JPH11330540A - スーパールミネッセントダイオード - Google Patents
スーパールミネッセントダイオードInfo
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- JPH11330540A JPH11330540A JP12784198A JP12784198A JPH11330540A JP H11330540 A JPH11330540 A JP H11330540A JP 12784198 A JP12784198 A JP 12784198A JP 12784198 A JP12784198 A JP 12784198A JP H11330540 A JPH11330540 A JP H11330540A
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Abstract
イズを大きくして、接続される光ファイバとの光結合係
数を高く保つことができ、また、低コヒーレントな特性
が、余分な光干渉効果を抑圧し、光計測の分野、特に光
ファイバジャイロの光源として秀れたスーパールミネッ
セントダイオードを得る。 【解決手段】 レーザ発振を抑圧し、横基本モードで動
作し、かつ、光の出力端において光スポットを拡大する
ために、第1の導電型を有する半導体基板(1)上に、
第1の導電型を有する屈折率n3、n2及びn1の3つ
のクラッド層(2,3,4)を順次積層し、屈折率n4
の活性層(5)を挟んで、第2の導電型を有する屈折率
n1、n2及びn3の3つクラッド層(6,7,8)を
順次積層して、バンドギャップ及び屈折率の関係に一定
の条件を与えた。
Description
バジャイロをはじめとする各種光計測などに用いられ
る、発光部となる活性領域を含む半導体多層構造を有す
る半導体発光素子に関し、特に、活性領域からの光出力
を効率良く光ファイバに入射できるような可干渉性の低
い半導体発光素子(スーパールミネッセントダイオー
ド)に関する。
ッセントダイオード(SLD)などの半導体発光素子
は、光出力検出や素子温度制御を行ない、かつ、素子動
作信頼性を確保するためフォトダイオードやサーミスタ
などと一緒に筐体に組み込まれ、機密封止されたモジュ
ールとして製品化される。半導体発光素子の光出力は、
光ファイバにより取り出されるが、このモジュールを作
成する際、半導体発光素子の光出力が光ファイバに入射
する割合(光結合係数)を高く保つためには、半導体発
光素子の放射光ビーム断面の大きさ(スポットサイズ)
と光ファイバの導波光スポットサイズを一致させる他、
半導体発光素子の光軸と光ファイバの光軸の乖離の許容
量(トラレンス)として、サブミクロンのオーダが要求
される。
費やされモジュール作成工程のボトルネックとなってい
る。
下の二つの方法が主に採られてきた。
スポットサイズは、従来、サブミクロンのオーダである
が、これを、半導体発光素子内の構造を工夫することに
より、数ミクロンの大きさを有する光ファイバのスポッ
トサイズに近付ける方法と、(2) 半導体発光素子か
ら放射された光ビームをレンズを用いて変換し、等価的
に半導体発光素子と光ファイバのスポットサイズの整合
をとる方法である。
おける活性層の厚さや幅を光放射端面に近づくにつれ徐
々に減少させ、活性導波路の光閉じ込め係数を小さくす
る構造にして、スポットサイズを拡大する。
が複雑であるため、製造歩留まりが低いという問題があ
る。一方、(2)の方法では、半導体発光素子と光ファ
イバのほかにレンズの光軸調整が必要となりモジュール
製造工程が複雑となるほか部品数が増えるため、製造歩
留まりが低く、且つ、高コストとなるという問題があっ
た。
スペクトルを持ちながら、半導体レーザ(以下LDとい
う)並の狭い放射角と強度で光を放射することを特徴と
している。このSLDは、ファイバジャイロ用の光源と
して実用化されているほか、高分解能OTDR(Opt
ical Time Domain Reflecto
metry)やエンジン燃焼モニタなどの分野への応用
も検討されている。
る。図7はInGaAsP/InP系材料による従来の
SLDの例を示す図である。このSLDを得るために
は、1回目の成長として液相成長法(LPE)及び気相
成長法(VPE,MO−CVD)または分子線エピタキ
シー(MBE)法等により、n型InP基板31上にn
型InGaAsP光ガイド層(λ:1.3μm組成)3
2、ノンドープInGaAsP活性層(λ:1.5μm
組成)33,p型InPクラッド層34,p型InGa
AsP電極層(λ:1.1μm組成)35を成長する。
SiO2 もしくはSiN等の薄膜をp型InGaAsP
電極層35の全表面に形成する。その後フォトエッチン
グ技術により活性層を埋め込むために、電流注入領域3
9を直線状に<110>方向にそってストライプ状に幅
4〜5μm、長さ400μm、非電流注入領域40も同
様に、非電流注入領域40の長さが200μmとなるよ
うに電流注入領域39のストライプ幅と同じ幅で形成し
た後、このSiO2 ストライプ薄膜もしくはSiNスト
ライプ薄膜をマスクとして利用し、ブロムメタノール4
%溶液により35,34,33,32の各層を基板31
に達するまでエッチングして逆メサ状の積層体を形成す
る。次に、2回目の成長としてLPEにより、エッチン
グにより取り除いた部分にp型InP層36、及びn型
InP層37の電流狭窄用埋め込み成長を行う。
を蒸着してp型オーミック電極38をフォトエッチング
技術を用いて電流注入領域39にのみ形成する。この上
に再び、SiO2 もしくはSiN膜を形成し、フォトエ
ッチング技術により、非電流注入領域40の溝43の形
成のための窓開けを行なう。そしてこれをマスクとして
ブロムメタノール4%溶液によりウェハの各層をエッチ
ングして溝43を形成する。溝43の深さは上端より活
性層33の位置を越えるまで行う。また、溝43の壁の
角度は図7の(a)で活性層33を斜めに切断し、か
つ、深さ方向に対しても斜めに切断するように形成す
る。また、基板31側には全体の厚みが80μm程度に
なるまで研磨した後Au−Ge−Niを蒸着し、n型オ
ーミック電極42を全面に形成する。各層の構成は次の
通りであり、また、各結晶層はInPの格子定数に合致
している。
0μm、キャリア密度3×1018cm-3 32:n型InGaAsP光ガイド層、厚み0.2μ
m、Snドープ、キャリア密度3×1017cm-3 33:n型InGaAsP活性層、厚み0.2〜0.3
μm、ノンドープ 34:p型InPクラッド層、厚み1.5μm、Znド
ープ、キャリア密度5×1017cm-3 35:p型InGaAsP電極層、厚み0.7μm、Z
nドープ、キャリア密度5×1018cm-3 36:p型InP電流狭窄層、厚み1.5μm、Znド
ープ、キャリア密度1×1017cm-3 37:n型InP電流狭窄層、厚み1.5μm、Znド
ープ、キャリア密度1×1017cm−3 この工程を完了したウエハを長さ600μm、幅400
μmのチップ状の素子に分割して、AuSnはんだによ
りヒートシンク上にマウントした。この素子の光出力特
性は、25℃連続動作において電流注入にしたがって光
出力が発振することなく増加し、200mAにおいて3
mWのインコヒーレント光出力を得ることができるもの
である。非電流注入領域40に形成した溝43の端面で
反射した光が再び電流注入領域39を形成する活性層3
3に結合しないようになっていて十分FPモードを抑圧
して非電流注入領域40を長くすることなく、SLD発
振を得るものである。
いが、端面反射率を抑制し発振を妨げる工夫がされてい
る点でLDとは異なる。活性領域はLD同様、バルク構
造と多重量子井戸(以下MQWとする)構造の2タイプ
があるがいずれも出力光のスポットサイズは狭いもので
ある。
ントダイオード(SLD)における光導波路の層構造を
図8を参照して説明する。
の外観を示す図である。
層構造を示す図であり、18は第1導電型を有する半導
体基板、19は第1の導電型を有する屈折率n1のクラ
ッド層、20は屈折率n4の活性層、21は第2の導電
型を有する屈折率n1のクラッド層である。
導体基板18上に、第1の導電型を有する屈折率n1の
クラッド層19を積層し、その上に、屈折率n4の活性
層20を積層し、その上に、第2の導電型を有する屈折
率n1のクラッド層21を積層して得たもので、屈折率
はn4>n1である。
する。図9は、リッジ型の従来の800nm帯SLDの
構造を示す図であり、発光中心波長780nm帯を有す
るAlGaAs/GaAs系材料による従来のSLDの
構造例を示した図である。図9において、図9(a)は
従来構造SLDをp型導電側上方からみた模式図、図9
(b)は(a)図におけるA−A´断面に現れる層構造
を模式的に示した図、図9(c)は光出射端面側からみ
た模式図である。このSLDを得るためには、n型導電
性を有するGaAs基板18上にn型導電性のAl
0.55Ga0.45Asのクラッド層19、ノンドープA
l0.13Ga0.87As活性層20、p型導電性のAl0.55
Ga0.45Asクラッド層21、p型導電性のGaAsコ
ンタクト層22を順次、液相法、気相法、分子線エピタ
キシー法などによりエピタキシャル成長を行いダブルヘ
テロ層構造を形成する。次に、活性層20での電流密度
を高くして発光効率を向上させるため電流狭窄用の2本
の溝23を形成するため、このエピタキシャル成長を終
えた基板18上にRFスパッタまたはCVD法などによ
り耐エッチングマスクとなるSiO2もしくはSiNXな
どの誘電体薄膜24をGaAsコンタクト層22全面に
堆積する。この誘電体薄膜24をフォトリソグラフィ技
術により溝23に対応する部分のみフッ化水素酸などを
使って窓開けを行い、引き続きウエット法やドライ法に
よるエッチングを行いこの溝23を完成する。なお、こ
のとき素子動作信頼性と基本横モード動作を確保するた
め溝23の深さは活性層20に達することがないように
する。また、溝23の形成されない部分は光吸収領域2
5となる。
に絶縁膜とするため再び誘電体薄膜を堆積した後、電流
注入領域26となる溝23で挟まれたストライプの上面
27の誘電体膜のみを取り去る。
型導電性のGaAsコンタクト層22上にAu−Zn合
金、n型導電性のGaAs基板側にAu−Ge−Ni合
金を蒸着し熱処理を施して、それぞれ第1および第2の
オーミック電極28,29を形成した後、光出射端面に
無反射膜30を被着する。この無反射膜30により光出
射端面側から電流注入領域26に帰還する光パワーの割
合は0.5%以下、また光吸収領域25により後方端面
から電流注入領域26に帰還する光パワーの割合は0.
001%以下となりレーザ発振が抑圧されてSLDとし
ての動作が実現される。これらの工程を終えたウエハを
溝23と平行方向に650μm、溝23と直角方向に4
00μmの大きさに分割しチップ状の素子とする。
ック系ヒートシンク上に接合し、かつ、電流をチップに
供給するためのワイヤをボンディングしてSLDデバイ
スは基本的に完成する。
Aにおいて光出力5mW程度、また、光スペクトラム半
値全幅約20nmが得られ、無反射膜30と光吸収領域
25の効果により光スペクトラムにリップルは見られな
い。
19,活性層20,第2のクラッド層21及びコンタク
ト層22の素性は次のようである。 18:Snドープn型導電性GaAs基板、基板厚80
μm、キャリア密度3×1018cm-3 19:Snドープn型導電性Al055 Ga0.45Asクラ
ッド層、層厚1μm、キャリア密度7×1017cm-3 20:ノンドープAl0.13Ga0.87As活性層、層厚
0.1μm 21:Znドープp型導電性Al0.55Ga0.45Asのク
ラッド層、層厚2μm、キャリア密度7×1017cm-3 22:Znドープp型導電性GaAsコンタクト層、層
厚0.5μm、キャリア密度1×1019cm-3 この構成で得られるスポットサイズ半径は約0.23μ
mである。
に、スポットサイズが小さく、光導波路から光ファイバ
によって光出力を取り出すとき、光結合損失が−10d
B前後あるなど問題があった。
光を帰還して増幅し、発振させ発光波長スペクトラムが
狭く鋭い、コヒーレンシの高い光出力を得るレーザダイ
オード(LD)においては、電流注入により光を発生す
る活性層の上下方向に順次、内部クラッド層、中間クラ
ッド層、外部クラッド層を配置する層構造として発光ビ
ーム(スポットサイズ)を拡大することが知られてい
る。(PCT国際公開番号WO93/16513号) 一方、スーパールミネッセントダイオード(SLD)
は、光帰還を抑圧する構成を採用することにより、発振
状態に至らず、発光波長スペクトラムが広く、コヒーレ
ンシの低い光を出力することが特徴となっている。
面における放射光ビーム断面の大きさ(スポットサイ
ズ)を大きくして、接続される光ファイバの導波光スポ
ットサイズとほぼ等しくし、光結合係数を高くめるとと
もに、低コヒーレントな特性で、余分な光干渉効果を抑
圧することにより、光計測の分野に於いて、好適な光源
として、特に光ファイバジャイロの光源として秀れたス
ーパールミネッセントダイオード(SLD)を提供する
ものである。
ルミネットセントダイオードは、第1の導電型を有する
半導体基板1と、第1の導電型の半導体からなり、該半
導体基板上に積層された第1のクラッド層群9と、該第
1のクラッド層群よりバンドギャップの小さい半導体か
らなる屈折率n4を有し、該第1のクラッド層群上に形
成された活性層5と、該活性層よりバンドギャップの大
きい第2の導電型の半導体からなり、該活性層上に積層
された第2のクラッド層群10とを備えたスーパールミ
ネッセントダイオードであって、前記第1のクラッド層
群が、屈折率n3を有し前記半導体基板に接する第1の
外部クラッド層2と、屈折率n2を有し厚さがd2であ
る該第1の外部クラッド層上に形成された第1の中間ク
ラッド層3と、屈折率n1を有し厚さがd1である該第
1の中間クラッド層上に形成された第1の内部クラッド
層4とから構成され、前記第2のクラッド層群が、屈折
率n1を有し厚さがd1である前記活性層に接する第2
の内部クラッド層6と、屈折率n2を有し厚さがd2で
ある第2の内部クラッド層上に形成された第2の中間ク
ラッド層7と、屈折率n3を有し該第2の中間クラッド
層上に形成された第2の外部クラッド層8とから構成さ
れ、n4>n2>n1,n3なる関係及び 0.1<(d1(n42 −n12 )1/2/d2(n4 2−
n22) 1/2)≦0.25 なる関係にあるものである。
セントダイオード(SLD)は、活性層に接する2つの
クラッド層をそれぞれ屈折率の異なる複数の層で構成し
て、光の出力端において光スポットサイズを拡大するも
のである。すなわち、第1の導電型を有する半導体基板
上に、第1の導電型を有する屈折率n3の外部クラッド
層、屈折率n2の中間クラッド層及び屈折率n1の内部
クラッド層を順次積層して第1のクラッド層群とし、そ
の上に屈折率n4の活性層を積層し、さらにその上に第
2の導電型を有する屈折率n1の内部クラッド層、屈折
率n2の中間クラッド層及び屈折率n3の外部クラッド
層を順次積層して第2のクラッド層群としたもので、第
1及び第2のクラッド層群のバンドギャップは活性層の
バンドギャップより大きく、かつ、これらの屈折率の間
にはn4>n2>n1及びn4>n2>n3なる関係が
ある。また、レーザ発振を回避するように層の厚さにつ
いても、屈折率との関係で一定の条件を与えた。
れ、かつ、横基本モードで動作が実現されることが必要
である。
アがクラッド層に漏れることを防ぐために設けられた内
部クラッド層の層厚d1と光スポットサイズを拡大する
ために設けられた中間クラッド層の層厚d2の比と、活
性層、内部クラッド層および中間クラッド層の誘電率
(屈折率2乗に比例する)に対応する量、即ち、順次に
n42 ,n12 およびn22 とのあいだに 0.1≦(d1(n42-n12 )1/2 /(d2(n42-
n22) 1/2)≦0.25 で示される関係のあることが分った。上式から得られる
量が0.1より小さい範囲では光スポット径が大きくな
りすぎて高次横モード動作し、一方、0.25より大き
くなると活性層に光が強く閉じ込められるため活性層に
よる光の増幅が強くなり容易にレーザー発振を起こして
しまいSLDとして使用することはできなくなる。これ
らのことからも、SLDの多層構造とLDに於ける多層
構造の設計条件は両立し得ないことは明らかである。
(SLD)の一実施例を図1ないし図4を参照して説明
する。図1(a)は、この実施例のリッジ型SLDの断
面図、(b)は活性層及び上下のクラッド層と、その屈
折率及び厚さを示す図である。
導体基板で、9は前記半導体基板1の上に屈折率がn3
の第1の外部クラッド層2、屈折率がn2で厚さがd2
の第1の中間クラッド層3及び屈折率がn1で厚さがd
1の第1の内部クラッド層4が順次積層されていて、そ
れぞれが第1の導電型半導体から成る第1のクラッド層
群である。5は第1の内部クラッド層上に積層されてい
て、屈折率n4の第1の導電型半導体から成る活性層で
ある。
がd1の第2の内部クラッド層6、屈折率がn2で厚さ
がd2の第2の中間クラッド層7及び屈折率がn3の第
2の外部クラッド層が順次積層されていて、それぞれが
第2の導電型半導体から成る第2のクラッド層群であ
る。なお、第1のクラッド層群9及び第2のクラッド層
群10のバンドギャップは、活性層5のバンドギャップ
より大きくなっている。
n2>n1,n4>n2>n3なる関係及び 0.1≦(d1(n42 −n12 )1/2/d2(n4 2−
n22) 1/2)≦0.25 なる関係にある。
する例を説明する。図2はIII−IV族化合物半導体
から成るAlGaAs/GaAs系半導体発光素子につ
いてAlX Ga1-X As混晶のAl組成(x)を変化さ
せたときの、AlGaAs混晶の波長が780nmの光
に対する屈折率を示す。図2から分かるように、n=
3.5とするにはAlGaAs混晶内のAl組成(x)
を0.26強に、n=3.4とするには同じく0.42
にすればよい。
する従来構造の図8のSLDの例では、活性層20は層
厚0.1μmを有するAl0.13Ga0.87As混晶からな
り、クラッド層19,21はそれぞれ単一層の層厚1μ
mおよび2μmを有するAl0.55Ga0.45Asからな
り、この構成では、スポットサイズ半径は約0.23μ
mとなる。これに対し図1に示した実施例では、活性層
5を従来構造と同一として、層厚d1が0.1μmのA
l0.55Ga0.45As内部クラッド層4,6(屈折率n
1) と層厚d2が1μmのAl0.38Ga0.62As中間ク
ラッド層3,7(屈折率n2: 3.427)およびAl
0.55Ga0.45As外部クラッド層2,8(屈折率n1)
よりなる本発明のSLDではスポットサイズ半径が約
1.05μmとなり、従来例で示した約0.23μmの
約4.5倍に拡大できる。
明するための図であり、図3(a)は中間クラッド層の
屈折率をパラメータとした規格化光強度、図3(b)は
この場合における組成を示す。図3(a)は、Al0.13
Ga0.87As混晶からなる層厚0.1μmの活性層5を
有し、内部クラッド層4,6(層厚0.1μm)と外部
クラッド層2,8がAl0.55Ga0.45Asからなり、か
つ、中間クラッド層3,6の層厚を1μmとした実施例
によるSLDにおける活性層5の中央から垂直方向の距
離に対する規格化光強度を示す。この図において曲線a
は、中間クラッド層3,7の屈折率を3.427とした
前述の例、bは3.413,cは3.378としたもの
で、dは前述の従来例である。また()内は中間クラッ
ド層3,7のAl混晶組成である。
を示す層構造の活性層5の中央から垂直方向の距離に対
するAl混晶組成の分布である。なお、これらのA1混
晶組成と屈折率の関係は図2に示すとおりである。
サイズを大きく拡大できるので、光ファイバとの統合係
数及びトレランスの改善が可能となる。
4に示す。
り、縦軸に光結合係数をとったものである。(a)は従
来例によるSLD、(b)はこの実施例によるSLDに
よるものでほぼ2倍を超える改善が見られる。
て説明する。
間クラッド層及び第2の中間クラッド層の屈折率が変化
している例である。
は図1の3および7を除いて同じである。(a)は、第
1の中間クラッド層3および第2の中間クラッド層7の
屈折率が活性層5に近いほど段階的に大きくなっている
例である。この例では中間クラッド層3,7のバンドギ
ャップが活性層5に近いほど小さくなっているため電流
注入により生じたキャリアと光が活性層5近傍に集中し
やすく発光効率の面では有利である。しかし、光スポッ
トサイズの拡大効果では劣る傾向にある。
例である。この場合は、(a)の例とは逆の性質を持
つ。即ち、発光効率では劣るが光スポットサイズは拡大
する傾向を持つ。また、(a)および(b)はともに連
続的に変化する構造が好ましい。なぜなら段階状に混晶
組成が変化する境界にキャリアが引き込まれて貯る、パ
イルアップ現象が生じ活性層へのキャリア注入が妨げら
れることが考えられるからである。しかし、実際の結晶
成長における再現性は段階的に混晶組成が変化する構造
が有利となる。(c)は、連続的に屈折率が減少してい
る例であるが、連続的に屈折率が増大している構造を考
えることは容易である。
800nm近傍のAlGaAs/GaAs系のIII−
IV族半導体SLDについて説明したが、クラッド層の
屈折率が制御できる素材のものであればどういうもので
も良く、例えば、発光波長が400〜600nm領域の
GaN系や、発光波長が600〜700nmのAlGa
InP系、また発光波長が1μm以上のGaInAsP
/InP系などについても適用することができる。
SLDについて説明を行ってきたが単数若しくは複数の
量子井戸層と複数の障壁層および分離閉じ込め(Sep
arate Confinement Heteros
tructure:SCH)層から成る活性層部多層構
造を有する量子井戸SLDについては、この多層構造の
平均屈折率を活性層の屈折率:n4,活性層部多層構造
の層厚を活性層厚とすることにより本発明を適用するこ
とができる。
バジャイロについて図6を参照して説明する。
それが取り付けられた移動体の角速度や角度を検出し
て、位置の計測や制御をするためのセンサである。光フ
ァイバジャイロは光ファイバをコイル状にして、両方向
からコヒーレント光を入射し、サニヤック効果を利用し
て回転の速度や角度を検知するものである。光ファイバ
は、通常、偏波保持型を用い、SLDからの出力はその
片側の偏光方向の光のみが使用される。
ある。
14は光を透過及び反射させる半透明板,15は光ファ
イバ,16は干渉出力光部である。SLD13から出力
されたコヒーレント光は半透明板14を透過して光ファ
イバ15の一端15aから光ファイバ15に入射され、
コイル状に巻かれた光ファイバ15を矢印a方向に通過
して、半透明板14を透過して出力部16から出力光a
として出力されるとともに、SLD13から出力された
コヒーレント光の一部は、半透明板14で反射して光フ
ァイバ15にその他端から入射され、コイル状に巻かれ
た光ファイバ15を矢印b方向に通過して、半透明板1
4で反射されて出力部16から出力光bとして出力され
る。サニヤック効果は、このように閉じた光路を反対方
向に伝搬する光は、伝搬時間(位相)が閉光路の回転角
速度に比例して変化する現象であり、光ファイバジャイ
ロは、光ファイバ15の一端15aから入射された光と
他端15bから入射された光との位相の変化を干渉など
により検知して、回転角速度を光干渉などによって検知
するものである。
導体レーザ(LD)のようにコヒーレンシー(可干渉
性)の高い光源を用いると、光ファイバ内の屈折率の微
小な揺らぎにより光が散乱され(レイリー散乱)、サニ
ヤック効果による干渉を乱す。また、例えばマルチモー
ド光ファイバの場合、この中を進行する光の進路の僅か
な差により干渉が生じる。この干渉は光ファイバに対す
る機械的振動や熱的な揺らぎにより変化するためサニヤ
ック効果の観測に取っては雑音(スペックル雑音)とな
る。
イオード(LED)を用いると光ファイバとの光結合効
率が極端に低いため実用に適さない。
バとの光結合効率が良好で、かつ、低いコヒーレンシー
という特徴を有するため光ファイバジャイロの光源とし
て好適である。
いほど、また光源の光パワーが大きいほど、ゆっくりし
た回転角度を検出することができる。本発明のSLDで
は、従来のSLDに比較して光ファイバとの光結合効率
が向上するため、同一の光出力ならば光ファイバに入射
できる光パワーが大きくなり、光計測におけるS/Nが
向上する。また、光軸のズレに対する光結合効率の変動
が小さくなるため、光ファイバとSLDの間の光軸調整
が容易となり、ピグティル型光源モジュールの作成が自
動化され製造コストが著しく低減される。
トダイオードは、第1の導電型を有する半導体基板1
と、第1の導電型の半導体からなり、該半導体基板上に
積層された第1のクラッド層群9と、該第1のクラッド
層群よりバンドギャップの小さい半導体からなる屈折率
n4を有し、該第1のクラッド層群上に形成された活性
層5と、該活性層よりバンドギャップの大きい第2の導
電型の半導体からなり、該活性層上に積層された第2の
クラッド層群10とを備えたスーパールミネッセントダ
イオードであって、前記第1のクラッド層群が、屈折率
n3を有し前記半導体基板に接する第1の外部クラッド
層2と、屈折率n2を有し厚さがd2である該第1の外
部クラッド層上に形成された第1の中間クラッド層3
と、屈折率n1を有し厚さがd1である該第1の中間ク
ラッド層上に形成された第1の内部クラッド層4とから
構成され、前記第2のクラッド層群が、屈折率n1を有
し厚さがd1である前記活性層に接する第2の内部クラ
ッド層6と、屈折率n2を有し厚さがd2である第2の
内部クラッド層上に形成された第2の中間クラッド層7
と、屈折率n3を有し該第2の中間クラッド層上に形成
された第2の外部クラッド層8とから構成され、n4>
n2>n1,n3なる関係及び 0.1≦(d1(n42 −n12 )1/2/d2(n4 2−
n22) 1/2)≦0.25 なる関係にあるものであるので、大出力でスポットサイ
ズを大きく拡大でき、従って光ファイバとの結合係数及
びトレランスの改善ができ、また、大出力のSLDを利
用することにより、光ファイバジャイロの性能を大きく
向上することができる。
ある。
る。
造を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 第1の導電型を有する半導体基板(1)
と、 第1の導電型の半導体からなり、該半導体基板上に積層
された第1のクラッド層群(9)と、 該第1のクラッド層群よりバンドギャップの小さい半導
体からなる屈折率n4を有し、該第1のクラッド層群上
に形成された活性層(5)と、 該活性層よりバンドギャップの大きい第2の導電型の半
導体からなり、該活性層上に積層された第2のクラッド
層群(10)とを備えたスーパールミネッセントダイオ
ードであって、 前記第1のクラッド層群が、屈折率n3を有し前記半導
体基板に接する第1の外部クラッド層(2)と、屈折率
n2を有し厚さがd2である該第1の外部クラッド層上
に形成された第1の中間クラッド層(3)と、屈折率n
1を有し厚さがd1である該第1の中間クラッド層上に
形成された第1の内部クラッド層(4)とから構成さ
れ、 前記第2のクラッド層群が、屈折率n1を有し厚さがd
1である前記活性層に接する第2の内部クラッド層
(6)と、屈折率n2を有し厚さがd2である第2の内
部クラッド層上に形成された第2の中間クラッド層
(7)と、屈折率n3を有し該第2の中間クラッド層上
に形成された第2の外部クラッド層(8)とから構成さ
れ、n4>n2>n1,n3なる関係及び 0.1≦(d1(n42 −n12 )1/2/d2(n4 2−
n22) 1/2)≦0.25 なる関係にあることを特徴とするスーパールミネッセン
トダイオード。
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---|---|---|---|
JP12784198A JP3685925B2 (ja) | 1998-05-11 | 1998-05-11 | スーパールミネッセントダイオード |
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Family
ID=14969998
Family Applications (1)
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002076432A (ja) * | 2000-08-30 | 2002-03-15 | Stanley Electric Co Ltd | 端面発光型半導体装置、その製造方法及び光空間伝送装置 |
US6879613B2 (en) | 2001-07-05 | 2005-04-12 | Sony Corporation | Laser diode, optical pickup device, optical disk apparatus, and optical communications equipment |
JP2011505069A (ja) * | 2007-11-30 | 2011-02-17 | オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング | 発光素子の製造方法および発光素子 |
DE102007051315B4 (de) | 2007-09-24 | 2018-04-05 | Osram Opto Semiconductors Gmbh | Strahlungsemittierendes Bauelement |
-
1998
- 1998-05-11 JP JP12784198A patent/JP3685925B2/ja not_active Expired - Lifetime
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