JPH11335325A - 3−アセトキシ−2−メチル安息香酸の精製法 - Google Patents
3−アセトキシ−2−メチル安息香酸の精製法Info
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- JPH11335325A JPH11335325A JP15385198A JP15385198A JPH11335325A JP H11335325 A JPH11335325 A JP H11335325A JP 15385198 A JP15385198 A JP 15385198A JP 15385198 A JP15385198 A JP 15385198A JP H11335325 A JPH11335325 A JP H11335325A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 粗3−アセトキシ−2−メチル安息香酸中の
不純物を、再結晶により除去して精製する。 【解決手段】 不純物を含有する粗3−アセトキシ−2
−メチル安息香酸を、アセトニトリルとピリジン類との
混合溶媒を用いて再結晶することによって、不純物であ
る二量体を除去でき、高純度の3−アセトキシ−2−メ
チル安息香酸を高歩留で得る。
不純物を、再結晶により除去して精製する。 【解決手段】 不純物を含有する粗3−アセトキシ−2
−メチル安息香酸を、アセトニトリルとピリジン類との
混合溶媒を用いて再結晶することによって、不純物であ
る二量体を除去でき、高純度の3−アセトキシ−2−メ
チル安息香酸を高歩留で得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、3−アセトキシ
−2−メチル安息香酸の精製法に関する。詳しくは、3
−アセトキシ−2−メチル安息香酸を、特定の有機溶媒
を用い再結晶により精製し、高純度の3−アセトキシ−
2−メチル安息香酸を得る精製法に関する。
−2−メチル安息香酸の精製法に関する。詳しくは、3
−アセトキシ−2−メチル安息香酸を、特定の有機溶媒
を用い再結晶により精製し、高純度の3−アセトキシ−
2−メチル安息香酸を得る精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】3−アセトキシ−2−メチル安息香酸
(以下AMBAという)は、医薬品の中間体、例えば、
米国特許第5484926号の明細書に記載されている
ヒト免疫不全症ウイルスプロテアーゼ阻害剤の中間体と
して有用な化合物である。
(以下AMBAという)は、医薬品の中間体、例えば、
米国特許第5484926号の明細書に記載されている
ヒト免疫不全症ウイルスプロテアーゼ阻害剤の中間体と
して有用な化合物である。
【0003】従来、AMBAを得る方法としては、例え
ば、3−ニトロ−O−トルイル酸を還元して3−アミノ
−2−メチル安息香酸となし、これをジアゾ化・加水分
解して得た3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸をアセ
チル化する方法が知られている。この方法で得られるA
MBAは、種々の不純物を含有している。該不純物とし
ては、例えば、原料である3−ニトロ−O−トルイル酸
に含まれる異性体の5−ニトロ−O−トルイル酸に由来
する5−アセトキシ−2−メチル安息香酸、6−ニトロ
−O−トルイル酸に由来する6−アセトキシ−2−メチ
ル安息香酸がある。また、還元−ジアゾ化で生成する着
色物がある。アセチル化反応の未反応物である3−ヒド
ロキシ−2−メチル安息香酸、アセチル化工程において
AMBAと未反応物の3−ヒドロキシ−2−メチル安息
香酸とのエステル化により生成する二量体などがある。
このような種々の不純物を含有する粗AMBAは、その
ままでは医薬品の中間体として不適当であり、精製が必
要である。
ば、3−ニトロ−O−トルイル酸を還元して3−アミノ
−2−メチル安息香酸となし、これをジアゾ化・加水分
解して得た3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸をアセ
チル化する方法が知られている。この方法で得られるA
MBAは、種々の不純物を含有している。該不純物とし
ては、例えば、原料である3−ニトロ−O−トルイル酸
に含まれる異性体の5−ニトロ−O−トルイル酸に由来
する5−アセトキシ−2−メチル安息香酸、6−ニトロ
−O−トルイル酸に由来する6−アセトキシ−2−メチ
ル安息香酸がある。また、還元−ジアゾ化で生成する着
色物がある。アセチル化反応の未反応物である3−ヒド
ロキシ−2−メチル安息香酸、アセチル化工程において
AMBAと未反応物の3−ヒドロキシ−2−メチル安息
香酸とのエステル化により生成する二量体などがある。
このような種々の不純物を含有する粗AMBAは、その
ままでは医薬品の中間体として不適当であり、精製が必
要である。
【0004】種々の不純物を含有する粗AMBAの精製
法としては、粗AMBAを酢酸エチル濃度20%のヘキ
サン混合溶媒に加えて加熱溶解したのち、冷却して析出
する結晶を濾別する再結晶法(米国特許第548492
6号)がある。また、3−ヒドロキシ−2−メチル安息
香酸をピリジンに溶解し、無水酢酸を室温で加えて撹拌
し、エタノールを低温で加え、さらに室温下で撹拌した
のち濃縮し、油状物を得る。得た油状物を酢酸エチルに
溶解し、塩酸および飽和食塩水で順次洗浄し、有機層に
硫酸マグネシウムおよび活性炭を加えて撹拌し、不溶物
を濾別したのち、濾液を凝縮して固化した。固化物に混
在する酢酸を、トルエンで共沸除去したのち、残渣をト
ルエンで洗浄する方法(国際特許WO97/11937
号)が知られている。
法としては、粗AMBAを酢酸エチル濃度20%のヘキ
サン混合溶媒に加えて加熱溶解したのち、冷却して析出
する結晶を濾別する再結晶法(米国特許第548492
6号)がある。また、3−ヒドロキシ−2−メチル安息
香酸をピリジンに溶解し、無水酢酸を室温で加えて撹拌
し、エタノールを低温で加え、さらに室温下で撹拌した
のち濃縮し、油状物を得る。得た油状物を酢酸エチルに
溶解し、塩酸および飽和食塩水で順次洗浄し、有機層に
硫酸マグネシウムおよび活性炭を加えて撹拌し、不溶物
を濾別したのち、濾液を凝縮して固化した。固化物に混
在する酢酸を、トルエンで共沸除去したのち、残渣をト
ルエンで洗浄する方法(国際特許WO97/11937
号)が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記米国特許第548
4926号に開示の再結晶法では、本発明者らの実験に
よると、AMBAの高純度化は可能であるが、溶解に多
量の溶媒が必要であり、溶媒の回収に多量のエネルギー
を必要とし、工業的な方法ではない。また、国際特許W
O97/11937号に開示の方法では、AMBAの純
度上昇は認められなかった。その他の有機溶媒、例え
ば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類に粗AMBAを加え
て加熱溶解したのち、冷却して析出する結晶を濾別して
も、AMBAの高純度化は不可能であった。
4926号に開示の再結晶法では、本発明者らの実験に
よると、AMBAの高純度化は可能であるが、溶解に多
量の溶媒が必要であり、溶媒の回収に多量のエネルギー
を必要とし、工業的な方法ではない。また、国際特許W
O97/11937号に開示の方法では、AMBAの純
度上昇は認められなかった。その他の有機溶媒、例え
ば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサ
ン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類に粗AMBAを加え
て加熱溶解したのち、冷却して析出する結晶を濾別して
も、AMBAの高純度化は不可能であった。
【0006】本発明の目的は、上記従来法の欠点を解消
し、高純度に精製されたAMBAが得られる3−アセト
キシ−2−メチル安息香酸の精製法を提供することであ
る。
し、高純度に精製されたAMBAが得られる3−アセト
キシ−2−メチル安息香酸の精製法を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】従来法による再結晶は、
AMBAを高純度に精製できるが、極めて多量の溶媒を
使用するため、溶媒の回収に多量のエネルギーを必要と
し、工業的ではない。そこで、本発明者らは、工業的に
許容できる量で再結晶可能な溶媒を用い、精製できない
原因について検討した。その結果、3−ヒドロキシ−2
−メチル安息香酸および異性体である5−アセトキシ−
2−メチル安息香酸等の安息香酸類は除去できるが、A
MBAと3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸とのエス
テル化により生成する二量体は、全く除去できないこと
を究明した。そこで、本発明者らは、AMBAと3−ヒ
ドロキシ−2−メチル安息香酸とのエステル化により生
成する二量体の除去について検討を重ねた結果、アセト
ニトリルにピリジン類を添加した混合溶媒を用いて再結
晶することによって、前記二量体を除去でき、高純度の
AMBAが得られることを見い出し、本発明に到達し
た。
AMBAを高純度に精製できるが、極めて多量の溶媒を
使用するため、溶媒の回収に多量のエネルギーを必要と
し、工業的ではない。そこで、本発明者らは、工業的に
許容できる量で再結晶可能な溶媒を用い、精製できない
原因について検討した。その結果、3−ヒドロキシ−2
−メチル安息香酸および異性体である5−アセトキシ−
2−メチル安息香酸等の安息香酸類は除去できるが、A
MBAと3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸とのエス
テル化により生成する二量体は、全く除去できないこと
を究明した。そこで、本発明者らは、AMBAと3−ヒ
ドロキシ−2−メチル安息香酸とのエステル化により生
成する二量体の除去について検討を重ねた結果、アセト
ニトリルにピリジン類を添加した混合溶媒を用いて再結
晶することによって、前記二量体を除去でき、高純度の
AMBAが得られることを見い出し、本発明に到達し
た。
【0008】本発明のAMBAの精製法は、不純物を含
有する粗AMBAを、アセトニトリルとピリジン類との
混合溶媒を用いて再結晶することを特徴とする。このよ
うに、粗AMBAをアセトニトリルとピリジン類との混
合溶媒に添加して再結晶することによって、AMBAと
3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸とのエステル化に
より生成する二量体を含む粗AMBA中の不純物が除去
され、高純度のAMBAを高収率で回収することができ
る。
有する粗AMBAを、アセトニトリルとピリジン類との
混合溶媒を用いて再結晶することを特徴とする。このよ
うに、粗AMBAをアセトニトリルとピリジン類との混
合溶媒に添加して再結晶することによって、AMBAと
3−ヒドロキシ−2−メチル安息香酸とのエステル化に
より生成する二量体を含む粗AMBA中の不純物が除去
され、高純度のAMBAを高収率で回収することができ
る。
【0009】本発明において用いるアセトニトリルとピ
リジン類との混合溶媒は、アセトニトリルに対してピリ
ジン類を0.1〜10重量%添加したものである。混合
溶媒の使用量は、粗3−アセトキシ−2−メチル安息香
酸に対してアセトニトリルを重量比で0.7〜1.5で
ある。この混合溶媒を用いた再結晶法では、従来除去困
難であった粗AMBA中のAMBAと3−ヒドロキシ−
2−メチル安息香酸とのエステル化により生成する二量
体を除去でき、高純度のAMBAを高歩留で回収するこ
とができる。
リジン類との混合溶媒は、アセトニトリルに対してピリ
ジン類を0.1〜10重量%添加したものである。混合
溶媒の使用量は、粗3−アセトキシ−2−メチル安息香
酸に対してアセトニトリルを重量比で0.7〜1.5で
ある。この混合溶媒を用いた再結晶法では、従来除去困
難であった粗AMBA中のAMBAと3−ヒドロキシ−
2−メチル安息香酸とのエステル化により生成する二量
体を除去でき、高純度のAMBAを高歩留で回収するこ
とができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において出発原料として使
用する粗AMBAは、前記した3−ニトロ−O−トルイ
ル酸の還元−ジアゾ化・加水分解−アセチル化、7−ア
ミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸のアルカリ分解
−アセチル化等によって製造することができる。ただ
し、本発明で用いる粗AMBAは、前記の製造法で得た
ものに限定するものではなく、いずれの製造法によって
得たものであっても使用できる。
用する粗AMBAは、前記した3−ニトロ−O−トルイ
ル酸の還元−ジアゾ化・加水分解−アセチル化、7−ア
ミノ−1,5−ナフタレンジスルホン酸のアルカリ分解
−アセチル化等によって製造することができる。ただ
し、本発明で用いる粗AMBAは、前記の製造法で得た
ものに限定するものではなく、いずれの製造法によって
得たものであっても使用できる。
【0011】本発明における再結晶のための混合溶媒の
アセトニトリル使用量は、粗AMBAに対して重量比で
0.7未満では、不純物である二量体の除去が十分でな
く、また、1.5を超えるとAMBAの回収歩留が低下
するので、粗AMBAに対して重量比で0.7〜1.
5、好ましくは0.8〜1.0である。本発明において
アセトニトリルに添加するピリジン類の量は、アセトニ
トリルに対して0.1重量%未満では、不純物である二
量体の除去が十分でなく、10重量%を超えるとAMB
Aの回収歩留が低下するので、アセトニトリルに対して
0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜10重量%で
ある。
アセトニトリル使用量は、粗AMBAに対して重量比で
0.7未満では、不純物である二量体の除去が十分でな
く、また、1.5を超えるとAMBAの回収歩留が低下
するので、粗AMBAに対して重量比で0.7〜1.
5、好ましくは0.8〜1.0である。本発明において
アセトニトリルに添加するピリジン類の量は、アセトニ
トリルに対して0.1重量%未満では、不純物である二
量体の除去が十分でなく、10重量%を超えるとAMB
Aの回収歩留が低下するので、アセトニトリルに対して
0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜10重量%で
ある。
【0012】本発明におけるピリジン類とは、ピリジ
ン、アルキルピリジン(ピコリン、ルチジン等)、p−
ジメチルアミノビリジン、ベンゾピリジン類(キノリ
ン、イソキノリン等)を使用できるが、好ましくはピリ
ジンである。
ン、アルキルピリジン(ピコリン、ルチジン等)、p−
ジメチルアミノビリジン、ベンゾピリジン類(キノリ
ン、イソキノリン等)を使用できるが、好ましくはピリ
ジンである。
【0013】前記混合溶媒に粗AMBAを添加して再結
晶するには、混合溶媒に粗AMBAを添加して加熱溶解
したのち、冷却あるいは濃縮して結晶を析出させるのが
一般的である。粗AMBAを加熱溶解するときの温度
は、70℃以上ないし溶媒を還流できる温度が好ましい
が、必要に応じてそれ以下の温度で行ってもよい。ま
た、加圧下に加熱溶解することもできる。
晶するには、混合溶媒に粗AMBAを添加して加熱溶解
したのち、冷却あるいは濃縮して結晶を析出させるのが
一般的である。粗AMBAを加熱溶解するときの温度
は、70℃以上ないし溶媒を還流できる温度が好ましい
が、必要に応じてそれ以下の温度で行ってもよい。ま
た、加圧下に加熱溶解することもできる。
【0014】精製AMBAを析出させる温度は、精製A
MBAが析出する温度であればよく、特に限定しない
が、通常10〜40℃である。また、冷却する温度も制
限がなく、必要に応じて実施すればよい。濃縮法として
は、加熱濃縮法、減圧濃縮法、噴霧濃縮法または通風濃
縮法を用いることができる。
MBAが析出する温度であればよく、特に限定しない
が、通常10〜40℃である。また、冷却する温度も制
限がなく、必要に応じて実施すればよい。濃縮法として
は、加熱濃縮法、減圧濃縮法、噴霧濃縮法または通風濃
縮法を用いることができる。
【0015】粗AMBAは、アセトニトリルとピリジン
類との混合溶媒を用いた再結晶のみで、従来除去困難で
あった不純物の二量体が除去され、医薬品の中間体とし
て実用に供することができるほど高純度に精製できる
が、加熱溶解した後に活性炭、活性白土、酸性白土等の
脱色剤を加え、熱時濾過する脱色操作を実施することも
できる。
類との混合溶媒を用いた再結晶のみで、従来除去困難で
あった不純物の二量体が除去され、医薬品の中間体とし
て実用に供することができるほど高純度に精製できる
が、加熱溶解した後に活性炭、活性白土、酸性白土等の
脱色剤を加え、熱時濾過する脱色操作を実施することも
できる。
【0016】
【実施例】実施例1 再結晶原料として用いた粗AMBAは、3−ニトロ−O
−トルイル酸の還元−ジアゾ化・加水分解−アセチル化
によって製造したものである。その組成は、表1に示
す。表1に示す組成の粗AMBA20gを、撹拌機、還
流冷却器および温度計を備えた容量100mlのガラス
製反応器に仕込んだ。混合溶媒としては、アセトニトリ
ル16g(AMBAに対し重量比で0.8)とピリジン
1.12g(アセトニトリルに対し7.00重量%)を
仕込んだ。粗AMBAは、撹拌機により撹拌しながら、
ガラス製反応器を加熱して溶媒を還流しながら溶解し
た。その後、25℃まで冷却し、結晶を析出させた。析
出した結晶は、吸引濾過により濾別分離し、60℃で減
圧乾燥したのち、目的とする精製AMBAを得た。精製
AMBAの純度は、液体クロマトグラフを用いて分析し
た結果、99.7%、不純物である二量体含有率は0.
3%であった。精製AMBAの回収率は、粗AMBA基
準で69.6mol%であった。その結果を表2に示
す。
−トルイル酸の還元−ジアゾ化・加水分解−アセチル化
によって製造したものである。その組成は、表1に示
す。表1に示す組成の粗AMBA20gを、撹拌機、還
流冷却器および温度計を備えた容量100mlのガラス
製反応器に仕込んだ。混合溶媒としては、アセトニトリ
ル16g(AMBAに対し重量比で0.8)とピリジン
1.12g(アセトニトリルに対し7.00重量%)を
仕込んだ。粗AMBAは、撹拌機により撹拌しながら、
ガラス製反応器を加熱して溶媒を還流しながら溶解し
た。その後、25℃まで冷却し、結晶を析出させた。析
出した結晶は、吸引濾過により濾別分離し、60℃で減
圧乾燥したのち、目的とする精製AMBAを得た。精製
AMBAの純度は、液体クロマトグラフを用いて分析し
た結果、99.7%、不純物である二量体含有率は0.
3%であった。精製AMBAの回収率は、粗AMBA基
準で69.6mol%であった。その結果を表2に示
す。
【0017】
【表1】
【0018】比較例1 溶媒としてピリジンを添加しない以外は、実施例1と同
一条件で再結晶して精製AMBAを得た。その結果、A
MBA純度93.8%、AMBAの回収率は、粗AMB
A基準で93.1mol%であった。しかし、不純物で
ある二量体含有率は、6.1%であり、全く除去できて
いなかった。その結果を表2に示す。
一条件で再結晶して精製AMBAを得た。その結果、A
MBA純度93.8%、AMBAの回収率は、粗AMB
A基準で93.1mol%であった。しかし、不純物で
ある二量体含有率は、6.1%であり、全く除去できて
いなかった。その結果を表2に示す。
【0019】実施例2 ピリジン添加量を0.4gとした以外は、実施例1と同
一条件で再結晶して精製AMBAを得た。その結果、A
MBA純度99.7%、不純物である二量体含有率0.
3%であり、精製AMBAの回収率は、粗AMBA基準
で83mol%であった。その結果を表2に示す。
一条件で再結晶して精製AMBAを得た。その結果、A
MBA純度99.7%、不純物である二量体含有率0.
3%であり、精製AMBAの回収率は、粗AMBA基準
で83mol%であった。その結果を表2に示す。
【0020】比較例2 溶媒のアセトニトリルを、酢酸エチル濃度20%のヘキ
サン混合溶媒に代え、ピリジンを添加しない以外は、実
施例1と同一条件で再結晶して精製AMBAを得た。こ
のとき粗AMBAを溶解するに必要な酢酸エチル濃度2
0%のヘキサン混合溶媒の量は、860gであった。そ
の結果、AMBA純度99.7%、不純物である二量体
含有率は、0.33%であり、AMBAの回収率は、粗
AMBA基準で79.4mol%であった。その結果を
表2に示す。
サン混合溶媒に代え、ピリジンを添加しない以外は、実
施例1と同一条件で再結晶して精製AMBAを得た。こ
のとき粗AMBAを溶解するに必要な酢酸エチル濃度2
0%のヘキサン混合溶媒の量は、860gであった。そ
の結果、AMBA純度99.7%、不純物である二量体
含有率は、0.33%であり、AMBAの回収率は、粗
AMBA基準で79.4mol%であった。その結果を
表2に示す。
【0021】比較例3 溶媒のアセトニトリルをトルエン52gに代え、ピリジ
ンを添加しない以外は、実施例1と同一条件で再結晶し
て精製AMBAを得た。その結果、AMBA純度95.
3%、AMBAの回収率は、粗AMBA基準で90.4
mol%であった。しかし、不純物である二量体含有率
4.7%で、殆ど除去できなかった。その結果を表2に
示す。
ンを添加しない以外は、実施例1と同一条件で再結晶し
て精製AMBAを得た。その結果、AMBA純度95.
3%、AMBAの回収率は、粗AMBA基準で90.4
mol%であった。しかし、不純物である二量体含有率
4.7%で、殆ど除去できなかった。その結果を表2に
示す。
【0022】比較例4 溶媒のアセトニトリルをトルエン52gに代え、ピリジ
ン添加量を0.4gとした以外は、実施例1と同一条件
で再結晶して精製AMBAを得た。その結果、AMBA
純度96.3%、AMBAの回収率は、粗AMBA基準
で94.3mol%であった。しかし、不純物である二
量体含有率は、3.8%であり、殆ど除去できなかっ
た。その結果を表2に示す。
ン添加量を0.4gとした以外は、実施例1と同一条件
で再結晶して精製AMBAを得た。その結果、AMBA
純度96.3%、AMBAの回収率は、粗AMBA基準
で94.3mol%であった。しかし、不純物である二
量体含有率は、3.8%であり、殆ど除去できなかっ
た。その結果を表2に示す。
【0023】
【表2】
【0024】表2に示すように、再結晶溶媒としてアセ
トニトリルに少量のピリジンを添加した混合溶媒を用い
た実施例1、2では、AMBA純度99.7%の精製A
MBAを、75%以上の歩留で得ることができる。これ
に対し、比較例1、3、4では、粗AMBAに含まれる
不純物である二量体を殆ど除去できず、AMBA純度は
96%程度が限度である。また、再結晶溶媒として、酢
酸エチル濃度20%のヘキサン混合溶媒を用いた比較例
2では、粗AMBAの40重量倍以上と極めて多量の溶
媒を用いなければ、高純度化できなかった。
トニトリルに少量のピリジンを添加した混合溶媒を用い
た実施例1、2では、AMBA純度99.7%の精製A
MBAを、75%以上の歩留で得ることができる。これ
に対し、比較例1、3、4では、粗AMBAに含まれる
不純物である二量体を殆ど除去できず、AMBA純度は
96%程度が限度である。また、再結晶溶媒として、酢
酸エチル濃度20%のヘキサン混合溶媒を用いた比較例
2では、粗AMBAの40重量倍以上と極めて多量の溶
媒を用いなければ、高純度化できなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明のAMBAの精製法は、1種類の
単一有機溶媒での再結晶では除去できない二量体等の不
純物を、アセトニトリルにピリジン類を添加した混合溶
媒を少量用い、再結晶することによって除去でき、医薬
品の中間体として使用可能な高純度に精製できる。AM
BAの工業的製造法として有用である。
単一有機溶媒での再結晶では除去できない二量体等の不
純物を、アセトニトリルにピリジン類を添加した混合溶
媒を少量用い、再結晶することによって除去でき、医薬
品の中間体として使用可能な高純度に精製できる。AM
BAの工業的製造法として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 育夫 茨城県鹿嶋市大字光3番地 住金ケミカル 株式会社開発研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 不純物を含有する粗3−アセトキシ−2
−メチル安息香酸を、溶媒としてアセトニトリルとピリ
ジン類との混合溶媒を用いて再結晶することを特徴とす
る3−アセトキシ−2−メチル安息香酸の精製法。 - 【請求項2】 粗3−アセトキシ−2−メチル安息香酸
に対してアセトニトリルを重量比で0.7〜1.5用
い、アセトニトリルに対してピリジン類を0.1〜10
重量%添加することを特徴とする請求項1記載の3−ア
セトキシ−2−メチル安息香酸の精製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15385198A JPH11335325A (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 3−アセトキシ−2−メチル安息香酸の精製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15385198A JPH11335325A (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 3−アセトキシ−2−メチル安息香酸の精製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11335325A true JPH11335325A (ja) | 1999-12-07 |
Family
ID=15571499
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15385198A Pending JPH11335325A (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 3−アセトキシ−2−メチル安息香酸の精製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11335325A (ja) |
-
1998
- 1998-05-18 JP JP15385198A patent/JPH11335325A/ja active Pending
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