JPH11338158A - 感光性フォトマスク材料及びフォトマスクの製造方法 - Google Patents

感光性フォトマスク材料及びフォトマスクの製造方法

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JPH11338158A
JPH11338158A JP14467198A JP14467198A JPH11338158A JP H11338158 A JPH11338158 A JP H11338158A JP 14467198 A JP14467198 A JP 14467198A JP 14467198 A JP14467198 A JP 14467198A JP H11338158 A JPH11338158 A JP H11338158A
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JP
Japan
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photosensitive
radiation
photomask
layer
sensitive resin
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JP14467198A
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English (en)
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Takashi Tanaka
▲隆▼司 田中
Kenji Kagami
健治 鏡
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MARUGO GIKEN KK
Oriental Photo Industrial Co Ltd
Original Assignee
MARUGO GIKEN KK
Oriental Photo Industrial Co Ltd
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フォトマスクの製造において、フォトマスク
(エマルジョンマスク)とクロムブランクスを一体化
し、フォトマスクの量産化と低コスト化を可能とすると
共に、高精度のフォトマスク製造を可能にする 【解決手段】 感光性フォトマスク材料1に関し、基板
2上に、金属膜3と、放射線に感応する放射線感応性樹
脂層4と、この放射線感応性樹脂層4が感応する放射線
と異なる波長領域の光で感光可能な感光層5とを順次設
けて構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】IC用リードフレームやカラ
ーテレビ用シャドウマスク、小型歯車、電気カミソリの
外刃等の金属製品のマイクロ精密加工方法には、雄型と
雌型の金型から打ち抜きされるプレス加工と、フォトフ
ァブリケーション加工(photo-fabrication )と呼ばれ
る方法がある。
【0002】このうち後者のフォトファブリケーション
加工には、加工する金属面を耐食性被膜で覆い、一部を
除去し、除去した金属部分を化学的に溶解除去するフォ
トエッチング加工(photo-etching )と、電鋳的に金属
を成長させるフォトエレクトロフォーミング加工(phot
o-electroforming)方法がある。何れの場合も、加工し
ない部分を耐食性のある被膜で覆う、いわゆるマスキン
グ(masking )工程を経て行なわれる。
【0003】このマスキング加工は、紫外線に感光性を
有する感光性塗料に、精密に作られた写真原稿を重ね、
露光、現像、乾燥を経て行なう、いわゆる写真法により
行なわれるのが一般的である。本発明は、この写真法に
使用される、写真原稿、即ち写真原版である感光性フォ
トマスクの材料並びにフォトマスクの製造方法に関す
る。
【0004】
【従来の技術】従来の方法としては、図4にまとめて示
すが、先ず図4(A)に示すように、 顧客からのデータ又は図面をCADシステム等によ
り、各種データから図面まで完全サポートする。 次に、ガラス基板101上にゼラチンからなるハロゲ
ン化銀感光乳剤層102を設けて構成されたハロゲン化
銀ガラス乾板103上にフォトプロッターやレーザフォ
トプロッター等の各種露光装置を駆使して描画露光(露
光波長は488nm(アルゴンレーザ光源に対応)や5
32nm(YAGレーザ光源に対応)が可能)して記録
し、所定の現像方法を用いてフォトマスク104を得、
そして得られたフォトマスク104を自動検査機超高精
度測長機により正確に、素早く安定的に検査し、フォト
マスク(エマルジョンマスク)104を仕上げる。
【0005】次に図4(B)に示すように、ハードマ
スク用ガラス基板(例えば、ソーダライムガラス、低膨
張ガラス、石英ガラス等があり、厚さは2.3〜5.0
mm、フラットネスは最高レベルで10μm以内。)1
05上に、エレクトロフォーミング法で形成されたクロ
ム層106とフォトレジスト層107を設けて構成され
たクロムブランクス108を準備する。
【0006】そしてクロムブランクス108に対し、描
画されたハロゲン化銀感光乳剤層102の膜面からフォ
トマスク104を密着し、フォトレジスト硬化用光源で
ある超高圧水銀等(露光波長は350nm)でフォトマ
スク104のガラス基板101を通して露光する。 次に図4(C)に示すように、フォトレジスト層10
7の現像を行い、未硬化の部分を洗い流す。
【0007】そして図4(D)に示すように、クロム
層106上に残った硬化部分109を用い、クロム層1
06が保護された状態でクロムブランクス108を腐食
法、例えば、(a)42°Be’FeCl2 溶液2部と
濃塩酸1部(80°C)、(b)濃塩酸3部と水7部
(80°C)を用いてエッチングする。水洗・乾燥(ポ
ストベーク)後、欠陥検査を行い、ハードマスク110
が完成する。
【0008】これをコピーハードマスターにして、電子
部品の複製即ち量産化を行なう。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】以上より、ハードマス
ク110の製造においては、クロムブランクス108に
フォトマスク104を描画されたハロゲン化銀感光乳剤
層102の膜面から密着させることが必須の操作となる
が、かかる操作においてフォトマスク製造上の問題が生
じうる。
【0010】すなわち、フォトマスク(エマルジョンマ
スク)104においては、構成するガラス基板101に
欠陥、即ちガラス中の気泡、歪み等があり、また、ハロ
ゲン化銀感光乳剤層102上にも欠陥が存在しうる。そ
して、同様のガラス基板105上にクロム層等の金属層
106を施し、更にフォトレジスト層107を形成する
クロムブランクス108においても同様の欠陥が存在し
うる。かかるフォトマスク(エマルジョンマスク)10
4とクロムブランクス108における欠陥は、それぞれ
の基板上に凹凸を生じえて、必須の操作であるクロムブ
ランクス108にフォトマスク104を描画されたハロ
ゲン化銀感光乳剤層102の膜面から密着させることを
困難にする。
【0011】すなわち、製造するフォトマスク(ハード
マスク)の精度を考慮して、完全であることが求められ
るフォトマスク(エマルジョンマスク)104とクロム
ブランクス108における密着性度の低下をもたらす。
従って、かかる欠陥の存在、即ちフォトマスク(エマル
ジョンマスク)104とクロムブランクス108におけ
る密着性度の低下は、製造にかかるハードマスクの精度
を低下させ、十分な性能の製品の提供を困難にする。
【0012】また、最終的にハードマスク上に形成され
るべきパターンがフォトマスク(エマルジョンマスク)
104から焼かれるため、その位置合わせが困難であ
り、密着のために工程に時間がかかる上、密着不良も発
生し易い。結果としてパターンのシャープネスが低下す
る。ガラス基板を使用したフォトマスク(エマルジョン
マスク)104をワーキングパターンとして使用した場
合、フォトマスク104を構成するゼラチンから成るハ
ロゲン化銀感光乳剤層102の劣化が甚だしく、その寿
命は短い。
【0013】本発明は以上の問題を解決した新規な感光
性フォトマスク材料及び高精度のフォトマスクの製造方
法を提供することを課題とする。また、本発明の別の課
題は、フォトマスクの量産化と低コスト化を可能とする
フォトマスク(エマルジョンマスク)とクロムブランク
スを一体化してなる全く新しい感光性フォトマスク材料
及びかかる感光性フォトマスク材料を使用した高精度の
フォトマスクの製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
感光性フォトマスク材料において、基板上に、金属膜
と、放射線に感応する放射線感応性樹脂層と、該放射線
感応性樹脂層が感応する放射線と異なる波長領域の光で
感光可能な感光層とを順次設けて成ることを特徴とす
る。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1記載の感
光性フォトマスク材料において、前記放射線感応性樹脂
層の感応する放射線は光であり、該放射線感応性樹脂層
は光に感応してその溶解性が変化するものであることを
特徴とする。請求項3記載の発明は、請求項1又は請求
項2の何れか記載の感光性フォトマスク材料において、
前記感光層は、ハロゲン化銀を含有して、前記放射線感
応性樹脂層が感応する放射線より長波長の光で感光可能
であることを特徴とする。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項1乃至請求
項3のうち何れか一項記載の感光性フォトマスク材料に
おいて、前記放射線感応性樹脂層と前記感光層との間に
接着層を更に設けたことを特徴とする。請求項5記載の
発明は、請求項4記載の感光性フォトマスク材料におい
て、前記接着層はハレーション防止色素を含有すること
を特徴とする。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項4又は請求
項5の何れか記載の感光性フォトマスク材料において、
前記放射線感応性樹脂層と前記接着層との間に、該放射
線感応性樹脂層と前記感光層との間の成分の移動を防止
するための中間層を更に設けたことを特徴とする。
【0018】請求項7記載の発明は、基板上に、金属膜
と、放射線に感応してその溶解性が変化する放射線感応
性樹脂層と、該放射線感応性樹脂層が感応する放射線と
異なる波長の光で感光可能な感光層とを順次設けて成る
感光性フォトマスク材料を処理してフォトマスクを形成
するフォトマスクの製造方法であって、前記感光性フォ
トマスク材料の感光層を選択的に像様露光し、現像処理
して画像を形成する画像形成工程と、前記放射線感応性
樹脂が感応する放射線で前記画像の形成されたフォトマ
スク材料を露光する露光工程と、前記感光層を剥離する
剥離工程と、前記露光工程で露光されてない未硬化部分
を除去する第一の除去工程と、前記金属膜を腐食する腐
食工程と、前記露光工程で露光された硬化部分を除去す
る第二の除去工程と、からなることを特徴とする。
【0019】請求項8記載の発明は、請求項7記載のフ
ォトマスクの製造方法において、前記感光性フォトマス
ク材料は前記放射線感応性樹脂層と前記感光層との間に
接着層が更に設けられたものであり、前記剥離工程は前
記感光層と共に該接着層も剥離するものであることを特
徴とする。
【0020】請求項9記載の発明は、請求項8記載のフ
ォトマスクの製造方法において、前記接着層はハレーシ
ョン防止色素を含有することを特徴とする。請求項10
記載の発明は、請求項8又は請求項9の何れか記載のフ
ォトマスクの製造方法において、前記感光性フォトマス
ク材料は前記放射線感応性樹脂層と前記接着層との間
に、該放射線感応性樹脂層と前記感光層との間の成分の
移動を防止するための中間層が更に設けられたものであ
り、前記剥離工程は前記感光層と共に該接着層及び該中
間層をも剥離するものであることを特徴とする。
【0021】請求項1記載の発明によれば、従来技術に
おいてはそれぞれ別の基板上に設けられて別体とされて
感光層と、金属膜及び放射線感応性樹脂層とを一の基板
上に積層して設けることが可能となる。そして、感光層
が感光しうる光を放射線感応性樹脂層が感応する放射線
と異なる波長の光とすることにより、それぞれを選択的
に感応若しくは感光させることが可能となる。
【0022】従って、感光層での選択的露光による所望
の画像形成後、かかる画像に従った放射線感応性樹脂層
のパターニング、ひいては金属膜のパターニングが可能
となり、所望の金属膜のパターニングのなされたフォト
マスクを提供することが可能となる。この時、感光層
と、金属膜及び放射線感応性樹脂層とを積層して設けて
いることにより、放射線感応性樹脂層をパターニングす
るための露光において、二枚の基板上の感光層と放射線
感応性樹脂層とを重ね合わせる作業の必要がなく、基板
に由来する欠陥、特にガラス基板に多い欠陥に起因して
生じる感光層及び放射線感応性樹脂層における凹凸等の
欠陥が感光層と放射線感応性樹脂層との密着を妨害し、
その二つの層間に隙間を生じさせることはない。
【0023】よって、かかる感光性フォトマスク材料を
使用してフォトマスクを製造すれば、放射線感応性樹脂
層の露光の、ひいては放射線感応性樹脂層のパターニン
グ精度を低下させることはない。従って、製造にかかる
フォトマスクの精度を向上させ、十分な性能の製品の提
供することが可能となる。
【0024】また、感光層と、金属膜及び放射線感応性
樹脂層とを一の基板上に積層して設けることにより基板
数が従来技術に比べ減少し、また、フォトマスク製造に
用いる場合には上記のように二枚の基板の密着のための
工程を省略でき、製造コスト、及びフォトマスクの製造
のコストを低下させることが可能となる。従って、フォ
トマスクの量産化と低コスト化を可能とする感光性フォ
トマスク材料を提供することが可能となる。
【0025】請求項2記載の発明によれば、波長の異な
る二種類の光を使用して、一方を使用して感光層を選択
的に露光し、画像形成をした後、その感光層に形成され
た画像に従い放射線感応性樹脂層を露光することができ
る。そして、かかる露光に従い放射線感応性樹脂層に、
感光層に形成された画像に従う溶解性の異なる領域から
なるパターンを形成することができる。
【0026】そして適当な溶剤を選択することにより、
溶解性の違いを利用して、溶解しやすい部分のみを選択
的に溶かし出して除去し、その結果、溶解しにくい部分
を金属膜上に残すことにより、金属膜上の感光層に形成
された画像パターンと同一のパターンを放射線感応性樹
脂層により形成することが可能となる。従って、金属膜
をかかる放射線感応性樹脂層のパターンに従い、適当な
腐食手段によりパターニングすることができ、フォトマ
スクを提供することが可能となる。
【0027】この時、感光層と、金属膜及び放射線感応
性樹脂層とを積層して設けていることにより、放射線感
応性樹脂層をパターニングするための露光において、二
枚の基板上の感光層と放射線感応性樹脂層とを重ね合わ
せる作業の必要がなく、基板に由来する欠陥、特にガラ
ス基板に多い欠陥に起因して生じる感光層及び放射線感
応性樹脂層における凹凸等の欠陥が感光層と放射線感応
性樹脂層との密着を妨害し、その二つの層間に隙間を生
じさせることはない。
【0028】よって、かかる感光性フォトマスク材料を
使用してフォトマスクを製造すれば、放射線感応性樹脂
層の露光の、ひいては放射線感応性樹脂層のパターニン
グ精度を低下させることはない。従って、製造にかかる
フォトマスクの精度を向上させ、十分な性能の製品の提
供することが可能となる。
【0029】請求項3記載の発明によれば、感光層はハ
ロゲン化銀を含有しており、その画像形成に銀塩写真の
技術を利用した感光性フォトマスク材料を提供すること
が可能となる。よって、かかる感光性フォトマスク材料
を使用すれば、高感度の露光により高解像度の画像を容
易に得ることが可能となる。
【0030】また、感光層が感光しうる光を放射線感応
樹脂層が感応する光より長波長の光とすることにより、
感光層の選択的露光を厳密且つ容易に行なうことが可能
となる。従って、製造にかかるフォトマスクの精度を向
上させ、十分な性能の製品を提供することが可能とな
る。
【0031】請求項4記載の発明によれば、積層される
放射線感応性樹脂層と感光層との接着強度が弱い場合、
例えば、具体的には放射線感応性樹脂層が疎水性で感光
層が親水性である場合などに対し、それらの層間の接着
力を強化することが可能となる。よって、その取扱いや
フォトマスク製造に使用される場合においても、放射線
感応性樹脂層と感光層とが剥離してしまうようなことを
防止することが可能となる。
【0032】従って、取扱いの容易な強度的に高信頼の
感光性フォトマスク材料を提供する事が可能となる。請
求項5記載の発明によれば、フォトマスクの製造に使用
される場合の感光層の露光の際に、ハレーションを防止
することが可能となる。すなわち、画像形成の際にハレ
ーションの防止が可能な感光性フォトマスク材料を提供
することが可能となる。
【0033】従って、製造にかかるフォトマスクの精度
を向上させ、十分な性能の製品の提供することが可能と
なる。請求項6記載の発明によれば、感光層と放射線感
応性樹脂層との間の成分の移動や拡散を防止し、感光層
からの化学的作用が放射線感応性樹脂層に及んでそれを
変質等させることを防止することが可能となる。
【0034】すなわち、高信頼性の感光性フォトマスク
材料を提供することが可能となる。従って、製造にかか
るフォトマスクの精度を向上させ、十分な性能の製品の
提供することが可能となる。請求項7記載の発明によれ
ば、従来技術においてはそれぞれ別の基板上に設けられ
て別体とされて感光層と、金属膜及び放射線感応性樹脂
層とを一の基板上に積層して一体に設けた感光性フォト
マスク材料を使用することが可能となる。そして、感光
層が感光しうる光が放射線感応性樹脂層が感応する放射
線と異なる波長の光であることにより、画像形成工程で
は放射線感応性樹脂層に対し感光層のみを選択的に感光
させることが可能となる。
【0035】従って、画像形成工程での感光層の選択的
露光による所望の画像形成後、露光工程から第一の除去
工程までの、かかる画像に従った放射線感応性樹脂層の
パターニング、ひいては金属膜のパターニングが可能と
なり、所望の金属膜のパターニングのなされたフォトマ
スクを提供することが可能となる。この時、使用する感
光性フォトマスク材料が感光層と、金属膜及び放射線感
応性樹脂層とを積層して設けていることにより、放射線
感応性樹脂層をパターニングするための露光において、
二枚の基板上の感光層と放射線感応性樹脂層とを重ね合
わせる作業の必要がなく、基板に由来する欠陥、特にガ
ラス基板に多い欠陥に起因して生じる感光層及び放射線
感応性樹脂層における凹凸等の欠陥が感光層と放射線感
応性樹脂層との密着を妨害し、その二つの層間に隙間を
生じさせることはない。
【0036】よって、放射線感応性樹脂層の露光の、ひ
いては放射線感応性樹脂層のパターニングの精度が低下
することはない。従って、製造にかかるフォトマスクの
精度を向上させ、十分な性能の製品の提供することが可
能となる。また、使用する感光性フォトマスク材料が感
光層と、金属膜及び放射線感応性樹脂層とを一の基板上
に積層して設けていることにより基板数が従来技術に比
べ減少し、また、上記のように二枚の基板の密着のため
の工程を省略でき、製造のコストを低下させることが可
能となる。
【0037】従って、フォトマスクの量産化と低コスト
化を可能とするフォトマスクの製造方法を提供すること
が可能となる。請求項8記載の発明によれば、使用する
感光性フォトマスク材料において積層される放射線感応
性樹脂層と感光層との接着強度が弱くなる可能性がある
場合、例えば、具体的には放射線感応性樹脂層が疎水性
で感光層が親水性である場合などに対し、それらの層間
の接着力を強化した感光性フォトマスク材料を使用して
フォトマスクの製造をすることが可能となる。
【0038】よって、各製造工程において、放射線感応
性樹脂層と感光層とが剥離してしまうようなことを防止
することが可能となる。従って、フォトマスクの高精度
化と、量産化及び低コスト化を可能とするフォトマスク
の製造方法を提供することが可能となる。請求項9記載
の発明によれば、使用する感光性フォトマスク材料にお
いて、画像形成工程での感光層の露光の際に、ハレーシ
ョンを防止することが可能となる。
【0039】すなわち、画像形成の際にハレーションを
防止して高精度の画像を感光層に形成し、引き続きの工
程を経てフォトマスクを製造することが可能となる。従
って、フォトマスクの高精度化を可能とするフォトマス
クの製造方法を提供することが可能となる。請求項10
記載の発明によれば、感光層と放射線感応性樹脂層との
間の成分の移動や拡散を防止し、剥離工程より前の工程
等で、感光層からの化学的作用が放射線感応性樹脂層に
及び、それを変質等させることを防止することが可能と
なる。
【0040】すなわち、化学的に高信頼性の感光性フォ
トマスク材料を使用してフォトマスクを製造することが
可能となる。従って、フォトマスクの高精度化と、量産
化及び低コスト化を可能とするフォトマスクの製造方法
を提供することが可能となる。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1は本発明にかかる一実施形態で
ある感光性フォトマスク材料1の構成を示す断面図であ
る。即ち、本発明は、感光性フォトマスク材料に関し、
基板2上に、金属膜3と、放射線に感応する放射線感応
性樹脂層4と、この放射線感応性樹脂層4が感応する放
射線と異なる波長領域の光で感光可能な感光層5とを順
次設けて成る。
【0042】そして、本発明にかかる感光性フォトマス
ク材料はフォトマスクの製造に用いられる。図2は本発
明にかかるフォトマスクの製造方法を説明する工程図で
あり、本発明にかかる一実施形態である感光性フォトマ
スク材料1を使用してフォトマスク11を製造する。即
ち、本発明にかかる一実施形態であるフォトマスクの製
造方法においては、上記の感光性フォトマスク材料1を
使用し、図2(A)に示すように、製造すべきフォト
マスクのマスクパターンを描画データとしてCAD等に
て作製し、この描画データに従い感光性フォトマスク材
料1の感光層5を放射線感応性樹脂層4に対して選択的
に像様露光し、現像処理して画像を形成する画像形成工
程と、図2(B)に示すように、放射線感応性樹脂4
が感応する放射線で前記の画像の形成された感光性フォ
トマスク材料1を露光する露光工程と、図2(C)に
示すように、上記の画像形成された感光層5を剥離する
剥離工程と、図2(D)に示すように、感光層5を剥
離された感光性フォトマスク材料1から上記露光工程
()での露光部分12を残し、露光されてない未硬化
部分13を除去して、金属膜3の一部を露出する第一の
除去工程と、図2(E)に示すように、前記の金属膜
5をその露出部分14について腐食する腐食工程と、
図2(F)に示すように、この腐食工程()の後に、
残された金属膜5部分の上に存在している前記露光工程
()で露光されて硬化された露光部分12を除去する
第二の除去工程と、を経ることによりフォトマスクの製
造を行なう。
【0043】この時、放射線感応性樹脂層4の感応する
放射線としては、全ての電磁波及び粒子線を含みうる。
しかし、上記したように、その上に設けられた感光層5
が感光(上記の像様露光)によりその特性を変化させた
場合に、感光層5の露光部分と未露光部分の特性の違い
に従い、放射線感応性樹脂層4が異なる特性で感応する
必要がある。
【0044】また、感光層5の露光部分と未露光部分の
違いに従い異なる特性で感応することにより放射線感応
性樹脂層4上に形成された異なる特性の感応部分は、そ
の後結果として、具備する性質に従い溶出等の除去操作
によって感光層5の露光部分と未露光部分に対応するパ
ターンを放射線感応性樹脂層4中に形成する必要があ
る。
【0045】そして、そのパターンは、金属膜3をその
パターンに従って腐食させ、パターニングを可能とする
ものでなければならない。以上のような要求を満たすた
めには、また、図4に示したような従来から行なわれて
いるフォトマスク製造における金属膜のパターニング工
程や設備をそのまま利用して、低コストで金属膜のパタ
ーニングを可能とするためには、放射線感応性樹脂層4
の感応する放射線としては、光、特に紫外領域又は可視
領域の光であることが望ましい。
【0046】その時、同時に同様の要求に対応するた
め、放射線感応性樹脂層は紫外領域又は可視領域の光に
感応して、感応部分と未感応部分に(若しくは感応の程
度に従い)溶解性に違いの生じるものであるものが望ま
しい。その場合、放射線感応性樹脂層は、光の感応によ
り、構成する高分子の高分子鎖に切断反応が生じ感応部
分で溶解性の増大するタイプの物でも、重合反応(所謂
架橋反応を含む)が生じて溶解性を低下させるタイプの
物でも良い。また、光の感応により水溶性から油溶性又
は油溶性から水溶性に変化するタイプの物でも良い。露
光に対する感度と形成すべきパターンに必要な解像度と
を考慮して、適宜選択して使用することが望ましい。
【0047】また、感光層5は露光部分と未露光部分で
特性に違いを生じ、その特性の違いに起因して、感光層
5を介して放射線の露光をうける放射線感応性樹脂層4
中に感光層5の露光部分と未露光部分のパターンに対応
する異なる特性領域のパターンを形成可能である必要が
ある。この時、上記のように、放射線感応性樹脂層4は
光、特に紫外領域又は可視領域の光に感応するものであ
ることが望ましいことから、感光層5はかかる放射線感
応性樹脂層4に対応可能なものであることが望ましく、
露光により光、特に紫外領域又は可視領域の光に対する
透過率に変化が生じうるものが望ましい。
【0048】具体的には露光により先に述べた描画デー
タとしてのマスクパターンを画像として形成可能なもの
が望ましく、その簡便さと得られる画像の解像度の高さ
などから所謂写真技術を利用したものが望ましい。かか
る感光層に利用可能な写真技術としては、ハロゲン化銀
を用いる銀塩写真技術及び非銀塩写真技術が利用可能で
あり、非銀塩写真技術としては所望のジアゾ化合物を利
用したジアゾ法や、所望のフォトクロミック材料を使用
したフォトクロミック技術を用いたものが利用可能であ
る。
【0049】この時、得られる画像の解像度の高さや、
上述の従来技術をそのまま利用できる点及び技術的な成
熟に由来する製造コストの低さを考慮してハロゲン化銀
を使用する銀塩写真技術を利用することが望ましい。ま
た、銀塩写真技術については露光後の現像方法の違いに
より、湿式及び乾式に分類されうるが、感光層の構成及
びフォトマスクの製造方法における画像形成工程を適宜
対応させることにより何れも使用可能であり、廃液処理
等環境への配慮が今後の必要となる場合を考慮すれば乾
式現像を可能とする銀塩写真技術の利用が好ましい。
【0050】その場合、現像処理方法は、加熱によって
行なわれる。かかる熱現像は、感光性フォトマスク材料
を加熱した物体(例えば、ホットプレート、ヒートロー
ル、サーマルヘッド)に密着する方法、加熱した液体に
浸漬する方法、赤外線を照射する方法等によって行うこ
とが出来る。加熱条件は80°Cから160°Cまでの
温度範囲で1秒から3分間、好ましくは90°Cから1
40°Cまでの温度範囲で3秒以上90秒以下で加熱す
る。
【0051】もちろん、画像解像度等その特性の高さを
第一に考慮すれば、湿式現像による銀塩写真技術を利用
することも可能である。その場合、現像処理方法は、公
知の組成の現像液を使用した従来の湿式現像技術に従
う。従来の湿式現像技術は一般に像様露光後の、現像、
定着、水洗、乾燥の各段階から構成される。そして、感
光層5の像様露光は、光にも感応可能な放射線感応性樹
脂層4上で一体の状態で行なわれることから、感光層5
を感光可能な光は、その波長領域中に放射線感応性樹脂
層4を感応しえない波長領域の光を含む必要がある。
【0052】すなわち、感光層は放射線感応性樹脂層4
が感応する光等の放射線と異なる波長領域からなる光で
も十分に感光可能なものある必要があり、その場合、放
射線感応性樹脂層4が感応する光等の放射線より長波長
の光で感光可能であること、つまり画像形成可能である
ことが望ましい。このとき、上記写真技術を利用した感
光層はかかる要求に対し十分対応することが可能であ
る。そして、感光層に適当な増感色素を含有して利用す
ることにより感光層の露光を更に長波長の光で行なうこ
とが可能であり、例えば、ハロゲン化銀を使用した写真
技術を利用した感光層においては、アルゴンレーザーを
使用した波長488nmのレーザー光での露光やYAG
レーザーを使用した532nmのレーザー光での露光も
可能である。
【0053】従って、放射線感応性樹脂層が254nm
程度又は365nm程度の光で硬化するように構成され
た物であり、かかるタイプの放射線感応性樹脂層4を使
用してこの感光層5と共に上記の感光性フォトマスク材
料1を構成すれば、上記したフォトマスク11の製造方
法において十分使用可能となる。当然に、タングステン
ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフ
ラッシュランプ、水銀ランプ、カーボンアークランプ、
LED等のランプ、各種レーザー(上記アルゴンレーザ
やYAGレーザ以外に半導体レーザー、ヘリウムネオン
レーザー、ヘリウムカドミウムレーザー等)も、感光層
5の感光特性と放射線感応性樹脂層4の感応特性を考慮
して適宜選択をし、使用することが可能である。
【0054】尚、放射線感応性樹脂層は紫外領域又は可
視領域の光に感応して、感応部分と未感応部分に(若し
くは感応の程度に従い)溶解性に違いの生じるものであ
るものである場合にその露光に使用可能な光源として
は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、タングステンラ
ンプ、水銀灯、蛍光灯、各種レーザー等が挙げられる。
また、放射線感応性樹脂層4と感光層5との密着性が良
好とは言えず、放射線感応性樹脂層4上に感光層5を積
層するのが困難、又は積層後に容易に各層間の剥離が生
じてしまうような場合、放射線感応性樹脂層4と感光層
5との間に放射線感応性樹脂層4と感光層5との間の密
着を目的とする接着層を設けることが可能である。
【0055】例えば、感光層5が上記のようにハロゲン
化銀を含有して銀塩写真を利用したものである場合、か
かる感光層5は通常バインダーとしてゼラチン等の親水
性のものを使用するなど、結果的に親水性を示すことが
多い。このとき放射線感応性樹脂層4が通常の樹脂であ
って親油性であり、従って疎水性である場合、それらの
積層は困難であるか、積層されてもその密着性は低く、
剥離が生じやすい。
【0056】このような場合は、放射線感応性樹脂層4
と感光層5との間の密着性を改良するために、放射線感
応性樹脂層4と感光層5との間に親水性と親油性を併せ
持った層を接着層として設けることが望ましい。この
時、この接着層に適当な色素等のハレーション防止色素
を含有させることが可能であり、その場合接着層は、感
光層5の画像形成におけるハレーションを防止するため
のハレーション防止層としての作用も具備しうる。
【0057】もちろん、上記の接着剤層とは別個に、ハ
レーション防止性能を付与しうる色素等を含んだ親水性
の若しくは親水性と親油性とを併せ持った層を感光層5
と上記接着層の間に、又は親油性の若しくは親水性と親
油性とを併せ持った層を放射線感応性樹脂層4と上記接
着層の間に設けることも可能である。ハレーション防止
色素としては、放射線感応樹脂層4で露光に従い硬化反
応が生じるような場合、この硬化反応を著しく妨げた
り、感光層5が上記のようにハロゲン化銀を含有して銀
塩写真を利用したものである場合にハロゲン化銀の感光
性や現像性を著しく妨げない限り、公知の色素を使用す
ることができる。この時、ハロゲン化銀を感光させる波
長領域(増感感光を行なう場合はその増感にかかる波長
領域)の光を吸収できるものが好ましい。
【0058】ハレーション防止色素としては、特開平5
−249667号公報、「カラーインデックス便覧」、
「染料便覧(有機合成化学協会編、昭和45年)」に記
載の色素を用いることが出来る。また、上記接着層は、
放射線感応性樹脂層4を感光層5の化学的作用から保護
するための保護層としても作用しうる。
【0059】例えば、感光層5が上記のようにハロゲン
化銀を含有して銀塩写真を利用したものである場合、か
かる保護層は、感光層5での現像時にアルカリ浸透等の
感光層5の化学的作用が放射線感応性樹脂層4に及ぶの
を防ぐことができる。この時、更に、放射線感応性樹脂
層4と上記接着層の間に、上記接着層とは別の層であっ
て、放射線感応性樹脂層4と感光層5との間の成分の移
動や拡散を防止し、放射線感応性樹脂層4を感光層5の
化学的作用から保護することの可能な中間層を設けるこ
とももちろん可能である。
【0060】また、感光層5が外部からの化学的若しく
は物理的影響を受けやすい物である場合、感光層5の上
に、かかる影響から感光層5を保護するための保護層を
設けることも可能である。例えば、感光層5が上記のよ
うにハロゲン化銀を含有して銀塩写真を利用したもので
ある場合等、感光層5に外部からの影響が及んで内部等
に不要な変質が起きないように、かかる保護層を設ける
ことが望ましい。
【0061】また、空気中の酸素の浸入を防いで放射線
感応性樹脂層4の硬化等の作用を促進することが必要で
ある場合にも保護層を設けることが望ましい。このよう
な保護層は感光層5での画像形成を促進する成分(例え
ば、塩基プレカーサー、熱現像促進剤)を含むことがで
きる。更に保護層はマット剤を含むことができる。マッ
ト剤は、感光性フォトマスク材料表面の粘着性を低下さ
せ、感光材料を重ねた時の接着を防止する。マット剤と
しては親水性ポリマー中に分散が可能な無機又は有機の
固体粒子が用いられ、かかる粒子は通常の銀塩写真の技
術分野では公知のものである。
【0062】以上の説明に従い構成された本発明にかか
る別の実施形態である感光性フォトマスク材料を図3に
示す。即ち、図3は本発明にかかる別の実施形態である
感光性フォトマスク材料の構成を説明する断面図であ
る。本発明にかかる別の実施形態である感光性フォトマ
スク材料21は、基板22上に、金属膜23と、放射線
に感応する放射線感応性樹脂層24と、この放射線感応
性樹脂層24が感応する放射線と異なる波長領域の光で
感光可能な感光層25とを順次設けて成り、更に放射線
感応性樹脂層24と感光層25の間であって放射線感応
性樹脂層24に接して放射線感応性樹脂層24と感光層
25との間の成分の移動を防止するための中間層26
と、適当な色素を含有してハレーション防止性能を備え
て放射線感応性樹脂層24と中間層26の間で設けられ
た接着層27と、感光層25の上に設けられた感光層2
5を保護するための保護層28とを具備して構成され
る。
【0063】尚、この時、基板22は上記の本発明にか
かる一実施形態である感光性フォトマスク材料1の基板
2に対応して、同様の特性を有する。同様に、金属膜2
3、放射線感応性樹脂層24及び感光層25は、それぞ
れ感光性フォトマスク材料1の金属膜3、放射線感応性
樹脂層4及び感光層5に対応して同様の特性を有する。
【0064】そして、本発明にかかる感光性フォトマス
ク材料21は、本発明にかかる一実施形態である上記の
感光性フォトマスク材料1と同様にフォトマスクの製造
に用いられ、フォトマスクを製造する。このとき、上記
の画像形成工程においては、保護層28を通して感光
層25の露光が行なわれ、上記の感光層を剥離する剥
離工程においては、感光層25を含む放射線感応性樹脂
層24より上の層すべてが、剥離される。
【0065】その他の工程は本発明にかかる一実施形態
である上記の感光性フォトマスク材料1を用いた場合と
同様である。尚、上記構成を有する本発明にかかる感光
性フォトマスク材料1,21における各構成層の塗布方
法についてであるが、放射線感応性樹脂層4,24、中
間層26、接着層27、感光層5,25及び保護層28
については、ホエラーコーティング、スピンコーティン
グ、ディップコーティング、スプレーコーティング、単
板コーターコーティング等の塗布方法が可能である。
【0066】また、単板コーターで塗布後、スピンナで
高速回転し、塗液を均一化する方法も好ましい。次に、
本発明にかかる実施形態である感光性フォトマスク材料
に使用可能な各構成材料を以下で具体的に挙げて説明す
る。本発明にかかる感光性フォトマスク材料を構成する
基板としては、その上の積層される金属膜や感光層等の
層を安定に支持でき、かつ光を通すものであれば使用可
能である。
【0067】具体的にはポリエステル、アクリル樹脂、
ポリカーボネート又はポリエチレンテレフタレート等の
透明樹脂や、ガラスが使用可能である。ガラスについて
はソーダライムガラスが使用可能であるが、フォトマス
クに与える基板の膨張の影響を考慮して、低膨張ガラス
や石英ガラスも使用可能である。
【0068】金属膜としては、クロム、ニッケル、アル
ミニウム、モリブデン等の膜が使用可能である。フォト
マスク製造のためのエッチング工程における廃液の処理
を考慮し、環境への影響を配慮するならば、かかる配慮
の必要がないニッケル膜を使用することが好ましい。即
ち、本発明にかかる感光性フォトマスク材料は、フォト
マスクを構成する金属膜として、所謂環境に優しい材料
であるニッケルを使用することも可能である。
【0069】放射線感応性樹脂層として、特に光に感応
してその溶解性が変化するものとしては、放射線感応性
樹脂層を構成する高分子の高分子鎖に切断反応が生じ感
応部分で溶解性の増大するタイプの物でも、放射線感応
性樹脂層内部で重合反応(所謂架橋反応を含む)が生じ
て溶解性を低下させるタイプの物でも良い。また、例え
ば、ポリビニルアルコール、ノボラック樹脂、セルロー
ス、アクリル酸系樹脂又はエポキシ系樹脂等ヒドロキシ
ル基を有する樹脂に、o−キノンアジド残基、o−ナフ
トキノン(1,2)ジアジドスルフォニル残基を導入し
て構成された感光性高分子は、露光に際してo−キノン
アジド残基が分解して有機溶媒可溶性からアルカリ水溶
液可溶性に変化し、光に感応してその溶解性の質が変化
するものとして使用可能である。
【0070】そして、例えばヒドロキシナフタレン、フ
ロログルシノール、ヒドロキシベンゾフェノン等のヒロ
ドキシ基をもつモノマーとo−ナフトキノン(1,2)
ジアジドスルフォニルクロライドとの反応生成物を増感
剤としてフェノールノボラック樹脂等アルカリ水溶液に
可溶な樹脂と混合したものも同様に使用可能である。放
射線感応性樹脂層内部で重合反応(所謂架橋反応を含
む)が生じて溶解性を低下させるタイプの物としては、
重合性化合物を含んで構成され、その場合、光重合開始
剤を含んでいてもよい。
【0071】重合性化合物としては一分子中に反応性ビ
ニル基を少なくとも1個持つ化合物が利用でき、例え
ば、反応性ビニル基含有単量体、反応性ビニル基含有オ
リゴマー及び反応性ビニル基含有ポリマーからなる群よ
り選択された1種以上を用いることができる。これら化
合物の反応性ビニル基としては、スチレン系ビニル基、
アクリル酸系ビニル基、メタクリル酸ビニル基、アリル
系ビニル基、ケイ皮酸系ビニル基、カルコン系ビニル
基、ビニルエーテル等の他に酢酸ビニル等のエステル系
ビニル基等重合反応性を有する置換若しくは非置換ビニ
ル基が挙げられる。
【0072】かかる条件を満たす重合性ポリマー前駆体
の具体例としては、スチレン、メトキシスチレン、ジメ
チルアミノスチレン、ヒドロキシスチレン、アミノスチ
レン、カルボキシスチレン、アクリル酸、アクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、アクリル酸シクロヘキシル、
アクリルアミド、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エーテル、メタクリル酸プロピル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸シ
クロヘキシル、ビニルピリジン、N−ビニルピロリド
ン、N−ビニルイミダゾール、2−ビニルイミダゾー
ル、N−メチル−2−ビニルイミダゾール、プロピルビ
ニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニ
ルエーテル、β−クロロエチルビニルエーテル、フェニ
ルビニルエーテル、p−メチルフェニルビニルエーテ
ル、p−クロロフェニルビニル等の一価の単量体;例え
ばジビニルベンゼン、シュウ酸ジスチリル、マロン酸ジ
スチリル、コハク酸ジスチリル、グルタル酸ジスチリ
ル、アジピン酸ジスチリル、マレイン酸ジスチリル、フ
マル酸ジスチリル、β,β−ジメチルグルタル酸ジスチ
リル、2−ブロモグルタル酸ジスチリル、α,α’−ジ
クロログルタル酸ジスチリル、テレフタル酸ジスチリ
ル、シュウ酸ジ(エチルアクリレート)、シュウ酸ジ
(メチルエチルアクリレート)、マロン酸ジ(エチルア
クリレート)、マロン酸ジ(メチルアクリレート)、コ
ハク酸ジ(エチルアクリレート)、グルタル酸ジ(エチ
ルアクリレート)、アジピン酸ジ(エチルアクリレー
ト)、マレイン酸ジ(エチルアクリレート)、フマル酸
ジ(エチルアリレート)、エチレンジアクリルアミド、
プロピレンジアクリルアミド、1,4−フェニレンジア
クリルアミド、1,4−フェニレンビス(オキシエチル
アクリレート)、1,4−フェニレンビス(オキシメチ
ルエチルアクリレート)、1,4−ビス(アクリロイル
オキシメチルエトキシ)シクロヘキサン、1,4−ビス
(アクリロイルオキシエトキシカルバモイル)ベンゼ
ン、1,4−ビス(アクリロイルオキシメチルエトキシ
カルバモイル)ベンゼン、1,4−ビス(アクリロイル
オキシエトキシカルバモイル)シクロへキサン、ビス
(アクロイルオキシエトキシカルバモイルシクロヘキシ
ル)メタン、シュウ酸ジ(エチルメタクリレート)、シ
ュウ酸ジ(メチルエチルメタクリレート)、マロン酸ジ
(エチルメタクリレート)、マロン酸ジ(メチルエチル
メタクリレート)、コハク酸ジ(エチルメタクリレー
ト)、アジピン酸ジ(エチルメタクリレート)、マレイ
ン酸ジ(エチルメタクリレート)、フマル酸ジ(エチル
メタクリレート)、β,β’−ジメチルグルタル酸ジ
(エチルメタクリレート)、1,4−フェニレンビス
(オキシエチルメタクリレート)、1,4−ビス(メタ
クロイルオキシエトキシ)シクロヘキサンアクリロイル
オキシエトキシエチルビニルエーテル等の二価の単量
体;例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(ヒドロキシスチレン)、シアヌル酸トリ
アクリレート、シアヌル酸トリメタクリレート、1,
1,1−トリメチロールプロパントリアクリレート、
1,1,1−トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、シアヌル酸トリ(エチルアクリレート)、1,1,
1−トリメチロールプロパントリ(エチルアクリレー
ト)、シアヌル酸トリ(エチルビニルエーテル)、1,
1,1−トリメチロールプロパンと3倍モルのトルエン
ジイソシアネートとの反応物とヒドロキシエチルアクリ
レートとの縮合物、1,1,1−トリメチロールプロパ
ンと3倍モルのヘキサンジイソシアネートとの反応物と
p−ヒドロキシスチレンとの縮合物等の三価単量体;例
えばエチレンテトラアクリルアミド、プロピレンテトラ
アクリルアミド等の四価の単量体等、更には、オリゴマ
ー又はポリマーの末端に反応性ビニル基を残した重合性
ポリマー前駆体あるいはオリゴマー又はポリマーの側鎖
に反応性ビニル基をつけた重合性ポリマー前駆体等を挙
げることできる。尚、これらの重合性ポリマー前駆体を
2種以上用いてもよい。
【0073】また、上記のように、これら重合性化合物
と共に含有されて使用可能な光重合開始剤としては、例
えばカルボニル化合物、イオウ化合物、ハロゲン化合
物、レドックス系重合開始剤等が挙げられる。具体的に
は、カルボニル化合物としては、例えば、ベンジル、
4,4’−ジメトキシベンジル、ジアセチル、カンファ
ーキノン等のジケトン類;例えば4,4’−ジエチルア
ミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェ
ノン等のベンゾフェノン類;例えばアセトフェノン、4
−メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン類;例え
ばベンゾイルアルキルエーテル類;例えば2−クロロチ
オキサントン、2,5−ジエチルチオキサントン、チオ
キサントン−3−カルボン酸−β−メトキシエチルエス
テル等のチオキサントン類;ジアルキルアミノ基を有す
るカルコン類及びスチリルケトン類;3,3−カルボニ
ルビス(7−メトキシクマリン)、3,3−カルボニル
ビス(7−ジエチルアミノクマリン)等のクマリン類等
が挙げられる。
【0074】イオウ化合物としてはジベンゾチアゾリル
スルフィド、デシルフェニルスルフィド等のジスルフィ
ド類等が挙げられる。ハロゲン化合物としては、例えば
四臭化水素、キノリンスルホニルクロライド、トリハロ
メチル基を含有するS−トリアジン類等が挙げられる。
レドックス系の光重合開始剤としては、三価の鉄イオン
化合物(例えばクエン酸第二鉄アンモニウム)と過酸化
物等を組み合わせて用いるものや、リボフランビン、メ
チレンブルー等の光還元性色素とトリエタノールアミ
ン、アスコルビン酸等の還元剤を組み合わせて用いるも
の等が挙げられる。
【0075】また以上に述べた光重合開始剤において、
2種以上を組み合わせてより効率のよい光重合反応をえ
ることができる。このような光重合開始剤の組合せとし
ては、ジアルキルアミノ基を有するカルコン及びスチリ
ルスチリルケトン類、クマリン類とトリハロメチル基を
有するS−トリアジン類、カンファーキノンとの組合せ
等が挙げられる。
【0076】これらの重合開始剤もその2種以上を併用
したり、上述の化合物と組み合わせて用いてもよい。更
に、天然ゴム、イソプレン系合成ゴムを構成するポリイ
ソプレンを環化して得られる環化ゴムに光架橋剤として
芳香族ビスアジドを添加し、有機溶剤に溶解して成る材
料も放射線感応性樹脂層内部で重合反応(所謂架橋反応
を含む)が生じて溶解性を低下させるタイプの物として
同様に使用可能である。
【0077】感光層として、特にハロゲン化銀を含有し
て銀塩写真の技術を利用したものとしては、露光後の現
像方法の違いにより、湿式及び乾式(熱現像式)に分類
されえて二種類あり、それぞれ異なる構成を有する。し
かし、感光層の構成及びフォトマスクの製造方法におけ
る画像形成工程を適宜対応させることにより何れも使用
可能である。
【0078】湿式の現像処理に従う感光層は、所謂ハロ
ゲン化銀乳剤からなる。このハロゲン化銀乳剤の種類は
ネガ型、ポジ型のハロゲン化銀乳剤の何れでもよい。か
かるハロゲン化銀乳剤に使用する感光性ハロゲン化銀は
例えば、臭化銀、沃臭化銀、塩化銀、塩臭化銀、塩沃化
銀、塩沃臭化銀などでよいが、特に臭化銀、沃臭化銀、
塩臭化銀、塩沃臭化銀が好ましい。ハロゲン化銀中の塩
化銀は50モル%以上が好ましく、70モル%以上であ
ることが更に好ましい。
【0079】これらの乳剤は平均粒径約0.1〜0.6
ミクロンの乳剤粒子からなるものが好ましい。平均粒径
0.2〜0.4ミクロンはさらに好ましい。乳剤は粗粒
子と微粒子の混合粒子でもよい。粒子形状は立方体、八
面体、十四面体、ジャガイモ形状、球状、板状、平板状
などの結晶形を有するものでもよい。また粒子サイズ分
布は狭い方が好ましく、特に平均粒子サイズの±40%
の粒子サイズ域内に全粒子数の90%、望ましくは95
%が入るような、いわゆる単分散乳剤が好ましい。これ
らの感光性乳剤に実質的に非感光性乳剤を混合して用い
てもよい。
【0080】本発明のハロゲン化銀乳剤は化学増感して
いても、していなくとも良い。化学増感をする場合は通
常のイオウ増感、還元増感及び金増感の何れか若しくは
それらの組み合わせが用いられる。本発明のハロゲン化
銀乳剤は、露光工程において該ハロゲン化銀乳剤からな
る感光層を放射線感応性樹脂層に対し選択的に感光させ
ることが可能であれば分光増感しなくとも使用可能であ
る。
【0081】しかし、本発明の感光層を、放射線感応性
樹脂層が感応する光と異なる波長の光、特にそれが感応
する光より長波長の光で選択的に感光させようとする場
合、分光増感することが望ましい。本発明の感光層中で
使用可能な増感色素は、写真技術等において公知のハロ
ゲン化銀の増感色素である。例えば、増感色素の例とし
ては、シアニン色素、メロシアニン色素、複合メロシア
ニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色
素、スチリル色素及びヘミオキソノール色素を挙げるこ
とができる。
【0082】分光増感用色素は、各種のレーザー(例え
ば、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴ
ンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、YA
Gレーザー)や発光ダイオードの様な異なる光源波長に
感光層の分光感度を対応させるためにも用いることがで
きる。例えば、分光波長の異なる複数種の分光増感色素
を同一の感光層中のハロゲン化銀に適用して、異なる波
長の光源を用いて同一の感光層への画像形成を可能とす
ることもできる。
【0083】増感色素と共に、それ自身、分光増感作用
を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない強
色増感を示す化合物(強色増感剤)をハロゲン化銀乳剤
に添加してもよい。次に、本発明における感光性フォト
マスク材料の乾式の現像処理に従う感光層は、有機銀塩
と、還元剤と、ハロゲン化銀とからなる。
【0084】この時、本発明に用いられる有機銀塩とし
ては、「写真工学の基礎」(第1版、1982年発行)
非銀塩編、p247や、特開昭59−55429号公報
等に記載された有機酸銀塩やトリアゾール系銀塩などを
用いることが可能であり、感光性の低い銀塩をもちいる
のが好ましい。例えば、脂肪族カルボン酸、芳香族カル
ボン酸、メルカプト基若しくはα−水素を有するチオカ
ルボニル基化合物、及びイミノ基含有化合物などの銀塩
である。
【0085】脂肪族カルボン酸としては酢酸、酪酸、コ
ハク酸、セバシン酸、アジピン酸、オレイン酸、リノー
ル酸、リノレン酸、酒石酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ベヘン酸、樟脳酸等があるが、一般的には炭素数が
少ないほど銀塩として不安定になるので、適度な炭素数
(例えば、炭素数16〜26の範囲の化合物)を有する
化合物が好ましい。
【0086】芳香族カルボン酸としては安息香酸誘導
体、キノリン酸誘導体、ナフタレンカルボン酸誘導体、
サリチル酸誘導体、沈食子酸、タンニン酸、フタル酸、
フェニル酢酸誘導体、ピロメリット酸等がある。メルカ
プト基又はα−水素を有するチオカルボニル基化合物と
しては、3−メルカプト−4−フェニル−1,2,4−
トリアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2
−メルカプト−5−アミノチアジアゾール、2−メルカ
プトベンゾチアゾール、S−アルキルチオグリコール酸
(アルキル基の炭素数が12〜23)、ジチオ酢酸など
ジチオカルボン酸、チオステアロアミドなどのチオアミ
ド類、5−カルボキシ−1−メチル−2−フェニル−4
−チオピリジン、メルカプトトリアジン、2−メルカプ
トベンゾオキサゾール、メルカプトオキサチアゾール又
は3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,2,4−トリア
ゾールなど、米国特許第4,123,274号記載のメ
ルカプト化合物を挙げることができる。
【0087】イミノ基を含有する化合物としては特公昭
44−30270号公報または同45−18416号公
報記載のベンゾトリアゾールもしくはその誘導体、例え
ばベンゾトリアゾール、メチルベンゾトリアゾールなど
アルキル置換ベンゾトリアゾール類、5−クロロベンゾ
トリアゾールなど、ハロゲン置換ベンゾトリアゾール
類、ブチルカルボイミドベンゾトリアゾールなどカルボ
イミドベンゾトリアゾール類、特開昭58−11863
9号公報記載のニトロベンゾトリアゾール類、特開昭5
8−115638号記載のスルホベンゾトリアゾール、
カルボキシベンゾトリアゾールもしくはその塩、または
ヒドロキシベンゾトリアゾールなど、米国特許第4,2
20,709号記載の1,2,4−トリアゾールや1H
−テトラゾール、カルバゾール、サッカリン、イミダゾ
ール及びその誘導体などを代表例として挙げることが出
来る。
【0088】本発明に用いられる還元剤は、感光性のハ
ロゲン化銀が露光されることにより生成した銀の存在下
で感光体が加熱された時に上記の有機銀塩を還元して銀
を生成しうるものである。そのような還元剤としては、
フェノール類、ビスフェノール類、トリスフェノール
類、テトラキスフェノール類、ナフトール類、ビスナフ
トール類、ジヒドロキシナフタレン類、スルホンアミド
フェノール類、トリヒドロキシナフタレン類、ジヒドロ
キシベンゼン類、トリヒドロキシベンゼン類、テトラヒ
ドロキシベンゼン類、ヒドロキシアルキルモノエーテル
類、アスコルビン酸類、3−ピラゾリドン類、ピラゾロ
ン類、ピラゾリン類、糖類、フェニレンジアミン類、ヒ
ドロキシアミン類、レダクトン類、ヒドロキシオキサミ
ン酸類、ヒドラジン類、ヒドラジド類、アミドオキシム
類、N−ヒドロキシ尿素類等を挙げることが出来る。
【0089】この中では特にp−ビスフェノール類、o
−ビスフェノール類、ビスナフトール類。p−置換ナフ
トール類、4−置換ナフトール類などが好ましい。ま
た、特開平3−135564号公報記載の還元剤も使用
可能である。本発明にかかる感光性フォトマスク材料の
乾式の現像処理に従う感光層に用いられるハロゲン化銀
としては、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃
臭化銀などを挙げることが出来る。
【0090】これらのハロゲン化銀の結晶の形状として
は、立方体、八面体、平板状のハロゲン化銀等を挙げる
ことが出来るが、特に立方体のハロゲン化銀が好まし
い。立方体のハロゲン化銀の結晶の一辺の長さは0.0
1〜2ミクロンが好ましく、さらに好ましくは0.02
〜1ミクロンである。これらのハロゲン化銀は上記湿式
の現像処理に従う感光層のハロゲン化銀乳剤の場合と同
様の化学増感が施されていてもよい。すなわちイオウ増
感、金増感、還元増感等を用いることが出来る。
【0091】そして、本発明の乾式の現像処理に従う感
光層は、露光工程において上記のハロゲン化銀を含ん
で、放射線感応性樹脂層に対し選択的に感光させること
が可能であれば分光増感しなくとも使用可能である。し
かし、本発明の感光層を、放射線感応性樹脂層が感応す
る光と異なる波長の光、特にそれが感応する光より長波
長の光で選択的に感光させようとする場合、分光増感す
ることが望ましい。
【0092】本発明の乾式の現像処理に従う感光層中で
使用可能な増感色素は、写真技術等において公知のハロ
ゲン化銀の増感色素である。例えば、増感色素の例とし
ては、シアニン色素、メロシアニン色素、複合メロシア
ニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色
素、スチリル色素及びヘミオキソノール色素を挙げるこ
とができる。
【0093】分光増感用色素は、各種のレーザー(例え
ば、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴ
ンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、YA
Gレーザー)や発光ダイオードの様な異なる光源波長に
感光層の分光感度を対応させるためにも用いることがで
きる。例えば、分光波長の異なる複数種の分光増感色素
を同一の感光層中のハロゲン化銀に適用して、異なる波
長の光源を用いて同一の感光層への画像形成を可能とす
ることもできる。
【0094】増感色素と共に、それ自身、分光増感作用
を持たない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない強
色増感を示す化合物(強色増感剤)を感光層に添加して
もよい。また、ハロゲン化銀は粒子内のハロゲン組成が
均一あるいは異なった多重構造を採っても良く、またハ
ロゲン組成、粒子サイズ、粒子サイズ分布等が異なった
二種以上のハロゲン化銀を併用しても良い。
【0095】ハロゲン化銀の結晶表面層には、イリジウ
ムイオンを含有していてもよい。イリジウムイオンの含
有量は、感光層に含有する全ハロゲン化銀1モルあた
り、1×10-5モル〜1×10-2モル、更には5×10
-5〜5×10-3モルの割合が好ましい。本発明にかかる
乾式の現像処理に従う感光層には、これの皮膜性、分散
性を改善する目的で適宜バインダーを含有させることが
好ましい。
【0096】バインダーとしては例えば、ニトロセルロ
ース、リン酸セルロース、硫酸セルロース、酢酸セルロ
ース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、ミリ
スチン酸セルロース、パルミチン酸セルロース、酢酸・
プロピオン酸セルロース、酢酸・酪酸セルロースなどの
セルロースのエステル類;メチルセルロース、エチルセ
ルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロース等の
セルロースのエーテル類;ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニ
ルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン等のビニル重合物類;スチレン−ブタジエンコポ
リマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、スチ
レン−ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、塩化
ビニル−酢酸ビニルコポリマーなどの共重合物類;ポリ
メチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリ
ブチルアクリレート、ポリアクリル酸、ポリメタクリル
酸、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル等のア
クリル重合物類;ポリエチレンテレフタレート等のポリ
エステル類;ポリ(4,4−イソプロピリデン−ジフェ
ニレン−コ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンカー
ボネート)、ポリ(エチレンジオキシ−3,3’−フェ
ニレンチオカーボネート)、ポリ(4,4’−イソプロ
ピリデンジフェニレンカーボネート−コ−テレフタレー
ト)、ポリ(4、4’−イソプロピリデンジフェニレン
カーボネート)、ポリ(4,4’−sec−ブチリデン
フェニレンカーボネート)、ポリ(4,4’−イソプロ
ピリデンジフェニレンカーボネート−ブロック−オキシ
エチレン)等のポリアクリレート重合物類;ポリアミド
類;ポリイミド類;エポキシ重合物類;フェノール重合
物類;ポリエチレン、ポリプロピレン、塩素化ポリエチ
レン等のポリオレフィン類;及びゼラチン等の天然高分
子等を挙げることが出来る。
【0097】本発明にかかる感光性フォトマスク材料の
乾式の現像処理に従う感光層において、各成分の好まし
い配合比は以下の通りである。使用される有機銀塩の量
は、0.3g/m2 〜30g/m2 、特に0.7g/m
2 〜15g/m2 、更には1.2g/m2 〜8g/m2
が好ましい。還元剤の含有量は有機銀塩1モルに対して
0.05〜3モル、更には0.2〜2モルが好ましい。
【0098】また有機銀塩1モルに対して、感光性のハ
ロゲン化銀を好ましくは0.001〜2モル、より好ま
しくは0.05〜1モル含有させるのが好ましい。必要
に応じて含有する分光増感色素の含有量は、有機銀塩1
モルあたり1×10-5〜1×10-2モルの範囲が好まし
い。必要に応じて含有するバインダーの含有量は、有機
銀塩1重量部に対して0.5〜10重量部、更には0.
5〜5重量部が好ましい。
【0099】以下に、本発明にかかる感光性フォトマス
ク材料及びフォトマスクの製造方法について、実施例を
用いてより具体的に説明する。
【0100】
【実施例】(実施例1)感光性フォトマスク材料の製造 以下の記載に従い本発明にかかる一実施例である感光性
フォトマスク材料が製造される。 a.ガラス基板への金属膜の形成 基板としてソーダライムガラスを選択し、金属膜として
はニッケルの膜を選択した。
【0101】厚さ3mmで40cm×40cmのソーダ
ライムガラス上に、金属膜の密着性を改善する目的で、
厚さ2,000オングストロームのインジウム チン
オキサイド(ITO)をイオンプレーティング方法で成
膜した後、80g/リットルの水酸化カリウム水溶液の
75°C雰囲気中で5分間超音波洗浄し、水洗を二回行
い、乾燥後清浄なガラスITO基板を得た。
【0102】更に湿式電解メッキ方法により、3,00
0オングストロームのニッケル膜を得た。この時、ニッ
ケルメッキの具体的な方法、メッキ液の組成等について
は、化学便覧 応用化学編 I プロセス編(日本化学
会 原子量小委員会編 丸善発行)中の記載を参考にし
た。尚、金属膜としてニッケル以外にクロム、アルミニ
ウム又はモリブデンを使用して公知の方法に従い金属膜
を形成することも可能である。
【0103】b.放射線感応樹脂層の形成 放射線感応性樹脂層としては、光の感応により重合反応
(所謂架橋反応を含む)が生じて溶解性を低下させるタ
イプの物として、所謂フォトレジストを選択して使用し
た。すなわち、富士薬品工業(株)製造の商品名:FP
DR−7018の原液26.3%と専用シンナーを用
い、原液とシンナーの割合が1:1と成るように希釈
し、第一ステージ500rpm5分間、第二ステージ
1,000rpm35秒間で上記ガラスITO基板上に
スピンコートし、1ミクロンの膜厚を有するフォトレジ
スト膜を得た。これをオーブンを用いて徐々に加熱し、
最後に80°Cに保ち2分間ベーキングした。
【0104】c.中間層の形成 中間層塗布液の組成を以下に示す。 水 333ml イナートゼラチン 6.15g ポリエチルアクリレートラテックス(25%水溶液) 150ml サポニン(10%水溶液) 10g 2−エチルヘキシル−スルホサクシネート・2ナトリウム塩(5%) 12.5ml かかる中間層塗布液は、上記の水にイナートゼラチンを
添加・膨潤し、60°C以上に温度を昇温させ、10分
間攪拌し、ゼラチンが融解したことを確認した後、上記
その他の添加剤を添加して調製した。この中間層塗布液
を、塗布温度30°Cで、ホエラーを用いて前記のフォ
トレジストの塗布されたガラスITO基板に塗布した。
塗布量はウエットの状態で40g/m2 、層厚は乾燥状
態で0.5ミクロンであった。
【0105】d.ハレーション防止性能を付与しうる色
素であるハレーション防止色素を含んだ接着層の形成 ハレーション防止性能を付与しうる色素(以下、適宜、
ハレーション防止色素と称する)を含んだ接着層塗布液
の組成を以下に示す。 水 487.5ml イナートゼラチン 15g ハレーション防止色素a 2.2g ハレーション防止色素b 1.5g ハレーション防止色素c 0.5g ハレーション防止色素d 1.0g サポニン(10%水溶液) 10g 2−エチルヘキシル−スルホサクシネート・2ナトリウム塩(2.78%) 53.77g 尚、ハレーション防止色素の構造を以下に示す。
【0106】
【化1】
【0107】
【化2】
【0108】
【化3】
【0109】
【化4】
【0110】かかる接着層塗布液は、初めに上記の水に
イナートゼラチンを添加・膨潤し、60°C以上に温度
を昇温させ、10分間攪拌した。次にゼラチンが融解し
たことを確認した後に、得られた溶液の温度を40°C
に下げ、順次上記その他の添加剤を添加して調製した。
この接着層塗布液を、塗布温度30°Cで、ホエラーを
用いて前記の中間層の形成されたガラスITO基板に塗
布した。塗布量はウエットの状態で40g/m 2 、層厚
は乾燥状態で1.0ミクロンであった。
【0111】e.感光層の形成 感光層としてはハロゲン化銀を使用し、湿式現像による
銀塩写真の技術を利用したものを選択した。具体的には
イーストマンコダック社製のアキュマックス2,000
フィルムABX−7アルゴンレーザ(488nm)に適
応した青感光性ハロゲン化銀を調製して使用した。
【0112】i.乳剤の調製 ダブルジェット法により臭化銀30モル%、塩化銀70
モル%からなり、1モル当たり2×10-6gのヘキサブ
ロモロジウム酸カリウム塩及び3×10-5gのヘキサク
ロロイリジウム酸カリウム塩を含む平均粒径0.25μ
mの単分散立方体状ハロゲン化銀乳剤を常法に従って物
理熟成、脱塩し、チオ硫酸ナトリウム及び塩化金〔II
I〕酸を添加して化学熟成した。増感色素として化合物
A、イラジエーション防止剤として化合物B、硬調化剤
として化合物C、現像促進剤として化合物Dと化合物
E、硬膜剤として1,3−ジビニルスルホニル−2−プ
ロパノール、安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチル
−1,3,3a,7−テトラザインデン、カブリ防止剤
として1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール、ス
リカブリ防止剤としてハイドロキノン、エチルアクリレ
ートラテックス(平均粒径0.05μm)及びコロイダ
ルシリカを添加して、乳剤を調製した。
【0113】この乳剤の銀濃度は10%、ゼラチン濃度
は5%であった。尚、化合物A〜Eの構造を以下に示
す。
【0114】
【化5】
【0115】
【化6】
【0116】
【化7】
【0117】
【化8】
【0118】
【化9】
【0119】ii. 乳剤の塗布 このようにして調製された乳剤を、前記ガラスITO基
板の接着層の上に、塗布温度35°C、ホエラーで塗布
し、塗膜が均一に成った状態で12°C以下の冷風で塗
布された乳剤を20分間セットし、次に温風を用い、第
一段は25°Cで約20分間、第二段は35°Cで約2
0分間以上、温風乾燥する。こうして得られた感光層
は、塗布量がウエット状態で35g/m2 であり、銀量
で3.5g/m2 、ゼラチン量で1.75g/m2 であ
る。乾燥膜厚は約1.75μmであった。
【0120】f.保護層の形成 保護層塗布液の組成を以下に示す。 水 900ml ゼラチン 65g 界面活性剤 3g 増粘剤 0.1g ブラックスポット防止剤 1.2g カブリ防止剤K 0.8g カブリ防止剤L 0.8g 尚、界面活性剤の構造を以下に示す。
【0121】
【化10】
【0122】増粘剤の構造を以下に示す。
【0123】
【化11】
【0124】ブラックスポット防止剤の構造を以下に示
す。
【0125】
【化12】
【0126】カブリ防止剤Kの構造を以下に示す。
【0127】
【化13】
【0128】カブリ防止剤Lの構造を以下に示す。
【0129】
【化14】
【0130】かかる保護膜塗布液は、初めに、上記の水
にゼラチンを添加・膨潤し、60°C以上に温度を昇温
させて10分間攪拌し、次にゼラチンが融解したことを
確認した後に、得られた溶液に順次上記その他の添加剤
を添加して調製した。 i.保護層塗布液の塗布 このようにして調製された保護膜塗布液を、10〜15
°Cに十分冷却された前記の感光層の形成されたガラス
ITO基板にホエラーで塗布した。
【0131】以上より、本発明にかかる一実施例である
感光性フォトマスク材料が製造された。 (実施例2)フォトマスクの製造 a.画像形成工程における描画データの作成 図2(A)に対応する。即ち、所定のデータ又は図面か
らCADにて描画データを作製する。具体的には、描画
データをデータ形式:ASSCCIコード GERBE
Rフォーマットで作成し、イーサネットを解して次の画
像形成工程で使用する作画機側のコンピュータに転送す
る。
【0132】b.画像形成工程における像様露光と現像
処理による画像形成 図2(A)に対応する。このとき、感光性フォトマスク
材料として実施例1でその製造方法を説明した本発明に
かかる一実施例である感光性フォトマスク材料を使用す
る。そして、作画機としてレーザーフォトプロッターを
使用し、上記描画データに従い直接に像様露光を行な
う。この時レーザーはYAGレーザー(波長532n
m)を使用する。YAGレーザーを使用するのはより高
精度の作画を行なうためである。従って、かかる高精度
の画像形成の必要が無い場合には、アルゴンレーザ(波
長488nm)を使用して画像形成することも可能であ
る。
【0133】像様露光後、感光性フォトマスク材料を現
像処理して銀画像を形成するが、その処理方法は従来か
ら知られた所謂湿式方法をそのまま利用することが可能
である。従って、現像と、定着と、水洗と、乾燥とから
なる現像処理方法を行なう。使用した現像液の組成を以
下に示す。 ハイドロキノン 5g モノメチル−p−アミノフェノールサルフェート 1g 無水亜硫酸ナトリウム 50g 水酸化カリウム 20g 臭化カリウム 0.5g 更に水を加え全体で1,000ミリリットルとする。
【0134】以上の組成の現像液は所謂MQ現像液と称
されるものであり、YAGレーザーを使用しての画像形
成などの高解像度の画像形成が望まれる場合に使用され
るタイプの現像液である。尚、アルゴンレーザーを使用
しての画像形成など、かかる高解像度の画像形成が必要
無い場合に使用されるタイプの現像液は通常リス型現像
液と称され、以下に示す組成を有する。
【0135】 ハイドロキノン 20g 亜硫酸カリウム 5g エチレンジアミン四酢酸ナトリウム 1g 炭酸カリウム 35g 炭酸ナトリウム 15g 臭化カリウム 3g 5−ニトロインダゾール 4ml トリエチレングリコール 30g ジエタノールアミン 20g ホルマリン重亜硫酸ナトリウム付加物 50g ポリエチレングリコール(平均分子量1,500) 0.2g 更に水を加えて全体で1,000ミリリットルとし、p
Hを水酸化ナトリウムで10.2に調整する。
【0136】また、定着に使用する定着液の組成を以下
に示す。定着液は組成Aを有する混合物と組成Bを有す
る混合物とを使用時に水500ミリリットルに組成Aと
組成Bの順番で、順次溶解し、更に水を加えて1,00
0ミリリットルとし、使用する。この時定着液のpHは
約4.3である。現像処理は、像様露光された感光性フ
ォトマスク材料を上記のMQ現像液に浸け、液温20°
Cにて5分間現像し、黒化した金属銀による銀画像を確
認後、上記定着液に2分間浸け、未露光部分のハロゲン
化銀が定着液中に溶解し透明に成ったあと、流水にて5
分間程度水洗し、その後常温にて自然乾燥する。
【0137】尚、上記リス型現像液を使用する場合は、
像様露光された感光性フォトマスク材料を現像液に浸け
る時間を3分間とする。その他の段階は上記のMQ現像
液の場合と同じである。 c.露光工程 図2(B)に対応する。
【0138】即ち、現像後の感光層に銀画像を形成され
た感光性フォトマスク材料に対し、紫外光源としてを超
高圧水銀灯を使用し、上から、かかる感光層を通して放
射線感応性樹脂層であるフォトレジストに紫外光が当た
るように光照射する。この時、光照射量は、波長350
nmの紫外光で120mJ/cm2 とする。感光層の黒
色の銀画像を介して露光されることにより、該銀画像に
従った像様露光がなされ、該画像に従って、露光部分と
未露光部分が放射線感応性樹脂層であるフォトレジスト
中に形成される。
【0139】d.剥離工程 図2(C)に対応する。即ち、接着層、中間層、感光
層、保護層の各層を機械的に剥離し、紫外光により露光
された放射線感応性樹脂層であるフォトレジストが露出
するようにする。具体的な方法としては、テープ等の粘
着性の部材を保護層上に貼り付け、次にそのテープ等の
粘着性の部材を引っ張ることにより、接着層、中間層、
感光層、保護層の全てを放射線感応性樹脂層からほぼい
っぺんに剥離する。
【0140】e.第一の除去工程 図2(D)に対応する。即ち、紫外光により露光された
放射線感応性樹脂層であるフォトレジストを1%KOH
水溶液に23°Cで45秒間浸漬して現像した後、30
秒間水洗する。続いてホットプレートを使用し、120
°Cで5分間ベーキングする。
【0141】こうして、上記の露光工程で感光層の銀画
像に従い形成されたフォトレジストの露光部分と未露光
部分のうち、未露光部分は除去されてその部分に対応す
るニッケル膜の表面は露出し、感光層の銀画像に従うフ
ォトレジストの露光部分のみがニッケルの金属膜上に残
された感光性フォトマスク材料が得られる。 f.腐食工程 図2(E)に対応する。
【0142】即ち、エッチング液として濃度30%の硝
酸を用意し、放射線感応性樹脂層であるフォトレジスト
の露光部分のみがニッケルの金属膜上に残された上記感
光性フォトマスク材料をこれに浸け、30°Cで30秒
間腐食処理(エッチング)を行なう。こうして、ニッケ
ル膜中の露出された部分が感光性フォトマスク材料から
取り除かれ、上記のフォトレジストの露光部分が残され
たニッケル部分のみがそのまま保持された感光性フォト
マスク材料が得られる。
【0143】尚、金属膜の材料として、クロムを使用す
る場合は、エッチング液として硝酸第二セリュウムアン
モン165gと過塩素酸(70%)42ミリリットルを
混合して純水を加え1000ミリリットルとしたものを
使用し、20°Cで45秒間エッチングを行なう。ま
た、アルミニウムを使用する場合は、エッチング液とし
て5%水酸化カリウム水溶液を使用し、35°Cで5分
間エッチングを行なう。
【0144】また、モリブデンを使用する場合、エッチ
ング液として王水を使用し、20°Cで30秒間エッチ
ングを行なう。こうして、金属膜の材料としてニッケル
を使用した場合と同様に金属膜の腐食が行なえる。 g.第二の除去工程 図2(F)に対応する。
【0145】即ち、カセイソーダの10%水溶液に、前
記のフォトレジストの露光部分と対応するニッケル膜が
残された感光性フォトマスク材料を浸け、フォトレジス
トを除去し、その後水洗し、乾燥してフォトマスクを得
る。以上より得られたフォトマスクは、高精度のパター
ニングがなされており、対応する従来方法に従い得られ
た従来のフォトマスクに対し、放射線感応性樹脂層と感
光層の密着が容易、即ち完全な密着が可能であることか
ら、より高精度のフォトマスクとなりえる。
【0146】また、その製造も放射線感応性樹脂層と感
光層の密着が容易なことから、従来のフォトマスク製造
において問題であったそれらの密着にかかる不具合や密
着段階での作業時間の短縮が可能となり、スループット
の向上ができ、非常に効率よく高精度のフォトマスクが
製造できる。
【0147】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、感光層
と、金属膜及び放射線感応性樹脂層とを積層して設けて
いることにより、放射線感応性樹脂層をパターニングす
るための露光において、別個の二枚の基板上の感光層と
放射線感応性樹脂層とを重ね合わせる作業の必要がな
く、基板に由来する欠陥、特にガラス基板に多い欠陥に
起因して生じる感光層及び放射線感応性樹脂層における
凹凸等の欠陥が感光層と放射線感応性樹脂層との密着を
妨害し、その二つの層間に隙間を生じさせることはな
い。
【0148】よって、放射線感応性樹脂層の露光の、ひ
いては放射線感応性樹脂層のパターニング精度を低下さ
せることはない。従って、製造にかかるフォトマスクの
精度を向上させ、十分な性能の製品の提供することが可
能となる。また、フォトマスク製造に用いる場合には上
記のように二枚の基板の密着のための工程を省略でき、
製造コスト、及びフォトマスクの製造のコストを低下さ
せることが可能となる。
【0149】従って、フォトマスクの量産化と低コスト
化を可能とする感光性フォトマスク材料を提供すること
が可能となる。請求項2記載の発明によれば、波長の異
なる二種類の光を使用して、一方を使用して感光層を選
択的に露光し、画像形成をした後、その感光層に形成さ
れた画像に従い放射線感応性樹脂層を露光することがで
きる。
【0150】従って、金属膜をかかる放射線感応性樹脂
層の露光パターンに従い、適当な腐食手段によりパター
ニングすることができ、フォトマスクを提供することが
可能となる。この時、放射線感応性樹脂層をパターニン
グするための露光において、二枚の基板上の感光層と放
射線感応性樹脂層とを重ね合わせる作業の必要がなく、
基板に由来する欠陥、特にガラス基板に多い欠陥に起因
して生じる感光層及び放射線感応性樹脂層における凹凸
等の欠陥が感光層と放射線感応性樹脂層との密着を妨害
し、その二つの層間に隙間を生じさせることはない。
【0151】従って、製造にかかるフォトマスクの精度
を向上させ、十分な性能の製品の提供することが可能と
なる。請求項3記載の発明によれば、高感度の露光によ
り高解像度の画像を容易に得ることが可能となる。従っ
て、製造にかかるフォトマスクの精度を向上させ、十分
な性能の製品の提供することが可能となる。
【0152】請求項4記載の発明によれば、その取扱い
やフォトマスク製造に使用される場合においても、放射
線感応性樹脂層と感光層とが剥離してしまうようなこと
を防止することが可能となる。従って、取扱いの容易な
強度的に高信頼の感光性フォトマスク材料を提供する事
が可能となる。
【0153】請求項5記載の発明によれば、画像形成の
際にハレーションの防止が可能な感光性フォトマスク材
料を提供することが可能となる。従って、製造にかかる
フォトマスクの精度を向上させ、十分な性能の製品の提
供することが可能となる。請求項6記載の発明によれ
ば、高信頼性の感光性フォトマスク材料を提供すること
が可能となる。
【0154】従って、製造にかかるフォトマスクの精度
を向上させ、十分な性能の製品の提供することが可能と
なる。請求項7記載の発明によれば、放射線感応性樹脂
層をパターニングするための露光において、二枚の基板
上の感光層と放射線感応性樹脂層とを重ね合わせる作業
の必要がなく、基板に由来する欠陥、特にガラス基板に
多い欠陥に起因して生じる感光層及び放射線感応性樹脂
層における凹凸等の欠陥が感光層と放射線感応性樹脂層
との密着を妨害し、その二つの層間に隙間を生じさせる
ことはない。
【0155】よって、放射線感応性樹脂層の露光の、ひ
いては放射線感応性樹脂層のパターニングの精度が低下
することはない。従って、製造にかかるフォトマスクの
精度を向上させ、十分な性能の製品の提供することが可
能となる。また、二枚の基板の密着のための工程を省略
でき、製造のコストを低下させることが可能となる。
【0156】従って、フォトマスクの量産化と低コスト
化を可能とするフォトマスクの製造方法を提供すること
が可能となる。請求項8記載の発明によれば、各製造工
程において、放射線感応性樹脂層と感光層とが剥離して
しまうようなことを防止することが可能となる。従っ
て、フォトマスクの高精度化と、量産化及び低コスト化
を可能とするフォトマスクの製造方法を提供することが
可能となる。
【0157】請求項9記載の発明によれば、画像形成の
際にハレーションの防止して高精度の画像を感光層に形
成し、引き続きの工程を経てフォトマスクを製造するこ
とが可能となる。従って、フォトマスクの高精度化を可
能とするフォトマスクの製造方法を提供することが可能
となる。
【0158】請求項10記載の発明によれば、化学的に
高信頼性の感光性フォトマスク材料を使用してフォトマ
スクを製造することが可能となる。従って、フォトマス
クの高精度化と、量産化及び低コスト化を可能とするフ
ォトマスクの製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一実施形態である感光性フォト
マスク材料の構成を示す断面図である。
【図2】本発明にかかるフォトマスクの製造方法を説明
する工程図である。
【図3】本発明にかかる別の実施形態である感光性フォ
トマスク材料の構成を説明する断面図である。
【図4】従来のフォトマスクの製造方法を説明する工程
図である。
【符号の説明】
1,21 感光性フォトマスク材料 2,22 基板 3,23 金属膜 4,24 放射線感応性樹脂層 5,25 感光層 11 フォトマスク 12 露光部分 13 未硬化部分 14 露出部分 26 中間層 27 接着層 28 保護層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に、金属膜と、放射線に感応する
    放射線感応性樹脂層と、該放射線感応性樹脂層が感応す
    る放射線と異なる波長領域の光で感光可能な感光層とを
    順次設けて成ることを特徴とする感光性フォトマスク材
    料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の感光性フォトマスク材料
    において、 前記放射線感応性樹脂層の感応する放射線は光であり、
    該放射線感応性樹脂層は光に感応してその溶解性が変化
    するものであることを特徴とする感光性マスク材料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の何れか記載の感
    光性フォトマスク材料において、 前記感光層は、ハロゲン化銀を含有して、前記放射線感
    応性樹脂層が感応する放射線より長波長の光で感光可能
    であることを特徴とする感光性フォトマスク材料。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のうち何れか一項
    記載の感光性フォトマスク材料において、 前記放射線感応性樹脂層と前記感光層との間に接着層を
    更に設けたことを特徴とする感光性フォトマスク材料。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の感光性フォトマスク材料
    において、 前記接着層はハレーション防止色素を含有することを特
    徴とする感光性フォトマスク材料。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5の何れか記載の感
    光性フォトマスク材料において、 前記放射線感応性樹脂層と前記接着層との間に、該放射
    線感応性樹脂層と前記感光層との間の成分の移動を防止
    するための中間層を更に設けたことを特徴とする感光性
    フォトマスク材料。
  7. 【請求項7】 基板上に、金属膜と、放射線に感応して
    その溶解性が変化する放射線感応性樹脂層と、該放射線
    感応性樹脂層が感応する放射線と異なる波長の光で感光
    可能な感光層とを順次設けて成る感光性フォトマスク材
    料を処理してフォトマスクを形成するフォトマスクの製
    造方法であって、 前記感光性フォトマスク材料の感光層を選択的に像様露
    光し、現像処理して画像を形成する画像形成工程と、 前記放射線感応性樹脂が感応する放射線で前記画像の形
    成されたフォトマスク材料を露光する露光工程と、 前記感光層を剥離する剥離工程と、 前記露光工程で露光されてない未硬化部分を除去する第
    一の除去工程と、 前記金属膜を腐食する腐食工程と、 前記露光工程で露光された硬化部分を除去する第二の除
    去工程と、からなることを特徴とするフォトマスクの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のフォトマスクの製造方法
    において、 前記感光性フォトマスク材料は前記放射線感応性樹脂層
    と前記感光層との間に接着層が更に設けられたものであ
    り、 前記剥離工程は前記感光層と共に該接着層も剥離するも
    のであることを特徴とするフォトマスクの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のフォトマスクの製造方法
    において、 前記接着層はハレーション防止色素を含有することを特
    徴とするフォトマスクの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項8又は請求項9の何れか記載の
    フォトマスクの製造方法において、 前記感光性フォトマスク材料は前記放射線感応性樹脂層
    と前記接着層との間に、該放射線感応性樹脂層と前記感
    光層との間の成分の移動を防止するための中間層が更に
    設けられたものであり、 前記剥離工程は前記感光層と共に該接着層及び該中間層
    をも剥離するものであることを特徴とするフォトマスク
    の製造方法。
JP14467198A 1998-05-26 1998-05-26 感光性フォトマスク材料及びフォトマスクの製造方法 Pending JPH11338158A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030051183A (ko) * 2001-09-28 2003-06-25 후지 샤신 필름 가부시기가이샤 감광성 전사 재료, 포토마스크 재료, 포토마스크 및포토마스크의 제조방법
JP2009134273A (ja) * 2007-10-30 2009-06-18 Hitachi Via Mechanics Ltd パターン形成方法

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