JPH11335678A - 低硫黄軽油用潤滑剤および該低硫黄軽油用潤滑剤を添加した低硫黄軽油組成物 - Google Patents

低硫黄軽油用潤滑剤および該低硫黄軽油用潤滑剤を添加した低硫黄軽油組成物

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JPH11335678A
JPH11335678A JP16144998A JP16144998A JPH11335678A JP H11335678 A JPH11335678 A JP H11335678A JP 16144998 A JP16144998 A JP 16144998A JP 16144998 A JP16144998 A JP 16144998A JP H11335678 A JPH11335678 A JP H11335678A
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JP
Japan
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low
gas oil
light oil
lubricant
sulfur
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JP16144998A
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Toshiyuki Kozumi
敏之 小住
Hideo Oka
日出男 岡
Yuji Akimoto
裕司 秋元
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Showa Shell Sekiyu KK
Original Assignee
Showa Shell Sekiyu KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、別途高価な潤滑性向上剤を添加す
ることなしに低硫黄軽油の潤滑性の向上を図ることが可
能な潤滑剤の提供を目的とする。 【解決手段】 2環以上の多環芳香族を25容量%以上
含む接触分解軽油から分離した極性成分で構成される低
硫黄軽油用潤滑剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低硫黄軽油用潤滑剤
および該低硫黄軽油用潤滑剤を添加した低硫黄軽油組成
物に関する。
【0002】
【従来技術】近年、環境保全の観点から、有害な排気ガ
スによる大気汚染が国際的に問題となっている。わが国
においてもそのなかの一つであるディーゼルエンジンの
排気ガスによる汚染がクローズアップされ、1989年
に窒素酸化物の削減、パティキュレート規制、軽油中の
硫黄分の低減等が中央公害対策審議会から答申され、エ
ンジンおよび燃料の両方から、大気汚染物質削滅に向け
て改善が進められている。硫黄分規格の低減は段階的に
行われ、1992年10月に0.5質量%以下から0.
2質量%以下に低減され、さらに1997年には0.0
5質量%に低減された。
【0003】一方、アメリカにおいては大気浄化法の改
正(1990年)を受けて、日本より早い1993年1
0月にディーゼル軽油中の硫黄分が0.2質量%から
0.05質量%以下に規制されている。また、酸性雨問
題が深刻な北欧スウェーデンでは、アメリカより更に一
歩進んでClass1が0.001質量%以下、Cla
ss2が0.005質量%以下といった超低硫黄分軽油
が1991年より使用されている。以上述べたように軽
油の低硫黄化は、環境保全から世界的な動きである。と
ころが、スウェーデンにおいて、超低硫黄分軽油が使わ
れ始めた1991年以降ディーゼル車の燃料噴射装置
(Fuel Injection Equipmen
t)(FIE)が早期故障し、走行できなくなるという
トラブルが発生した。このトラブルはClassl(硫
黄分0.001質量%以下)、Class2(硫黄分
0.005質量%以下)といった灯油並みの低硫黄分軽
油を用いた小型乗用車の燃料ポンプで発生し、その数は
数千台にのぼっている。スウェーデンの事例では、通常
ディーゼル車の燃料ポンプの最低保証距離は10万km
であるといわれているのに対し、Class2で約50
00km〜30000km、Class1にいたっては
約3000〜10000kmで損傷したと報告されてい
る。
【0004】このトラブルは以下の原因で起こると推察
されている。大型トラック、バスといったディーゼルエ
ンジンのFIEは駆動部の潤滑は潤滑油(Lub Oi
l)を用いることで良好に保たれている。一方、ディー
ゼル乗用車のFIEの潤滑は、潤滑油(Lub Oi
l)ではなく、燃料自身、すなわち、ディーゼルエンジ
ンの場合、ディーゼル軽油で駆動部の摩耗を防ぐという
構造になつている。このFIE内の金属同士の潤滑は、
摩擦が起こる金属間同士のクリアランス(Cleara
nce)が比較的小さいため、軽油の物性値で動粘度が
支配的となる流体潤滑ばかりでなく、潤滑油(この場合
は燃料である)の極性化合物が支配的となる境界潤滑も
起こつている。境界潤滑が起こっている場合、金属表面
に、極性化合物が吸着し薄い膜を形成することにより金
属同士の摩耗を防いでいるといわれている。
【0005】スウェーデンでのFIEトラブルの原因
は、超低硫黄分軽油にすることにより、軽油中の極性化
合物すなわち、硫黄分、窒素分及び芳香族分含有量が極
度に減少したことにより(一般に超低硫黄分軽油を製造
するためには、水添脱硫装置での脱硫率を上昇させるた
め、かなり苛酷な運転をしなければならず、この際副反
応の脱窒素化、芳香族の核水添反応が大幅に進行するた
め、軽油中の窒素分、芳香族分が大幅に減少することが
知られている。)、軽油の上記の境界潤滑性が大幅に減
少したためであると思われる。
【0006】このような課題を解決するため、現在、日
本で販売されている低硫黄軽油にも潤滑性向上剤と言わ
れる市販の添加剤が、軽油の潤滑特性改善のために添加
されている。例えば、 (1)特開平8−134476号公報においては、低硫
黄軽油に特定のジアミンのジカルボン酸塩、特定の
ジアミンのモノカルボン酸塩およぴ特定のモノアミン
のカルボン酸塩よりなる添加剤の少なくとも1種を添加
することを提案している。 (2)特表平8−505893号公報においては、低硫
黄軽油に炭素原子を2〜50有するカルボン酸(例えば
カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、
リノール酸、リノレン酸など)と炭素原子を1以上有す
るアルコール(例えばメチルアルコール、エチルアルコ
ール、プロピルアルコ−ル、ブチルアルコールなど)と
のエステルを添加剤として添加することを提案してい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、接触分解軽
油から低硫黄軽油用の潤滑性向上成分を抽出し、その成
分を低硫黄軽油に添加して、これにより別途高価な潤滑
性向上剤を添加することなしに低硫黄軽油の潤滑性の向
上を図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、2環以上
の多環芳香族に富む接触分解軽油が、低硫黄軽油の潤滑
特性向上に有効であることを見い出し、自動車技術会に
て報告した(自動車技術会春季学術講演会1996年5
月)。
【0009】その内容は以下の通りである。2種類の低
硫黄軽油に2種類の接触分解軽油(LCO−1,LCO
−2)を添加した場合の軽油の潤滑特性を評価した例を
以下に示す。軽油の潤滑特性は高速往復動リグ(Hig
h Frequency Reciprocating
Rig)により摩耗痕径を測定することにより評価し
た。主な試験条件を以下に示す。 (1)摩耗試験 摩耗試験は、PCSインスツルメント社のHFRR試験
機を用いて行った。試験条件は下記の通りである。 試料量 2cm3 ストローク 1000μm 周波数 50Hz 試料温度 60℃ 荷重 200g 試験時間 75分 試験室温度 25℃ 試験室湿度 50% この試験条件はISO/FDIS 12156−1に準
拠したものである。 (2)摩耗評価 摩耗評価は、試験鋼球に付いた摩耗痕径振動方向の長さ
をY(μm)、これと直角方向の長さをX(μm)と
し、YとXの平均値を摩耗痕径(μm)とする。
【0010】使用した2種の低硫黄軽油(ベース軽油I
およびベース軽油II)の性状を下表1、また使用した2
種の(LCO−1およびLCO−2)の性状を下表2に
示す。
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】低硫黄軽油に接触分解軽油を配合した軽油
の組成物の配合とHFRR試験結果を表3および表4に
示す。
【表3】
【0013】
【表4】
【0014】前記各表から理解されるようにいづれの接
触分解軽油(LCO)も配合量が多くなるにつれて、H
FRR試験における組成物の摩耗痕径が小さくなった。
このことから接触分解軽油(LCO)は軽油の潤滑性を
向上させることが確認できた。しかしながら、接触分解
軽油(LCO)は芳香族分に富むため低硫黄軽油への配
合量をあまり多くすると、軽油組成物の芳香族分が多く
なりディーゼル車からの排ガスを悪化させることが懸念
される。低硫黄軽油に接触分解軽油(LCO−1)を1
0およぴ20容量%配合した軽油組成物について、排ガ
ス測定実験を実施した結果を図1に示す。排ガス試験モ
ードは日本の乗用車の排気特性を評価するための標準試
験モードであるJ10.15モードに従って行った。図
1では、低硫黄軽油のみで実施した排ガス試験結果を1
として、軽油組成物のそれを相対値として示す。
【0015】図1でわかるように接触分解軽油を10容
量%配合した場合、規制値以下ではあるが、わずかに排
ガス量が多くなった。また20容量%配合した場合、顕
著な排ガス量の増加が特に粒子状物質(PM)において
観察された。従って接触分解軽油を低硫黄軽油に配合す
る場合、排ガスヘの影響を考慮すると10容量%以下が
望ましい。しかし、接触分解軽油の配合量を10容量%
以下にすると潤滑性向上効果が小さくなるため、接触分
解軽油を潤滑性向上基材として用いるには限界がある。
【0016】そこで我々は前記の問題を解決するため
に、接触分解軽油から潤滑性を向上させる成分を分離す
ることを考え実施した。そして、本発明者らは2環以上
の多環芳香族を25容量%以上含む接触分解軽油から分
離した極性成分が、低硫黄軽油用潤滑剤として有用であ
ることを見い出し本発明に到達することができた。本発
明で極性成分を分離するために使用する接触分解軽油と
は、原油の常圧残さ油を脱硫した留分もしくは常圧残さ
油をさらに減圧蒸留および脱硫して得られた重質軽油分
を原料として流動接触分解を行って得た留分のうち軽油
に相当する留分(沸点範囲160〜400℃の留分)の
総称であり、硫黄分が0.6質量%以下、好ましくは
0.3質量%以下、2環以上の多環芳香族を25容量%
以上を含む接触分解軽油が、得られた極性成分の添加効
果が高くかつ添加軽油の硫黄含有量に対する影響が小さ
い等の理由から好ましい。
【0017】前記極性成分の分離は、例えば前記のよう
な接触分解軽油をTBP蒸留により蒸留し、得られた高
沸点留分(沸点298℃以上)から適当なケトン可溶分
の分離手段、例えばアセトン可溶分の分離手段を使用し
て行うことが出来る。例えばアセトン可溶分の分離は、
前記留分をカラムクロマトグラフィーにより抽出して行
うことができる。
【0018】前記ケトン可溶分としては、前記アセトン
可溶分のみだけではなく、メチルエチルケトンおよびジ
エチルケトン可溶分等によっても同様に本発明の効果を
達成することができる。
【0019】前記極性成分の分離を行う場合、必ずしも
前記蒸留手段は必要なものではなく、前記接触分解軽油
から適当な極性溶媒、例えばフルフラール、メチルアル
コール、あるいはクロロホルム等、さらにはそれらの混
合物によって直接に接触分解軽油から分離することもで
きる。
【0020】前記のようにして得られた極性成分を、硫
黄分が0.05質量%以下の低硫黄分軽油1リットルに
対して200〜1000質量PPM、好ましくは400
〜800質量PPM添加し、軽油組成物を得る。前記極
性成分の添加量が200質量PPM未満であると、その
添加効果が少なく、また、1000質量PPM以下であ
れば、極性成分添加軽油組成物の硫黄含有量へのインパ
クトを低く押えることができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を示す。但し、本発明
は以下の実施例に限定されるものではない。
【0022】実施例1 接触分解軽油を沸点298℃以上の留分とそれ以下の留
分にTBP蒸留装置で分留し、高沸点(298℃以上)
の留分をカラムクロマトグラフィーにより、石油エーテ
ル可溶分、トルエン可溶分、アセトン可溶分にそれぞれ
分離した。石油エーテル可溶分、トルエン可溶分、およ
ぴアセトン可溶分をそれぞれ低硫黄軽油に配合した軽油
組成物のHFRR試験の結果を表5および表6に示す。
【0023】
【表5】
【0024】
【表6】
【0025】
【表7】
【0026】
【表8】
【0027】前記石油エーテル可溶分、トルエン可溶
分、アセトン可溶分のうちアセトン可溶分のみが、50
0質量PPMで軽油の潤滑性向上効果が見られた。アセ
トン可溶物中には硫黄分が2〜8質量%程度含まれてい
るが、1000質量PPM以下の配合であれば軽油組成
物全体の硫黄含有量に及ぽす影響は無視できる。また、
前記潤滑効果は、アセトン可溶分のみだけではなく、メ
チルエチルケトンおよびジエチルケトン可溶分等によっ
ても同様に達成することができた。
【0028】
【効果】本発明により高価な潤滑性向上剤を用いること
なく、低硫黄軽油の摩耗特性を向上させた低硫黄軽油組
成物を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】低硫黄軽油に分解軽油を添加した場合に、分解
軽油が排出ガスに与える影響を示した図である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2環以上の多環芳香族を25容量%以上
    含む接触分解軽油から分離した極性成分で構成される低
    硫黄軽油用潤滑剤。
  2. 【請求項2】 極性成分が、アセトン、メチルエチルケ
    トンおよびジエチルケトンよりなる群から選ばれた少な
    くとも一種のケトンにより可溶なものである請求項1に
    記載の低硫黄軽油用潤滑剤。
  3. 【請求項3】 極性成分が、接触分解軽油から極性溶媒
    により直接に分離されたものである請求項1〜2のいず
    れかに記載の低硫黄軽油用潤滑剤。
  4. 【請求項4】 極性成分が、接触分解軽油からクロマト
    グラフィーにより分離されたものである請求項1〜2の
    いずれかに記載の低硫黄軽油用潤滑剤。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の低硫黄
    軽油用潤滑剤を添加した硫黄分0.05質量%以下の低
    硫黄軽油組成物。
  6. 【請求項6】 低硫黄軽油用潤滑剤を200〜1000
    質量PPM含むものである請求項5記載の低硫黄軽油組
    成物。
JP16144998A 1998-05-26 1998-05-26 低硫黄軽油用潤滑剤および該低硫黄軽油用潤滑剤を添加した低硫黄軽油組成物 Pending JPH11335678A (ja)

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