JPH11331600A - 画像処理方法および装置 - Google Patents

画像処理方法および装置

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JPH11331600A
JPH11331600A JP10127351A JP12735198A JPH11331600A JP H11331600 A JPH11331600 A JP H11331600A JP 10127351 A JP10127351 A JP 10127351A JP 12735198 A JP12735198 A JP 12735198A JP H11331600 A JPH11331600 A JP H11331600A
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image processing
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color
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JP10127351A
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Masashi Norimatsu
正志 乗松
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】写真の粒状を抑えシャープネスを強調し、より
一層の画質改善を行う。 【解決手段】所定の画像を表すカラー画像信号に対して
所定の画像処理を行う画像処理方法であって、前記画像
のエッジ部または平坦部を判別するとともに、前記画像
における画素の孤立性を算出し、前記判別および算出に
より得られる情報に基づいてシャープネス処理条件を決
定することを特徴とする画像処理方法を提供することに
より前記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理方法およ
び装置に係り、特にカラー画像信号に対して、粒状抑
制、シャープネス強調等の所定の画像処理を行う画像処
理方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ネガフィルム、リバーサルフィルムある
いはカラープリント等に記録されたカラー画像を、CC
D等の光電変換素子によって光電的に読み取って色の三
原色である赤(R)、緑(G)および青(B)毎の画像
信号を得、デジタル信号に変換し、この画像信号に対し
て種々の画像処理を施して、カラーペーパーなどの記録
材料あるいはCRTなどの表示手段上に再生するデジタ
ルカラー画像再生システムとしてデジタルフォトプリン
タが実用化されている。
【0003】このデジタルフォトプリンタによれば、カ
ラー画像が、露光不足あるいは露光過剰など、適切でな
い撮影条件下で撮影され、ネガフィルム、リバーサルフ
ィルムあるいはカラープリント等に記録されていても、
得られた原画像信号に画像処理を施すことにより、所望
の色および階調を有するカラー画像として再生すること
ができる。また、ネガフィルム、リバーサルフィルムあ
るいはカラープリント等に記録されたカラー画像を、所
望により、異なった色および階調を有するカラー画像と
して再生することもできる。
【0004】このような画像処理として、例えば、与え
られた画像を表す画像信号に対して画像処理を施して画
像の鮮鋭度を強調させる(シャープネス強調)方法や、
フィルムの粒状を抑制して画像のざらつきを少なくする
粒状抑制方法等がある。これらの画像処理方法が、例え
ば、米国特許第4,812,903 号、特開昭63-26783号、特開
平1-277061号あるいは特表平3-502975号等に開示されて
いる。
【0005】例えば、特表平3-502975号に開示されてい
る粒状抑制シャープネス強調処理は、ボケマスク処理を
行う際の下記の式 Ss=Sorg + K・(Sorg − Sus) Sorg :原画像信号 Sus :ボケマスク信号 K :シャープネス強調係数 Ss :シャープネス信号 において、係数Kを画像の特徴部分に応じて変化させる
ことにより、より画像の鮮鋭度を強調させる方法であ
る。すなわち、カラー画像から局所分散方式によってカ
ラー画像の平坦部と、テクスチャおよびエッジ部とを検
出して分散し、上記式の係数Kの値を平坦部で小さく
し、テクスチャおよびエッジ部で大きくすることによ
り、雑音(ノイズ)や粒状を抑制し、テクスチャやエッ
ジ(輪郭)を強調することにより鮮鋭度を強調するもの
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の画像処理方法では、鮮鋭度を強調することはできる
ものの、鮮鋭度の強調と同時にフィルムの粒状に起因す
るざらつきをも強調してしまうため、結果としてノイズ
が低減された良好な再生画像を得ることはできなかっ
た。また、特表平3-502975号に記載された方法において
は、フィルム粒状を抑制して鮮鋭度を強調することがで
きるものの、画像信号の振幅が小さいテクスチャやエッ
ジ等は、局所分散を求めると平坦部の局所分散と分離し
にくく、本来鮮鋭度よく観察されなければならないテク
スチャやエッジが平坦部の雑音と同様に抑制されてしま
うことがあった。結局、従来の画像処理方法では、エッ
ジ部でシャープネスを強調し、平坦部で平滑化を行うだ
けでは、平坦部に存在する粒状成分を取りきることはで
きないという問題があった。
【0007】本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされ
たものであり、写真の粒状をより抑制し、鮮鋭度を向上
させた再生画像を得ることのできる画像処理方法および
装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は、所定の画像を表すカラー画像信号に対し
て所定の画像処理を行う画像処理方法であって、前記画
像のエッジ部または平坦部を判別するとともに、前記画
像における画素の孤立性を算出し、前記判別および算出
により得られる情報に基づいてシャープネス処理条件を
決定することを特徴とする画像処理方法を提供する。
【0009】また、前記エッジ部または平坦部の判別
は、色相関、局所連結性、局所分散、微分値あるいはR
GB各チャンネル間の方向性の何れか、またはこれらの
組み合わせに基づいて行われることが好ましい。
【0010】また、前記孤立性の算出は、局所連結性に
基づいて、あるいはモルフォロジフィルタを用いて、ま
たはこれらを組み合わせて行われることが好ましい。
【0011】同様に前記課題を解決するために、本発明
は、所定の画像を表すカラー画像信号に対して所定の画
像処理を行う画像処理装置であって、前記画像のエッジ
部または平坦部を判別する判別手段と、前記画像におけ
る画素の孤立性を算出する算出手段と、前記判別手段お
よび算出手段からの情報に基づいてシャープネス処理条
件を決定する決定手段と、を備えたことを特徴とする画
像処理装置を提供する。
【0012】また、前記判別手段は、色相関、局所連結
性、局所分散、微分値あるいはRGB各チャンネル間の
方向性の何れか、またはこれらの組み合わせに基づい
て、前記画像のエッジ部または平坦部を判別することが
好ましい。
【0013】さらに、前記算出手段は、局所連結性に基
づいて、あるいはモルフォロジフィルタを用いて、また
はこれらを組み合わせて前記画像における画素の孤立性
を算出することが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る画像処理方法
および装置について、添付の図面に示される好適実施例
を基に、詳細に説明する。
【0015】図1は、本発明の画像処理方法を実施する
画像処理装置を適用するデジタルフォトプリンタの一実
施形態を示すブロック図である。図1に示すデジタルフ
ォトプリンタ(以下、フォトプリンタという)10は、
フィルムFに撮影された画像を光電的に読み取るスキャ
ナ(画像読取装置)12と、このスキャナ12で読み取
られた画像データ(画像情報)のエッジ部や平坦部の判
別、孤立性の算出などの画像処理やフォトプリンタ10
全体の操作および制御等を行う画像処理装置14と、こ
の画像処理装置14から出力された画像データに応じて
変調した光ビームで感光材料(印画紙)を画像露光し、
現像処理して(仕上がり)画像をプリントとして出力す
る画像記録装置16と、を有する。また、画像処理装置
14には、様々な条件の入力、設定、処理の選択や指
示、色/濃度補正などの指示等を入力するためのキーボ
ード18aおよびマウス18bを有する操作系18と、
スキャナ12で読み取られた画像、各種の操作指示、様
々な条件の設定/登録画面等を表示するモニタ20が接
続される。
【0016】スキャナ12は、フィルムF等に撮影され
た画像を1コマずつ光電的に読み取る装置で、光源22
と、可変絞り24と、フィルムFに入射する読取光をフ
ィルムFの面方向で均一にする拡散ボックス26と、フ
ィルムFのキャリア28と、結像レンズユニット30
と、R(赤)、G(緑)およびB(青)の各色画像濃度
の読取に対応する3ラインCCDセンサを有するイメー
ジセンサ32と、アンプ(増幅器)33と、A/D(ア
ナログ/デジタル)変換器34とを有する。
【0017】フォトプリンタ10においては、スキャナ
12の本体に装着自在な専用のキャリア28が、新写真
システム(Advanced Photo System)や135サイズ
のネガ(あるいはリバーサル)フィルム等のフィルムF
の種類やサイズ、ストリップスやスライド等のフィルム
の形態等に応じて用意されており、キャリア28の交換
によって、各種のフィルムや処理に対応することができ
る。フィルムに撮影され、プリント作成に供される画像
(コマ)は、このキャリア28によって所定の読取位置
に搬送される。また、周知のように、新写真システムの
フィルムには、磁気記録媒体が形成され、カートリッジ
IDやフィルム種等が記録されており、また、撮影時や
現像時等に、撮影や現像日時、カメラや現像機の機種等
の各種のデータが記録可能である。新写真システムのフ
ィルム(カートリッジ)に対応するキャリア28には、
この磁気情報の読取手段が配置されており、フィルムを
読取位置に搬送する際に磁気情報を読み取り、これらの
各種の情報が画像処理装置14に送られる。
【0018】このようなスキャナ12において、フィル
ムFに撮影された画像を読み取る際には、光源22から
射出され、可変絞り24および拡散ボックス26によっ
て光量調整された均一な読取光が、キャリア28によっ
て所定の読取位置に位置されたフィルムFに入射して、
透過することにより、フィルムFに撮影された画像を担
持する投影光を得る。なお、カラー画像信号は、このよ
うにフィルムを透過した光を読み取ることによって入力
されるものには限定されず、反射原稿でもよいし、ある
いはデジタルカメラによって撮影された画像を用いても
よい。
【0019】図示例のキャリア28は、24枚取りの1
35サイズのフィルムや新写真システムのカートリッジ
等の、長尺なフィルムF(ストリップス)に対応するも
のであり、図2(a)に模式的に示されるように、所定
の読取位置にフィルムFを位置しつつ、イメージセンサ
32の、例えば、RGBの3ラインCCDセンサの延在
方向(主走査方向)と直交する副走査方向に、フィルム
Fの長手方向を一致させて搬送する、読取位置を副走査
方向に挟んで配置される搬送ローラ対28aおよび28
bと、フィルムFの投影光を所定のスリット状に規制す
る、読取位置に対応して位置する主走査方向に延在する
スリット28cを有するマスク28dとを有する。フィ
ルムFは、このキャリア28によって読取位置に位置さ
れて副走査方向に搬送されつつ、読取光を入射される。
これにより、結果的にフィルムFが主走査方向に延在す
るスリット28cによって2次元的にスリット走査さ
れ、フィルムFに撮影された各コマの画像が読み取られ
る。
【0020】フィルムFの投影光は、結像レンズユニッ
ト30によってイメージセンサ32の受光面に結像され
る。図2(b)に示されるように、イメージセンサ32
は、R画像の読み取りを行うラインCCDセンサ32
R、G画像の読み取りを行うラインCCDセンサ32G
およびB画像の読み取りを行うラインCCDセンサ32
Bを有する、いわゆる3ラインのカラーCCDセンサ
で、各ラインCCDセンサは、前述のように主走査方向
に延在している。フィルムFの投影光は、このイメージ
センサ32によって、R、GおよびBの3原色に分解さ
れて光電的に読み取られる。イメージセンサ32から出
力されたR、GおよびBの各出力信号は、アンプ33で
増幅されて、A/D変換器34に送られ、A/D変換器
34において、それぞれ、例えば12bitのRGBデ
ジタル画像データに変換された後、画像処理装置14に
出力される。
【0021】なお、スキャナ12においては、フィルム
Fに撮影された画像を読み取るに際し、低解像度で読み
取るプレスキャン(第1回目の画像読取)と、出力画像
の画像データを得るためのファインスキャン(第2回目
の画像読取)との2回の画像読取を行う。ここで、プレ
スキャンは、スキャナ12が対象とするフィルムFの全
ての画像を、イメージセンサ32が飽和することなく読
み取れるように、予め設定されたプレスキャン読取条件
で行われる。一方、ファインスキャンは、プレスキャン
データから、その画像(コマ)の最低濃度よりも若干低
い濃度でイメージセンサ32が飽和するように、各コマ
毎に設定されたファインスキャンの読取条件で行われ
る。なお、プレスキャンおよびファインスキャン出力画
像信号は、解像度および出力画像信号レベルが異なる以
外は、基本的に同様な画像データである。
【0022】なお、フォトプリンタ10に用いられるス
キャナ12は、このようなスリット走査読取を行うもの
に限定されず、1コマのフィルム画像の全面を一度に読
み取る面状読取を行うものであってもよい。この場合に
は、例えばエリアCCDセンサなどのエリアセンサを用
い、光源22とフィルムFとの間にR、GおよびBの各
色フィルタの挿入手段を設け、光源22からの射出光の
光路に挿入して、色フィルタを透過した読取光をフィル
ムF全面に照射して、透過光をエリアCCDセンサに結
像させてフィルム全画像を読み取ることを、R、Gおよ
びBの各色フィルタを切り換えて順次行うことで、フィ
ルムFに撮影された画像を3原色に分解して読み取る。
【0023】前述したように、スキャナ12から出力さ
れるデジタル画像データ信号は、本発明の画像処理方法
を実施する画像処理装置14に出力される。図3に、こ
の画像処理装置(以下、処理装置という。)14のブロ
ック図を示す。ここで、処理装置14は、スキャナ補正
部36、LOG変換器38、プレスキャン(フレーム)
メモリ40、ファインスキャン(フレーム)メモリ4
2、プレスキャンデータ処理部44、本発明の特徴とす
るエッジ部・平坦部判別や孤立性算出および各種画像処
理を行うファインスキャンデータ処理部46および条件
設定部48を有する。なお、図3は主に画像処理関連の
部分を示すものであり、処理装置14には、これ以外に
も、処理装置14を含むフォトプリンタ10全体の制御
や管理を行うCPU、フォトプリンタ10の作動等に必
要な情報を記録するメモリ等が配設され、また、操作系
18やモニタ20は、このCPU等(CPUバス)を介
して各部分に接続される。
【0024】スキャナ12から処理装置14に入力され
たR、GおよびBの画像信号、例えば12bitのデジ
タル画像データは、スキャナ補正部36に入力される。
スキャナ補正部36は、スキャナ12のイメージセンサ
32の3ラインCCDセンサ32R、32G、32Bに
起因する、RGBデジタル画像データの画素毎の感度ば
らつきや暗電流を補正するためにDCオフセット補正、
暗時補正、欠陥画素補正、シェーディング補正等の読取
画像データのデータ補正を行うものである。スキャナ補
正部36で画素毎の感度ばらつきや暗電流の補正処理等
が施されたデジタル画像信号は、LOG変換処理器に出
力される。LOG変換器38は、対数変換処理してデジ
タル画像データを階調変換してデジタル画像濃度データ
に変換するものであって、例えば、ルックアップテーブ
ル(LUT)を用いて、スキャナ補正部36で補正され
た12bitのデジタル画像データを、例えば10bi
t(0〜1023)のデジタル画像濃度データに変換す
る。
【0025】LOG変換器38で変換されたデジタル画
像濃度データは、プレスキャン画像データであればプレ
スキャンメモリ40に、ファインスキャン画像データで
あればファインスキャンメモリ42に、それぞれ記憶
(格納)される。プレスキャンメモリ40は、スキャナ
12によるフィルムFのプレスキャンによって得られ、
各種のデータ補正および対数変換処理が施されたフィル
ムFの1コマ全部の低解像度画像濃度データをRGBの
各色毎に格納または記憶するためのフレームメモリであ
る。プレスキャンメモリ40は、少なくともフィルムF
の1コマのRGB3色の画像濃度データを格納できる容
量が必要であるが、複数コマ分の画像濃度データを格納
できる容量を持つものであってもよいし、1コマ分の容
量のメモリを多数備えるものであってもよい。プレスキ
ャンメモリ40に記憶されたプレスキャン画像データ
は、プレスキャンデータ処理部44に読みだされる。
【0026】一方、ファインスキャンメモリ42は、ス
キャナ12によるフィルムFのファインスキャンによっ
て得られ、各種のデータ補正および対数変換処理が施さ
れたフィルムFの1コマ全部の高解像度画像濃度データ
をRGBの各色毎に格納または記憶するためのフレーム
メモリである。ファインスキャンメモリ42は、少なく
ともフィルムFの2コマの画像のRGB3色の画像濃度
データを格納できる容量を持ち、1コマ分の画像濃度デ
ータを書き込んでいる間に、別の1コマ分の画像濃度デ
ータを読み出し、ファインスキャンデータ処理部46に
おいて本発明の特徴とするエッジ部・平坦部判定や孤立
性算出を行うための様々な処理を同時に行うようにする
のが好ましいが、本発明はこれに限定されず、1コマ分
の画像濃度データを格納できる容量を持ち、1コマづつ
処理するためのものであってもよい。また、1コマ分の
容量のメモリを多数備え、例えばトグルメモリとして利
用できるものであってもよい。ファインスキャンメモリ
42に記憶されたファインスキャン画像データは、ファ
インスキャンデータ処理部46に読みだされる。
【0027】プレスキャンメモリ40に記憶されたプレ
スキャン画像データに、モニタ20に表示するのに必要
な種々の画像処理を施すプレスキャンデータ処理部44
は、画像処理部50と、画像データ変換部52とを有す
る。ここで、画像処理部50は、後述する条件設定部4
8が設定した画像処理条件に従って、スキャナ12によ
って読み取られ、プレスキャンメモリ40に記憶された
画像データに、所望の画質で、後述するモニタ20のC
RT表示画面にカラー画像が再生可能なように、ルック
アップテーブル(以下、LUTで代表させる)やマトリ
ックス(以下、MTXで代表させる)演算により、階調
補正、色変換、濃度変換等の所定の画像処理を施すため
のものである。画像データ変換部52は、画像処理部5
0によって処理された画像データを、モニタ20の解像
度に合わせるために必要に応じて間引いて、同様に、3
D(3次元)LUT等を用いて、モニタ20による表示
に対応する画像データに変換して、モニタ20に表示さ
せるためのものである。なお、画像処理部50における
処理条件は、後述する条件設定部48で設定される。
【0028】一方、ファインスキャンメモリ42に記憶
されたファインスキャン画像データに、画像記録装置1
6からカラープリントとして出力するのに必要な種々の
画像処理および本発明の画像処理方法を実行するファイ
ンスキャンデータ処理部46は、画像処理部54と、画
像データ変換部56とを有する。ここで、画像処理部5
4は、後述する条件設定部48が設定した画像処理条件
に従って、スキャナ12によって読み取られファインス
キャンメモリ42に記憶された画像データに所定の画像
処理を施し、カラープリントとして所望の濃度、階調お
よび色調で、カラーペーパー上に、本発明が目的とす
る、写真の粒状を抑え、シャープネスを向上させた高品
質な画像を再生可能とするものである。このため画像処
理部54は、画像データに対して、LUT,MTX演算
器、ローパスフィルタ、加減算器などにより、色バラン
ス調整、階調調整、色調整、濃度調整、彩度調整、電子
変倍やシャープネス強調(エッジ強調;鮮鋭化)などの
種々の画像処理を施す。なお、その詳細については後述
する。
【0029】画像データ変換部56は、画像処理部54
によって処理された画像データを、例えば3DLUT等
の標準階調ルックアップテーブルを用いて、画像記録装
置16による画像記録に対応する画像データに変換し
て、画像記録装置16に供給する。画像記録装置16
は、ファインスキャンデータ処理部46から出力される
画像データに基づいて、カラー画像が再現された仕上が
りプリントとして出力するためのものである。
【0030】なお、画像処理部54における処理条件
は、条件設定部48で設定される。条件設定部48は、
ファインスキャンデータ処理部46における各種の処理
条件を設定する。この条件設定部48は、セットアップ
部58、キー補正部60およびパラメータ統合部62を
有する。セットアップ部58は、プレスキャン画像デー
タ等を用いて、ファインスキャンの読取条件を設定して
スキャナ12に供給し、また、プレスキャンデータ処理
部44およびファインスキャンデータ処理部46の画像
処理条件を作成(演算)し、パラメータ統合部62に供
給する。
【0031】具体的には、セットアップ部58は、プレ
スキャンメモリ40からプレスキャン画像データを読み
出し、プレスキャン画像データから、濃度ヒストグラム
の作成や、平均濃度、LATD(大面積透過濃度)、ハ
イライト(最低濃度)、シャドー(最高濃度)等の画像
特徴量の算出を行う。算出した画像特徴量から、その画
像の最低濃度よりも若干低濃度でイメージセンサ32
(ラインCCDセンサ32R、32G、32B)が飽和
するように、ファインスキャンの読取条件、例えば、光
源22の光量、可変絞り24の絞り値、イメージセンサ
32の(各ラインCCDセンサ32R、32G、32B
の)蓄積時間等を設定する。なお、ファインスキャンの
読取条件は、プレスキャンの読取条件に対して、イメー
ジセンサの出力レベルに対応する全ての要素を変更して
もよく、前記絞り値等のいずれか1つの要素のみを変更
するものでもよく、絞り値と蓄積時間等の複数の要素の
みを変更するものでもよい。さらに、セットアップ部5
8は、濃度ヒストグラムや画像特徴量と、必要に応じて
行われるオペレータによる指示等に応じて、前述の色バ
ランス調整や階調調整等の画像処理条件を設定する。
【0032】キー補正部60は、キーボード18aや操
作系18に設けられたキー(図示せず)によって設定さ
れた濃度(明るさ)、色、コントラスト、シャープネ
ス、彩度等の調整量やマウス18bで入力された各種の
指示等に応じて、画像処理条件の調整量(例えば、LU
Tの補正量等)を算出し、パラメータを設定し、パラメ
ータ統合部62に供給するものである。パラメータ統合
部62は、セットアップ部58が設定した画像処理条件
を受け取り、供給された画像処理条件を、プレスキャン
データ処理部44の画像処理部50およびファインスキ
ャンデータ処理部46の画像処理部54に設定し、さら
に、キー補正部60で算出された調整量に応じて、各部
分に設定した画像処理条件を補正(調整)し、あるいは
画像処理条件を再設定する。
【0033】続いて、本発明の特徴とする、エッジ部や
平坦部の判別および孤立性の算出等の画像処理を行う、
ファインスキャンデータ処理部46の画像処理部54に
ついて詳細に説明する。図4は、画像処理部54の一実
施例の概略を示すブロック図である。図4に示すよう
に、画像処理部54は、画像データの濃度、色および階
調を変換する色濃度階調変換手段64、画像データの彩
度を変換する彩度変換手段66、画像データの画素数を
変換するデジタル倍率変換(電子変倍)手段68、エッ
ジ部や平坦部の判別および孤立性の算出およびシャープ
ネス処理条件を決定しシャープネス強調等の各種画像処
理を行う画像処理ブロック70を備えている。
【0034】画像処理部54において、色濃度階調変換
手段64は、LUT等に従って、画像データから濃度デ
ータ、色データおよび階調データに変換するものであ
る。また、彩度変換手段66は、色濃度階調変換手段6
4によって得られた画像データの彩度データをMTX演
算等に従って変換するものである。また、電子変倍手段
68は、画像記録装置16においてカラーペーパに出力
するカラー画像のサイズに応じて、かつ出力画素密度に
合わせて、彩度変換手段66によって彩度変換された画
像データを補間したり、間引いたりして、画像データの
画素データ数を増減するものである。画像処理ブロック
70は、注目画素がエッジ部であるか平坦部であるかを
判別し、孤立性を算出するとともに、これらの情報に基
づいて、シャープネス処理条件を決定し、シャープネス
強調等の画像処理を行う。
【0035】図5は、画像処理ブロック70の一実施形
態の概略構成を示すブロック図である。図5に示すよう
に、画像処理ブロック70は、入力されたファインスキ
ャン画像データに対し、横方向の処理を行う横処理部8
0と、縦方向の処理を行う縦処理部82と、孤立性(連
結性)の算出を行うロビンソン部84とからなる。ま
た、横処理部80および縦処理部82は、それぞれRG
B3色間の色相関を算出し、エッジ部(または平坦部)
の判別を行う相関値算出手段86、88を有している。
【0036】横処理部80および縦処理部82は、同様
の構成を有し、処理内容も同様であるため、横処理部8
0についてのみ説明し、縦処理部82については対応す
る要素について符号末尾に同一のアルファベットを付し
て説明を省略する。横処理部80では、まず入力画像デ
ータR/G/Bに対して、ローパスフィルタ80aによ
りフィルタリング処理を施し、低周波数成分RL
L 、BL を抽出する。
【0037】次に、入力画像データR/G/Bから低周
波数成分RL 、GL 、BL を減算して、中間・高周波数
成分RMH、GMH、BMHを抽出する。この中間・高周波数
成分RMH、GMH、BMHは、マトリックス演算器MTXに
おいて次式 YMH = 0.30RMH + 0.59GMH + 0.
11BMH によりYIQ規定に変換され、輝度成分が抽出されると
ともに、相関値算出手段86に入力される。次いで輝度
成分YMHに対してローパスフィルタ80bによりフィル
タリング処理が施され、成分YMHの中間周波数成分YM
が抽出される。この中間周波数成分YM を成分YMHから
減算することにより、成分YMHの高周波数成分YH が得
られる。
【0038】一方、入力画像データR/G/Bは、ロビ
ンソン部84に入力され、連結性(孤立性)が算出され
る。詳しくは後述するが、その結果はルックアップテー
ブルLUT80c,80dに送られ、それぞれゲインga
inMおよびgainHが算出される。ゲインgainMは成分Y
M に乗算され、ゲインgainHは成分YH に乗算される。
また、相関値算出手段86に入力された成分RMH
MH、BMHから後述するようにRGB3色間の相関値が
算出され、その結果がルックアップテーブルLUT80
e,80fに送られ、それぞれゲインgainM’およびga
inH’が算出される。ゲインgainM’は成分YM に乗算
され、ゲインgainH’は成分YH に乗算される。ゲイン
を乗算された成分YM と成分YH は加算され、さらに成
分RL /GL/BL に加算され、画像データR’/G’
/B’が得られる。引き続き縦処理部82において同様
の縦方向の処理がなされる。
【0039】相関値算出手段86の概略構成を図6に示
す。相関値算出手段88についても同様である。相関値
算出手段86では、成分RMH、GMH、BMHの相関値が求
められる。まず3つの成分RMH、GMH、BMHから2つづ
つ取りそれらを掛け合わせて加え、その平均εをとる。
すなわち、平均εは次の式で計算される。 ε=(RMH・GMH+GMH・BMH+BMH・RMH)/3 これに対し、ローパスフィルタ86aを施し、ルックア
ップテーブル86bを参照して、相関値が負となった場
合には相関値を0とすることとし、負数をクリップす
る。フィルム粒状に起因するノイズが多い平坦部では、
各成分とも信号がランダムに現れるため、相関値は略0
となる。また、エッジ部では、各成分とも同様に信号が
現れるため、相関値は大きな値となる。このように、平
坦部では相関値は小さく、エッジ部では相関値は大きい
ため、これによりエッジ部、平坦部を判別することがで
きる。
【0040】算出された相関値はルックアップテーブル
LUT80e,80fに送られ、それぞれゲインgain
M’,gainH’が算出される。このとき、相関値が所定
の閾値より小さいときはこれらゲインの値を小さくし、
相関値が所定の閾値より大きいときはゲインの値を大き
くする。このようにして信号間の各色R、G、Bの相関
値を算出して、その相関値に応じて、ゲインgainM’,
gainH’の値を変化させる。すなわち、相関値が大きい
ところはエッジ部であり、ゲインgainM’,gainH’を
大きくしてシャープネスを強調するとともに、相関値が
小さい平坦部ではフィルム粒状に起因するノイズが目立
つため、ゲインgainM’,gainH’をさらに小さくし
て、ざらつきをさらに抑制することができる。
【0041】次に孤立性(連結性)の算出を行うロビン
ソン部84について説明する。図7にロビンソン部の概
略構成を示す。ロビンソン部84は、図に示すように、
R,G,B各色毎に各画素のエッジの方向と強度を表す
グラディエントを算出するグラディエント部90R、9
0G、90Bと、算出されたグラディエントを用いて注
目画素の連結性(孤立性)を判定する連結性判定部92
R、92G、92Bと、RGB各チャンネル間の方向性
を判定する方向性判定部94とを含んでいる。
【0042】グラディエント部90R(90G、90
B)の概略を図8に示す。グラディエントは各画素の濃
度勾配を表すベクトル量であり、各画素のエッジの方向
と強度という2つの成分を持つ。グラディエント部90
Rは、注目画素のグラディエントを求めるものであり、
例えば、図9に示すような8個のフィルタ(ソーベル演
算子)を、注目画素とその周りの8個の周辺画素からな
る3×3画素に作用させるため、8個のマトリックス演
算器MTX1〜MTX8と、演算の結果強度が最大とな
るものを求める最大値検出部91とを有している。
【0043】図9のフィルタa1〜a8とともに表され
た矢印b1〜b8は、各フィルタa1〜a8に対応する
方向を示している。グラディエント部90Rは、以下の
ように注目画素のグラディエントを算出する。例えば、
図10(a)に示すような10を注目画素(中心画素)
とする3×3画素の場合、各フィルタa1〜a8と、こ
の3×3画素との積和を計算する。まず、マトリックス
演算器MTX1において、フィルタa1と図10の3×
3画素との対応する要素の積和p1を次式のように計算
する。 p1=1×1+2×2+1×3+0×9+0×10+0
×4+(−1)×8+(−2)×7+(−1)×5=−
19
【0044】同様に他のフィルタa2〜a8についても
積和p2〜p8を計算する。 p2=−8, p3=11, p4=20, p5=19, p6=8, p7=−11, p8=−20.
【0045】次に、最大値検出部91において、これら
の最大値を検出する。その結果、p4=20が最大とな
り、フィルタa4に対応する矢印b4の示す方向が注目
画素10のグラディエントの方向となり、最大の積和p
4=20がグラディエントの強度となる。すなわち、図
10(b)に示すように、右上から左下に向かう方向が
グラディエントの方向であり、強度は20である。な
お、フィルタは、ここに示したソーベル演算子に限定さ
れるものではなく、例えば、プレヴィット(Prewitt)
演算子やキルシュ(Kirsch)演算子等でもよい。また、
フィルタのサイズも3×3だけでなく、他のサイズでも
よく、画像も周辺8画素だけでなく、もっと広い範囲に
わたって見る様にしてもよい。このとき、フィルタのサ
イズ、数あるいは方向性の判定条件は、原稿種、原稿サ
イズ、プリントサイズ、プリント倍率あるいは撮影の露
光アンダーや露光オーバー等に応じて変化させることが
できる。
【0046】連結性判定部92R(92G,92B)の
概略を図11に示す。図に示すように、連結性判定部9
2Rは、注目画素のエッジの方向を決定するための隣接
画素を決定する隣接画素位置決定部93aと、隣接画素
との連結性から最終的に注目画素のエッジの方向と強度
を決定する連結性判定部93bとからなる。例えば、隣
接画素位置決定部93aは、図10(b)のように注目
画素10のグラディエントの方向に90°の方向の2つ
の隣接画素1および5を選びだす。そして連結性判定部
93bでは、これらの隣接画素1および5に対して、前
記注目画素10に対してと同様にしてそのグラディエン
トを算出し、その方向を比較して注目画素10につい
て、その隣接画素との連結性を判定する。連結性の判定
は、例えば、2つの隣接画素のグラディエントの方向
が、いずれも注目画素のグラディエントの方向と45°
以内の方向をなすとき、該注目画素は連結性ありと判定
する。
【0047】方向性判定部94の概略構成を図12に示
す。方向性判定部94は、RGB各チャンネル毎の方向
性を判定する判定部95R、95G、95Bと、孤立性
強度算出部96とを含んでいる。
【0048】判定部95Rは、Rを注目チャンネルとし
たとき、GおよびBについての注目画素の方向がRにつ
いての注目画素の方向と、例えば、いずれも45°以内
か否かによりRの方向性を判定する。判定部95G,9
5Bについても同様である。孤立性強度算出部96で
は、最終的に注目画素の連結性とチャンネル毎の方向性
からエッジ部であるか否か判定されることとなる。
【0049】一方、注目画素が孤立点の場合には、孤立
点と周辺画素との差が計算され、強度として出力され
る。例えば、図13(a)に示すようにg4を注目画素
とする3×3画像に対し、マトリックス演算器MTX
は、図13(b)に示すようなマトリックスを用い、画
素giの画素値をv(gi)とするとき、次式により各
チャンネルi=R、G、B毎に、注目画素と周辺画素と
の差diff(i)を計算する。 diff(i)= v( g4 ) ×8−{ v( g0 )+v( g1 ) + v( g2 ) +v( g3 ) +v( g5 ) +v( g6 ) +v( g7 ) +v( g8) } そして、次式のように各チャンネル毎の差diff(i)の
平均diffをとり、強度とする。 diff={diff(R) +diff(G) +diff(B) }/3 注目画素が孤立点のときは、この差diffをその孤立点の
孤立性の強度として出力する。すなわち、この差diffが
大きい程、孤立性が高いと考えられる。あるいは、孤立
性の強度の算出は、RGBそれぞれについての注目画素
のグラディエントの強度に対しマトリックス演算を行っ
て算出するようにしてもよい。このとき、マトリックス
演算は次の式によって行われる。 強度=(Rのグラディエント強度 + Gのグラディエ
ント強度+ Bのグラディエント強度)/3
【0050】ロビンソン部84から出力される孤立性の
強度は、図5のルックアップテーブルLUT80c,8
0dおよび82c,82dに送られ、それぞれゲインga
inM、gainHが算出される。これらのゲインgainM,ga
inHをコントロールすることにより、孤立点を除去す
る。すなわち、画像中の孤立点は粒状と考えられるた
め、孤立点に対してはゲインgainM,gainHを小さくし
てシャープネスを抑制するようにする。このように、孤
立点のシャープネスを抑えることにより、孤立点の除去
を図り、粒状成分を一層除去することができる。
【0051】本発明に係る画像処理装置およびこれを用
いるデジタルフォトプリンタは、基本的に以上のように
構成される。以下、本発明の画像処理装置およびデジタ
ルフォトプリンタの作用を説明する。
【0052】オペレータがフィルムF(読取対象コマ)
に対応するキャリア28をスキャナ12に装填し、キャ
リア28の所定位置にフィルムFをセットし、仕上げ情
報や作成するプリントサイズ等の必要な指示を入力した
後に、プリントの作成開始を指示する。これにより、ス
キャナ12の可変絞り24の絞り値やイメージセンサ3
2(ラインCCDセンサ32R、32G、32B)の蓄
積時間がプレスキャンの読取条件に応じて設定される。
その後、キャリア28がフィルムFをプレスキャンに応
じた速度で副走査方向に搬送して、プレスキャンが開始
され、フィルムFがスリット走査されて投影光がイメー
ジセンサ32に結像して、フィルムFに撮影された画像
がR、G、Bに分解されて光電的に低解像度で読み取ら
れる。なお、ここでは、プレスキャンおよびファインス
キャンは、1コマずつ行ってもよく、全コマあるいは所
定の複数コマずつ、連続的にプレスキャンおよびファイ
ンスキャンを行ってもよい。以下の例では、説明を簡潔
にするために、1コマの画像読取を例に説明を行う。
【0053】プレスキャンによるイメージセンサ32の
出力信号は、アンプ33で増幅されて、A/D変換器3
4に送られ、デジタル画像データとされた後に、本発明
の画像処理装置14に出力される。画像処理装置14に
入力されたデジタル画像データは、スキャナ補正部36
でイメージセンサ32の暗電流等の所定の補正を施した
後、LOG変換器38に送られ、プレスキャンに対応す
る濃度範囲で、例えば、濃度Dで4の濃度範囲を10b
itのデータに割りつけるように、LUTを用いて変換
され、プレスキャン画像データとされ、プレスキャン画
像データは、プレスキャンメモリ40に記憶される。
【0054】プレスキャンメモリ40にプレスキャン画
像データが記憶されると、条件設定部48のセットアッ
プ部58がこれを読み出し、濃度ヒストグラムの作成、
ハイライトやシャドー等の画像特徴量の算出等を行い、
ファインスキャンの読取条件を設定して、スキャナ12
に供給し、また、階調調整やグレイバランス調整等の各
種の画像処理条件を設定し、パラメータ統合部62に供
給する。画像処理条件を受け取ったパラメータ統合部6
2は、これを、プレスキャンデータ処理部44およびフ
ァインスキャンデータ処理部46の所定部分(ハードウ
エアおよびソフトウエア)に設定する。
【0055】検定を行う場合には、プレスキャン画像デ
ータがプレスキャンデータ処理部44によってプレスキ
ャンメモリ40から読みだされ、画像処理部50におい
て設定された画像処理条件で画像処理され、次いで、画
像データ変換部52で変換され、シュミレーション画像
としてモニタ20に表示される。オペレータは、モニタ
20の表示を見て、画像すなわち処理結果の確認(検
定)を行い、必要に応じてキーボード18aに設定され
た調整キー等を用いて色、濃度、階調等を調整する。こ
の調整の入力は、キー補正部60に送られ、キー補正部
60は調整入力に応じた画像処理条件の補正量を算出
し、これをパラメータ統合部62に送る。パラメータ統
合部62は、送られた補正量に応じて、画像処理部50
および54のLUTやMTX等を補正する。従って、こ
の補正すなわちオペレータによる調整入力に応じて、モ
ニタ20に表示される画像も変化する。
【0056】オペレータは、このコマの画像が適正(検
定OK)であると判定すると、キーボード18a等を用
いてプリント開始を指示する。これにより、画像処理条
件が確定し、スキャナ12において可変絞り24の絞り
値等が設定されたファインスキャンの読取条件に応じて
設定されると共に、キャリア28がファインスキャンに
対応する速度でフィルムFを搬送し、ファインスキャン
が開始される。なお、検定を行わない場合には、パラメ
ータ統合部62によるファインスキャンデータ処理部4
6の画像処理部54への画像処理条件の設定を終了した
時点で画像処理条件が確定し、ファインスキャンが開始
される。ファインスキャンは、可変絞り24の絞り値等
の読取条件が異なる以外はプレスキャンと同様に行わ
れ、イメージセンサ32からの出力信号はアンプ33で
増幅されて、処理装置14のA/D変換器34でデジタ
ル濃度データとされ、スキャナ補正部36で所定の処理
を施され、LOG変換器38に送られる。LOG変換器
38において、ファインスキャンデジタル画像データは
プレスキャンよりも高い濃度分解能で処理され、例え
ば、濃度Dで2の濃度範囲を10bitのデータに割り
つけるようにLUTで変換され、ファインスキャン画像
データとされた後、ファインスキャンメモリ42に送ら
れる。
【0057】画像処理部54においては、色濃度階調変
換手段64により、ルックアップテーブルに従って、フ
ァインスキャン画像データの濃度データ、色データおよ
び階調データが変換され、彩度変換手段66によって、
マトリックス演算にしたがって、画像信号の彩度データ
が変換される。ついで、カラーペーパに出力するカラー
画像のサイズに応じて、電子変倍手段68により、画像
データ信号の画素デー数が増減された後、画像信号は、
画像処理ブロック70に入力される。
【0058】画像処理ブロック70においては、RGB
3色間の相関値を算出してエッジ部あるいは平坦部の判
別を行うとともに局所連結性から孤立性を算出して、シ
ャープネス処理条件を決定し、シャープネス処理等の画
像処理を行う。すなわち、色相関値が大きい場合は、エ
ッジ部であると判断してシャープネスを強調し、色相関
値が小さい場合は、平坦部であると判断してシャープネ
スを抑制する。また、孤立点に対してもシャープネスを
抑制して孤立点を除去するようにする。
【0059】画像処理済の画像データは、画像データ変
換部56に入力され、画像出力用画像データに変換され
た後、画像処理装置14から画像記録装置16に出力さ
れる。画像記録装置16は、入力画像データに応じて感
光材料(印画紙)を露光して潜像を記録し、露光済の感
光材料に所定の処理を施してプリント(写真)として出
力する。
【0060】以下図14〜図18に、本実施形態の効果
を従来と比較して示す。図14は、エッジ部を含むある
入力画像データの部分および各画素における色相関値を
示したものである。横軸は画素位置(座標)であり、縦
軸は画素値(濃度)である。色相関を表す下のグラフは
色相関の強度を表しており、左の縦軸の画素値の目盛り
とは無関係である。図14では、エッジ部であると思わ
れる画素位置120および150の付近で色相関値が大
きくなっており、その他の部分は、色相関値は略0であ
り平坦部であると思われる。画素位置150近辺のエッ
ジは、色の異なる2つの領域の境界であり、画素位置1
20近辺のエッジは1本の線が存在しているものと思わ
れる。
【0061】図15は、図14の入力画像データとその
孤立性を表したものである。孤立性は粒状成分を表して
おり、平坦部で目立っている。図16は、この入力画像
データに対し、色相関のみによってシャープネス処理を
行った従来の結果を示すグラフである。これに対し、図
17は、色相関に加えて孤立性をも加味してシャープネ
ス処理を行った本実施形態の結果を示すグラフである。
そして図18は、図16の従来の結果(符号Q)と図1
7の本実施形態の結果(符号P)を重ねて示したもので
ある。
【0062】図18に示すように、本実施形態では特に
画素位置160〜200の平坦部において孤立点が除去
され、粒状が抑制され、画質がより向上されている。本
実施形態では、エッジ部、平坦部の判別は、色相関によ
っていたが、これに限定されるものではなく、この他、
局所連結性、局所分散、微分値、あるいはRGB各チャ
ンネル間の方向性の何れか、またはこれらの組み合わせ
によってもよい。例えば、局所分散による方法は、画像
のフィルム粒状に起因する雑音が多い平坦部、テクスチ
ャおよびエッジ部についての出現数に対してプロットし
た局所分散値を求め、ボケマスク処理の式Ss =Sorg
+K・(Sorg −Sus) における係数Kをこの局所分散
値の関数として設定するものである。
【0063】また、孤立性の算出についても、本実施形
態のように局所連結性によるものの他に、モルフォロジ
フィルタを用いる方法でもよい。モルフォロジフィルタ
は、孤立点を抽出するために用いられるフィルタであ
り、モルフォロジフィルタの作用を概念的に示すと次の
ようになる。例えば、図19(a)に示すような、画像
データを示すグラフG1に対し、半円群Cn を下から接
するようにし、その包絡線をとることにより図19
(b)に示すようなグラフG2が得られる。そしてグラ
フG1からグラフG2を引き算すれば、図19(c)に
示すように孤立点が検出される。
【0064】このように本実施形態によれば、色相関に
よりエッジ部および平坦部を判別する他に、局所連結性
により孤立性を判断しシャープネスをコントロールする
ようにしたため、より一層の画質改善を図ることが可能
となった。以上、本発明の画像処理方法および装置につ
いて詳細に説明したが、本発明は以上の例には限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改
良や変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0065】
【発明の効果】以上説明した通り本発明によれば、エッ
ジ部および平坦部の判別の他に孤立点を算出してシャー
プネス処理条件を決定するようにしたため、より一層の
画質の改善を図ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像処理方法を実施する画像処理装
置を適用するデジタルフォトプリンタの一実施例のブロ
ック図である。
【図2】 (a)は、図1に示されるデジタルフォトプ
リンタに装着されるキャリアの一実施例を説明するため
の概略斜視図であり、(b)は、図1に示されるデジタ
ルフォトプリンタのイメージセンサの一実施例の概念図
である。
【図3】 図1に示されるデジタルフォトプリンタの本
発明の画像処理方法を実施する画像処理装置の一実施例
のブロック図である。
【図4】 図3に示される画像処理装置のファインスキ
ャン画像データ処理部の画像処理部の一実施例のブロッ
ク図である。
【図5】 図4に示される画像処理ブロックの概略を示
すブロック図である。
【図6】 図5に示される色相関部の概略を示すブロッ
ク図である。
【図7】 図5に示されるロビンソン部の概略を示すブ
ロック図である。
【図8】 図7に示されるグラディエント部の概略を示
すブロック図である。
【図9】 (a1)〜(a8)は、グラディエントを求
めるためのフィルタの一例を示す説明図である。
【図10】 (a)は、注目画素とその周辺画素からな
る3×3の画像の一例を示す説明図であり、(b)は、
(a)の注目画素のグラディエントの方向を示す説明図
である。
【図11】 図7に示される連結性判定部の概略を示す
ブロック図である。
【図12】 図7に示される方向性判定部の概略を示す
ブロック図である。
【図13】 (a)は、3×3画像データの一例であ
り、(b)は、色相関値を求めるためのフィルタの一例
を示す説明図である。
【図14】 入力画像データとその色相関を示す線図で
ある。
【図15】 入力画像データとその孤立性を示す線図で
ある。
【図16】 図14の入力画像データに対して色相関の
みでシャープネスを行った従来の結果を示す線図であ
る。
【図17】 図14の入力画像データに対して色相関お
よび孤立性を考慮してシャープネスを行った本実施形態
の結果を示す線図である。
【図18】 図16の従来の結果と図17の本実施形態
の結果を重ねて示す線図である。
【図19】 (a)、(b)、(c)は、モルフォロジ
フィルタの作用の概略を説明するための線図である。
【符号の説明】
10 デジタルフォトプリンタ 12 スキャナ 14 (画像)処理装置 16 画像記録装置 18 操作系 18a キーボード 18b マウス 20 モニタ 22 光源 24 可変絞り 26 拡散ボックス 28 キャリア 30 結像レンズユニット 32 イメージセンサ 32R、32G、32B ラインCCDセンサ 34 A/D変換器 36 スキャナ補正部 38 LOG変換器 40 プレスキャン(フレーム)メモリ 42 ファインスキャン(フレーム)メモリ 44 プレスキャンデータ処理部 46 ファインスキャンデータ処理部 48 条件設定部 50、54 画像データ変換部 58 セットアップ部 60 キー補正部 62 パラメータ統合部 64 色濃度階調変換手段 66 彩度変換手段 68 電子変倍(デジタル倍率変換)手段 70 画像処理ブロック 80 横処理部 82 立て処理部 84 ロビンソン部 86、88 色相関部 90 グラディエント部 92 連結性判定部 94 方向性判定部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の画像を表すカラー画像信号に対して
    所定の画像処理を行う画像処理方法であって、 前記画像のエッジ部または平坦部を判別するとともに、 前記画像における画素の孤立性を算出し、 前記判別および算出により得られる情報に基づいてシャ
    ープネス処理条件を決定することを特徴とする画像処理
    方法。
  2. 【請求項2】前記エッジ部または平坦部の判別は、色相
    関、局所連結性、局所分散、微分値あるいはRGB各チ
    ャンネル間の方向性の何れか、またはこれらの組み合わ
    せに基づいて行われることを特徴とする請求項1に記載
    の画像処理方法。
  3. 【請求項3】前記孤立性の算出は、局所連結性に基づい
    て、あるいはモルフォロジフィルタを用いて、またはこ
    れらを組み合わせて行われることを特徴とする請求項1
    または2に記載の画像処理方法。
  4. 【請求項4】所定の画像を表すカラー画像信号に対して
    所定の画像処理を行う画像処理装置であって、 前記画像のエッジ部または平坦部を判別する判別手段
    と、 前記画像における画素の孤立性を算出する算出手段と、 前記判別手段および算出手段からの情報に基づいてシャ
    ープネス処理条件を決定する決定手段と、を備えたこと
    を特徴とする画像処理装置。
  5. 【請求項5】前記判別手段は、色相関、局所連結性、局
    所分散、微分値あるいはRGB各チャンネル間の方向性
    の何れか、またはこれらの組み合わせに基づいて、前記
    画像のエッジ部または平坦部を判別することを特徴とす
    る請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 【請求項6】前記算出手段は、局所連結性に基づいて、
    あるいはモルフォロジフィルタを用いて、またはこれら
    を組み合わせて前記画像における画素の孤立性を算出す
    ることを特徴とする請求項4または5に記載の画像処理
    装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005275900A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Noritsu Koki Co Ltd 粒子状ノイズ抑制のための画像処理方法及びプログラム及びこの方法を実施する画像処理装置

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JP2005275900A (ja) * 2004-03-25 2005-10-06 Noritsu Koki Co Ltd 粒子状ノイズ抑制のための画像処理方法及びプログラム及びこの方法を実施する画像処理装置

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