JPH09299375A - 医療用糸通し具及び医療用針付糸の保持体 - Google Patents

医療用糸通し具及び医療用針付糸の保持体

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JPH09299375A
JPH09299375A JP8118662A JP11866296A JPH09299375A JP H09299375 A JPH09299375 A JP H09299375A JP 8118662 A JP8118662 A JP 8118662A JP 11866296 A JP11866296 A JP 11866296A JP H09299375 A JPH09299375 A JP H09299375A
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Japan
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needle
thread
loop
medical
holding
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JP8118662A
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English (en)
Inventor
Kanji Matsutani
貫司 松谷
Takayuki Matsumoto
貴幸 松本
Masatoshi Fukuda
正俊 福田
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Mani Inc
Original Assignee
Mani Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】体内の深い位置にある患部の縫合や血管の結紮
を簡単な操作で行う。 【解決手段】糸通し具Aは、回動可能に構成した一対の
レバー4,5を有しており、一方のレバー4の先端側に
は針付糸Bの針1を保持する保持部7が形成され、他方
のレバー5の先端側には針1を受ける受け部8が形成さ
れる。また受け部8と同位置に針1の収容部9が形成さ
れる。保持部7に針1を保持し、糸2をレバー4,5に
沿って延長して少なくともレバー5の外周に結び目にな
るループCを形成する。針付糸Bの保持体となる台紙D
は、針1を糸通し具の針操作部に収容可能な状態で保持
する針保持部21と、針保持部21の近傍で糸ループEを保
持する糸ループ保持部22とを有しており、針保持部21に
対し、糸通し具Aの受け部8を有するレバー5を異なる
方向から差し込んで針1を保持することで、レバー4,
5に対する糸2によるループCの形成を選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体内の深い部位を
縫合し或いは血管の結紮を行う際に容易に医療用糸を結
ぶことを可能とした医療用糸通し具と、この医療用糸通
し具に結び目になるループを形成して針及び糸を保持さ
せる医療用針付糸の保持体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】体内の患部を縫合し或いは血管を結紮す
る場合、生体組織内或いは生体組織間に医療用糸を通過
させ、該医療用糸を体外に引き出して結び目用のループ
を作り、このループを移動させて強く結ぶようにしてい
る。このため、縫合部位や結紮部位が体内の深い位置に
ある場合、医療用糸の操作が複雑であり且つ困難なため
多大な神経を費やしている。
【0003】特に、最近では内視鏡手術が発達しつつあ
り、生体組織内或いは生体組織間を通過させた医療用糸
を内視鏡内の孔又は別に設けられた操作用の孔を通して
体外に引き出して結び目用のループを作り、更に、この
ループを縫合部位或いは結紮部位まで移動させる作業を
行うことが複雑で且つ困難である。
【0004】上記問題を解決するために、縫合或いは結
紮を行う際に迅速に医療用糸を処理する技術が提案され
ている。例えば、特開平7-194603号公報に開示された技
術(第1公知技術)は縫合用具に関するものであり、予
め糸を内筒の外周に結び目用のループを形成して巻き付
けておき、この内筒の内部に形成した穴に鉗子(第1鉗
子)を挿入して前記糸を移動させ、前記糸を別の鉗子
(第2鉗子)で把持して組織内を通過させた後、通過し
た端部を第1鉗子によって把持すると共に他端を第2鉗
子によって把持し、この状態で第2鉗子を移動させて第
1鉗子の外周に移動していたループを該鉗子から抜き取
って結び目を作るものである。
【0005】また特開平8-24262 号公報に開示された技
術(第2公知技術)は外科手術用結紮器具に関するもの
であり、筒状の器具本体の外周に糸を結び目を作り得る
ようなループ状に巻き付けておき、結紮した後、糸を器
具本体の内部を通過させて引き出すことで、ループを器
具本体から離脱させて結紮を行うように構成したもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記各公知技術では夫
々糸を体外に引き出して結ぶ必要がなく有利である。し
かし、未だ完全なものではなく幾つかの解決すべき課題
を有している。即ち、第1公知技術では、縫合或いは結
紮を行うに際し、多工程であるため複雑であること、2
本の鉗子を必要とするため医師は両手で鉗子を操作する
こと、等作業性に難があるという問題がある。
【0007】また第2公知技術では、血管の周囲に巻き
付けた糸を糸引案内部内に通過させる操作が必要とな
り、作業性に難があるという問題がある。
【0008】本発明の目的は、簡単な操作で患部の縫合
或いは血管の結紮を行うことが出来る医療用糸通し具
と、この医療用糸通し具を含む糸通し具に容易に医療用
針付糸を装着することが出来る医療用針付糸の保持体を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る医療用糸通し具は、回動支点を中心にし
て回動可能に構成された一対のレバーを有し、一方のレ
バーに医療用針付糸の針を保持する保持部を設けると共
に他方のレバーの前記保持部と対向する位置に医療用針
付糸の針を受ける受け部を設け、レバーの接近に伴って
保持部に保持した針を生体組織内又は生体組織間を通過
させて受け部によって受けるように構成した医療用糸通
し具であって、予め保持部に医療用針付糸の針を保持し
且つ該針に接続された医療用針付糸の糸によって少なく
とも受け部を設けたレバーの受け部よりも回動支点側の
外周に針が中を通過したときに結び目になるループを形
成したものである。
【0010】上記医療用糸通し具(以下「糸通し具」と
いう)では、回動可能に構成した一対のレバーの一方に
設けた保持部に医療用針付糸の針を保持すると共に、該
針に接続された糸をレバーに沿って延長させて該レバー
の外周に結び目になるループを形成し、この状態でレバ
ーを回動操作して針を生体組織内或いは生体組織間を通
過させ、一対のレバーを互いに閉鎖することで保持部に
保持された針を他方のレバーに形成された受け部に受け
取って所定部に糸を通し患部の縫合或いは血管の結紮を
行うことが出来る。
【0011】針を受け部に受け取った状態で糸通し具を
引き抜くと、レバーは該レバーの外周に形成された糸の
ループの中を通って引き出され、これにより、ループが
患部に残置される。従って、糸通し具を引っ張ること
で、糸を強固に結ぶことが出来る。
【0012】また本発明に係る医療用針付糸の保持体で
は、針と該針に接続した糸とからなる医療用針付糸の保
持体であって、針を請求項1に記載した医療用糸通し具
を含む糸通し具の所定位置に所定の姿勢で収容可能な状
態で保持する針保持手段と、前記針が中を通過したとき
結び目となる糸ループを保持するループ保持手段とを有
し、前記糸ループが該糸ループの中を前記糸通し具の針
操作部が実質的に嵌入し且つ前記針に到達し所定姿勢で
収容し得るように配置され、更に前記針保持手段及びル
ープ保持手段は糸ループ及び針が保持体と糸通し具の相
対的移動のみによって保持体から離脱させ得るように構
成されたものである。
【0013】上記医療用針付糸の保持体(以下「台紙」
という)では、針保持手段(以下「針保持部」という)
に針を糸通し具の所定位置に所定姿勢で収容可能に保持
すると共にループ保持手段(以下「ループ保持部」とい
う)に糸ループを保持し、このループ保持部に糸通し具
の針受け部、或いは針受け部及び針保持部(以下、針受
け部単独で或いは針受け部及び針保持部を含んで「針操
作部」という)を嵌入させて針に到達させ針を糸通し具
に収容させ、更に台紙に対して相対的に糸通し具を移動
させて針及び糸ループを台紙から離脱させることで、糸
通し具を構成するレバーの針操作部よりも回動支点側外
周に糸ループを装着することが出来る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、上記糸通し具、及び台紙の
好ましい実施形態について図を用いて説明する。図1は
レバーの外周に装着した糸を模式的に示した糸通し具の
構成を説明する図、図2は糸通し具の先端部分の構成を
説明する図、図3は一方のレバーに設けた保持部を説明
する図であり図2の III−III 矢視図、図4は他方のレ
バーに設けた受け部を説明する図であり図2のIV−IV矢
視図、図5は結紮の手順を説明する図、図6は糸通し具
に取り付けた糸の状態の他の例を説明する図、図7は台
紙の構成を説明する図、図8は台紙に針付糸を取り付け
る手順を説明する図、図9は糸通し具に針付糸を装着す
る際の台紙と糸通し具の関係を説明する図、図10は代表
的なループと結び目の関係を説明する図である。
【0015】本発明に係る糸通し具Aは、予め針付糸B
の針1を保持すると共に外周に糸2によって結び目にな
るループCを形成しておき、患部の縫合或いは血管の結
紮を行った後、針1をループCの中を通して体外方向に
引き出すことで、縫合部位,結紮部位に結び目を作るよ
うに構成したものである。以下、説明の煩雑を避けるた
めに、糸通し具Aによって血管の結紮を行う場合につい
て説明する。
【0016】また本発明に係る台紙Dは、針1を保持す
ると共に予め糸2によってループCを構成するための糸
部ループを形成した状態で保持し、糸通し具Aを所定の
姿勢に設定して針1を保持した後、予め設定された方向
に回転させつつ引き出すことで、該糸通し具Aの外周に
糸2によるループCを形成し得るように構成したもので
ある。
【0017】先ず、図1〜図4によって糸通し具Aの構
成について説明する。糸通し具Aは軸3に装着されて互
いに回動可能に構成された一対のレバー4,5を有して
いる。レバー4,5の後端部(図1の右側端部)には医
師が指で操作する操作部6が形成されており、レバー4
の先端側(図1の左側、以下同じ)には針付糸Bの針1
を保持する保持部7が形成され、レバー5の先端側であ
って保持部7と対向する位置に受け部8が形成されてい
る。
【0018】またレバー4,5の外周には、保持部7に
よって保持された針1に接続された糸2の結び目になる
ループCが形成され、末端側2aはループCからレバー
4,5に沿って引き出され操作部6よりも更に延長され
ている。
【0019】尚、ループCは針1が中を通過した後、糸
2に張力を付与したとき強固に結ばれる。即ち、ループ
Cの中を針1が通過することが必須であり、従って、ル
ープCは必ずしも一対のレバー4,5の外周に形成する
必要はなく、少なくとも針1を受ける受け部8を形成し
たレバー5の周囲に形成されていれば良い。
【0020】結紮時に於ける糸2の結び目の形状は、本
結び(男結び,角結び,こま結び)や逆結び(女結び,
たて結び)等種々のものが採用される(図10参照)。そ
してループCの形状は結び目に応じて異なり、一義的に
設定されるべきものではない。
【0021】レバー4,5は外周に糸2によるループC
が形成され、結紮が終了した後、針1を体外に引き出す
のに伴ってループCが外周面に沿って滑り、レバー4,
5から離脱(このとき、針1がループCの中を通過する
こととなる。)して結紮部位に結び目を形成する。この
ため、レバー4,5の外周面は糸2の円滑な滑りを阻害
することのないような長さ方向の形状と平滑な面に形成
されていることが好ましい。またレバー4,5を閉鎖し
たとき、これらの外周部はループCが形成される部分か
ら先端側にかけて平行或いは先細状に形成されることが
好ましい。
【0022】保持部7はレバー4の先端側に形成され、
結紮を行うに際し針付糸Bの針1が生体組織内或いは生
体組織間を通過するまでの間、該針1を直立させた状態
で保持し、レバー4,5の閉鎖に伴って針1に力を付与
して生体組織を通過させると共に受け部8に受け取らせ
る機能を有するものである。例えば、保持部7は針1と
糸2との接続部位(元端1a)の形状に対応した当接部
7aと、糸2を容易に着脱し得るようなスリット7bと
を有して構成されている。
【0023】受け部8はレバー5の先端側であって保持
部7と対向する位置に形成され、レバー4,5の閉鎖に
伴って生体組織を通過した針1を受け取って把持し、そ
の後、レバー4,5を開放した場合でも、針1の把持状
態を維持する機能を有するものである。例えば、受け部
8は、針1を把持し得る幅寸法を持った長穴8aと、長
穴8aを長手方向に貫通したスリット8bとによって構
成されている。
【0024】また保持部7と受け部8の間に針1を収容
する収容部9を形成することが好ましい。この収容部9
を設けることによって、図2に示すように、結紮に先立
って針1を収容部9に収容すると共に、糸2をスリット
7bから引き出してレバー4,5の外周にループCを形
成することが容易に可能である。またループCを形成し
た状態で、操作部6の近傍に設けたストッパー10によっ
てレバー4,5の閉鎖状態を維持することで、結紮を容
易に進行させることが可能となる。
【0025】次に、図5により上記の如く構成した糸通
し具Aによって血管11を結紮する際の手順を説明する。
糸通し具Aのレバー4,5は針1を収容部9に収容した
状態で閉鎖しており、針1から延長して糸2によって各
レバー4,5の外周に糸2によるループCが形成されて
いる(図2参照)。
【0026】図5(a)に示すように、糸通し具Aを血
管11に接近させてレバー4,5を開放して保持部7に針
1を直立させて保持する。このとき、医師が糸2の末端
2aを拘束した場合、或いは予め針1からループCまで
の糸2及びループCを形成した糸2を弛みのないように
構成した場合には、レバー4,5の開放に伴って糸2に
張力が作用し、この張力によって針1が元端1aの端面
と保持部7の当接面7aとの当接部位を起点として回動
して直立する。
【0027】針1を血管11の奥側に位置させ、同図
(b)に示すように、レバー4,5を閉鎖する。これに
より、針1は生体組織12の内部或いは間を通過し、受け
部8の長穴8aに嵌合して受け取られる。
【0028】針1を生体組織12に通過させて受け部8に
よって受け取った後、同図(c)に示すように、レバー
4,5を開放して糸通し具Aを体外側に引き出して血管
11の廻りに糸2を巻き付ける。このとき、針1は受け部
8の長穴8aに強固に把持され、レバー4,5の開放に
伴って受け部8から離脱するようなことはない。
【0029】糸2を血管11の周囲に巻き付けた後、再度
レバー4,5を閉鎖し、糸通し具Aを体外側に引く。こ
のとき、ループCはレバー4,5の外周に対して充分大
きく、糸通し具Aの引き出しに伴って同図(d)に示す
ように、ループCがレバー4,5に沿って先端側に移動
して該レバー4,5から離脱する。即ち、針1がループ
Cの中を通過したこととなり、結び目が形成される。
【0030】上記の如く、結紮すべき血管11の近傍で糸
通し具Aの開閉を行うことで針1を生体組織12を通過さ
せ、次いで、糸通し具Aを体外に引き出すことでレバー
4,5の外周に形成したループCを離脱させると共に該
ループCの中に針1を通して結び目を形成することが可
能である。
【0031】従って、医師は糸通し具Aの操作部6を指
で操作するのみで結紮を行うことが可能であり、しかも
片手で容易に操作することが可能となる。
【0032】尚、上記糸通し具Aは上記実施例に限定す
るものではなく、一方のレバーに針を保持することが可
能で、該針を他方のレバーに設けた受け部によって受け
取れるように構成したものであれば良く、細部の構成に
とらわれるものではない。
【0033】更に、上記実施例では、糸2をレバー4,
5に沿って延長した場合について説明したが、必ずしも
糸2がレバー4,5に沿う必要はなく、例えば、図6に
示すように、針1からループCまでの糸2bを充分に弛
ませても良い。この場合、レバー4,5を開きつつ糸2
bに張力を付与することで針1を起立させることが可能
である。特に、糸2bを弛ませた場合、結び目は針1か
ら遠方に形成される。このため、結紮し糸2bを切断し
た後の針1側の残りの糸2bを再度使用することが可能
となる。尚、ループCから糸2の末端2a側が弛んでも
良いことは当然である。
【0034】糸2によるループCは、図6に示すよう
に、保持部7及び受け部8が各レバー4,5の先端側に
位置するのに対し、回動支点となる軸3側に位置した方
が結紮操作を実施する上で有利であることは当然であ
る。
【0035】上記説明ではループCをレバー4,5の外
周に形成したが、このループC内を針1が通る構成であ
れば良いので、ループCは受け部8を設けたレバー5の
外周にのみ形成しても良い。
【0036】次に、図7により台紙Dの構成について説
明する。台紙Dは針1の太さよりも大きい厚さを持った
発泡材,合成樹脂,板紙,ゴム等からなる板状の部材、
或いは針1の太さよりも薄い板を折り曲げた部材によっ
て形成され、針1を全長にわたって露出させて保持する
針保持部21と、糸2によって形成した結び目となる糸ル
ープEを保持するループ保持部22とを有している。
【0037】針保持部21は針付糸Bの針1を中空に浮か
せた状態で保持すると共に、糸通し具Aのレバー5の先
端側に形成した受け部8を単独で、或いはレバー4,5
の先端側に形成した保持部7及び受け部8を嵌入し、針
1を収容すると共に糸ループEをレバー5の外周に、或
いはレバー4,5の外周に移して、これらのレバー5、
レバー4,5にループCを形成する機能を有するもので
ある。
【0038】このため、針保持部21はレバー4,5の先
端側が嵌入し得る幅と針1の長さよりも充分に大きい深
さを有している。そして台紙Dが針1の太さよりも厚い
ため、針保持部21に配置された針1は該針保持部21に埋
設され外部から保護される。針保持部21に配置された針
1は全体が露出し、台紙Dと糸2によって連結される。
従って、針1の姿勢は糸2の剛性によって維持され、こ
の針1が糸通し具Aに収容された状態で該糸通し具Aを
台紙Dに対して相対的に移動させることで、針1を台紙
Dから離脱させることが可能である。
【0039】ループ保持部22は、針保持部21の両側に形
成された溝によって構成されており、該溝に所定の順序
で糸2を巻き付けつつ係止することで、形成された糸ル
ープEの形状を保持している。従って、糸ループE内に
糸通し具Aを挿入し、針保持部21の開放方向に糸通し具
Aを移動することで糸ループEを台紙Dから離脱させる
ことが可能である。
【0040】しかし、台紙Dの一方の面には糸2が二重
に巻き付けられるため、これらの糸2に絡みつきが生じ
た場合、良好なループCを形成することが困難になる虞
がある。このため、糸ループ保持部22を深さの異なる複
数の溝によって構成することが好ましい。また糸ループ
Eの保持手段22は溝に限定すべきものではなく、クリッ
プのようなものを付加して構成しても良い。
【0041】針保持部21の近傍に穴23が形成されてお
り、この穴23と針保持部21の間に溝24が形成されてい
る。溝24は、針1の元端1a側の端面の近傍の糸2を係
止して針1を針保持部21に配置すると共に配置位置を安
定させるものである。また穴23の近傍に糸2の末端2a
を固定する固定部25が形成されている。
【0042】次に、台紙Dに糸ループEを形成しつつ針
付糸Bを取り付ける方法について図8により説明する。
【0043】同図(a)に示す台紙Dに対し、先ず同図
(b)に示すように、針保持部21に針1を配置し、該針
1の元端1aの近傍の糸2を溝24に係止して配置位置を
安定させる。次に、糸2を絡めて糸ループEを形成し、
同図(c)に示すように、糸ループEを台紙Eの一方の
面(表面26)側に位置させ、該ループEを形成する二重
糸の部分を台紙Dの他方の面(裏面27)側に位置させて
糸ループ保持部22に係止する。このとき、糸2の末端2
aは自由端として何ら固定されていない。従って、同図
(d)に示すように、糸2の末端2aを固定部25に固定
することで、台紙Dに対する針付糸Bの取り付けが終了
する。
【0044】尚、図8及び上記説明は本結びを形成する
糸ループEを形成する場合の説明であるが、逆結び及び
外科結び等の通常用いられる結び目も同様にして糸を溝
に係止することで糸ループを形成して保持することが可
能である。上記の如くして針付糸Bを取り付けた台紙D
は、図示しない所定の袋に収容されて流通する。
【0045】次に、図9により台紙Dに取り付けた針付
糸Bを糸通し具Aによって取り外す際の方法について説
明する。尚、同図(a),(b)に於いて、台紙Dの糸
ループ保持部22に係止され且つ裏面27側に配置された2
本の糸2の位置は、理解を助けるために実際の位置とは
異なる位置に記載されている。
【0046】同図(a)は糸通し具Aに糸2によるルー
プCを形成しない場合の取り外し方を説明する図であ
る。この方法では、針保持部21に対しレバー4,5の先
端部分を台紙Dの裏面27に露出した2本の糸2の更に後
方から差し込み、針1を受け部8の位置に設けた収容部
9に収容してレバー4,5を閉鎖し、その後、矢印方向
に真っ直ぐに引っ張ることで、針1及び糸2を台紙から
離脱させる。
【0047】同図(b)はレバー4,5の外周に糸2に
よるループCを形成する場合の取り外し方である。この
方法では、針保持部21に対しレバー4,5の先端部分を
台紙Dの表面26側から(糸ループ保持部22に係止された
2本の糸2の更に表面側から)差し込み、針1を受け部
8の位置に設けた収容部9に収容してレバー4,5を閉
鎖し、その後、レバー4,5の先端部を針保持部21内に
押し込むように矢印方向に回転させるようにして糸ルー
プEを台紙Dから引き抜くことで、針1及び糸2を台紙
から離脱させる。これにより、レバー4,5の外周に糸
2によるループCを形成することが可能である(図1参
照)。
【0048】同図(c)はレバー5の外周に糸2による
ループCを形成する場合の取り外し方である。この方法
では、台紙Dを裏返して裏面27を表にし、この状態で針
保持部21に対しレバー5のみの先端部分を糸ループ保持
部22に係止された2本の糸2の後方から差し込み、針1
を受け部8の位置に設けた収容部9に収容してレバー
4,5を閉鎖して糸2を挟んだ状態とし、その後、矢印
方向に回転させるようにして引き抜くことで、針1及び
糸2を台紙から離脱させる。これにより、レバー5の外
周に糸2によるループCを形成することが可能である。
【0049】次に図10によりループCの形状と結び目の
例について説明する。同図(a)は血管11を逆結び目31
によって結紮する場合を示しており、同図(b)本結び
目32によって結紮する場合を示している。本結び目32を
形成するためのループCは糸2の重なりが少なく、結紮
後糸通し具Aを体外に引抜く際に、レバー4,5の表面
を円滑に滑って容易に作業を進行することが可能であ
る。特に、このループCでは、針1を通過させた後、針
1を強く引いて該針1側の糸2に張力を付与すると上図
のような結び目32を形成することが可能であり、且つ針
1側の糸2と末端2aの糸2に張力を付与することで下
図のような結び目32を形成することが可能である。
【0050】また逆結び目31を形成するループCでは、
糸2の重なりが比較的多くなり、摩擦抵抗が増加する虞
がある。このため、結紮後糸通し具Aを体外に引き抜く
際に、多少円滑さが阻害されることがある。しかし、前
記点を除外すれば結紮に対して悪い影響を与えるもので
はなく、従来のものと比較すれば充分に容易な作業を行
うことが可能である。
【0051】上記実施例に於いて、糸通し具Aに収容部
9を形成し、この収容部9に針1を収容した場合につい
て説明したが、必ずしも収容部9に収容する必要はな
く、最初から保持部7に針1を直立させて保持しても良
い。この場合、台紙Dから針1を直立させた状態で保持
して引き抜いて収容することとなる。
【0052】上記保持体の実施例では、針1を保持する
保持部7と、針1を受ける受け部8を異なるレバー4,
5に設けた針操作部を有する糸通し具Aを用いる場合に
ついて説明したが、本発明に係る保持体は上記糸通し具
Aによってのみ利用されるべきものではなく、例えば、
公知の鉗子のように。2つのレバーの両方の先端部によ
って針を保持すると共に、その後、同様にして針を受け
る構造の糸通し具であっても利用することが可能であ
る。この場合、針保持部21は、針1を全長にわたって露
出させるように形成する必要はなく、針1を台紙Dに直
接固定して保持し得るように構成することが可能であ
る。即ち、台紙Dにクリップ等の固定具を付加し、この
固定具によって針1を固定し得るように構成することが
可能である。また針保持部21に於ける針1の姿勢も開放
側に向ける必要はなく、開放部に対し交差する方向に位
置させても良い。
【0053】即ち、糸通し具の両レバーの先の針操作部
を図7に示す台紙Dの針保持部21に挿入して針1を把持
すると共に、把持した状態で針操作部を針保持部21に押
し込み、針保持部21の開放側に移動することによって、
糸通し具のレバーの外周にループCを形成することが可
能であり、更に、把持した針1で生体組織を刺通し、把
持を解除して生体組織から出た針1の先端側を再度把持
して生体組織から遠ざけることで、ループCがレバーの
針操作部側に移動して針1を越え、レバーから離脱する
ことで結び目を形成させることが可能である。従って、
針1の形状は直針に限定するものではなく、曲針であっ
ても良い。
【0054】また台紙Dの形状は必ずしも平板状である
必要はなく、曲板状であっても良く、更に、板状ではな
く、立方体,直方体,円柱形等の形状であっても良い。
【0055】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
糸通し具では、医師が片手で操作することで体内の深い
位置にある患部の縫合或いは血管の結紮を行うことが出
来る。このため、手術に於ける縫合及び結紮に要する時
間を短縮することが出来る。
【0056】また本発明に係る保持体では、針先を傷め
ずに針付糸を保持することが出来、且つ必要に応じて糸
通し具を所定の動作の基に操作することで、該糸通し具
を構成する2本のレバー、或いは1本のレバーに糸によ
る結び目となるループを極めて簡単に保持体に対し糸通
し具を片手で操作することで形成することが出来、或い
はループを形成することなく針付糸を装着することが出
来る等の特徴を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】レバーの外周に装着した糸を模式的に示した糸
通し具の構成を説明する図である。
【図2】糸通し具の先端部分の構成を説明する図であ
る。
【図3】一方のレバーに設けた保持部を説明する図であ
り図2の III−III 矢視図である。
【図4】他方のレバーに設けた受け部を説明する図であ
り図2のIV−IV矢視図である。
【図5】結紮の手順を説明する図である。
【図6】糸通し具に取り付けた糸の状態の他の例を説明
する図である。
【図7】台紙の構成を説明する図である。
【図8】台紙に針付糸を取り付ける手順を説明する図で
ある。
【図9】糸通し具に針付糸を装着する際の台紙と糸通し
具の関係を説明する図である。
【図10】代表的なループと結び目の関係を説明する図で
ある。
【符号の説明】
A 糸通し具 B 針付糸 C ループ D 台紙 E 糸ループ 1 針 2 糸 3 軸 4,5 レバー 6 操作部 7 保持部 7a 平坦面 7b スリット 8 受け部 8a 長穴 8b スリット 9 収容部 10 ストッパー 11 血管 12 生体組織 21 針保持部 22 ループ保持部 23 穴 24 溝 25 固定部 26 表面 27 裏面 31 逆結び目 32 本結び目

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回動支点を中心にして回動可能に構成さ
    れた一対のレバーを有し、一方のレバーに医療用針付糸
    の針を保持する保持部を設けると共に他方のレバーの前
    記保持部と対向する位置に医療用針付糸の針を受ける受
    け部を設け、レバーの接近に伴って保持部に保持した針
    を生体組織内又は生体組織間を通過させて受け部によっ
    て受けるように構成した医療用糸通し具であって、予め
    保持部に医療用針付糸の針を保持し且つ該針に接続され
    た医療用針付糸の糸によって少なくとも受け部を設けた
    レバーの受け部よりも回動支点側の外周に針が中を通過
    したときに結び目になるループを形成したことを特徴と
    する医療用糸通し具。
  2. 【請求項2】 針と該針に接続した糸とからなる医療用
    針付糸の保持体であって、針を請求項1に記載した医療
    用糸通し具を含む糸通し具の所定位置に所定の姿勢で収
    容可能な状態で保持する針保持手段と、前記針が中を通
    過したとき結び目となる糸ループを保持するループ保持
    手段とを有し、前記糸ループが該糸ループの中を前記糸
    通し具の針操作部が実質的に嵌入し且つ前記針に到達し
    所定姿勢で収容し得るように配置され、更に前記針保持
    手段及びループ保持手段は糸ループ及び針が保持体と糸
    通し具の相対的移動のみによって保持体から離脱させ得
    る構造であることを特徴とする医療用針付糸の保持体。
JP8118662A 1996-05-14 1996-05-14 医療用糸通し具及び医療用針付糸の保持体 Pending JPH09299375A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2796827A1 (fr) 1998-02-04 2001-02-02 Mani Inc Porte-aiguille pour guider une aiguille avec fil pour sutures
CN112040881A (zh) * 2018-05-01 2020-12-04 兄弟工业株式会社 缝合装置

Cited By (3)

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CN112040881A (zh) * 2018-05-01 2020-12-04 兄弟工业株式会社 缝合装置
CN112040881B (zh) * 2018-05-01 2024-05-14 兄弟工业株式会社 缝合装置

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