JPH11335648A - アクリル系粘着剤組成物及び粘着シート - Google Patents

アクリル系粘着剤組成物及び粘着シート

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JPH11335648A
JPH11335648A JP14310098A JP14310098A JPH11335648A JP H11335648 A JPH11335648 A JP H11335648A JP 14310098 A JP14310098 A JP 14310098A JP 14310098 A JP14310098 A JP 14310098A JP H11335648 A JPH11335648 A JP H11335648A
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JP
Japan
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polymerization
sensitive adhesive
pressure
adhesive composition
acrylic
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JP14310098A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Miyashita
拓 宮下
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来品並の製造コストで得られ、夏季の高温
下でもべたつきがなく、冬季の定温下でも高い接着性を
発揮し、金属板など極性の高い被着体への接着性にも優
れたアクリル系粘着剤組成物、及びそれを用いてオレフ
ィン基材に対する接着性に優れ、曲面を主体とする被着
体に対しても浮き上がりや剥離が起こらない粘着シート
を提供する。 【解決手段】 本発明のアクリル系粘着剤組成物は、パ
ーオキサイドビニルモノマーもしくは多官能開始剤を含
有するアクリル系重合性組成物を多段重合することによ
り得られるグラフト/ブロック共重合体を含む粘着剤組
成物であって、上記多段重合において、重合1段目ポリ
マーから重合2段目以降の反応により生成したグラフト
もしくはブロック共重合体の割合が上記粘着剤組成物の
40重量%以上であることを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の物品の固定
・接合、医療用、包装用として、また、屋外や屋内で用
いられる広告ステッカー等に使用されるアクリル系粘着
剤組成物及びそれを用いた粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】粘着シートに用いられる粘着剤の基本性
能として、剥離力、タック、保持力が要求される。粘着
剤として従来からアクリルランダム共重合体を主成分と
するものが従来から一般的に使用されてきたが、上記の
基本性能はそれぞれ相反する面があり、これらをすべて
同時に満足させることは困難とされていた。
【0003】また、特定の粘着付与樹脂を添加すること
によりタックや剥離力を向上させることは知られている
(例えば、特開平3−281587号公報等)が、粘着
付与樹脂の選択だけで粘着力と保持力との適正なバラン
スを維持することは一般に難しいという問題点があっ
た。
【0004】顔料を含む不透明または半透明の塩化ビニ
ル樹脂フィルム、アクリル樹脂系フィルム、フッ素樹脂
系フィルムなどの一面に粘着剤層が形成された粘着シー
トが塗装に代わりラベルやステッカー類、広告や看板な
どのディスプレイ分野など、屋外や屋内で広く使用され
ている。しかしながら、従来のアクリル系粘着剤を用い
た場合、例えば、夏季の高温下で起こるべたつきを抑制
する目的で粘着剤の物性を硬いものに設計すれば、冬季
の定温下における貼付性が著しく損なわれるという問題
点があった。
【0005】また、特に車両等のフリートマーキング分
野で凹凸曲面を主体とする被着体に対して使用した場合
にも、貼付後に経時でシートが浮き上がり、目的とする
装飾性が損なわれるという問題があった。
【0006】特開平6−234960号公報には、曲面
への接着性を向上させるために、可撓性にすぐれたフッ
素含有フィルムを基材として用いることが記載されてい
る。しかしながらフッ素含有フィルムは汎用フィルムよ
りもコスト高であり、また、スパッタリング、電子線照
射処理、コロナ放電処理などの表面処理を行わないと印
刷適正が非常に悪く、製造段階での工程が複雑になるこ
とが問題であった。
【0007】更に、最近では環境問題への関心の高まり
から、ダイオキシンの発生原因と考えられているポリ塩
化ビニルの使用が敬遠され、ポリオレフィンへの切替え
が進んでいる。上記マーキングフィルムについても例外
ではなく種々の検討がなされているが、オレフィンフィ
ルムとの接着性に優れたゴム系粘着剤では金属板など極
性の高い被着体への接着性が悪く、金属板など極性の高
い被着体との接着性に優れたアクリル系粘着剤ではオレ
フィンフィルムとの接着性が悪く、フィルムと粘着剤と
の界面で剥がれてしまうという問題点もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解消し、従来品並の製造コストで得られ、夏季の高温
下でもべたつきがなく、冬季の定温下でも高い接着性を
発揮し、金属板など極性の高い被着体への接着性にも優
れたアクリル系粘着剤組成物、及びそれを用いてオレフ
ィン基材に対する接着性に優れ、曲面を主体とする被着
体に対しても浮き上がりや剥離が起こらない粘着シート
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明の
アクリル系粘着剤組成物は、パーオキサイドビニルモノ
マーもしくは多官能開始剤を含有するアクリル系重合性
組成物を多段重合することにより得られるグラフト/ブ
ロック共重合体を含む粘着剤組成物であって、上記多段
重合において、重合1段目ポリマーから重合2段目以降
の反応により生成したグラフトもしくはブロック共重合
体の割合が上記粘着剤組成物の40重量%以上であるこ
とを特徴とするものである。
【0010】本発明でいう多段重合とは、先ず、重合性
組成物Aの重合(1段目重合)を行った後、その反応生
成物に重合性組成物Bを加えてさらに重合(2段目重
合)を行い、その後重合性組成物Cを加えてさらに重合
(3段目重合)を行って重合反応物を得るというもので
ある。
【0011】例えば、パーオキサイドモノマーを含有す
る(メタ)アクリル重合性組成物における多段重合は、
光開始剤あるいは低温開始剤によって1段目重合を開始
し、反応後、2段目重合のための重合性組成物を加え、
更にパーオキサイドモノマーのパーオキサイド部分から
2段目の重合を開始する。
【0012】また、1分子中に2個以上のパーオキサイ
ド基を有する多官能開始剤を含有する(メタ)アクリル
重合性組成物における多段重合は、1段目重合で一部の
パーオキサイド基に反応を開始させることで1段目の重
合性組成物を生成させた後、これに反応性組成物を加え
て残りのパーオキサイド基が反応するような温度条件で
2段目重合を開始させる。
【0013】本発明でいう1段目ポリマーとは1段目重
合においてポリマーに転化したものであり、該1段目ポ
リマーのうち、次の2段目以降の重合で反応し、2段目
以降の重合性組成物との共重合体となったものの割合
を、2段目以降のモノマーと反応したポリマーの割合と
定義する。
【0014】本発明で用いるパーオキサイドモノマーと
は、1分子中にラジカル重合性の不飽和二重結合とパー
オキサイド基をそれぞれ1個以上含有するものであり、
多官能開始剤とは1分子中に2個以上のパーオキサイド
結合を含有するものである。これらは重合の一段目を低
温で行うことにより低温開始剤のラジカル開始剤または
光重合開始剤によって重合を開始し、(メタ)アクリル
系重合性組成物とパーオキサイドモノマーとを共重合さ
せる。
【0015】上記ラジカル重合性の不飽和2重結合とパ
ーオキサイド結合を有する化合物の構造としては、他の
重合性モノマーと共重合可能な2重結合と、加熱により
分解してラジカルを発生し得るパーオキサイド基を有し
ていること以外、特に制限されるものではない。本発明
でいう他の重合性モノマーと重合可能な2重結合とは、
ラジカル重合性を有する不飽和2重結合を意味するもの
であり、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、
アリル基などが挙げられる。
【0016】上記パーオキサイド結合は、重合開始剤と
して熱により分解してラジカルが容易に発生するもので
あって、適正使用温度が40〜100℃である中温開始
剤、適正使用温度が−10〜40℃である低温開始剤、
及び、−10℃以下の極低温開始剤に分類できるが、本
発明では効率よくグラフト共重合体を製造するために、
適正使用温度範囲が40℃以上である中高温開始剤に分
類されるものを用いるのが好ましい。
【0017】このようなものとしては、例えば、t−ブ
チルパーオキシアリルカーボネート(日本油脂社製,商
品名「ペロマーAC」)等が市販されているが、ビニル
基、(メタ)アクリロイル基、アリル基等と活性水素を
含む官能基と反応可能な官能基を有する化合物と、活性
水素を含む官能基と反応可能な官能基を有する過酸化物
とを反応させることによっても、1分子中にラジカル重
合性の不飽和2重結合とパーオキサイド結合を有する化
合物を得ることができる。
【0018】また、ビニル基、(メタ)アクリロイル
基、アリル基等と活性水素を含む官能基と反応可能な官
能基を有する化合物と、活性水素を含む官能基を有する
過酸化物を活性水素含有官能基と反応可能な官能基を有
する架橋剤で連結させることによっても目的とする化合
物を得ることができる。上記ラジカル重合は、通常のラ
ジカル重合法である塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳
化重合などが用いられる。
【0019】上記光重合開始剤は、熱分解によるラジカ
ル発生が起こらないものであれば特に限定されず、例え
ば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−
ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン〔メルク社製,商品
名「ダロキュア2959」〕、α−ヒドロキシ−α,
α′−ジメチルアセトフェノン〔メルク社製,商品名
「ダロキュア1173」〕、メトキシアセトフェノン、
2,2−ジメトキシアセトフェノンなどのアセトフェノ
ン系開始剤;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイ
ソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル系開始
剤;ベンジルジメチルケタールなどのケタール系開始
剤;その他、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−
2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド
〔チバガイギー社製,商品名「BDTPO」〕;ハロゲ
ン化ケトン;アシルホスフェノキシド;アシルホスフェ
ナートなどを挙げることができる。
【0020】本発明の粘着剤組成物に用いられる重合性
単量体は、ラジカル重合可能なものであればよく、単独
でも、2種類以上のものを併用してもよい。ラジカル重
合により得られる重合体部分はアニオン重合などのイオ
ン重合により生成する重合体部分よりも組成の種類を多
様に設定することが可能である。
【0021】ラジカル重合により単独重合体あるいは共
重合体を生成するものとしては、例えば、(メタ)アク
リル酸;(メタ)アクリル酸メチルエステル、アクリル
酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸n−プロピルエ
ステル、(メタ)アクリル酸イソプロピルエステル、
(メタ)アクリル酸n−ブチルエステル、(メタ)アク
リル酸sec−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸t
−ブチルエステル、メタクリル酸シクロヘキシルエステ
ル、(メタ)アクリル酸n−オクチルエステル、アクリ
ル酸イソオクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシルエステル、アクリル酸イソノニルエステ
ル、(メタ)アクリル酸ラウリルエステル、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシエチルエステル、アクリル酸イソミ
リスチルエステル、アクリル酸イソステアリルエステル
等に代表される(メタ)アクリル酸アルキルエステル
類;α−メチルスチレン、ビニルトルエン、スチレン等
に代表されるスチレン系単量体;メチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル
等に代表されるビニルエーテル系単量体;フマル酸;フ
マル酸のモノアルキルエステル、フマル酸のジアルキル
エステル;マレイン酸;マレイン酸のモノアルキルエス
テル、マレイン酸のジアルキルエステル;イタコン酸;
イタコン酸のモノアルキルエステル、イタコン酸のジア
ルキルエステル;(メタ)アクリロニトリル;ブタジエ
ン;イソプレン;塩化ビニル;塩化ビニリデン;酢酸ビ
ニル;ビニルケトン;ビニルピロリドン;ビニルピリジ
ン;(メタ)アクリルアミド;ビニルカルバゾール等を
挙げることができる。
【0022】本発明においては、重合1段目で多官能開
始剤から(メタ)アクリル重合性組成物の重合を開始す
るか、別の開始剤から重合を開始して(メタ)アクリル
重合性組成物とパーオキサイドモノマーを共重合し、重
合2段目以降では多官能開始剤が反応していない側のパ
ーオキサイドまたはアクリル重合性組成物と共重合され
たパーオキサイドモノマーのパーオキサイドから2段目
以降の重合を行ない、重合2段目以降のモノマーとの反
応により生成したグラフトもしくはブロック共重合体の
割合(ブロック化分率)Rが40%以上であればよい。
ブロック化分率Rが40%未満の場合は夏季のべたつき
と冬季の貼付不良の両方を改良する効果が少なく、曲面
施工性がよくならない。
【0023】上記アクリル粘着剤組成物には凝集力向上
のために架橋剤を添加することができる。架橋剤として
は、N,N′−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−ア
ジリジンカルボアミド)、N,N′−ジフェニルメタン
−1,6−ビス(1−アジリジンカルボアミド)、トリ
メチロール−トリ−β−アジリジニルプロピオネートな
どの2官能以上のアジリジン化合物;ヘキサメチレンジ
イソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレジン
ジイソシアネート付加物などのイソシアネート系化合
物;N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシ
レンジアミン等のエポキシ系架橋剤;アルキルエーテル
化メラミン樹脂;多価金属塩;金属キレート等が挙げら
れる。
【0024】更に、上記アクリル系粘着剤組成物には必
要に応じて、粘着付与樹脂、可塑剤、軟化剤、充填剤、
酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料等、従来から既
知の添加剤を添加してもよい。
【0025】請求項2記載の粘着剤組成物では、グラフ
ト共重合組成物もしくはブロック共重合組成物にオレフ
ィンマクロマーを共重合することにより、ポリオレフィ
ンフィルムに対してコロナ放電処理や下塗剤塗布などの
処理をすることなく直接塗布して積層することが可能と
なる。
【0026】上記オレフィンマクロマーとは、ラジカル
重合性の不飽和二重結合で末端を修飾されたオレフィン
重合体のことであり、他の重合性単量体と共重合可能な
二重結合と、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−ブチレン共重合体などの構造を有するものであれば特
に限定されない。他の重合性単量体と共重合可能な二重
結合とは、ラジカル重合性の不飽和二重結合を意味する
ものであり、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリ
ル基等が挙げられる。
【0027】このような化合物としては、エチレン−ブ
チレン共重合体の末端がメタクリル酸メチルエステルで
修飾されたもの(例えば、シェル石油社製,商品名「K
RATON LIQUID Polymer HPVM
−1251」)、特開平5−194631号、特開平5
−247119号、特開平6−32847号、特開平7
−2928号等の各公報に開示されたポリプロピレンあ
るいはエチレン−プロピレンランダム共重合体の末端が
メタクリル酸メチルエステルなどの(メタ)アクリル酸
エステルで修飾された化合物などが挙げられる。
【0028】次に、請求項3に記載の粘着シートは、上
記アクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層が柔軟性基
材に積層されたものである。柔軟性基材とは、ポリエチ
レン、ポリプロピレンなどエチレン及び/またはプロピ
レンを主成分として含むポリオレフィン系のもの、ま
た、ポリ塩化ビニルなどの可撓性のフィルムもしくはシ
ートであればよい。
【0029】ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレ
ン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低
密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチ
レン(LLDPE)などが挙げられ、1−ブテン、1−
ペンテンなどの長鎖のオレフィンモノマーが共重合され
ていてもよい。ポリプロピレンとしては、ランダムポリ
プロピレン、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピ
レンなどが挙げられるが、可撓性を有する限り特に限定
されず、メタロセン触媒によるポリエチレンやポリプロ
ピレンなどを用いてもよい。
【0030】本発明の粘着シートの製造方法は、上記柔
軟性基材に上記アクリル系粘着剤組成物を塗布してもよ
く、基材樹脂とアクリル系粘着剤とを共押出してもよ
い。共押出成形の場合は基材とアクリル系粘着剤層との
接着性を向上させるために例えば、EEA樹脂、無水マ
レイン化ポリエチレン、エポキシ変性ポリエチレンなど
極性の樹脂で変性されたポリエチレンやポリプロピレン
などのポリオレフィンを中間層の樹脂として同時に押出
してもよい。
【0031】上記粘着剤層の厚みは一般的に5〜100
μmが好ましく、より好ましくは15〜50μmであ
る。厚みが5μm未満では所望の接着力が得られなかっ
たり、シート貼り直し時に糊残りが起こるなどの問題が
あり、100μmを超えると粘着剤のはみ出しが発生し
て無駄となる。
【0032】
【発明の実施の形態】 〔粘着剤A〕
(第1工程):アクリル酸ブチルエステル(BA)90
g、一分子中に共重合性二重結合とパーオキサイド結合
を有する化合物としてt−ブチルペルオキシアリル カ
ーボネート(日本油脂社製,ペロマーAC)10g、光
開始剤としてベンジルメチルケタール(チバガイギー社
製,商品名「イルガキュアー651」)0.1gを配合
したモノマー混合液を窒素ガスを用いて20分間バブリ
ングすることにより溶存酸素を除去した。ポリエステル
フィルム上に発泡体テープにより堰を設けてその中にモ
ノマー混合液を流し込み、他のポリエステルフィルムで
間に空気が残らないように積層した。これに高圧水銀灯
を用いて波長365nmの光を17mWの強度で60分
間照射して重合を完了した。
【0033】(第2工程):攪拌機、冷却器、温度計及
び窒素ガス投入口を備えた2リットルのセパラブルフラ
スコに、第1工程で得られたポリブチルアクリレート8
0gを入れ、メタクリル酸メチルエステル(MMA)1
5g、アクリル酸(AAc)5g及びメタクリル酸2−
ヒドロキシエチルエステル(2HEMA)0.1gを添
加した。また、重合溶剤としての酢酸エチルを全体の固
形分が50重量%となるように100g添加した。上記
ポリマー/モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分
間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セ
パラブルフラスコ内を窒素ガスで置換し、60rpmで
攪拌しながらウォーターバスを用いて上記混合溶液を昇
温した。冷却管に還流液が確認された時点を重合の開始
点とし、7時間の沸点重合反応を行って目的のアクリル
系共重合体を得た、これを粘着剤Aとする。
【0034】〔粘着剤B〕 (第1工程):アクリル酸ブチルエステル(BA)85
g、一分子中に共重合性二重結合とパーオキサイド結合
を有する化合物としてt−ブチルペルオキシアリル カ
ーボネート(日本油脂社製,ペロマーAC)10g、エ
チレン−ブチレン共重合体の末端がメタクリル酸メチル
エステルで修飾されたオレフィンマクロマー(シェル石
油社製、商品名「KRATON LIQUID Pol
ymer HPVM−1251」)、光開始剤としてベ
ンジルメチルケタール(チバガイギー社製,商品名「イ
ルガキュアー651」)0.1gを配合したモノマー混
合液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることに
より溶存酸素を除去した。ポリエステルフィルム上に発
泡体テープにより堰を設けてその中にモノマー混合液を
流し込み、他のポリエステルフィルムで間に空気が残ら
ないように積層した。これに高圧水銀灯を用いて波長3
65nmの光を17mWの強度で60分間照射して重合
を完了した。
【0035】(第2工程):攪拌機、冷却器、温度計及
び窒素ガス投入口を備えた2リットルのセパラブルフラ
スコに、第1工程で得られたポリブチルアクリレート8
0gを入れ、メタクリル酸メチルエステル(MMA)1
5g、アクリル酸(AAc)5g及びメタクリル酸2−
ヒドロキシエチルエステル(2HEMA)0.1gを添
加した。また、重合溶剤としての酢酸エチルを全体の固
形分が50重量%となるように100g添加した。上記
ポリマー/モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分
間バブリングすることにより溶存酸素を除去した後、セ
パラブルフラスコ内を窒素ガスで置換し、60rpmで
攪拌しながらウォーターバスを用いて上記混合溶液を昇
温した。冷却管に還流液が確認された時点を重合の開始
点とし、7時間の沸点重合反応を行って目的のアクリル
系共重合体を得た。得られた重合体の重量平均分子量は
40.5万、多分散度は3.84であった。これを粘着
剤Bとする。
【0036】〔粘着剤C〕粘着剤Aでt−ブチルペルオ
キシ アリル カーボネートの配合量を0.1gとした
こと以外は、粘着剤Aと同様にして目的とするグラフト
共重合体を得た。得られた重合体の重量平均分子量は4
4.2万、多分散度は3.85であった。これを粘着剤
Cとする。
【0037】〔粘着剤D〕アクリル酸ブチルエステル
(BA)80g、メタクリル酸メチルエステル(MM
A)15g、アクリル酸(AAc)5g及びメタクリル
酸2−ヒドロキシエチルエステル(2HEMA)0.1
g、光開始剤としてのベンジルメチルケタール(チバガ
イギー社製,商品名「イルガキュアー651」)0.1
gを配合したモノマー混合液を窒素ガスを用いて20分
間バブリングすることにより溶存酸素を除去した。ポリ
エステルフィルム上に発泡体テープの堰を設けてその中
にモノマー混合液を流し込み、他のポリエステルフィル
ムで間に空気が残らないように積層した。これに高圧水
銀灯を用いて波長365nmの光を17mWの強度で6
0分間照射することにより重合を完了してアクリル系共
重合体を得た。得られた共重合体の重量平均分子量は3
2.3万、多分散度は2.81であった。これを粘着剤
Dとする。
【0038】<ブロック化分率>重合2段目以降の反応
により生成したグラフトもしくはブロック共重合体の割
合(ブロック化分率)は次のように規定する。粘着剤A
の第1工程で得られたポリマーA1及び粘着剤Aの0.
2重量%のTHF溶液を作製してGPC測定を行った。
検量線を用いた解析によりポリマーA1と粘着剤Aのl
ogMw対検出強度のグラフを作製した。このグラフを
重ね合わせ、粘着剤Aの曲線がポリマーA1の曲線に比
べ高分子量側にはみ出した部分の面積と低分子量側の減
少した部分の面積の和をSh(A)とし、ポリマーA1
の曲線の面積をS(A)とすると、ブロック化分率R
(%)は次式で表される。 R(%)=Sh(A)/S(A)×100
【0039】以下、粘着剤Bの第1工程で得られたポリ
マーB1及び粘着剤Cの第1工程で得られたポリマーC
1、および粘着剤Dについても同様にして測定した。粘
着剤Dについて上記の定義においてはブロック化分率は
0%であり、ラジカル重合の原理からみてもブロックポ
リマーは生成していないと考えられる。
【0040】 <粘着シートの製造> 〔塩化ビニル基材の製造〕 塩化ビニル樹脂(日本ゼオン社製,商品名「ゼオン121」)100重量部 金属安定剤(アデカアーガス社製,商品名「MARK−AP551」) 7重量部 ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チバガイギー社製,商品名「チヌビン3 26」) 0.5重量部 ポリエステル系可塑剤(アデカアーガス社製,商品名「P−300」) 30重量部 炭化水素系溶剤(シェル化学社製,商品名「ソルベッソ#150」) 60重量部 上記塩化ビニル系ゾル組成物をディゾルバー攪拌機で混
合し、これを上質紙にアルキッド樹脂を被覆した厚み1
70μmの剥離シート(大日本印刷社製,商品名「DN
TP−NML」)に塗工し、120℃で1分間予備乾燥
した後、200℃で1分間加熱して硬化させ、厚み50
μmの基材フィルムを得た。
【0041】<ポリオレフィン基材>ポリオレフィン基
材として、メタロセンポリエチレン(ダウケミカル社
製,商品名「アフィニティーPL1840」)をインフ
レーション成形した厚み50μmのフィルムを用いた。
【0042】(実施例1〜3、比較例1〜4)上記粘着
剤A〜Dの粘着剤溶液に、架橋剤としてメチロールプロ
パントリレンジイソシアネート3量体付加物の酢酸エチ
ル溶液(固形分45重量%,日本ポリウレタン社製,商
品名「コロネートL−45」)をアクリル系共重合体1
00重量部に対して2.5重量部添加し、均一に混合し
た後、離型紙上に乾燥後の厚みが30μmとなるように
塗工し、110℃で5分間乾燥して粘着剤層を形成し
た。上記粘着剤層を表1に示す通りの基材に貼り合わせ
て転写することにより粘着シートを作製した。
【0043】<粘着性能評価>実施例及び比較例で得た
粘着シートを試料として以下の評価を行った。 (1)粘着力 各試料を25mm幅に切り取り、これを被着体であるス
テンレス板に貼り付け、重量2kgのローラーを1往復
させて圧着し、20分後に300mm/分の速度で18
0度剥離力を測定した。 (2)曲面施工性 図1に示すように、長さ200mmのアルミニウム板1
を中央部で140度の角度で折り曲げて、その両端部
A、B間に長さ約200mmの粘着シート2を張り渡
し、この粘着シート2を伸ばしながら折り曲げ部へ押し
込むようにしてアルミニウム板1に貼り付けた。その状
態で1週間後に粘着シート2の浮き上がり状況を観察
し、次の基準で評価した。 ○:浮き上がりはなし △:ごく一部で浮きが発生 ×:貼付面積の50%以上で浮きが発生
【0044】(3)保持力 幅25mmの試料をステンレス板に貼り付け、その一端
部に100gの重りを吊るし、60℃の条件下で2時間
後のずれ値を測定した。
【0045】(4)施工性 低温(5℃)及び高温(30℃)の環境下で50mm幅
の試料をステンレス板に貼り付け、施工時の貼り易さを
次の基準で評価した。 低温(5℃)の場合 ○:被着体との貼着性がよく、施工性は良好である。 △:若干貼り付きにくく、施工がやや困難である。 ×:被着体との貼着性が悪く、簡単に剥がれてしまう。 高温(30℃)の場合 ○:粘着剤面がべたつかず、施工性は良好である。 △:若干粘着剤面がべたつき、施工しにくい。 ×:粘着剤が非常にべたつき、位置決めが困難で施工性
が悪い。 以上の結果を表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の粘着剤組成物は以上の構成であ
るから、夏季の高温下でもべたつきがなく、冬季の定温
下でも高い接着性を発揮し、金属板など極性の高い被着
体への接着性にも優れたもである。また、従来品並の製
造コストで得ることができる。この粘着剤組成物を使用
した粘着シートは、曲面を主体とする被着体に対しても
経時での浮き上がりや剥離が起こらず、オレフィン基材
に対する密着性に優れるので貼り直しの際に被着体に糊
残りなく剥がすことができる。従って、特に屋外や屋内
で用いられる広告ステッカー等、また、種々の物品の固
定・接合、医療用、包装用として好適に使用できるもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】曲面施工性を評価する方法を示す側面図。
【符号の説明】
1:アルミニウム板 2:粘着シート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーオキサイドビニルモノマーもしくは
    多官能開始剤を含有するアクリル系重合性組成物を、多
    段重合することにより得られるグラフト/ブロック共重
    合体を含む粘着剤組成物であって、上記多段重合におい
    て、重合1段目ポリマーから重合2段目以降の反応によ
    り生成したグラフトもしくはブロック共重合体の割合が
    上記粘着剤組成物の40重量%以上であることを特徴と
    するアクリル系粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 グラフトもしくはブロック共重合体にオ
    レフィンマクロマーが共重合されていることを特徴とす
    る請求項1に記載のアクリル系粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載のアクリ
    ル系粘着剤組成物が柔軟性基材に積層されてなることを
    特徴とする粘着シート。
  4. 【請求項4】 柔軟性基材がポリオレフィンフィルムで
    ある請求項3に記載の粘着シート。
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