整合フィルタ(MF:Matched Filter)
によりパイロットを検出してその検出波形から伝搬路を
解析する方式が開発されている。パイロットを受信した
ときの整合フィルタの出力は伝搬路のマルチパス構造に
対応しており、大きなマルチパスに対しては信号レベル
の大きな出力が得られる。しかし、整合フィルタの出力
には一般に熱雑音や他の通信からの干渉によって生じる
雑音成分が含まれており、伝搬路を解析するためにはこ
れらの雑音成分と所望パイロット信号に対応した成分と
を分離する必要がある。
【0004】分離手段には、所望パイロット信号に対応
する成分が他の雑音成分よりも振幅が大きいことを利用
して分離するものが考えられ、その一例として次のよう
なものがある。
【0005】(1)整合フィルタの出力を予め定めたし
きい値と比較し、しきい値よりも大きければそのサンプ
ルを所望パイロット対応成分と見なして伝搬路解析に供
する方式。
【0006】(2)ある期間の整合フィルタの出力をす
べて一旦メモリに蓄積し、この蓄積した整合フィルタ出
力からレベルが最大となるサンプルを含む上位いくつか
のサンプルを抽出して、この抽出したサンプルを基に所
望パイロット対応成分を得て伝搬路解析に供する方式。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1)の方式では、しきい値を定める課程において相当
期間に渡り信号解析を行う必要があるため、伝搬路変動
に対する追従が遅れがちになる。またしきい値の決定に
誤りが生じる可能性があり、伝搬路解析が不正確になる
確率が高くなる。さらにマルチパス対策を実施する回路
は対応可能なマルチパス数が限られることが多いため、
しきい値を超える整合フィルタの出力がこの数以下であ
る保証はなく、結果として十分なマルチパス対策を行え
ない。
【0008】一方(2)の方式では、例えば1フレーム
分のマッチドフィルタ出力を蓄積するための大容量のメ
モリを必要とするため、回路規模の大型化と大幅なコス
トアップを招く。また一旦メモリに蓄えてから上位の信
号サンプルを決定するので、その処理に多くの時間を要
し処理遅延を生じる。
【0009】この発明は上記事情に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、伝搬路変動に対し遅れ
ることなく十分な数のマルチパスに対し正確な解析を可
能とし、しかも大容量のメモリを必要とすることなく安
価で高速処理を可能にした無線伝搬路解析回路とこの回
路を備えた移動通信装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明の無線伝搬路解析回路は、無線伝送信号に周
期的に挿入されている固定信号を検出し、その検出波形
を表す信号サンプルを所定のサンプリング周期で時系列
的に出力する整合フィルタと、信号サンプル検出回路と
を備えている。そして、信号サンプル検出回路により、
上記整合フィルタから出力された信号サンプルを早いも
の順に所定個数検出して保存し、以後新たな信号サンプ
ルが検出されるごとに、この信号サンプルを上記保存し
た所定個数の信号サンプル中で最小の信号サンプルとレ
ベル比較して、新たな信号サンプルの方が大きい場合に
この信号サンプルを上記最小の信号サンプルに置き換え
て保存する動作を、上記固定信号の挿入周期に相当する
検出期間に渡って行うようにし、この信号サンプル検出
回路により得られた上記所定個数の信号サンプルを選択
的に使用して無線伝搬路の解析を行うようにしたもので
ある。
【0011】従ってこの発明によれば、信号サンプル検
出回路では、固定信号の送信周期に相当する期間内にお
いて、整合フィルタから信号サンプルが出力されるごと
に、この信号サンプルとそれ以前に出力された信号サン
プルとのレベル比較が時系列的に行われ、最終的にレベ
ルが上位の所定個数の信号サンプルが保存される。この
ため、無線伝搬路に対応する信号サンプルをその他の雑
音から分離抽出するための精密なしきい値を必要としな
い。また所定個数分の信号サンプルを保存するに必要な
容量を持つメモリを用意すればよく、整合フィルタの出
力を1周期期間に渡りすべて蓄積するようにしていた従
来の回路に比べ、メモリ容量を大幅に減らして回路規模
の小型化とコストダウンを図ることができる。さらに、
信号サンプルの検出処理も整合フィルタの出力に対しリ
アルタイムで行われるので、処理遅延が生じず高速処理
が可能となる。
【0012】またこの発明は、検出した信号サンプルを
保存する際には、少なくとも信号サンプルの絶対値及び
サンプルの番号を保存するとよい。このようにすると、
信号サンプルの受信タイミングを簡単に表すことがで
き、DSP等の信号処理回路による解析処理を容易にす
ることができる。
【0013】また信号サンプル検出回路を、保存した所
定個数の信号サンプルを相互にレベル比較して最小の信
号サンプルを選択する第1の比較回路と、新たに検出さ
れた信号サンプルを前記第1の比較回路により選択され
た最小の信号サンプルとレベル比較して、大きい方の信
号サンプルを前記最小の信号サンプルに置き換えて保存
させる第2の比較回路とを用いて構成することで、信号
サンプル検出回路をハード回路で構成することができ、
これにより高速動作を実現できる。
【0014】さらにこの発明は、信号サンプル検出回路
による所定個数の信号サンプルの検出動作を複数の検出
期間においてそれぞれ行わせ、これら複数の検出期間に
おいて得られた所定個数の信号サンプルのうち検出期間
内の時刻が一致するもの同士を加算し、この加算後の複
数の信号サンプルの中から選択したそれより少数の信号
サンプルを基に、無線伝搬路の解析処理を行うようにし
たことも特徴としている。
【0015】このように構成することで、有力な無線伝
搬路に対応する信号サンプルを干渉波や熱雑音等による
信号サンプルに対しより際立たせることができ、これに
より干渉波や熱雑音等による影響を抑圧して、伝搬路解
析の精度をさらに高めることができる。
【0016】さらにこの発明は、整合フィルタから出力
された信号サンプルを間引いて信号サンプル検出回路に
供給する間引き回路をさらに備えたことも特徴とする。
このようにすることで、信号サンプル検出回路の動作速
度を遅くすることができ、これにより回路規模の小型化
等が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照してこの発明の
一実施形態を説明する。図1は、この発明に係わるCD
MA移動通信装置の一実施形態を示す回路ブロック図で
ある。
【0018】同図において、図示しない基地局から送信
された無線周波信号は、アンテナ1で受信されたのちア
ンテナ共用器2(DUP)を介して受信回路(RX)3
に入力される。受信回路3では、上記無線周波信号が周
波数シンセサイザ(SYN)4から出力された受信局部
発振信号とミキシングされて中間周波信号に周波数変換
される。なお、上記周波数シンセサイザ4から発生され
る受信局部発振信号の周波数は、制御部40からの制御
信号SYCによって指示される。
【0019】上記受信中間周波信号は、CDMA信号処
理部6において、直交復調処理が施されたのち、受信チ
ャネルに割り当てられた拡散符号(PN符号)により逆
拡散処理が施されてデータレートに応じた所定のフォー
マットの復調データに変換される。そしてこの変換され
た復調データは音声符号処理部7に入力され、また上記
受信データのうちデータレートを示すデータについては
受信データレートとして制御部40に入力される。
【0020】音声符号処理部7は、上記CDMA信号処
理部6から出力された復調データに対し、制御部40か
ら通知される受信データレートに応じた伸長処理を施し
たのち、ビタビ復号等を用いた復号処理と、誤り訂正復
号処理を行って、ベースバンドの受信ディジタルデータ
を再生する。
【0021】PCM符号処理部8は、制御部40から出
力されたディジタル音声信号通信の種別(音声通信、デ
ータ通信)に応じて異なる信号処理を行なう。すなわ
ち、音声通信時には、音声符号処理部7から出力された
受信ディジタルデータをPCM復号してアナログ受話信
号を出力する。このアナログ受話信号は、受話増幅器9
にて増幅されたのちスピーカ10より拡声出力される。
これに対しデータ通信時には、音声符号処理部7から出
力された受信ディジタルデータを制御部40へ出力す
る。制御部40は、上記受信ディジタルデータをインタ
フェース20から、例えば携帯情報端末(PDA:Pers
onal Digital Assistance )やノート型パーソナル・コ
ンピュータ等のパーソナル・コンピュータPCへ出力す
る。なお、50はモデム等を備えたパーソナル・コンピ
ュータPC用の通信インタフェースである。
【0022】一方、音声通信時における話者の入力音声
は、マイクロホン11を通じてアナログ送話信号として
入力され、送話増幅器12で適正レベルまで増幅された
のち、PCM符号処理部8にてPCM符号化処理が施さ
れ、送信データとして音声符号処理部7に供給される。
また、パーソナル・コンピュータPCから出力されたデ
ータは、インタフェース20を介して制御部40に入力
され、この制御部40からPCM符号処理部8を介して
音声符号処理部7に出力される。
【0023】音声符号処理部7は、音声通信時には、P
CM符号処理部8から出力された送信音声データより入
力音声のエネルギー量を検出し、この検出結果に基づい
てデータレートを決定する。そして、上記送信データを
上記データレートに応じたフォーマットのバースト信号
に圧縮し、さらに誤り訂正符号化処理を施したのちCD
MA信号処理部6へ出力する。また、データ通信時にお
いては、PCM符号処理部8から出力された送信データ
を、予め設定されたデータレートに応じたフォーマット
のバースト信号に圧縮し、さらに誤り訂正符号化処理を
施してCDMA信号処理部6へ出力する。なお、音声通
信時およびデータ通信時、いずれのデータレートも、送
信データレートとして制御部40に通知される。
【0024】CDMA信号処理部6は、上記音声符号処
理部7にて圧縮されたバースト信号に対して、送信チャ
ネルに割り当てられたPN符号を用いて拡散処理を施
す。そしてこの拡散符号化された送信信号に対して直交
変調処理を施し、この直交変調信号を送信回路(TX)
5へ出力する。
【0025】送信回路5は、上記直交変調信号を周波数
シンセサイザ4から発生される送信局部発振信号と合成
して無線周波信号に変換する。そして、送信回路5は、
制御部40により通知される送信データレートに基づい
て、上記無線周波信号の有効部分だけを高周波増幅し、
送信無線周波信号として出力する。この送信回路5から
出力された送信無線周波信号は、アンテナ共用器2を介
してアンテナ1に供給され、このアンテナ1から図示し
ない基地局へ向けてバースト送信される。
【0026】制御部40は、例えばマイクロコンピュー
タを主制御部として有し、装置内の各回路部を統括的に
制御している。その制御内容としては、発着信に応じて
図示しない基地局と通信リンクを開設して音声通信やデ
ータ通信を行なうための通信制御機能や、例えば通話相
手の音声を記憶部41を用いて録音/再生する制御機能
等を備えている。
【0027】コンソールユニット(CU)42にはダイ
ヤルキー、発信キー、電源キー、終了キー、音量調節キ
ーおよびモード指定キーなどのキー群と、通話相手端末
の電話番号や装置の動作状態などを表示するためのLC
D表示器、バッテリ30のDischarge 状態を示す(バッ
テリ30の充電を要求する)LEDランプが設けられて
いる。なお、31は電源回路であり、バッテリ30の出
力を基に所定の動作電源電圧Vccを生成して各回路部に
供給する。
【0028】ところで、上記CDMA信号処理部6には
CDMA信号の復調を行うRAKE受信機等の他に、無
線伝搬路解析回路が設けられている。無線伝搬路解析回
路は、基地局から送信された無線伝送信号に周期的に挿
入されている固定信号(パイロット)を検出してマルチ
パスの無線伝送路を解析するもので、例えば図2に示す
ように構成される。
【0029】すなわち、無線伝搬路解析回路は、整合フ
ィルタ(マッチドフィルタ)60と、この整合フィルタ
60に対し動作クロックを供給するクロック発生回路6
1と、上位サンプル記録回路70と、上記クロック発生
回路61から発生されるクロックに同期して1フレーム
中の時刻を表す時刻データを発生するタイムベース80
と、デュアルポートRAM90と、DSP(Digital Si
gnal Processor)を用いた信号解析処理回路100とか
ら構成される。
【0030】整合フィルタ60は、受信回路3から出力
されたディジタル直交復調信号をPN符号により逆拡散
処理し、これにより無線伝送信号に周期的に挿入されて
いるパイロットの検出波形を出力する。この検出波形
は、時間的に離散的な複素サンプルとなる。
【0031】上位サンプル記録回路70は、絶対値演算
回路71と、レジスタ回路72と、最小選択回路73
と、比較回路74とを備えている。絶対値演算回路71
は、上記整合フィルタ60から出力された直交復調信号
の複素サンプルの絶対値を算出する。
【0032】レジスタ回路72は、絶対値レジスタ(A
bs)72aと、IQレジスタ72bと、時刻レジスタ
72cとから構成される。絶対値レジスタ72aは16
個からなり、これらの絶対値レジスタには1フレーム期
間に整合フィルタ60の出力から抽出した複数の信号サ
ンプルのうち、上位16個の信号サンプルの絶対値が記
録される。なお、このとき、記録する16個の信号サン
プルの抽出順位とレジスタのアドレスとの間には関連を
持たせる必要はない。
【0033】IQレジスタ72bは、整合フィルタ60
から信号サンプルが出力されるごとに、この最新の信号
サンプルを次の信号サンプルが出力されるまで保持す
る。時刻レジスタ72cは、タイムベース80から発生
された時刻データを、上記IQレジスタ72bに保持さ
れる信号サンプルのサンプル番号として保持する。
【0034】最小選択回路73は、上記16個の絶対値
レジスタ72aに記録された信号サンプルの絶対値の中
から最も小さいものを選択するもので、図3に示すよう
に構成される。すなわち、最小選択回路73は逆樹枝状
(トーナメント状)に接続した7個の小値選択回路73
0を備え、上記16個の絶対値レジスタ72aから読み
出された各信号サンプルの絶対値を、上記7個の小値選
択回路730に通すことで、上記16個の信号サンプル
のうち絶対値が最小の信号サンプルを選択して出力す
る。図4は上記各小値選択回路730の構成を示すもの
で、同図に示すように小値選択回路730はセレクタ7
31と大小比較回路732とから構成される。
【0035】比較回路74は、上記絶対値演算回路71
から新たな信号サンプルの絶対値が出力されるごとに、
この新たな信号サンプルの絶対値と、上記最小選択回路
73から出力された記録済み信号サンプルの最小値とを
比較する。そして、新たな信号サンプルの絶対値の方が
大きければ、この新たな信号サンプルの絶対値を上記記
録済み信号サンプルの最小値に代わって絶対値レジスタ
72aに記録させるべく、絶対値レジスタ72aに対し
更新パルスを出力する。またこの更新パルスはデュアル
ポートRAM90にも供給する。
【0036】デュアルポートRAM90は、上記更新パ
ルスを受けると、IQレジスタ72bに保持されている
上記新たな信号サンプルの複素信号を実部(I)及び虚
部(Q)の形式で書き込み、同時に時刻レジスタ72c
に保持されている時刻データ、つまり信号サンプルの番
号を上記信号サンプルの複素信号に対応づけて書き込
む。このときの書込みアドレスは、最小選択回路73に
よって最小値が選択された信号サンプルが記録されてい
る絶対値レジスタ72aのアドレスに対応する。
【0037】信号解析処理回路100は、1フレームの
信号サンプル検出動作が終了するごとに、上記デュアル
ポートRAM90に記憶されている上位16個の信号サ
ンプルのIQ値及びその時刻データを読み込み、これら
のデータを基に無線伝搬路の解析処理を行う。
【0038】次に、以上のように構成された無線伝搬路
解析回路の動作を説明する。CDMA移動通信システム
の基地局は、無線伝送信号を例えば一定の長さ(例えば
625μsec )でフレーム化し、これらのフレームごと
にパイロットを挿入して送信している。
【0039】これに対し移動局として使用されるCDM
A移動通信装置は、無線伝搬路解析回路において、上記
基地局から到来した無線伝送信号よりパイロットをフレ
ームごとに検出し、このパイロットの検出結果を基にマ
ルチパス無線伝搬路の解析を行う。
【0040】すなわち、図示しない基地局からマルチパ
ス伝送路を介して到来した無線伝送信号は、受信回路3
で受信されたのち直交復調処理が施されて、複素信号形
式のディジタル復調信号に変換される。このディジタル
復調信号は、整合フィルタ60に入力され、ここでPN
符号により逆拡散される。このとき整合フィルタ60
は、クロック発生回路61から発生されたクロックに同
期して動作するディジタルフィルタであるため、上記逆
拡散された出力信号は時間的に離散的な信号サンプルと
なって出力される。
【0041】先ず第1のフレーム受信期間において、上
記整合フィルタ60から信号サンプルが順次出力される
と、そのIQ値とサンプル番号を表す時刻データがIQ
値レジスタ72b,72cを介してデュアルポートRA
M90に順次格納される。またそれとともに、上記各信
号サンプルの絶対値が16個の絶対値レジスタ72aに
順次記録される。そして、絶対値レジスタ72aに16
個の信号サンプルの絶対値が記録されると、以後上位サ
ンプル記録回路70では整合フィルタ60から新たな信
号サンプルが出力されるごとに、この新たな信号サンプ
ルと上記16個の信号サンプルのうちの最小値との絶対
値比較が行われ、この比較結果を基にデュアルポートR
AM90に格納されている16個の信号サンプルの更新
処理が行われる。
【0042】すなわち、整合フィルタ60から信号サン
プルが新たに出力されるごとに、最小選択回路73では
その時点で絶対値レジスタ72aに保持されている16
個の信号サンプルの絶対値が相互に比較され、そのうち
の最小の絶対値が選択される。そして、上記新たに出力
された信号サンプルの絶対値と上記最小選択回路73に
より選択された最小絶対値とが比較回路74において比
較される。
【0043】この比較の結果、上記新たに出力された信
号サンプルの絶対値の方が大きければ、比較回路74か
ら更新パルスが出力される。このため、絶対値レジスタ
72aには、上記新たに出力された信号サンプルの絶対
値が、それまで保持されていた最小絶対値に代わって記
憶される。また、デュアルポートRAM90には、上記
新たに出力された信号サンプルのIQ信号とこの信号サ
ンプルのサンプル番号を表す時刻データが、それぞれI
Qレジスタ72b及び時刻レジスタ72cを介して入力
され、それまで格納されていた絶対値が最小の信号サン
プルのデータに代わって格納される。
【0044】以後同様に、整合フィルタ60から新たな
信号サンプルが出力されるごとに、この新たな信号サン
プルの絶対値と、絶対値レジスタ72aに保持されてい
る16個の信号サンプルの絶対値のうちの最小値とが比
較回路74で大小比較され、新たな信号サンプルの方が
絶対値が大きければ、デュアルポートRAM90に格納
されている絶対値が最小の信号サンプルのデータが更新
される。
【0045】従って、第1のフレーム受信期間が終了し
た時点で、デュアルポートRAM90には絶対値の大き
い上位16個の信号サンプルのデータが格納されること
になる。そして、以上のように求められた上位16個の
信号サンプルデータは、デュアルポートRAM90から
信号解析処理回路100に取り込まれる。
【0046】以後同様に、例えば第2のフレーム受信期
間においても、上位サンプル記録回路70により絶対値
の大きい上位16個の信号サンプルが検出される。そし
て、この第2のフレーム受信期間で得られた16個の信
号サンプルデータは、先に第1のフレーム受信期間に求
めた16個の信号サンプルデータのうちの時間データが
一致するもの、つまり同一の時間に相当するものに加算
される。この加算処理により、有力な無線伝搬路に対応
する信号サンプルデータを、干渉波や熱雑音による信号
サンプルデータに対しさらに際立たせることができる。
【0047】そうして、加算処理した信号サンプルが得
られると、信号解析処理回路100はこの加算後の複数
の信号サンプルの中からレベルが上位の例えば8個の信
号サンプルを選択する。つまり、検出した信号サンプル
数を16個から8個に絞り込む。
【0048】そして、続く第3のフレーム受信期間にお
いてレベルが上位の16個の信号サンプルが得られる
と、今度はこの16個の信号サンプルのうち上記8個の
信号サンプルと時刻が一致するものを、この8個の信号
サンプルに加算する。そして、この加算後の8個の信号
サンプルの中から4個の信号サンプルを選択する。つま
り、検出した信号サンプル数をさらに8個から4個に絞
り込む。
【0049】そして、信号解析処理回路100は、例え
ばこの4個の信号サンプルのIQ信号を基に、マルチパ
スにより生じる反射波及び直接波の位相や振幅を算出し
て伝搬路の解析を行う。
【0050】以上のようにこの実施形態では、レジスタ
群72や最小選択回路73、比較回路74等のハード回
路により構成される上位サンプル記録回路70を設け、
整合フィルタ60から出力された信号サンプルを先ず1
6個保存し、以後整合フィルタ60から新たな信号サン
プルが出力されるごとに、この新たな信号サンプルと、
上記16個の信号サンプルのうち絶対値が最小の信号サ
ンプルとを比較回路74でレベル比較し、新たな信号サ
ンプルの方が大きい場合には、この信号サンプルのIQ
信号とサンプル番号を表す時刻データを、上記最小の信
号サンプルのデータに代わってデュアルポートRAM9
0に格納するようにしている。
【0051】したがって、16個分の信号サンプルのデ
ータを保存するに必要な容量を持つメモリを用意すれば
よく、整合フィルタ60の出力を1フレーム期間に渡り
すべて蓄積するようにしていた従来の回路に比べ、メモ
リ容量を大幅に減らして回路規模の小型化とコストダウ
ンを図ることができる。さらに、信号サンプルの検出も
整合フィルタ60の出力に対しリアルタイムで行われる
ので、処理遅延が生じず高速処理が可能となる。
【0052】また、複数のフレーム受信期間においてそ
れぞれ検出した信号サンプルを検出時刻の同じもの同士
で加算し、この加算後の複数の信号サンプルの中からレ
ベルが特に大きいものをさらに選択し、この選択した信
号サンプルデータをもとに無線伝搬路の解析処理を行う
ようにしている。
【0053】したがって、有力な無線伝搬路に対応する
信号サンプルを干渉波や熱雑音等による信号サンプルに
対しより際立たせることができ、これにより干渉波や熱
雑音等による影響を抑圧して、伝搬路解析の精度をさら
に高めることができる。
【0054】なお、この発明は上記実施形態に限定され
るものではない。例えば、最小選択回路73の回路規模
を低減するために間引き回路を設けるとよい。図5はそ
の構成を示したものである。同図において、整合フィル
タ60の後段には間引き回路7が設けてある。この間引
き回路7は、整合フィルタ60から出力される信号サン
プルを一定の間隔で間引く。このように構成すると、上
位サンプル記録回路70に入力される信号サンプルの間
隔が長くなる。その結果上位サンプル記録回路70の動
作速度を遅くすることが可能となり、最小選択回路73
では時間多重処理が可能になって、回路規模の小型化を
実現できる。
【0055】間引き回路の構成としては、単純に一定の
タイミングでのみ入力した信号サンプルを出力するもの
や、例えば数サンプルで構成される区間で最大の絶対値
を与える信号サンプルを選択して出力するもの、さらに
は例えば数サンプルで構成される区間における信号サン
プルの絶対値の総和を出力するもの等が考えられる。
【0056】また、前記実施形態では信号サンプルの絶
対値の上位16位までのものを検出し保持するするよう
にしたが、16に限るものではなく、最小選択回路73
の回路規模や信号解析処理回路100を構成するDSP
の処理速度が許す範囲で大きな値に設定するとよい。こ
の値は大きければ大きいほど好都合である。
【0057】その他、上位サンプル記録回路の回路構成
や、無線伝搬路解析回路の回路構成、移動通信装置の構
成等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種
々変形して実施できる。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したようにこの発明では、信号
サンプル検出回路により、上記整合フィルタから出力さ
れた信号サンプルを早いもの順に所定個数検出して保存
し、以後新たな信号サンプルが出力されるごとに、この
信号サンプルを上記保存した所定個数の信号サンプル中
で最小の信号サンプルとレベル比較し、新たな信号サン
プルの方が大きい場合にこの信号サンプルを上記最小の
信号サンプルに置き換えて保存する動作を、上記固定信
号の挿入周期に相当する検出期間に渡って行うように
し、この信号サンプル検出回路により得られた上記所定
個数の信号サンプルを選択的に使用して無線伝搬路の解
析を行うようにしている。
【0059】従ってこの発明によれば、伝搬路変動に対
し遅れることなく十分な数のマルチパスに対し正確な解
析を行え、しかも大容量のメモリを必要とすることなく
安価で高速処理を行える無線伝搬路解析回路とこの回路
を備えた移動通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係わるCDMA移動通信装置の構
成を示す回路ブロック図。
【図2】 図1に示した装置に備えられた無線伝搬路解
析回路の構成を示す回路ブロック図。
【図3】 図2に示した無線伝搬路解析回路における最
小選択回路の構成を示す回路ブロック図。
【図4】 図3に示した最小選択回路における小値選択
回路の構成の一例を示す図。
【図5】 この発明に係わる無線伝搬路解析回路の第2
の実施形態を示す回路ブロック図。
【符号の説明】
1…アンテナ 2…アンテナ共用器(DUP) 3…受信回路(RX) 4…周波数シンセサイザ 5…送信回路(TX) 6…CDMA信号処理部 7…音声符号処理部 8…PCM符号処理部 9…受話増幅器 10…スピーカ 11…マイクロホン 12…送話増幅器 20…外部機器接続用のインタフェース 30…バッテリ 31…電源回路 40…制御部 41…記憶部 42…コンソールユニット(CU) 50…通信インタフェース PC…パーソナル・コンピュータ 60…整合フィルタ 61…クロック発生回路 70…上位サンプル記録回路 71…絶対値演算回路 72…レジスタ回路 72a…絶対値レジスタ 72b…IQ値レジスタ 72c…時刻レジスタ 73…最小選択回路 730…小値選択回路 731…セレクタ 732…大小比較回路 74…比較回路 80…タイムベース 90…デュアルポートRAM 100…信号解析処理回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線伝送信号に周期的に挿入されている
    固定信号を検出し、その検出波形を表す信号サンプルを
    所定のサンプリング周期で時系列的に出力する整合フィ
    ルタと、 この整合フィルタから出力された信号サンプルを早いも
    の順に所定個数保存し、以後新たな信号サンプルが出力
    されるごとに、この信号サンプルを前記保存した所定個
    数の信号サンプル中でレベルが最小の信号サンプルと比
    較して、新たな信号サンプルの方が大きい場合にこの信
    号サンプルを前記最小の信号サンプルに置き換えて保存
    する動作を、前記固定信号の挿入周期に相当する検出期
    間に渡って行う信号サンプル検出回路と、 この信号サンプル検出回路により得られた前記所定個数
    の信号サンプルを選択的に使用して無線伝搬路の解析処
    理を行う信号解析処理回路とを具備したことを特徴とす
    る無線伝搬路解析回路。
  2. 【請求項2】 前記信号サンプル検出回路は、検出した
    信号サンプルの絶対値及びサンプルの時間位置を表す情
    報を少なくとも保存することを特徴とする請求項1又は
    2記載の無線伝搬路解析回路。
  3. 【請求項3】 前記信号サンプル検出回路は、 保存した所定個数の信号サンプルを相互にレベル比較し
    て最小の信号サンプルを選択する第1の比較回路と、 新たに検出された信号サンプルを前記第1の比較回路に
    より選択された最小の信号サンプルとレベル比較して、
    大きい方の信号サンプルを前記最小の信号サンプルに置
    き換えて保存させる第2の比較回路とを備えたことを特
    徴とする請求項1又は2記載の無線伝搬路解析回路。
  4. 【請求項4】 前記信号解析処理回路は、前記信号サン
    プル検出回路による所定個数の信号サンプルの検出動作
    を複数の検出期間においてそれぞれ行わせ、これら複数
    の検出期間において得られた所定個数の信号サンプルの
    うち検出期間内の時刻が一致するもの同士を加算し、こ
    の加算後の複数の信号サンプルの中から選択したそれよ
    り少数の信号サンプルを基に無線伝搬路の解析処理を行
    うことを特徴とする請求項1記載の無線伝搬路解析回
    路。
  5. 【請求項5】 前記整合フィルタから出力された信号サ
    ンプルを間引いて前記信号サンプル検出回路に供給する
    間引き回路をさらに備えたことを特徴とする請求項1記
    載の無線伝搬路解析回路。
  6. 【請求項6】 周期的に固定信号が挿入された無線伝送
    信号を受信する無線受信回路と、この無線受信回路から
    出力された受信信号を基に無線伝搬路の解析を行う無線
    伝搬路解析回路と、この無線伝搬路解析回路の解析結果
    に基づいて前記無線伝送信号に対する同期を確立し、受
    信信号の再生を行う回路とを備えた移動通信装置であっ
    て、 前記無線伝搬路解析回路は、無線伝送信号に周期的に挿
    入されている固定信号を検出し、その検出波形を表す信
    号サンプルを所定のサンプリング周期で時系列的に出力
    する整合フィルタと、 この整合フィルタの出力から信号サンプルを早いもの順
    に所定個数保存し、以後新たな信号サンプルが出力され
    るごとに、この信号サンプルを前記保存した所定個数の
    信号サンプル中で最小の信号サンプルとレベル比較し
    て、新たな信号サンプルの方が大きい場合にこの信号サ
    ンプルを前記最小の信号サンプルに置き換えて保存する
    動作を、前記固定信号の挿入周期に相当する検出期間に
    渡って行う信号サンプル検出回路と、 この信号サンプル検出回路により得られた前記所定個数
    の信号サンプルを選択的に使用して無線伝搬路の解析処
    理を行う信号処理回路とを備えたことを特徴とする移動
    通信装置。
JP10142916A 1998-05-25 1998-05-25 無線伝搬路解析回路とこの回路を備えた移動通信装置 Pending JPH11340851A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7068709B2 (en) 2000-11-24 2006-06-27 Kabushiki Kaisha Toshiba Code synchronous timing determining method upon information reception in CDMA system, determining apparatus, and CDMA receiving apparatus
CN102231140A (zh) * 2011-06-07 2011-11-02 上海电力学院 一种基于双口ram的数据包络获取方法

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