JPH11338168A - 着色感光性組成物及び耐熱性カラーフィルタの製造方法及び耐熱性カラーフィルタ - Google Patents

着色感光性組成物及び耐熱性カラーフィルタの製造方法及び耐熱性カラーフィルタ

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JPH11338168A
JPH11338168A JP15016898A JP15016898A JPH11338168A JP H11338168 A JPH11338168 A JP H11338168A JP 15016898 A JP15016898 A JP 15016898A JP 15016898 A JP15016898 A JP 15016898A JP H11338168 A JPH11338168 A JP H11338168A
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JP
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pattern
photosensitive composition
color filter
colored photosensitive
color
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JP15016898A
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English (en)
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Ikuo Hirota
郁夫 広田
Koichi Kumai
晃一 熊井
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造プロセスにおいて高温焼成プロセスがある
ディスプレイに用いられる色分解、反射防止、表示コン
トラスト改善の目的で形成されるカラーフィルタのパタ
ーン密着性を改善した着色感光性組成物とそれを用いた
耐熱性カラーフィルタを提供すること。 【解決手段】バインダ樹脂、光重合性モノマ、光重合開
始剤、着色顔料、溶剤からなる着色感光性組成物であっ
て、特に前記着色感光性組成物を透明基板上に塗布して
パターン化した後、このパターンを焼成することでパタ
ーンを固着、被覆する固着材を含有することを特徴とす
る着色感光性組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電界放射型ディス
プレイ、蛍光表示装置、放電表示パネル及びカラー液晶
ディスプレイ等の表示装置や固体撮像素子に適用され、
反射率の低減、コントラストの改善、分光特性制御のた
めに用いられる着色感光性組成物とその感光性着色組成
物を用いて形成される耐熱性カラーフィルタに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】上記カラー液晶ディスプレイにおいて
は、カラー画像の表示を行うために所望色光の分光特性
を有するカラーフィルタを用いている。これらは、染色
法や顔料分散法、又は印刷法等により、有機顔料や有機
染料で着色された樹脂層をカラーフィルタとして用いて
いる。(M.Tani,et al:”LCD Col
or Filters:Characteristic
s and FutureIssues”,SID 9
5 SEMINAR LECTURE(1995)等参
照)
【0003】又、電界放射型ディスプレイをはじめとし
て、陰極線管表示装置(CRT)、低速電子線蛍光表示
パネル、放電表示パネル等においても、表示画像の品質
を向上のため、つまり、画像を表示した際の反射率の低
減、コントラスト向上のためにカラーフィルタを用いる
ことが提案されている。(T.Takahashi,e
t al:”High Brightness CRT
s with a Single−Layer Col
or Filter”CRT2,IDW 97,p.4
49(1997)等参照)
【0004】このように表示装置や固体撮像素子等にお
いて、反射率の低減、分光特性を制御する目的でカラー
フィルタを用いることは、カラーの表示画質を向上させ
る目的において、有用な手段とされている。
【0005】ところで、電界放射型ディスプレイや放電
表示パネルの場合、その作製プロセスでは400℃以上
で低融点ガラスを溶融し、2枚のガラス基板を封着する
プロセスが用いられている。そのため、電界放射型ディ
スプレイや放電表示パネル用カラーフィルタとして液晶
ディスプレイ用のカラーフィルタを用いた場合において
は、カラーフィルタを構成する有機材料が高温の作製プ
ロセスによって、燃焼、分解等の反応を起こし、カラー
フィルタの特性を得られず、表示コントラストの改善、
反射率の低減、分光特性制御といった目的を達成するこ
とが出来ない。
【0006】上記カラーフィルタ層を構成する材料とし
ては、一般に無機着色顔料を分散させたガラス材料が適
用されている。そのパターン形成方法としては、低融点
ガラス粉末、無機顔料、並びにこれらの材料を透明基板
に一時的に固定する樹脂バインダ等から成るペーストを
上記透明基板上の画素部位にスクリーン印刷し、この印
刷されたパターン層を約600℃で焼成する。この樹脂
バインダ等の成分を焼失させると共に、低融点ガラス粉
末を溶融させて無機顔料を透明基板に被覆、固着する方
法により、上記カラーフィルタ層を得ている。この場
合、カラーフィルタ層は全て無機材料により構成されて
いるため、製造に関わる高温プロセスの耐久性を備える
ことができる。
【0007】上記カラーフィルタ層を形成する方法とし
てはスクリーン印刷法が用いられる。この印刷法は、所
定パターンの開口部を有するスクリーン印刷版上に上記
ペーストを供給し、かつ、柔軟性のあるスキージでこす
って上記開口部からペーストを押し出してガラス透明基
板上に印刷する方式である。そのため、印刷機周囲の温
度、湿度、スキージ硬度、スキージに加えられる圧力や
スキージの移動速度等の条件に応じてスクリーン版が伸
縮し、上記開口部が変形しやすくなり、形成されるパタ
ーンは歪みやすいという欠点がある。しかも、カラーフ
ィルタのように精度が要求されるパターン形成では、一
回の印刷で膜厚やパターン形状等を制御して形成できる
印刷被膜の厚みは、約10μmが限界であり、これ以上
の厚さの被膜を形成するためには、同一パターンを繰り
返して印刷する必要がある。しかし、スクリーン印刷を
繰り返して行う度に上記印刷条件の相違が生じて開口部
が変形しやすく、印刷位置が完全に一致したパターンを
重ねて印刷することは、困難である。
【0008】パターン形状及び解像度に関する問題点を
解決するためには、着色顔料と低融点ガラスから成る感
光性ペーストを用いてフォトリソグラフィのプロセスで
パターン形成すれば、パターンの解像性を向上させるこ
とが可能となる。しかし、低融点ガラスをバインダ樹
脂、光重合性モノマをはじめとする感光性材料と混合す
ると組成物の構成材料が経時で反応して、ペーストの粘
度が増加して材料の塗布適性が失われる。その状態でペ
ーストの塗布を行った場合、所望膜厚の均一な塗布膜を
得ることは難しく、得られたパターンは低融点ガラス及
び顔料により一定の厚さを有するため、基板表面の段差
を解消することは困難である。
【0009】このような技術的背景の下、本出願人等
は、先にカラーフィルタ及びその製造方法に関する出願
を行っている。これは、透明基板上にカラーフィルタの
構成材料のうち顔料のみを所定の形状にパターンを形成
した後、パターン形成された顔料及びその周辺部に光透
過性を有するオーバーコート層を設けて平坦化すること
によりカラーフィルタを構成することを特徴とするもの
である。(特願平7−298200参照)
【0010】この方法によれば、カラーフィルタ層は、
所望の色の分光特性を示す顔料とその周辺部に設けられ
る光透過性を有するオーバーコート材料により構成され
るため、カラーフィルタとしての膜厚は、顔料の粒径及
び顔料及びその周辺部に設けられる光透過性を有するオ
ーバーコート層の膜厚に依存し、透明基板上の段差を小
さくすることが可能になる。つまり、無機着色顔料等を
分散させたガラス材料をパターン形成した後に焼成して
カラーフィルタを得る従来方法と比較して、カラーフィ
ルタを形成した部分と形成されていない部分の段差が小
さくなるため、電界放射型ディスプレイや放電型パネル
をはじめとして、透明基板上にカラーフィルタ層を形成
した後、その上に電極や誘電体層を形成する場合におい
て、断線や欠陥を防ぐことができる。そして、前記の各
種表示装置において電極がカラーフィルタの下層に形成
される場合においても、カラーフィルタの上層に形成さ
れる誘電体層を平滑に形成することができ、カラーフィ
ルタの品質、及び生産性を向上させることが可能にな
る。更に、前記オーバーコート層は、用いる材料の選択
により誘電体層を兼ねることができるため、誘電体とし
て形成される層の膜厚の減少による透過率向上を図り高
透過率化ができると共に、製造工程の短縮を図ることが
でき、生産性の効率化を進めることができる。
【0011】この段差の少ないカラーフィルタを形成す
るためには、顔料のみから成るパターンを形成する必要
がある。このパターン形成を設計通りのパターン形状及
び、パターン形成位置に行うためには、着色感光性組成
物をフォトリソグラフィによってパターンを形成するこ
とが望ましく、バインダ樹脂等は焼成時にパターンの収
縮や剥がれを生じることなく燃焼除去され、着色顔料だ
けのパターンを形成されることが必要である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法にお
いて透明基板上に予めパターンを形成し、バインダ樹脂
等を焼成除去する時には、着色顔料の密着力が低下し、
パターン剥がれが生じやすい。更に、その着色顔料のみ
のパターンを剥がれを生じずに安定して基板上に形成す
ることは、基板取り扱い、固着材料塗布をはじめとした
製造プロセス上困難であり、工程においてパターン剥離
発生の原因となるため、パターンと基板との密着力を上
げる必要がある。
【0013】そこで、本発明の課題とするところは、製
造プロセスにおいて高温焼成プロセスがあるディスプレ
イに用いられる色分解、反射防止、表示コントラスト改
善の目的で形成されるカラーフィルタのパターン密着性
を改善した着色感光性組成物とそれを用いた耐熱性カラ
ーフィルタを提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】つまり、本発明はフォト
リソグラフィを用いて形成される耐熱性を有するカラー
フィルタに用いられるバインダ樹脂、光重合性モノマ、
光重合開始剤、着色顔料、溶剤からなる着色感光性組成
物であって、特に前記着色感光性組成物を透明基板上に
塗布してパターン化した後、このパターンを焼成するこ
とでパターンを固着、被覆する固着材を含有することを
特徴とする着色感光性組成物である。
【0015】すなわち、請求項1に係る発明は、前記着
色感光性組成物を透明基板上に塗布して露光、現像して
パターン化した後、このパターンを焼成することで前記
着色感光性組成物に含有される固着材が形成されたパタ
ーンを固着、被覆し、パターンの密着性を向上させると
共に光透過性を有するオーバーコート層を形成すること
ができる。
【0016】そして、請求項1に係る発明において、着
色感光性組成物を透明基板上に塗布して露光、現像して
パターン化した後、このパターンを焼成したあとにおい
て前記着色感光性組成物に含有されるバインダ樹脂、光
重合性モノマ、光重合開始剤、溶剤等は燃焼除去されて
いることがカラーフィルタの分光特性上好ましく、特に
は、着色顔料と固着材でパターンが構成されていること
が望ましい。
【0017】更に、請求項2に係る発明は、請求項1記
載の発明に係る感光性着色組成物を前提とし、着色感光
性組成物を透明基板上に塗布してパターン化した後、こ
のパターンを焼成することでこのパターンを固着、被覆
させる前記着色感光性組成物に含有される固着材として
金属アルコキシドまたは低融点ガラスを用いることを特
徴とする。この金属アルコキシドは高温での脱水反応と
脱アルコール反応による縮重合反応により金属酸化膜を
形成し、耐熱性カラーフィルタのパターンを被覆、固着
してパターンの基板に対する密着性を向上するものであ
る。この金属アルコキシドまたは低融点ガラスによって
形成される金属酸化膜は高い光透過性を有するだけでな
く、薄い膜厚であっても高いパターン固着性、被覆性を
有するため、耐熱性カラーフィルタのオーバーコート材
料として必要な性能を備えている。固着材として、金属
アルコキシドまたは低融点ガラスが使えるが、これら以
外にも焼成により誘電体となり、この誘電体層の透過率
が50%以上のものなら適用できる。また、請求項2に
係る発明は、前記請求項1に係る着色感光性組成物にお
いて金属アルコキシドまたは低融点ガラスを該着色感光
性組成物中の固着材として含有し、該着色感光性組成物
の0.1重量%乃至50重量%含有されることを特徴と
する。ここで、金属アルコキシドまたは低融点ガラスが
該着色感光性組成物の0.1重量%未満である場合に
は、高温焼成により形成される金属酸化膜が不均一であ
り、膜にピーンホール等の欠陥が発生し、パターンを十
分に固着、被覆するためのオーバーコート層を均質に形
成することができない。更に、金属アルコキシドまたは
低融点ガラスが該着色感光性組成物の50重量%を超え
る場合には、高温焼成により形成される金属酸化膜の膜
厚が厚くなるため、パターンの十分な固着や被覆はされ
るが、金属酸化膜にクラック(亀裂)が入りやすく、パ
ターン全体を均一に被覆したオーバーコート層を形成す
ることができない。そのため、十分なパターンの固着、
被覆をするためには、金属アルコキシドまたは低融点ガ
ラスが該着色感光性組成物の0.1重量%乃至50重量
%含有されることが好ましく、特には該着色感光性組成
物の5重量%乃至30重量%含有されることが望まし
い。
【0018】請求項3に係る発明は、上記請求項1また
は請求項2記載の着色感光性組成物を透明基板上に塗布
し、露光し、現像し、焼成することを含む工程により着
色パターンを形成する工程を含むことを特徴とする耐熱
性カラーフィルタの製造方法である。
【0019】そして、請求項4に係る発明は、請求項1
または請求項2記載の発明に係る着色感光性組成物を前
提とし、該着色感光性組成物を一種類以上用いて透明基
板上に塗布してパターン化した後、このパターンを焼成
することでパターンを固着、被覆させたパターンを有す
ることを特徴とする耐熱性カラーフィルタである。ここ
で、該着色感光性組成物を一種類用いた場合には、用い
た所望単色光の波長のカラーフィルタ特性を示し、所望
色だけの色特性を向上させることができる。また、それ
以上の種類を用いてカラーフィルタを形成した場合に
は、色特性の優れた複数色のカラーフィルタ特性を有
し、より効果的な波長選択を行うことができる色特性が
向上されたカラーフィルタとなる。更に、該着色感光性
組成物の着色材料に黒色等の光を遮る着色材料を選択し
て色光非表示部分にブラックマトリクスを形成した場合
には、色光表示部分とのコントラスト比を向上させるこ
とができる。
【0020】
【発明の実施の形態】請求項1に係る発明の着色感光性
組成物は、該着色感光性組成物を透明基板上に塗布して
パターン化した後、このパターンを焼成することでパタ
ーンを固着、被覆する固着材を含有する。すなわち、着
色感光性組成物を透明基板上に塗布してパターン化した
後、このパターンを焼成することで該着色感光性組成物
に含有される固着材がパターンを固着、被覆するため、
パターンと基板の密着性が向上したカラーフィルタを形
成することができる。又、該着色感光性組成物におい
て、感光性樹脂の現像性、塗布性、膜硬度等がパターン
形成に好適であれば固着材はその種類、組成比率を問わ
ずに用いることができる。
【0021】更に、請求項2に係る発明は、該着色感光
性組成物を透明基板上に塗布してパターン化した後、こ
のパターンを焼成して固着、被覆するため、高温焼成で
安定であり、かつ高温におけるパターンの焼成で固着を
より強固なものとすることが必要である。そのため、高
温で安定した特性を備える無機材料であって、高い光透
過率や、プロセス安定性に優れる材料として金属アルコ
キシドまたは低融点ガラスを用いることができる。金属
アルコキシドとしては、Si(OCH3 4 ,Si(O
2 5 4 ,Si(OC3 7 4 ,Si(OC4
9 4 ,Ti(OCH3 4 ,Ti(OC 2 5 4
Ti(OC3 7 4 ,Ti(OC4 9 4 ,Al
(OC2 53 やこれらの混合物を用いることができ
るが、これらに限らないことはもちろんである。低融点
ガラスとしては、PbO,Bi2 3 ,B2 3 ,Zn
O,SiO2 ,BaO,Al2 3 ,MgO,CaO等
をはじめとする金属酸化物で、これらを単一もしくは複
数を軟化点、誘電率、熱膨張率、化学安定性により適宜
比率で用いたものが適用できる。
【0022】請求項3にかかる発明は、上記請求項1ま
たは請求項2記載の着色感光性組成物を透明基板上に塗
布し、露光し、現像し、焼成することを含む工程により
着色パターンを形成する工程を含むことを特徴とする耐
熱性カラーフィルタの製造方法である。従って、オーバ
ーコート層を形成する工程がない耐熱性カラーフィルタ
の製造方法を提供する。
【0023】そして、請求項4に係る発明は、一種類以
上の該着色感光性組成物を透明基板上に塗布してパター
ン化した後、このパターンを焼成することでパターンを
固着、被覆させてパターンが形成された耐熱性カラーフ
ィルタを提供する。ここで、該着色感光性組成物を一種
類のみ用いた場合には、用いられた単色光のカラーフィ
ルタ特性を示し、所望色だけの色特性を向上させること
ができる。また、それ以上の種類を用いた場合には、複
数色の色特性の優れたカラーフィルタ特性を示す。特
に、より効果的な色光波長選択をカラーフィルタで行う
場合には赤色、緑色、青色の着色材料を各々選択するこ
とで所望色光のカラーフィルタを形成できる。また、該
着色感光性組成物の着色材料に黒色等の光を遮る着色材
料を選択して色光非表示部分にブラックマトリクスを形
成することは、カラーフィルタの表示色光の波長選択を
行うだけでなく、表示色光表示部分とのコントラストを
向上させる効果がある。図10に青色単色で形成された
カラーフィルタを示す。図11に緑色、赤色2色のみ形
成したカラーフィルタを示す。当然のことながら、青
色、緑色、赤色3色形成した場合には、図5に示した図
のようになる。また、青色、緑色、赤色3色形成した場
合でも、緑色、赤色が固着材を含まない着色感光性組成
物で形成されているものもあり、その図を図12に示
す。
【0024】又、本発明に係る耐熱性カラーフィルタを
製造する方法としては、まず、透明基板上に該着色感光
性組成物を塗布し、所望パターンを露光、現像して形成
し、次に、この形成されたパターンを焼成し、固着、被
覆する。それにより、基板上に着色感光性組成物を塗布
し、所望着色パターンを露光、現像してパターン化した
後、着色パターン上に高温で焼成することで光透過性を
有するオーバーコート層を形成する場合と比較して、形
成されるパターンにパターンを固着、被覆する固着材が
含有されているため、オーバーコート層を改めて形成す
る必要がなく、製造プロセスの短縮、生産の効率化を図
ることが可能になる。
【0025】更に、本発明に係る着色感光性組成物及び
カラーフィルタでは黒色、緑色、青色、赤色の無機着色
顔料を適宜使用するため、該耐熱性カラーフィルタを適
宜の膜厚で形成した場合には、電界放射型ディスプレ
イ、蛍光表示装置、放電表示パネル及びカラー液晶ディ
スプレイ等の表示装置や固体撮像素子等のカラーフィル
ター層に適用することができ、高温の熱処理を行っても
色特性に変化を生じず、色純度、コントラスト等の品質
を向上させたカラーフィルタを製造することが可能とな
る。
【0026】
【実施例】以下に図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0027】<実施例1>まず、メタクリル酸ブチル5
0重量%、メタクリル酸メチル20重量%、アクリル酸
メチル30重量%を2−(2−エトキシエトキシ)エタ
ノールを溶媒として共重合させ、アクリル樹脂が35重
量%、溶媒が65重量%の比率になるよう調製した。そ
して、このアクリル樹脂を使用して以下の配合比率で着
色感光性組成物を調製した。
【0028】 (着色感光性組成物) アクリル樹脂 8.2重量% 多官能オリゴエステルアクリレート ジペンタエリスリトール及びヘキサアクリレート 4.9重量% 光重合開始剤 ピペロニルトリクロロメチルS−トリアジン 1.0重量% 希釈溶剤 2−(2−エトキシエトキシ)エタノール 56.4重量% 着色顔料 青色顔料(アサヒ化成工業株式会社製 :スーパーブルーCR2) 15.0重量% 固着材 金属アルコキシド(日本曹達(株)製 :アトロン NSi−310) 14.5重量% この着色感光性組成物を透明ガラス基板1上に325メ
ッシュ、版厚80μmのステンレス製スクリーン版を使
用してスクリーン印刷し、常温で10分間放置して膜表
面を平滑化した後、70℃、20分間乾燥して青色着色
感光性組成物層2を形成した。得られた青色着色感光性
組成物層2の厚みは3.7μmで全面一様な膜厚を有
し、表面状態は平滑であった。(図1参照)
【0029】次に、縦200mm×横210μmのスト
ライプパターンがピッチ450μmで繰り返し形成され
た遮光膜を有するフォトマスクを上記青色着色感光性組
成物層2に密着し、超高圧水銀灯により、露光量150
mJ/cm2 の条件で密着露光した。露光後、温度20
℃のアルカリ現像液を噴出圧力1kg/cm2 でスプレ
ー現像を90秒行い、未露光部位の青色着色感光性組成
物層2を除去してガラス基板1を露出させた。現像処理
後の基板を乾燥した後、230℃で1時間加熱し、硬膜
処理をした。硬膜後のパターン化された青色着色感光性
組成物層3の厚みは3.1μmであった。(図2参照)
【0030】この青色パターンが形成された基板に、前
記同様の組成である以下の緑色着色感光性組成物を前記
同様の条件で膜厚5.7μm塗布し、縦200mm×横
450μmのストライプパターンがピッチ450μmで
繰り返し形成された遮光膜を有するフォトマスクを上記
のように作成した緑色着色感光性組成物層に密着し、超
高圧水銀灯により、露光量400mJ/cm2 の条件で
密着露光した。
【0031】 (着色感光性組成物) アクリル樹脂 8.2重量% 多官能オリゴエステルアクリレート ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 4.9重量% 光重合開始剤 ピペロニルトリクロロメチルS−トリアジン 1.0重量% 希釈溶剤 2−(2−エトキシエトキシ)エタノール 56.4重量% 着色顔料 緑色顔料(大日精化工業株式会社製 :TM GREEN #3340) 14.5重量% 固着材 金属アルコキシド(日本曹達(株)製 :NSi−310) 15.0重量% 露光後、温度20℃のアルカリ現像液を噴出圧力1kg
/cm2 でスプレー現像を60秒行い、未露光部位の緑
色着色感光性組成物層を除去してガラス基板1を露出さ
せた。現像処理後の基板を乾燥した後、230℃で1時
間加熱し、硬膜処理をした。硬膜後のパターン化された
着色感光性組成物層6の厚みは5.2μmであった。
(図3参照)
【0032】上記青色、緑色パターンの形成と同様にし
て、赤色の着色感光性組成物を用い赤色パターンを形成
し、カラーフィルタ基板を作製した。(図4参照)
【0033】そして、このガラス基板1を毎分4℃の昇
温速度で大気雰囲気下で加熱し、温度440℃で60分
間焼成した後、連続して580℃まで更に加熱し、58
0℃の温度で45分間焼成後、毎分4℃の降温速度で基
板を冷却し、着色感光性組成物層の有機樹脂成分が燃焼
除去されると共に、着色感光性組成物に含有される固着
材である金属アルコキシドが脱水縮合反応をして金属酸
化膜を形成した。この金属酸化膜は顔料からなるパター
ンを基板に固着すると共に、そのパターンを被覆した。
(図5参照)このカラーフィルタのパターン形状、形成
位置は共にフォトマスクの遮光膜パターンを正確に反映
したものであり、カラーフィルタの分光透過率は所望の
値を示していた。(図6参照)
【0034】<実施例2>上記実施例1と同一組成で固
着材に金属アルコキシド材料(日本曹達株式会社製:ア
トロンNSi−500)そして、着色顔料に黒色顔料
(アサヒ化成工業株式会社製:BLACK #324
7)を用いて感光性着色組成物を調製し、上記同様の条
件で縦200mm×横100μmのブラックマトリクス
のストライプパターンを形成した。このブラックマトリ
クスパターンの加熱硬膜処理後の膜厚は3.3μmであ
った。
【0035】次に、このブラックマトリックスが形成さ
れた基板に、前記実施例1と同一組成で固着材に低融点
ガラス材料(岩城硝子株式会社製:KF8166)を用
いて感光性着色組成物を調製し、上記同様の条件でパタ
ーン形成し、加熱硬膜処理後の膜厚が4.3μmの青色
パターンを形成した。
【0036】次に、上記青色パターンの形成と同様にし
て、緑色、赤色の着色感光性組成物を用いて緑色パター
ンと赤色パターンを形成し、カラーフィルタ基板を作製
した。(図7参照)
【0037】このガラス基板を、上記同様毎分4℃の昇
温速度で大気雰囲気下で加熱し、温度440℃で60分
間焼成した後、連続して580℃まで更に加熱し、58
0℃で45分間焼成後、毎分4℃の降温速度で基板を冷
却した。この条件で焼成処理することにより、感光性着
色組成物層の顔料成分は溶融した低融点ガラスによって
被覆され、カラーフィルタ層として得られ(図8参
照)、所望の分光透過率を有する耐熱性カラーフィルタ
が得られた。(図9参照)
【0038】
【発明の効果】請求項1に係る発明の着色感光性組成物
によれば、該着色感光性組成物を透明基板上に塗布して
露光、現像してパターン化した後、このパターンを焼成
することでパターンを被覆、固着する固着材を含有す
る。そのため、高温による焼成工程を経ても、形成した
パターンは剥がれることなく基板上に保持され、形成さ
れたパターン部分の基板に対する密着力を向上させるこ
とができる。また、該着色感光性組成物に含有される固
着材が所望パターンを固着、被覆するので光透過性を有
するオーバーコート層を改めて形成する必要がない。
【0039】又、請求項2に係る発明の着色感光性組成
物によれば、該着色感光性組成物に含有される固着材に
は金属アルコキシドまたは低融点ガラスを用いる。この
焼成固着に用いる材料は、高温の焼成を行っても焼損す
ることなく安定であり、所望の高い光透過性を有して、
高温の焼成でパターンを強固に基板に固着し、パターン
密着性を向上させる。更に、金属アルコキシドまたは低
融点ガラスが該着色感光性組成物の0.1重量%以上で
ある場合には、高温焼成により形成される金属酸化膜が
均一であり、膜にピーンホール等の欠陥発生がなく、パ
ターンを固着、被覆するためのオーバーコート層を均質
に形成することができる。そして、金属アルコキシドま
たは低融点ガラスが該着色感光性組成物の50重量%以
下の場合には、高温焼成によりパターンの十分な固着や
被覆がなされ、被覆した金属酸化膜にクラック(亀裂)
が入ることなく、パターン全体を均一に被覆したオーバ
ーコート層を形成することができる。
【0040】更に、請求項3の発明の製造方法によれ
ば、オーバーコート層を別途形成する工程を設けずに、
オーバーコート層を形成することができる。
【0041】更に、請求項4に係る発明の耐熱性カラー
フィルタによれば、該着色感光性組成物を一種類以上用
いて透明基板上に塗布、パターン化した後、このパター
ンを焼成することで固着材によりパターンを固着、被覆
させて耐熱性カラーフィルタを形成する。ここで、該着
色感光性組成物を一種類用いた場合には、用いた所望の
単色のカラーフィルタ特性を示し、それ以上の種類を用
いてカラーフィルタを形成した場合には、複数色のカラ
ーフィルタ特性を有して、より効果的な波長選択を行う
ことができる。また、該着色感光性組成物の着色材料に
黒色等の光を遮る着色材料を選択して色光非表示部分に
ブラックマトリクスを形成すると、色光表示部分とのコ
ントラストを向上させて、よりカラーフィルタの色光表
示を効果的なものとすることができる。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に係るカラーフィルタの青色着色感光
性組成物塗布後の断面図。
【図2】同青色パターン形成後、硬膜処理をしたパター
ン断面図。
【図3】同緑色パターン形成後、硬膜処理をしたパター
ン断面図。
【図4】同赤色パターン形成後、硬膜処理をしたパター
ン断面図。
【図5】同カラーフィルタを焼成し、固着、被覆された
後の断面図。
【図6】実施例1によって作製されたカラーフィルタの
分光透過率曲線。
【図7】実施例2に係るカラーフィルタパターンのパタ
ーン形成後、硬膜処理をしたパターン断面図。
【図8】同カラーフィルタを焼成し、固着、被覆された
後の断面図。
【図9】実施例1によって作製されたカラーフィルタの
分光透過率曲線。
【図10】請求項4に係る青色単色で形成されたカラー
フィルタの断面図。
【図11】請求項4に係る緑色、赤色2色のみ形成した
カラーフィルタの断面図。
【図12】請求項4に係る、青色パターンが固着材を含
む着色感光性組成物を用いて形成され、緑色、赤色パタ
ーンが固着材を含まない着色感光性組成物で形成された
カラーフィルタの断面図。
【符号の説明】
1・・・ガラス基板 2・・・青色着色感光性組成物層 3・・・パターン化された青色着色感光性組成物層 4・・・パターン化された緑色着色感光性組成物層 5・・・パターン化された赤色着色感光性組成物層 6・・・パターン化された黒色着色感光性組成物層 7・・・固着材で固着、被覆された青色フィルタパター
ン 8・・・固着材で固着、被覆された緑色フィルタパター
ン 9・・・固着材で固着、被覆された赤色フィルタパター
ン 10・・・固着材で固着、被覆されたブラックマトリク
スパターン 11・・・固着材を含まない緑色着色感光性組成物を用
いて形成された緑色着色感光性組成物 12・・・固着材を含まない赤色着色感光性組成物を用
いて形成された赤色着色感光性組成物

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バインダ樹脂、光重合性モノマ、光重合開
    始剤、着色顔料、溶剤からなる着色感光性組成物におい
    て、該着色感光性組成物を透明基板上に塗布して露光、
    現像してパターン化した後、このパターンを焼成するこ
    とでパターンを固着、被覆する固着材を含有することを
    特徴とする着色感光性組成物。
  2. 【請求項2】上記請求項1記載の着色感光性組成物にお
    いて、該着色感光性組成物中の固着材として金属アルコ
    キシドまたは低融点ガラスを含有し、該着色感光性組成
    物の0.1重量%乃至50重量%含有されることを特徴
    とする着色感光性組成物。
  3. 【請求項3】上記請求項1または請求項2記載の着色感
    光性組成物を透明基板上に塗布し、露光し、現像し、焼
    成することを含む工程により着色パターンを形成する工
    程を含むことを特徴とする耐熱性カラーフィルタの製造
    方法。
  4. 【請求項4】上記請求項1または請求項2記載の着色感
    光性組成物を一種類以上用いて透明基板上に着色パター
    ンを形成したことを特徴とする耐熱性カラーフィルタ。
JP15016898A 1998-05-29 1998-05-29 着色感光性組成物及び耐熱性カラーフィルタの製造方法及び耐熱性カラーフィルタ Pending JPH11338168A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001027811A (ja) * 1999-05-07 2001-01-30 Toray Ind Inc 感光性ペーストおよびディスプレイ
JP2002372778A (ja) * 2001-06-15 2002-12-26 Jsr Corp カラーフィルタ用感放射線性組成物、カラーフィルタおよびカラー液晶表示素子

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