JPH11333A - 注射針型縫合器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用に際して中空針部を任意の度合いに弯曲
できるようにする。 【解決手段】 患部の状態に応じて、保護カバー１６の
孔部１８に中空針部１１を挿通し、中空針部１１をてこ
の原理を利用して弯曲することにより、中空針部１１に
使用し易いような所定の大きさの曲がりを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、外科外来等におい
て、小さな切傷や裂傷等の患部を簡易に縫合する際に使
用する注射針型縫合器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、病院外科の外来においては、１〜
３針程度の小皮膚の縫合、パンチバイオプシの縫合、Ｉ
ＶＨカテーテルの皮膚への固定等の比較的簡便な縫合手
術が行われることが多い。この場合に、縫合針、縫合
糸、持針器、はさみ等の器具類の調達、滅菌、更には縫
合針への縫合糸の取付け等の事前の準備、及び手術後に
行う器具の洗浄、滅菌、更には廃棄等の後始末が必ず必
要となる。

【０００３】このために、本出願人は既に特願平７−７
９７４０号において、手術前の準備、後処理を殆ど不要
とし、予め中空針部に縫合糸を挿通しておいて使用する
使い捨て型の注射針型縫合器を提案した。

【０００４】この注射針型縫合器においては、図４(a)
に示す患部Ｓを縫合するに際し、把持部１を手で持ち、
(b) に示すように縫合すべき患部Ｓを持ち上げて直線状
の中空針部２を突き刺し、先端の突刺部２ａを縫合糸３
と共に患部Ｓの対向側に突出させる。続いて、(c) に示
すように縫合糸３を保持して中空針部１を元の方向に戻
すことにより抜き取って縫合糸３を患部内に残留させ、
更に必要に応じて縫合糸３を収納した把持部１から縫合
糸３を繰り出しながら１回又は２回同じことを繰り返
す。次に、(d) に示すように縫合糸３の両端を持って結
束して、(e) に示すように不要な縫合糸３をカッタ等に
より切断する。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながらこの場合
に、中空針部２を直線状としているために、小さな患部
Ｓなどにおいては、中空針部２を一方から突刺し他方か
ら突き出すことが困難な場合があり、患部Ｓの状態に応
じて中空針部２が適度に弯曲していることが望ましい場
合がある。

【０００６】なお、予め中空針部２を弯曲させておくこ
ともできるが、この弯曲の程度は患部Ｓに応じた度合い
とすることが好ましいので、複数種を用意しておかなけ
なければならないことになる。

【０００７】本発明の目的は、上述の問題点を解消する
ために、使用に際して中空針部を任意の度合に曲げるこ
とができる注射針型縫合器を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係る注射針型縫合器は、先端に突刺部を設け
た筒状金属体から成る注射針状の中空針部と、該中空針
部内を通過させ前記突刺部から導出した縫合糸とを有す
る注射針型縫合器において、少なくとも前記中空針部を
覆う合成樹脂から成り取り外し自在の筒状の保護カバー
を設け、前記保護カバーの一部に前記中空針部を挿通し
前記中空針部を屈曲させるための孔部を設けたことを特
徴とする。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明を図１〜図３に図示の実施
例に基づいて詳細に説明する。図１は注射針型縫合器の
側面図を示し、約１〜４ｍｍφの金属製の円筒から成
り、先端を斜めに切断して突刺部１１ａとした中空針部
１１は、直針注射針形状に形成されている。中空針部１
１の後方には糸収納部を兼ねた樹脂製の筒状の把持部１
２が一体的に取り付けられており、内部の中空部は中空
針部１１の円筒内部と連通されている。把持部１２内に
は所定量の長さの縫合糸１３が巻回された状態で格納さ
れており、縫合糸１３は中空針部１１内を通過し、その
先端は突刺部１１ａから引き出されている。更に、把持
部１２の外側には滑り止めのための複数条の環条部１４
が設けられており、後部には取り外し自在の蓋部１５が
取り付けられている。

【００１０】縫合糸１３としては、シルク糸や、ナイロ
ン、ポリエステル、ポリプロピレン等の樹脂製糸や、合
成吸収性縫合糸、カットグット等の吸収性糸等の多様の
素材のものを使用することができる。

【００１１】図２は保護カバー１６の側面図を示し、こ
の保護カバー１６は合成樹脂から成り、中空針部１１を
被覆して、その突刺部１１ａを保護するためのものであ
り、先端を密閉した筒状とされ、その基部の開口部は把
持部１２に嵌合して脱着自在とされている。この保護カ
バー１６の基部付近には突起１７が設けられており、こ
の突起１７には保護カバー１６の長手方向に直交する方
向に、中空針部１１を挿通し得る孔部１８が形成されて
いる。

【００１２】この注射針型縫合器は保護カバー１６を被
覆して全体を滅菌した後に、例えばシート状のシール材
により密封包装され、病院等に供給される。

【００１３】従って、使用時にはシール材を破り、この
注射針型縫合器を取り出して保護カバー１６を外す。そ
して、保護カバー１６の孔部１８に中空針部１１を挿通
し、図３に示すように中空針部１１をてこの原理を利用
して弯曲することにより、患部の状態に応じて、中空針
部１１に使用し易いような所定の大きさの曲がりを形成
することができる。

【００１４】なお、孔部１８は実施例のような突起１７
に設けなくとも、例えば保護カバー１６の先端の肉厚部
に孔部を設けて使用するようにしてもよい。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る注射針
型縫合器は、使用に先立ち、保護カバーに設けた孔部に
中空針部を挿通して、中空針部を所定の大きさに弯曲さ
せることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】注射針型縫合器の側面図である。

【図２】保護カバーの側面図である。

【図３】使用例の説明図である。

【図４】注射針型縫合器の使用例の説明図である。

【符号の説明】

１１ 中空針部 １１ａ 突刺部 １２ 把持部 １３ 縫合糸 １６ 保護カバー １７ 突起 １８ 孔部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 先端に突刺部を設けた筒状金属体から成
   る注射針状の中空針部と、該中空針部内を通過させ前記
   突刺部から導出した縫合糸とを有する注射針型縫合器に
   おいて、少なくとも前記中空針部を覆う合成樹脂から成
   り取り外し自在の筒状の保護カバーを設け、前記保護カ
   バーの一部に前記中空針部を挿通し前記中空針部を屈曲
   させるための孔部を設けたことを特徴とする注射針型縫
   合器。
2. 【請求項２】 前記孔部は前記保護カバーの外側に設け
   た突起に形成した請求項１に記載の注射針型縫合器。
3. 【請求項３】 前記孔部は前記保護カバーの長手方向に
   直交する方向に形成した請求項１に記載の注射針型縫合
   器。