JPH11335293A - 細胞賦活物質、細胞賦活物質の調製法、及び皮膚外用剤 - Google Patents

細胞賦活物質、細胞賦活物質の調製法、及び皮膚外用剤

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JPH11335293A
JPH11335293A JP10141065A JP14106598A JPH11335293A JP H11335293 A JPH11335293 A JP H11335293A JP 10141065 A JP10141065 A JP 10141065A JP 14106598 A JP14106598 A JP 14106598A JP H11335293 A JPH11335293 A JP H11335293A
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JP
Japan
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chlorella
cell
organic solvent
extract
cell activator
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Application number
JP10141065A
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English (en)
Inventor
Tatsutoshi Shiraishi
達敏 白石
Yumiko Nishida
由美子 西田
Toshiro Sone
俊郎 曽根
Minoru Ichioka
稔 市岡
Makoto Owaki
真 大脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yakult Honsha Co Ltd
Original Assignee
Yakult Honsha Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロレラ抽出画分の中でも特に細胞増殖作用
及びコラーゲン産生促進作用等の生理活性の強い細胞賦
活物質を得る。 【解決手段】 有機溶媒によるクロレラ抽出物を有効成
分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は皮膚細胞の賦活物
質、並びにこれを含有する医薬品、医薬部外品、或いは
化粧品分野の各種皮膚外用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】クロレラは、クロロコッカス目(Chloroc
ocales) オオシスティス科(Oocystaceae) クロレラ属(C
hlorella) に分類される直径3〜10ミクロンの球形或い
は楕円形の淡水性単細胞緑藻類である。その藻体中には
良質のタンパク質や必須アミノ酸、ビタミン類、ミネラ
ル類がバランスよく豊富に含有されており、増殖速度が
速く、生産性が高いという利点もあるため、健康食品、
食品素材、及び養殖魚等の試料素材等として好適に利用
されている。
【0003】クロレラの熱水抽出液は、可溶性タンパク
質、アミノ酸、糖類等を含有する細胞増殖因子として知
られている。これは、ヒト細胞へ有用な成分と考えられ
ており、化粧料の素材等として応用されている。例え
ば、特開昭57−206384号公報にはクロレラ熱水抽出液を
0.03〜5.00%含有する化粧料が、特開昭52−125635号公
報にはクロレラ抽出液と蜂蜜とを含有する皮膚化粧料
が、特開昭55−062005号公報にはクロレラの水性溶媒抽
出液を含有する皮膚化粧料が、それぞれ開示されてい
る。そして、これらが皮膚へ及ぼす生理作用として、シ
ミ、しわの除去、皮膚細胞の賦活化等が挙げられてい
る。また、特開昭54−076834号公報には、クロレラ熱水
抽出物を含有する養毛剤が開示されている。
【0004】更に、上記のようなクロレラ水抽出物の細
胞賦活作用に関し、特開昭57−206384号公報にはクロレ
ラの水性抽出物がヒト細胞の分裂回数を伸ばす旨が、特
開平9-040523公報にはクロレラの水抽出物が線維芽細胞
増殖促進作用を有することがそれぞれ開示されている。
【0005】以上のように、クロレラの水抽出物若しく
は水性溶媒抽出物に関しては、細胞の賦活化等様々な有
用作用が報告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らがクロレラ抽出物の有する生理作用に関し研究した
ところ、クロレラの水抽出物には、1〜250μg/ml程
度の低濃度では、明確な細胞増殖作用は見られなかっ
た。この点に関し、特開平9−40523号公報には、
およそ500μg/mlと高濃度のクロレラ抽出画分を用い
る線維芽細胞の増殖作用が確認されている。
【0007】しかし、クロレラ抽出物を化粧料等に配合
する場合、高濃度ではコストの増加、着色、乳化状態の
悪化及び塩の析出等の問題が生じてしまう。
【0008】従って、本発明は、クロレラ抽出画分の中
でも特に細胞賦活作用等の生理活性の強い細胞賦活物質
を得ることを目的とする。また、この生理活性の強い細
胞賦活物質を含有する皮膚外用剤を得ることを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本請求項1に記載された
発明に係る細胞賦活物質は、有機溶媒によるクロレラ抽
出物を有効成分とするものである。
【0010】本請求項2に記載された発明に係る細胞賦
活物質は、メタノール又はヘキサンの何れかの有機溶媒
によるクロレラ抽出物を有効成分とするものである。
【0011】本請求項3に記載された発明に係る細胞賦
活物質の調製法は、有機溶媒にクロレラ乾燥体を水非存
在下で接触させて、該クロレラ乾燥体の細胞賦活物質成
分を該有機溶媒中に溶出させる方法である。
【0012】本請求項4に記載された発明に係る細胞賦
活物質の調製法は、メタノール又はヘキサンの何れかの
有機溶媒にクロレラ乾燥体を水非存在下で接触させて、
該クロレラ乾燥体の細胞賦活物質成分を該有機溶媒中に
溶出させる方法である。
【0013】本請求項5に記載された発明に係る皮膚外
用剤は、有機溶媒によるクロレラ抽出物を有効成分とす
るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明においては、アルコールを
始めとして極性値(Polarity Index:Godfrey,Norman B.,
"Solvent Selection via Miscibility Number",CHEMTE
CH, pp.359-363, 1972) が6.6 以下の有機溶媒を用いて
抽出を行うと強いヒト線維芽細胞の増殖促進作用を有す
る細胞賦活成分が抽出されるが、実質的に溶媒中に水が
混入されているとクロレラ中の細胞賦活成分の収率が低
下することを見出し本発明を完成した。
【0015】即ち、本発明の細胞賦活物質は、有機溶媒
によるクロレラ抽出物を有効成分とするものである。こ
れにより、細胞賦活成分を有するクロレラ抽出画分を多
く含み、抽出画分の中でも特に細胞増殖作用、コラーゲ
ン産生等の促進作用等の生理活性の強い細胞賦活物質を
得ることができる。
【0016】本発明の有機溶媒としては、極性値が 6.6
以下であるものが選択される。例えば、メタノール(極
性値 6.6)、アセトン(極性値 5.4)、エタノール(極
性値5.2)、ベンゼン(極性値 3.0)、ヘキサン(極性
値 0.0)の何れか1つ以上の有機溶媒が選択される。
【0017】より好ましくは、メタノール(極性値 6.
6)又はヘキサン(極性値 0.0)が選択される。有機溶
媒としてのメタノールは、他の有機溶媒と比べて細胞賦
活物質が圧倒的に多く抽出することができるからであ
る。一方、有機溶媒としてのヘキサンは、他の有機溶媒
と比べて細胞増殖効果が高いからである。
【0018】また、抽出に使用するクロレラの種は特に
限定されず、クロレラ・ブルガリス(Chlorella vulgar
is)、クロレラ・ピレノイドサ(Chlorella pyrenoidos
a )、クロレラ・レギュラリス(Chlorella regularis
)、クロレラ・エリプソイディア(Chlorella ellipso
idea )などいずれも好適に使用可能である。中でも増
殖性及び対糖収率の面から、クロレラ・レギュラリス
Chlorella regularis )が好ましい。
【0019】本発明の細胞賦活物質の調製は、前記有機
溶媒によってクロレラ乾燥体を水非存在下で接触させ
て、該クロレラ乾燥体の細胞賦活物質成分を該有機溶媒
中に溶出させて得られる。
【0020】具体的には、クロレラ藻体を前記有機溶媒
(例えばアルコール)に接触させ、抽出を行う。この場
合、クロレラ藻体中の水分によってクロレラ中の有効成
分の抽出効率が低下するため、充分に乾燥させる。
【0021】抽出は、クロレラに溶媒を添加した後、常
温あるいは加熱した状態で行えばよい。このとき、抽出
温度や時間等の条件は特に限定されるものではないが、
抽出の作業性等を考慮すると、温度は室温から60℃程度
までの範囲内、抽出時間は15〜45分程度の範囲内とする
のが好ましい。
【0022】こうして得られる抽出物は、そのままでも
強い細胞賦活作用を有しているものの、遠心分離、限外
濾過等の手段によって上清画分を回収することにより、
更に活性の強いものが得られる。このような抽出方法の
1例として、例えば、乾燥したクロレラ粉末にメタノー
ルを接触させ、50〜60℃で15分間振盪する方法が挙げら
れる。これにより得られる抽出物の上清画分は、強い細
胞増殖促進作用ばかりでなくコラーゲン産生促進作用を
も有している。
【0023】上記のようにして得られるクロレラ抽出物
は、使用する溶媒の種類によっては抽出物もしくはその
上清画分をそのまま使用できる。しかしながら、メタノ
ール等のように溶媒自体に細胞毒性がある場合には、こ
れをそのまま皮膚外用剤等へ配合するよりも他の配合成
分と混合することにより充分に希釈するか、噴霧乾燥或
いは加熱乾燥等適宜の手段で溶媒を取り除いてから使用
に供することが好ましい。
【0024】また、本発明のクロレラ抽出物あるいはそ
の上清画分は、上記のような溶媒の種類に応じた処理の
必要性にかかわらず、使用目的に応じて乾燥、濃縮、あ
るいは希釈などの操作を行い使用してもよい。必要な
ら、その効力に影響のない範囲で脱臭、脱色などの精製
処理を、通常使用される手段を用いて行ってもよい。
【0025】本発明のクロレラ抽出物を皮膚外用剤等に
配合する場合、その配合量は特に規定されるものではな
く、クロレラ重量に対して好ましくは0.01%〜90%、特
にコスト面等の理由からは 0.1%〜50%とすることが好
ましい。配合量の細かい設定は、細胞賦活物質、医薬
品、医薬部外品あるいは化粧料等、用途やその種類、品
質、期待される作用の程度等を考慮し、適宜決定すれば
よい。
【0026】本発明においては、上記クロレラ抽出物が
ヒト皮膚由来線維芽細胞の増殖促進作用及びコラーゲン
産生促進作用を有すること、また、クロレラを水性溶媒
(水あるいは酸、塩基、塩もしくは有機溶媒が溶解され
た溶解水等)で抽出すると細胞賦活成分がほとんど抽出
されないことが見出された。しかし、このような知見は
従来の報告、すなわちクロレラの熱水抽出物に細胞賦活
作用がある等の報告に相違するものである。上記報告例
の中には熱水抽出物をゲル濾過等の手段で精製している
ものもあるため、このような処理によって抽出物中の細
胞賦活物質を阻害する物質が除去されている可能性もあ
り、また、クロレラ抽出物の濃度を高めることで細胞賦
活作用が現れる可能性もあるが、これは定かではない。
【0027】しかしながら、本発明では培地中に動物血
清が存在するか否かにかかわらず、クロレラ抽出物が線
維芽細胞の増殖を促進することなど、その細胞賦活作用
は充分に確かめられており、このことから、クロレラを
極性の低い溶媒で抽出することにより、細胞賦活作用を
有する抽出物が効率よく得られることは明らかである。
これは、クロレラ成分の中でも比較的低極性の溶媒に親
和性が高いと思われる物質に細胞賦活作用があることを
示唆していると考えられる。
【0028】本発明のクロレラ抽出物は、上記のように
医薬品、医薬部外品、化粧料等様々な用途に使用可能で
ある。その際、各種賦形剤、水、アルコール類、油成
分、界面活性剤、防腐剤、香料、色素等これらに通常使
用されている成分と併用しても何ら間題はない。また、
他の細胞賦活物質を配合することによって、よりいっそ
うの賦活効果が期待できる。
【0029】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】製造例1 クロレラの培養 クロレラ(Chlorella regularis S-88)を、炭素源とし
てグルコースを用い、無機塩存在下で36℃で25〜26時間
培養した。培養後、水洗して噴霧乾燥した。
【0031】製造例2 クロレラの有機溶媒抽出 製造例1で得られたクロレラ乾燥末10gに 100mlのメタ
ノールを加え、50℃で15分間振盪抽出した。抽出液を遠
心分離後、残渣に 100mlのメタノールを加え、同条件で
再度振盪抽出した。この操作を2回繰り返した後、全て
の抽出上清を回収し、50℃で減圧乾固して、抽出画分 7
80mgを得た。この抽出画分にジメチルスルホキシド(D
MSO)適量を添加して十分混和した後、孔径 0.2mmの
フィルターにて濾過滅菌した。
【0032】尚、有機溶媒をアセトン、エタノール、ベ
ンゼン、ヘキサンとして、同様の操作によって、各有機
溶媒の抽出画分を得た。次の表1に各溶媒による固形物
量を比較した結果を示す。表1に示すとおり、メタノー
ルによる抽出は他の溶媒と比較して圧倒的に多いことが
判る。
【0033】
【表1】
【0034】製造例3 クロレラの水抽出 製造例1で得られたクロレラ乾燥末10gに水 100mlを加
え、90℃で2時間振盪抽出した。抽出液を遠心分離し、
凍結乾燥して抽出画分1.07gを得た。この抽出画分に水
75mlを添加して十分混和した後、孔径 0.2mmのフィルタ
ーにて濾過滅菌した。
【0035】試験例1 細胞増殖試験 10%FCS(牛胎児血清)含有RITC80-7培地(商品名;
極東製薬工業(株)より市販)を用い、ヒト皮膚由来正
常線維芽細胞(CCD45SK;大日本製薬(株)より市販)を
1×10cells/wellの密度で96 Wells plateに分注
し、24時間、37℃、5%CO存在下にて培養した。
その後培地を、所定の濃度に被験物質を添加した10%F
CS含有RITC80-7培地に交換し、9日間、37℃、5%C
存在下にて培養した。
【0036】培養後、培地を取り除き、0.4 %クリスタ
ルバイオレットメタノール溶液を加えて30分間室温で静
置した後に水洗し、増殖した線維芽細胞量を乾燥後、59
0 nmの吸光度の比較によって求めた。尚、被験物質の溶
媒のみを添加した10%FCS含有RITC80-7培地をコント
ロールとして比較検討した。得られた結果を以下の表2
と表3、及び図1と図2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】表2は、製造例2で得られたクロレラ熱メ
タノール抽出画分の細胞増殖促進効果を示し、図1は、
表2をグラフ化した棒グラフである。図において、**
はコントロールに対して有意(p<0.01、n=6)を示
す。表3は、製造例3で得られたクロレラ熱水抽出画分
の細胞増殖への影響を示し、図2は、表3をグラフ化し
た棒グラフである。
【0040】表2及び図1より、製造例2で得られたク
ロレラ熱メタノール抽出画分は、線維芽細胞の増殖を促
進することが示され、濃度が 260.00 μg/mlでコントロ
ールに比較して約80%の増殖促進が認められた。一方、
表3及び図2より、製造例3で得られたクロレラ熱水抽
出画分は細胞増殖には、ほとんど影響しないことがわか
った。
【0041】試験例2 無血清培養試験 10%FCS含有RITC80-7培地を用い、ヒト皮膚由来正
常線維芽細胞(CCD45SK )を1×10cells/wellの密
度で 96 wells plate に分注し、24時間、37℃、5%C
存在下にて培養した。その後、被験物質を添加し
た無血清培地に培地を交換し、9日間、37℃、5%CO
存在下にて培養した。培養後、トリプシン処理によ
り細胞を回収し、コールターカウンターにて細胞数を求
めた。無血清培地としては5g/Lの牛血清アルブミ
ン、0.01mg/LのEGF、1mg/Lのインシュリンおよ
び1mg/Lのハイドロコーチゾンを添加したRITC80-7培
地を用いた。尚、被験物質の溶媒のみを添加した無血清
培地をコントロールとして比較検討した。結果を図3に
示す。
【0042】図3は、無血清培地におけるクロレラ熱メ
タノール抽出画分の細胞の増殖促進効果を示す棒グラフ
である。図3に示す通り、製造例2で得られたクロレラ
熱メタノール抽出画分は、無血清下でも線維芽細胞の増
殖を促進することが示され、130.0 μg/mlの濃度でコン
トロールに比較して約50%の増殖の促進が認められ
た。
【0043】試験例3 コラーゲン産生試験 10%FCS含有RITC80-7培地を用い、ヒト皮膚由来正
常線維芽細胞(CCD45SK )を1×10cells/wellの密
度で 96 Wells plate に分注し、24時間、37℃、5%C
存在下にて培養した。その後、被験物質を添加し
た無血清培地に培地を交換し、6日間、37℃、5%CO
存在下にて培養した。無血清培地としては、5g/
Lの牛血清アルブミン、0.01mg/LのEGF、1mg/L
のインシュリンおよび1mg/Lのハイドロコーチゾンを
添加したRITC80-7培地を用いた。培養後、培地を回収
し、Procollagen type I C-peptide (PIP) EIA Kit(商
品名;宝酒造株式会社より市販)を用いて培地中のPI
P量を測定した。尚、被験物質の溶媒のみを添加した無
血清培地をコントロールとして比較検討した。結果を図
4に示す。
【0044】図4は、クロレラ熱メタノール抽出画分の
細胞由来Procollagen typeI産生促進効果を示す棒グラ
フである。図示の通り、クロレラ熱メタノール抽出画分
はコントロールに対して細胞あたりのP1P産生量を促
進することが確認でき、例えば130.0 μg/mlの濃度でコ
ントロールに比較して約90%の産生促進が認められ
た。
【0045】試験例4 各有機溶媒抽出画分による細胞
増殖促進効果とコラーゲン産生促進効果 試験例3と同様に、10%FCS含有RITC80-7培地を用
い、ヒト皮膚由来正常線維芽細胞(CCD45SK )を1×10
cells/wellの密度で 96 wells plate に分注し、24
時間、37℃、5%CO存在下にて培養した。その後
培地を、各有機溶媒からの被験物質を添加した無血清培
地に交換し、6日間、37℃、5%CO存在下にて培
養した。培養後、トリプシン処理により細胞を回収し、
コールターカウンターにて細胞数を求めた。無血清培地
としては5g/Lの牛血清アルブミン、0.01mg/LのE
GF、1mg/Lのインシュリンおよび1mg/Lのハイド
ロコーチゾンを添加したRITC80-7培地を用いた。尚、被
験物質の溶媒のみを添加した無血清培地をコントロール
として比較検討した。結果を次の表4及び図5に示す。
【0046】培養後、培地を回収し、Procollagen type
I C-peptide(P1P)EIA Kit (宝酒造株式会社より
市販)を用いて培地中のP1P量を測定した。なお、被
験物質の溶媒のみを添加した無血清培地をコントロール
として比較検討した。結果を表4及び図6に示す。
【0047】
【表4】
【0048】図5は、各有機溶媒抽出画分による細胞増
殖促進効果を示す折れ線グラフであり、図6は、各有機
溶媒抽出画分によるProcollagen typeI産生効果を示す
折れ線グラフである。図5に示す通り、抽出画分の添加
濃度に応じて細胞数が増加していることが判る。特に、
ヘキサンによる抽出画分では細胞増殖促進効果が優れて
いることが判る。また、図6に示す通り、各有機溶媒抽
出画分の全てにコラーゲン産生効果が確認された。
【0049】以下の各実施例について常法に従い、各々
の組成に示す外用剤を作製した。 実施例1 下記組成のメークアップベースを製造した。 (1) クロレラ熱メタノール抽出画分 7.0(重量%) (2) ステアリン酸 3.0 (3) グリセリンモノステアレート 3.0 (4) セタノール 1.5 (5) ミリスチン酸イソプロピル 6.0 (6) 流動パラフィン 4.0 (7) ミツロウ 4.0 (8) ブチルパラベン 0.2 (9) 1,3ブチレングリコール 3.0 (10)トリエタノールアミン 1.5 (11)キサンタンガム 0.2 (12)メチルパラベン 0.2 (13)タルク 6.0 (14)カオリン 4.0 (15)顔料 適量 (16)香料 適量 (17)精製水 全体で100となる量
【0050】実施例2 下記組成のフェイスパウダーを製造した。 (1) クロレラ熱メタノール抽出画分 5.0(重量%) (2) セリサイト 15.0 (3) 炭酸マグネシウム 5.0 (4) トリイソオクタン酸グリセリン 2.0 (5) 酸化チタン 5.0 (6) スクワラン 3.0 (7) メチルパラベン 2.0 (8) タルク 50.0 (9) カオリン 10.0 (10)顔料 適量 (11)香料 適量
【0051】実施例3 下記組成の乳化型ファンデーションを製造した。 (1) クロレラ熱メタノール抽出画分 5.0(重量%) (2) 流動パラフィン 12.0 (3) セレシン 1.0 (4) 牛脂 2.0 (5) セタノール 1.0 (6) ステアリン酸 3.0 (7) 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 2.0 (8) ポリオシキエチレン(6) セチルエーテル 1.0 (9) ポリオシキエチレン(20) セチルエーテル 2.0 (10)ブチルパラベン 0.15 (11)プロピレングリコール 3.0 (12)トリエタノールアミン 0.5 (13)メチルパラベン 0.15 (14)酸化チタン 8.0 (15)カオリン 8.0 (16)無水ケイ酸 0.5 (17)顔料 適量 (18)香料 適量 (19)精製水 全体で100となる量
【0052】実施例4 下記組成のパックを製造した。 (1) クロレラ熱メタノール抽出画分 2.0(重量%) (2) エタノール 12.0 (3) 1,3ブチレングリコール 4.0 (4) 酸化チタン 4.0 (5) ポリビニルアルコール 14.0 (6) メチルパラベン 0.2 (7) 顔料 適量 (8) 精製水 全体で100となる量
【0053】実施例5 下記組成のぺ一スト状パックを製造した。 (1) クロレラ熱メタノール抽出画分 5.0(重量%) (2) エタノール 12.0 (3) 1,3ブチレングリコール 4.0 (4) ポリオシキエチレン(30) ポリオキシプロピレン(35) 1.0 (5) ポリビニルアルコール 14.0 (6) メチルパラベン 0.2 (7) 顔料 適量 (8) 香料 適量 (9) 精製水 全体で100となる量
【0054】実施例6 下記組成のパップ剤を製造した。 (1) クロレラ熱メタノール抽出画分 0.5(重量%) (2) カオリン細末(滅菌) 52.7 (3) 水酸化カリウム 適量 (4) グリセリン 42.5 (5) チモール 0.05 (6) サリチル酸メチル 0.2 (7) ハッカ油 0.05
【0055】実施例7 下記組成の化粧水を製造した。 (1) クロレラ熱メタノール抽出画分 0.5(重量%) (2) エタノール 5.0 (3) 1,3ブチレングリコール 2.0 (4) ヒアルロン酸 0.2 (5) ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.05 (6) パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (7) 香料 0.1 (8) 精製水 全体で100となる量
【0056】実施例8 下記組成の乳液を製造した。 (1) クロレラ熱メタノール抽出画分 1.0(重量%) (2) ステアリン酸 2.0 (3) 流動パラフィン 5.0 (4) スクワラン 2.0 (5) ソルビタンモノステアレート 1.5 (6) ポリオシキエチレン(20) ソルビタンモノステアレート 2.0 (7) パラオキシ安息香酸ブチル 0.05 (8) グリセリン 2.0 (9) パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (10)香料 0.15 (11)精製水 全体で100となる量
【0057】実施例9 下記組成のクリームを製造した。 (1) クロレラ熱メタノール抽出画分 2.0(重量%) (2) 流動パラフィン 23.0 (3) ワセリン 7.0 (4) セタノール 1.0 (5) ステアリン酸 2.0 (6) ミツロウ 2.0 (7) ソルビタンモノステアレート 3.5 (8) ポリオシキエチレン(20) ソルビタンモノステアレート 2.5 (9) パラオキシ安息香酸ブチル 0.05 (10)ヒアルロン酸 0.1 (11)1,3ブチレングリコール 1.0 (12)パラオキシ安息香酸メチル 0.1 (13)乳酸菌培養液 5.0 (14)香料 0.15 (15)精製水 全体で100となる量
【0058】本発明のクロレラ抽出画分は細胞の増殖促
進効果に優れ、また細胞のコラーゲン産生の促進効果に
優れており、これを配合すれば優れた細胞賦活効果を有
する皮膚外用剤が得られる。
【0059】比較例1 実施例4のクロレラ熱メタノール抽出画分を同量のクロ
レラ熱水抽出画分に置き換え、パック剤を製造した。
【0060】<使用試験>被験者16名をパネラーとし
て8名ずつ2群に分け、実施例4及び比較例のパック剤
を使用させた。詳しくは各々のパック剤を顔面頬に塗布
し、乾燥後剥がしてその使用感を比較した。尚、使用感
の判定基準は、良い+2,やや良い+1,普通0,やや
悪い−1,悪い−2とした。結果を次の表5,表6,表
7に示す。表5は実施例4を塗布した群(パネラー1〜
8)、表6は比較例を塗布した群(パネラー9〜1
6)、表7は表5及び表6の平均値を示す。各々の表に
示すとおり、実施例4に示したパック剤の方が、伸び、
パック剤の剥がし易さ等で高得点が得られ、総合評価も
高かった。
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
【表7】
【0064】
【発明の効果】本発明は以上説明した通り、クロレラ抽
出画分の中でも特に細胞増殖作用及びコラーゲン産生促
進作用等の生理活性の強い細胞賦活物質を得ることがで
きる。また、この生理活性の強い細胞賦活物質を含有す
る皮膚外用剤を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】クロレラ熱メタノール抽出画分の細胞増殖促進
効果を示す棒グラフである。
【図2】クロレラ熱水抽出画分の細胞増殖抑制効果を示
す棒グラフである。
【図3】無血清培地におけるクロレラ熱メタノール抽出
画分の細胞の増殖促進効果を示す棒グラフである。
【図4】クロレラ熱メタノール抽出画分の細胞由来Proc
ollagen typeI産生促進効果を示す棒グラフである。
【図5】各有機溶媒抽出画分による細胞増殖促進効果を
示す折れ線グラフである。
【図6】各有機溶媒抽出画分によるProcollagen typeI
産生促進効果を示す折れ線グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 7/00 A61K 7/00 W 7/02 7/02 P 7/48 7/48 9/70 341 9/70 341 (72)発明者 市岡 稔 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内 (72)発明者 大脇 真 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式会 社ヤクルト本社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶媒によるクロレラ抽出物を有効成
    分とする細胞賦活物質。
  2. 【請求項2】 メタノール又はヘキサンの何れかの有機
    溶媒によるクロレラ抽出物を有効成分とする細胞賦活物
    質。
  3. 【請求項3】 有機溶媒にクロレラ乾燥体を水非存在下
    で接触させて、該クロレラ乾燥体の細胞賦活物質成分を
    該有機溶媒中に溶出させることを特徴とする細胞賦活物
    質の調製法。
  4. 【請求項4】 メタノール又はヘキサンの何れかの有機
    溶媒にクロレラ乾燥体を水非存在下で接触させて、該ク
    ロレラ乾燥体の細胞賦活物質成分を該有機溶媒中に溶出
    させることを特徴とする細胞賦活物質の調製法。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の細胞賦活物質を含
    有することを特徴とする皮膚外用剤。
JP10141065A 1998-05-22 1998-05-22 細胞賦活物質、細胞賦活物質の調製法、及び皮膚外用剤 Pending JPH11335293A (ja)

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