JPH11339798A - 二次電池負極用炭素材料の製造方法と得られた炭素材料 - Google Patents

二次電池負極用炭素材料の製造方法と得られた炭素材料

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JPH11339798A
JPH11339798A JP10143479A JP14347998A JPH11339798A JP H11339798 A JPH11339798 A JP H11339798A JP 10143479 A JP10143479 A JP 10143479A JP 14347998 A JP14347998 A JP 14347998A JP H11339798 A JPH11339798 A JP H11339798A
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JP
Japan
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carbon
mesophase
negative electrode
secondary battery
boron
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JP10143479A
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English (en)
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Nobuyuki Sato
信之 佐藤
Hitomi Hatano
仁美 羽多野
嘉則 ▲高▼木
Yoshinori Takagi
Takayuki Torii
孝行 鳥居
Satoshi Yuya
敏 油谷
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】放電容量の大きい二次電池負極用炭素材料の製
造方法の提供。 【解決手段】メソフェーズ/フリーカーボンの重量比が
2〜20であるメソフェーズカーボン小球体とホウ素化
合物の混合物を黒鉛化するか、または炭素質材料とホウ
素化合物の混合物を、灰分5%以下のパッキング材で覆
い、通電し、加熱して、黒鉛化することにより、負極用
炭素材料を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二次電池用、特に
リチウムイオン二次電池用の負極材として使用される炭
素材料の製造方法とそれにより得られた炭素材料に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】リチウムイオン二次電池は、小型で軽
量、充電容量が大きい、高電圧・大電流が取り出せる、
サイクル寿命に優れるなど、さまざまな特徴を持ってい
る。さらに、リチウムイオン二次電池は、充電の際に金
属リチウムが析出することなく、リチウムがイオンとし
て負極材にドープされるので、金属リチウムの場合のよ
うな発火の危険性もなく安全性の高い二次電池である。
【0003】リチウムイオン二次電池の正極にはLiC
oO2 ,LiNiO2 ,LiMn24 などが使用さ
れ、負極には黒鉛、その他の炭素質材料が使用される。
LiCoO2 を正極に使用した場合、放電、充電は下式
で示される。
【0004】このリチウムイオン二次電池の負極材とし
て、現在、炭素繊維、人造黒鉛、天然黒鉛、メソフェー
ズカーボン小球体等が採用されているが、その放電容量
は、黒鉛の理論容量である372mAh/gに比べると
まだ低く、改善の余地が残されていた。なお、メソフェ
ーズカーボン小球体とは、後述するように、平均粒径5
〜40μmである粒状の光学異方性を示すものである。
炭素質材料(コークス、炭素繊維、メソフェーズカーボ
ン小球体など)にホウ素化合物を添加し、黒鉛化処理す
ると放電容量が増大することが、特開平5−25108
0、特開平5−266880、特開平5−29084
3、特開平8−306359、特開平9−63584、
特開平9−63585号公報等に開示されている。
【0005】しかし、リチウムイオン二次電池の負極材
に要求される性能は、放電容量が大きいことのほかに、
電解液の分解を少なくするために比表面積が小さく、か
つ体積当りの放電容量を大きくするために充填密度が高
いこと等があげられる。これらのすべての要件を満足さ
せる炭素質材料としては、メソフェーズカーボン小球体
が適している。これは、メソフェーズカーボン小球体が
炭素繊維、人造黒鉛、天然黒鉛に比べ、形態が球状に近
いことに起因している。メソフェーズカーボン小球体と
ホウ素化合物を黒鉛化し充放電容量を改善した例が特開
平9−63584号公報に記載されている。しかし、必
ずしもあらゆる種類のメソフェーズカーボン小球体を用
いればよいというわけではなかった。
【0006】また、黒鉛化処理としては、 間接通電炉を用いる方法(図3) 黒鉛るつぼにメソフェーズカーボン小球体などの炭素材
料を詰め、るつぼをコークス等のパッキング材料で覆
い、パッキング材料に電気を通し、昇温して、黒鉛化処
理を行なう方法。 直接通電炉を用いる方法(図4) 黒鉛るつぼに電気を通して、昇温すること以外は、間接
通電炉と同じ。 タンマン炉を用いる方法(図5) 管状発熱体中、不活性ガス流通下で、メソフェーズカー
ボン小球体などの炭素材料の黒鉛化を行なう方法、があ
る。
【0007】ホウ素化合物を添加しない場合、間接通電
炉、直接通電炉などを用いて、黒鉛化しても特に問題が
なかった。しかし、ホウ素化合物と、メソフェーズカー
ボン小球体などの炭素材料との混合物を、間接通電炉ま
たは直接通電炉を用いて、黒鉛化すると、パッキング材
料中に灰分(主に鉄、アルミニウム、珪素、カルシウム
などの酸化物)が数〜十数重量%存在するため、黒鉛化
物中に、FeB,AlN,SiC等が混入し、放電容量
が増大しないという問題が生じた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明の課題は
放電容量の高い二次電池負極用炭素材料とその製造方法
を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、コークス中
の灰分と二次電池の負極材の放電容量との関係を検討し
た結果、通電炉に使用するコークス中の灰分を低減すれ
ば、黒鉛化の際に、ホウ素化合物が存在しても、Fe
B,AlN,SiC等の黒鉛化物中への混入が抑制さ
れ、放電容量を大きくできること、また炭素質材料がメ
ソフェーズカーボン小球体の場合は、メソフェーズカー
ボン/フリーカーボンの比率を2〜20にし、ホウ素化
合物を添加すると、放電容量を大きくできることに着眼
し本発明を完成するに至った。
【0010】したがって、本願の第一発明は、メソフェ
ーズカーボン小球体とホウ素化合物とを含有する混合物
を黒鉛化する炭素材料の製造方法において、前記メソフ
ェーズカーボン小球体が、メソフェーズとフリーカーボ
ンとを含有し、かつ、重量比でメソフェーズ/フリーカ
ーボン=2〜20であり、前記混合物中に、ホウ素化合
物が、ホウ素換算で1〜10重量%含有されることを特
徴とする二次電池負極用炭素材料の製造方法であり、好
ましくは、前記メソフェーズカーボン小球体が、0.5
〜3重量%のフリーカーボンを含有するコールタールお
よび/またはピッチを熱処理して得られたものである。
さらに好ましくは、前記混合物を容器に入れ、該容器
を、灰分量が5重量%以下のパッキング材料で覆い、黒
鉛化する二次電池負極用炭素材料の製造方法である。そ
して、本願第二の発明は、炭素質材料とホウ素化合物と
を含有する混合物を容器に入れ、該容器をパッキング材
料で覆い、黒鉛化する炭素材料の製造方法において、前
記混合物中に、ホウ素化合物が、ホウ素換算で1〜10
重量%含有され、前記パッキング材料中の灰分が、5重
量%以下であることを特徴とする二次電池負極用炭素材
料の製造方法である。本願第三の発明は、本願第一また
は第二の発明に記載の製造方法で得られた二次電池負極
用炭素材料である。
【0011】以下に、本発明についてさらに詳細に説明
する。 (メソフェーズカーボン小球体)石炭を空気と遮断して
加熱し、コークスを製造する工程では、副生物として油
状物質であるコールタールと、コールタールの熱分解に
より生成した炭素(フリーカーボン)とが生成する。こ
のため、回収されたコールタール中にはフリーカーボン
が混入してくる。フリーカーボンの混入量は、コークス
の製造条件、使用する石炭の種類により異なるので、一
概には言えないが、通常は0.5〜5重量%程度であ
る。
【0012】コールタールは種々の芳香族炭化水素化合
物の混合物で構成されており、蒸留操作により、常圧で
の沸点が300〜350℃程度以下の芳香族炭化水素化
合物を分離すれば、ピッチを得ることができる。フリー
カーボンの常圧での沸点は極めて高いため、コールター
ル中に含有されているフリーカーボンは蒸留では除去で
きず、ピッチ中に濃縮される。本発明の熱処理原料は、
コールタールおよび/またはピッチ中のフリーカーボン
含有量が0.5〜3.0重量%のものが好ましく、さら
に好ましくは0.6〜2.5重量%である。0.5重量
%未満では、メソフェーズカーボン小球体の製造は可能
であるが、熱処理原料であるコールタールおよび/また
はピッチ中のフリーカーボン含有量を0.5重量%未満
に低減するための分離装置費用が多大となり経済的でな
い。また3.0重量%を越えた場合には、リチウムイオ
ン二次電池の負極材として使用した場合に放電容量が増
大せず好ましくない。
【0013】フリーカーボンを含有するコールタールお
よび/またはピッチを熱処理すると、コールタールおよ
び/またはピッチの成分である芳香族炭化水素化合物が
重縮合反応により高分子化し、ピッチマトリックス中
に、球状の形態をしたメソフェーズカーボン小球体が析
出してくる。このメソフェーズカーボン小球体は、内部
が芳香族炭化水素化合物の重縮合反応により生成した高
分子(メソフェーズ)であり、その外表面にフリーカー
ボンが付着した形態をとっている。
【0014】メソフェーズカーボン小球体を製造する際
の熱処理温度は350℃〜500℃が好ましい。350
℃未満では芳香族炭化水素化合物の重縮合反応が極めて
遅く、メソフェーズカーボン小球体の生成に長時間を要
するため、現実的ではない。また500℃を越えた場合
には、芳香族炭化水素化合物の重縮合反応が極めて速く
なるため、工業的にはメソフェーズカーボン小球体の生
成を制御するのが困難となる。さらに好ましい熱処理温
度は380〜480℃である。
【0015】熱処理で生成したメソフェーズカーボン小
球体は、ピッチマトリックス中から沈降分離、遠心分
離、濾過分離等で回収され、さらに溶剤洗浄することで
メソフェーズカーボン小球体に付着しているピッチ分が
除去される。あるいは、メソフェーズカーボン小球体を
含有するピッチに溶剤を添加し、溶剤中にピッチ分を抽
出除去した後、沈降分離、遠心分離、濾過分離等でメソ
フェーズカーボン小球体を回収してもよい。
【0016】前記溶剤としては、通常芳香族系の溶剤が
使用される。好適なものとしては、ベンゼン、トルエ
ン、ピリジン、キノリン、タール軽油、コールタールナ
フサ、粗ナフタレン油、脱晶アントラセン油などがあげ
られる。これらの溶剤は単独で用いても2種類以上を混
合して用いてもよい。
【0017】ピッチマトリックスより回収されたメソフ
ェーズカーボン小球体には、前記溶剤が付着している
が、これは、窒素ガスなどの不活性雰囲気下もしくは減
圧下で乾燥除去される。このようにして製造されたメソ
フェーズカーボン小球体は、平均粒径が5〜40μmの
粒状である。
【0018】本発明のメソフェーズカーボン小球体を構
成するフリーカーボンとメソフェーズの重量比率は、メ
ソフェーズ/フリーカーボン=2〜20である。より好
ましくは5〜20である。
【0019】メソフェーズカーボン小球体は、易黒鉛化
性であるメソフェーズ部分と難黒鉛化性であるフリーカ
ーボン部分より構成されている。このメソフェーズカー
ボン小球体とホウ素化合物とを混合して黒鉛化処理した
場合、ホウ素は易黒鉛化性部分よりも難黒鉛化性部分、
すなわちフリーカーボンの炭素に固溶しやすいという性
質がある。フリーカーボンはメソフェーズカーボン小球
体の外表面に存在するため、メソフェーズカーボン小球
体のフリーカーボンの割合が多い程、外表面に存在する
ホウ素の割合も多くなる。一般的にはホウ素が炭素に固
溶することで炭素の結晶性が向上し、それにともない放
電容量が向上することが知られている。
【0020】しかしながら、メソフェーズカーボン小球
体の外表面に存在するホウ素の割合が多くなると、詳細
は不明であるが、このホウ素の一部とリチウムとの間で
不可逆な反応が進行し、外表面に存在するホウ素の割合
が少ない場合に比べ放電容量が低下する傾向が認められ
る。したがって、メソフェーズカーボン小球体のメソフ
ェーズ/フリーカーボンの比率が2未満の場合、外表面
に存在するホウ素の割合が多く、メソフェーズカーボン
小球体外表面に存在するホウ素とリチウムとの不可逆な
反応が無視できなくなり、本来のホウ素添加黒鉛化によ
る放電容量増大効果が低下し好ましくない。よって、メ
ソフェーズ/フリーカーボンの比率はできるだけ大きい
ほうが好ましい。しかし、メソフェーズ/フリーカーボ
ンの比率が20を超える場合には、コールタールおよび
/またはピッチ熱処理時に生成するメソフェーズカーボ
ン小球体同志の合体成長が激しくなり、ピッチマトリッ
クス中にメソフェーズカーボン小球体が球形として存在
できなくなり、メソフェーズカーボン小球体の特徴が失
われるため二次電池負極用炭素材料として好ましくな
い。また、メソフェーズ/フリーカーボン=2〜20の
メソフェーズカーボン小球体を得るのに、好ましい方法
は、0.5〜3重量%のフリーカーボンを含有するコー
ルタールおよび/またはピッチを前述した条件で熱処理
することである。
【0021】なお、メソフェーズカーボン小球体のフリ
ーカーボン量とメソフェーズ量の測定は、以下の方法で
実施される。 メソフェーズカーボン小球体中のフリーカーボンとメ
ソフェーズの合計量:キノリン不溶分(QI)として定
量できる。 フリーカーボン量の測定:メソフェーズの存在しない
コールタールおよび/またはピッチの中のキノリン不溶
分(QI)を測定する。 メソフェーズ量の算出:メソフェーズカーボン小球体
のQIを測定し、この値から上記のフリーカーボン量
を引けばメソフェーズ量が得られる。
【0022】(炭素質材料)メソフェーズカーボン小球
体以外の炭素質材料としては、石炭系ピッチあるいは石
油系ピッチを加熱処理したコークス、メソフェーズピッ
チを紡糸、不融化、焼成、黒鉛化したメソフェーズ系炭
素繊維、ベンゼン等の低分子量の炭化水素の熱分解によ
り製造される熱分解気相成長炭素繊維等が例示される。
【0023】(ホウ素化合物)ホウ素化合物としては、
ホウ素単体の他に酸化ホウ素、炭化ホウ素、ホウ酸等が
あげられるが、炭化ホウ素が好ましい。ホウ素化合物の
形状は、メソフェーズカーボン小球体との接触面積を大
きくできるよう、できるだけ細かい粒子径の粉末が適当
であり、望ましくは50μm以下、更に好ましくは30
μm以下である。
【0024】(混合物)メソフェーズカーボン小球体と
ホウ素化合物を含有する混合物中のホウ素化合物の量は
ホウ素換算で1〜10重量%である。さらに好ましくは
2〜8重量%である。ホウ素化合物量が1重量%未満で
は、放電容量がさほど増大せず好ましくない。またホウ
素化合物添加量が10重量%を超えた場合には、過剰の
ホウ素化合物がバインダーとなり、メソフェーズカーボ
ン小球体同志が融着するため、二次電池負極用炭素材料
として好ましくない。
【0025】メソフェーズカーボン小球体とホウ素化合
物との混合は、メソフェーズカーボン小球体とホウ素化
合物を混合する方法およびホウ素化合物含有溶媒中にメ
ソフェーズカーボン小球体を浸漬する方法等がとられる
が、特に制限されるものではない。溶媒溶液とするため
の溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノー
ル、アセトン等があげられ、使用するホウ素化合物に合
わせ適宜選択すればよい。
【0026】(黒鉛化処理)メソフェーズカーボン小球
体または炭素質材料とホウ素化合物とを含有する混合物
(以下、混合物と略す)を通常、容器に入れて、間接通
電炉、直接通電炉等を用いて、黒鉛化処理を行う。必要
に応じてふたをする。容器およびふたは導電性、不純物
混入防止の点から黒鉛製が好ましい。黒鉛化処理時の雰
囲気中に酸素が混入すると、メソフェーズカーボン小球
体と酸素が反応し、燃えてしまうので、不活性雰囲気中
(アルゴン、窒素など)や還元性雰囲気中(COなど)
の非酸化性雰囲気中で、黒鉛化処理を行うことが好まし
い。
【0027】図面により簡単に黒鉛化処理の方法を説明
する。間接通電炉の構造と使用方法を図3に示す。耐火
レンガで構築した箱体1の横壁に電極2を設け、箱体1
に、炭素質材料とホウ素化合物の混合物3を入れた容器
4を置き、ふた5を被せ、その上をパッキング材料6で
覆い、通電するとパッキング材料6を媒体として発熱
し、黒鉛化処理が進行する。黒鉛化前は黒鉛るつぼ、コ
ークス内部には空気中に含有される酸素が存在する。し
かし加熱とともに空気中の酸素とコークスとが反応し、
これがCO等に変化し、炉内は還元性雰囲気となる。直
接通電炉の構造と使用方法を図4に示す。電極2が容器
4に接触しており、通電すると直接黒鉛るつぼ4が発熱
する点が間接通電炉と異なるが、他は間接通電炉と同じ
である。タンマン炉の構造と使用方法を図5に示す。黒
鉛製管状発熱体7の下部に電極2を設け、不活性ガスの
入口8と出口9が側部に設けてあり、不活性ガスを流通
させながら、通電すると管状発熱体7が発熱し、黒鉛化
処理が進行する。なお、通電加熱以外にも、誘電加熱方
式などで黒鉛化処理してもよい。
【0028】黒鉛化処理の温度は、2200〜3000
℃が好ましく、さらに好ましくは2300〜3000℃
である。2200℃未満の場合、十分に黒鉛化が進まな
い。
【0029】特に、混合物が挿入された容器を、コーク
ス、黒鉛、カーボンブラックなどのパッキング材料で覆
い、黒鉛化処理を行う場合、コークス、黒鉛、カーボン
ブラックなどのパッキング材料に含有される灰分量を可
能な限り低減化することが重要であり、パッキング材料
に含有される灰分は5重量%以下でなければならない。
好ましくは0.1〜3重量%である。5重量%を越える
と、黒鉛化後のメソフェーズカーボン小球体または炭素
質材料に不純物としてFeB,AlN,SiC等が混入
するため、放電容量が増大しない。なお、灰分はパッキ
ング材料を空気中、900℃で30分加熱処理後の残存
物であり、Fe,Al,Si,Caなどの金属化合物で
ある。
【0030】なお、メソフェーズカーボン小球体とホウ
素化合物とを混合して、黒鉛化を行う前に、必要に応
じ、窒素ガスなどの不活性雰囲気下で、温度300〜6
00℃で仮焼処理し、温度700〜1500℃で焼成処
理を行ってもよい。このようにして得られた二次電池負
極用炭素材料は、X線回折の結果、黒鉛層間距離(00
2)0.336nm以下、c軸方向の結晶子の大きさ
(Lc)が80nm以上、a軸方向の結晶子の大きさ
(La)が80nm以上、(101)回折ピークと(1
00)回折ピークの比(P101 /P100 )が1.5〜
2.0である。
【0031】(二次電池用負極材)本発明により得られ
た炭素質材料は、二次電池用負極材として用いられ、好
ましくはリチウムイオン二次電池用負極材として最適で
ある。本発明により得られた炭素質材料は、ポリエチレ
ンやポリテトラフルオロエチレン等のバインダーを添加
し、負極とするに好適な形状、例えばシート又は板状に
加圧ロール成形した後、対極にリチウム金属を用いて還
元処理を行うことによって容易に高性能な負極とするこ
とができる。このようにして作られた炭素質材料の負極
は、単位体積当たりの容量が大きく、電池の小型化に好
適である。
【0032】本発明による炭素質材料を負極に用い、リ
チウムイオン二次電池を作成する場合を例として説明す
る。電解液はリチウム塩を溶解し得るものであればよ
く、特に非プロトン性の誘電率が大きい有機溶媒が好ま
しい。有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネ
ート、エチレンカーボネート、テトラヒドロフラン、2
−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、4−メチ
ル−ジオキソラン、アセトニトリル、ジメチルカーボネ
ート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネー
ト等をあげることができる。これらの溶媒を単独あるい
は適宜混合して用いることが可能である。
【0033】電解質としては、安定なアニオンを生成す
るリチウム塩、例えば、過塩素酸リチウム、ホウフッ化
リチウム、六塩化アンチモン酸リチウム、六フッ化アン
チモン酸リチウム等が好適である。
【0034】また、リチウムイオン二次電池の正極とし
ては、例えば、酸化クロム、酸化チタン、酸化コバル
ト、五酸化バナジウム等の金属酸化物や、リチウムマン
ガン酸化物(LiMn2 4 )、リチウムコバルト酸化
物(LiCoO2 )、リチウムニッケル酸化物(LiN
iO2 )等のリチウム金属酸化物;硫化チタン、硫化モ
リブデン等の遷移金属のカルコゲン化合物;及びポリア
セチレン、ポリパラフェニレン、ポリピロール等の導電
性を有する共役系高分子物質等を用いることができる。
【0035】これらの正極と負極との間に合成繊維製又
はガラス繊維製の不織布、織布やポリオレフィン系多孔
質膜、ポリテトラフルオロエチレンの不織布等のセパレ
ータを設ける。また、従来の電池と同様に集電体を使用
することができる。負極集電体としては、電極、電解液
等に電気化学的に不活性な導体、例えば、銅、ニッケ
ル、チタン、ステンレス鋼などの金属を板、箔、棒の形
態で使用できる。二次電池は、前記セパレータ、集電
体、ガスケット、封口板、ケース等の電池構成要素と本
発明の特定の負極を用い、常法に従って円筒型、角型或
いはボタン型等の形態のリチウムイオン二次電池に組立
てることができる。
【0036】
【実施例】(実施例1)フリーカーボンを1.0重量%
含有するコールタールを、温度450℃で60分間加熱
処理して、メソフェーズカーボン小球体を生成させた。
メソフェーズカーボン小球体中のメソフェーズの重量と
フリーカーボンの重量との比率は、メソフェーズ/フリ
ーカーボン=20であった。このメソフェーズカーボン
小球体を含有するピッチにキノリンを添加し、ピッチ分
をキノリン中に抽出した後、ろ過分離により、メソフェ
ーズカーボン小球体を回収した。次に窒素ガス流通下、
温度180℃でメソフェーズカーボン小球体に付着して
いるキノリンを乾燥除去した。その後400℃で仮焼処
理、1000℃で焼成処理した。次にこの焼成品に炭化
ホウ素を混合し(混合物中の、ホウ素含有量は4重量%
であった)、直接通電炉(パッキングコークスに含有さ
れる灰分2重量%)を用い、2500℃で1時間加熱
し、黒鉛化を行った。
【0037】この黒鉛化粉末に10重量%のポリビニリ
デンフルオライドを混合し、この混合物を銅箔上に塗布
・圧着し、リチウムイオン二次電池用の負極を作成し
た。電池評価セルには、対極および参照極に金属リチウ
ムを用いた3極式セルを採用した。電解液には、エチレ
ンカーボネートと炭酸ジエチルとを重量比1:1に混合
した液に、過塩素酸リチウムが1Mになるように添加し
たものを使用した。電流密度0.2mA/cm2 の一定
の条件下で充放電試験を行った結果、初回の放電容量は
350mAh/gであった。また、黒鉛化粉末をプラズ
マ発光分析法およびX線回析法で分析し、不純物量を測
定した。
【0038】(実施例2〜7、比較例1〜5)表1に示
す条件で、実施例1と同様にして、黒鉛化粉末を得、実
施例1と同条件で放電容量を測定した。結果を表1に示
す。比較例2は小球体同志が合体したため、球状の形態
では分離できなかった。また比較例5は、黒鉛化時に小
球体同志が融着したため、電池評価ができなかった。メ
ソフェーズカーボン/フリーカーボンの重量比と放電容
量の関係を、実施例1〜4と比較例1とから見ると、重
量比が2〜20の間で高い放電容量を示すことがわか
る。ホウ素含有量と放電容量の関係を、実施例5〜7と
比較例3〜4とから見ると、ホウ素含有量が1〜10重
量%の間で高い放電容量を示すことがわかる。
【0039】(実施例8〜10)実施例1において、炭
化ホウ素の代りに、ホウ素、ホウ酸、酸化ホウ素を用い
た以外な実施例1と同様に行なった。ホウ素源によらず
高い放電容量を示した。
【0040】(実施例11〜14)実施例1において、
原料の種類およびフリーカーボン量を変えた以外は実施
例1と同様に行なった。原料によらず高い放電容量を示
した。
【0041】(実施例15〜18)実施例1において黒
鉛化条件を変えた以外は実施例1と同様に行なった。実
施例15〜18では実施例1と同様、高い放電容量を示
した。
【0042】(実施例19〜21)実施例1において、
メソフェーズカーボン小球体の代りに、コークス、メソ
フェーズピッチ系炭素繊維または熱分解気相成長炭素繊
維を用いて、実施例1を繰返した。放電容量は、それぞ
れ337,339,334mAh/gであった。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
【表6】
【0049】
【発明の効果】本発明により製造した炭素質材料を二次
電池負極に用いると、従来よりも高い放電容量を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 メソフェーズ/フリーカーボンの重量比と放
電容量の関係を示す図(実施例1〜4、比較例1)。
【図2】 ホウ素含有量と放電容量の関係を示す図(実
施例5〜7、比較例3〜4)。
【図3】 間接通電炉の概略を示す断面図。
【図4】 直接通電炉の概略を示す断面図。
【図5】 タンマン炉の概略を示す断面図。
【符号の説明】
1 箱体 2 電極 3 混合物 4 容器 5 ふた 6 パッキング材料 7 管状発熱体 8 不活性ガスの入口 9 不活性ガスの出口 f 不活性ガスの流れ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼木 嘉則 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 鳥居 孝行 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 油谷 敏 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メソフェーズカーボン小球体とホウ素化合
    物とを含有する混合物を黒鉛化する炭素材料の製造方法
    において、 前記メソフェーズカーボン小球体が、メソフェーズとフ
    リーカーボンとを含有し、かつ、重量比でメソフェーズ
    /フリーカーボン=2〜20であり、 前記混合物中に、ホウ素化合物が、ホウ素換算で1〜1
    0重量%含有されることを特徴とする二次電池負極用炭
    素材料の製造方法。
  2. 【請求項2】前記メソフェーズカーボン小球体が、0.
    5〜3重量%のフリーカーボンを含有するコールタール
    および/またはピッチを熱処理して得られたものである
    ことを特徴とする請求項1記載の二次電池負極用炭素材
    料の製造方法。
  3. 【請求項3】炭素質材料とホウ素化合物とを含有する混
    合物を容器に入れ、該容器をパッキング材料で覆い、黒
    鉛化する炭素材料の製造方法において、 前記混合物中に、ホウ素化合物が、ホウ素換算で1〜1
    0重量%含有され、 前記パッキング材料中の灰分が、5重量%以下であるこ
    とを特徴とする二次電池負極用炭素材料の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法
    で得られた二次電池負極用炭素材料。
JP10143479A 1998-05-25 1998-05-25 二次電池負極用炭素材料の製造方法と得られた炭素材料 Withdrawn JPH11339798A (ja)

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Cited By (4)

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