JPH11336582A - ハイブリッド車両の制御装置 - Google Patents

ハイブリッド車両の制御装置

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JPH11336582A
JPH11336582A JP14398798A JP14398798A JPH11336582A JP H11336582 A JPH11336582 A JP H11336582A JP 14398798 A JP14398798 A JP 14398798A JP 14398798 A JP14398798 A JP 14398798A JP H11336582 A JPH11336582 A JP H11336582A
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target
generator motor
air
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JP14398798A
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Satoru Sugiyama
哲 杉山
Shigeru Aoki
滋 青木
Yusuke Tatara
裕介 多々良
Motoshi Ishikawa
元士 石川
Yutaka Tamagawa
裕 玉川
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

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  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】発電電動機の目標補助出力や目標発電出力に応
じたエンジンの出力の調整の応答遅れを低減し、発電電
動機やエンジンを高い応答性で適正な動作状態に制御す
ることができるハイブリッド車両の制御装置を提供す
る。 【解決手段】エンジン1を直噴エンジンにより構成し、
発電電動機2の発電機あるいは電動機としての動作時の
目標出力に応じて定めたエンジン1の目標出力に応じて
目標空燃比を設定する。エンジン1のスロットル弁の開
度を所定開度に制御しつつ、エンジン1の空燃比が目標
空燃比になるように燃料噴射量を制御することで、エン
ジン1の出力を目標出力に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パラレル型のハイ
ブリッド車両の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パラレル型のハイブリッド車両は、車両
の主たる推進源としてのエンジンと、電動機及び発電機
の両者の動作が可能な発電電動機と、この発電電動機と
の間で電力授受を行うバッテリやコンデンサ等の蓄電装
置とを搭載している。そして、例えば車両の加速時に、
発電電動機に蓄電装置から給電して該発電電動機を電動
機として動作させることで、エンジンの出力(車両推進
力)を補助する補助出力(機械的な動力)を発電電動機
に生成させる。また、例えば車両の減速時には、該車両
の運動エネルギーによって発電電動機を発電機として動
作させ(回生発電動作を行う)、その発電エネルギーを
蓄電装置に充電するようにしている。さらに、例えば車
両のクルーズ走行時(略定速度での走行時)には、必要
に応じてエンジンの出力の一部を発電電動機に付与して
該発電電動機を発電機として動作させ、その発電エネル
ギーを蓄電装置に充電するようにしている。
【0003】また、本願出願人は、この種のハイブリッ
ド車両において、車両の加速時における発電電動機の電
動機としての目標補助出力や、クルーズ走行時における
発電電動機の発電機としての目標発電出力を蓄電装置の
蓄電量や車両の運転状態等に応じて設定し、その設定し
た目標補助出力や目標発電出力とエンジンの出力との総
和(ここでは、補助出力を正、発電出力を負とする)
が、運転者による車両のアクセル操作量に応じて定めた
車両の目標推進出力になるようにエンジンの出力を調整
するようにしたものを提案している(例えば特願平9−
269190号)。
【0004】このようなハイブリッド車両によれば、運
転者にとっては、発電電動機の動作状態等によらずに、
自身によるアクセル操作量に応じた車両の推進出力が得
られるため、違和感なく通常の自動車と同様の運転性を
享受することができる。
【0005】一方、この種のハイブリッド車両では、前
記エンジンは、その吸気管に燃料を噴射して吸入空気と
混合させた上で燃焼室内に供給する通常的なエンジンが
従来より使用されている。
【0006】そして、この種のエンジンを搭載し、上記
のように発電電動機の目標補助出力や目標発電出力に応
じてエンジンの出力を調整するハイブリッド車両にあっ
ては、エンジンの出力の調整は、エンジンのスロットル
弁(吸入空気量制御弁)の開度をアクチュエータを介し
て調整する(吸入空気量を調整する)ことで行われる。
【0007】ところが、エンジンのスロットル弁の開度
の調整による出力の調整は一般に応答遅れを生じ易いの
に対し、発電電動機の出力の制御はほとんど応答遅れを
生じることがない。このため、従来は、発電電動機の動
作制御においては、エンジンの出力の応答遅れを考慮
し、前記目標補助出力や目標発電出力の変化に対して、
実際の発電電動機の出力の変化に適当な時定数の遅れを
もたせるようにしていた。
【0008】しかるに、このように発電電動機の出力の
制御に遅れをもたせることで、例えば発電電動機の目標
補助出力や目標発電出力が頻繁に変化するような状況で
は、その目標補助出力や目標発電出力の変化に対して発
電電動機の実際の出力が追従できず、目標とする本来の
出力を発電電動機に生成させることが困難なものとなる
場合がある。
【0009】また、ハイブリッド車両では、蓄電装置の
過放電や過充電を防止するために、車両の加速要求途中
でも発電電動機の電動機としての動作を停止させたり、
車両のクルーズ走行中に発電電動機の発電機としての動
作を間欠的に行う場合もある。このような場合には、発
電電動機の出力の急変に対する車両の走行挙動の急変を
避けるために、エンジンの出力を迅速に増減させてやる
必要があるが、エンジンの出力をスロットル弁の開度に
より調整するものでは、エンジンの出力を迅速に増減さ
せることが困難である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる背景に
鑑み、発電電動機の目標補助出力や目標発電出力に応じ
たエンジンの出力の調整の応答遅れを低減し、発電電動
機やエンジンを高い応答性で適正な動作状態に制御する
ことができるハイブリッド車両の制御装置を提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のハイブリッド車
両の制御装置はかかる目的を達成するために、車両の推
進源であるエンジンと、該エンジンの出力を補助する補
助出力を生成する電動機としての動作と発電エネルギー
を生成する発電機としての動作とを行う発電電動機と、
該発電電動機の電動機としての動作時の目標補助出力又
は発電機としての動作時の目標発電出力を設定し、その
設定した目標補助出力又は目標発電出力に基づき前記発
電電動機の動作を制御する発電電動機制御手段と、前記
目標補助出力又は目標発電出力に応じて前記エンジンの
出力を調整するエンジン制御手段とを備えたハイブリッ
ド車両の制御装置において、前記エンジンはその燃焼室
に燃料を直接的に噴射する直噴エンジンにより構成さ
れ、前記エンジン制御手段は、前記発電電動機の目標補
助出力又は目標発電出力に応じた前記エンジンの目標出
力を設定する目標出力設定手段と、該エンジンの目標出
力に応じて該エンジンの燃焼室で燃焼させるべき混合気
の目標空燃比を設定する目標空燃比設定手段とを備え、
該エンジンの吸入空気量制御弁を所定の開度に制御しつ
つ、前記エンジンの燃焼室で燃焼させる混合気の空燃比
が前記目標空燃比になるように該燃焼室への燃料噴射量
を制御することを特徴とする。
【0012】かかる本発明では、前記エンジンを構成す
る直噴エンジンは、その燃焼室内に直接的に燃料を噴射
して混合気を形成し、その混合気を直ちに燃焼させるた
め、一般に、吸気管内に燃料を噴射する通常のエンジン
に較べて、吸入空気量や燃料噴射量の変化に対するエン
ジンの出力の変化の応答性が高い。また、広範囲にわた
る空燃比の混合気を適正に燃焼させることが可能である
と共に、該空燃比は、吸入空気量をさほど変化させずと
も、該エンジンの燃焼室への燃料噴射量を調整すること
で所望の空燃比に制御することが可能である。そして、
エンジンの出力は、吸入空気量を一定とした場合、混合
気の空燃比に応じたものとなる。
【0013】このような特性をもった直噴エンジンに対
し、前記エンジン制御手段は、発電電動機の目標補助出
力又は目標発電出力に応じたエンジンの目標出力を設定
し、さらに該目標出力に応じて該エンジンの燃焼室で燃
焼させる混合気の目標空燃比を設定する。そして、該エ
ンジン制御手段は、エンジンの吸入空気量制御弁を所定
の開度に制御しつつ、燃焼室への燃料噴射量を制御する
ことで混合気の空燃比を目標空燃比に制御し、これによ
り、該エンジンの出力が前記目標出力に制御される。
【0014】この場合、前述の如く直噴エンジンは通常
のエンジンに較べて出力の応答性が高いため、前記発電
電動機の目標補助出力や目標発電出力の変化に応じてエ
ンジンの目標出力が変化したとき、通常のエンジンより
も迅速にエンジンの出力を目標出力に追随させることが
できる。しかも、前記吸入空気量制御弁の開度を所定の
開度に制御しつつ、燃料噴射量の制御を主体として、エ
ンジンの燃焼室で燃焼させる混合気の空燃比を前記目標
空燃比に制御することによってエンジンの出力を目標出
力に制御するため、通常のエンジンのように吸入空気量
制御弁の開度の調整・制御を主体としてエンジンの出力
を制御する場合よりも、エンジンの出力を迅速に目標出
力に追従させることができる。
【0015】このように本発明によれば、発電電動機の
目標補助出力や目標発電出力に応じたエンジンの出力の
調整の応答遅れを低減することができるので、該目標補
助出力や目標発電出力に対する発電電動機の補助出力や
発電出力の制御の応答性も高めることができる。この結
果、発電電動機やエンジンを高い応答性で適正な動作状
態に制御することができる。
【0016】かかる本発明では、前記目標出力設定手段
が、前記発電電動機の目標補助出力に応じた前記エンジ
ンの目標出力を設定するときには、該目標補助出力と該
エンジンの目標出力との総和が少なくとも車両のアクセ
ル操作量に応じて定めた該車両の目標推進出力になるよ
うに該エンジンの目標出力を設定する。
【0017】これによれば、エンジンの出力と発電電動
機の電動機としての動作による補助出力との両者を用い
て車両を走行させる場合(例えば加速走行時)に、発電
電動機に電源エネルギーを供給する蓄電装置(バッテ
リ、コンデンサ等)の蓄電状態や車両の運転状態等によ
って、発電電動機の目標補助出力が変化しても、該発電
電動機の補助出力とエンジンの出力との総和である車両
の推進出力は運転者によるアクセル操作量に応じたもの
となる。従って、発電電動機の補助出力の変化によっ
て、車両の推進出力が運転者の意図に反して変化するよ
うな事態が回避され、車両の快適な運転性(ドライバビ
リティ)を確保することができる。
【0018】また、本発明では、前記目標出力設定手段
による前記発電電動機の目標発電出力に応じた前記エン
ジンの目標出力の設定は、前記エンジンの出力の一部を
前記発電電動機に付与して該発電電動機を発電機として
動作させる際に行われ、該目標出力設定手段は、前記発
電電動機の目標発電出力に応じた前記エンジンの目標出
力を設定するとき、前記発電電動機の目標発電出力と少
なくとも車両のアクセル操作量に応じて定めた該車両の
目標推進出力との総和を該エンジンの目標出力として設
定する。
【0019】これによれば、エンジンの出力により車両
を走行させつつ、該エンジンの出力の一部を発電電動機
に付与して該発電電動機の発電機としての動作を行う場
合(例えばクルーズ走行時)に、発電電動機の発電エネ
ルギーを充電する蓄電装置(バッテリ、コンデンサ等)
の蓄電状態や車両の運転状態等によって、発電電動機の
目標発電出力が変化しても、車両の推進出力、すなわ
ち、エンジンの出力から発電電動機の発電によって消耗
される出力分(≒目標発電出力)を除いた残余の出力分
は、運転者によるアクセル操作量に応じたものとなる。
従って、発電電動機の電動機としての動作の場合と同
様、車両の推進出力が運転者の意図に反して変化するよ
うな事態が回避され、車両の快適な運転性(ドライバビ
リティ)を確保することができる。
【0020】また、本発明では、前記空燃比を検出する
空燃比検出手段を備え、前記エンジン制御手段は、該空
燃比検出手段による検出空燃比が前記目標空燃比に一致
するように前記燃焼室への燃料噴射量をフィードバック
制御することが好ましい。
【0021】このようなフィードバック制御を行うこと
で、前記吸入空気量制御弁の開度を所定の開度に制御し
たときの吸入空気量が、該制御弁の開度に対して遅れや
ばらつきを生じても、燃焼室で燃焼させる混合気の空燃
比を目標空燃比に確実に制御することができ、ひいて
は、エンジンの出力を該目標空燃比に対応した目標出力
に確実に制御することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1乃至図
9を参照して説明する。
【0023】図1は本実施形態の制御装置を具備したハ
イブリッド車両の全体的システム構成を模式化して示し
ており、図中、1はエンジン、2は発電電動機、3はク
ラッチ4を含む変速装置、5は蓄電装置、6は車両走行
用の駆動輪、7はエンジンコントローラ、8は発電電動
機コントローラ、9は変速装置コントローラ、10は蓄
電装置コントローラ、11は統括管理コントローラであ
る。
【0024】エンジン1は、車両の主たる推進源であ
り、その出力を図示しない出力軸(クランク軸)から発
電電動機2及び変速装置3を介して駆動輪6に伝達する
ことで、車両を走行させる。
【0025】このエンジン1は、その燃焼室(図示しな
い)に燃料を直接的に噴射する直噴エンジンである。そ
して、該エンジン1には、該エンジン1の回転数NEや
吸気圧PB、機関温度TW、図示しないスロットル弁
(吸入空気量制御弁)の開度θth(以下、スロットル開
度θthという)、燃焼室で燃焼した混合気の空燃比A/
F(これは例えば燃焼排ガス中の酸素濃度により把握さ
れる)を含むエンジン1の動作状態を検出するための検
出装置12(以下、E/Gセンサ12という)が付設さ
れている。このE/Gセンサ12による回転数NE等の
検出データはエンジンコントローラ7に与えられる。
【0026】さらに、エンジン1には、これを動作させ
るための駆動機構として、エンジン1の燃焼室に燃料を
噴射する燃料噴射装置13aや、エンジン1の燃焼室に
スロットル弁を介して吸入される空気と該燃焼室に噴射
された燃料との混合気に点火する点火装置13b、スロ
ットル弁を駆動するスロットルアクチュエータ13cが
付設されている。以下、これらの駆動機構13a〜13
cを総称的にエンジン駆動装置13と称する。
【0027】発電電動機2は、そのロータ(図示しな
い)がエンジン1の出力軸に同軸に連結され、また、該
発電電動機2の電機子コイル(図示しない)がレギュレ
ータ/インバータ回路等により構成された通電制御回路
14(以下、PDU14という)を介して蓄電装置5の
正負の端子に電気的に接続されている。
【0028】この発電電動機2は、蓄電装置5に蓄えら
れている電力をエネルギー源としてエンジン1の出力を
補助する補助出力(エンジン1の出力と併せて駆動輪6
に伝達する補助的な車両推進力)を生成する電動機とし
ての動作(以下、アシスト動作という)と、車両の減速
時に駆動輪6側から伝達される車両の運動エネルギーや
エンジン1の出力の一部をエネルギー源として蓄電装置
5に充電する電力を発電(回生発電)する発電機として
の動作(以下、回生動作という)とを選択的に行うもの
であり、それぞれの動作は、蓄電装置5との間の電力授
受を上記PDU14を介して制御することで行われる。
【0029】また、発電電動機2に付随して、該発電電
動機2の電機子コイルの電流Igm及び電圧Vgmを検出す
るための検出装置15(以下、G/Mセンサ15とい
う)が備えられ、このG/Mセンサ15による検出デー
タは、発電電動機コントローラ8に与えられる。
【0030】蓄電装置5は、電気二重層コンデンサによ
り構成されたものである。この蓄電装置5に付随して、
該蓄電装置5の充放電電流Ib(通電電流)、端子間電
圧Vb(蓄電装置5の正負の端子間の発生電圧)、及び
温度Tb(蓄電装置5の動作環境温度)をそれぞれ検出
するための検出装置16(以下、U/Cセンサ16とい
う)が備えられ、このU/Cセンサ16による検出デー
タは蓄電装置コントローラ10に与えられる。この場
合、U/Cセンサ16が検出する充放電電流Ibは、蓄
電装置5に流入する充電電流と蓄電装置5から流出する
放電電流とがあり、該センサ16は、それらの電流を区
別して検出可能としている。尚、図示は省略するが、蓄
電装置5は、DC/DCコンバータを介して該蓄電装置
5よりも低電圧の12V系バッテリやこれを電源とする
車載電装品(エアコン装置やオーディオ装置等)にも給
電可能とされている。また、本実施形態では蓄電装置5
として、電気二重層コンデンサを使用しているが、バッ
テリ等の二次電池を使用してもよい。
【0031】変速装置3は、クラッチ4の動作によって
エンジン1及び発電電動機2と駆動輪6との間の動力伝
達を継断したり、その動力伝達の変速を行うものであ
り、この変速動作やクラッチ4の継断動作を行わしめる
アクチュエータ17が付設されている。さらに、該変速
装置3には、その動作状態を車両の運転者が設定するた
めの図示しない変速操作レバーの操作ポジションSP
等、変速装置3の動作状態を検出する検出装置18(以
下、T/Mセンサ18という)が付設され、このT/M
センサ18の検出データは変速装置コントローラ9に与
えられる。
【0032】前記各コントローラ7〜11は、マイクロ
コンピュータを用いて構成されたものであり、相互に各
種のデータ授受を行うことができるようにバスラインB
Lを介して接続されている。
【0033】これらのコントローラ7〜11のうち、エ
ンジンコントローラ7はエンジン1の動作を前記エンジ
ン駆動装置13を介して制御するコントローラ、発電電
動機コントローラ8は発電電動機2の動作を前記PDU
14を介して制御するコントローラ、変速装置コントロ
ーラ9は変速装置3(クラッチ4を含む)の動作を前記
アクチュエータ17を介して制御するコントローラであ
る。
【0034】また、蓄電装置コントローラ10は、前記
U/Cセンサ16の検出データ(蓄電装置5の充放電電
流Ib及び端子間電圧Vb)に基づき蓄電装置5の蓄電
量(残容量)等を逐次把握するコントローラである。
【0035】また、統括管理コントローラ11は、本実
施形態のシステムの統括的な動作管理処理を担うコント
ローラであり、車両の要求される運転状態を把握した
り、その把握した運転状態に対応したエンジン1や発電
電動機2の所要の動作状態(具体的にはエンジン1の出
力やスロットル開度θth、空燃比、発電電動機2のアシ
スト動作時の補助出力あるいは回生動作時の発電出力
等)を決定して、それをエンジンコントローラ7や発電
電動機コントローラ8に指示する等の処理を行う。この
統括管理コントローラ11には、その処理を行うため
に、車速Vcar を検出するセンサ19や車両の図示しな
いアクセルペダルの操作量Ap(以下、アクセル操作量
Apという)を検出するセンサ20の検出データが与え
られる。
【0036】尚、本発明の構成に対応させると、発電電
動機コントローラ8及び統括管理コントローラ11は発
電電動機制御手段に相当するものである。また、エンジ
ンコントローラ7及び統括管理コントローラ11はエン
ジン制御手段に相当するものであり、これらはエンジン
1の目標出力及び目標空燃比を設定する目標出力設定手
段及び目標空燃比設定手段としての機能を含む。
【0037】次に、本実施形態のハイブリッド車両の走
行時の基本的作動を説明する。
【0038】車両の走行時において、前記統括管理コン
トローラ11は、図2のフローチャートに示すような処
理を所定の制御サイクルで行う。
【0039】統括管理コントローラ11は、まず、蓄電
装置5の蓄電量のデータを蓄電装置コントローラ10か
ら取得する(STEP2−1)。
【0040】この場合、蓄電装置コントローラ10は、
例えば次のように蓄電装置5の蓄電量を逐次把握し、そ
れを統括管理コントローラ11に与える。
【0041】すなわち、蓄電装置コントローラ10は、
前記U/Cセンサ16から与えられる蓄電装置5の充放
電電流Ib及び端子間電圧Vbの検出値の積(Ib・V
b)、すなわち、蓄電装置5の充放電の電力を所定の制
御サイクル毎に求める。尚、このようにして求められる
充放電電力(Ib・Vb)は、発電電動機2のアシスト
動作時には発電電動機2への供給電力に概ね一致し、回
生動作時には発電電動機2の発電電力に概ね一致する。
【0042】さらに、蓄電装置コントローラ10は、U
/Cセンサ16から与えられる蓄電装置5の温度Tbの
検出データからあらかじめ定められたデータテーブルに
より蓄電装置5の内部抵抗を求める。そして、この求め
た内部抵抗の値と充放電電流Ibとから該内部抵抗によ
る電力消費分(=内部抵抗・Ib2)を求め、その電力消
費分に応じて上記の充放電電力(Ib・Vb)を補正す
ることで、蓄電装置5の事実上の充放電電力(蓄電装置
5に実際に蓄えられる電力あるいは蓄電装置5が実際に
消耗する電力)を求める。具体的には、例えば、蓄電装
置5の充電時には、充放電電力(Ib・Vb)から内部
抵抗による電力消費分を差し引いたものを蓄電装置5の
事実上の充電電力として求め、蓄電装置5の放電時に
は、充放電電力(Ib・Vb)に、内部抵抗による電力
消費分を加算したものが蓄電装置5の事実上の放電電力
として求める。尚、このとき、蓄電装置5の放電電力を
正極性、充電電力を負極性とする。
【0043】蓄電装置コントローラ10は、このように
して求めた充放電電力に、制御サイクルの周期時間を乗
算してなる値(これは各制御サイクルにおける蓄電装置
5の充電エネルギー量あるいは放電エネルギー量に相当
する)を蓄電装置5の満充電状態から上記制御サイクル
毎に積算(累積加算)していくことによって、満充電状
態から行われた蓄電装置5の充放電の総エネルギー量
(蓄電装置5が放電したエネルギーの総量から充電され
たエネルギーの総量を差し引いたもの)が求められる。
そして、蓄電量把握処理部21は、このようにして求め
た充放電の総エネルギー量を、蓄電装置5がその満充電
状態から放出可能な全エネルギー量(満充電状態での容
量)から減算することで、蓄電装置5の蓄電量(残容
量)を把握する。尚、蓄電装置5の蓄電量を把握するた
めの手法は、この他にも種々の手法があり、例えばU/
Cセンサ16から得られる蓄電装置5の端子間電圧Vb
を、蓄電装置5の温度Tbに応じた内部抵抗による電圧
変化分だけ補正してなる電圧によって蓄電量を把握する
ようにしてもよい。
【0044】図2のフローチャートの説明に戻って、統
括管理コントローラ11は、次に前記センサ19から与
えられる車速Vcar の検出データから、図7の実線rに
示すようにあらかじめ設定されたデータテーブルにより
現在車速Vcar における車両の走行抵抗(検出された車
速Vcar を維持して車両を走行させるために必要な車両
推進出力)を求める(STEP2−2)。
【0045】さらに、統括管理コントローラ11は、前
記センサ20から与えられるアクセル操作量Apの検出
データと、前記E/Gセンサ12からエンジンコントロ
ーラ7を介して与えられるエンジン1の回転数NEの検
出データとから、エンジン1に要求される基本出力トル
クTr0をあらかじめ定められたマップにより求める(S
TEP2−3)。この基本出力トルクTr0は、検出され
た現在のアクセル操作量Apに比例させたスロットル開
度θthと現在の回転数NEとでエンジン1を動作させた
とした場合にエンジン1の出力軸に発生するトルクであ
る。
【0046】次いで、統括管理コントローラ11は、上
記基本出力トルクTr0とエンジン1の回転数NEとから
それらにより定まるエンジン1の出力(=Tr0・NE。
以下、エンジンパワーという)を求める(STEP2−
4)。尚、アクセル操作量ApがAp≒0の状態では、
基本出力トルクTr0は「0」で、従って、エンジンパワ
ーも「0」である。
【0047】さらに、統括管理コントローラ11は、ア
クセル操作量Apの検出データとエンジン1の回転数N
Eの検出データとから車両の要求されるトータルの目標
推進出力をあらかじめ定められたマップにより求める
(STEP2−5)。この目標推進出力は、エンジン1
の出力のみにより車両を走行させる場合は、該エンジン
1の目標出力に相当するものであり、エンジン1の出力
と発電電動機2のアシスト動作による補助出力とを併せ
て車両を走行させる場合は、エンジン1の出力と発電電
動機2の補助出力との総和の目標値に相当するものであ
る。尚、この目標推進出力も、アクセル操作量ApがA
p≒0の状態では「0」である。
【0048】次に、統括管理コントローラ11は、ST
EP2−4で求めたエンジンパワーに対して上記目標推
進出力をエンジン1に生成させるために必要なエンジン
1の出力トルクの補正量ΔTr1を算出する(STEP2
−6)。この補正量ΔTr1は、基本出力トルクTr0に加
算することで該基本出力トルクTr0を補正するものであ
り、例えば目標推進出力とエンジンパワーとの偏差をエ
ンジン1の現在の回転数NEで除算することにより求め
られる。
【0049】次いで、統括管理コントローラ11は、前
記STEP2−4で求めたエンジンパワーが「0」であ
るか否かを判断し(STEP2−7)、エンジンパワー
=0である場合、すなわち、アクセル操作がなされてい
ない場合には、車両の要求される運転状態が、発電電動
機2の回生動作を行いつつ車両の減速を行う減速回生モ
ードであると判断し、そのモードの制御処理を行う(S
TEP2−8)。
【0050】この減速回生モードの制御処理は、図3の
フローチャートに示すように行われる。
【0051】すなわち、統括管理コントローラ11は、
車速Vcar 及びエンジン1の回転数NE(本実施形態で
は、これは発電電動機2の回転数に等しい)の検出デー
タからあらかじめ定められたマップにより発電電動機2
の回生動作による目標発電出力を求める(STEP3−
1)。この場合、目標発電出力は、基本的には車速Vca
r やエンジン1の回転数NEが大きい程、大きなものに
定められる。尚、減速回生モードにおける目標発電出力
は、車速Vcar やエンジン1の回転数NEの他、車両の
ブレーキ操作を考慮して設定するようにしてもよい。
【0052】次いで、統括管理コントローラ11は、エ
ンジン1の出力トルクTrの指令値を決定する(STE
P3−2)。この場合、出力トルクTrの指令値は、前
記STEP2−3で求めた基本出力トルクTr0に、前記
STEP2−6で求めた補正量ΔTr1を加算した値(=
θth0 +Δθth1 )とする。尚、減速回生モードでは、
アクセル操作がなされていないため(Ap≒0)、基本
出力トルクTr0や補正量ΔTr1は基本的には「0」であ
り、従って、出力トルクTrの指令値も「0」である。
【0053】このようにして発電電動機2の目標発電出
力とエンジン1の出力トルクTrの指令値とを求めた
後、統括管理コントローラ11は、該目標発電出力及び
出力トルクTrの指令値をそれぞれ発電電動機コントロ
ーラ8及びエンジンコントローラ7に指示する(STE
P3−3)。
【0054】このとき、上記指示を与えられたエンジン
コントローラ7は、前記エンジン駆動装置13によって
エンジン1のスロットル弁の閉弁、エンジン1への燃料
供給の停止、点火処理の停止を行い、該エンジン1の出
力軸及びこれに連結された発電電動機2のロータが、車
両の駆動輪6側から伝達される車両の運動エネルギーに
よって回転駆動される状態とする。
【0055】また、前記目標発電出力を指示された発電
電動機コントローラ8は、前記G/Mセンサ15から与
えられる電機子コイルの電流Igm 及び電圧Vgmの検出
データにより把握される発電電動機2の発電量が、指示
された目標発電量になるように該発電電動機2から蓄電
装置5への給電をPDU14を介して制御する。これに
より発電電動機2は回生動作を行い、その回生発電エネ
ルギーを蓄電装置5に充電する。
【0056】図2の説明に戻って、前記STEP2−7
の判断でエンジンパワー≠0(エンジンパワー>0)で
ある場合、すなわち、アクセル操作がなされている場合
には、エンジンパワーがSTEP2−2で求めた走行抵
抗よりも大きいか否かを判断する(STEP2−9)。
この場合、エンジンパワー>走行抵抗である場合(エン
ジンパワーが図7のA領域に存する場合)には、統括管
理コントローラ11は、車両の要求される運転状態が、
発電電動機2のアシスト動作を行いつつ車両の加速を行
うアシスト走行モードであると判断し、そのモードの制
御処理を行う(STEP2−10)。
【0057】このアシスト走行モードの制御処理は、図
4のフローチャートに示すように行われる。
【0058】すなわち、統括管理コントローラ11は、
前記STEP2−5で求めた目標推進出力のうち、発電
電動機2のアシスト動作により分担する割合を規定する
係数K1,K2,K3(以下、分担率係数K1,K2,
K3という)を求める(STEP4−1)。ここで、分
担率係数K1は、前記STEP2−1で取得した蓄電装
置5の蓄電量から所定のデータテーブルにより定める係
数、分担率係数K1は、前記STEP2−3で求めた基
本スロットル開度θth0 から所定のデータテーブルによ
り定める係数、分担率係数K3は、前記エンジンパワー
の走行抵抗に対する余裕出力(STEP2−4で求めた
エンジンパワーからSTEP2−2で求めた走行抵抗を
引いたもの)と車速Vcar の検出データとから所定のマ
ップにより定める係数である。
【0059】次いで、統括管理コントローラ11は、前
記STEP2−5で求めた目標推進出力に上記分担率係
数K1,K2,K3を乗算することで、該目標推進出力
のうち、発電電動機2のアシスト動作により分担すべき
該発電電動機2の基本目標補助出力を決定する(STE
P4−2)。尚、本実施形態では、目標推進出力のうち
の発電電動機2の分担割合は、基本的には蓄電装置5の
蓄電量に応じた分担率係数K1を主体として規定され、
該分担率係数K1は、該蓄電量が少ない状態では「0」
である(K1=0のときの基本目標補助出力は「0」に
なる)。
【0060】さらに、統括管理コントローラ11は、発
電電動機コントローラ8に最終的に指示する発電電動機
2の目標補助出力を、上記基本目標補助出力に対して図
8に例示するように漸変的に追従させるように決定する
(STEP4−3)。つまり、発電電動機2の目標補助
出力は、制御サイクル毎にSTEP4−2で決定される
基本目標補助出力が変化したとき、若干の応答遅れを有
して基本目標補助出力に追従するように決定される。
尚、図8中の括弧内の用語は後述するクルーズ回生モー
ドの制御処理に対応するものである。
【0061】次いで、統括管理コントローラ11は、S
TEP4−3で求めた目標補助出力を前記STEP2−
5で求めた目標推進出力から差し引くことで、エンジン
1の目標出力を求める(STEP4−4)。
【0062】そして、統括管理コントローラ11は、エ
ンジン1に上記目標出力を発生させるために必要なエン
ジン1の出力トルクTrの補正量ΔTr2を求める(ST
EP4−5)。この補正量ΔTr2は、目標推進出力をエ
ンジン1に発生させる出力トルクTr=Tr0+ΔTr1
(STEP2−6の説明を参照)から減算するものであ
り、例えば目標推進出力とエンジン1の上記目標出力と
の偏差をエンジン1の現在の回転数NEで除算すること
により求められる。
【0063】さらに、統括管理コントローラ11は、目
標推進出力に対応するエンジン1の出力トルクTr=T
r0+ΔTr1から、STEP4−5で求めた補正量ΔTr2
を減算することでエンジン1の出力トルクTrの指令値
(=Tr0+ΔTr1−ΔTr2)を決定する(STEP4−
6)。
【0064】このようにして発電電動機2の目標補助出
力とエンジン1の出力トルクTrの指令値とを求めた
後、統括管理コントローラ11は、該目標補助出力及び
出力トルクTrの指令値をそれぞれ発電電動機コントロ
ーラ8及びエンジンコントローラ7に指示する(STE
P4−7)。
【0065】このとき、エンジンコントローラ7は、図
6のフローチャートに示すような制御処理を実行する。
【0066】すなわち、エンジンコントローラ7は、エ
ンジン1の現在の回転数NEの検出データと統括管理コ
ントローラ11から与えられた出力トルクTrの指令値
とからあらかじめ定められたマップによりエンジン1の
燃焼室で燃焼させる混合気の目標空燃比を求める(ST
EP6−1)。
【0067】この場合、目標空燃比は、例えば図9に示
すようにエンジン1の各回転数NE(一定回転数)にお
いて、出力トルクTrの低トルク域(図9のC領域)で
は、極めて希薄な空燃比(例えばA/F≧30)で出力
トルクTrの増加に伴い、目標空燃比が連続的に減少し
ていく(リッチ側に変化していく)ように定められてい
る。また、出力トルクTrの中高トルク域(図9のD領
域)では、目標空燃比は、理論空燃比の近傍で、出力ト
ルクTrの増加に伴い、理論空燃比のリーン側からリッ
チ側に段階的(本実施形態では3段階)に減少してくよ
うに定められている(出力トルクTrのある範囲では、
一定の目標空燃比となる)。
【0068】尚、エンジン1の回転数NEと出力トルク
Trの指令値との積が、エンジン1の目標出力に相当す
るものであるので、上記のようなマップにより目標空燃
比を求めることで、エンジン1の目標出力に応じた目標
空燃比が求められることとなる。
【0069】次いで、エンジンコントローラ7は、ST
EP6−1で求めた目標空燃比が、図9のC領域におけ
る目標空燃比の下限値A/Fx(例えば30)以上であ
るか否かを判断する(STEP6−2)。このとき、目
標空燃比≧A/Fxである場合には、エンジン1の吸入
空気量を一定としつつ燃料噴射量の調整によりエンジン
1の出力トルクを制御するために、エンジン1のスロッ
トル開度θthの指令値を全開の開度に決定する(STE
P6−3)。
【0070】また、目標空燃比<A/Fxである場合に
は、目標空燃比を基本的には一定とし、エンジン1の吸
入空気量と燃料噴射量との両者の調整によりエンジン1
の出力トルクを制御するために、出力トルクTrの指令
値をエンジン1に発生させるためのエンジン1のスロッ
トル開度θthの指令値をエンジン1の回転数NEの検出
データと出力トルクTrの指令値とからあらかじめ定め
られたマップにより求める(STEP6−4)。
【0071】次いで、エンジンコントローラ7は、エン
ジン1のスロットル開度θthを、上記STEP6−3又
は6−4で決定した指令値に前記エンジン駆動装置13
を介して制御する(STEP6−5)。さらに、エンジ
ンコントローラ7は、前記E/Gセンサ12から得られ
るエンジン1の検出空燃比がSTEP6−1で決定した
目標空燃比に一致するようにエンジン1の燃焼室への燃
料噴射量をエンジン駆動装置13を介してフィードバッ
ク制御する(STEP6−6)。
【0072】このようなエンジンコントローラ7の制御
処理によって、目標空燃比≧A/Fxである場合には、
スロットル開度θthを全開開度(一定)としつつ、エン
ジン1の検出空燃比がエンジン1の出力トルクTrの指
令値に対応した目標空燃比に一致するようにエンジン1
の燃焼室への燃料噴射量がフィードバック制御される。
そして、この場合、目標空燃比は、出力トルクTrの指
令値が増加するに伴って連続的に減少するため、燃料噴
射量は、出力トルクTrの指令値が増加するに伴って連
続的に増加することとなる。これにより、エンジン1の
出力トルクTrはその指令値に制御され、ひいては、エ
ンジン1の出力が前記STEP4−4で決定した目標出
力に制御される。
【0073】また、目標空燃比<A/Fxである場合に
は、該目標空燃比は基本的には一定であるので、スロッ
トル開度θthをエンジン1の出力トルクTrの指令値及
び回転数NEに応じた開度に制御することで、該スロッ
トル開度θthの増減(吸入空気量の増減)に合わせてエ
ンジン1の燃焼室への燃料噴射量が増減する。これによ
り、エンジン1の出力トルクTrはその指令値に制御さ
れ、ひいては、エンジン1の出力が前記STEP4−4
で決定した目標出力に制御される。
【0074】尚、このようなエンジン1の運転制御と並
行して、発電電動機コントローラ8は、蓄電装置5から
発電電動機2に前記PDU14を介して給電せしめて、
該発電電動機2のアシスト動作を行わせると共に、この
とき発電電動機2が生成する補助出力が統括管理コント
ローラ11から指示された目標補助出力になるように蓄
電装置5から発電電動機2への給電量をPDU14によ
り制御する。
【0075】これにより、エンジン1及び発電電動機2
はそれぞれ前記目標出力及び目標補助出力を生成し、そ
れらを併せた出力、すなわち、前記目標推進出力が変速
装置3を介して駆動輪6に伝達されて車両の加速走行が
なされる。
【0076】図2の説明に戻って、前記STEP2−9
の判断で、エンジンパワー≦走行抵抗である場合(エン
ジンパワーが図7のB領域に存する場合)には、統括管
理コントローラ11は、車両の要求される運転状態が、
エンジン1の出力の一部を使用して発電電動機2の回生
動作を行いつつ車両のクルーズ走行(ほぼ定速度での走
行)を行うクルーズ回生モードであると判断し、そのモ
ードの制御処理を行う(STEP2−11)。
【0077】このクルーズ回生モードの制御処理は、図
5のフローチャートに示すように行われる。
【0078】すなわち、統括管理コントローラ11は、
車速Vcar 及びエンジン1の回転数NEの検出データか
らあらかじめ定められたマップにより発電電動機2の回
生動作による基本目標発電出力を求める(STEP5−
1)。尚、この場合に求められる基本目標発電出力は、
減速回生モードで求められる目標発電出力(STEP3
−1を参照)よりも十分に小さなものである。また、本
実施形態では、蓄電装置5の過充電を防止するために、
蓄電装置5の蓄電量が所定値以上になったときには、S
TEP5−1で求める基本目標発電出力を「0」とす
る。次いで、統括管理コントローラ11は、前述のアシ
スト走行モードの場合と同様にして、発電電動機コント
ローラ8に最終的に指示する発電電動機2の目標発電出
力を、上記基本目標発電出力に対して若干の応答遅れを
有して追従させるように決定する(STEP5−2。図
8を参照)。
【0079】次いで、統括管理コントローラ11は、発
電電動機2の目標発電出力を前記STEP2−5で求め
た目標推進出力に上乗せする(加算する)ことで、エン
ジン1の目標出力を求める(STEP5−3)。
【0080】そして、統括管理コントローラ11は、エ
ンジン1に上記目標出力を発生させるために必要な出力
トルクTrの補正量ΔTr3を求める(STEP5−
4)。この補正量ΔTr3は、目標推進出力をエンジン1
に発生させる出力トルクTr=Tr0+ΔTr1(STEP
2−6の説明を参照)に加算するものであり、例えばエ
ンジン1の上記目標出力と目標推進出力との偏差をエン
ジン1の現在の回転数NEで除算することにより求めら
れる。
【0081】さらに、統括管理コントローラ11は、目
標推進出力に対応するエンジン1の出力トルクTr=T
r0+ΔTr1に、STEP5−4で求めた補正量ΔTr3を
加算することでエンジン1の出力トルクTrの指令値
(=Tr0+ΔTr1+ΔTr3)を決定する(STEP5−
5)。
【0082】このようにして発電電動機2の目標発電出
力とエンジン1の出力トルクTrの指令値とを求めた
後、統括管理コントローラ11は、該目標発電出力及び
出力トルクTrの指令値をそれぞれ発電電動機コントロ
ーラ8及びエンジンコントローラ7に指示する(STE
P5−6)。
【0083】このとき、エンジンコントローラ7は、前
記アシスト走行モードの場合と全く同一の制御処理(図
6参照)を行って、エンジン1の出力を目標出力に制御
する。
【0084】また、これと並行して、発電電動機コント
ローラ8は、前記減速回生モードの場合と同様にして、
指示された目標発電出力を発電電動機2に生成させるよ
うに該発電電動機2から蓄電装置5への給電をPDU1
4を介して制御し、発電電動機2に回生動作を行わし
め、その発電エネルギーを蓄電装置5に充電させる。
【0085】この場合、エンジン1の出力のうち、発電
電動機2の発電出力分が該発電電動機2の回生動作のた
めのエネルギー源として使用され、残りの出力(=目標
推進出力)が変速装置3を介して駆動輪6に伝達され
る。
【0086】尚、前述した減速回生モード、アシスト走
行モード及びクルーズ回生モードの各モードにおける車
両の走行時において、前記変速装置コントローラ9は、
前記T/Mセンサ18により検出される変速操作レバー
の操作ポジションSP等に基づき、変速装置3の変速動
作をアクチュエータ17により行わしめる。また、車両
の走行中はクラッチ4を接続状態に保持する。
【0087】以上説明した本実施形態のハイブリッド車
両では、エンジン1が燃料を燃焼室に直接的に噴射する
直噴エンジンであるため、アシスト走行モードやクルー
ズ回生モードにおいて、前述のようにエンジン1の目標
出力を決定してエンジン1の動作を制御したとき、エン
ジン1の実際の出力の応答性が高い。特に、目標空燃比
≧A/Fxで、エンジン1のスロットル開度θthを全開
開度に制御する状況では(エンジン1の要求される出力
トルクTrが比較的低い状況)、エンジン1の目標出力
が変化して、要求される出力トルクTr(出力トルクの
指令値)が変化しても、スロットル開度θthを全開開度
に維持したまま、燃料噴射量を調整し、空燃比A/Fを
目標空燃比に制御することで、所望の目標出力をエンジ
ン1に発生させることができる。しかもこのとき、燃料
噴射量のフィードバック制御を行うことで、エンジン1
の燃焼室に吸入される空気量の変動が生じても、空燃比
A/Fを確実に出力トルクTrの指令値に対応した目標
空燃比に制御することができる。さらに、燃焼室に燃料
を直接噴射することで、エンジン1の燃焼室における混
合気の適正な燃焼性も確保することができる。このた
め、エンジン1の出力を迅速且つ確実に目標出力に追従
させることができる。
【0088】このようにエンジン1の出力の目標出力に
対する応答性が高くなるため、アシスト走行モードやク
ルーズ回生モードにおける発電電動機2の補助出力や発
電出力も迅速に最適な出力に制御することができる。す
なわち、前記STEP4−3やSTEP5−2におい
て、発電電動機2の目標補助出力及び目標発電出力をそ
れぞれ基本目標補助出力及び基本目標発電出力に対して
応答遅れをもたせて決定するのは、エンジン1の出力の
制御の応答遅れを考慮したものであるが、前記のように
エンジン1の出力の制御の応答性が高くなるため、発電
電動機2の目標補助出力及び目標発電出力の基本目標補
助出力及び基本目標発電出力に対する応答遅れ分を通常
のエンジンを使用した場合よりも低減することができ
る。
【0089】この結果、発電電動機2の補助出力や発電
出力を蓄電装置5の蓄電量や車両の運転状態に応じた最
適な出力に迅速に制御することができる。
【0090】また、本実施形態では、アシスト走行モー
ドやクルーズ回生モードにおける車両の推進出力は、発
電電動機2の動作状態によらずに、アクセル操作量Ap
に応じたものになる。しかも、このとき発電電動機2の
目標補助出力もしくは目標発電出力が変化し、これに合
わせてエンジン1の目標出力が変化しても、それらの変
化に対して発電電動機2の実際の出力やエンジン1の実
際の出力が前述のように迅速に応答するため、車両の推
進出力はアクセル操作量Apに応じて滑らかに変化す
る。この結果、車両の快適な運転性を確保することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のハイブリッド車両の制御装置の全体的
システム構成図。
【図2】図1の装置の作動を説明するためのフローチャ
ート。
【図3】図1の装置の作動を説明するためのフローチャ
ート。
【図4】図1の装置の作動を説明するためのフローチャ
ート。
【図5】図1の装置の作動を説明するためのフローチャ
ート。
【図6】図1の装置の作動を説明するためのフローチャ
ート。
【図7】図1の装置の作動を説明するための線図。
【図8】図1の装置の作動を説明するための線図。
【図9】図1の装置の作動を説明するための線図。
【符号の説明】
1…エンジン、2…発電電動機、7…エンジンコントロ
ーラ(エンジン制御手段)、8…発電電動機コントロー
ラ(発電電動機制御手段)、11…統括管理コントロー
ラ(発電電動機制御手段、エンジン制御手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02D 41/04 305 B60K 9/00 Z 41/14 310 (72)発明者 石川 元士 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 玉川 裕 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の推進源であるエンジンと、該エンジ
    ンの出力を補助する補助出力を生成する電動機としての
    動作と発電エネルギーを生成する発電機としての動作と
    を行う発電電動機と、該発電電動機の電動機としての動
    作時の目標補助出力又は発電機としての動作時の目標発
    電出力を設定し、その設定した目標補助出力又は目標発
    電出力に基づき前記発電電動機の動作を制御する発電電
    動機制御手段と、前記目標補助出力又は目標発電出力に
    応じて前記エンジンの出力を調整するエンジン制御手段
    とを備えたハイブリッド車両の制御装置において、 前記エンジンはその燃焼室に燃料を直接的に噴射する直
    噴エンジンにより構成され、 前記エンジン制御手段は、前記発電電動機の目標補助出
    力又は目標発電出力に応じた前記エンジンの目標出力を
    設定する目標出力設定手段と、該エンジンの目標出力に
    応じて該エンジンの燃焼室で燃焼させるべき混合気の目
    標空燃比を設定する目標空燃比設定手段とを備え、該エ
    ンジンの吸入空気量制御弁を所定の開度に制御しつつ、
    前記エンジンの燃焼室で燃焼させる混合気の空燃比が前
    記目標空燃比になるように該燃焼室への燃料噴射量を制
    御することを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。
  2. 【請求項2】前記目標出力設定手段は、前記発電電動機
    の目標補助出力に応じた前記エンジンの目標出力を設定
    するとき、該目標補助出力と該エンジンの目標出力との
    総和が少なくとも車両のアクセル操作量に応じて定めた
    該車両の目標推進出力になるように該エンジンの目標出
    力を設定することを特徴とする請求項1記載のハイブリ
    ッド車両の制御装置。
  3. 【請求項3】前記目標出力設定手段による前記発電電動
    機の目標発電出力に応じた前記エンジンの目標出力の設
    定は、前記エンジンの出力の一部を前記発電電動機に付
    与して該発電電動機を発電機として動作させる際に行わ
    れ、該目標出力設定手段は、前記発電電動機の目標発電
    出力と少なくとも車両のアクセル操作量に応じて定めた
    該車両の目標推進出力との総和を該エンジンの目標出力
    として設定することを特徴とする請求項1記載のハイブ
    リッド車両の制御装置。
  4. 【請求項4】前記空燃比を検出する空燃比検出手段を備
    え、前記エンジン制御手段は、該空燃比検出手段による
    検出空燃比が前記目標空燃比に一致するように前記燃焼
    室への燃料噴射量をフィードバック制御することを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれかに記載のハイブリッド
    車両の制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6470983B1 (en) 1999-04-27 2002-10-29 Hitachi, Ltd. Hybrid vehicle
JP2012166682A (ja) * 2011-02-14 2012-09-06 Toyota Motor Corp ハイブリッド車両の制御装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6470983B1 (en) 1999-04-27 2002-10-29 Hitachi, Ltd. Hybrid vehicle
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