JP2001042169A - 光学装置 - Google Patents

光学装置

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JP2001042169A
JP2001042169A JP21299299A JP21299299A JP2001042169A JP 2001042169 A JP2001042169 A JP 2001042169A JP 21299299 A JP21299299 A JP 21299299A JP 21299299 A JP21299299 A JP 21299299A JP 2001042169 A JP2001042169 A JP 2001042169A
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Hiroshi Sato
宏 佐藤
Masahiro Aoki
雅博 青木
Kazuhisa Uomi
和久 魚見
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】レーザとそれに光学的に結合される光導波路と
をもつ光学装置を経済的に製造できる光学装置を提供す
る 【構成】一部に回折格子105を有し波長λの光を発す
る半導体光素子と、この半導体光素子に対向して光結合
する光伝送路5とを有し、光伝送路5に向かい合う半導
体光素子端面に屈折率がn、厚さがλ/(4n)である
誘電体膜が少なくとも層21が形成され、光伝送路21
と光素子の間に屈折率niの樹脂が充填され、上記半導
体光素子の屈折率をnsとする時、上記屈折率ni
s、nの値の間にni=(n4/ns 2)の関係をもたせ
る。 【効果】DFBレーザ等の安定動作に不可欠な端面の低
反射率が保たれる。DFBレーザを樹脂充填した場合の
特性変動を抑制できる。この結果、レーザを搭載した光
モジュールにおいて、樹脂充填パッケージが可能とな
り、小型・簡易な樹脂充填型DFBレーザ光モジュール
を実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、光学装置、更に
詳しくいえば、半導体レーザと光導波路を組み合わせ半
導体レーザの光出射部を樹脂で封止する構造部をもつ光
学装置、例えば光もジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】光通信サービスの普及に伴い、通信シス
テムに用いる光伝送装置の小型化、低価格化が求められ
ている。このため、光伝送装置に含まれる光モジュール
に関して言えば、モジュールの構造と組立・実装工程を
大幅に簡易化し、光モジュールを小型・低価格化する試
みがなされている。
【0003】従来の光モジュールの実装工程では、モジ
ュールに搭載した素子の腐食・劣化を防ぐため、モジュ
ール内部の気密性を保つための強固な封止を実施してい
る。しかし、この気密封止方式では、モジュールパッケ
ージの材料が高価であること、封止工程が複雑であるこ
と等の理由により、モジュールの抜本的低価格化を図る
ことは困難である。これに対し、封止工程の抜本的簡素
化のため、モジュール内の光素子を防水性樹脂で充填し
た簡易な構造を有するモジュール、樹脂封止光モジュー
ルの開発が進みつつある。
【0004】樹脂封止方式では、実装基板上に所望の光
素子を配置した後、素子周辺部に樹脂を充填し、パッケ
ージを簡易封止する。このため、気密封止工程が不要で
あり、実装工程を大幅に簡易化することが出来る。樹脂
封止技術の詳細は、例えば、1998年電子情報通信学会論
部誌C-Ivol. J81-C-I No.5 pp.274-282等に記載されて
いる。
【0005】送信用光モジュールについて言えば、これ
まで樹脂封止技術は、低速光伝送用モジュールに対して
適用が検討されてきた。このため、モジュールに搭載さ
れる光源、半導体レーザはファブリ-ペロ(FP)型が主
であった。しかしながら、高速通信用光モジュールに対
しても経済化を目的とした簡易実装化が要求されるつつ
あり、高速伝送用光モジュールへの樹脂封止技術適用
が、モジュールの経済化に向けた重要な技術課題なって
いる。このため、高速伝送用光モジュールの送信光源で
ある分布帰還型(DFB: Distributed Feedback)レーザの
樹脂封止技術の確立が必要不可欠となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】光モジュールの製造工
程は、一般に、(1)素子単体の特性選別 、(2)実
装基板への素子搭載、(3)素子周辺部への樹脂充填、
の順に進行する。光素子を樹脂で充填する場合、樹脂充
填前後で光素子を覆う媒質の屈折率が変わるため、素子
の端面反射率が変化する。レーザについて言えば、樹脂
充填による端面反射率の変化により、特性が樹脂充填の
前後で変化する。公知のように、DFBレーザの特性
は、FPレーザに比べ、端面の反射率変化の影響を受け
易く、電流−光出力特性及び発振スペクトルが端面反射
率によって大きく変化する。
【0007】例えば、DFBレーザでは、通例、端面の
反射率を1%以下程度となるよう、端面の低反射率化を
行い、ファブリ−ペロ(FP)モードでの発振を抑制
し、安定な単一縦モード発振を実現する。通例、低反射
率化のために、化学的に安定な誘電体の薄膜がDFBレ
ーザの端面に形成されることは公知であり、言うまでも
ない。
【0008】しかしながら、上記のように低反射率を実
現する誘電体膜を形成した場合においても、樹脂充填の
後に、端面の反射率が上昇することがありえる。これ
は、誘電体膜外部の媒質の屈折率が変化するためであ
る。DFBレーザの端面の反射率が上昇した場合、上記
のように、FPモードでの発振が起こり、DFBレーザ
の波長スペクトルはもはや単一モードではなくなり、D
FBレーザ本来の持つ淡色性の良い波長スペクトルは得
られない。このように、DFBレーザの素子特性が樹脂
充填の後で大きく変化する場合、樹脂充填後に再度選別
工程が必要になる。再選別の実施は、製造費用増大につ
ながり、高速通信用DFBレーザモジュールの経済化に
対し大きな障害となる。したがって、DFBレーザモジ
ュールの構造簡易化において、樹脂充填モジュールの経
済性を活かすためには、樹脂充填前後で特性変動を伴わ
ない樹脂充填技術、即ち、樹脂充填の前後での端面反射
率の変化を抑制する技術が必要不可欠となる。
【0009】従って、本発明の目的は、簡易実装樹脂封
止モジュールが有する経済性の特徴を活かし、樹脂封止
後もレーザの特性が変動しない光学装置、特に半導体レ
ーザと光導波路を組み合わせた光学装置を提供すること
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光学装置は、波長λの光を出射する出射部
をもつ半導体レーザと上記光を伝播する光導波路と少な
くとも上記出射部及び上記、光導波路の端部を固着する
樹脂とをもつ光学装置であって、上記半導体レーザの光
導波路と対向した端面に、屈折率がn、厚さがλ上記(4
n)である誘電体膜が設けられ、上記樹脂の屈折率をni
上記半導体レーザの屈折率をnsとしたとき、上記の屈折
率ni、ns、nの値の間にni=(n4/ns 2)の関係がもつよう
に、上記誘電体膜及び樹脂が設定される。
【0011】本発明の好ましい実施形態では、上記半導
体レーザが、分布帰還型(DFB: Distributed Feedback)
レーザ、すなわち、半導体レーザの光導波方向の少なく
とも一部に屈折率又は利得が周期的に変化した回折格子
が形成されたレーザであり、実装基板に上記半導体レー
ザが装着され、上記実装基板、上記半導体レーザ及び光
導波路の端部が上記樹脂で樹脂封止まるされた光モジュ
ールとして構成される。 また、半導体レーザの屈折率
は通常3.1ないし3.4であり、樹脂として1.38
ないし1.43のものを使用する。従って、前述の関係
より誘電体膜としては屈折率1.9±0.2のものが採
用される。
【0012】本発明によれば、誘電体の屈折率をnとし
て、半導体レーザの発振波長λに対してλ/(4n)の
厚さとなる誘電体膜を少なくとも一層、端面に形成した
構成のDFBレーザが存在し、レーザを覆う樹脂の屈折
率ni、半導体の屈折率nsの間にni=(n4/n
2)の関係があるので、半導体レーザモを用いた光ジ
ュールの作製工程、即ち、空気中で素子を選別する工程
の端面反射率と樹脂充填後の端面反射率が変化しない。
これは、樹脂充填の前後においてDFBレーザの特性、
特に、発振波長のスペクトルが変化せず、同一の素子特
性が得られるので、樹脂充填後にスペクトル等の特性を
再度判定する必要はない。また、製造歩留止が著しく向
上する。従って製造工程の短縮、製造歩留止によって、
製品コストを低減できる。
【0013】
【発明の実施の形態】<実施例1>本発明の光学装置を
波長1.3μm帯の分布帰還型半導体レーザを搭載した
光モジュールに適用した実施例について図1を用いて説
明する。
【0014】図1(a)及び(b)は、それぞれ本発明
による光学装置の一実施例である光モジュールの要部平
面図及び部分拡大側面図を示す。図1に示すように、光
モジュールのパッケージ容器1の中ににシリコン(S
i)からなる実装基板2が配置され、実装基板2上には
均一な周期の回折格子を有する分布帰還型半導体レーザ
(DFB: Distributed Feedback)3、光出力監視用
受光素子4、光ファイバ5が配置されている。DFBレ
ーザ3、受光素子4、光ファイバ5は、シリコーン系樹
脂6で充填される。尚、DFBレーザ3は公知の埋め込
み型レーザ、リッジ導波路型レーザいずれでもよい。実
装基板2には、DFBレーザ3及び受光素子4に電源を
供給するための電極版7〜12が設けられている。電極
8及び電極9はそれぞれレーザ陰極用ワイヤ13及び受
光素子用ワイヤを介してDFBレーザ3及び受光素子4
に接続されている。
【0015】図2は、DFBレーザ3単体の詳細な構造
を部分欠き斜視図(a)及び断面図(b)で示したもの
である。DFBレーザ3は、n型InP101を基板と
し、InGaAsP系の材料系からなるn型光閉じ込め
層102、歪多重量子井戸活性層103、p型光閉じ込
め層104の上部にInGaAsP系の材料で構成され
た回折格子層105を有する。活性層103及び回折格
子層105の構造は、室温(25℃)でのDFBレーザ
3の発振波長が1300nmとなるよう形成した。
【0016】回折格子層105の極性はn型、p型いず
れでもよい。p型の場合には、DFBレーザ3は、光の
伝播方向に屈折率のみが周期的にする屈折率結合型とな
る。また、n型の回折格子では、公知のように回折格子
が周期的な電流阻止層として機能するために、屈折率の
みならず、活性層内の利得に周期的変化が生じ、利得結
合型DFBレーザとなる。
【0017】回折格子105を干渉露光法とそれにつづ
くエッチングにより形成した後、p型InPクラッド層
106、p型InGaAs層107を形成した。InP
基板101、活性層103、回折格子層105、InP
クラッド層106が光の導波に望ましい屈折率分布を有
し、活性層103、回折格子層105が光導波路層とな
ることは言うまでもない。また、p型InGaAs層1
07は、電極形成時に良好なオーミック接続を得るため
に形成した。上述の結晶成長工程には、有機金属気相成
長(MOVPE: Metalorganic Vapor Phase Epitax
y)法を用いた。
【0018】上記結晶成長工程に引き続き、公知のウエ
ットエッチングを用いたメサストライプ形成工程と、M
OVPE法による埋め込み再成長プロセスにより、Fe
をドープした高抵抗InP108による埋め込み構造を
形成した。これに引き続き、ウエハ表面を酸化珪素(S
iO2)109により絶縁化処理した後、p側電極11
0、n側電極111を形成し、レーザ構造を形成した。
【0019】図1(b)及び図2に示したDFBレーザ
では、公知のように、ファブリ−ペロ(FP: Fabry-P
erot)モード発振を抑圧し、単一縦モード発振を得るた
め、片側の端面に反射率1%以下程度の低反射率膜、他
方の端面には、反射率90%程度の高反射率膜を形成す
る。本実施例では、光ファイバ5と対向するDFBレー
ザ3の端面(以下、前端面と略記)には、低反射率を実
現するための誘電体膜として、厚さ164.9nmの窒
化珪素(SiNx)からなる屈折率1.97の端面膜2
1を形成した。このとき、上記誘電体SiNxの膜厚さ
は、誘電体の屈折率をnとして、DFBレーザの発振波
長λに対してλ/(4n)の厚さとなっている。
【0020】この結果、DFBレーザの前端面の反射率
は、素子特性を判定・選別する雰囲気である空気中にお
いて0.65%となり、FPモードの発振は十分に抑圧
される。DFBレーザの単一縦モード(以下、DFBモ
ードと略記)に対するFPモードの抑圧比は、45dB
以上となった。尚、窒化珪素の組成は必ずしも化学両論
的組成(Si:N=3:4)である必要はないため、以
下SiNxと記す。また、ファイバ5と対向しない他方
の端面(以下、後端面と略記)には、厚さ116nmの
非晶質Siと厚さ224nmのSiO2を一対とする反
射膜を3対からなる高反射率膜22形成した。これら端
面膜21、22の形成方法には、従来知られている手
法、スパッタリングを用いた。前端面21のSiNx膜
と半導体との密着性を上げるために、SiNx膜と半導
体の間に10nm程度のSiO2膜(図に記載なし)を
形成してもよい。10nm程度の厚さのSiO2が形成
された場合の端面反射率の変化は、素子特性にほとんど
影響を及ぼさない。上記端面膜を形成した場合、DFB
レーザを構成する半導体の屈折率が3.3であるので、
レーザを覆う媒質が空気(屈折率=1)である時、DF
Bレーザ前端面の反射率は、0.65%、後端面反射率
は96%となる。
【0021】上記端面膜を形成したDFBレーザ3をp
側電極が実装基板2に接合するように固定した後、DF
Bレーザ3と光ファイバ5の周囲に屈折率1.38のシ
リコーン系樹脂6を充填した。このとき、DFBレーザ
3の前端面の反射率は、空気中での場合と同じく0.6
5%となる。この結果、上記樹脂6を充填した後も、F
Pモードの発振を十分に抑圧でき、その抑圧比はDFB
モードに対して45dB以上を実現できる。
【0022】上述のように、樹脂充填後のFPモード発
生を十分に抑圧することで、樹脂充填DFBレーザモジ
ュールが発生する光パルス信号の波形は、公知のシング
ルモード光ファイバを通して40キロメートル以上伝送
した後も、受信装置において明瞭に識別し得る。また、
その光パルスの発生は毎秒数百メガビットから数ギガビ
ットまで高速化できる。
【0023】本実施例では、誘電体の屈折率をnとし
て、DFBレーザの発振波長λに対してλ/(4n)の
厚さとなる誘電体膜を少なくとも一層、端面に形成した
構成のDFBレーザが存在し、レーザを覆う樹脂の屈折
率ni、半導体の屈折率nsの間にni=(n4/ns 2
なる関係が成り立つ構成となっている。上記関係が成立
する場合、DFBレーザモジュールの作製工程、即ち、
空気中で素子を選別する工程の端面反射率と樹脂充填後
の端面反射率が変化しない。これは、樹脂充填の前後に
おいてDFBレーザの特性、特に、発振波長のスペクト
ルが変化せず、同一の素子特性が得られることを意味す
る。したがって、樹脂充填後にスペクトル等の特性を再
度判定する必要はない。
【0024】ここで、図3を用いて本発明の効果を説明
する。同図において、縦軸は端面のの反射率(%)、横
軸は樹脂の屈折率niを表す。上記実施例において、D
FBレーザ半導体レーザのの発生する光の波長を1.3
μm 半導体InPの屈折率3.3、端面21の誘電体
膜を屈折率n=1.97、厚さ1650Å(光の波長λ
に対してλ/(4n))とて、端面21反射率を1%以
下とする。このような半導体レーザに、樹脂の屈折率n
iが前述の関係ni=(n4/nS 2)なる関係が成り立つ
1.395を持つ樹脂を用いた場合、図3のBに示すよ
うに、樹脂充填時に、反射率は樹脂充填前と殆ど変わら
ない。一方、関係ni=(n4/ns 2)が成り立たない例
として、仮に、n=1.7である誘電体、酸化アルミニ
ウム(Al23)膜を用い、シリコーン樹脂にて充填し
た場合は、空気中での反射率は0.4%であり低反射率
膜として十分な値である。しかし、図3のCに示すよう
に、前述の酸化アルミニウム膜をシリコーン樹脂で充填
した場合、端面反射率は5.2%となり、FPモードの
発振を十分に抑圧することはできない。
【0025】<実施例2>本発明の光学装置を波長1.
3μm帯の位相シフト型DFBレーザを搭載した光モジ
ュールに適用した第二の実施例について図4を用いて説
明する。
【0026】図4は、光モジュールに内のλ/4位相シ
フト−DFBレーザと光ファイバ5の光結合部分を拡大
した断面図である。光モジュール全体の構成は、レーザ
がλ/4位相シフト−DFBレーザに変更された以外、
図1の光モジュールと同じである。また、素子の層構造
及び断面構造も図2と同様であるため説明を省略する。
レーザは第一の実施例と同様、InP41を基板と
し、InGaAsP系の材料系からなる活性層42と、
λ/4位相シフト部分43を有する回折格子層44を有
する。活性層42及び回折格子層44は、DFBレーザ
の発振波長が室温で1300nmとなるよう形成した。
これら活性層42、回折格子層44の構造及び形成方法
は公知であるので、詳細な説明は省略する。
【0027】λ/4位相シフトDFBレーザでは、素子
の両端面での光の反射を抑圧する必要があり、端面反射
率を1%程度以下にしなければならない。通例では、公
知の通り、端面に誘電体膜を形成し、低反射率を実現し
ている。本実施例では、光ファイバ5と対向するDFB
レーザの端面(以下、前端面と略記)、及びファイバ5
と対向しない他方の端面(以下、後端面と略記)両方に
低反射率を実現するための誘電体膜として、厚さ16
4.9nm窒化珪素(SiNx)からなる屈折率1.9
7の端面膜45、46を形成した。これら端面膜の形成
方法には、公知の手法スパッタリングを用いた。これら
端面のSiNx膜と半導体との密着性を上げるために、
SiNxと半導体の間に10nm程度のSiO2膜を形
成してもよい。10nm程度の厚さのSiO2が形成さ
れた場合の端面反射率の変化は、素子特性にほとんど影
響を及ぼさない。上記端面膜を形成した場合、DFBレ
ーザを構成する半導体の屈折率が3.3であるので、レ
ーザを覆う媒質が空気(屈折率=1)である時、DFB
レーザ端面の反射率は、第一の実施例で述べた通り0.
65%となる。
【0028】上記端面膜45を形成したλ/4位相シフ
トDFBレーザを実装基板2の上に固定した後、レーザ
と光ファイバ5の周囲に第一の実施例と同様、屈折率
1.38のシリコーン系樹脂6を充填した。既に述べた
ように、レーザの前・後端面反射率は樹脂6充填の後も
変化せず0.65%となる。本実施例においても、第一
の実施例と同様、DFBレーザ前端面に形成する誘電体
45の屈折率をnとして、DFBレーザの発振波長λに
対してλ/(4n)の厚さとなり、樹脂6の屈折率n
i、半導体の屈折率nsの間にni=(n4/ns 2)なる
関係が成り立つ構成としている。したがって、樹脂6充
填の前後で、DFBモードと他のモードとの抑圧比は4
0dB以上を保持している。
【0029】第一の実施例と同様、本発明をλ/4シフ
ト型DFBレーザに適用し、それを搭載した樹脂充填D
FBレーザモジュールが発生した光パルス信号の波形
は、公知のシングルモード光ファイバを通して40キロ
メートル伝送した後も、受信装置において明瞭に識別し
得る。また、毎秒数百メガビットから数ギガビットまで
その光パルスの発生速度を高速化することも可能であ
る。
【0030】<実施例3>本発明の光学装置を波長1.
3μm帯のビームスポット拡大器集積DFBレーザを搭
載した光モジュールに適用した第三の実施例について図
5を用いて説明する。
【0031】図5は、本発明を適用したビームスポット
拡大器集積DFBレーザと光ファイバ5の光結合部分を
拡大した断面図を示す。レーザは、InP61を基板と
し、InGaAsP系の材料系からなる活性層62と、
光導波路層の厚さが連続的に変化するビームスポット拡
大器63を有し、さらに回折格子層64を少なくとも有
する。活性層62及び回折格子層64は、DFBレーザ
の発振波長が室温で1300nmとなるよう形成した。
これら活性層62、回折格子層64の構造及び形成方法
は公知の手法に準じて形成しているため、詳細な説明は
省略する。
【0032】また、本実施例では、光導波路層の厚さが
連続的に変化するビームスポット拡大器63を集積した
レーザを用いたが、公知のように、ビームスポット拡大
器の形状は、光導波路幅が変化するものでもよい。
【0033】第一の実施例で述べたように、ファブリ−
ペロモード発振を抑圧するため、片側の端面に適切な厚
さと屈折率を有する誘電体膜65を形成し、反射率1%
以下程度の低反射率を実現する。他方の端面には、反射
率90%程度の高反射率膜66を形成する。本実施例で
は、光ファイバ5と対向するDFBレーザの端面(以
下、前端面と略記)には、低反射率実現のための誘電体
膜として厚さ164.9nm窒化珪素(SiNx)から
なる屈折率1.97の端面膜65を形成した。また、フ
ァイバと対向しない他方の端面(以下、後端面と略記)
には、厚さ116nmの非晶質Siと厚さ224nmの
SiO2を一対とする反射膜を3対からなる高反射率膜
66を形成した。
【0034】端面膜65、66の形成方法は、公知の手
法スパッタリングを用いた。前端面のSiNx膜65と
半導体との密着性を上げるために、SiNxと半導体の
間に10nm程度のSiO2膜を形成してもよい(Si
2を形成した場合の図面は記載なし)。10nm程度
の厚さのSiO2が形成された場合の端面反射率の変化
は、素子特性にほとんど影響を及ぼさない。端面膜65
を形成した場合、DFBレーザを構成する半導体の屈折
率が3.3であるので、レーザを覆う媒質が空気(屈折
率=1)である時、DFBレーザ前端面の反射率は、
0.65%、後端面反射率は96%となる。通例、素子
特性を判定・選別する雰囲気である空気中での前端面の
反射率は0.65%となり、FPモードの発振は十分に
抑圧される。
【0035】端面膜65、66を形成したDFBレーザ
が実装基板2の上に固定された後、DFBレーザと光フ
ァイバのレーザに対抗する先端の周囲に屈折率1.38
のシリコーン系樹脂6を充填した。このとき、DFBレ
ーザの前端面反射率は、後端面反射率は0.65%とな
る。
【0036】この結果、第一の実施例と同様、DFBモ
ードに対するFPモードの抑圧比は45dB以上となっ
た。樹脂6充填後のFPモード発生を十分に抑圧したた
め、公知のシングルモード光ファイバを通して40キロ
メートル以上伝送した後も、樹脂6充填DFBレーザモ
ジュールが発生する光パルス信号の波形は、受信装置に
おいて明瞭に識別しうる。また、光パルスの発生は毎秒
数百メガビットから数ギガビットまで高速化できること
は、第一の実施例と同様である。
【0037】さらに、第三の実施例では、ビームスポッ
ト拡大器63を集積しているため、第一の実施例に比べ
て、公知の通り、光ファイバへの光結合効率が改善され
る。この結果、光ファイバへの光の入射量が増大し、よ
り長い距離への光信号の伝送が可能となる。第三の実施
例の場合、第一の実施例に比べ、倍の80キロメートル
の伝送も可能である。
【0038】本実施例においても、DFBレーザ前端面
に形成した誘電体膜の屈折率n、樹脂の屈折率ni、半
導体の屈折率nsの間にni=(n4/ns2)なる関
係が成り立つ。このため、樹脂充填後も端面反射率を低
く保つことができ、高速光伝送に不可欠な単一縦モード
スペクトルを保持することができる。
【0039】以上、本発明の実施例として光モジュール
について説明したが、本発明は上記実施例に限定される
ものではない。レーザの光出射部の端面と光導波との間
に樹脂を充填する構造部をもつ光学装置に適用できるも
のである。
【0040】
【発明の効果】本発明により、高速光伝送が可能なDF
Bレーザを搭載し、かつ、簡易な構造を有する樹脂充填
光モジュールを実現できる。本発明では、DFBレーザ
の安定動作に不可欠な低反射率が樹脂充填の前後で不変
あるいは反射率の変動量が不変とみなせる程度に抑制さ
れた樹脂充填技術の提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光学装置の一実施例の光モジュー
ルの平面図及びその部分拡大側面である。
【図2】図1の実施例の斜視図及び部分断面図である。
【図3】本発明の効果を説明するための図である。
【図4】本発明による光学装置の第2の実施例の光モジ
ュールの部分拡大側面である。
【図5】本発明による光学装置の第2の実施例の光モジ
ュールの部分拡大側面である。
【符号の説明】
1…モジュールパッケージ、2…実装基板、3…DFB
レーザ、4…受光素子、5…光ファイバ、6…樹脂、7
…レーザ用陽極電極、8…レーザ用陰極電極、9…受光
素子用陽極電極、10…受光素子用陰極電極、11…予
備電極、12…予備電極、13…レーザ陰極用ワイヤ、
14…受光素子陽極用ワイヤ 21…低反射率膜、22…高反射率膜。41…InP半
導体基板、42…活性層、43…位相シフト領域、44
…回折格子層、45…InPクラッド層、46…低反射
率膜、47…高反射率膜 61…InP半導体基板、62…活性層、63…ビーム
スポット拡大器、64…回折格子層、65…InPクラ
ッド層、66…低反射率膜、67…高反射率膜 101…n−InP半導体基板、102…n型InGa
AsP光閉じ込め層、103…歪多重量子井戸活性層、
104…p型InGaAsP光閉じ込め層、105…回
折格子層、106…p型InPクラッド層、107…p
型InGaAs層、108…高抵抗InP埋め込み層、
109…表面絶縁膜、110…p側電極、111…n側
電極。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 魚見 和久 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 2H037 BA02 DA03 DA04 DA17 DA36 5F073 AA11 AA64 AA83 AA89 AB15 AB28 BA01 CA12 CB02 CB11 DA04 DA22 EA15 EA18 FA02 FA07 FA21 FA27 FA29

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】波長λの光を出射する出射部をもつ半導体
    レーザと上記光を伝播する光導波路と少なくとも上記出
    射部及び上記光導波路の端部を固着する樹脂とをもつ光
    学装置であって、上記半導体レーザの光導波路と対向し
    た端面に、屈折率がn、厚さがλ/(4n)である誘電体膜
    が設けられ、上記樹脂の屈折率niを、上記半導体レーザ
    の屈折率をnsとしたとき、上記屈折率ni、ns、nの値の
    間にni=(n4/ns 2)の関係が成り立つように上記誘電体膜
    及び樹脂が設定されることを特徴とする光学装置。
  2. 【請求項2】上記半導体レーザは半導体レーザの光導波
    方向の少なくとも一部に屈折率又は利得が周期的に変化
    した回折格子が形成された半導体レーザであることを特
    徴とする請求項1記載の光学装置。
  3. 【請求項3】上記半導体レーザは半導体レーザの光導波
    方向の少なくとも一部に屈折率又は利得が周期的に変化
    した回折格子が形成され、上記回折格子の一部に回折格
    子の位相シフト領域が形成されて成ることを特徴とする
    請求項1記載の光学装置。
  4. 【請求項4】上記半導体レーザは光導波方向に厚さ又は
    幅が変化した導波路を有することを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の光学装置。
  5. 【請求項5】上記樹脂の屈折率が1.38〜1.43の範囲であ
    り、半導体レーザの屈折率が3.1〜3.4であり、上記誘電
    体膜の屈折率nが1.9±0.2であることを特徴とする請求
    項1ないし4のいずれか一に記載の光学装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載された
    光学装置を含み、上記半導体レーザは実装基板に装着さ
    れ、上記半導体レーザ及び上記光導波路の上記半導体レ
    ーザとの結合部全体が上記樹脂によって覆われた部分が
    パッケージ容器に封止されていることを特徴とする光モ
    ジュール。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114284860B (zh) * 2021-12-16 2023-06-13 厦门亿芯源半导体科技有限公司 压差可调整的dfb激光器直流耦合输出电源配置方法

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