JPH11333429A - 微生物を利用した生ゴミの処理方法および装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴミの貯蔵施設などに貯蔵されているゴ
ミ、特に腐敗して悪臭を発生する生ゴミを微生物により
分解処理して悪臭の発生を防止するとともに、肥料とし
て有効に利用できるようにする。 【解決手段】 地上に設置したゴミの中間集積施設１の
ロータリードラム３の後端のホッパ５内にスプレー１２
を設け、ホッパー５内に投入される生ゴミに前記スプレ
ー１２から処理液を噴霧して、この処理液に含まれる微
生物により生ゴミ中に含まれる有機物を分解して生ゴミ
の腐敗による悪臭を軽減するとともに、この生ゴミを肥
料として利用できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えばゴミ焼却
場におけるゴミ集積用のゴミピットや集合住宅に設置し
たゴミ収集設備あるいはゴミ収集車のゴミ収容部などに
おける生ゴミ中の有機物を、微生物を利用して分解する
ことにより処理してこれらからの悪臭の発生を防止する
とともに、これらの生ゴミを肥料として有効に利用でき
るようにする方法と、この方法を実施する装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来のゴミ集積場などにおいては、ゴミ
に含まれる生ゴミの腐敗により発生する悪臭を除去する
ため、芳香剤からなる悪臭除去液を噴霧状として散布し
て、臭気の質を改善することにより、臭気を和らげる方
法、科学物質からなる液を噴霧状に散布して化学反応に
より臭気物質を除去する方法、ゴミから発生した臭気物
質を多孔質系の吸着物質により吸着して除去する方法や
これらを組み合わせて臭気の除去効果を高める方法など
があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の各
種の方法は、効果が一時的で持続性に欠けるものや、高
価な薬品が必要なもの、また頻繁に掃除が必要なため、
手数がかかるなどの種々の問題があった。

【０００４】この発明の課題は上記のような従来方法の
問題点を解決して極めて有効で、かつ経済的であり、そ
のうえ生ゴミを有機肥料として利用できる処理方法と装
置を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、この発明は、集積したゴミやこのゴミからでた汚
水などに、これらに含まれる澱粉、油脂、蛋白質などの
有機物を分解して肥料化する微生物を液状などで散布す
る方法や、集合住宅などから排出される生ゴミを多く含
むゴミを集める目的で、地上に設置したゴミの中間集積
施設、あるいはゴミ焼却施設に属する大規模なゴミ集積
施設、さらにはゴミ収集車のゴミ収容部などに溜めたゴ
ミや汚水に、これらの中に含まれる有機物を分解処理す
る微生物を含む処理液を散布するようにした生ゴミの処
理装置を提供する。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を添付
図面にもとづいて説明する。

【０００７】図１は、この発明の第１の実施形態を示す
もので、１は公知の大規模集合住宅などにおいて大量の
生ゴミを収集するゴミの中間収集施設で、２はその基
台、３はこの基台２上のフレーム４に回転自在に装着さ
れ、図示省略した駆動装置により回転するようにしたロ
ータリードラムである。

【０００８】このドラム３の後端にはホッパ５を設け、
このホッパ５に各部屋からのダストシュート６の下端を
連結してある。

【０００９】また、ドラム３の前端には開閉自在の蓋９
を設け、その下部に排出コンベヤ７を設け、これらをカ
バーで覆ってある。

【００１０】この施設１では、基台２の一部に処理液の
貯蔵タンク８を設け、このタンク８にポンプ１０を設け
る。そして、ポンプ１０の吐出口には送液ホース１１を
連結しこのホース１１をホッパー５内に導いて、その先
端にスプレー１２を設けて下方に噴射せしめる。

【００１１】この実施形態の場合、ダストシュート６を
へてホッパ５内に生ゴミが投入されたとき、ポンプ１０
を駆動するとスプレー１２からホッパ５に流入する生ゴ
ミに処理液が噴霧される。

【００１２】このためロータリードラム３内に貯蔵され
る生ゴミには、処理液が混入される。

【００１３】上記ドラム３内に十分に生ゴミが貯蔵され
た頃、ゴミ回収車１３が図１のように接近し、その後端
の蓋２１を開いて中間収集施設１のコンベヤ７を連結し
たのち、ドラム３を回転させて、その内部の螺旋羽根の
作用でドラム３内の生ゴミをコンベヤ７を経て回収車１
３のゴミ収容部１４内に送り込む。

【００１４】図２、図３は第２の実施態様としてのゴミ
収集車１５を示すものである。

【００１５】この収集車は、その車体の一部に処理液の
貯蔵タンク１６を設け、このタンク１６に図３のように
ポンプ１７を取り付ける。

【００１６】上記ポンプ１７には切替弁１８を介して２
本の送液ホース１９、２０を連結し、その一方のホース
１９の先端にはスプレー２７を設け、他方のホース２０
は車体上のゴミ収容部２２の後部のゴミ搬入用ホッパ２
３内の適当な位置にあるスプレー２４に導き、このスプ
レー２４から噴出せしめた処理液をホッパ２３内に投入
されるゴミにかけるとともに、その底部の汚水タンク２
５に溜まった汚水に流れ込むようにしてある。

【００１７】この収集車１５は、各家庭のゴミ収集用ポ
リバケツ２６内の生ゴミやポリ袋入りの生ゴミをホッパ
２３内に投入する。

【００１８】このようにゴミの搬入が始まるとともに、
ポンプ１７の運転を開始してスプレー２４から処理液を
噴出させて、投入されるゴミに処理液をかけるととも
に、汚水タンク２５内の汚水に混入せしめる。

【００１９】一方ホース１９の先端のスプレー２７を利
用して、ポリバケツ２６内の生ゴミにも処理液を噴霧し
たのち、前記収集車１４のホッパ２３内に投入する。

【００２０】このように、ゴミ収集時において投入され
るゴミに処理液を散布しておくとゴミ焼却場にいくまで
に微生物により生ゴミの処理が開始される。

【００２１】図４の第３の実施態様の３０はゴミ焼却炉
に付属する大型のゴミ集積施設で、３１は建屋、３２は
ゴミ収集車の進入場である。３３はその奥のゴミ貯蔵ピ
ットで、進入場３２に進入してきた収集車に積み込まれ
たゴミは、このピット３３に投入されて一旦貯蔵され
る。

【００２２】このピット３３上には、クレーン３４が設
けあり、このクレーン３４により、ピット３３内に貯蔵
されたゴミを図示省略してある焼却炉に投入する。

【００２３】この実施態様では、貯蔵ピット３３の側壁
や底部に処理液の供給用の配管３５を縦横に配置し、こ
の配管の所定の位置にスプレー３６を設ける。

【００２４】前記進入場３２の片隅には処理液の貯蔵タ
ンク３８と、同タンク３８内の処理液を送り出すポンプ
３９を設け、このポンプ３９の吐出口に前記配管３５を
連結する。

【００２５】また、前記ピット３３の底部より若干上の
位置に金網４０を設けて、その下部を汚水溜め４１と
し、金網４０の上に載った生ゴミから滴りおちた汚水を
汚水溜め４１に溜まるようにして、この汚水溜め４１内
に配管３５の一部を設け、この配管３５に多数の孔３７
を設けて汚水中に処理液が流入するようにする。

【００２６】なお、建屋３１の屋上には吸着装置を設け
たガス抜き装置４２を設けておくとよい。

【００２７】上記のゴミ集積施設においてゴミを満載し
て進入場３２に進入して停止したゴミ回収車１３または
ゴミ収集車１５は、蓋２１またはホッパ２３を開き、ゴ
ミ収容部１４またはゴミ収容部２２をダンプさせてゴミ
をピット３３内に投入する。

【００２８】このゴミ集積施設３０においてポンプ３９
から送り出された処理液は、配管３５に流入して各スプ
レー３６からピット３３内のゴミに散布されるととも
に、孔３７から汚水溜め４１内の汚水にも処理液が供給
され処理液中の微生物により分解されて悪臭が解消さ
れ、僅かに残った臭気を含むガスは上部のガス抜き装置
４２から大気中に放出される。

【００２９】上記各実施態様に用いた処理液に用いた微
生物（マイクローブ）の一例を示すと次の通りである。

【００３０】実施態様に用いたマイクローブは、澱粉を
分解する酵素（アミラーゼ）、蛋白質を分解する酵素
（セルラーゼ）、繊維質を分解する酵素（セルラー
ゼ）、油脂分を分解する酵素（リパーゼ）を生成する微
生物で、この微生物を含む水溶液を前記各実施例の処理
液として用いた。

【００３１】この処理液を与えた結果、マイクローブの
作用で生ゴミに含まれる各種酵素は速やかに分解されて
悪臭の発生がおさえられた。そして、この分解されたゴ
ミは堆肥と同様に肥料として利用できるものである。

【００３２】

【発明の効果】この発明は、上記のように、中間集積施
設やゴミ焼却施設に付属する大規模なゴミ集積施設、あ
るいはゴミの回収車や収集車のゴミ収容部内などに、こ
れらに収集して処理する生ゴミに含まれる有機物を分解
処理する微生物を含む処理液を噴霧などの手段で添加し
て臭気を除去するとともに、処理後の生ゴミを肥料とし
て利用できるようにするものであるから、肥料として利
用できないゴミだけを分別して焼却処理するようにすれ
ば、焼却設備も小規模となり、焼却後の灰も少なくなっ
て廃棄処分もきわめて容易となる。

【００３３】またゴミの中間集積施設や回収車あるいは
収集車などの適当な位置にスプレーを配置することによ
り、それらの内面を処理液で洗浄できるなどの効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１の実施態様の側面図。

【図２】同じく第２の実施態様の側面図。

【図３】同上の一部拡大側面図。

【図４】ゴミ収集施設に対するゴミの投入状況を示す縦
断側面図。

【符号の説明】

１ 中間集積施設 ８ 貯蔵タンク １０ ポンプ １２ スプレー １３ ゴミ回収車 １５ ゴミ収集車 １６ 貯蔵タンク １７ ポンプ ２１ スプレー ２４ スプレー ２５ 汚水タンク ３０ ゴミ集積施設 ３３ ゴミ貯蔵ピット ３６ スプレー ３８ 貯蔵タンク ３９ ポンプ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 集積したゴミやこのゴミから出た汚水な
   どに、これらに含まれる澱粉、油脂、蛋白質などの有機
   物を分解処理して肥料化する微生物を液状などで散布す
   ることを特徴とする微生物を利用した生ゴミ処理方法。
2. 【請求項２】 地上に設置したゴミの中間集積施設にゴ
   ミや汚水に含まれる有機物を分解処理する微生物を含む
   処理液を散布する設備を設けたことを特徴とする生ゴミ
   の処理装置。
3. 【請求項３】 ゴミ焼却施設に付属するゴミの集積施設
   にゴミや汚水に含まれる有機物を分解処理する微生物を
   含む処理液を散布する設備を設けたことを特徴とする生
   ゴミの処理装置。
4. 【請求項４】 ゴミ収集車のゴミ収容部内にゴミ中に含
   まれる有機物を分解処理する微生物を含む処理液を散布
   する設備を設けたことを特徴とする生ゴミの処理装置。