JP2002185363A - スペクトル拡散通信において信号を検出する方法 - Google Patents

スペクトル拡散通信において信号を検出する方法

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JP2002185363A
JP2002185363A JP2000379243A JP2000379243A JP2002185363A JP 2002185363 A JP2002185363 A JP 2002185363A JP 2000379243 A JP2000379243 A JP 2000379243A JP 2000379243 A JP2000379243 A JP 2000379243A JP 2002185363 A JP2002185363 A JP 2002185363A
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correlation value
timing
signal
maximum
received signal
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JP2000379243A
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Hiroyuki Inuzuka
浩之 犬塚
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Toyota Industries Corp
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Toyota Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スペクトル拡散通信において、受信レベルが
低い場合であっても信号と雑音とを識別できる方法を提
供する。 【解決手段】 シンボル時間毎に最大相関値が得られる
タイミングを検出する。各シンボル時間毎に、その直前
のシンボル時間において最大相関値が得られたタイミン
グと同じタイミングで相関値データをサンプリングす
る。複数回のサンプリングにより得られる相関値の平均
を算出する。この平均値が予め設定されているしきい値
よりも大きければ、受信信号の中に目的とする信号が含
まれているものと判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトル拡散通
信において信号を検出する方法に係わり、特に、スペク
トル拡散通信において信号と雑音とを識別する方法に係
わる。
【0002】
【従来の技術】無線通信システムのひとつとして、スペ
クトル拡散通信が知られている。スペクトル拡散通信で
は、データは、拡散符号を用いて拡散されて伝送され
る。そして、受信機は、送信機において使用された拡散
符号と同じ符号を用いて受信信号を逆拡散することによ
りデータを再生する。尚、スペクトル拡散通信方法は、
CDMA(Code Division Multiple Access )を実現す
る基盤技術である。また、スペクトル拡散通信を実現す
る技術としては、直接拡散方式および周波数ホッピング
方式が知られているが、以下では、直接拡散方式につい
て説明する。
【0003】直接拡散方式では、送信装置において、伝
送データに直接的に拡散符号が乗積される。拡散符号
は、伝送データよりも高速のデータ列である。そして、
拡散信号は、搬送波に載せられて無線伝送路に送出され
る。一方、受信装置は、送信装置において使用された拡
散符号と同じ拡散符号を受信信号に乗積することにより
伝送データを再生する。ここで、この乗積処理は、実質
的には、受信信号と拡散符号との相関を検出する処理と
同じである。そして、この相関値(受信信号の各チップ
の論理値と拡散符号の各チップの論理値とが一致する
値)に基づいて、伝送データが再生される。
【0004】上述の例は、1組の通信装置間で信号が伝
送される場合を示しているが、実際には、通常、通信エ
リア内に多数の通信装置(基地局を含む)が存在する。
例えば、図7に示す例では、基地局100に対して複数
の端末装置101、102が設けられている。この場
合、基地局100と各端末装置とを接続する無線チャネ
ルは、拡散符号により識別される。即ち、基地局100
は、端末装置101へデータを送る際には、拡散符号#
01を用いてそのデータを拡散し、端末装置102へデ
ータを送る際には、拡散符号#02を用いてそのデータ
を拡散する。
【0005】端末装置101は、デジタルマッチドフィ
ルタ等を用いて、受信信号と拡散符号#01との相関を
モニタする。このとき、受信信号の中に拡散符号#01
を用いて拡散された信号が含まれていれば、図8(a) に
示すように、一定周期ごとに相関値のピークが得られる
ことになる。したがって、端末装置101は、受信信号
と拡散符号#01との相関をモニタすることにより、自
分宛ての信号が伝送されているのか否かを検出できる。
具体的には、例えば、上記相関を表す相関値のピークが
予め設定されているしきい値を越えたときに、自分宛て
の信号が伝送されているものと判断する。そして、端末
装置101は、自分宛ての信号を検出すると、相関値の
ピークが得られるタイミングを利用してその相関値から
伝送データを再生する。
【0006】一方、受信信号の中に拡散符号#01を用
いて拡散された信号が含まれていない場合は、図8(b)
に示すように、端末装置101において得られる受信信
号と拡散符号#01との相関は周期的なピークを持たな
い。例えば、基地局100から端末装置102へデータ
が送出されている期間に、基地局100から端末装置1
01へはデータが送出されていなかったものとすると、
端末装置101は、基地局100から端末装置102へ
データを伝送するための信号を受信する。しかし、この
信号は、拡散符号#02を用いてデータを拡散すること
により得られた信号である。したがって、この場合、端
末装置101において、受信信号と拡散符号#01との
相関が高くなることはなく、周期的なピークは現れな
い。
【0007】したがって、この場合、相関値がしきい値
を越えることはなく、端末装置101は、自分宛ての信
号が伝送されていないものと判断する。そして、端末装
置101は、受信信号からデータを再生する処理を行わ
ない。なお、自分宛ての信号が含まれていない信号は、
雑音として認識される。
【0008】このように、スペクトル拡散通信の受信装
置は、受信信号と拡散符号との相関をモニタすることに
より、自分宛ての信号を検出できる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、無線通信シ
ステムでは、受信装置において十分な受信レベルが得ら
れないことがある。受信レベルは、たとえば、送信装置
と受信装置との間の距離や、無線伝送路の通信環境など
に応じて変動する。
【0010】受信レベルが低下すると、その受信信号と
拡散符号との相関を表す相関値も小さくなる。すなわ
ち、デジタルマッチドフィルタ等を用いて受信信号と拡
散符号との相関をモニタする受信装置では、一般に、得
られる相関値は受信信号の振幅に比例するので、そのよ
うな受信装置においては、受信レベルが低下すると相関
値は全体的に小さくなってしまう。この結果、受信信号
と拡散符号との相関値のピークは、受信信号の中に目的
とする信号が含まれているときでも、図8(c) に示すよ
うに、しきい値よりも低くなってしまう。この場合、目
的の信号が伝送されているにもかかわらず、その信号を
検出できない事態が起こり得る。
【0011】なお、受信レベルが低いときは、しばし
ば、受信信号は増幅器を用いて増幅される。しかし、増
幅率を高くするとS/N比が悪化するので、受信レベル
が大幅に低下した場合には、受信信号を十分に増幅でき
ない。しがたって、受信レベルが大幅に低下した場合に
は、結局、相関値のピークが十分には得られないことに
なる。
【0012】また、受信レベルが低下した場合であって
も信号を検出できるようなしきい値を設定しようとする
と、目的の信号が含まれていない場合(例えば、図8
(b) に示すケース)に誤って信号が検出されてしまうの
で、好ましくない。本発明の課題は、スペクトル拡散通
信において、受信レベルが低い場合であっても信号と雑
音とを識別できる方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の信号検出方法
は、スペクトル拡散通信において信号を検出する方法で
あって、受信信号と拡散符号との相関を表す相関値デー
タを生成し、シンボルの周期に対応する長さのモニタ期
間の中で上記相関値データの最大値が得られる最大相関
値タイミングを検出し、上記最大相関値タイミングが検
出されたモニタ期間よりも後のモニタ期間においてその
最大相関値タイミングと同じタイミングで上記相関値デ
ータをサンプリングし、そのサンプリングにより得られ
た相関値に基づいて受信信号の中に上記拡散符号に対応
する信号が含まれているか否かを判断する。
【0014】スペクトル拡散通信においては、受信信号
の中に拡散符号に対応する信号が含まれている場合、そ
の受信信号と拡散符号との相関を表す相関値データは、
周期的にピークを持つ。このため、過去のモニタ期間に
おいて検出された最大相関値タイミングと同じタイミン
グで当該モニタ期間の相関値データをサンプリングする
と、そのモニタ期間においても最大相関値が得られる。
一方、受信信号の中に拡散符号に対応する信号が含まれ
ていない場合は、相関値データの最大値が得られるタイ
ミングはランダムである。このため、過去のモニタ期間
において検出された最大相関値タイミングと同じタイミ
ングで当該モニタ期間の相関値データをサンプリングし
たとき、そのモニタ期間の最大相関値が得られる確率は
低い。
【0015】したがって、相関値データの最大値が互い
に同じレベルであったとしても、上記方法によりサンプ
リングされる相関値を比較することにより、受信信号の
中に拡散符号に対応する信号が含まれている状態と含ま
れていない状態とを識別できる。
【0016】なお、判断の精度を高めるためには、たと
えば、上記サンプリングを複数回行い、各サンプリング
により得られた相関値の平均を算出し、その算出された
平均値に基づいて受信信号の中に上記拡散符号に対応す
る信号が含まれているか否かを判断するようにしてもよ
い。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施形態について説明する。なお、この実施例で
は、拡散方式として直接拡散方式が利用されているもの
とする。図1は、スペクトラム拡散通信システムにおい
て使用される受信装置のブロック図である。受信装置
は、無線網から受信した信号から伝送データを再生す
る。受信信号は、まず、搬送波と同じ周波数の周期波が
乗積される。この周期波は、受信装置内に設けられる発
振器1により生成される。これにより、受信信号の周波
数がベースバンド付近のそれに変換される。
【0018】上記周期波が乗積された受信信号は、ロー
パスフィルタにより高周波成分が除去された後、A/D
変換器2に与えられる。A/D変換器2は、受信信号の
振幅に対応する複数ビットのデジタルデータを出力す
る。すなわち、A/D変換器2は、受信レベルが高いと
きは、それに対応する振幅の大きな値のデジタルデータ
を出力し、受信レベルが低いときは、それに対応する振
幅の小さな値のデジタルデータを出力する。相関部3
は、A/D変換器2により生成されるデータ列と、送信
装置において使用された拡散符号と同じ符号との相関を
モニタし、そのモニタにより得られる相関値データを検
出部4に通知する。
【0019】検出部4は、相関部3により生成される相
関値データに基づいて、受信信号の中に目的とする信号
が含まれているか否かを判断する。なお「目的とする信
号」とは、当該受信装置宛てのデータを伝送するための
信号であって、当該受信装置が使用する拡散符号と同じ
拡散符号によって拡散された信号をいう。そして、目的
とする信号を検出した場合には、相関値データから符号
同期のタイミングを検出する。復号部5は、検出部4に
より検出される符号同期タイミングにおいて与えられる
相関値データに対応したデータを生成する。
【0020】上記受信装置において、本発明に特に係る
技術は、検出部4において目的とする信号を検出する方
法に係わる。次に、図2および図3を参照しながら、受
信信号の中に目的とする信号が含まれているか否かを判
断する方法を説明する。なお、受信信号は、基本的に、
複数の無線信号を含んでいる。すなわち、複数の端末装
置が存在する無線通信システムでは、各端末装置がそれ
ぞれ任意に信号を送出できるので、端末装置は、複数の
端末装置から送出された無線信号を受信し得る。
【0021】図2は、大電力ノイズの受信時の相関値デ
ータを示す図である。ここで、「大電力ノイズ」とは、
受信信号の中に目的とする信号が含まれていないが受信
レベル自体は比較的高い状態をいう。大電力ノイズの受
信時は、受信信号の中に目的とする信号が含まれていな
いので、受信信号と拡散符号との相関が所定のタイミン
グにおいて顕著に高くなることはない。すなわち、相関
値データが明確なピークを持つことはない。しかし、受
信信号の振幅自体は大きいので、相関値データは全体的
に比較的大きくなっている。
【0022】検出部4は、相関値データをモニタし、シ
ンボル時間毎にその最大値を検出する。ここでは、第
1、第2、第3シンボル時間において、それぞれ最大相
関値として「48」「48」「49」が得られている。
なお、「シンボル時間(モニタ期間)」は、拡散符号の
周期と同じ長さとする。また、この実施例に示す相関値
データの値は、説明のための値であり、ディメンジョン
等については定義しないものとする。
【0023】また、検出部4は、シンボル時間毎にその
期間の中の最大相関値が得られるタイミング(最大相関
値タイミング)を検出する。ここで、タイミングは、タ
イミングカウンタのカウント値により表される。なお、
タイミングカウンタは、拡散符号のチップ周波数(又
は、その整数倍の周波数)のクロックによりカウントア
ップされ、シンボル時間毎にリセットされる周期カウン
タであり、相関部3または検出部4に設けられる。ここ
では、タイミングカウンタは、シンボル時間毎に「0」
〜「9」のカウント動作を繰り返す。そして、この実施
例では、第1、第2、第3シンボル時間において最大相
関値が得られるタイミングとして、「5」「1」「8」
が検出されている。このように、受信信号の中に目的と
する信号が含まれていないときは、最大相関値が得られ
るタイミングは、通常、周期的ではなくランダムに分布
する。
【0024】図3は、受信信号の中に目的とする信号が
含まれている場合の相関値データを示す図である。ここ
では、受信レベルが低く、相関値データは全体的に小さ
いものとする。具体的には、シンボル時間ごとに得られ
る最大相関値が、概ね大電力ノイズ受信時の最大相関値
と同じレベルであるものとする。この実施例では、第
1、第2、第3シンボル時間において、それぞれ最大相
関値として「48」「49」「47」が得られている。
【0025】また、受信信号の中に目的とする信号が含
まれている場合は、最大相関値は、当業者にはよく知ら
れているように、周期的に検出される。ここでは、第1
〜第3シンボル時間において最大相関値が得られるタイ
ミングとして、すべて「5」が検出されている。
【0026】このように、大電力ノイズの受信時には最
大相関値が非周期的に検出されるのに対し、受信信号の
中に目的とする信号が含まれている場合には最大相関値
が周期的に検出される。したがって、この差異を利用す
れば、最大相関値が同レベルであったとしても、受信信
号の中に目的とする信号が含まれているか否かを検出で
きる。以下、図2および図3を参照しながら、信号を検
出するための手法を説明する。
【0027】受信信号の中に目的とする信号が含まれて
いる場合は、上述したように、最大相関値が周期的に検
出される。すなわち、各シンボル時間において最大相関
値が検出されるタイミングは、基本的に同じである。し
たがって、この場合、あるシンボル時間において最大相
関値が得られるタイミングは、その前のシンボル時間に
おいて最大相関値が得られたタイミングと同じになる。
図3に示す例では、あるシンボル時間の「タイミングカ
ウンタ=5」において最大相関値が検出されると、その
次のシンボル時間の「タイミングカウンタ=5」におい
ても最大相関値が検出される。
【0028】一方、受信信号の中に目的とする信号が含
まれていない場合は、上述したように、最大相関値が検
出されるタイミングはランダムに分布する。すなわち、
各シンボル時間において最大相関値が検出されるタイミ
ングは、基本的に互いに異なっている。したがって、こ
の場合、あるシンボル時間において最大相関値が得られ
るタイミングと同じタイミングで次のシンボル時間の相
関値データをサンプリングすると、最大相関値が得られ
る可能性は低い。図2に示す例では、第1シンボル時間
の「タイミングカウンタ=5」において最大相関値が検
出されるが、第2シンボル時間「タイミングカウンタ=
5」で検出される相関値は、比較的小さな値となってい
る。
【0029】本実施形態の信号検出方法は、この特徴を
利用する。即ち、検出部4は、各シンボル時間ごとに最
大相関値が得られるタイミングを検出しておく。そし
て、信号検出のために利用される相関値データは、過去
の所定のシンボル時間(実施例では、直前のシンボル時
間)において最大相関値が得られたタイミングと同じタ
イミングにおいてサンプリングされる。たとえば、図3
に示す例では、第1シンボル時間の最大相関値は「タイ
ミングカウンタ=5」において検出されているので、第
2シンボル時間では、「タイミングカウンタ=5」にお
いて相関値データがサンプリングされる。この結果、
「相関値=49」が得られている。また、第2シンボル
時間の最大相関値も「タイミングカウンタ=5」におい
て検出されているので、第3シンボル時間でも「タイミ
ングカウンタ=5」において相関値データがサンプリン
グされ、この結果、「相関値=47」が得られている。
【0030】一方、図2に示す例では、第1シンボル時
間の最大相関値は「タイミングカウンタ=5」において
検出されているので、第2シンボル時間では、「タイミ
ングカウンタ=5」において相関値データがサンプリン
グされる。この結果、「相関値=30」が得られてい
る。また、第2シンボル時間の最大相関値は「タイミン
グカウンタ=1」において検出されているので、第3シ
ンボル時間では「タイミングカウンタ=1」において相
関値データがサンプリングされ、この結果、「相関値=
27」が得られている。
【0031】検出部4は、上述のサンプリングを所定回
数繰り返し行い、検出された相関値の平均値を算出す
る。この実施例では、3回のサンプリングの平均を算出
するものとする。例えば、図3に示す例では、第2〜第
4のシンボル時間において「49」「47」「48」が
得られており、その平均値として「48」が得られる。
一方、図2に示す例では、第2〜第4のシンボル時間に
おいて「30」「27」「48」が得られており、その
平均値として「35」が得られる。
【0032】このように、受信信号の中に目的とする信
号が含まれている場合(図3参照)は、あるシンボル時
間において最大相関値が得られるタイミングを用いて次
のシンボル時間の相関値データをサンプリングすると、
最大相関値が得られる確率が高い。したがって、複数回
のサンプリングにより得られる相関値の平均は、最大相
関値に近い値となる。一方、受信信号の中に目的とする
信号が含まれていない場合(図2参照)は、あるシンボ
ル時間において最大相関値が得られるタイミングを用い
て次のシンボル時間の相関値データをサンプリングする
と、最大相関値が得られる確率は低い。したがって、複
数回のサンプリングにより得られる相関値の平均は、最
大相関値と比べてかなり小さな値になる。
【0033】本実施形態の信号検出方法は、上記平均値
を比較することにより、受信信号の中に目的とする信号
が含まれているか否かを判断する。例えば、上述の例で
は、信号の有無を判断するためのしきい値として、例え
ば「40」を設定れば、図2に示すケース(相関値の平
均=48)は目的とする信号が含まれているものと判断
され、図3に示すケース(相関値の平均=35)は目的
とする信号が含まれていないものと判断される。そし
て、本実施形態の受信装置は、目的とする信号を受信し
ているものと判断した場合は、同期検出処理およびデー
タ再生処理を開始する。
【0034】このように、本実施形態の受信装置では、
受信信号の中に目的とする信号が含まれている場合に最
大相関値データが周期的に検出されることを利用して目
的とする信号の有無を判断するので、受信レベルが低い
場合であってもそれを検出できる。すなわち、目的とす
る信号の受信レベルが低い場合と、大電力ノイズ(受信
レベルが高く、且つ受信信号の中に目的とする信号が含
まれていない場合)とを正しく識別できる。
【0035】図4は、相関部3のブロック図である。こ
こでは、タイミングカウンタが相関部3に設けられてい
るものとする。シフトレジスタ11は、A/D変換器2
から出力されるデータ列を格納する。なお、シフトレジ
スタ11は、A/D変換器2の出力のビット幅に対応す
る数のシフトレジスタ回路から構成される。そして、こ
のシフトレジスタ11は、拡散符号のチップ周波数(オ
ーバーサンプリングの場合は、その整数倍の周波数)の
クロックによりシフト動作を行う。タイミングカウンタ
12は、上記クロックによりカウントアップされ、シン
ボル時間ごとにリセットされる周期カウンタである。演
算回路13は、シフトレジスタ11に新たなデータエレ
メントが入力される毎に、シフトレジスタ11に格納さ
れているデータ列と拡散符号との相関を表す相関値デー
タを算出する。このとき、タイミングカウンタ12は、
その相関値データが算出されたときのカウント値をタイ
ミング情報として出力する。
【0036】図5は、受信信号から目的とする信号を検
出するための回路の中のサンプリング部のブロック図で
ある。この回路は、例えば、図1に示す検出部4の中に
設けられ、相関部3により生成される相関値データを所
定のタイミングでサンプリングする。
【0037】相関部3により生成される相関値データ
は、相関値レジスタ21、相関値比較回路22、相関値
レジスタ31に与えられる。相関値比較回路22は、相
関値レジスタ21に保持されている相関値と新たに入力
される相関値とを比較し、新たに入力された相関値の方
が大きかったときに第1の書込指示(Load Enable )を
生成する。そして、相関値レジスタ21は、第1の書込
指示を受信したとき、新たに入力された相関値を取り込
む。この構成により、相関値レジスタ21は、自分が保
持している相関値よりも大きな相関値が入力される毎に
更新され、常に、その時点までに受信した相関値の中で
最大の相関値を保持することになる。
【0038】タイミング情報は、次々と入力される各相
関値データのシンボル時間内におけるタイミングを表す
情報であり、タイミングレジスタ23、タイミング比較
回路32に与えられる。なお、タイミング情報は、図4
に示したタイミングカウンタのカウント値である。そし
て、タイミングレジスタ23は、第1の書込指示を受信
したとき、新たに入力されたタイミング情報を取り込
む。すなわち、相関値レジスタ21が新たな相関値デー
タを取り込むとき、その相関値データに対応するタイミ
ング情報がタイミングレジスタ23に書き込まれる。
【0039】タイミング保持回路24は、シンボル時間
が経過するごとに生成されるリセット信号を受信したと
きに、タイミングレジスタ23に保持されているタイミ
ング情報を取り込み、次のリセット信号を受信するまで
それを保持する。すなわち、タイミング保持回路24に
は、対応するシンボル時間において最大相関値が得られ
るタイミングを表すタイミング情報が保持されることに
なる。なお、相関値レジスタ21およびタイミングレジ
スタ23は、タイミング保持回路24がタイミングレジ
スタ23からタイミング情報を取り込んだ後にリセット
されるものとする。
【0040】タイミング比較回路32は、タイミング保
持回路24に保持されているタイミング情報と、新たに
入力されるタイミング情報とを比較し、それらが互いに
一致したときに第2の書込指示(Load Enable )を生成
する。一方、相関値レジスタ31は、第2の書込指示を
受信すると、そのタイミングで相関部3から与えられて
いる相関値データを取り込む。そして、相関値保持回路
33は、シンボル時間が経過する毎に相関値レジスタ3
1が取り込んだ相関値データを取得して保持する。
【0041】なお、この回路は、シンボル時間ごとに最
大相関値が得られるタイミングを検出する際に、各最大
相関値に対応する位相を検出することもできる。この場
合、図5において、位相レジスタ41、42、及び位相
保持回路43は、それぞれ相関値レジスタ21、31、
及び相関値保持回路33に対応する役割を果たす。
【0042】ここで、図3を参照しながら、上記回路の
動作例を説明する。まず、第1シンボル時間において、
相関値データおよびタイミング情報が次々と入力され
る。このとき、相関値レジスタ21および相関値比較回
路22により最大相関値が検出され、タイミングレジス
タ23によりその最大相関値が検出されたときのタイミ
ング情報が検出される。この結果、タイミング保持回路
24に、タイミング情報として「5」が保持される。
【0043】続いて、第2シンボル時間では、タイミン
グ保持回路24に保持されているタイミング情報(すな
わち、「5」)がタイミング比較回路32に与えられ
る。したがって、タイミング比較回路32は、第2シン
ボル時間の「タイミング情報=5」のタイミングにおい
て第2の書込指示を生成し、相関値レジスタ31は、そ
のタイミングで与えられる相関値データを取り込む。こ
れにより、第2シンボル時間の「タイミング情報=5」
における相関値データが相関値保持回路33に保持され
る。
【0044】図6は、受信信号から目的とする信号を検
出するための回路の中の判断部のブロック図である。こ
の回路は、例えば、図1に示す検出部4の中に設けら
れ、図5の回路によりサンプリングされる相関値データ
に基づいて目的とする信号が存在するか否かを判断す
る。
【0045】加算機51およびレジスタ52は、シンボ
ル時間ごとに図5に示す回路から出力される相関値デー
タを累積的に加算する。そして、N(予め決められた整
数)個の相関値データを累積的に加算した結果を出力す
る。割り算回路53は、レジスタ52の出力を「N」で
割り算する。これにより、サンプリングされた相関値の
平均が算出される。そして、比較回路54は、算出され
た平均相関値と予め設定されているしきい値とを比較す
る。このとき、この平均相関値がしきい値よりも大きけ
れば、受信信号の中に信号が含まれているものと判断す
る。
【0046】なお、上述の実施例では、受信信号の中に
目的とする信号が含まれているか否かを、相関値データ
の平均値に基づいて判断しているが、1回のサンプリン
グにより得られる相関値データに基づいて判断してもよ
い。ただし、判断の精度は、平均値を用いた方が高くな
る。
【0047】また、上述の実施例では、直前のシンボル
時間において最大相関値が得られたタイミングで当該シ
ンボル時間の相関値データをサンプリングしているが、
本発明はこれに限定されるものではなく、過去に最大相
関値が検出されたタイミングを利用してサンプリングを
行ってもよい。例えば、第1シンボル時間において最大
相関値が検出されたタイミングで、第2〜第Nシンボル
時間のサンプリングを行ってもよい。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、スペクトル拡散通信の
受信装置において、受信レベルが低い場合であっても信
号と雑音とを識別できる。したがって、信号を受信して
いないにもかかわらず同期動作、データ再生動作、アン
テナ選択動作などを開始してしまう事態や、信号を受信
しているにもかかわらずそれらの動作を起動できない事
態が回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】スペクトラム拡散通信システムにおいて使用さ
れる受信装置のブロック図である。
【図2】大電力ノイズの受信時の相関値データを示す図
である。
【図3】受信信号の中に目的とする信号が含まれている
場合の相関値データを示す図である。
【図4】相関部のブロック図である。
【図5】受信信号から目的とする信号を検出するための
回路の中のサンプリング部のブロック図である。
【図6】受信信号から目的とする信号を検出するための
回路の中の判断部のブロック図である。
【図7】スペクトル拡散通信システムの一例を示す図で
ある。
【図8】受信信号と拡散符号との相関を示す図である。
【符号の説明】
2 A/D変換器 3 相関部 4 検出部 5 復号部 12 タイミングカウンタ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スペクトル拡散通信において信号を検出
    する方法であって、 受信信号と拡散符号との相関を表す相関値データを生成
    し、 シンボルの周期に対応する長さのモニタ期間の中で上記
    相関値データの最大値が得られる最大相関値タイミング
    を検出し、 上記最大相関値タイミングが検出されたモニタ期間より
    も後のモニタ期間において、その最大相関値タイミング
    と同じタイミングで上記相関値データをサンプリング
    し、 そのサンプリングにより得られた相関値に基づいて、受
    信信号の中に上記拡散符号に対応する信号が含まれてい
    るか否かを判断する信号検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法であって、 上記サンプリングは、上記最大相関値タイミングが検出
    されたモニタ期間の次のモニタ期間において行われる。
  3. 【請求項3】 スペクトル拡散通信において信号を検出
    する方法であって、 受信信号と拡散符号との相関を表す相関値データを生成
    し、 シンボルの周期に対応する長さのモニタ期間毎にその期
    間の中で上記相関値データの最大値が得られる最大相関
    値タイミングをそれぞれ検出し、 上記最大相関値タイミングが検出された各モニタ期間の
    次のモニタ期間において、それぞれその最大相関値タイ
    ミングと同じタイミングで相関値データをサンプリング
    し、 各サンプリングにより得られた相関値の平均を算出し、 算出された平均値に基づいて、受信信号の中に上記拡散
    符号に対応する信号が含まれているか否かを判断する信
    号検出方法。
  4. 【請求項4】 スペクトル拡散通信における受信装置で
    あって、 受信信号と拡散符号との相関を表す相関値データを生成
    する生成手段と、 シンボルの周期に対応する長さのモニタ期間の中で上記
    相関値データの最大値が得られる最大相関値タイミング
    を検出する検出手段と、 上記最大相関値タイミングが検出されたモニタ期間より
    も後のモニタ期間において、その最大相関値タイミング
    と同じタイミングで上記相関値データをサンプリングす
    るサンプリング手段と、 上記サンプリング手段により得られた相関値に基づい
    て、受信信号の中に上記拡散符号に対応する信号が含ま
    れているか否かを判断する判断手段と、 上記受信信号の中に上記拡散符号に対応する信号が含ま
    れている場合に、その拡散符号に対応する信号から伝送
    データを再生する再生手段と、 を有する受信装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014506049A (ja) * 2010-12-24 2014-03-06 エンモドゥス、リミテッド 雑音中の信号検出
CN103973622A (zh) * 2014-05-26 2014-08-06 许昌学院 一种快捷的msk通信检测解调方法

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