JPH11330875A - 増幅回路およびそれを用いた光受信器 - Google Patents

増幅回路およびそれを用いた光受信器

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JPH11330875A
JPH11330875A JP11065463A JP6546399A JPH11330875A JP H11330875 A JPH11330875 A JP H11330875A JP 11065463 A JP11065463 A JP 11065463A JP 6546399 A JP6546399 A JP 6546399A JP H11330875 A JPH11330875 A JP H11330875A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 オフセットのばらつきや背景光の混入に対し
ても、常に正確な増幅結果が得られる増幅回路を提供す
ることである。 【解決手段】 単極性の入力信号は、第1の差動増幅器
11で差動増幅された後、そのピーク値が第1および第
2のピーク検出部12および13によって検出、保持さ
れる。第2の差動増幅器14は、これらピーク検出部1
2および13の出力差を増幅することにより、第1の増
幅器11の正相出力の中間値および逆相出力の中間値を
出力する。複合差動増幅器15は、第1および第2の差
動増幅器11および14の各正相出力および逆相出力に
対して所定の演算に従った増幅を実行することで、両極
性信号を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、増幅回路およびそ
れを用いた光受信器に関し、より特定的には、単極性の
入力信号を増幅して両極性の信号に変換するための増幅
回路およびそのような増幅回路を用いた光受信器に関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、光加入者システムや、光インタコネクションにおい
て、光伝送路上でバースト信号(間欠的に出現する信
号)を取り扱う要請が高まってきている。
【0003】バースト信号を扱う場合、伝送路上で
「1」と「0」の出現する頻度は、一般的には大きく変
動するため、バースト信号を取り扱う光受信器として
は、DC結合方式が必要となる。回路にDC結合方式を
採用した場合の課題は、温度変動や電源電圧変動の影響
で、回路の動作点が変動を受けやすく、安定して増幅す
ることが困難になるという点である。
【0004】また、ベースバンドディジタル信号を利用
する光伝送システムにおいては、「1」もしくは「0」
の2値情報を伝送するため、変調された光信号として、
光信号の有無を利用する。この光信号を光電変換素子を
用いて電気信号に変換した場合、「0」値に対して
「1」値の場合のみ片側(+側または−側)に信号が発
生する単極性信号の形態となる。「1」値と「0」値と
を正確に識別するためには、パルス信号へ変換する場合
に、その識別値を正確に中心値に設定する必要がある。
バースト状に信号が発生されるシステムにおいては、無
入力時の出力レベルを中心に信号の有無に従い、±両方
向に振幅成分を持つ両極性信号に変換することで、信号
に雑音が重畳している場合に、上記無入力時の出力レベ
ルを基準にして、「1」「0」の識別をほぼ等しい確率
で行うことができる。また、変換された両極性信号を、
上記無入力時の出力レベルを中心にしてさらに増幅する
場合にも、「1」から「0」へ、もしくは「0」から
「1」への変化点情報は保存されるため、パルス幅歪み
を抑圧することができる。また、バースト信号毎にその
入力光電力レベルが異なる場合にも、正確なパルス再生
を可能とする。
【0005】以下、単極性信号を両極性信号に変換し、
かつDC結合方式を用いた従来の光受信器について説明
する。
【0006】DC結合方式を用いた光受信器の第1の従
来例としては、IEEE ISSCC97 FP15.4
に示された光受信器がある。この光受信器では、フォト
ダイオードが接続されたトランスインピーダンス型プリ
アンプの出力信号を、最大値保持回路と、最小値保持回
路とに入力し、それぞれの出力の中間値を抵抗分圧回路
によって生成し、さらに上記のプリアンプの出力信号
を、生成された中間値を基準としてリミッタアンプによ
り増幅する。そして、これら最大値保持回路,最小値保
持回路およびリミッタアンプの組み合わせから構成され
る増幅部を複数段接続することにより、パルス信号の再
生を可能としている。
【0007】しかしながら、上記第1の従来例では、最
大値保持回路と最小値保持回路との構成を一般的には同
一にすることができず、それぞれが独立した温度変動特
性を備えるため、リミッタアンプの信号入力に対する基
準電圧に影響を与え、広い温度範囲において利用するこ
とが困難となるという課題が存在する。また、最大値保
持回路と最小値保持回路とにおいて、それぞれ独立して
オフセットが存在する場合には、このオフセットをキャ
ンセルできずに、リミッタアンプの信号入力に対する基
準電圧に影響を与え、安定した増幅が困難となる。
【0008】次に、DC結合方式を用いた光受信器の第
2の従来例として、U.S.Patent5,430,
766号に示された光受信器を説明する。この光受信器
は、差動増幅器を用いたプリアンプと、次段に接続され
た差動増幅器とを基本にした回路で構成されている。
【0009】上記第2の従来例は、プリアンプを構成す
る差動増幅器の参照入力レベルを決定するために、差動
出力信号の+端子側のピーク検出部の出力をフィードバ
ックさせている。温度変動や電源電圧変動がある場合、
このピーク検出部の出力変動がプリアンプにおける参照
入力に影響するため、広い温度範囲において正確な信号
再生が困難になるという課題が存在する。また、信号線
に雑音が混入した場合には、ピーク検出部がその雑音に
応答して誤ったピーク値を保持してしまう危険性があ
り、この場合も正確な信号再生が困難になるという課題
が存在する。さらに、背景光の影響を避けるために、プ
リアンプの差動出力のそれぞれのピーク値の差を取り、
その差が無くなるように電流源の制御を行うフィードバ
ック制御を実現しているが、結果として、フィードバッ
クループが2つ用いられることになり、それぞれのフィ
ードバックループの時定数を最適な値に設定することに
困難が伴うという課題がある。
【0010】次に、第3の従来例として、特開平7−2
31307号公報に開示された光受信器がある。この光
受信器では、フォトダイオードが接続されたプリアンプ
からの出力と、当該プリアンプの出力信号レベルとほぼ
同一の値を出力する基準電圧源からの信号とを差動増幅
器で増幅し、この差動増幅器の正相出力および逆相出力
のそれぞれを同一構成の最大値保持回路に入力してそれ
ぞれの最大値を検出保持する。そして、これらの最大値
について、差成分を取り出し、さらに差成分の値を0.
5倍して、差動出力の中間値生成部の出力に加算したも
のを、次段に接続されるコンパレータのリファレンス入
力とする。当該コンパレータの信号入力に差動増幅器の
正相出力を入力することにより、パルス信号の再生を行
う。
【0011】上記第3の従来例では、同一構成の最大値
保持回路を2つ利用し、その差成分を取り出すことで、
最大値保持回路が有するオフセットや温度変動特性をキ
ャンセルすることができる。しかしながら、第3の従来
例によると、差動増幅器の正相出力と逆相出力の中間値
生成部において用いる素子(抵抗素子)定数のばらつき
等により、正確に中間値を作り出すことができない場合
があり、その場合にコンパレータのリファレンス信号が
差動出力の正確な中間値からずれてしまい、再生したパ
ルス信号のパルス幅に歪みが生じる恐れがある。また、
電源線やグランド線に雑音が重畳した場合には、差動増
幅器において出力に重畳する雑音と、リファレンス信号
に重畳する雑音成分とを一般には一致させることができ
ず、コンパレータにより正確にパルス信号再生ができな
くなる恐れがある。
【0012】次に、第4の従来例として、特開平9−2
8949号公報(対応米国出願08/803,927
号)に開示された光受信器がある。この光受信器では、
信号を増幅するための信号増幅用差動増幅器の正相出力
と逆相出力とのそれぞれの最大値を検出して保持し、増
幅率0.5に設定された参照信号用増幅器を介して、信
号増幅用差動増幅器の正相出力信号に対する参照信号を
生成する。この参照信号用増幅器として、無入力時の出
力電圧を信号増幅用差動増幅器と同一に設定できるよ
う、信号増幅用差動増幅器と参照信号用増幅器とで同一
構成の電流源と負荷抵抗を用意する。この方式では、同
一構成の最大値保持回路を2つ利用し、その差成分を取
り出すことで、最大値保持回路に備わるオフセット、温
度変動をキャンセルすることができる。また、第3の従
来例で必要な中間値生成部を用意する必要がなく、信号
の伝達される経路に何も接続する必要がなくなるため、
周波数特性を損なうことなく、信号を増幅することがで
きる。
【0013】しかしながら、上記第4の従来例による
と、信号増幅用差動増幅器と参照信号用増幅器とで同一
構成の電流源と負荷抵抗を用意して、無入力時のオフセ
ット電圧を一致させるようにしているが、これら素子の
ばらつきで生じるオフセット電圧の誤差はキャンセルす
ることはできない。このため、オフセット電圧の誤差が
顕著であると、最終段に接続されるコンパレータにおい
て行われるパルス信号再生に悪影響を及ぼすおそれがあ
る。
【0014】それ故に、本発明の目的は、周囲温度の変
動、電源電圧の変動、電源等からの雑音の混入、素子ば
らつき等に起因して発生するオフセットのばらつきが存
在しても、また、背景光の混入した動作条件において
も、常に正確に単極性信号を増幅して両極性信号に変換
することのできる増幅回路および光受信器を提供するこ
とである。
【0015】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記目
的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特
徴を備えている。
【0016】第1の発明は、単極性の入力信号を両極性
の信号に変換し、かつ増幅する増幅回路であって、単極
性の入力信号を増幅し、増幅結果を正相出力および逆相
出力の形態で差動出力する第1の増幅器と、第1の増幅
器の正相出力の中間値および逆相出力の中間値を生成
し、それぞれ第1および第2の中間値として出力する中
間値生成部と、第1の入力信号(VS1)および第1の参
照信号(VR1)の差成分(VS1−VR1)と、第2の入力
信号(VS2)および第2の参照信号(VR2)の差成分
(VS2−VR2)との差成分{(VS1−VR1)−(VS2
R2)}を増幅する機能を有し、第1の入力信号には前
記第1の増幅器の正相出力が割り当てられ、第1の参照
信号には第1の中間値が割り当てられ、第2の入力信号
には前記第1の増幅器の逆相出力が割り当てられ、第2
の参照信号には第2の中間値が割り当てられる第2の増
幅器とを備えている。
【0017】上記のように、第1の発明によれば、第1
の増幅器の増幅結果をさらに第2の増幅器にて増幅する
際に、第1の増幅器の正相出力と逆相出力の両方を利用
するようにしているため、第1の増幅器の差動出力に同
相関係で重畳する雑音成分を第2の増幅器にてキャンセ
ルすることができる。その結果、電源線やグランドライ
ンに重畳する雑音の影響を排除することができる。
【0018】第2の発明は、第1の発明に従属する増幅
回路であって、中間値生成部は、第1の増幅器の正相出
力のピーク値を検出して保持する第1のピーク検出器
と、第1の増幅器の逆相出力のピーク値を検出して保持
する第2のピーク検出器と、第1のピーク検出器の出力
と第2のピーク検出器の出力との差成分を増幅し、増幅
結果を正相出力および逆相出力の形態で差動出力する第
3の増幅器とを含み、第3の差動増幅器の正相出力から
第1の中間値が取り出され、逆相出力から第2の中間値
が取り出されることを特徴とする。
【0019】上記のように、第2の発明によれば、第1
および第2のピーク値検出器と第3の増幅器とを用いる
ことにより、簡単な構成でかつ正確に第1および第2の
中間値を生成することができる。しかも、第3の増幅器
の正相出力および逆相出力を、第1の中間値および第2
の中間値として利用しているため、第1の増幅器と第2
の増幅器それぞれにおける無入力時の出力電圧に若干の
オフセットが存在したとしても、互いのオフセット成分
が第2の増幅器において差し引きされ、オフセット成分
による影響を小さくすることができる。
【0020】第3の発明は、第2の発明に従属する増幅
回路であって、第1の増幅器の無入力時における正相出
力および逆相出力の出力値と、第3の増幅器の無入力時
における正相出力および逆相出力の出力値とが、同一値
に設定されることを特徴とする。
【0021】上記のように、第3の発明によれば、第1
の増幅器の無入力時における正相出力および逆相出力の
出力値と、第3の増幅器の無入力時における正相出力お
よび逆相出力の出力値と第3の増幅器の正相出力および
逆相出力とを同一値に設定することにより、第1の増幅
器と第2の増幅器それぞれにおいて生じるオフセットを
第2の増幅器においてほぼ完全にキャンセルすることが
できる。
【0022】第4の発明は、第3の発明に従属する増幅
回路であって、第3の増幅器の差動入力に対する正相出
力の比率としての増幅率と、第3の増幅器の差動入力に
対する逆相出力の比率としての増幅率とが、それぞれ
0.5付近に設定されていることを特徴とする。
【0023】上記のように、第4の発明によれば、第3
の増幅器の正相出力レベルを第1の増幅器の正相出力の
ちょうど中間値に設定することができ、また、第3の差
動増幅器の逆相出力レベルを第1の差動増幅器の逆相出
力のちょうど中間値に設定することができるため、第2
の増幅器での増幅が正確に行なえ、信号の再生が正しく
行なわれる。
【0024】第5の発明は、第4の発明に従属する増幅
回路であって、第1の増幅器は、少なくとも互いのソー
スが共通接続された第1および第2のトランジスタと、
第1および第2のトランジスタの共通接続されたソース
に接続される第1の電流源と、第1のトランジスタのド
レインと電源線との間に介挿される第1の抵抗と、第2
のトランジスタのドレインと電源線との間に介挿される
第2の抵抗とを含み、第3の増幅器は、少なくとも第3
および第4のトランジスタと、第2の電流源と、第3の
トランジスタのソースと第2の電流源との間に介挿され
る第3の抵抗と、第4のトランジスタのソースと第2の
電流源との間に介挿される第4の抵抗と、第3のトラン
ジスタのドレインと電源線との間に介挿される第5の抵
抗と、第4のトランジスタのドレインと電源線との間に
介挿される第6の抵抗とを含み、第1の抵抗の抵抗値と
第1の電流源の設定電流値との積をP1とおき、第2の
抵抗の抵抗値と第1の電流源の設定電流値との積をP2
とおき、第5の抵抗の抵抗値と第2の電流源の設定電流
値との積をP3とおき、第6の抵抗の抵抗値と第2の電
流源の設定電流値との積をP4とおいた場合、P1=P
2=P3=P4の関係が成立するように、第1,第2,
第5および第6の抵抗の抵抗値と、第1および第2の電
流源の設定電流値とが選ばれていることを特徴とする。
【0025】上記のように、第5の発明によれば、各抵
抗の抵抗値と電流源の設定電流値との積を相互に同一値
とすることにより、第1の増幅器と第3の増幅器の差動
入力が無入力時の出力レベルを同一にすることが可能に
なる。
【0026】第6の発明は、第5の発明に従属する増幅
回路であって、第1,第2,第5および第6の抵抗の抵
抗値が互いに等しい値に選ばれ、第3および第4の抵抗
の抵抗値が互いに等しい値に選ばれ、第1の電流源の設
定電流値と第2の電流源の設定電流値とが等しい値に選
ばれることを特徴とする。
【0027】上記のように、第6の発明によれば、各素
子の定数が揃えられているため、温度変動や電源電圧変
動に伴う第1の増幅器の出力の変動と、第3の増幅器の
出力の変動とを同一にすることができる。その結果、耐
環境特性を備えた増幅器を提供することが可能となる。
【0028】第7の発明は、第2の発明に従属する増幅
回路であって、第1および第2のピーク検出器は、互い
に同一の回路構成を有している。
【0029】上記のように、第7の発明によれば、第1
および第2のピーク検出器の回路構成を同一にしている
ため、第3の増幅器においてこれらピーク検出回路の出
力の差を取ることで、これらピーク検出回路の出力の誤
差成分をキャンセルすることができる。
【0030】第8の発明は、第1の発明に従属する増幅
回路であって、中間値生成部は、第1の増幅器の正相出
力の低域成分のみを通過させる第1のローパスフィルタ
と、第1の増幅器の逆相出力の低域成分のみを通過させ
る第2のローパスフィルタとを含んでいる。
【0031】上記のように、第8の発明によれば、より
簡単な構成で第1および第2の中間値を得ることができ
る。
【0032】第9の発明は、第1の発明に従属する増幅
回路であって、第1の増幅器は、単極性の入力信号を信
号入力として受け、当該入力信号の直流レベルに対して
仮設定された固定電圧を参照入力として受け、当該固定
電圧に基づいて当該入力信号を差動増幅する差動増幅器
を含んでいる。
【0033】第10の発明は、単極性の入力信号を両極
性の信号に変換し、かつ増幅する増幅回路であって、多
段縦続接続される複数の基本増幅部と、最終段の基本増
幅部のさらに後段に接続され、第1の入力信号(VS1
および第1の参照信号(VR1)の差成分(VS1−VR1
と、第2の入力信号(VS2)および第2の参照信号(V
R2)の差成分(VS2−VR2)との差成分{(VS1
R1)−(VS2−VR2)}を増幅する機能を有し、増幅
結果を正相出力および逆相出力の形態で差動出力する第
1の増幅器とを備え、各基本増幅部は、第1の入力信号
(VS1)および第1の参照信号(VR1)の差成分(VS1
−V R1)と、第2の入力信号(VS2)および第2の参照
信号(VR2)の差成分(VS2−VR2)との差成分{(V
S1−VR1)−(VS2−VR2)}を増幅する機能を有し、
増幅結果を正相出力および逆相出力の形態で差動出力す
る第2の増幅器と、第1の増幅器の正相出力の中間値お
よび逆相出力の中間値を生成し、それぞれ第1および第
2の中間値として出力する中間値生成部とを含み、初段
の基本増幅部における第2の増幅器は、単極性の入力信
号を差動増幅し、2段目以降の基本増幅部における第2
の増幅器は、前段の基本増幅部における第2の増幅器の
正相出力および逆相出力を、それぞれ第1および第2の
入力信号として受け、前段の基本増幅部における中間値
生成部から出力される第1および第2の中間値を、それ
ぞれ第1および第2の参照信号として受け、第1の増幅
器は、最終段の基本増幅部における第2の増幅器の正相
出力および逆相出力を、それぞれ第1および第2の入力
信号として受け、最終段の基本増幅部における中間値生
成部から出力される第1および第2の中間値を、それぞ
れ第1および第2の参照信号として受けることを特徴と
する。
【0034】上記のように、第10の発明によれば、基
本増幅部を複数段縦続接続することにより、オフセット
成分を十分に小さくしつつ微小信号を増幅することがで
きる。
【0035】第11の発明は、第10の発明に従属する
増幅回路であって、各基本増幅部に設けられる中間値生
成部は、第2の増幅器の正相出力のピーク値を検出して
保持する第1のピーク検出器と、第2の増幅器の逆相出
力のピーク値を検出して保持する第2のピーク検出器
と、第1のピーク検出器の出力と第2のピーク検出器の
出力との差成分を増幅し、増幅結果を正相出力および逆
相出力の形態で差動出力する第3の増幅器とを含み、第
3の差動増幅器の正相出力から第1の中間値が取り出さ
れ、逆相出力から第2の中間値が取り出されることを特
徴とする。
【0036】上記のように、第11の発明によれば、第
1および第2のピーク値検出器と第3の増幅器とを用い
ることにより、簡単な構成でかつ正確に第1および第2
の中間値を生成することができる。しかも、第3の増幅
器の正相出力および逆相出力を、第1の中間値および第
2の中間値として利用しているため、第1の増幅器と第
2の増幅器それぞれにおける無入力時の出力電圧に若干
のオフセットが存在したとしても、互いのオフセット成
分が第2の増幅器において差し引きされ、オフセット成
分による影響を小さくすることができる。
【0037】第12の発明は、第11の発明に従属する
増幅回路であって、第2の増幅器の無入力時における正
相出力および逆相出力の出力値と、第3の増幅器の無入
力時における正相出力および逆相出力の出力値とが、同
一値に設定されることを特徴とする。
【0038】上記のように、第12の発明によれば、第
1の増幅器の無入力時における正相出力および逆相出力
の出力値と、第3の増幅器の無入力時における正相出力
および逆相出力の出力値と第3の増幅器の正相出力およ
び逆相出力とを同一値に設定することにより、第1の増
幅器と第2の増幅器それぞれにおいて生じるオフセット
を次段の第2の増幅器においてほぼ完全にキャンセルす
ることができる。
【0039】第13の発明は、第12の発明に従属する
増幅回路であって、第3の増幅器の差動入力に対する正
相出力の比率としての増幅率と、第3の増幅器の差動入
力に対する逆相出力の比率としての増幅率とが、それぞ
れ0.5付近に設定されていることを特徴とする。
【0040】上記のように、第13の発明によれば、第
3の増幅器の正相出力レベルを第1の増幅器の正相出力
のちょうど中間値に設定することができ、また、第3の
差動増幅器の逆相出力レベルを第1の差動増幅器の逆相
出力のちょうど中間値に設定することができるため、次
段における第2の増幅器での増幅が正確に行なえ、信号
の再生が正しく行なわれる。
【0041】第14の発明は、第11の発明に従属する
増幅回路であって、第1および第2のピーク検出器は、
互いに同一の回路構成を有している。
【0042】上記のように、第14の発明によれば、第
1および第2のピーク検出器の回路構成を同一にしてい
るため、第3の増幅器においてこれらピーク検出回路の
出力の差を取ることで、これらピーク検出回路の出力の
誤差成分をキャンセルすることができる。
【0043】第15の発明は、第10の発明に従属する
増幅回路であって、各基本増幅部に設けられる中間値生
成部は、第1の増幅器の正相出力の低域成分のみを通過
させる第1のローパスフィルタと、第1の増幅器の逆相
出力の低域成分のみを通過させる第2のローパスフィル
タとを含んでいる。
【0044】上記のように、第15の発明によれば、よ
り簡単な構成で第1および第2の中間値を得ることがで
きる。
【0045】第16の発明は、光信号を電気信号に変換
し、かつ増幅する光受信器であって、光信号を電流信号
に変換する光電変換素子と、光電変換素子の出力信号を
電圧信号に変換する前置増幅器と、前置増幅器の出力信
号の平均値を出力する平均値出力部と、前置増幅器の出
力と平均値出力部の出力との差成分を増幅し、増幅結果
を正相出力および逆相出力の形態で差動出力する第1の
増幅器と、第1の増幅器の正相出力の中間値および逆相
出力の中間値を生成し、それぞれ第1および第2の中間
値として出力する中間値生成部と、第1の入力信号(V
S1)および第1の参照信号(VR1)の差成分(VS1−V
R1)と、第2の入力信号(VS2)および第2の参照信号
(VR2)の差成分(VS2−VR2)との差成分{(VS1
R1)−(VS2−VR2)}を増幅する機能を有し、第1
の入力信号には差動増幅器の正相出力が割り当てられ、
第1の参照信号には第1の中間値が割り当てられ、第2
の入力信号には差動増幅器の逆相出力が割り当てられ、
第2の参照信号には第2の中間値が割り当てられる第2
の増幅器とを備えている。
【0046】上記のように、第16の発明によれば、第
1の増幅器の増幅結果をさらに第2の増幅器にて増幅す
る際に、第1の増幅器の正相出力と逆相出力の両方を利
用するようにしているため、第1の増幅器の差動出力に
同相関係で重畳する雑音成分を第2の増幅器にてキャン
セルすることができる。その結果、電源線やグランドラ
インに雑音成分が重畳している場合であっても、正確に
信号を再生することができる。また、平均値出力部の出
力が前置増幅器の出力信号に対してオフセット成分を持
つ場合にも、正確に信号の再生が行える。
【0047】第17の発明は、第16の発明に従属する
光受信器であって、中間値生成部は、第1の増幅器の正
相出力のピーク値を検出して保持する第1のピーク検出
器と、第1の増幅器の逆相出力のピーク値を検出して保
持する第2のピーク検出器と、第1のピーク検出器の出
力と第2のピーク検出器の出力との差成分を増幅し、増
幅結果を正相出力および逆相出力の形態で差動出力する
第3の増幅器とを含み、第3の差動増幅器の正相出力か
ら第1の中間値が取り出され、逆相出力から第2の中間
値が取り出されることを特徴とする。
【0048】上記のように、第17の発明によれば、第
1および第2のピーク値検出器と第3の増幅器とを用い
ることにより、簡単な構成でかつ正確に第1および第2
の中間値を生成することができる。しかも、第3の増幅
器の正相出力および逆相出力を、第1の中間値および第
2の中間値として利用しているため、第1の増幅器と第
2の増幅器それぞれにおける無入力時の出力電圧に若干
のオフセットが存在したとしても、互いのオフセット成
分が第2の増幅器において差し引きされ、オフセット成
分による影響を小さくすることができる。
【0049】第18の発明は、第17の発明に従属する
光受信器であって、第1の増幅器の無入力時における正
相出力および逆相出力の出力値と、第3の増幅器の無入
力時における正相出力および逆相出力の出力値とが、同
一値に設定されることを特徴とする。
【0050】上記のように、第18の発明によれば、第
1の増幅器の無入力時における正相出力および逆相出力
の出力値と、第3の増幅器の無入力時における正相出力
および逆相出力の出力値と第3の増幅器の正相出力およ
び逆相出力とを同一値に設定することにより、第1の増
幅器と第2の増幅器それぞれにおいて生じるオフセット
を第2の増幅器においてほぼ完全にキャンセルすること
ができる。
【0051】第19の発明は、第18の発明に従属する
光受信器であって、第3の増幅器の差動入力に対する正
相出力の比率としての増幅率と、第3の増幅器の差動入
力に対する逆相出力の比率としての増幅率とが、それぞ
れ0.5付近に設定されていることを特徴とする。
【0052】上記のように、第19の発明によれば、第
3の増幅器の正相出力レベルを第1の増幅器の正相出力
のちょうど中間値に設定することができ、また、第3の
差動増幅器の逆相出力レベルを第1の差動増幅器の逆相
出力のちょうど中間値に設定することができるため、第
2の増幅器での増幅が正確に行なえ、信号の再生が正し
く行なわれる。
【0053】第20の発明は、第19の発明に従属する
光受信器であって、第1の増幅器は、少なくとも互いの
ソースが共通接続された第1および第2のトランジスタ
と、第1および第2のトランジスタの共通接続されたソ
ースに接続される第1の電流源と、第1のトランジスタ
のドレインと電源線との間に介挿される第1の抵抗と、
第2のトランジスタのドレインと電源線との間に介挿さ
れる第2の抵抗とを含み、第3の増幅器は、少なくとも
第3および第4のトランジスタと、第2の電流源と、第
3のトランジスタのソースと第2の電流源との間に介挿
される第3の抵抗と、第4のトランジスタのソースと第
2の電流源との間に介挿される第4の抵抗と、第3のト
ランジスタのドレインと電源線との間に介挿される第5
の抵抗と、第4のトランジスタのドレインと電源線との
間に介挿される第6の抵抗とを含み、第1の抵抗の抵抗
値と第1の電流源の設定電流値との積をP1とおき、第
2の抵抗の抵抗値と第1の電流源の設定電流値との積を
P2とおき、第5の抵抗の抵抗値と第2の電流源の設定
電流値との積をP3とおき、第6の抵抗の抵抗値と第2
の電流源の設定電流値との積をP4とおいた場合、 P1=P2=P3=P4 の関係が成立するように、第1,第2,第5および第6
の抵抗の抵抗値と、第1および第2の電流源の設定電流
値とが選ばれていることを特徴とする。
【0054】上記のように、第20の発明によれば、各
抵抗の抵抗値と電流源の設定電流値との積を相互に同一
値とすることにより、第1の増幅器と第3の増幅器の差
動入力が無入力時の出力レベルを同一にすることが可能
になる。
【0055】第21の発明は、第20の発明に従属する
光受信器であって、第1,第2,第5および第6の抵抗
の抵抗値が互いに等しい値に選ばれ、第3および第4の
抵抗の抵抗値が互いに等しい値に選ばれ、第1の電流源
の設定電流値と第2の電流源の設定電流値とが等しい値
に選ばれることを特徴とする。
【0056】上記のように、第21の発明によれば、各
素子の定数が揃えられているため、温度変動や電源電圧
変動に伴う第1の増幅器の出力の変動と、第3の増幅器
の出力の変動とを同一にすることができる。その結果、
耐環境特性を備えた光受信器を提供することが可能とな
る。
【0057】第22の発明は、第17の発明に従属する
光受信器であって、第1および第2のピーク検出器は、
互いに同一の回路構成を有している。
【0058】上記のように、第22の発明によれば、第
1および第2のピーク検出器の回路構成を同一にしてい
るため、第3の増幅器においてこれらピーク検出回路の
出力の差を取ることで、これらピーク検出回路の出力の
誤差成分をキャンセルすることができる。
【0059】第23の発明は、第16の発明に従属する
光受信器であって、中間値生成部は、第1の増幅器の正
相出力の低域成分のみを通過させる第1のローパスフィ
ルタと、第1の増幅器の逆相出力の低域成分のみを通過
させる第2のローパスフィルタとを含んでいる。
【0060】上記のように、第23の発明によれば、よ
り簡単な構成で第1および第2の中間値を得ることがで
きる。
【0061】第24の発明は、第16の発明に従属する
光受信器であって、第2の増幅器は、増幅結果を正相出
力および逆相出力の形態で差動出力し、第2の増幅器の
正相出力および逆相出力のいずれか一方をしきい値とし
ていずれか他方を弁別することにより、第2の増幅器の
増幅結果をディジタル波形に成型するコンパレータをさ
らに備えている。
【0062】上記のように、第24の発明によれば、第
2の増幅器から出力される両極性信号の両相(すなわ
ち、正相出力および逆相出力)を、それぞれコンパレー
タの信号入力およびリファレンス入力として与えてパル
ス再生を行うようにしているため、リファレンス信号を
新たに生成する手段が不要になり回路規模を小さくする
ことができる。また、両相出力それぞれに重畳するコモ
ンモード雑音成分が除去可能となること、および、増幅
器で発生し両相信号それぞれに独立に重畳する雑音成分
の影響を軽減することができることによって、雑音に対
する耐性を向上することができる。
【0063】第25の発明は、光信号を電気信号に変換
し、かつ増幅する光受信器であって、光信号を電流信号
に変換する光電変換素子と、光電変換素子の出力信号を
正相出力と逆相出力の差動電圧信号として取り出す前置
増幅器と、前置増幅器の正相出力および逆相出力の差成
分を増幅し、増幅結果を正相出力および逆相出力の形態
で差動出力する第1の増幅器と、第1の増幅器の正相出
力の中間値および逆相出力の中間値を生成し、それぞれ
第1および第2の中間値として出力する中間値生成部
と、第1の入力信号(VS1)および第1の参照信号(V
R1)の差成分(VS1−VR1)と、第2の入力信号
(VS2)および第2の参照信号(VR2)の差成分(VS2
−VR2)との差成分{(VS1−VR1)−(VS2
R2)}を増幅する機能を有し、第1の入力信号には差
動増幅器の正相出力が割り当てられ、第1の参照信号に
は第1の中間値が割り当てられ、第2の入力信号には差
動増幅器の逆相出力が割り当てられ、第2の参照信号に
は第2の中間値が割り当てられる第2の増幅器とを備え
ている。
【0064】上記のように、第25の発明によれば、第
1の増幅器の増幅結果をさらに第2の増幅器にて増幅す
る際に、第1の増幅器の正相出力と逆相出力の両方を利
用するようにしているため、第1の増幅器の差動出力に
同相関係で重畳する雑音成分を第2の増幅器にてキャン
セルすることができる。その結果、電源線やグランドラ
インに雑音成分が重畳している場合であっても、正確に
信号を再生することができる。また、前置増幅器の差動
出力にオフセットが存在する場合にも、正確に信号の再
生が行える。
【0065】第26の発明は、第25の発明に従属する
光受信器であって、中間値生成部は、第1の増幅器の正
相出力のピーク値を検出して保持する第1のピーク検出
器と、第1の増幅器の逆相出力のピーク値を検出して保
持する第2のピーク検出器と、第1のピーク検出器の出
力と第2のピーク検出器の出力との差成分を増幅し、増
幅結果を正相出力および逆相出力の形態で差動出力する
第3の増幅器とを含み、第3の差動増幅器の正相出力か
ら第1の中間値が取り出され、逆相出力から第2の中間
値が取り出されることを特徴とする。
【0066】上記のように、第26の発明によれば、第
1および第2のピーク値検出器と第3の増幅器とを用い
ることにより、簡単な構成でかつ正確に第1および第2
の中間値を生成することができる。しかも、第3の増幅
器の正相出力および逆相出力を、第1の中間値および第
2の中間値として利用しているため、第1の増幅器と第
2の増幅器それぞれにおける無入力時の出力電圧に若干
のオフセットが存在したとしても、互いのオフセット成
分が第2の増幅器において差し引きされ、オフセット成
分による影響を小さくすることができる。
【0067】第27の発明は、第26の発明に従属する
光受信器であって、第1の増幅器の無入力時における正
相出力および逆相出力の出力値と、第3の増幅器の無入
力時における正相出力および逆相出力の出力値とが、同
一値に設定されることを特徴とする。
【0068】上記のように、第27の発明によれば、第
1の増幅器の無入力時における正相出力および逆相出力
の出力値と、第3の増幅器の無入力時における正相出力
および逆相出力の出力値と第3の増幅器の正相出力およ
び逆相出力とを同一値に設定することにより、第1の増
幅器と第2の増幅器それぞれにおいて生じるオフセット
を第2の増幅器においてほぼ完全にキャンセルすること
ができる。
【0069】第28の発明は、第27の発明に従属する
光受信器であって、第3の増幅器の差動入力に対する正
相出力の比率としての増幅率と、第3の増幅器の差動入
力に対する逆相出力の比率としての増幅率とが、それぞ
れ0.5付近に設定されていることを特徴とする。
【0070】上記のように、第28の発明によれば、第
3の増幅器の正相出力レベルを第1の増幅器の正相出力
のちょうど中間値に設定することができ、また、第3の
差動増幅器の逆相出力レベルを第1の差動増幅器の逆相
出力のちょうど中間値に設定することができるため、第
2の増幅器での増幅が正確に行なえ、信号の再生が正し
く行なわれる。
【0071】第29の発明は、第28の発明に従属する
光受信器であって、第1の増幅器は、少なくとも互いの
ソースが共通接続された第1および第2のトランジスタ
と、第1および第2のトランジスタの共通接続されたソ
ースに接続される第1の電流源と、第1のトランジスタ
のドレインと電源線との間に介挿される第1の抵抗と、
第2のトランジスタのドレインと電源線との間に介挿さ
れる第2の抵抗とを含み、第3の増幅器は、少なくとも
第3および第4のトランジスタと、第2の電流源と、第
3のトランジスタのソースと第2の電流源との間に介挿
される第3の抵抗と、第4のトランジスタのソースと第
2の電流源との間に介挿される第4の抵抗と、第3のト
ランジスタのドレインと電源線との間に介挿される第5
の抵抗と、第4のトランジスタのドレインと電源線との
間に介挿される第6の抵抗とを含み、第1の抵抗の抵抗
値と第1の電流源の設定電流値との積をP1とおき、第
2の抵抗の抵抗値と第1の電流源の設定電流値との積を
P2とおき、第5の抵抗の抵抗値と第2の電流源の設定
電流値との積をP3とおき、第6の抵抗の抵抗値と第2
の電流源の設定電流値との積をP4とおいた場合、P1
=P2=P3=P4の関係が成立するように、第1,第
2,第5および第6の抵抗の抵抗値と、第1および第2
の電流源の設定電流値とが選ばれていることを特徴とす
る。
【0072】上記のように、第29の発明によれば、各
抵抗の抵抗値と電流源の設定電流値との積を相互に同一
値とすることにより、第1の増幅器と第3の増幅器の差
動入力が無入力時の出力レベルを同一にすることが可能
になる。
【0073】第30の発明は、第29の発明に従属する
光受信器であって、第1,第2,第5および第6の抵抗
の抵抗値が互いに等しい値に選ばれ、第3および第4の
抵抗の抵抗値が互いに等しい値に選ばれ、第1の電流源
の設定電流値と第2の電流源の設定電流値とが等しい値
に選ばれることを特徴とする。
【0074】上記のように、第30の発明によれば、各
素子の定数が揃えられているため、温度変動や電源電圧
変動に伴う第1の増幅器の出力の変動と、第3の増幅器
の出力の変動とを同一にすることができる。その結果、
耐環境特性を備えた光受信器を提供することが可能とな
る。
【0075】第31の発明は、第26の発明に従属する
光受信器であって、第1および第2のピーク検出器は、
互いに同一の回路構成を有している。
【0076】上記のように、第31の発明によれば、第
1および第2のピーク検出器の回路構成を同一にしてい
るため、第3の増幅器においてこれらピーク検出回路の
出力の差を取ることで、これらピーク検出回路の出力の
誤差成分をキャンセルすることができる。
【0077】第32の発明は、第25の発明に従属する
光受信器であって、中間値生成部は、第1の増幅器の正
相出力の低域成分のみを通過させる第1のローパスフィ
ルタと、第1の増幅器の逆相出力の低域成分のみを通過
させる第2のローパスフィルタとを含んでいる。
【0078】上記のように、第32の発明によれば、よ
り簡単な構成で第1および第2の中間値を得ることがで
きる。
【0079】第33の発明は、第25の発明に従属する
光受信器であって、第2の増幅器は、増幅結果を正相出
力および逆相出力の形態で差動出力し、第2の増幅器の
正相出力および逆相出力のいずれか一方をしきい値とし
ていずれか他方を弁別することにより、第2の増幅器の
増幅結果をディジタル波形に成型するコンパレータをさ
らに備えている。
【0080】上記のように、第33の発明によれば、第
2の増幅器から出力される両極性信号の両相(すなわ
ち、正相出力および逆相出力)を、それぞれコンパレー
タの信号入力およびリファレンス入力として与えてパル
ス再生を行うようにしているため、リファレンス信号を
新たに生成する手段が不要になり回路規模を小さくする
ことができる。また、両相出力それぞれに重畳するコモ
ンモード雑音成分が除去可能となること、および、増幅
器で発生し両相信号それぞれに独立に重畳する雑音成分
の影響を軽減することができることによって、雑音に対
する耐性を向上することができる。
【0081】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は、本発
明の第1の実施形態に係る増幅回路の構成を示すブロッ
ク図である。図1において、本実施形態の増幅回路は、
第1の差動増幅器11と、第1のピーク検出部12と、
第2のピーク検出部13と、第2の差動増幅器14と、
複合差動増幅器15とを備えている。
【0082】第1の差動増幅器11の信号入力端子Sに
は、増幅すべき信号が供給され、差動増幅器11のリフ
ァレンス入力端子Rには、リファレンス信号が供給され
る。第1の差動増幅器11は、信号入力端子Sに入力さ
れる信号とリファレンス入力端子Rに入力されるリファ
レンス信号との差成分を増幅する。第1の差動増幅器1
1は、増幅結果を正相出力および逆相出力の両方に差動
出力する。
【0083】第1のピーク検出部12は、第1の差動増
幅器11の正相出力を入力し、そのピーク値を検出して
保持する。第2のピーク検出部13は、第1の差動増幅
器11の逆相出力を入力し、そのピーク値を検出して保
持する。第1のピーク検出部12の出力は、第2の差動
増幅器14の信号入力端子Sに供給され、第2のピーク
検出部13の出力は、第2の差動増幅器14のリファレ
ンス入力端子Rに供給される。第2の差動増幅器14も
第1の差動増幅器11と同様に、増幅結果を正相出力お
よび逆相出力の両方に差動出力する。そして、第2の差
動増幅器14の正相出力は、第1の差動増幅器11の正
相出力の中間値を示し、第2の差動増幅器14の逆相出
力は、第1の差動増幅器11の逆相出力の中間値を示
す。すなわち、これら第1および第2のピーク検出部1
2および13と、第2の差動増幅器14とで、第1の差
動増幅器11の正相出力の中間値および逆相出力の中間
値を生成する中間値生成部を構成している。
【0084】複合差動増幅器15は、第1および第2の
信号入力端子S1およびS2と、第1および第2のリフ
ァレンス入力端子R1およびR2とを備えており、第1
の信号入力端子S1には第1の差動増幅器11の正相出
力が、第2の信号入力端子S2には第1の差動増幅器1
1の逆相出力が、第1のリファレンス入力端子R1には
第2の差動増幅器14の正相出力が、第2のリファレン
ス入力端子R2には第2の差動増幅器14の逆相出力
が、それぞれ供給される。
【0085】今、複合差動増幅器15の第1および第2
の信号入力端子S1およびS2の入力電圧をそれぞれV
S1およびVS2とし、第1および第2のリファレンス入力
端子R1およびR2の入力電圧をそれぞれVR1およびV
R2とする。そして、複合差動増幅器15の無入力時(す
なわち、(VS1−VR1)と(VS2−VR2)とがそれぞれ
0である場合)の、正相出力と逆相出力の直流レベルを
os15とし、差動入力に対する正相出力および逆相出力
それぞれの増幅率をA15とした場合、複合差動増幅器1
5の正相出力Vout および逆相出力/Vout は、それぞ
れ、次式(1)および(2)の関係を満たす。 Vout =VOS15+A15*{(VS1−VR1)−(VS2−VR2)} …(1) /Vout =VOS15−A15*{(VS1−VR1)−(VS2−VR2)} …(2)
【0086】図2は、図1における第1の差動増幅器1
1のより詳細な構成の一例を示す回路図である。図2に
おいて、信号入力端子Sおよびリファレンス入力端子R
は、それぞれ、トランジスタ201および202のゲー
トに接続される。トランジスタ201および202の各
ソースは、電流源23に接続される。トランジスタ40
1および402のドレインは、それぞれ、抵抗211お
よび212を介して電源線に接続される。また、トラン
ジスタ201および202のドレインは、それぞれ、ト
ランジスタ221および222のゲートに接続される。
トランジスタ221および222の各ドレインは、電源
線に接続される。トランジスタ221および222のソ
ースは、それぞれ、電流源241および242に接続さ
れる。また、トランジスタ221および222のソース
は、それぞれ、正相出力端子および逆相出力端子に接続
される。なお、抵抗211および212のそれぞれの抵
抗値は、互いに同一の値に設定される。
【0087】図3は、図1における第1のピーク検出部
12のより詳細な構成の一例を示す回路図である。図3
において、オペアンプ31の“+”側入力端子には、第
1の差動増幅器11の正相出力が入力される。オペアン
プ31の出力は、ダイオード32のアノードに供給され
る。ダイオード32のカソードは、ピーク保持用コンデ
ンサ33に接続されると共に、トランジスタ34のゲー
トに接続される。トランジスタ34のドレインは電源線
に接続される。トランジスタ34のソースは、電流源3
5に接続される。トランジスタ34のソースは、出力端
子に接続される。また、トランジスタ34のソース出力
は、オペアンプ31の“−”側入力端子にフィードバッ
クされる。なお、第2のピーク検出部13の回路構成も
図3と全く同様である。
【0088】図4は、図1における第2の差動増幅器1
4のより詳細な構成の一例を示す回路図である。図4に
おいて、信号入力端子Sおよびリファレンス入力端子R
は、それぞれ、トランジスタ401および402のゲー
トに接続される。トランジスタ401および402のソ
ースは、それぞれ、抵抗421および422を介して電
流源44に接続される。トランジスタ401および40
2のドレインは、それぞれ、抵抗411および412を
介して電源線に接続される。また、トランジスタ401
および402のドレインは、それぞれ、トランジスタ4
31および432のゲートに接続される。トランジスタ
431および432の各ドレインは、電源線に接続され
る。トランジスタ431および432のソースは、それ
ぞれ、電流源451および452に接続される。また、
トランジスタ431および432のソースは、それぞ
れ、正相出力端子および逆相出力端子に接続される。な
お、抵抗411および412の抵抗値は、互いに同一の
値に設定されると共に、それぞれ、図2の抵抗211お
よび212の抵抗値とも同一の値に設定される。また、
電流源44の電流値は、図2の電流源23の電流値と同
一の値に設定される。
【0089】図5は、図1における複合差動増幅器15
のより詳細な構成の一例を示す回路図である。図5にお
いて、第1の信号入力端子S1および第1のリファレン
ス入力端子R1は、それぞれ、トランジスタ501およ
び502のゲートに接続される。第2の信号入力端子S
2および第2のリファレンス入力端子R2は、それぞ
れ、トランジスタ512および511のゲートに接続さ
れる。トランジスタ501および502の各ソースは、
電流源53に接続される。トランジスタ511および5
12の各ソースは、電流源54に接続される。トランジ
スタ501および512のドレインは、それぞれ、抵抗
521および522を介して電源線に接続される。トラ
ンジスタ502のドレインは、トランジスタ512のド
レインに接続される。トランジスタ511のドレイン
は、トランジスタ501のドレインに接続される。ま
た、トランジスタ501および512のドレインは、そ
れぞれ、トランジスタ552および551のゲートに接
続される。トランジスタ551および552の各ドレイ
ンは、電源線に接続される。トランジスタ551および
552のソースは、それぞれ、電流源561および56
2に接続される。また、トランジスタ551および55
2のソースは、それぞれ、正相出力端子および逆相出力
端子に接続される。
【0090】上記のような構成を有する複合差動増幅器
15では、第1の信号入力端子S1への入力信号と第1
のリファレンス入力端子R1への入力信号との電位差に
応じて、電流源53の設定電流がトランジスタ501お
よび502に分流する。また、第2の信号入力端子S2
への入力信号と第2のリファレンス入力端子R2への入
力信号との電位差に応じて、電流源54の設定電流がト
ランジスタ511および512に分流する。それぞれの
トランジスタ対で分流された電流が抵抗521および5
22に流れることで、入力された電流信号が電圧信号に
変換されて出力される。また、トランジスタ501およ
び511の各ドレインが相互に接続されて電流が合成さ
れ、さらにトランジスタ502および512の各ドレイ
ンが相互に接続されて電流が合成されるため、複合差動
増幅器15の正相出力および逆相出力は、それぞれ、前
述の式(1)および(2)で表現されるものとなる。こ
のように、複合差動増幅器15は、2つの差動増幅器を
含み、出力段でこれら2つの差動増幅器の出力を合成す
るように構成されている。
【0091】図6は、図1に示す増幅回路の各部の信号
の波形を示している。図6(a)において、波形101
は第1の差動増幅器11の信号入力波形を、波形102
は第1の差動増幅器11のリファレンス入力波形を、そ
れぞれ示している。図6(b)において、波形104は
第1の差動増幅器11の無入力時における正相出力およ
び逆相出力のレベルを、波形1031は第1の差動増幅
器11の信号入力時における正相出力の波形を、波形1
051は第1の差動増幅器11の信号入力時における逆
相出力の波形を、波形1032は第1のピーク検出部1
2の出力波形を、波形1052は第2のピーク検出部1
3の出力波形を、波形1033は第2の差動増幅器14
の正相出力の波形を、波形1053は第2の差動増幅器
14の逆相出力の波形を、それぞれ示している。なお、
図6(b)において、ΔVは信号入力波形101の平均
レベルとリファレンス入力波形102との誤差であり、
11は差動増幅器11の増幅率であり、V1 は信号入力
波形101の振幅であるものとする。図6(c)におい
て、波形107は複合差動増幅器15の無入力時(すな
わち、(VS1−VR1)と(VS2−VR2)とがそれぞれ0
である場合)における正相出力と逆相出力のレベルを、
波形1061は複合差動増幅器15の信号入力時におけ
る正相出力の波形を、波形1062は複合差動増幅器1
5の信号入力時における逆相出力の波形を、それぞれ示
している。
【0092】以下、図6を参照して、第1の実施形態に
係る増幅回路の動作を説明する。第1の差動増幅器11
の無入力時(すなわち、信号入力とリファレンス入力と
が等しい場合)における正相出力と逆相出力のレベルV
OS11は、電源線の電圧レベルをVccとし、互いに同一
の値に設定される抵抗211および212の抵抗値をR
1とし、トランジスタ221および222のゲート−ソ
ース間電圧をVGS 1 とし、電流源23の設定電流値をI
23とした場合、次式(3)で示される。 VOS11=Vcc−(R1*I23/2)−VGS1 …(3)
【0093】第2の差動増幅器14の無入力時(すなわ
ち、信号入力とリファレンス入力とが等しい場合)にお
ける正相出力と逆相出力の出力レベルVOS14は、抵抗4
11および412の抵抗値を(抵抗211および212
の抵抗値と同一に設定されるため)R1とし、電流源4
4の設定電流値を(電流源23の設定電流値と同一に設
定されるため)I23とし、トランジスタ431および4
32のゲート−ソース間電圧をVGS2とすると、次式
(4)で示される。 VOS14=Vcc−(R1*I23/2)−VGS2 …(4)
【0094】ここで、電流源241,242,451お
よび452の電流値を相互に同一になるように設定し、
かつトランジスタ221,222,431および432
のゲート長およびゲート幅が相互に同一になるように設
定した場合、トランジスタ221および222のゲート
−ソース間電圧VGS1 と、トランジスタ431および4
32のゲート−ソース間電圧VGS2 とが同一値になるた
め、VOS11とVOS14とを同一値に設定できることが、上
式(3)および(4)から判る。そして、電源電圧が変
動した場合や、動作温度が変動した場合にも、設定電流
値の変動が同じになるように各電流源241,242,
451および452を構成した場合には、VOS11とV
OS14とが常に同一値になることが判る。
【0095】また、第2の差動増幅器14の差動入力に
対する差動出力の比率としての増幅率A14は、抵抗41
1および412の抵抗値をR1とおき、抵抗421およ
び422の抵抗値をR2とおき、トランジスタ401お
よび402のトランスコンダクタンスをgm1とおいた
場合、次式(5)で示される。 A14=R1/{R2+(1/gm1)} …(5)
【0096】トランスコンダクタンスgm1が十分に大
きな値となるようにトランジスタ401および402を
設計し、抵抗値R1およびR2が互いにほぼ同一値にな
るように選択することで、増幅率A14をほぼ1に設定す
ることができる。
【0097】この場合、第2の差動増幅器14におい
て、差動入力に対する正相出力の比率としての増幅率お
よび差動入力に対する逆相出力の比率としての増幅率
は、それぞれ0.5となる。また、抵抗値R1およびR
2のみにより、これら増幅率が決定されるため、電源電
圧の変動や動作温度の変動に対して、安定して増幅率を
0.5に保つことができる。
【0098】第1の差動増幅器11の信号入力端子Sに
波形101で示す信号が入力され、リファレンス入力端
子Rに波形102で示す信号が入力される場合、第1の
差動増幅器11の正相出力および逆相出力の信号波形
は、それぞれ、波形1031および1051で示される
ものとなる。今、信号波形101の振幅をV1 とし、信
号波形102から信号波形101の平均値までの電位差
を△Vとおき、第1の差動増幅器11の無入力時の正相
出力および逆相出力の出力電圧をVOS11とおき、第1の
差動増幅器11の差動入力に対する正相出力および逆相
出力それぞれの比率としての増幅率をA11とおくと、第
1および第2のピーク検出部12および13の出力V
max12 およびVmax13 は、それぞれ、次式(6)および
(7)で示される。 Vmax12 =VOS11+(A11*△V)+(A11*V1 /2) …(6) Vmax13 =VOS11−(A11*△V)+(A11*V1 /2) …(7)
【0099】次に、第2の差動増幅器14の正相出力の
電位レベルVout14 と、逆相出力の電位レベル/V
out14 とを、それぞれ、次式(8)および(9)に示
す。ここで、第2の差動増幅器14の差動入力に対する
正相出力および逆相出力のそれぞれの比率である増幅率
は0.5となることと、無入力時の正相出力および逆相
出力の出力電圧レベルは、上記記述よりVOS11となるこ
とを利用する。 Vout14 =VOS11+{0.5*(Vmax12 −Vmax13 )} =VOS11+(A11*△V) …(8) /Vout14 =VOS11−{0.5*(Vmax12 −Vmax13 )} =VOS11−(A11*△V) …(9)
【0100】第2の差動増幅器14の正相出力である信
号波形1033の電圧レベルはVou t14 であり、この値
は差動増幅器11の正相出力の信号波形1031の平均
値レベルと一致する。
【0101】また、第2の差動増幅器14の逆相出力で
ある信号波形1053の電圧レベルは/Vout14 であ
り、この値は差動増幅器11の逆相出力の信号波形10
51の平均値レベルと一致する。
【0102】複合差動増幅器15において、第1の信号
入力端子S1には、信号波形1031で示される第1の
差動増幅器11の正相出力が与えられ、第1のリファレ
ンス入力端子R1には、信号波形1033で示される第
2の差動増幅器14の正相出力が与えられる。また、第
2の信号入力端子S2には、信号波形1051で示され
る第1の差動増幅器11の逆相出力が与えられ、第2の
リファレンス入力端子R2には、信号波形1053で示
される第2の差動増幅器14の逆相出力が与えられる。
【0103】今、複合差動増幅器15の増幅率をA15
し、無入力時の正相出力および逆相出力の電圧レベルを
OS15とした場合、複合差動増幅器15の正相出力とし
て、 VOS15+A15*{(VS1−VR1)+(VR2−VS2)} で示される出力が得られ、逆相出力として、 VOS15−A15*{(VS1−VR1)+(VR2−VS2)} で示される出力が得られる。このことより、複合差動増
幅器15の正相出力は、その振幅がA15*(A11*V
1 )で与えられ、その平均値がVOS15と規定した、波形
107で示される。また、複合差動増幅器15の逆相出
力は、その振幅が正相出力と同様にA15*(A11*V
1 )で与えられ、その平均値がVOS15と規定した、波形
107で示され、位相が正相出力と180度反転する信
号波形1062となることが判る。これら正相出力およ
び逆相出力を、コンパレータ(図示せず)に入力するこ
とで、正確に“1”もしくは“0”の論理レベルを表す
出力が得られる。
【0104】次に、第1および第2の差動増幅器11お
よび14の無入力時の正相および逆相出力の出力電圧レ
ベルにオフセットが生じた場合を考慮する。このような
オフセットは、第1および第2の差動増幅器11および
14に設けられる抵抗素子の抵抗値にばらつきがあった
場合や、電流源の設定電流値にばらつきがあった場合等
に発生する。
【0105】ここで、オフセット電圧を△V1 とおく。
第1の差動増幅器11の無入力時の出力をVOS11とした
場合、第2の差動増幅器14の無入力時の出力レベル
は、VOS11+△V1と表される。この場合、第2の差動
増幅器14の正相出力Vout14 および逆相出力/V
out14 は、それぞれ、次式(10)および(11)で示
される。なお、次式(10)および(11)において、
11は第1の差動増幅器11の増幅率であり、△Vは第
1の差動増幅器11の信号入力の平均電圧レベルとリフ
ァレンス入力の電圧レベルとの差を示している。 Vout14 =VOS11+△V1+A11*△V …(10) /Vout14 =VOS11+△V1−A11*△V …(11)
【0106】また、複合差動増幅器15の正相出力V
out15 および逆相出力/Vout15 は、それぞれ、次式
(12)および(13)で示される。 Vout15 =VOS15+A15*(VS1−Vout14 −VS2+/Vout14 ) …(12) /Vout15 =VOS15−A15*(VS1−Vout14 −VS2+/Vout14 ) …(13)
【0107】上式(12)および(13)に、前述の式
(10)および(11)を代入すると、VOS11と△V1
の項は消去されることが判る。すなわち、第1および第
2の差動増幅器11および14の無入力時の出力電圧レ
ベルにオフセットが生じる場合においても、複合差動増
幅器15においてそのオフセット電圧成分がキャンセル
され、正確に信号成分を増幅することが可能であること
が判る。
【0108】なお、第1および第2の差動増幅器11お
よび14における素子の定数を揃えることにより(すな
わち、抵抗211,212,411および412の各抵
抗値を同一とし、抵抗421および422の各抵抗値を
同一とし、電流源23および44の各設定電流値を同一
とすることにより)、温度変動や電源電圧変動に伴う第
1の差動増幅器11の出力の変動と、第2の増幅器14
の出力の変動とを同一にすることができる。その結果、
耐環境特性を持たせることが可能となる。
【0109】しかしながら、上記のような耐環境特性を
望まないならば、素子定数を揃えなくとも良い。しかし
ながら、素子定数については、抵抗211の抵抗値と電
流源23の設定電流値との積をP1とおき、抵抗212
の抵抗値と電流源23の設定電流値との積をP2とお
き、抵抗411の抵抗値と電流源44の設定電流値との
積をP3とおき、抵抗412の抵抗値と電流源44の設
定電流値との積をP2とおいた場合、 P1=P2=P3=P4 の関係が成立するように、抵抗211,212,411
および412の各抵抗値と、電流源23および44の各
設定電流値とが選ばれていることが必要となる。
【0110】(第2の実施形態)図7は、本発明の第2
の実施形態に係る増幅回路の構成を示すブロック図であ
る。この第2の実施形態の増幅回路は、互いに同一の回
路構成を有する複数の基本増幅部が縦続接続された構成
となっている。なお、図7では、3つの基本増幅部60
a〜60cが縦続接続されている場合を一例として示し
ている。また、最終段の基本増幅部60cの後段には、
複合差動増幅器65が接続されている。
【0111】図7において、初段の基本増幅部60a
は、複合差動増幅器61aと、第1のピーク検出部62
aと、第2のピーク検出部63aと、差動増幅器64a
とを備えている。複合差動増幅器61aは、第1および
第2の信号入力端子S1およびS2と、第1および第2
のリファレンス入力端子R1およびR2とを備えてお
り、第1の信号入力端子S1および第2のリファレンス
入力端子R2には増幅すべき信号が供給され、第2の信
号入力端子S2および第1のリファレンス入力端子R1
にはリファレンス信号が入力される。第1のピーク検出
部62aは、複合差動増幅器61aの正相出力を入力
し、そのピーク値を検出して保持する。第2のピーク検
出部63aは、複合差動増幅器61aの逆相出力を入力
し、そのピーク値を検出して保持する。差動増幅器64
aは、信号入力端子Sに第1のピーク検出部62aの出
力を入力し、リファレンス入力端子Rに第2のピーク検
出部63aの出力を入力し、それらを差動増幅する。
【0112】2段目の基本増幅部60bは、複合差動増
幅器61bと、第1のピーク検出部62bと、第2のピ
ーク検出部63bと、差動増幅器64bとを備えてい
る。複合差動増幅器61bにおいて、第1の信号入力端
子S1には前段の複合差動増幅器61aの正相出力が与
えられ、第2の信号入力端子S2には前段の複合差動増
幅器61aの逆相出力が与えられ、第1のリファレンス
入力端子R1には前段の差動増幅器64aの正相出力が
与えられ、第2のリファレンス入力端子R2には前段の
差動増幅器64aの逆相出力が与えられる。第1のピー
ク検出部62bは、複合差動増幅器61bの正相出力を
入力し、そのピーク値を検出して保持する。第2のピー
ク検出部63bは、複合差動増幅器61bの逆相出力を
入力し、そのピーク値を検出して保持する。差動増幅器
64bは、信号入力端子Sに第1のピーク検出部62b
の出力を入力し、リファレンス入力端子Rに第2のピー
ク検出部63bの出力を入力し、それらを差動増幅す
る。
【0113】3段目の基本増幅部60cは、複合差動増
幅器61cと、第1のピーク検出部62cと、第2のピ
ーク検出部63cと、差動増幅器64cとを備えてい
る。複合差動増幅器61cにおいて、第1の信号入力端
子S1には前段の複合差動増幅器61bの正相出力が与
えられ、第2の信号入力端子S2には前段の複合差動増
幅器61bの逆相出力が与えられ、第1のリファレンス
入力端子R1には前段の差動増幅器64bの正相出力が
与えられ、第2のリファレンス入力端子R2には前段の
差動増幅器64bの逆相出力が与えられる。第1のピー
ク検出部62cは、複合差動増幅器61cの正相出力を
入力し、そのピーク値を検出して保持する。第2のピー
ク検出部63cは、複合差動増幅器61cの逆相出力を
入力し、そのピーク値を検出して保持する。差動増幅器
64cは、信号入力端子Sに第1のピーク検出部62c
の出力を入力し、リファレンス入力端子Rに第2のピー
ク検出部63cの出力を入力し、それらを差動増幅す
る。
【0114】差動増幅器65は、第1および第2の信号
入力端子S1およびS2と、第1および第2のリファレ
ンス入力端子R1およびR2とを備えており、第1の信
号入力端子S1には前段の複合差動増幅器61cの正相
出力が与えられ、第2の信号入力端子S2には前段の複
合差動増幅器61cの逆相出力が与えられ、第1のリフ
ァレンス入力端子R1には前段の差動増幅器64cの正
相出力が与えられ、第2のリファレンス入力端子R2に
は前段の差動増幅器64cの逆相出力が与えられる。
【0115】ここで、複合差動増幅器61a〜61cお
よび65は、互いに同一の回路構成、例えば図5に示す
ような回路構成を有している。また、第1のピーク検出
回路62a〜62cおよび第2のピーク検出回路63a
〜63cは、互いに同一の回路構成、例えば図3に示す
ような回路構成を有している。また、差動増幅器64a
〜64cは、互いに同一の回路構成、例えば図4に示す
ような回路構成を有している。従って、以下には、複合
差動増幅器61a〜61cおよび65は、図5に示すよ
うな回路構成を、第1のピーク検出回路62a〜62c
および第2のピーク検出回路63a〜63cは、図3に
示すような回路構成を、差動増幅器64a〜64cは、
図4に示すような回路構成を、それぞれ有するものとし
て説明を行う。
【0116】なお、図7に示した各回路における素子定
数の設定については、図3〜図5を参照して説明した第
1の実施形態の対応するものと同様であって良い。さら
に、図4における抵抗411および412の抵抗値は、
図5における抵抗521および522と同一の抵抗値に
設定される。ここでは、この抵抗値をR3とおく。ま
た、電流源44の設定電流値は、電流源53に設定され
る電流値と電流源54に設定される電流値とを合計した
電流値に設定される。電流源44の設定電流値をI44
おくと、電流源53および54の設定電流値は、0.5
*I44となる。
【0117】図5の回路構成を有する複合差動増幅器6
1aにおいて、差動入力が無入力時には、第1および第
2の信号入力端子S1およびS2の電圧VS1およびVS2
と、第1および第2のリファレンス入力端子R1および
R2の電圧VR1およびVR2との間に、 VS1=VR1S2=VR2 の関係が成り立つため、電流源53に流れる電流は、ト
ランジスタ501および502に等しく分流され、電流
源54に流れる電流は、トランジスタ511および51
2に等しく分流される。そのため、抵抗521および5
22には、それぞれ0.5*I44の電流が流れることに
なる。抵抗521および522のそれぞれの抵抗値をR
3とし、トランジスタ551および552のそれぞれの
ゲートソース間電圧をVgs3 とおき、電源電圧をVcc
とした場合、複合差動増幅器61aの無入力時における
正相出力および逆相出力の電圧レベルVOS61は、次式
(14)により表される。 VOS61=Vcc−(0.5*I44*R3)−Vgs3 …(14)
【0118】次に、図4の回路構成を有する差動増幅器
64aの無入力時の出力電圧VOS64について説明する。
差動入力が無入力であるため、電流源44に流れる電流
は、抵抗411および412に等しく分流される。この
ため、抵抗411および412の抵抗値をR3とし、ト
ランジスタ431および432のゲートソース間電圧を
gs4 とおいた場合、差動増幅器64aの無入力時の出
力電圧VOS64は、次式(15)で示される。 VOS64=Vcc−(0.5*I44*R3)−Vgs4 …(15)
【0119】電流源451,452,561および56
2の設定電流値を相互に同一とし、トランジスタ43
1,432,551および552のゲート長およびゲー
ト幅のサイズを相互に同一とすることで、Vgs3 とV
gs4 とを同一にすることができる。このとき、VOS61
よびVOS64は、互いに同じ値になる。
【0120】複合差動増幅器61aおよび差動増幅器6
4aの無入力時の出力レベルを同一に設定し、かつ差動
増幅器64aの差動入力に対する正相出力および逆相出
力それぞれの比率としての増幅率を0.5に設定するた
め、第1の実施形態の場合と同様に、差動増幅器64a
の正相出力は、複合差動増幅器61aの正相出力におけ
る平均値レベルと同一となり、差動増幅器64aの逆相
出力は、複合差動増幅器61aの逆相出力における平均
値レベルと同一となる。すなわち、これら第1および第
2のピーク検出部62aおよび63aと、差動増幅器6
4aとで、複合差動増幅器61aの正相出力の中間値お
よび逆相出力の中間値を生成する中間値生成部を構成し
ている。その結果、次段の複合差動増幅器61bにより
信号の増幅が正確に行われることになる。
【0121】以上の動作が第2段の基本増幅部60bと
第3段の基本増幅部60cとの間、および第3段の基本
増幅部60cと複合差動増幅器65との間でも行われ
る。
【0122】ただし、以上説明した動作は誤差のない理
想的な場合を想定しており、実際の回路においては、誤
差が必ず生じ、その生じた誤差による影響を考慮する必
要がある。
【0123】初段の基本増幅部60aにおける信号入力
の平均値に対するリファレンス電圧の電圧レベル差であ
る入力オフセット電圧をΔVとし、複合差動増幅器61
aの増幅率をA、差動増幅器64aの増幅率の0.5か
らのずれをA’とした場合、次段の基本増幅部60bの
複合差動増幅器61bへの入力における信号入力の平均
電圧レベルに対するリファレンス入力電圧のレベル差
は、 2*A*A’*ΔV となる。
【0124】入力信号の振幅をVとおいた場合、複合差
動増幅器61bの出力においては、その振幅がA*Vと
なるため、出力対入力の比率αは、 α=2*A*A’*ΔV/A*V =2*A’*ΔV/V となる。この比率αは、一段あたりの誤差量を示してい
る。
【0125】基本増幅部の接続段数がNである場合、各
段の入力においてΔVだけのオフセットが加わるという
前提において、N段接続時の比率αnは、 αn={(2*A’)2 +(1/A)2n/2 *ΔV/
V となる。
【0126】すなわち、差動増幅器64a,64b,6
4cにおける増幅率の0.5からのずれA’を十分に小
さくすることで、N段後のオフセット電圧を十分に小さ
くでき、正確な増幅が可能となることが判る。
【0127】(第3の実施形態)図8は、本発明の第3
の実施形態に係る光受信器の構成を示すブロック図であ
る。図8において、本実施形態の光受信器は、第1の実
施形態で述べた増幅回路(図1参照)と同様の回路構成
を有する増幅回路70を用いて構成されている。本実施
形態の光受信器は、さらに光電変換素子71と、前置増
幅器72と、平均値出力部73と、コンパレータ78と
を備えている。
【0128】光電変換素子71は、入力される光信号を
電流信号に変換する。前置増幅器72は、光電変換素子
71から出力される電流信号を電圧信号に変換する。平
均値出力部73は、前置増幅器72の出力信号の振幅の
ほぼ中心の電圧レベルを出力する。
【0129】増幅回路70は、図1に示す増幅回路と同
様の構成であり、第1の差動増幅器11と、第1のピー
ク値検出部12と、第2のピーク値検出部13と、第2
の差動増幅器14と、複合差動増幅器15とを備えてい
る。
【0130】第1の差動増幅器11は、信号入力端子S
に前置増幅器72の出力を受け、リファレンス入力端子
Rに平均値出力部73の出力を受ける。第1の差動増幅
器11の回路構成は、図2に示されている。第1および
第2のピーク検出部12および13は、互いに同一の回
路構成を有しており、当該回路構成は、図3に示されて
いる。第2の差動増幅器14は、図1に示すものと同様
に、その増幅率が0.5に設定され、差動入力が無入力
時の出力電圧レベルが、第1の差動増幅器の無入力時の
出力電圧レベルと同一に設定される。第2の差動増幅器
14の回路構成は、図4に示されている。複合差動増幅
器15の回路構成は、図5に示されている。
【0131】コンパレータ78は、信号入力端子Sに複
合差動増幅器15の正相出力を受け、リファレンス入力
端子Rに複合差動増幅器15の逆相出力を受ける。
【0132】図9は、図8に示す平均値出力部73のよ
り詳細な構成を示す回路図である。図9において、前置
増幅器72の出力は、入力信号の最大値を検出して保持
する最大値検出部81と、入力信号の最小値を検出して
保持する最小値検出部82とに入力される。最大値検出
部81の出力と、最小値検出部82の出力は、抵抗83
1および832によって構成される抵抗分割回路によっ
て抵抗分割された後に出力される。ここで、抵抗831
および832は、互いに同一の抵抗値が設定される。従
って、これら抵抗831および832で構成される抵抗
分割回路からは、最大値検出部81の出力と最小値検出
部82の出力との中間値が出力されることとなる。
【0133】図10は、図8に示す光受信器の各部の信
号の波形を示している。
【0134】図10(a)において、波形1101は光
電変換素子71に入力される光信号の波形を示してい
る。
【0135】図10(b)において、波形1102は前
置増幅器72により変換された電圧信号の波形を、波形
1103は平均値出力部73の出力信号の波形を、それ
ぞれ示している。前置増幅器72の出力は、微少振幅の
信号を出力する場合があり、その場合には、最大値検出
部81および最小値検出部82により誤差が相対的に大
きく出る場合がある。この図では、誤差が大きく発生
し、実際の平均値から大きくずれている場合を示してい
る。
【0136】図10(c)において、波形1104は第
1の差動増幅器11の正相出力の信号波形を、波形11
05は第1の差動増幅器11の逆相出力の信号波形を、
それぞれ示している。また、図10(c)において、波
形1106は第2の差動増幅器76の正相出力の信号波
形を、波形1107は第2の差動増幅器76の逆相出力
の信号波形を、それぞれ示している。第1の実施形態に
おいて説明した通り、第2の差動増幅器14の正相出力
1106は、第1の差動増幅器11の正相出力1104
の中心値に設定される。また、第2の差動増幅器14の
逆相出力1107は、第1の差動増幅器11の逆相出力
1105の中心値に設定される。
【0137】図10(d)において、波形1108は複
合差動増幅器15の正相出力の信号波形を、波形110
9は複合差動増幅器15の逆相出力の信号波形を、それ
ぞれ示している。
【0138】信号波形1108および1109は、第1
の実施形態で説明したように、それぞれの平均値レベル
が互いに一致する波形となり、両信号をそれぞれコンパ
レータ78の信号入力およびリファレンス入力とするこ
とで、コンパレータ78からは、図10(e)に波形1
110として示すように、受信した光信号に正確に対応
するパルス信号が出力される。すなわち、コンパレータ
78は、リファレンス入力をしきい値として信号入力を
弁別することにより、当該信号入力を波形1110で示
すようなディジタル波形に整形する。
【0139】たとえ平均値出力部73からの出力信号が
前置増幅器72からの出力信号に対してオフセットを持
っていた場合であっても、上述したように、正確に信号
の再生が行えることが判る。
【0140】(第4の実施形態)図11は、本発明の第
4の実施形態に係る光受信器の構成を示すブロック図で
ある。図11において、本実施形態の光受信器は、第1
の実施形態で述べた増幅回路(図1参照)と同様の回路
構成を有する増幅回路70を用いて構成されている。本
実施形態の光受信器は、さらに光電変換素子91と、前
置増幅器92と、コンパレータ97とを備えている。
【0141】光電変換素子91は、入力される光信号を
電流信号に変換する。前置増幅器92は、差動入/出力
機能を有しており、光電変換素子91から出力される電
流信号を電圧信号に変換する。
【0142】増幅回路70の構成については、前述して
いるため、その説明を省略する。なお、第1の差動増幅
器11は、信号入力端子Sに前置増幅器92の正相出力
を受け、リファレンス入力端子Rに前置増幅器92の逆
相出力を受ける。
【0143】コンパレータ97は、信号入力端子Sに複
合差動増幅器15の正相出力を受け、リファレンス入力
端子Rに複合差動増幅器15の逆相出力を受ける。
【0144】図12は、図10に示す光受信器の各部の
信号の波形を示している。
【0145】図12(a)において、波形1201は光
電変換素子91に入力される光信号の波形を示してい
る。
【0146】図12(b)において、波形1202は前
置増幅器92の正相出力の電圧信号波形を、波形120
3は前置増幅器92の逆相出力の電圧信号波形を、それ
ぞれ示している。本来、光信号が無入力時には、前置増
幅器92の正相出力と逆相出力は、互いの出力レベルが
同一になるが、受信する光信号の消光比が劣化している
場合や、差動入力におけるオフセット電圧の存在等に起
因して、前置増幅器92の正相出力と逆相出力との間に
レベル差が生じる。
【0147】図12(c)において、波形1204は第
1の差動増幅器11の正相出力の信号波形を、波形12
05は第1の差動増幅器11の逆相出力の信号波形を、
それぞれ示している。また、図12(c)において、波
形1206は第2の差動増幅器14の正相出力の信号波
形を、波形1207は第2の差動増幅器14の逆相出力
の信号波形を、それぞれ示している。第1の実施形態に
おいて説明した通り、第2の差動増幅器14の正相出力
1206は、第1の差動増幅器11の正相出力1204
の中心値と一致する。また、第2の差動増幅器14の逆
相出力1207は、第1の差動増幅器11の逆相出力1
205の中心値と一致する。
【0148】図12(d)において、波形1209は複
合差動増幅器15の正相出力の信号波形を、波形120
8は複合差動増幅器15の逆相出力の信号波形を、それ
ぞれ示している。
【0149】信号波形1208および1209は、第1
の実施形態で説明したように、それぞれの平均値レベル
が互いに一致する波形となり、両信号をそれぞれコンパ
レータ97の信号入力およびリファレンス入力とするこ
とで、コンパレータ97からは、図12(e)に波形1
210として示すように、受信した光信号に正確に対応
するパルス信号が出力される。すなわち、コンパレータ
97は、リファレンス入力をしきい値として信号入力を
弁別することにより、当該信号入力を波形1210で示
すようなディジタル波形に整形する。
【0150】以上説明した上記第1〜第4の実施形態に
おいて、単極性信号が両極性信号に変換されていく過程
を以下に説明する。なお、ここでは、図13の波形図を
参照して、図1に示す増幅回路で単極性信号が両極性信
号に変換されていく過程を、代表的に説明するが、かか
る変換過程は、他の実施形態でも同様である。
【0151】図13(a)において、波形1301は第
1の差動増幅器11の信号入力端子Sに入力される信号
波形であり、波形1302は第1の差動増幅器11のリ
ファレンス入力端子Rに入力される信号波形である。信
号波形1301はバースト信号の先頭を示しており、時
間t1までの信号の無い「0」に相当する状態に引き続
き、時間t1以降では「1」「0」交番信号が発生して
いる。この波形1301は、信号の無い「0」値を示す
値を基準にして、「1」値を示す値の場合に電圧の下が
る方向に信号振幅が発生する単極性信号形態である。リ
ファレンスレベル1302に対し、「0」値に相当する
レベルはΔV1 であり、「0」値と「1」値とのレベル
差はV1 とする。
【0152】図13(b)において、波形1311は第
1の差動増幅器11の正相出力信号を、波形1312は
第1の差動増幅器11の逆相出力信号を、波形1313
は第1のピーク検出部12の出力信号を、波形1314
は第2のピーク検出部13の出力信号を、それぞれ示し
てる。また、波形1315は第2の差動増幅器14の正
相出力信号を、波形1316は第2の差動増幅器14の
逆相出力信号を、それぞれ示している。さらに、波形1
317は第1の差動増幅器11および第2の差動増幅器
14の無入力時のオフセット電圧値を示している。
【0153】図13(c)において、波形1321は複
合差動増幅器15の正相出力信号を、波形1322は複
合差動増幅器15の逆相出力信号を、それぞれ示してい
る。また、波形1323は複合差動増幅器15の無入力
時におけるオフセット電圧値を示している。また、差動
増幅器11のゲインをA1 とし、差動増幅器15のゲイ
ンをA2 とする。
【0154】時間t1以前では、第1の差動増幅器の正
相出力1311と第1のピーク検出部12の出力131
3とは一致し、また第1の差動増幅器の逆相出力131
2と第2のピーク検出部13の出力1314とは一致す
る。第2の差動増幅器14において、正相出力および逆
相出力それぞれのゲインは0.5に設定されており、オ
フセット電圧値1317をVOS11とすると、第2の差動
増幅器14の正相出力Vout14 および逆相出力/V
out14 は、それぞれ、次式(16)および(17)で示
される。ここで、第1のピーク検出部12の出力をV
max12 とし、第2のピーク検出部13の出力をVmax13
とする。 Vout14 =VOS11+0.5*(Vmax12 −Vmax13 ) =VOS11+0.5*{VOS11+A1 *ΔV1 −(VOS11−A1 *ΔV1 )} =VOS11+A1 *ΔV1 …(16) /Vout14 =VOS11−0.5*(Vmax12−Vmax13) =VOS11−0.5*{VOS11+A1 *ΔV1 −(VOS11−A1 *ΔV1 )} =VOS11−A1 *ΔV1 …(17)
【0155】すなわち、第2の差動増幅器14の正相出
力1315は、第1の差動増幅器の正相出力1311と
一致する。また第2の差動増幅器14の逆相出力131
6は、第1の差動増幅器の逆相出力1312と一致す
る。このため、複合差動増幅器15の正相出力1321
と逆相出力1322とは、無入力時のオフセット電圧で
ある波形1323で示す電圧値に等しくなる。
【0156】次に、時間t1以降では、第1のピーク検
出部12の出力1313は変化が無いが、第2のピーク
検出部13の出力1314は、第1の差動増幅器11の
逆相出力1312に応じて、ピーク値 {VOS11−A1 *(ΔV1 −V1 )} を検出して保持することになる。この新たに検出保持し
たピーク値により、第2の差動増幅器14では、次式
(18)および(19)で示すように、正相出力V
out14 および逆相出力/Vout14 が決定される。 Vout14 =VOS11+0.5*(Vmax12 −Vmax13 ) =VOS11+0.5*[VOS11+A1 *ΔV1 −{VOS11−A1 *(ΔV1 −V1 )}] =VOS11+A1 *ΔV1 −0.5*A1 *V1 …(18) /Vout14 =VOS11−0.5*(Vmax12−Vmax13) =VOS11−0.5*[VOS11+A1 *ΔV1 −{VOS11−A1 *(ΔV1 −V1 )}] =VOS11−A1 *ΔV1 +0.5*A1 *V1 …(19)
【0157】上式(18)および(19)から判るよう
に、第2の差動増幅器14の正相出力1315および逆
相出力1316は、時間t1以降にバースト信号が入力
されると、それぞれ、第1の差動増幅器11の正相出力
1311および逆相出力1312の中間値に設定され
る。このため、複合差動増幅器15においては、無入力
時のレベル1323を中心として、「1」値と「0」値
とが、電圧の低い側と高い側とに同じ振幅で出力される
両極性信号波形に変換されることになる。
【0158】ここで、第3および第4の実施形態では、
複合差動増幅器15から出力される両極性信号の両相
(すなわち、正相出力および逆相出力)を、それぞれコ
ンパレータの信号入力およびリファレンス入力として与
えてパルス再生を行うようにしている。このような構成
によると、リファレンス信号を新たに生成する手段が不
要になり回路規模を小さくすることができる。また、両
相出力それぞれに重畳するコモンモード雑音成分が除去
可能となること、および、増幅器で発生し両相信号それ
ぞれに独立に重畳する雑音成分の影響を軽減することが
できることによって、雑音に対する耐性を向上すること
ができる。
【0159】(第5の実施形態)図14は、本発明の第
5の実施形態に係る増幅回路の構成を示すブロック図で
ある。前述した第1,第3および第4の実施形態では、
第1の差動増幅器11の正相出力および逆相出力の中間
値を得るために、第1のピーク検出部12,第2のピー
ク検出部13および第2の差動増幅器14を用いるよう
にしている。これに対し、第5の実施形態では、第1の
差動増幅器11の正相出力および逆相出力を、個別にロ
ーパスフィルタ1411および1412でフィルタリン
グすることで、それぞれの中間値を取り出すようにして
いる。
【0160】同様に、第2の実施形態では、複合差動増
幅器61a(または、61b、61c)の正相出力およ
び逆相出力の中間値を得るために、第1のピーク検出部
62a(または、62b、62c),第2のピーク検出
部63a(または、63b、63c)および差動増幅器
64a(または、64b、64c)を用いるようにして
いるが、このような構成に代えて、複合差動増幅器61
a(または、61b、61c)の正相出力および逆相出
力を個別にローパスフィルタでフィルタリングすること
で、それぞれの中間値を取り出すようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る増幅回路の構成
を示すブロック図である。
【図2】図1における第1の差動増幅器11のより詳細
な構成の一例を示す回路図である。
【図3】図1における第1のピーク検出部12のより詳
細な構成の一例を示す回路図である。
【図4】図1における第2の差動増幅器14のより詳細
な構成の一例を示す回路図である。
【図5】図1における複合差動増幅器15のより詳細な
構成の一例を示す回路図である。
【図6】図1に示す増幅回路の各部の信号の波形を示す
波形図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る増幅回路の構成
を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る光受信器の構成
を示すブロック図である。
【図9】図8に示す平均値出力部73のより詳細な構成
を示す回路図である。
【図10】図8に示す光受信器の各部の信号の波形を示
す波形図である。
【図11】本発明の第4の実施形態に係る光受信器の構
成を示すブロック図である。
【図12】図10に示す光受信器の各部の信号の波形を
示す波形図である。
【図13】図1に示す増幅回路で単極性信号が両極性信
号に変換されていく過程を示す波形図である。
【図14】本発明の第5の実施形態に係る増幅回路の構
成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11…第1の差動増幅器 12…第1のピーク検出部 13…第2のピーク検出部 14…第2の差動増幅器 15…複合差動増幅器 60a〜60c…基本増幅部 61a〜61cおよび65…複合差動増幅器 62a〜62c…第1のピーク検出回路 63a〜63c…第2のピーク検出回路 64a〜64c…差動増幅器 70…増幅回路 71…光電変換素子 72…前置増幅器 73…平均値出力部 78…コンパレータ 81…最大値検出部 82…最小値検出部 91…光電変換素子 92…前置増幅器 97…コンパレータ 1411および1412…ローパスフィルタ

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単極性の入力信号を両極性の信号に変換
    し、かつ増幅する増幅回路であって、 前記単極性の入力信号を増幅し、増幅結果を正相出力お
    よび逆相出力の形態で差動出力する第1の増幅器と、 前記第1の増幅器の正相出力の中間値および逆相出力の
    中間値を生成し、それぞれ第1および第2の中間値とし
    て出力する中間値生成部と、 第1の入力信号(VS1)および第1の参照信号(VR1
    の差成分(VS1−VR1)と、第2の入力信号(VS2)お
    よび第2の参照信号(VR2)の差成分(VS2−VR2)と
    の差成分{(VS1−VR1)−(VS2−VR2)}を増幅す
    る機能を有し、第1の入力信号には前記第1の増幅器の
    正相出力が割り当てられ、第1の参照信号には前記第1
    の中間値が割り当てられ、第2の入力信号には前記第1
    の増幅器の逆相出力が割り当てられ、第2の参照信号に
    は前記第2の中間値が割り当てられる第2の増幅器とを
    備える、増幅回路。
  2. 【請求項2】 前記中間値生成部は、 前記第1の増幅器の正相出力のピーク値を検出して保持
    する第1のピーク検出器と、 前記第1の増幅器の逆相出力のピーク値を検出して保持
    する第2のピーク検出器と、 前記第1のピーク検出器の出力と前記第2のピーク検出
    器の出力との差成分を増幅し、増幅結果を正相出力およ
    び逆相出力の形態で差動出力する第3の増幅器とを含
    み、 前記第3の差動増幅器の正相出力から前記第1の中間値
    が取り出され、逆相出力から前記第2の中間値が取り出
    されることを特徴とする、請求項第1に記載の増幅回
    路。
  3. 【請求項3】 前記第1の増幅器の無入力時における正
    相出力および逆相出力の出力値と、前記第3の増幅器の
    無入力時における正相出力および逆相出力の出力値と
    が、同一値に設定されることを特徴とする、請求項2に
    記載の増幅回路。
  4. 【請求項4】 前記第3の増幅器の差動入力に対する正
    相出力の比率としての増幅率と、前記第3の増幅器の差
    動入力に対する逆相出力の比率としての増幅率とが、そ
    れぞれ0.5付近に設定されていることを特徴とする、
    請求項3に記載の増幅回路。
  5. 【請求項5】 前記第1の増幅器は、少なくとも互いの
    ソースが共通接続された第1および第2のトランジスタ
    と、 前記第1および第2のトランジスタの共通接続されたソ
    ースに接続される第1の電流源と、 前記第1のトランジスタのドレインと電源線との間に介
    挿される第1の抵抗と、 前記第2のトランジスタのドレインと電源線との間に介
    挿される第2の抵抗とを含み、 前記第3の増幅器は、少なくとも第3および第4のトラ
    ンジスタと、 第2の電流源と、 前記第3のトランジスタのソースと前記第2の電流源と
    の間に介挿される第3の抵抗と、 前記第4のトランジスタのソースと前記第2の電流源と
    の間に介挿される第4の抵抗と、 前記第3のトランジスタのドレインと電源線との間に介
    挿される第5の抵抗と、 前記第4のトランジスタのドレインと電源線との間に介
    挿される第6の抵抗とを含み、 前記第1の抵抗の抵抗値と前記第1の電流源の設定電流
    値との積をP1とおき、前記第2の抵抗の抵抗値と前記
    第1の電流源の設定電流値との積をP2とおき、前記第
    5の抵抗の抵抗値と前記第2の電流源の設定電流値との
    積をP3とおき、前記第6の抵抗の抵抗値と前記第2の
    電流源の設定電流値との積をP4とおいた場合、 P1=P2=P3=P4 の関係が成立するように、前記第1,第2,第5および
    第6の抵抗の抵抗値と、前記第1および第2の電流源の
    設定電流値とが選ばれていることを特徴とする、請求項
    4に記載の増幅回路。
  6. 【請求項6】 前記第1,第2,第5および第6の抵抗
    の抵抗値が互いに等しい値に選ばれ、 前記第3および第4の抵抗の抵抗値が互いに等しい値に
    選ばれ、 前記第1の電流源の設定電流値と前記第2の電流源の設
    定電流値とが等しい値に選ばれることを特徴とする、請
    求項5に記載の増幅回路。
  7. 【請求項7】 前記第1および第2のピーク検出器は、
    互いに同一の回路構成を有している、請求項2に記載の
    増幅回路。
  8. 【請求項8】 前記中間値生成部は、 前記第1の増幅器の正相出力の低域成分のみを通過させ
    る第1のローパスフィルタと、 前記第1の増幅器の逆相出力の低域成分のみを通過させ
    る第2のローパスフィルタとを含む、請求項1に記載の
    増幅回路。
  9. 【請求項9】 前記第1の増幅器は、前記単極性の入力
    信号を信号入力として受け、当該入力信号の直流レベル
    に対して仮設定された固定電圧を参照入力として受け、
    当該固定電圧に基づいて当該入力信号を差動増幅する差
    動増幅器を含む、請求項1に記載の増幅回路。
  10. 【請求項10】 単極性の入力信号を両極性の信号に変
    換し、かつ増幅する増幅回路であって、 多段縦続接続される複数の基本増幅部と、 最終段の基本増幅部のさらに後段に接続され、第1の入
    力信号(VS1)および第1の参照信号(VR1)の差成分
    (VS1−VR1)と、第2の入力信号(VS2)および第2
    の参照信号(VR2)の差成分(VS2−VR2)との差成分
    {(VS1−VR1)−(VS2−VR2)}を増幅する機能を
    有し、増幅結果を正相出力および逆相出力の形態で差動
    出力する第1の増幅器とを備え、 各前記基本増幅部は、 第1の入力信号(VS1)および第1の参照信号(VR1
    の差成分(VS1−V R1)と、第2の入力信号(VS2)お
    よび第2の参照信号(VR2)の差成分(VS2−VR2)と
    の差成分{(VS1−VR1)−(VS2−VR2)}を増幅す
    る機能を有し、増幅結果を正相出力および逆相出力の形
    態で差動出力する第2の増幅器と、 前記第1の増幅器の正相出力の中間値および逆相出力の
    中間値を生成し、それぞれ第1および第2の中間値とし
    て出力する中間値生成部とを含み、 初段の基本増幅部における前記第2の増幅器は、前記単
    極性の入力信号を差動増幅し、 2段目以降の基本増幅部における前記第2の増幅器は、 前段の基本増幅部における第2の増幅器の正相出力およ
    び逆相出力を、それぞれ前記第1および第2の入力信号
    として受け、 前段の基本増幅部における前記中間値生成部から出力さ
    れる前記第1および第2の中間値を、それぞれ前記第1
    および第2の参照信号として受け、 前記第1の増幅器は、 最終段の基本増幅部における第2の増幅器の正相出力お
    よび逆相出力を、それぞれ前記第1および第2の入力信
    号として受け、 最終段の基本増幅部における前記中間値生成部から出力
    される前記第1および第2の中間値を、それぞれ前記第
    1および第2の参照信号として受けることを特徴とす
    る、増幅回路。
  11. 【請求項11】 各前記基本増幅部に設けられる前記中
    間値生成部は、 前記第2の増幅器の正相出力のピーク値を検出して保持
    する第1のピーク検出器と、 前記第2の増幅器の逆相出力のピーク値を検出して保持
    する第2のピーク検出器と、 前記第1のピーク検出器の出力と前記第2のピーク検出
    器の出力との差成分を増幅し、増幅結果を正相出力およ
    び逆相出力の形態で差動出力する第3の増幅器とを含
    み、 前記第3の差動増幅器の正相出力から前記第1の中間値
    が取り出され、逆相出力から前記第2の中間値が取り出
    されることを特徴とする、請求項第10に記載の増幅回
    路。
  12. 【請求項12】 前記第2の増幅器の無入力時における
    正相出力および逆相出力の出力値と、前記第3の増幅器
    の無入力時における正相出力および逆相出力の出力値と
    が、同一値に設定されることを特徴とする、請求項11
    に記載の増幅回路。
  13. 【請求項13】 前記第3の増幅器の差動入力に対する
    正相出力の比率としての増幅率と、前記第3の増幅器の
    差動入力に対する逆相出力の比率としての増幅率とが、
    それぞれ0.5付近に設定されていることを特徴とす
    る、請求項12に記載の増幅回路。
  14. 【請求項14】 前記第1および第2のピーク検出器
    は、互いに同一の回路構成を有している、請求項11に
    記載の増幅回路。
  15. 【請求項15】 各前記基本増幅部に設けられる前記中
    間値生成部は、 前記第1の増幅器の正相出力の低域成分のみを通過させ
    る第1のローパスフィルタと、 前記第1の増幅器の逆相出力の低域成分のみを通過させ
    る第2のローパスフィルタとを含む、請求項10に記載
    の増幅回路。
  16. 【請求項16】 光信号を電気信号に変換し、かつ増幅
    する光受信器であって、 前記光信号を電流信号に変換する光電変換素子と、 前記光電変換素子の出力信号を電圧信号に変換する前置
    増幅器と、 前記前置増幅器の出力信号の平均値を出力する平均値出
    力部と、 前記前置増幅器の出力と前記平均値出力部の出力との差
    成分を増幅し、増幅結果を正相出力および逆相出力の形
    態で差動出力する第1の増幅器と、 前記第1の増幅器の正相出力の中間値および逆相出力の
    中間値を生成し、それぞれ第1および第2の中間値とし
    て出力する中間値生成部と、 第1の入力信号(VS1)および第1の参照信号(VR1
    の差成分(VS1−VR1)と、第2の入力信号(VS2)お
    よび第2の参照信号(VR2)の差成分(VS2−VR2)と
    の差成分{(VS1−VR1)−(VS2−VR2)}を増幅す
    る機能を有し、第1の入力信号には前記差動増幅器の正
    相出力が割り当てられ、第1の参照信号には前記第1の
    中間値が割り当てられ、第2の入力信号には前記差動増
    幅器の逆相出力が割り当てられ、第2の参照信号には前
    記第2の中間値が割り当てられる第2の増幅器とを備え
    る、光受信器。
  17. 【請求項17】 前記中間値生成部は、 前記第1の増幅器の正相出力のピーク値を検出して保持
    する第1のピーク検出器と、 前記第1の増幅器の逆相出力のピーク値を検出して保持
    する第2のピーク検出器と、 前記第1のピーク検出器の出力と前記第2のピーク検出
    器の出力との差成分を増幅し、増幅結果を正相出力およ
    び逆相出力の形態で差動出力する第3の増幅器とを含
    み、 前記第3の差動増幅器の正相出力から前記第1の中間値
    が取り出され、逆相出力から前記第2の中間値が取り出
    されることを特徴とする、請求項第16に記載の光受信
    器。
  18. 【請求項18】 前記第1の増幅器の無入力時における
    正相出力および逆相出力の出力値と、前記第3の増幅器
    の無入力時における正相出力および逆相出力の出力値と
    が、同一値に設定されることを特徴とする、請求項17
    に記載の光受信器。
  19. 【請求項19】 前記第3の増幅器の差動入力に対する
    正相出力の比率としての増幅率と、前記第3の増幅器の
    差動入力に対する逆相出力の比率としての増幅率とが、
    それぞれ0.5付近に設定されていることを特徴とす
    る、請求項18に記載の光受信器。
  20. 【請求項20】 前記第1の増幅器は、少なくとも 互いのソースが共通接続された第1および第2のトラン
    ジスタと、 前記第1および第2のトランジスタの共通接続されたソ
    ースに接続される第1の電流源と、 前記第1のトランジスタのドレインと電源線との間に介
    挿される第1の抵抗と、 前記第2のトランジスタのドレインと電源線との間に介
    挿される第2の抵抗とを含み、 前記第3の増幅器は、少なくとも 第3および第4のトランジスタと、 第2の電流源と、 前記第3のトランジスタのソースと前記第2の電流源と
    の間に介挿される第3の抵抗と、 前記第4のトランジスタのソースと前記第2の電流源と
    の間に介挿される第4の抵抗と、 前記第3のトランジスタのドレインと電源線との間に介
    挿される第5の抵抗と、 前記第4のトランジスタのドレインと電源線との間に介
    挿される第6の抵抗とを含み、 前記第1の抵抗の抵抗値と前記第1の電流源の設定電流
    値との積をP1とおき、前記第2の抵抗の抵抗値と前記
    第1の電流源の設定電流値との積をP2とおき、前記第
    5の抵抗の抵抗値と前記第2の電流源の設定電流値との
    積をP3とおき、前記第6の抵抗の抵抗値と前記第2の
    電流源の設定電流値との積をP4とおいた場合、 P1=P2=P3=P4 の関係が成立するように、前記第1,第2,第5および
    第6の抵抗の抵抗値と、前記第1および第2の電流源の
    設定電流値とが選ばれていることを特徴とする、請求項
    19に記載の光受信器。
  21. 【請求項21】 前記第1,第2,第5および第6の抵
    抗の抵抗値が互いに等しい値に選ばれ、 前記第3および第4の抵抗の抵抗値が互いに等しい値に
    選ばれ、 前記第1の電流源の設定電流値と前記第2の電流源の設
    定電流値とが等しい値に選ばれることを特徴とする、請
    求項20に記載の光受信器。
  22. 【請求項22】 前記第1および第2のピーク検出器
    は、互いに同一の回路構成を有している、請求項17に
    記載の光受信器。
  23. 【請求項23】 前記中間値生成部は、 前記第1の増幅器の正相出力の低域成分のみを通過させ
    る第1のローパスフィルタと、 前記第1の増幅器の逆相出力の低域成分のみを通過させ
    る第2のローパスフィルタとを含む、請求項16に記載
    の光受信器。
  24. 【請求項24】 前記第2の増幅器は、増幅結果を正相
    出力および逆相出力の形態で差動出力し、 前記第2の増幅器の正相出力および逆相出力のいずれか
    一方をしきい値としていずれか他方を弁別することによ
    り、第2の増幅器の増幅結果をディジタル波形に成型す
    るコンパレータをさらに備える、請求項16に記載の光
    受信器。
  25. 【請求項25】 光信号を電気信号に変換し、かつ増幅
    する光受信器であって、 前記光信号を電流信号に変換する光電変換素子と、 前記光電変換素子の出力信号を正相出力と逆相出力の差
    動電圧信号として取り出す前置増幅器と、 前記前置増幅器の正相出力および逆相出力の差成分を増
    幅し、増幅結果を正相出力および逆相出力の形態で差動
    出力する第1の増幅器と、 前記第1の増幅器の正相出力の中間値および逆相出力の
    中間値を生成し、それぞれ第1および第2の中間値とし
    て出力する中間値生成部と、 第1の入力信号(VS1)および第1の参照信号(VR1
    の差成分(VS1−VR1)と、第2の入力信号(VS2)お
    よび第2の参照信号(VR2)の差成分(VS2−VR2)と
    の差成分{(VS1−VR1)−(VS2−VR2)}を増幅す
    る機能を有し、第1の入力信号には前記差動増幅器の正
    相出力が割り当てられ、第1の参照信号には前記第1の
    中間値が割り当てられ、第2の入力信号には前記差動増
    幅器の逆相出力が割り当てられ、第2の参照信号には前
    記第2の中間値が割り当てられる第2の増幅器とを備え
    る、光受信器。
  26. 【請求項26】 前記中間値生成部は、 前記第1の増幅器の正相出力のピーク値を検出して保持
    する第1のピーク検出器と、 前記第1の増幅器の逆相出力のピーク値を検出して保持
    する第2のピーク検出器と、 前記第1のピーク検出器の出力と前記第2のピーク検出
    器の出力との差成分を増幅し、増幅結果を正相出力およ
    び逆相出力の形態で差動出力する第3の増幅器とを含
    み、 前記第3の差動増幅器の正相出力から前記第1の中間値
    が取り出され、逆相出力から前記第2の中間値が取り出
    されることを特徴とする、請求項第25に記載の光受信
    器。
  27. 【請求項27】 前記第1の増幅器の無入力時における
    正相出力および逆相出力の出力値と、前記第3の増幅器
    の無入力時における正相出力および逆相出力の出力値と
    が、同一値に設定されることを特徴とする、請求項26
    に記載の光受信器。
  28. 【請求項28】 前記第3の増幅器の差動入力に対する
    正相出力の比率としての増幅率と、前記第3の増幅器の
    差動入力に対する逆相出力の比率としての増幅率とが、
    それぞれ0.5付近に設定されていることを特徴とす
    る、請求項27に記載の光受信器。
  29. 【請求項29】 前記第1の増幅器は、少なくとも 互いのソースが共通接続された第1および第2のトラン
    ジスタと、 前記第1および第2のトランジスタの共通接続されたソ
    ースに接続される第1の電流源と、 前記第1のトランジスタのドレインと電源線との間に介
    挿される第1の抵抗と、 前記第2のトランジスタのドレインと電源線との間に介
    挿される第2の抵抗とを含み、 前記第3の増幅器は、少なくとも第3および第4のトラ
    ンジスタと、 第2の電流源と、 前記第3のトランジスタのソースと前記第2の電流源と
    の間に介挿される第3の抵抗と、 前記第4のトランジスタのソースと前記第2の電流源と
    の間に介挿される第4の抵抗と、 前記第3のトランジスタのドレインと電源線との間に介
    挿される第5の抵抗と、 前記第4のトランジスタのドレインと電源線との間に介
    挿される第6の抵抗とを含み、 前記第1の抵抗の抵抗値と前記第1の電流源の設定電流
    値との積をP1とおき、前記第2の抵抗の抵抗値と前記
    第1の電流源の設定電流値との積をP2とおき、前記第
    5の抵抗の抵抗値と前記第2の電流源の設定電流値との
    積をP3とおき、前記第6の抵抗の抵抗値と前記第2の
    電流源の設定電流値との積をP4とおいた場合、 P1=P2=P3=P4 の関係が成立するように、前記第1,第2,第5および
    第6の抵抗の抵抗値と、前記第1および第2の電流源の
    設定電流値とが選ばれていることを特徴とする、請求項
    28に記載の光受信器。
  30. 【請求項30】 前記第1,第2,第5および第6の抵
    抗の抵抗値が互いに等しい値に選ばれ、 前記第3および第4の抵抗の抵抗値が互いに等しい値に
    選ばれ、 前記第1の電流源の設定電流値と前記第2の電流源の設
    定電流値とが等しい値に選ばれることを特徴とする、請
    求項29に記載の光受信器。
  31. 【請求項31】 前記第1および第2のピーク検出器
    は、互いに同一の回路構成を有している、請求項26に
    記載の光受信器。
  32. 【請求項32】 前記中間値生成部は、 前記第1の増幅器の正相出力の低域成分のみを通過させ
    る第1のローパスフィルタと、 前記第1の増幅器の逆相出力の低域成分のみを通過させ
    る第2のローパスフィルタとを含む、請求項25に記載
    の光受信器。
  33. 【請求項33】 前記第2の増幅器は、増幅結果を正相
    出力および逆相出力の形態で差動出力し、 前記第2の増幅器の正相出力および逆相出力のいずれか
    一方をしきい値としていずれか他方を弁別することによ
    り、第2の増幅器の増幅結果をディジタル波形に成型す
    るコンパレータをさらに備える、請求項25に記載の光
    受信器。
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