JPH11332518A - 低コレステロール卵黄の製造方法 - Google Patents

低コレステロール卵黄の製造方法

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JPH11332518A
JPH11332518A JP10148613A JP14861398A JPH11332518A JP H11332518 A JPH11332518 A JP H11332518A JP 10148613 A JP10148613 A JP 10148613A JP 14861398 A JP14861398 A JP 14861398A JP H11332518 A JPH11332518 A JP H11332518A
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JP
Japan
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yolk
oil
ethanol
fat
phase
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Pending
Application number
JP10148613A
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English (en)
Inventor
Takeshi Ogasawara
健 小笠原
Naoko Matsuki
尚子 松木
Shinichi Kuri
伸一 九里
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QP Corp
Original Assignee
QP Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食用油脂抽出法を改善したコレステロール除
去率の高く、かつ卵本来の風味が損なわれていない低コ
レステロール卵黄の製造方法を提供することである。 【解決手段】 卵黄にエタノールを添加した食用油脂を
加え混合攪拌する第1工程と、前記第1工程より得られ
た乳化物を卵黄相と油相に分離し卵黄相を分取する第2
工程とからなる低コレステロール卵黄の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低コレステロール
卵黄の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近では健康訴求のためコレステロール
含有量の低い卵製品が求められており、従来より卵黄か
らコレステロールを除去する方法として、超臨界二酸化
炭素処理抽出法、ヘキサン等の有機溶剤抽出法、並びに
食用油脂を使用する食用油脂抽出法が報告されている。
この中で食用油脂抽出法は、特開昭63ー109757
号公報や特開平5ー344868号公報に提案されてい
るように、液状の卵黄に抽出溶剤として食用油を加え混
合攪拌した後得られた乳化物を卵黄相と油相に分離し卵
黄相を分取する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この食用油脂
抽出法は抽出後も卵本来の風味が損なわれないという利
点があるものの卵黄中に含有されるコレステロールを卵
黄脂質とともに食用油と置き換えて抽出する方法である
ため、コレステロール除去率はあまり良くないものであ
る。そこで、本発明は食用油脂抽出法を改善したコレス
テロール除去率の高く、かつ卵本来の風味が損なわれて
いない低コレステロール卵黄の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成するため研究を重ねた結果、エタノールを添加し
た食用油脂を使用すればその目的が達成されるとの知見
に至り本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明の目的は、(1)卵黄に
エタノールを添加した食用油脂を加え混合攪拌する第1
工程と、前記第1工程より得られた乳化物を卵黄相と油
相に分離し卵黄相を分取する第2工程とからなることを
特徴とする低コレステロール卵黄の製造方法、(2)前
記第1工程と第2工程を繰り返すことを特徴とする低コ
レステロール卵黄の製造方法、(3)食用油脂に対して
エタノール1〜3%を添加してなる請求項1又は請求項
2記載の低コレステロール卵黄の製造方法、によって達
成される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下本発明を説明する。なお、本
発明において「%」はすべて「重量%」である。本発明
において「卵黄」とは、その種類は特に限定されるもの
ではなく、例えば鶏卵などの家禽卵の卵黄であれば良
く、代表的には割卵して卵白を分離除去して得た生卵黄
液、あるいは凍結卵黄を解凍した卵黄液、乾燥卵黄を水
戻しした卵黄液を挙げることができる。
【0007】また、本発明における「食用油脂」は、常
温で液状の食用油脂の他、加温により液状としうる固状
の食用油脂も含む。本発明の第一工程の混合攪拌を容易
にするためには常温で液状の油脂が好ましい。常温で液
状の食用油脂としては精製した各種サラダ油(菜種サラ
ダ油、大豆サラダ油、コーンサラダ油など)をまた固状
の食用油脂としてはパーム油や各種固状水添油などを挙
げることができる。
【0008】本発明の方法では、第一工程として、まず
卵黄に所定量のエタノールを添加した食用油脂を加え混
合攪拌する。この混合攪拌は、卵黄を攪拌しながらエタ
ノールを添加した食用油脂を注加するか又はエタノール
を添加した食用油脂を攪拌しながら卵黄を加えるかいず
れかの方法でもよい。なお、卵黄に直接エタノールを加
えると卵黄が変性して卵本来の風味を失ってしまうの
で、エタノールは予め食用油脂に添加して使用すること
が肝要である。この混合攪拌の第一工程により卵黄と食
用油脂が乳化する。卵黄と油脂(エタノールを除く)と
の混合割合は、重量割合で前者対後者が2対8〜8対2
程度でよい。また混合攪拌の結果生ずる原料の乳化は、
油中水型あるいは水中油型のいずれであってもよい。第
二工程の操作、すなわち卵黄相と油相の分離を容易にす
るためには、油中水型の乳化の方が好ましい。なお、卵
黄相と油脂(エタノールを除く)の混合割合を4対6〜
6対4程度にすると容易に油中水型に乳化させうる。さ
らに、第一工程の混合攪拌に際して卵黄と食用油脂を3
5〜60℃程度まで加温すると、卵黄相中のコレステロ
ールが油相中に移行し易くなる。
【0009】本発明の方法によれば上述のようにエタノ
ールを添加した食用油脂を使用する。後述の試験例の結
果から明らかなように、エタノールの添加量は食用油脂
に対して1〜3%が好ましい。その添加量が1%未満で
あるとコレステロール抽出除去効果が得がたくなる。ま
た一方、3%を超えると、コレステロール抽出除去効果
は高まるものの、エタノールの脱水作用により卵黄蛋白
質が変性しやすくなる。
【0010】以上述べた第一工程の好ましい具体例とし
ては、35〜60℃に加温した卵黄を別途同温度に加温
した所定量のエタノール(食用油脂に対して1〜3%)
を添加した食用油脂中に添加攪拌し、原料を油中水型に
乳化し、次いでホモゲナイザー、コロイドミル等を用い
て8000〜15000rpm程度で3〜15分間程度
攪拌することにより実施しうる。
【0011】本発明の方法によれば、前記第1工程より
得られた乳化物を第二工程により卵黄相と油相に分離し
卵黄相を分取する。ここで、卵黄相とは若干のエタノー
ルと油脂が含まれたコレステロールが減少した卵黄をい
う。また油相とはコレステロール、エタノール等の油溶
成分を含んだ油脂をいう。卵黄相と油相を分離し卵黄相
を分取する方法は、静置法や遠心分離法によればよい。
その方法には特に限定はないが、第一工程で得られた乳
化物が水中油型の場合は遠心分離法によるのが好まし
い。また乳化物が油中水型である場合はこれを単に静置
するだけで20〜40分経過後に、この卵黄相と油相を
分離することから、油相部分を除去し、卵黄相を分取す
れば、低コレステロール卵黄が得られる。
【0012】このような本発明の食用油脂抽出改善法に
よると、第1工程と第2工程からなる1回の操作だけで
も従来法に比べコレステロール除去率が向上する。ここ
でコレステロール除去率(%)は100ー[(抽出処理
後の卵黄液中のコレステロール含量)/(抽出処理後の
卵黄液中のコレステロール含量)]×100で示される
値である。また前記第1工程と第2工程を繰り返すこと
により、後述の試験例の結果から明らかなように、コレ
ステロール除去率を一段と高めうる。これは多分、エタ
ノールが卵黄成分のトリグリセリドに作用してコレステ
ロールの遊離作用を促すためではないかと考えられる。
しかし、第1工程と第2工程を4回以上繰り返すとコレ
ステロールは低下するものの、卵黄本来の風味が損なわ
れるので注意を要する。なお、以上のようにして得られ
た低コレステロール卵黄は、そのまま各種食品の原料と
して使用することができるが、若干のエタノールが含ま
れているため必要により常法(真空蒸留等)によりエタ
ノールを除去するとよい。
【0013】以下、本発明を実施例および試験例をもっ
て更に説明する。
【実施例】実施例1 割卵して卵白を分離除去して得られた生の卵黄をプレー
トヒーターにて65℃、3分間低温殺菌して、殺菌卵黄
150Kgを用意した。次いで、別途50℃に加熱して
おいた菜種サラダ油150Kgを収容した保温タンク
(500リットル容量、攪拌機付き)にエタノール2.
7Kg(食用油脂に対して1.8%)を添加し、50r
pmで攪拌し、更にミルクポンプ(5馬力)で循環しな
がらその中に上記卵黄液を10分間かけて徐々に添加
し、更に50℃30分間攪拌・循環を継続して油中水型
に乳化した。このようにして得られた乳化物を底抜き式
タンク(500リットル容量)に移送した後、そのまま
静置し、30分間経過後浮上した油相(約50%)をタ
ンクの中に残すようにタンクの底から卵黄液を分離回収
した。この回収して得られた卵黄液のコレステロール除
去率を常法に準じて求めたところ61.4%であった。
さらにこの回収して得られた卵黄液を再び上記のエタノ
ールを添加した分離操作によって回収した2回目抽出後
の卵黄液は83.6%のコレステロール除去率であっ
た。さらに3回目抽出後の卵黄液は93.5%のコレス
テロール除去率であった。また、上記抽出後の卵黄液は
卵本来の風味がそこなわれていないものであった。
【0014】実施例2 実施例1と同じ方法で得られた殺菌卵黄50Kgを40
℃に加熱した。次いで、別途40℃に加熱しておいた大
豆サラダ油60Kgにエタノール1.6Kg(食用油脂
に対して2.7%)を添加し、60rpmで攪拌した。
これを収容したホモミキサーを8000rpmで攪拌し
ながら、その中に上記卵黄液を油中水型となるように3
分間かけて添加した。次いで、これをホモミキサーを使
用して、8000rpmで10分間攪拌した後、得られ
た混合物を遠心分離(5000rpm、10分間)し、
上層の油相を分離除去して卵黄液を分離回収した。この
回収して得られた卵黄液のコレステロール除去率(%)
は62.2%であった。さらにこの回収して得られた卵
黄液を再び上記のエタノールを添加した分離操作によっ
て回収した2回目抽出後の卵黄液は86%のコレステロ
ール除去率であった。さらに3回目抽出後の卵黄液は9
4.9%のコレステロール除去率であった。また、上記
抽出後の卵黄液は卵本来の風味がそこなわれていないも
のであった。
【0015】
【試験例】試験例1 試験方法:実施例1のコレステロール抽出除去卵黄の製
造において、エタノールのみ添加しないものを対照品1
とし、またエタノールの添加量を0.5%、1%、2
%、3%、3.5%、4%とし、他は実施例1と同じ条
件で処理して、各々発明品、発明品、発明品、発
明品、発明品、発明品とした。
【0016】得られた抽出処理後の卵黄液の風味試験を
注1)に示す方法により、卵黄蛋白質の変性の度合いを
注2)に示す方法により試験・評価を行った。
【0017】試験結果:コレステロールの除去率は表1
のとおりであった。この表より油脂に対するエタノール
の添加量が増加すると脱コレステロール率が一段と高ま
ることがわかる。また、エタノールの添加量が3%以下
の上記抽出後の卵黄液は卵本来の風味が全く損なわれて
いないものであった。ただし発明品と発明品は若干
卵黄蛋白質の変性が認められた。
【0018】
【表1】
【0019】なお、表中の記号を次に示す。 注1)風味試験 該当する下記の4段階の評価基準で評価をした。 評価基準 ◎ : 風味が良い ○ : 風味がやや良い △ : 風味がやや劣る × : 風味が劣る 注2)卵黄蛋白質の変性の度合いの判定試験 得られた抽出処理後の卵黄液と抽出未処理の卵黄液をそ
れぞれ3部食塩水100部に溶解し、抽出未処理の卵黄
溶液に対するそれぞれの抽出処理後の卵黄溶液の濁りの
程度を観察し、該当する下記の4段階の評価基準で評価
をした。 評価基準◎ : 濁りが認められない ○ : 濁りがほとんど認められない △ : 濁りが僅かに認められる × : 濁りが認められる
【0020】
【発明の効果】本発明の方法によれば、卵黄本来の風味
を損なわせることなく、従来法より一段と高いコレステ
ロール除去率で低コレステロール卵黄を製造することが
できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 卵黄にエタノールを添加した食用油脂を
    加え混合攪拌する第1工程と、前記第1工程より得られ
    た乳化物を卵黄相と油相に分離し卵黄相を分取する第2
    工程とからなることを特徴とする低コレステロール卵黄
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1工程と第2工程を繰り返すこと
    を特徴とする低コレステロール卵黄の製造方法。
  3. 【請求項3】 食用油脂に対してエタノール1〜3%を
    添加してなる請求項1又は請求項2記載の低コレステロ
    ール卵黄の製造方法。
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