JPH11333497A - 自己完結式循環型排液浄化ユニット - Google Patents

自己完結式循環型排液浄化ユニット

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JPH11333497A
JPH11333497A JP14954398A JP14954398A JPH11333497A JP H11333497 A JPH11333497 A JP H11333497A JP 14954398 A JP14954398 A JP 14954398A JP 14954398 A JP14954398 A JP 14954398A JP H11333497 A JPH11333497 A JP H11333497A
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liquid
treatment
unit
toilet
storage tank
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JP14954398A
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Masahiro Okabayashi
正浩 岡林
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    • Y02W10/37Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 便器等を設置するだけで上下水道との接続を
行うことなく、比較的長期間にわたって使用できる自己
完結式循環型排水浄化ユニットの提供。 【解決手段】 便器2等の機器が取り付けられて使用さ
れ、機器の使用後の排液を浄化した後、機器へ供給して
再使用するという循環を繰り返す自己完結式循環型排液
浄化ユニット1であって、ユニットパネルの表面側に取
り付けられる機器からの排液を浄化する排液処理装置4
と、この排液処理装置から供給される処理液を受け入
れ、その処理液を洗浄液として前記機器へ供給する洗浄
液貯留槽5と、ユニットに過剰に供給された液体及び水
分を蒸発させて除去するか、或いは処理工程中で蒸発す
る水分を回収することにより、ユニット内の処理液量を
制御する処理液量制御装置6とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、取り付けられる
便器等からの排液を浄化処理した後、その処理液を再び
便器等へ供給して再使用するという循環を繰り返すこと
により、外部よりの給排用配管処理、特に上下水道との
接続を行わずに、どこでも簡単に設置や移動ができ、比
較的長期間にわたって使用できる自己完結式循環型排液
浄化ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】イベント会場や建設現場、病院等では一
時的に簡易トイレが設置されることがあるが、このよう
な仮設トイレは、汚水を一時的に便槽内に溜めておくに
過ぎず、汚水の汲み取りをしばしば必要とするものであ
った。また、このような仮設トイレには少量の水で汚物
を便槽内に流し込むタイプのトイレもあり、便器に流す
洗浄液を供給する必要があったが、上水道が未整備の場
所に設置する場合には洗浄液の確保も困難であった。こ
のようなことから、便槽内の汚水を浄化して、その処理
液を便器洗浄液として再利用することにより、汚水の汲
み取り量や上水道の供給量を削減するようにした仮設ト
イレもあった。具体的には、生物処理装置の温度を常
温程度に保ち、活性炭を併用して汚水を生物処理すると
共に、常時便器に循環液を流しておくようにしたもの
(特許第2544711号)、便槽温度を60℃前後
に加熱し、発酵技術を用いて汚物の処理をして(メーカ
ー独自のバクテリアを投入するものも多い)、この処理
過程で得られる処理液を便器の洗浄に使うもの、汚物
を燃焼又は加熱炭化して容量の低減を図り、その処理過
程で得られる処理液を便器の洗浄に使うもの等があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
仮設トイレの場合、排液を処理するための各種装置や貯
留槽等が便器専用のものとされており、トイレとしての
単一目的にしか使用できないのみならず、装置がかなり
大型になってしまうという問題があった。また、装置や
貯留槽等を複数台の便器に共通のものとする場合、更に
大型となるものであった。しかも、この場合、装置等が
便器から離れた箇所に設置されるので、トイレブースに
加えて処理室や制御室等も用意する必要があった。しか
も、この場合、配管を設備する位置に制限があり、且つ
装置等の処理能力や、装置等と便器との位置関係によ
り、便器の設置台数やトイレのレイアウトの変更等が制
限されるといった不都合があった。しかも、従来のもの
では、生物処理能力により、循環液の浄化能力を左右さ
れるものが多かった。つまり、バクテリア類、微生物類
による処理のみに頼るものが多く、単位時間毎の使用可
能回数が少なかった。
【0004】例えば、前記では、使用者が列を作り長
期間使用するような大量使用の場合、処理液の洗浄度が
低くなり、悪臭や濁りが出てくるものであり、これを防
止するために処理能力を上げようとすると、装置が大型
化するという問題があった。この場合、消費電力は夏期
で 0.3〜0.4kW/便器で、冬期はこれ以上を必要とするも
のであり、処理装置の大きさ(水平投影面積)はトイレ
ブースと同一程度以上となっていた(無駄スペース10
0%以上)。また、の場合、短時間での大量処理能力
は小さく、大型処理槽を持ったもので均等に使用した場
合でも最大40回/日・便器程度であり、特に単位時間
当たりでは3〜5回/時間・便器程度が限界となってい
る。そして、の場合では、短時間での処理能力は更に
小さく、の半分程度の能力のものが多い。さらに、
やの場合、便器に流す循環液の回収率が低く、1回当
たりに流す洗浄液は250cc/回程度以下の軽水洗式の
ものがほとんどで、便器の汚れはほとんど洗浄できず、
汚物を便槽に送り込む程度の液量であり、使用者に不快
感を与えるものであった。なお、の場合 0.5〜0.7kW/
便器、又の場合1.5kW/便器程度のエネルギー消費が必
要となっていた。つまり、で 0.3〜0.4kW 程度、で
0.5〜0.7kW 程度、で1.5kW 程度を要し、1便器当た
りの消費エネルギーも多くなるものであった。また、
やでは、洗浄液量が少なく、使用者が満足できるもの
ではなかった。さらに、やでは、連続使用に耐えら
れず、しかも使用が進むと洗浄液が汚れ不潔感をぬぐい
去れないものも多かった。
【0005】その上、上記〜の装置共、余剰水分の
蒸発を制御する機能がなく、長期間又は多人数が使用す
ると自己完結能力又は浄化機能がなくなるという問題が
あった。ところで、浄化槽法に定められる浄化槽の処理
液を便器の再洗浄液として使用するものもあるが、浄化
槽自体の水平投影面積はトイレブースの倍以上の面積と
なるような大型のものであった。
【0006】この発明は、これらの課題を解決するため
になされたものであり、その主たる目的は、便器等が取
り付けられるユニットパネルに、排液を処理するための
各種装置や貯留槽等を小型化して一体的に組み込むこと
ができ、簡単に移動でき、又固定することにより即使用
でき、ユニットとして流通でき、トイレブース等の空間
に載置するだけで設置可能で、設置直後から長期間安定
し清浄な水を低消費エネルギーで使用できる自己完結式
循環型排液浄化ユニットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の自己完結式循環型排液浄化ユニットは、便
器や手洗器やシャワー等の機器と共に使用され、前記機
器の使用後の排液を浄化した後、前記機器へ供給して再
使用するという循環を繰り返す自己完結式循環型排液浄
化ユニットであって、前記機器からの排液を浄化する排
液処理装置と、この排液処理装置から供給される処理液
を受け入れ、その処理液を洗浄液として前記機器へ供給
する洗浄液貯留槽と、ユニットに過剰に供給される液体
及び水分を処理工程中で蒸発させて除去するか、或いは
処理工程中で蒸発する水分を回収することにより、ユニ
ット内の処理液量を制御する処理液量制御装置とを備え
ることを特徴とする。
【0008】また、好ましくは上記構成に加えて、前記
排液処理装置は、機器の排液を固液分離する物理的分離
装置と、この物理的分離装置からの液体成分を高度ろ過
処理する高度ろ過処理装置とを備え、この高度ろ過処理
装置には、高度ろ過された処理液を集液し次工程に送り
出す集液装置が設けられると共に、槽の底部付近に、気
泡を噴出する散気装置が設けられてなることを特徴とす
る自己完結式循環型排液浄化ユニットである。さらに好
ましくは、上記構成に加えて、前記高度ろ過処理装置
は、精密ろ過膜処理装置からなり、この精密ろ過膜処理
装置の精密ろ過膜の左右又は前後に、前記散気装置から
の気泡流を有効に膜面に当てるためのドラフト板が設け
られ、前記精密ろ過膜処理装置内にできる下降循環流の
中に、生物化学処理するための固定ろ床が配置されてな
ることを特徴とする自己完結式循環型排液浄化ユニット
である。
【0009】なお、前記高度ろ過処理装置には、ろ過材
の目詰まりに対処し、ろ過性能を回復させる逆洗又は/
及び薬洗装置が付属されている構成としてもよい。ま
た、前記排液処理装置内に、消泡装置が設けられてなる
構成としてもよい。さらに、前記処理液は、オゾン処理
装置にてオゾンが混入されて、殺菌、脱臭及び脱色等さ
れる構成としてもよい。その上、床及び壁を構成するユ
ニットパネルの床下部及び壁裏面に、前記各装置が取り
付けられてなり、前記ユニットパネルの表面に、一又は
二以上の前記機器が取り付けられる構成としてもよい。
しかも、前記機器は、便器、手洗器又はシャワー等のい
ずれか一つ又は複数の組み合わせからなり、異なる種類
の機器に対してそれぞれ複数の処理ループが設けられ、
排液処理工程中には、薬品処理、活性炭処理、イオン交
換処理、限外ろ過膜処理及び逆浸透膜処理の一又は二以
上が併設可能とされてなる構成としてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の自己完結式循環型排液浄
化ユニットは、便器等の機器と共に使用され、機器の使
用後の排液を排液処理装置にて浄化した後、その処理液
を洗浄液貯留槽へ供給すると共に、その洗浄液貯留槽内
の処理液を機器の操作等により洗浄液として機器へ供給
して、再使用するという循環を繰り返す構成である。よ
って、上下水道が整備されていない場所においても、容
易に設置して使用することができる。なお、本ユニット
に取り付けられる機器は、便器に限らず、手洗器やシャ
ワー等でもよい。排液処理装置や洗浄液貯留槽等の各種
装置は、床及び壁を構成するユニットパネルの床下部及
び壁裏面に設けることができる。この場合、装置をユニ
ットパネルと一体的に設けてもよい。なお、ユニットパ
ネルは、建物内装部材の内、床及び壁(前壁)が形成さ
れてなる構成である。また、スクリーン(袖壁)を併設
してもよい。本ユニットには、例えば便器1台、若しく
は便器と手洗器を各1台、又は手洗器かシャワーのいず
れか1台などを設置して、一人用の使用とすることがで
きる。なお、設置される機器の性質に応じて排液処理装
置等の構成を適宜変更してもよい。
【0011】例えば、便器を取り付けて使用するための
排液処理装置は、物理的分離処理(1次処理)の後、高
度ろ過処理(2次及び3次処理)が行われる構成とさ
れ、好ましくは、その後、薬品処理、活性炭処理、オゾ
ン処理等が順次行われる構成とされる。なお、高度ろ過
処理は、精密ろ過膜処理装置や生物ろ過装置により行わ
れ、生物化学処理(微生物処理,2次処理)と高度ろ過
処理(3次処理)とを同一槽内で同時に行う構成とする
ことができる。また、便器を取り付けて使用する場合、
使用に伴って、し尿等によってユニットに過剰に液体が
供給されるが、過剰に供給された液体や水分は処理液量
制御装置(蒸発制御装置)にて蒸発、除去される。な
お、蒸発制御装置は、2次処理液、3次処理液又は洗浄
液等を蒸発させるか、又は複数系列同時に蒸発制御装置
へ送り込む構成である。
【0012】一方、手洗器又はシャワーを取り付けて使
用するための排液処理装置は、物理的分離処理を行った
後、高度ろ過処理を行い、薬品処理が行われる構成とさ
れるが、用途に応じて活性炭処理やオゾン処理、イオン
交換処理等を追加することも可能である。なお、高度ろ
過処理が精密ろ過膜処理装置や生物ろ過装置により行わ
れ、生物化学処理と高度ろ過処理とを同一槽内で同時に
行う構成とすることができる点については、便器を取り
付けて使用する場合と同様である。また、蒸発によって
放散する水分は、処理液量制御装置(水蒸気回収装置)
で回収することができる。
【0013】ところで、前記薬品処理は、消臭、殺菌、
脱色、凝集、pH調整又は微生物活性等の目的で実施さ
れ、高度ろ過処理の前処理として実施される場合もあ
る。
【0014】便器に加えて手洗器をも取り付ける場合に
は、便器洗浄液処理ループと手洗液処理ループとを各々
備えてなる構成とされ、便器洗浄液処理ループは、前記
便器用の排液処理装置、便器用の洗浄液貯留槽及び便器
用の処理液量制御装置(蒸発制御装置)を備え、手洗液
処理ループは、前記手洗用の排液処理装置と手洗用の洗
浄液貯留槽とを備える構成とされる。なお、処理液量制
御装置は、手洗専用の装置を加えてもよいし、便器用の
処理液量制御装置を兼用する構成でもよい。このよう
に、種類の異なる機器に対して複数の処理ループを別々
に設けてもよいのである。なお、洗浄度の高い一方の処
理液を、別のループの洗浄度の低い装置に注入する等、
異なるループの一部を接続し処理するようにしてもよ
い。また、洗浄度の高い処理液(例えば蒸発水分回収
液)の一部を更に殺菌等の処置を追加し、非常時等の飲
用として使用することもできる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の自己完結式循環型排液浄化ユ
ニット1について、さらに詳細に説明する。図1は、本
発明のユニット1の第1実施例の縦断面図であり、図2
は、そのユニット1の循環液の流れを示す系統図であ
る。この実施例のユニット1は、便器2が取り付けられ
て使用されるトイレ用ユニットである。なお、以下の説
明では、トイレブース20等へのユニット1の設置状態
において、トイレブース20の奥側を前方といい、トイ
レブース20入口から奥を見た状態で左右方向を定義し
ている(図18)。ユニット1は、床31及び壁(前壁
32、袖壁33)を構成するユニットパネル3の床下部
及び壁裏面に、排液処理装置4、洗浄液貯留槽5及び蒸
発制御装置6等が設けられてなり、ユニットパネル3の
床上部には便器2が取り付けられて使用される。
【0016】ユニットパネル3は、トイレ建物21の内
装部材の内、床31、前壁32及び袖壁33を一体で成
形されてなる。具体的には、図3に示すように、水平に
配置される床板31の後端部に、垂直下方に延出する立
ち上がり片34が連設され、また立ち上がり片34の下
端に更に後方に短水平面35aが連設される一方、床板
31の前端部に上方に延出する前壁32が連設されてな
る(なお、前記立ち上がり片34や短水平面35a等
は、用途に応じて切り離される場合がある)。前壁32
は、上部32aと下部32cとが床板31に対して垂直
に配置されると共に、それらの間が、上方に行くに従っ
て前方に傾斜する傾斜面32bで連設されてなる。ま
た、前壁32上部には、一部にさらに前方に小壁体36
が連設される場合もある。そして、図示の例では、前壁
32の左側端部に、床31及び前壁32に垂直に袖壁3
3が連設されている(但し、袖壁33は連設されない場
合もある)。なお、ユニットパネル3は、合成樹脂板、
金属板又は木板等からなり、床31、前壁32及び袖壁
33を一体成形してもよいし、複数の板片からなる構成
としてもよい。合成樹脂製の大型成形品で一体又は組合
せ製作する場合、槽部分も含めた成形とすることができ
る。また、床下部又は壁裏面に設けられる各種装置の点
検のために、点検口35を適宜設けてもよい(図1)。
さらに、小便器、手洗器等の機器を点検口を兼ねた形に
構成することもできる。また、前壁下部32c及び傾斜
面32bの一部に、図3において二点鎖線で示すよう
に、前方に凹んだ凹部32eを作り、便器等の機器が効
率良く配置できるようにしてもよい。さらに、傾斜面3
2bの一部に水平部32dを設け、パネル表面と裏面と
の配管貫通部又は機器使用者の携帯品置場、ペーパー棚
等と使用してもよい。また、抗菌処理を施した材料を使
用したり、仕上がり製品に抗菌処理を施すこともでき
る。
【0017】排液処理装置4は、便器2からの排液を物
理的分離処理する物理的分離装置41と、この物理的分
離装置41からの液体成分を高度ろ過処理する高度ろ過
処理装置42とを備える。この実施例では、物理的分離
装置41は汚水貯留槽からなり、高度ろ過処理装置は精
密ろ過膜処理装置、さらに具体的には中空糸膜分離装置
42からなる。なお、高度ろ過処理装置は、精密ろ過膜
処理装置に限らず、多孔質合成樹脂粒等の微細ろ材を詰
めた槽に被処理液を通過させると共に空気をばっ気し処
理する生物ろ過装置としてもよいし、両者を組み合わせ
処理することもできる。汚水貯留槽41は、ユニットパ
ネル3の床下部に設けられている。図示の例では、ユニ
ットパネル3の床31の下部に、排液処理装置4によっ
て浄化された洗浄液を貯留しておくための第1洗浄液貯
留槽51が設けられ、この第1洗浄液貯留槽51の下部
に汚水貯留槽41が設けられている。
【0018】なお、本実施例では、図4に示すように、
床下最下部槽(ここでは汚水貯留槽41)の一部を全幅
より(ここでは、前方幅を後方幅より)狭くしてあり、
排液(ドレン)又は連結等に使用する機器接続口41e
が1個又は複数個取り付けられている。また、本実施例
のように、左右両側でなくても、右又は左側の片方でも
よく、一部を徐々に狭くしておけば、汲み取り時に汚物
の流動性が良くなる。
【0019】汚水貯留槽41は、ユニットパネル3の床
31の上部に設けられる便器2からのし尿を含んだ排液
を直接受け入れるタンクである。汚水貯留槽41は、フ
ィルター48等によって、汚物貯留部41cと移送ポン
プ部41dとに分けられる。つまり、目の大きさの異な
る複数のフィルター48により順次、ペーパーや大便を
除去する構成である。なお、汚水貯留槽41を複数工程
に分割して、汚水の浄化と固液の分離とを順次施すこと
もできる。また、フィルター48底部付近には、液面下
のレベルで汚物貯留部41cより移送ポンプ部41dに
固形物が移流しないよう固形物阻止板を取り付けること
もできる。このようにして、次の中空糸膜分離装置42
に供給するための液体成分が取り出される。また、貯留
汚物の均一化又はフィルターの目詰まり防止を図るため
に、汚水貯留槽41の排便口下底面付近又はフィルター
の下部付近に散気装置を設置してもよい。さらに、複数
のフィルター48は一体化する等して、取り外し又は移
動可能な構造とすれば、保守時に汚水貯留槽41内より
汚物を万遍なく汲み取ることができ、またフィルターに
付着した異物の洗浄性も良くなる。このようにして、汚
水からペーパーや大便等の固形分や夾雑物を取り除いた
液体成分は、ポンプ46によって中空糸膜分離装置42
に送られる。
【0020】中空糸膜分離装置42は、ユニットパネル
3の前壁32の裏面に設けられている。中空糸膜分離装
置42は、汚水貯留槽41からの処理液を超精密ろ過す
るものであり、細菌類に限らず超精密粒子も確実に捕捉
して除去するものであり、例えば三菱レイヨン株式会社
の「ステラポアー(登録商標)L」が使用される。中空
糸膜分離装置42は、汚水貯留槽41で1次処理された
液体を上部から供給され、その液体を中空糸膜分離処理
した後、その処理液を下部の集液装置490から第1洗
浄液貯留槽51に排出する構成である。この際、排出装
置51aを作動させることにより、処理液が矢符9−1
に沿って、第1洗浄液貯留槽51へ排出される。なお、
集液装置490は、ろ材を均等に有効使用して、効率的
に高度ろ過処理及び集液するための装置である。この実
施例では、精密ろ過膜処理を行うために、中空糸膜タイ
プを使用したが、平膜タイプやセラミック膜タイプを使
用してもよく、また、ろ過水取出方式は、水頭圧(位置
圧)による押出し又はポンプ53等による吸引方式によ
るもののいずれも使用可能である。さらに、セラミック
膜タイプは、遠赤外線放射量の多いものを使用してもよ
い。また、異なる種類の膜を同時に使用することもでき
る。
【0021】中空糸膜分離装置42の槽の底部付近に
は、ブロア47cにより作動される散気装置47が設け
られている。散気装置47は、気泡を噴出する散気管
(ノズル)47aを備え、膜面に気泡を噴出して膜面に
異物(汚泥等)が付着するのを防止している。また、中
空糸膜分離装置42には、精密ろ過膜(中空糸膜)42
aの前後に、前記気泡流を有効に膜面に当てるためのド
ラフト板8,8が設置されている。つまり、ドラフト板
8は、散気装置47からの空気が効率よく膜面に当たり
上昇するように設置される板材であり、上昇流と下降流
とをはっきりと分ける役目をする。これにより、物理的
分離装置41で物理的固液分離処理された排液は、ドラ
フト板8の内側では、気泡と共に上昇循環流となり、ド
ラフト板8の外側では下降循環流となる。なお、ドラフ
ト板8,8間の間隔を上部に行くに従って小さくなるよ
うにしておけば、上昇流速を速めることができ、膜面の
洗浄効果を一層アップすることができる。これに伴い、
ブロア47c容量を小さくできる効果を発揮する。ま
た、膜面の直前後(ドラフト板8の内側壁)に第2散気
管47bを取り付けることにより、ユニット1が水平よ
り傾斜して据付けられても、或いは移動中に使用されて
も、有効に膜面を洗浄することができ、更に洗浄効果を
向上させることができる。散気管(ノズル)47a,4
7bは、金属製、合成樹脂製又はセラミック製等の材質
のものを使用することができる。セラミック製とする場
合、遠赤外線の放射量の多いものとしてもよい。そし
て、前記下降循環流の通る流路中には、生物処理用の固
定ろ床81が、循環流を阻害しない程度に固定されて設
けられている。この実施例の固定ろ床81は多孔通気性
の合成樹脂板からなり、これにより、中空糸膜分離装置
42に高度生物処理機能をも持たせ、精密ろ過膜処理と
高度生物処理が同時にできるようにしている。なお、多
孔質固定ろ床81の代わりに単独で、或いは多孔質固定
ろ床81に加えて、波板状の接触ろ材82や、藻状の合
成樹脂糸、又は合成樹脂細棒を網様円筒状に加工したも
の等を複数、中空糸膜分離装置42内に設けてもよい。
また、集液装置490と散気ノズル47aを一体或いは
同軸に構成することもでき、槽内の循環液の流れの効率
化及び取付の容易化、更にコンパクト化を図ることもで
きる。
【0022】生物処理用多孔質固定ろ床81は、例えば
多孔質のウレタンボードからなり、この実施例では厚さ
12mm程度のものが使用されている。これにより、多孔
質固定ろ床81の外層部が好気性領域として、また内層
部が嫌気性領域として作用し、その結果、生物処理によ
ってBOD成分と窒素成分の両方が除去される。なお、
この多孔質のウレタンのボード状ではなく、12mm程度
の柱状のものでも同様の効果がある。
【0023】なお、接触ろ材82としては、表面積を増
加させるために波板状に形成された合成樹脂板等を使用
することができる。なお、合成樹脂板自体が多孔質であ
れば更に好ましい。また、接触ろ材として、循環流によ
る大きな変形のない程度に機械的強度の強いものを使用
し、前記のドラフト板8の位置に設置した場合、ドラフ
ト板8自体を省略でき、構造の簡略化、コストダウンを
図ることができる。また、ドラフト板8自体を精密ろ過
膜の一種である平膜で構成することもできる。さらに、
平膜からもろ過液を集液すれば、ろ過液量が増加し、好
都合である。また、平膜を複数設置することもできる。
このように、精密ろ過膜処理装置(中空糸膜分離装置)
42の槽内に、高度生物処理機能を有する固定ろ床81
や接触ろ材82を一体化して組み込んだことにより、中
空糸膜分離装置42の他に生物処理装置を別に持たなく
ても、汚水を能率よく高性能に浄化することができる。
本発明によれば精密ろ過膜処理装置42内に高度生物処
理機能が備えられ、これにより別槽の生物処理装置を設
置することなく、空気を送るポンプ(ブロア)を含む散
気装置も1式だけで済むので、コンパクト且つ小電力化
が可能となった。また、精密ろ過膜42a及び散気装置
47a,47bと生物処理用の固定ろ床81の位置を入
れ換えた配置にしてもよい。すなわち、2枚のドラフト
板8,8の内側に複数の固定ろ床81,81(下降
流)、外側に精密ろ過膜42a及び散気装置47a,4
7b(上昇流)を等分し配置してもよい。さらに、1枚
のドラフト板8を中心にして前後又は左右に、精密ろ過
膜42a及び散気装置47a,47bと固定ろ床81を
振り分けた配置としてもよい。
【0024】この実施例の洗浄液貯留槽5は、前記第1
洗浄液貯留槽51と、中空糸膜分離装置42の上部に設
置された高架タンクからなる第2洗浄液貯留槽52とか
らなる。第1洗浄液貯留槽51の処理液は、必要に応じ
て高架タンク52(第2洗浄液貯留槽)に空気駆動のポ
ンプ53にて供給される。つまり、ブロア47cより送
られる空気を電動弁53aにより制御し、必要に応じて
処理液が供給される。そして、高架タンク52の処理液
(洗浄液)は、必要に応じて便器2に供給される。この
実施例では、洗浄液は、ユニットパネル3上部に設けた
高架タンク52より、便器付属のロータンク22に供給
される。ロータンク内の洗浄液が一定量になると、ボー
ルタップ弁22aが作動し、供給は停止される。なお、
ロータンクを使用せず手動弁(フラッシュバルブ)を操
作し、水頭圧(位置圧)により直接便器に流す構成にも
できる。また、高架タンク52をユニットパネル3とは
別体にトイレ天井付近に設けたり、ポンプによる加圧に
よって流したりする構成でもよい。また、高架タンク5
2の処理液に薬液52y(図6)を適宜混入したり、活
性炭処理を行ってもよい。高架タンク52には、図2に
示すように、雨水を導入する構成としてもよい。この場
合、屋根面より取り込む雨水より砂・微粒子等を取り除
くフィルター組込の貯留タンク91を取り付けてもよ
く、砂等は一定時間毎に電動弁93を開いて排出する
か、又は手動操作により排出する構成とされる。雨水を
ユニット1の循環に取り入れると、汚水の循環浄化を一
層長期間にわたって行うことができる。なお、雨水の取
り入れは、蒸発制御装置6を作動させ、装置内の槽液面
を制御し、取り込み用電動弁92を開いて行われるが、
この構成に代えて電動弁92を取り付けず、高架タンク
52にボールタップ弁を取り付け、貯留タンク91より
の配管を接続する系統とし、液面が下がることにより、
ボールタップ弁が開き、雨水が取り入れられる構成とし
てもよい。なお、砂、微粒子等を取り除いた雨水を更に
精密ろ過膜処理、薬品処理、活性炭処理又はオゾン処理
等を追加して手洗用水又は非常時の飲用水としてもよ
い。
【0025】また、高架タンク52には、脱臭装置を併
設してもよい。脱臭装置の構成としては、高架タンク5
2内の洗浄液を消臭用薬液処理する場合、物理的脱臭
(活性炭処理)する場合、オゾン発生機7bにより発生
させたオゾンをブロア7aにより送り込み接触、反応さ
せる場合、又は脱臭用の微生物を使用する場合等が考え
られる。オゾンを脱臭装置として用いた場合、オゾンを
効率良く接触させる混合装置を備え、十分な反応効果を
得るようにしている。例えば、高架タンク52内に上下
に遮流板71aを設け、その隙間を外径10mm程度以
下のビーズ状又は短円筒状の遮流粒71bで満たす等し
て、オゾンと処理液の接触時間ができるだけ長くなるよ
うに構成すると共に、高架タンク52の底部には、細気
泡を出す多孔質セラミック又は合成樹脂製等の散気管7
cを取り付け、オゾン発生機7bからオゾンを送り込
み、反応効果を上げている。なお、遮流粒71bの材質
は特に問わず、ガラスを含むセラミック類、合成樹脂
類、金属類のいずれでもよい。さらに、オゾン反応効率
の上昇を期待し、飽和装置内に使用するセラミック類に
ついて遠赤外線放射量の多いものを使用してもよい。ま
た、遮流と種々の吸着等の目的で、遮流粒71bに単一
種類又は複数種類の活性炭を使用してもよい。なお、オ
ゾン処理装置は、別タンクとして設置してもよい。その
際には、本発明とは全くの別用途、例えば活魚槽用のオ
ゾン処理装置として使用することも可能である。さら
に、上記構成の液中へのガス混合装置を、分子量の小さ
いガス、例えば水素、ヘリウムガス等の水分飽和装置と
して、応用できるものである。本実施例のオゾン処理装
置は上記のような構成であるから、例えば100リットル以
下の高架タンクであれば、小容量のオゾン発生機(例え
ば50mg/時間)7bでも有効にオゾンが殺菌・脱臭・脱
色効果を発揮する。
【0026】ところで、本発明のような循環型排液浄化
ユニット1では、流入するし尿や雨水の容量分だけ循環
液が増加してしまうので、ユニット1に過剰に供給され
た液体や水分を蒸発制御装置6によって蒸発させる必要
がある。蒸発させる液体は、2次処理液、3次処理液又
は洗浄液のいずれか一つ、或いは複数系列同時に設置す
ることもある。この実施例の蒸発制御装置6は、中空糸
膜分離装置42の前面に設けられており、高架タンク5
2内からの処理液を蒸発させることにより、循環液を一
定量に保つ構成とされている。つまり、本実施例では、
3次処理液を蒸発制御装置に送っている。蒸発制御装置
6は、表面積を増加させるために凹凸を施し波板状に形
成された合成樹脂又は金属等のボード61が、底部が防
水処理され上部又は上部付近の側部より排気されるボッ
クス62内に収容されてなり、そのボード61上に、処
理液が均等に滴下されるようにノズル61aを取り付
け、そのノズルに高架タンク52からの処理液を送る一
方、ボックス62の底部又は側部より自然外気、乾燥空
気又は加熱空気(なお、空気でなくても、窒素等のガス
体であればよい)をボード61周辺に送ることにより、
液体を蒸発させる構成である。なお、外気(空気)取込
口62aには、開口面積を調整できるスライド式スクリ
ーン又はガラリ等を取り付けてもよく、この場合、取込
空気量を可変することができ、更に蒸発量の制御性がよ
くなっている。また、排気ファン63を回転させること
により、ボード61に多量の空気を通過させてもよい。
さらに、ボード61の表面積自体を変えることで、蒸発
量を変えることができる。また、太陽熱等を利用し、被
蒸発液の温度を上昇させてもよい。なお、蒸発制御装置
6で蒸発しなかった未蒸発液は、ボックス62の底部よ
り戻り流路65を通して第1洗浄液貯留槽51に戻さ
れ、再度循環に回される。なお、ボックス62の外気取
込口62aより上部は、防水性に留意し、容易に取り付
け取り外しができるように構成しておけば、保守時に便
利である。
【0027】また、凹凸を施した波板状ボードの代わり
に、表面積が大きく通風性のある材料を収容してもよ
く、例えば合成樹脂細棒を網様状に加工した網様板状、
網様柱状又は網様筒状の形態のものを収容してもよい。
或いは、骨格様球状、網様球状のような形のものでもよ
い。なお、ボックス62は、空気を通過させる機能があ
れば、箱状又は角柱状のものでなくてもよい。例えば、
半円柱状又は円筒状のものでもよく、それらを複数個並
設したような形でもよい。また、蒸発制御装置6を屋根
面に露出させることもできる。その場合、太陽熱による
温度上昇に伴う処理液の放散水蒸気量の上昇、相対湿度
の低下、並びに通風量の増加が見込め、更に一層蒸発量
を増加させることができる。但し、雨水、通気に対する
処理が必要となる。蒸発の効率化、及びトイレ建物内有
効面積に対する装置の占める面積の低減のため、蒸発制
御装置をトイレ外壁外側に露出してもよい。なお、この
場合、雨水等が混入しないようにすると同時に十分な通
気が得られるように対処するのは当然である。この蒸発
制御装置6の構成によれば、波板状のボード61等の表
面に微生物を繁殖させることができ、好気性生物処理効
果も期待することができる。また、ボックス等の内部に
収容するボード61等に多孔性の材料を使用したり、多
孔性のウレタン等をボード61等の波間に配置したり、
ボード61の表面に貼り付けることにより、一層の好気
性生物処理効果や生物脱臭効果を期待することができ
る。なお、精密ろ過膜処理装置42内で好気生物処理さ
れる2次処理液を蒸発制御装置6を通して(未蒸発液
を)、嫌気槽である汚水貯留槽41に戻してやる場合に
は、硝化、脱窒反応が起こり、窒素分を除去することが
でき、さらに好都合である。
【0028】汚水貯留槽41及び蒸発制御装置6は、図
2の破線で示すように、前記蒸発制御装置6の排気ファ
ン63を回転させることにより排気が行われる。この
際、高架タンク52にも連通させることにより、高架タ
ンク52からの空気にはオゾン処理装置によって高架タ
ンク52内の洗浄液に反応しきれなかったオゾンが混じ
っているので、外部に排出される空気の脱臭も行わせる
ことができる。また、異なるタイプの蒸発制御装置とし
て、ヒーター及び散気装置を底部付近に取り付け密閉し
たボックスに過剰処理液を注入し、処理液を加熱、ばっ
気することにより、含高水蒸気空気を作り、外部に排出
する方式を採用してもよい。この場合、過熱対策が必要
となる。なお、排気ファン63は、汚水貯留槽41又は
蒸発制御装置6用に各々設置することもできる。
【0029】ユニット1の大きさは、特に限定されるも
のではないが、例えば床下タンク(汚水貯留槽41及び
第1洗浄液タンク51)の上下高さが約150〜650
mm程度、壁裏タンク(中空糸膜分離装置42及び蒸発
制御装置6)の前後奥行が約200〜800mm程度、
ユニット1全体の上下高さが約1450〜2400mm
程度、前後奥行が約1000〜2300mm程度、ユニ
ット1の左右方向の幅は550〜1200mm程度とさ
れている。また、ユニット1の各タンクの大きさも特に
限定されるものではないが、初期動作時において汚水貯
留槽41に70〜400リットル程度、第1洗浄液貯留槽5
1及び高架タンク52に40〜250リットル程度、精密ろ
過膜装置に150〜500リットル程度の水が収容されてい
る。
【0030】ユニット1には、使用用途に応じ、最適の
器具及びシステムが決定され、その器具、システムに合
わせた器具用給排水口の加工及び継手の取付を完了した
状態で生産、流通することができる。上記実施例のユニ
ット1の場合、トイレ用ユニット1として生産、流通さ
れ、トイレ建物21内に設置されて使用される。具体的
には、トイレ建物21のトイレブース20内に配置され
て使用される(図18)。トイレブース20に設置され
た本ユニット1には、ユニットパネル3の床31の上面
に便器2を載置して、給排水口との接続をして使用され
る。なお、ユニット1に取り付けられる便器2は、便器
洗浄液量が150〜350cc程度の軽水洗、1〜2リッ
トル程度の準水洗、又はJISで定められた水洗液量8〜
10リットル程度のいずれの便器でもよい。また、洋便器に
限らず、和便器や小便器等を取り付けて使用することも
可能である。なお、複数台の小便器付きユニット1を横
に並べて使用する場合には、ユニットパネル3の袖壁3
3が、小便器同士の仕切板の役目を果たすことになる。
【0031】また、ユーザーの要求に応じ、ユニット1
の床31上面に器具(例えば便器2)を取り付けた状態
で生産、流通することもできる。加えて、合成樹脂製、
金属製、木製又は紙製のパネル、又はカーテン等シート
状のもの等、簡易に視線を遮断できる壁体及び扉を取り
付けた形で或いは組立式として、生産、流通することも
できる。同様に、屋外にて使用する場合は、同様の材料
で製作された屋根を取り付けた形で或いは組立式とし
て、生産、流通することもできる。さらに、当然なが
ら、ユーザーの要求に応じ、棚、照明、コートフック、
ペーパーホルダー、握りバー、消毒系手洗器、便座クリ
ーナー等の付属品を取り付けた形で生産、流通すること
もできる。その上、屋内外用に限らず、キャスター等の
移動用小型車輪を取り付けるか、台車上に組み付けた形
で生産、流通することもできる。
【0032】便器2の使用後に、ロータンク22のレバ
ーの操作によって洗浄液を流すと、ロータンク22内の
洗浄液は便器2を洗浄しつつ、し尿を含んだ汚水となっ
てユニット1の汚水貯留槽41に流され、その汚水貯留
槽41で固液分離された後、その液体成分が中空糸膜分
離装置42へ供給されて生物処理及び精密ろ過膜処理さ
れた後、第1洗浄液貯留槽51に排出される。そして、
第1洗浄液貯留槽51に貯留されている処理液は、高架
タンク52の液面レベルが減少した場合に、その減少分
だけポンプ53で高架タンク52に供給される。また、
高架タンク52に貯留されている処理液は、ロータンク
22の液面レベルが減少した場合に、その減少分だけロ
ータンク22に供給される。また、し尿等によってユニ
ット1に過剰に供給された液体は、蒸発制御装置6によ
って除去される。この実施例では、蒸発制御装置に使用
する電力と、精密ろ過膜による液出しに使用する電力を
省力化することができ、また小電力の吸引ポンプを使用
したとしても、太陽電池のセルの変換効率が14〜17
%程度とすれば、ユニット平面積と同程度の面積を持つ
太陽電池で運転することができる。なお、装置の運転
は、各槽に適宜取り付けられた水位検出スイッチよりの
信号等をコンピュータ化された制御装置に取り込み、様
々な装置条件を判断し、予めプログラムされた動作に従
い行われる。
【0033】加えて、長期間安定して装置を動かせるた
め、精密ろ過膜の細孔の目詰まりに対処し、ろ過性能を
回復するための逆洗装置9を備えていることを特徴とし
ている。通常運転時は、矢符9−1のような処理液の流
れで精密ろ過液が第1洗浄液貯留槽51に供給される
が、長期間使用されると(精密ろ過を続けると)、細孔
の目詰まりにより、単位時間当たりのろ過量が低下して
くる。本実施例では、各処理槽の液面レベルとポンプの
運転時間の計測により、目詰まり状態を検知する等して
自動的に又は一定時間毎に逆洗装置9を一定時間作動さ
せて、高架タンク52の処理水を水頭圧(位置圧)によ
り精密ろ過膜に、ろ過とは逆方向である矢符9−2方向
に流し、逆洗を実施している。この装置を取り付けるこ
とにより、ユニット1の保守頻度は大幅に低減される。
なお、この逆洗装置9は、手動式としてもよい。なお、
排水中に界面活性剤が混入する等し、処理槽中への散気
により、多量の泡が発生する可能性のある用途に対して
は、消泡装置を備え付ける構成とされている。消泡装置
がない場合、発生した泡が、排気孔等より噴出し、装置
外に漏れ出すおそれがあるからである。本実施例では、
中空糸膜分離装置42の排気孔421付近に消泡装置8
4を設置している。さらに、逆洗頻度が多い場合、又は
大量の界面活性剤が混入する用途等に対しては、凝集
剤、pH調整剤等を添加する等、複数の薬品処理をする
こともある。また、イオン交換処理を追加することもあ
る。
【0034】なお、軽水洗タイプの便器を使用する場合
は、汚水貯留槽41の便器2からの排便口付近に、汚物
やペーパー等が溜まり易いので、汚水貯留槽41の排便
口下底面付近に散気装置を備え空気をばっ気するか、又
は1次処理液又は2次処理液をポンプで汚水貯留槽41
の便器口付近に流してやり、排便口付近に流れを作り、
汚物やペーパー等を均一化してもよい。この際、蒸発制
御装置6からの再循環液や、汚水貯留槽41から中空糸
膜分離装置42にポンプにて上げられた処理液の一部
を、その水頭圧(位置圧)を利用して汚水貯留槽41へ
戻すことにより流れを作れば、動力が不要であり好適で
ある。本ユニット1は、自己完結式循環型であるため、
比較的長期間(例えば使用可能回数が約5000回)に
わたって給排液なしに使用ができるのであるが、適宜汲
み取りを行うことも可能である。つまり、汚水貯留槽4
1の前部41aより、汚水貯留槽41内に溜まった大便
等を汲み取ることも可能である(図1)。なお、ユニッ
トパネル3の後部には汚水貯留槽41の開口41bがあ
り、その開口41bは通常蓋がされているが、汲み取り
時にその蓋を外して汚水貯留槽41内に水を流しながら
汲み取ることにより、槽内の汚物をほとんど汲み取るこ
とができる。また、この開口41bは、トイレ掃除の際
の排水口としての役目も果たすこともできる。
【0035】本実施例のユニット1にJIS水洗便器を
取り付けて水洗便所として使用する場合、装置スペース
をトイレブース20の25%程度とできる。また、準水
洗あるいは軽水洗便器を取り付け構成する場合、更に装
置スペースを小型化できる。また、パネル3と一体化し
て、便器2等の機器1台毎に対応する装置とできるた
め、市販・量販品の小容量ポンプ(例えば、揚程1.2mで
流量4リットル/min、消費電力16W)が使用できるように
なったのみならず、高度生物処理装置と精密ろ過膜処理
装置とを一体化したため、ブロア台数が低減でき、ま
た、小型化したためブロアも低消費電力のものを使える
ようになった。よって、1便器当たりの消費電力を0.1k
W 程度とできた。また、精密ろ過膜処理装置42に設備
する精密ろ過膜の本数を自由に選択できる構造としたた
め、各種器具、用途に合わせた膜面積を持つユニット1
を生産、流通することができる。例えば、洗浄液量15
0〜350ccの軽水洗便器に対しては膜面積4m2 程度
以下、1〜2リットルの準水洗便器に対しては膜面積4〜8
2 程度、8〜10リットルのJIS水洗便器に対しては膜
面積12m2 程度以上と、用途に応じた膜面積を持つユ
ニットを作ることができる。さらに、本実施例のような
洗浄液貯留タンクを約150リットルとした場合、1台のJ
IS水洗便器当たりの使用回数は、1回の使用に3分か
かるとして、大便の場合でも2時間に40回の連続使用
に耐えるユニットとなっている。なお、小便も含めた場
合では流す量が少ないので一層多回数の連続使用が可能
である。また、1日に120回の使用も可能である。し
かも、精密ろ過膜処理に加えて高度生物化学処理をも施
しているため、透明度の高い無臭の洗浄液を得ることが
できる。
【0036】ユニットパネル3の袖壁33には、手洗器
23を取り付けて使用してもよい。手洗器23は、手洗
ボール23bと水栓23aより構成される。なお、水栓
23aは、プッシュ式等で一定時間のみ手洗水が排出さ
れ停止するような構造のものがよい。この場合、図2に
示すような手洗液処理ループを、便器洗浄液処理ループ
とは別に組み込む。この手洗液処理ループは、手洗用の
排液処理装置4′と手洗用の洗浄液貯留槽5′とを備え
る構成とされ、ユニットパネル3の裏面に設けられる。
また、袖壁33の厚みを増し、裏面に排液処理装置4′
を一体型で成形又は取り付けてもよい。手洗用の排液処
理装置4′は、物理的固液分離機能を持った手洗用の汚
水貯留槽41′の処理液を精密ろ過膜処理するものであ
る。精密ろ過膜処理は、便器用の排液処理装置4の場合
と同様に、中空糸膜分離装置42′にて行われる。この
中空糸膜分離装置42′には、便器用の排液処理装置4
の場合と同様に、高度生物処理用多孔質固定ろ床等を設
けることにより、精密ろ過膜処理と共に、生物処理をも
同時に行わせる構成であってもよい。また、物理的固液
分離機構は、小型化できるため、汚水貯留槽41′と中
空糸膜分離装置42′は一つの槽に組み込むこともでき
る。一方、薬品処理は、中空糸膜分離装置42′の処理
液を貯留している洗浄液貯留槽5′に殺菌効果のある薬
品を薬品貯留タンク52yより滴下する構造としてい
る。また、薬品注入ポンプにより必要薬品濃度に制御し
注入することもできる。なお、薬品注入は、異なる複数
の用途のものを併用してもよい。さらに、便器用の高架
タンク52と同様にオゾン処理装置71a′,71
b′,7c′によってオゾンを洗浄液に接触反応させ、
殺菌することもでき、さらに活性炭処理して薬品成分の
吸着を図る構成であってもよい。なお、精密ろ過膜処理
した後、限外ろ過膜処理又は逆浸透膜処理を施してもよ
い。なお、便器2に洗浄型便座を取り付け使用すること
もできるが、この場合、手洗液処理ループの洗浄液を接
続して使用すれば、更に清潔に使用することができる。
【0037】ところで、本発明のユニットは、便器2用
に限らず、手洗器23やシャワー24単体用にも適用可
能である。手洗器23又はシャワー24用のユニット1
とする場合には、ユニットパネル3の床31下部及び壁
32裏面に便器用の各種装置を組み込む代わりに、図2
に示す手洗液処理ループの部分のみをやや大型化した装
置をユニットパネル3の床31下部及び壁32裏面に配
置すればよい。なお、本ユニットの各装置(槽)には適
宜、点検可能な蓋が取り付けられているが、各々の装置
(槽)自体が他の装置の蓋の役目をするように(例え
ば、高架水槽52自体が中空糸膜分離装置42の取り外
し可能な蓋となっている)構成される部分もあり、一体
化及びコンパクト化に留意されている。更に、移動中に
使用されても、液漏れ等がないように防水性を高めた構
造とされている。また、ユニット内に、水質検査用の又
は制御信号を出す溶存酸素計、水素イオン濃度計又は残
留塩素濃度計等の計測装置を組み込むこともできる。ま
た、これらの装置よりの信号でポンプ、ブロアー等の機
器の運転を制御してもよい。
【0038】図5は、本発明のユニット1の第2実施例
の縦断面図であり、図6は、そのユニット1の循環液の
流れを示す系統図である。この実施例のユニット1は、
前記第1実施例のトイレ用ユニットの改良である。この
ため、第1実施例と同じ構成の部分については説明を省
略し、異なる点についてのみ以下に説明する。
【0039】この実施例では、手洗器23が、ユニット
パネル3の袖壁33ではなくロータンク22の上部に取
り付けられてなる構成である。この実施例の場合、高架
タンク52は、手洗器23用の洗浄液貯留槽5′として
使用されるよう構成されている。よって、便器2用の
(第1)洗浄液貯留槽51の洗浄液は、高架タンク52
を介さずに、必要量だけ供給装置53aを通し直接ロー
タンク22に供給される構成とされている。また、蒸発
制御装置6に2次処理液と3次処理液を送り蒸発させる
構成となっている。なお、この実施例では、蒸発制御装
置6は、実施例1に比べ倍程度の大きさに設定されてい
る。中空糸膜分離装置42には、汚水貯留槽41より1
次処理液が送られてくるが、この時、洗浄液貯留槽51
に規定量以上の3次処理液がある場合、中空糸膜分離装
置42内の2次処理液は膜分離処理されずオーバーフロ
ー口422より蒸発ノズル61a内に送り出され、蒸発
ノズル61aよりボード61上へ均等に滴下される。同
時に、ノズル61aには便器用の洗浄液貯留槽51の洗
浄液が供給装置53bを通し、直接接続、滴下され2次
処理液と3次処理液の2系列同時に蒸発させている。こ
れは、2次処理液によるノズル61aの目詰まりの発生
を防止する効果もある。
【0040】便器用の洗浄液貯留槽51の前部には、手
洗用の汚水貯留槽41′及び中空糸膜分離装置42′が
左右に分かれて設けられている。これにより、手洗器2
3よりの排液は、手洗用の汚水貯留槽41′で物理的分
離処理をされ、その処理液が手洗用の中空糸膜分離装置
42′を経た後、高架タンク51にて薬品処理され、手
洗器23に戻されることとなる。なお、図示の例では、
薬注タンク52y内の薬品は薬注ポンプ52y1により
必要薬品濃度に制御されて、高架タンク51内の洗浄液
に注入される。手洗用の中空糸膜分離装置42′よりの
処理液の取出しは、中空糸膜より吸引ポンプ43′で直
接行われる。この時、吸引量を増すと、中空糸膜の細孔
の目詰まりの原因となるため、吸引ポンプ43′の2次
側に逆止機能付の定流量装置43b′を設備し、規定量
の処理液を取り出している。なお、この実施例では、手
洗用水栓23aを操作することにより、高架タンク5′
内の洗浄水が水頭圧(位置圧)の作用により、手洗吐出
管23cを通して流出し、手洗ボール23bに水が流れ
るよう構成されている。
【0041】図7は、本発明のユニットの第3実施例の
縦断面図である。この実施例のユニット1も、前記第1
実施例のトイレ用ユニットの変形例である。このため、
第1実施例と同じ構成の部分については説明を省略し、
異なる点についてのみ以下に説明する。この実施例で
は、ユニットパネル3の下部に、第1洗浄液貯留槽51
を設けないで、物理的分離処理を行う2つの汚水貯留槽
411,412が上下2段に設けられている。上側の第
1汚水貯留槽411は、主として小便等の液体成分とペ
ーパーを受け入れるものである。一方、下側の第2汚水
貯留槽412は、主として大便等の固体成分を受け入れ
るものである。なお、第2汚水貯留槽412の底部付近
に棒状、面状又はコード状のヒーター43を配置して約
60℃程度に昇温し、且つ好気状態を保つことにより、
バクテリアを繁殖させ、し尿(有機物)を分解発酵させ
ることにより、大便の容量の減少を図る構成とされてい
る。しかも、ヒーター43に加えて、第2汚水貯留槽4
12には攪拌装置44を組み込んである。この攪拌装置
44は、2種類の機能を持った複数枚の翼(攪拌専用の
翼44a,攪拌及び移送用の翼44c)が設けられた軸
44bをモーター45にて回転することにより、大便等
を攪拌し通気を図り、発酵処理して大便等の容量の減少
化と均一化とが図られている。軸44bは、左右に複数
本設置されており、軸に取り付けられたプーリー44d
及びベルト44eにより接続、回転するように構成され
ている。なお、移送用の翼44cを取り付け、移送量を
調整できるようにしたため、槽内のし尿(有機物)を十
分分解発酵し、適当に熟成したコンポストとして排出口
41aより取り出すことができる。また、もみ殻のよう
な水分調整材及びバクテリアを投入してもよい。
【0042】この実施例のユニット1には、軽水洗便器
2が取り付けられて使用される。この軽水洗便器2は、
便器下部の排便口に、蓋体26が開閉可能に設けられて
なると共に、この蓋体26の下部の管体は二股分かれし
て形成されている。つまり、便器2と汚水貯留槽41と
を連通する管体は、蓋体26の真下に設けられて第2汚
水貯留槽412と連通する第2接続管28と、この第2
接続管28よりも後部に設けられて第1汚水貯留槽41
1と連通する第1接続管27とからなる。蓋体26は、
図8に示すように、蝶番26aにて便器2の排便口の前
端部を中心に開閉可能に設けられており、蝶番26aよ
りも前端側に設けられたウエイト26b及び開度調整用
の押しバネ26cにより、通常は排便口を閉鎖する構成
とされている。そして、大便等の重量物が蓋体26にか
かった場合には、押しバネ26cは急激に加えられた力
で26dのように略Ω形に変形し、蓋体26が十分に下
方に押し下げられて開き、大便等は第2接続管28を通
って第2汚水貯留槽412へ落下される。一方、小便や
ペーパーのように徐々に蓋体26に力がかかった場合に
は、押しバネ26cには軸方向の力が働き、蓋体26が
大きく開くことなく、蓋体26と排便口との隙間から、
或いは蓋体26が僅かに下方に押し下げられて開くこと
により、第1接続管27を通って第1汚水貯留槽411
へ排出される構成である。
【0043】なお、蓋体26は皿状になっており、洗浄
液の一部が皿面に残り、便器の排便口との間で水封さ
れ、汚水貯留槽よりの臭気が上がってこないように構成
されている。しかも、この実施例では皿の一部(後方)
に、貯水効果は残しつつ溝26eを作り、小便やペーパ
ーが確実に第1接続管27へ排出されるようにされてい
る。
【0044】第1汚水貯留槽411の前部には、ペーパ
ー回収装置413が設けられている。ペーパー回収装置
413は、機械的スクリーン装置を設備してもよいが、
本実施例ではオーバーフロー式のものを設備した例を示
している。つまり、第1汚水貯留槽411内の循環液を
一定時間毎にオーバーフローさせ、液面に浮上したペー
パーを回収するための装置である。ペーパーを回収した
い場合は、第1汚水貯留槽411内の循環液を溜めて、
ペーパー回収装置413の高さよりも高くしてあふれさ
せ、そのあふれた循環液と共にペーパーがペーパー回収
装置413に入る仕組みとされている。回収されたペー
パーは、オーバーフロー時間外又はスクリーン装置動作
時間外に、蒸発制御装置6のファンによる乾燥空気の流
れを利用する等して乾燥される。また、別系統の専用フ
ァンを設備してもよい。また、ペーパー回収装置413
上に設けられた湿度センサーにより空気の湿度を調べ
て、それが乾燥空気の湿度とほぼ同一になった場合に取
り出されるような乾燥検知装置を取り付けてもよいし、
一定時間後に取り出してもよい。なお、その際に、表示
器を点灯させて取り出しを促す構成としてもよい。ま
た、また、取り出す代わりに、第2汚水貯留槽412へ
ペーパーを排出する構成であってもよい。なお、前記湿
度センサーの信号は、し尿のコンポスト化の管理に有効
に利用され、前記ファンの運転を制御することができ
る。
【0045】この実施例では、第2汚水貯留槽412よ
りの排気には含水分蒸気量が多くなるため、蒸発制御装
置6は水蒸気回収としての機能を持つことになる。つま
り、蒸発制御装置6内の金属等のボード61表面で凝縮
した液が回収される。また、蒸発制御装置6の戻り流路
65は第1汚水貯留槽411へ接続され、蒸発水分が循
環液として利用されている。なお、蒸発量が多いとき
は、雨水が取り込まれる
【0046】ところで、女性用トイレ等はペーパーを多
く使用される場合があり、軽水洗便器を使用した場合は
便器落ち口付近に、汚物、ペーパーが片寄り、貯留され
ることがある。これを回避するために、蒸発制御装置6
からの未蒸発処理液の戻り液、又は/及び第1汚水貯留
槽411から精密ろ過膜処理装置42へ移送する処理液
の一部(矢符413−1)を便器落ち口付近に向け回流
させることにより、ペーパー等を押し流す流れを作って
やることが望ましい。同時に、第1汚水貯留槽411に
設けたオーバーフロー口413aにオーバーフロー液面
に沿って取り付けた金属製又は合成樹脂製の仕切板(横
向きの樋状の半パイプでもよい)413bを取り付け、
ペーパー等を押し流す前記回流が、その仕切板に当た
り、オーバーフロー口413aに向かうように各機器を
配置すれば効率よくペーパーをあふれ出させることがで
きる。
【0047】この実施例のユニット1の場合、上記2つ
の汚水貯留槽411,412により固液分離が行われ、
第1汚水貯留槽411内の液体成分のみが循環液として
循環に回される。つまり、第1汚水貯留槽411内の液
体成分は、前記第1実施例や第2実施例の場合と同様
に、高度生物化学処理と精密ろ過膜処理を行った後、薬
品処理やオゾン処理等を行って、便器2の洗浄液として
再利用されるのである。この実施例の場合、循環液には
大便が混じることが少ないので、循環液の着色度合いの
低減を図ることができる。また、第2汚水貯留槽412
内に大便を分離することで、発酵処理時の含水率調整が
容易となる。さらに、第1汚水貯留槽411の分離液の
成分が比較的一定しているので、薬品処理が容易とな
る。なお、図示の例では、床タンク(第1汚水貯留槽4
11及び第2汚水貯留槽412)を上下2段に配置した
例を示したが、左右又は前後に配置して、便器排出口付
近で固液分離する構成としてもよい。
【0048】図9は、本発明のユニットの第4実施例の
縦断面図であり、図10は、そのユニットの循環液の流
れを示す系統図である。この実施例のユニット1も、前
記第1実施例のトイレユニットの変形例である。このた
め、第1実施例と同じ構成の部分については説明を省略
し、異なる点についてのみ以下に説明する。この実施例
では、汚水貯留槽41を別置きにしている。ユニット1
に取り付けられる便器2の排出口は、底面側ではなく、
前方に排出されるタイプの便器とされている。JIS水
洗便器を使用した場合、ポンプ等を使用せず、下り配管
勾配の取れる範囲で配管を延長し、便器と離れた場所に
し尿を含んだ排液を送ることができる。なお、ポンプ等
の圧送装置を付ければ、一層離れた場所に排液を送るこ
ともできる。この実施例では、汚水貯留槽の中に移送ポ
ンプを設置するのではなく、ユニット1側にポンプ槽4
61を設置している。
【0049】別置の汚水貯留槽410は、この実施例で
は、上部に、汚水貯留槽410への流入配管が設けら
れ、下部に、汚水貯留槽410からの流出配管が設けら
れている。そして、これら各配管は、汚水貯留槽410
をユニット1から取り外しできるように、端部にフラン
ジ(流入側412a,流出側412b)等が設けられて
おり、ユニット側の配管との着脱が可能とされている。
なお、配管を外すと配管内の排液を遮断する弁機能付き
のクイック継手を使用すると、汚水が周辺に漏れること
がないので好適である。また、フランジ412a,41
2bの前や後ろには可撓管413a,413b,413
cが取り付けられており、多少汚水貯留槽410の設置
位置が変わっても、接続し易いような構成とされてい
る。別置きにされた汚水貯留槽410は、内部に固液分
離を順次施すため、複数の目の大きさを組み合わせた例
えば3段階のフィルター481が設置されており、第1
実施例のフィルター48及び汚水貯留槽41と同様に構
成することもできる。このフィルター481により、汚
物貯留部415aと、1次処理液流出側415bとに分
けられている。この実施例では、流出口415cは左側
底部に取り付けられており、フィルター481は、図1
0に示すように、汚水貯留槽410の左端付近に斜めに
傾斜して設けられており、そのフィルター481より右
側に大きく汚物貯留部415aが構成されている。ま
た、フィルター481より左側が1次処理液流出側41
5bとされている。便器2からの汚水は、流入配管を介
して汚物貯留部415aに流され、この汚水は汚水貯留
槽410内のフィルター481で1次処理された後、1
次処理液流出側415bへ導かれ、その1次処理液は流
出配管を介して、ユニット1側に設けられたポンプ槽4
61へ導出される。
【0050】前記流入配管及び流出配管には、それぞ
れ、汚水貯留槽410を取り外したときに、装置内の汚
水が漏れないようにストップ弁416a〜416cが取
り付けられている。ところで、流出配管は通常、1次処
理液で満たされているため、汚水貯留槽410と分離す
るときには、流出配管の2つのストップ弁416b,4
16cを閉じたとしても、両者の間の僅かな処理液が漏
れることとなるが、その漏れ液は受け皿416dによっ
て受けられる構成とされている。なお、流出配管の分離
時に、ストップバルブ416b,416cを汚水貯留槽
410の汚水貯留レベルより高い位置に移動して分離作
業を実施すれば、僅かな処理液も漏れないように作業す
ることができるので、好適である。また、ストップバル
ブ416b,416cを閉じた後の間隙から処理液を取
り出すための小径の空気抜き弁及び排出弁を取り付けて
もよい。そして、分離後の汚水貯留槽410側の流出配
管は、図10の二点鎖線で示すように立ち上げて固定し
ストップ弁416bを閉じる一方、流入配管には盲フラ
ンジを取り付けて移動することができる。なお、汚水貯
留槽410の液面検知は、ポンプ槽461内で行う構成
としている。
【0051】このように汚水貯留槽410を別置きにし
た場合、汚物の汲み取りのために車両が入れないような
場所、例えば山岳、船舶又は地下工事現場等に使用する
場合でも、別置きの汚水貯留槽410を複数個用意すれ
ば、この数だけ使用期間を増すことができる。なお、汚
水貯留槽410からの汚物の汲み取りは、適宜の時期に
行えばよい。例えば、工事終了後、船が接岸した時等に
行えばよい。また、病院内等に使用するような比較的短
期間に汚物の排出、循環水の補給ができる場所において
は、別置き汚水貯留槽410を極めて小型にして持ち運
びできるようにすることもできる。例えば、市販の20
リットルポリエチレン製タンク程度まで小型にすることも可
能である。
【0052】また、本実施例は、精密ろ過膜処理装置4
2よりのろ過液の取り出しに吸引ポンプ53aを使用し
ている。この精密ろ過膜よりの吸引ラインには、実施例
2の手洗用処理液の取出しと同様、逆止機能付の定流量
装置53bが設備してある。さらに、吸引量を目視で確
認できる流量計53dも取り付けられている。それか
ら、吸引ポンプ53aを使用する場合の逆洗装置は吸引
圧検知センサー93からの信号で逆洗装置91及び92
を同時に作動させ、矢符9−2の流れで実施する構成と
されている。なお、逆洗は、吸引圧を目視で確認し、手
動切替で実施する構成にしてもよい。ちなみに、矢符9
−1は、通常のろ過水取り出し状態を示している。ま
た、薬洗については、高架タンクに供給される薬注装置
よりの薬品濃度を洗浄に必要な程度に上げてやり、逆流
装置を使い、精密ろ過膜に送ることで実施される。
【0053】図11は、本発明のユニットの第5実施例
の循環液の流れを示す系統図であり、図10と違う設備
のみを表示している。この実施例のユニットは、上記第
4実施例の別置きの汚水貯留槽410をユニット1に内
蔵した構成としたものであり、図9の破線でそのことが
示されている。つまり、図9の別置きの汚水貯留槽41
0の代わりに、ユニットパネル3の下部に、汚水貯留槽
41をユニットパネル3と一体的に設けたものである。
この実施例のユニット1は、通常時には一般の水洗トイ
レとして使用でき、非常時又は節水時には、自己完結式
循環水洗トイレに切替できるように構成したものであ
る。つまり、図11に示すように、高架タンク52には
ボールタップバルブ521が取り付けられており、常時
は市水を供給することが可能である。なお、ボールタッ
プバルブ521の故障に対応してストップバルブ522
も取り付けられている。
【0054】図11に加えて図10をも参照して説明す
ると、最初の水張時は、逆洗装置92は、矢符9−2の
流れの状態で使用し、市水は、高架タンク52の水頭圧
(位置圧)により、ロータンク22と精密ろ過膜処理装
置42に供給され、さらに蒸発用ノズル61a及び戻り
流路65を通して汚水貯留槽41にも供給される。な
お、この時、吸引ポンプ53aを運転してもよい。汚水
貯留槽41が一定レベルまで市水で満たされ、オーバー
フロー口49aより流れ出した時に、オーバーフロー水
検知スイッチ49が働くと、逆洗装置92を操作して、
矢符9−1の流れに設定すると同時に、吸引ポンプ53
aは停止する。これにより、循環使用のための水が各槽
に張られたことになる。なお、この際、ドレン用バルブ
491は閉じられており、また便器2の排出口に取り付
けたストップバルブ416aは開かれている。さらに、
バルブ49bも開かれている。ところで、高架タンク5
2より精密ろ過膜処理装置42及び汚水貯留槽41への
水張専用装置を取り付けてもよい。この状態で、通常の
トイレと同様に、供給された市水で汚物を下水道に流す
ようにして使用することができる。なお、通常運転時に
は、水張時と同様にして新しい市水を供給する。また、
ブロアー47cを作動させる等の貯留水の腐敗防止処理
を一定時間毎に実施することが好ましい。また、予めプ
ログラムし、自動的に作動させることもできる。
【0055】非常時(循環時)には、便器2の排出口に
取り付けた比較的容易に取り付け、取り外しのできる継
手、例えばユニオン型のジョイント211及びストップ
バルブ416aに取り付けられた同じくユニオン型のジ
ョイント416a−1を緩め、T型接続継手212を下
向きに回転させる。しかも、この際、T型の90°分岐
した一端に取り付けられたソケット状の蓋付接続口(例
えば市販の掃除口)213の蓋を外しておく。汚水貯留
槽41には、内外を連通する開口部が上部に形成されて
おり、その開口部には、掃除口213が通る程度のゴム
又は軟質合成樹脂製の円筒形状のスリーブ41gが取り
付けられており(図9)、常時は蓋が取り付けられてい
る。よって、汚水貯留槽41の蓋(スリーブ41gの
蓋)を外して、下向きに回転し開口した掃除口213を
スリーブ41gに差し込み、前記ユニオン型ジョイント
416a−1と211を締め付け固定することにより、
便器からの排液を汚水貯留槽41に流すことができる循
環状態とすることができる。なお、この際、ストップバ
ルブ416a,49b,522,491は閉とされてい
る。なお、掃除口213と差し込まれたスリーブ41g
は、ホースバンド等で締め付け、液漏れを防止してもよ
いが、スリーブ41gと掃除口213が密着して液漏れ
しないような加工を施したもので構成することもでき
る。実際にユニットを循環状態として使用するには、制
御装置に取り付けられた常時と循環とを切り替える切替
スイッチを循環の側に切り替えることにより、予めプロ
グラムされ自動的に切替えられる構成とすることもでき
る。
【0056】一方、節水タイプとして使用する場合も同
様だが、この場合は一定時間毎に市水による運転に切り
替えるのが好ましい。市水切替時は、バルブ522を
閉、バルブ491,49bを開とすることにより行われ
る。そして、制御装置の前記切替スイッチを常時に切替
える。そして、バルブ522を開として、最初の水張り
と同様にして、一定時間処理装置内の循環水をオーバー
フローさせ、市水で各槽を満たすことができる。この
時、精密ろ過膜処理装置42内の循環液も汚水貯留槽4
1へ排出されることになる。この時、バルブ491の開
閉を数回繰り返すことにより、汚水貯留槽41内も更に
洗浄できる。このようにして、装置内はほぼ清浄な市水
で満たされる。次に、バルブ491は閉、49bは開と
し、T型接続継手212は上向きにし固定し、スリーブ
41g及び掃除口213には蓋をする。ストップバルブ
416aを開として通常運転を続ける。ところで、便器
排出口に取り付けられたT型接続継手212及びストッ
プバルブ416aを、配管とほぼ同じ口径面積をもつ手
動3方切替弁に置き換えると、ハンドル操作のみで切替
が可能となる。なお、掃除口213及びスリーブ41g
の形態は半固定となり、取付位置も変更されることもあ
る。また、自動的に制御して常時と循環との切替を行う
場合、同様にT型接続継手212及びストップバルブ4
16aを電動3方切替弁に置き換え、同じくストップバ
ルブ522,491,49bを2方電動弁に置き換える
と、バルブ操作をしなくても電気的に切替が可能とな
る。なお、前記手動弁、電動弁(切替弁を含む)は、ボ
ールタイプ、ダンパータイプ、その他のタイプを使用可
能であるが、流路に汚物の引っ掛かりの少ないものが使
用される。
【0057】なお、循環時に使用される汚水貯留槽41
は、分離壁480で前後又は左右に仕切られている。ス
リーブ41gを通過した便器2よりの排液は、メッシュ
状、多孔状、スリット状又はそれらを組み合わせた形状
(以下、「メッシュ」とする)の分離装置472に当た
り、液体成分はメッシュを通過するので、分離壁480
の後又は右に、固形成分はメッシュを通過できずに、分
離壁480の前又は左に導出されて、固液分離がなされ
ることになる。分離装置472は、ウエイト471で蝶
番472aを支点とし、通常スリーブ41g側に押し付
けられており、便器2よりの排液が小便等の液状のもの
であれば、メッシュを通して直下へ落下して、分離壁4
80の後又は右に導出され、大便のような固形分を含ん
だ排液がきた時には、メッシュが下方に押し下げられて
開き、分離壁480に当たった時の振動と傾斜により、
固形物のみ分離壁480の前又は左に落下することとな
る。なお、メッシュ状の分離装置472は、簡易的には
ウエイト471及び蝶番472aを省略し、傾斜位置で
固定されたもので構成してもよい。
【0058】ところで、分離壁480は設置せず、代わ
りにロート状の45°エルボ型継手473を固定した分
離壁体489を隣接して設置しておき、継手内部を壁体
489を貫通して設け、継手外部と分離壁489を防水
処理しておく。なお、ロートの開口面をスリーブ41g
の開口面より大きく取ってある。よって、便器2よりの
排液が液状のもののみであれば、メッシュを通してロー
トの開口より壁体489の後又は右に導出される。一
方、固形分を含んだ排液の場合、メッシュが下方に押し
下げられて開き、ロート状の継手473に当たり、固形
分のみ壁体489の前又は左に落下することになる。こ
の実施例では、ロート状の継手473の位置を変えず分
離壁体489の設置場所を変更することにより、槽内の
固液分離エリアの内、例えば固形物エリアを拡げること
も容易である。但し、ロート状の継手473より壁体4
89の貫通口に配管を延長し接続することは当然であ
る。また、メッシュ状の分離装置472は、前記と同様
に固定されたものでもよい。なお、前記汚水貯留槽41
取付のオーバーフロー口49aの高さは、分離壁480
の上端若しくはロート状の45°エルボ型継手473の
ロート状開口の下端(つまり汚水貯留槽41内の後又は
右(小便側)より前又は左(大便側)へのオーバーフロ
ー高さ)よりも低い位置に取り付けてあり、また、蒸発
制御装置よりの汚水貯留槽41への戻り流路65は後又
は右(小便側)へ接続されている。このようにすれば、
循環から常用に切替える時の汚水貯留槽41の洗浄を確
実に実施することができる。なお、長期間、循環運転を
続けると、汚水貯留槽41の前又は左(大便側)から後
又は右(小便側)へ排液がオーバーフローする場合があ
るが、このオーバーフロー液内の固形物が小便側へ流入
しないように、前記メッシュが下方に押し下げられた位
置の真下方に複数の目のサイズのフィルター482を設
置することができる。このフィルター482は、前記ロ
ートの開口内に取り付けてもよい。
【0059】図12は、本発明のユニット1の第6実施
例の縦断面図であり、図13は、そのユニット1の循環
液の流れを示す系統図である。この実施例のユニット1
も基本的には、前記第1実施例のユニットと同様の構成
であるが、洋便器に代えて和便器2が取り付けられた例
を示しており、また、この実施例では電気を供給しなく
とも長期間循環作動を可能に構成している点に大きな特
徴を有している。つまり、処理液を流す際に、物理的分
離装置41から精密ろ過膜処理装置42への処理液の汲
み上げがポンプ105により行われ、精密ろ過膜処理装
置42から高架タンク52への処理液の汲み上げはポン
プ104にて行われる。さらには精密ろ過膜処理装置4
2のろ過膜への散気は空気ポンプ(ブロアー)101で
行おうとするものである。そして、空気又は循環液を送
るポンプ等の駆動は、ユニット1の使用者により行われ
るように構成したものである。本実施例では、循環液を
吸引又は圧送する左右に配置されたポンプ104,10
5は市販されているペダル式のポンプであり、便器2の
下部に設けられている。使用者がペダルを踏むとペダル
102に連動したゴム製、軟質合成樹脂製又は金属製の
ダイヤフラム又は蛇腹(以下、「ダイヤフラム」とす
る)が圧縮され、ポンプ内の循環液は流出管104a,
105aより吐出される。また、ペダルより足を離す
と、ダイヤフラム又はペダル102に連動したバネの力
で元に戻り、ダイヤフラムが元に戻る時の力で流入管1
04b,105bより循環液がポンプ内に吸引される。
また、流出管104a,105a及び流入管104b,
105bには弁体が付属されており、循環液は逆方向に
は流れない構造となっている。空気用ポンプ(ブロア
ー)101の蛇腹101cは、前端部を中心として後端
部が扇形状に開く構成とされ、後端部の上部は、足で蛇
腹101cを短縮させるためにペダル102が連動され
ている。よってペダル102を踏むことによりペダル1
02に連動した蛇腹101cが下方に押しつぶされて蛇
腹101c内の空気が吐出管101aより送り出され、
膜面が気泡により洗浄される。また、足を離すと、蛇腹
101cと連動したバネの力で蛇腹101cが元に戻
り、同時に吸入口101bより蛇腹内に空気が吸引され
る。ポンプと同様に吸入管101b、吐出管101aに
は弁体が付属されており、空気は逆方向には流れない構
造となっている。なお、吸入管101b、吐出管101
aは左右に配管されている。本実施例では、複数のポン
プ、ブロアーが1つのペダルで駆動するように構成され
ている。なお、図中Bは空気用ポンプ、Pは水用ポンプ
を示している。また、空気用ポンプ101及び循環液用
ポンプ104,105の駆動は、ペダル式の他、上から
踏み付けるタイプであってもよい。この場合、蛇腹10
1c及びダイヤフラムは、筒状のものを使用することも
ある。
【0060】便器2の使用後には、ペダル102を数回
踏んでユニット1を作動させる。つまり、便器2の使用
後に、ペダル102を踏むと、高架タンク52へ処理液
が移送され、オーバーフロー処理液が便器2に流れて、
その液は、し尿を含んだ排液となって、ユニットパネル
3の下部に設けられた汚水貯留槽41に流される構成と
されている。汚水貯留槽41には、浮き48xによって
フィルター48が吊り下げられて浮いており、複数の目
の大きさを組み合わせた例えば3段階のフィルター48
を通ることによって物理的分離処理された一次処理水
は、フィルター48の内部から導出されて精密ろ過膜処
理装置42に送られる。なお、汚水貯留槽41から精密
ろ過膜処理装置42への1次処理水の移送は、前記ポン
プ105のダイヤフラムが元の状態に復元する際の吸引
力及びダイヤフラムの圧縮による押し出し力により実現
される。また、本実施例の場合、精密ろ過膜処理装置4
2内への1次処理水の導入は、槽上部へではなく、精密
ろ過膜42a下部より精密ろ過膜42aに向かって上方
へなされる。この時にできる水流により膜面が振動し膜
面洗浄がなされる。ところで、汚水貯留槽41では、固
形分が底に沈む一方、ペーパーや浮遊物は上部に浮くこ
とになるが、浮き48xによってフィルター48がそれ
らの中間に配置されることになり、比較的清浄な液体を
効率よくかつ目詰まりなく取り出すことが可能である。
また、ポンプ105の吸引時に接続されている可撓管4
8yが変形し、フィルター48を振動させ、目詰まりを
一層防止している。また、簡易的には、図15に示すよ
うに複数の目の大きさを組み合わせた例えば3段階のフ
ィルター48′を縦型に配置することもできる。
【0061】そして、汚水貯留槽41から精密ろ過膜処
理装置42に送られた1次処理液は、精密ろ過膜処理装
置42にて精密ろ過される。この際、精密ろ過膜処理装
置42の下部には散気管47aが配置されており、この
散気管47aには、蛇腹101cを短縮させた際に蛇腹
101cの外に押し出される空気が導かれており、膜面
洗浄が同時に行われる構成である。さらに、大型のブロ
アー101を採用し、空気を大量に送り込めば、好気性
生物処理効果も期待することができる。精密ろ過膜処理
装置42で精密ろ過された3次処理液は、汚水貯留槽4
1から精密ろ過膜処理装置42への処理液の汲み上げの
場合と同様に、ポンプ104のダイヤフラムが元の状態
に復元する際の吸引力により吸引され、ポンプ104の
ダイヤフラムが圧縮される時の押し出し力により高架タ
ンク52に送られる。
【0062】そして、高架タンク52内をオーバーフロ
ーした処理液が、水頭圧(位置圧)により便器2に流れ
落ちる構成とされている。なお、オーバーフロー口より
もやや下部にも、便器2に連通する配管を行い、その中
間部に手動式フラッシュバルブ103が設けられる場合
もある。このようにしておけば、便器2の汚れがひどい
場合や汚物が流れない場合に、その手動式フラッシュバ
ルブ103を開くことにより、通常よりも強い大量の水
を流すことが可能である。
【0063】また、循環液用ポンプ105は、同じく1
04よりも、吐出及び吸引容量の大きなもので構成され
ており、その差分が精密ろ過膜処理装置42よりオーバ
ーフローし蒸発制御装置6へ送り込まれるようになって
いる。この時、精密ろ過膜処理装置42内の液面位置は
大きく変化しないが、汚水貯留槽41内の液面位置は上
下することになる。但し、汚水貯留槽41内の液面が上
昇した場合、吸引液面と循環液用ポンプ105との高低
位置差が小さくなり、ポンプ105自体の吸引及び吐出
量が増大することになり、蒸発制御装置6に送り込まれ
る循環液、すなわち蒸発量が増えることとなる。結果的
に、汚水貯留槽41内の液面を下げることになる。この
ため、汚水貯留槽41内の液面も一定幅で上下してお
り、長期間汲み取りをせず、使用可能となる。なお、こ
の実施例の和式便器は、軽水洗タイプのものが取り付け
られており、排便口には図8に示すように、皿状の蓋体
26が取り付けられ、水封効果による臭気対策がなされ
ている。
【0064】本実施例の場合、精密ろ過膜処理装置42
を汚水貯留槽41と別体にせず、図14に示すように、
汚水貯留槽41内に精密ろ過膜処理装置42を一体的に
設けてもよい(第7実施例)。つまり、図13のフィル
ター48の内部に、精密ろ過膜42aを収容して、物理
的分離された後、精密ろ過膜処理が同時に行われる構成
としてもよい。この場合、精密ろ過膜42aの下部に散
気管47aが設けられており、この散気管47aには、
ブロアー101から空気が送られる構成とされている。
このように構成すれば、ユニット1をさらにコンパクト
にすることができる。なお、精密ろ過膜42a自体が、
浮き48xにより汚水貯留槽41内に浮いており、比較
的自由に動くことができるよう構成されている。このた
め、ポンプ104の吸引時に接続されている可撓管42
yが変形し、精密ろ過膜42aを振動させることにな
り、膜面洗浄がなされる。同時にブロアー101に接続
されている可撓管47yも同様に変形し、ブロアーより
の気泡による膜面の洗浄と合わせ膜面洗浄を更に進める
ことになり、長期間安定しての精密ろ過を可能としてい
る。また、この実施例の場合、蒸発制御装置6へは高架
タンク52内からのオーバーフロー処理液の一部が流量
調整装置103aを通して送り込まれる。蒸発量の調整
は、流量調整装置103aにより行われる。
【0065】ところで、現在市販されている単棟タイプ
の仮設トイレ(軽水洗式及び循環式)は軽量、コンパク
トに設計されているが、頻繁な汲み取りを要するという
大きな欠点がある。そこで、本実施例の精密ろ過膜処理
装置を除き、その他の蒸発装置、フィルター(物理的分
離装置)、複数のポンプの使用等の単一又は複数の手法
を使用すれば、ローコストで比較的清浄な洗浄液で長期
間使用できる仮設トイレ又は移動式トイレを設計、製
造、流通することができる。
【0066】図16は、本発明のユニット1の第8実施
例の縦断面図であり、図17は、そのユニットの循環液
の流れを示す系統図である。この実施例のユニット1
は、シャワー用のものであり、主として病院内で移動し
て患者の入浴に使用される。ユニットパネル3には、略
L字形状の槽状のベッド241が設けられている。この
ベッド241は、下部241aがユニットパネル3の固
定され、この下部241aに対して、背もたれ部241
bが前方に倒すことができるよう設けられている。この
背もたれ部241bは、ユニットパネル3の前面と一体
となって倒すことが可能である。なお、背もたれ部24
1bを倒した場合でも、ユニットパネル3の前壁32の
裏面に設けられた精密ろ過膜処理装置42等は常に垂直
状態に配置されるよう構成されている。つまり、精密ろ
過膜処理装置42の上部に設けられた温水タンク522
の一端部が蝶番104によってユニットパネル3の前壁
32の裏面に設けられており、精密ろ過膜処理装置42
の下端部が、円弧状のスライドレール105Lに沿って
後方に移動可能に構成されている。
【0067】ベッド241上でシャワー24を使用した
場合、その汚水はベッド241の下部から、ユニットパ
ネル3の床31の下に設けられた汚水貯留槽41に流さ
れる。汚水貯留槽41の汚水は、ユニットパネル3の前
壁32の裏面に設けられた精密ろ過膜処理装置42に送
られ、その処理水が洗浄水貯留槽たる冷水タンク51に
送られ、その冷水タンク51においては、薬品貯留タン
ク52yの薬液が薬注ポンプ52y1によって適宜滴下
されて薬品処理が行われる。そして、薬品処理された洗
浄水は、加圧ポンプ521によって加圧された後、二股
分かれし、一方がヒーターによって温められる温水タン
ク522及び加圧タンク520を介して、他方の冷水と
混合器24aにより適宜混合されてシャワー24から噴
出させて使用することができる。なお、混合器24aに
は自動温度調整器組込型のものを使用してもよい。
【0068】なお、シャワー用ユニットの場合、蒸発量
が多いので、トイレ用ユニットの場合のように、蒸発制
御装置6を別途設ける必要はない。但し、その代わり
に、水蒸気を回収するための装置が必要となる。つま
り、この実施例では、処理液量制御装置が、水蒸気回収
装置242からなる。つまり、ベッド241の側端部に
は、水蒸気回収装置242が設けられている。この水蒸
気回収装置242は、パイプ状の回収管の一部に蒸気回
収用のスリット242aがパイプ状の回収管の長手方向
に沿って形成されたのものであり、このスリット242
aから吸引ファン244aで吸引されパイプ形状の流路
内に入った水蒸気は空冷ボックス245内の空冷フィン
245bにより空冷されて水滴となってドレンセパレー
タ244を通し汚水貯留槽41に排出される。なお、空
冷フィン245bは空冷ファン245aにより空冷され
る。また、ユニット1の上部には、水蒸気回収用の折り
畳み屋根243も設けられており、シャワー24の使用
時にはその折り畳み屋根243を拡げて使用する。吸引
ファン244bは、折り畳み屋根243下面付近の蒸気
を吸引し、同じくフィン244cにより空冷されて水滴
となって同じくドレンセパレータ244を通し汚水貯留
槽41に排出される。なお、図中の符号Cは、空冷装置
を示している。ところで、前記スリット242aは、パ
イプ状の回収管に形成されたスリット状のものでなくて
も、同等の吸引面積があれば、管に形成された開口(形
状は特に問わない)でもよい。また、回収管は管状でな
くても、ベッド面に取り付けられた複数のノズルでもよ
い。さらに、回収管又は回収ノズルは、ベッド面又はベ
ッド内に埋め込まれたような形状でもよく、蒸発水蒸気
以外のシャワー水も同時に回収、排水される構成でもよ
い。
【0069】また、シャワー24使用後の排水を受ける
排水管24aには多量の石鹸分が混入する可能性がある
が、この場合、汚水貯留槽41を上下、前後又は左右に
分離し、排水管24aを接続し、この槽より精密ろ過膜
処理装置42に移送する間の処理水に別ループの処理工
程(薬品処理等)を入れることができる。また、このよ
うなシャワー及び風呂排水ループにはヘアーキャッチャ
ー及びオイルセパレーターを入れることができる。な
お、手動又は電気信号で切り替え前記別ループの処理工
程を入れることのできる構成でもよい。
【0070】また、ベッド241は合成樹脂の大型成形
品を使用してもよく、その場合大型ブロー成形品とすれ
ば、ブロー成形品の特徴である袋状構造を利用し、蒸気
回収管をベッドと一体で成形することもできる。この実
施例のシャワー用ユニット1によれば、ユニット1の下
部にキャスター105Cが設けられて移動が容易であ
り、また、使用者はベッド241に座ったり、或いはベ
ッド241の背もたれ部241bを倒して使用すること
ができるので、病院における患者の使用に好適である。
また、槽状になったベッドの左又は/及び右側の壁面を
外側に倒せるように構成すれば、機器の使用者(患者)
が(を)容易に装置内に移動することができる。また、
ベッド自体の材質は、合成樹脂、木材或いは金属板等、
多種の材料が使用できるが、メッシュ状、スリット状又
は多孔状に加工しておけば、シャワー水が即下部に流れ
落ち、清潔に使用することができる。その時は、ユニッ
トパネル3に排水ラインを設備することになる。また、
ベッド表面に使い捨ての通水性又は/及び通気性のある
(又はそのように加工した)シートをベッド上に乗せ、
使用時に交換すれば、更に清潔に使用することができ
る。
【0071】なお、シャワー装置の使用者スペースは、
ベッド上でなくても、直線又は曲線で囲まれた壁体内と
してもよい。その場合、壁体内側、壁体内面又は壁体内
部に水蒸気回収管又はノズルが取り付けられる。この場
合、精密ろ過膜処理装置42等のスライド機構は省略す
ることができる。また、この場合、壁体の一部を扉形状
としてもよいし、一部を開放しカーテン等で遮光しても
よい。なお、病状等に合わせ、椅子形状の座面を設けて
もよい。この場合、ベッドと同等の加工をすることもで
きる。
【0072】以上各種実施例について説明したが、本発
明のユニット1によれば、上下水道の未整備な場所で
も、どこでも簡単に設置して比較的長期間にわたって清
浄な洗浄液を使用することができる。よって、イベント
会場や建設工事・土木現場の仮設トイレとして使用でき
るのみならず、災害時の非常用トイレとして、或いは環
境保護のためにキャンプ場や山小屋のトイレとして使用
できるものである。また、船用のトイレや、キャンピン
グカー用のトイレとしても使用することができる。ま
た、屋外でのシャワー用に使用するとき等、太陽熱によ
る温水器を組み合わせ設備することもでき、その場合に
は冬場でも快適に使用することができる。また、キャス
ター等の移動用の小型車輪を取り付け又は台車等に乗
せ、病院内又は家庭内の歩行困難な使用者のいる場所に
簡単に移動、固定し即使用できる移動式シャワー又は水
洗便所としても使用することができる。この場合に限ら
ず、カーテン又は合成樹脂製パネル等簡易遮蔽物を含む
部材を取り付けてもよい。その上、本発明のユニット1
は、便器2に限らず、手洗器23やシャワー24等にも
適用可能である。つまり、ユニットパネル3に取り付け
る機器により、各種の用途に対応可能であるから、例え
ば高圧洗浄機及び吸引ポンプ等と組み合わせ、各種洗浄
機を取り付けて、槽内洗浄機、洗車機のように、これま
では排水を放流していた用途に使用できる。また、洗濯
機や風呂を取り付けたりすることもでき、水不足の場合
に好都合である。或いは、活魚水槽用の循環水洗浄化装
置、再使用型各種排水処理装置として使用することがで
きる。なお、シャワー24を取り付けた場合には、山小
屋やキャンピングカー、船等にて使用すると好適であ
る。また、シャワーを取り付けた場合、病院内に限ら
ず、災害時の移動シャワーとしても使用できる。また、
長距離を移動する列車、バス、船舶等の便所として使用
することもできる。ポンプ等に必要な電源は、充電可能
な蓄電池、商用電源コンセント又は自家発電装置により
供給する。また、蓄電池には、太陽電池、商用電源又は
自家発電装置より充電することができる。
【0073】また、排液処理装置4と洗浄液貯留槽5
は、ユニットパネル3と一体的に設けられてなり、しか
も、ユニット1には便器2や手洗器23やシャワー24
等の各種の機器を取り付けることができるので、ユニッ
ト1の増減や組合せやその配置等が任意である。例え
ば、図18に示すように、トイレ建物21をブースパネ
ル21aで4つに仕切って、手洗器23用のユニット、
小便器25用のユニット、大便器2用のユニット、シャ
ワー24用のユニット等を設置して使用することができ
る。また、このように複数のユニット、機器及び付属品
を組み付け、建物の形で生産、流通することもできる。
また、上記実施例では、主として内外との水のやり取り
を完全に遮断して使用した場合について説明したが、市
給水、排液の使用ができる通常時は、そのラインを使用
し、災害時等、給排液が止まった時に、手動、又は電気
信号により自動で、自己完結式の循環に切り替えて使用
できる構成としてもよい。本発明のユニットは、ユニッ
トパネル3の床31上面に便器2等を取り付けて使用す
る形態となるが、便器等の使用機器類を除き、処理装置
をキュービクル型に配置し、一体として組み立てた形で
生産、流通することもできる。その場合、既設水洗便
所、又は複数水洗便器を取り付けたユニット型水洗便所
(例えば大和工商リース株式会社製「アシストアコ
モ」)と配管で接続し使用することもできる。但し、装
置の大きさは、使用器具数に応じて大きくなる。また、
既設の汲み取り又は軽水洗便所の改造をする場合、本機
を取り付ければ容易に循環型水洗便所として使用でき
る。
【0074】
【発明の効果】以上詳述したとおり、この発明の自己完
結式循環型排液浄化ユニットによれば、便器に限らず手
洗器やシャワー等にも対応可能である。また、本ユニッ
トによれば、排液を処理・循環させるための排液処理装
置と洗浄液貯留槽のみならず、ユニット内の処理液量を
制御する処理液量制御装置も設けたので、トイレブース
等の空間部にユニットを載置して便器等の機器を取り付
けるだけで即座に使用することができ、しかも長期間安
定して使用することができる。特に、各装置を床及び壁
を構成するユニットパネルと一体的に設ければ一層効果
的である。また、予め器具を取り付けておけば、トイレ
建物等に固定し、循環液(また、便器の洗浄液の場合
等、常通、使用者が手を触れたりする可能性は極めて小
さく、このような場合に汚れた液(例えばBOD値が高
い等)であっても、比較的透明度が高く、無色、無臭に
地階洗浄液であれば、使用者は快適に使用できるため、
水でなく不凍液等、水以外の液体を使用する場合もあ
る)を供給するだけで即使用できる。さらに、排液処理
装置と洗浄液貯留槽を、便器等の機器が取り付けられる
ユニットパネルの床下部や壁裏面にユニットパネルと一
体的に設け、しかも、ユニットに便器1台、若しくは便
器と手洗器を各1台、又は手洗器かシャワーのいずれか
1台などを設置して使用する場合、ユニットの増減や組
合せやその配置等の自由度が大きい。また、同一系統の
ユニットを互いに接続して使用すれば、より安定して処
理液を供給できる。このようなことから、使用頻度や設
置場所の条件等に対応して、便器等の設置台数やレイア
ウトの変更を簡単に行うことができる。しかも、排液処
理装置と洗浄液貯留槽をユニットパネルの床下部や壁裏
面に設けたので、制御室や処理室等を別途用意する必要
もない。
【0075】その上、精密ろ過膜処理装置内に多孔質固
定ろ床等を設けたことや生物ろ過装置を使用することに
より、高度ろ過処理と高度生物化学処理とを同時に行う
ことができる。しかも、槽やブロアを共通化することが
できたから、循環型排液浄化ユニットを非常にコンパク
ト且つ省電力化(省エネ化)することもできる。また、
ユニット内の処理液量を自由に制御できるようにしたた
め、すなわち、ユニットに過剰に供給された液体を除去
するために、蒸発制御装置も組み込んだことにより、従
来のように蒸発させない分を貯留するために大型タンク
を用意する必要もなく、一方、水蒸気回収装置を組み込
むことにより、大型の洗浄液貯留槽を使用しなくても、
ユニットをコンパクトなものとすることができる。な
お、実施例の蒸発制御装置のように、ヒーター等で加熱
しない構成とすれば、省電力化(省エネ化)にも寄与す
る。さらに、逆洗装置、薬洗装置及び消泡装置を取り付
けることで、保守頻度を低減でき、長期安定して使え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排液浄化ユニットの第1実施例を示す
縦断面図である。
【図2】図1のユニットの循環液の流れを示す系統図で
ある。
【図3】図1のユニットのユニットパネルを示す斜視図
である。
【図4】図1のユニットの前端部を示す図であり、
(a)は前方から見た正面図、(b)はその平面図であ
る。
【図5】本発明の排液浄化ユニットの第2実施例を示す
縦断面図である。
【図6】図5のユニットの循環液の流れを示す系統図で
ある。
【図7】本発明の排液浄化ユニットの第3実施例を示す
縦断面図である。
【図8】図7のユニットの便器の排便口に設けられる蓋
体を示す図である。
【図9】本発明の排液浄化ユニットの第4実施例を示す
縦断面図である。
【図10】図9のユニットの循環液の流れを示す系統図
である。
【図11】図9のユニットの変形例(第5実施例)の循
環液の流れの一部を示す系統図である。
【図12】本発明の排液浄化ユニットの第6実施例を示
す縦断面図である。
【図13】図12のユニットの循環液の流れを示す系統
図である。
【図14】図12のユニットの変形例(第7実施例)の
循環液の流れを示す系統図である。
【図15】図12のユニットに使用されるフィルターの
変形例を示す縦断面図であり、横型を縦型にした例を示
している。
【図16】本発明の排液浄化ユニットの第8実施例を示
す縦断面図である。
【図17】図16のユニットの循環液の流れを示す系統
図である。
【図18】本発明の排液浄化ユニットの使用状態を示す
平面図である。
【符号の説明】
1 排液浄化ユニット 2 便器 3 ユニットパネル 4,4′ 排液処理装置 5,5′ 洗浄液貯留槽 6 処理液量制御装置(蒸発制御装置) 23 手洗器 24 シャワー 31 床 32 前壁 33 袖壁 41 汚水貯留槽 42 精密ろ過膜処理装置(中空糸膜分離装置) 51 第1洗浄液貯留槽 52 第2洗浄液貯留槽(高架タンク)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 9/00 502 C02F 9/00 502R 503 503E 504 504A 504C B01D 19/02 B01D 19/02 65/02 65/02 65/06 65/06 C02F 1/00 C02F 1/00 S K F

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 便器や手洗器やシャワー等の機器と共に
    使用され、前記機器の使用後の排液を浄化した後、前記
    機器へ供給して再使用するという循環を繰り返す自己完
    結式循環型排液浄化ユニットであって、 前記機器からの排液を浄化する排液処理装置と、 この排液処理装置から供給される処理液を受け入れ、そ
    の処理液を洗浄液として前記機器へ供給する洗浄液貯留
    槽と、 ユニットに過剰に供給される液体及び水分を処理工程中
    で蒸発させて除去するか、或いは処理工程中で蒸発する
    水分を回収することにより、ユニット内の処理液量を制
    御する処理液量制御装置とを備えることを特徴とする自
    己完結式循環型排液浄化ユニット。
  2. 【請求項2】 前記排液処理装置は、機器の排液を固液
    分離する物理的分離装置と、この物理的分離装置からの
    液体成分を高度ろ過処理する高度ろ過処理装置とを備
    え、 この高度ろ過処理装置には、高度ろ過された処理液を集
    液し次工程に送り出す集液装置が設けられると共に、槽
    の底部付近に、気泡を噴出する散気装置が設けられてな
    ることを特徴とする請求項1に記載の自己完結式循環型
    排液浄化ユニット。
  3. 【請求項3】 前記高度ろ過処理装置は、精密ろ過膜処
    理装置からなり、 この精密ろ過膜処理装置の精密ろ過膜の左右又は前後
    に、前記散気装置からの気泡流を有効に膜面に当てるた
    めのドラフト板が設けられ、 前記精密ろ過膜処理装置内にできる下降循環流の中に、
    生物化学処理するための固定ろ床が配置されてなること
    を特徴とする請求項2に記載の自己完結式循環型排液浄
    化ユニット。
  4. 【請求項4】 前記高度ろ過処理装置には、ろ過材の目
    詰まりに対処し、ろ過性能を回復させる逆洗又は/及び
    薬洗装置が付属されていることを特徴とする請求項2又
    は請求項3のいずれか一つに記載の自己完結式循環型排
    液浄化ユニット。
  5. 【請求項5】 前記排液処理装置内に、消泡装置が設け
    られてなることを特徴とする請求項1から請求項4まで
    のいずれか一つに記載の自己完結式循環型排液浄化ユニ
    ット。
  6. 【請求項6】 前記処理液は、オゾン処理装置にてオゾ
    ンが混入されて、殺菌、脱臭及び脱色等されることを特
    徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一つに記
    載の自己完結式循環型排液浄化ユニット。
  7. 【請求項7】 床及び壁を構成するユニットパネルの床
    下部及び壁裏面に、前記各装置が取り付けられてなり、 前記ユニットパネルの表面に、一又は二以上の前記機器
    が取り付けられることを特徴とする請求項1から請求項
    6までのいずれか一つに記載の自己完結式循環型排液浄
    化ユニット。
  8. 【請求項8】 前記機器は、便器、手洗器又はシャワー
    等のいずれか一つ又は複数の組み合わせからなり、 異なる種類の機器に対してそれぞれ処理ループが設けら
    れ、 排液処理工程中には、薬品処理、活性炭処理、イオン交
    換処理、限外ろ過膜処理及び逆浸透膜処理の一又は二以
    上が併設可能とされてなることを特徴とする請求項7記
    載の自己完結式循環型排液浄化ユニット。
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