JP2011216534A - 半導体レーザ素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】DFBレーザ素子22を、前端面にAR膜14を備え、後端面に低屈折率膜18aと高屈折率膜18bのペア膜を例えば3ペア有する構造の誘電体多層膜から成るHR膜18Aを備えたDFBレーザ30と、一方の端面に低屈折率膜18aと高屈折率膜18bのペア膜を例えば2ペア有する構造の誘電体多層膜から成るHR膜18Bを備えた透明ブロックであるInPブロック19とを有し、且つ、DFBレーザ30に備えたHR膜18AにInPブロック19に備えたHR膜18Bを接触させて成るHR膜構造18を有する構成とする。また、HR膜18BとInPブロック19の間に低屈折率調整膜18cを備える。
【選択図】図1
Description
図6において、1はInGaAlAs活性層である。このInGaAlAs活性層1は、圧縮歪み量子井戸層と伸張歪みバリア層から成る。前記量子井戸層は1.31μm波長に対応したバンドギャップを持ち、その井戸厚は6nm、井戸数は6、圧縮歪みは1.4%である。前記バリア層は0.95μm波長に対応したバンドギャップを持ち、その障壁厚は10nm、引っ張り歪みは0.6%である。
また、2はi-InGaAlAs(0.95μm組成)第1のSCH層、3はi-InGaAlAs(0.95μm組成)第2のSCH層、4はn-InAlAsキャリアストップ層、5はp-InAlAsキャリアストップ層、6はn-InPバッファー層である。7はInGaAsP(1.1μm組成)光ガイド層であり、この光ガイド層7は回折格子により動的単一モードの動作が実現される。8はp-InPクラッド層、9はp+-InGaAsPキャップ層、10はn-InP基板、12はp電極、13はn電極、14はAntireflection (AR, 反射防止)膜、15はHigh reflection (HR, 高反射)膜、16はAuSnハンダ、17はAlNヒートシンクである。
ここで、AR膜14は反射率0.1%以下のAR膜であり、TiO2高屈折率膜14aとSiO2低屈折率膜14bから成る。HR膜15は、SiO2低屈折率膜15aとTiO2高屈折率膜15bのペア膜を3ペア有する構造の誘電体多層膜から成るものである。
クラッド層8)とp電極12とを絶縁する構造になっている。電流はリッジ頂上から注入される。素子長は100μmである。
f3dBは緩和振動周波数frの約1.55倍に相当する。従って、frを改善することはf3dBを増加させる目安となる。この緩和振動は誘導放出を介してキャリア及び光子密度が変動することにより発生するものであり、frは次式(1)で示される。
2つ目に高速化は、(b)光出力を増加することにより実現される。これは光子密度を増加させることであり、高出力レーザを作製することを意味する。しかしながら、高速性を保ちつつ高出力レーザを作製することは困難である。
3つ目に高速化は、(c)微分利得を改善することにより実現される。微分利得はキャリア密度が低いほど高くなる。従って、閾値電流を減少させることにより微分利得が改善される。
損失の低減はAR膜とHR膜の反射率を上げることにより実現される。この中でAR膜の反射率を上げる方法は、AR膜の反射率を上げるとDFBレーザの光特性を悪くすることから、現実的ではない。従って、HR膜の反射率の上げる方法が、閾値電流低減の有効な手段となる。
これまで、レーザ端面に備えるHR膜の低屈折率膜と高屈折率膜のペア膜数を増加させ、3ペア膜とすることによって、約90%の高反射率が得られている。
誘電体多層膜から成る高反射膜を端面に備えた透明ブロックとを有し、
且つ、前記半導体レーザに備えた前記高反射膜に前記透明ブロックに備えた前記高反射膜を接触させて成る高反射膜構造を有していることを特徴とする。
一方の端面に低屈折率膜と高屈折率膜のペア膜を少なくとも1ペア有する構造の誘電体多層膜から成る高反射膜を備えた透明ブロックとを有し、
且つ、前記半導体レーザに備えた前記高反射膜に前記透明ブロックに備えた前記高反射膜を接触させて成る高反射膜構造を有していることを特徴とする。
前記透明ブロックの他方の端面に反射防止膜を備えたことを特徴とする。
これに対して、本発明の半導体レーザ素子では、透明ブロックの一方の端面において、高反射膜と透明ブロックの間に低屈折率調整膜を備えたことを特徴としているため、空気から透明ブロックに代わることによる反射率の低下を、低屈折率調整膜によって抑制することができる。このため、例えば90%以上の高反射率を実現し、高速変調のリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子などを提供することができる。
また、このような高反射膜構造の導入により、閾値電流が減少し、変調帯域が改善される。また、反射防止膜から出射される出力が増加する。その結果、光ファイバとの結合係数を上げなくても光結合が充分にとれることから、光ファイバの調整トレランスが緩く、モジュールの歩留まりが向上する。
また、2はi-InGaAlAs(0.95μm組成)第1のSCH層、3はi-InGaAlAs(0.95μm組成)第2のSCH層、4はn-InAlAsキャリアストップ層、5はp-InAlAsキャリアストップ層、6はn-InPバッファー層である。7はInGaAsP(1.1μm組成)光ガイド層であり、この光ガイド層7は回折格子により動的単一モードの動作が実現される。8はp-InPクラッド層、9はp+-InGaAsPキャップ層、10はn-InP基板、12はp電極、13はn電極、14はAR膜、16はAuSnハンダ、17はAlNヒートシンク 、18は前述のHR膜構造である。19は前述のInPブロック(透明ブロック)、20はAR膜、21はAuコーティング膜である。
この場合、HR膜近傍の構造は、InP結晶/SiO2低屈折率膜18a/TiO2高屈折率膜18b/SiO2低屈折率膜18a/TiO2高屈折率膜18b/SiO2低屈折率膜18a/TiO2高屈折率膜18b/空気の構造(構造1)であり、この構造1で約92%の高反射特性(λ0=1310nm)を持つ。
本発明による構造2の反射率の波長依存性の計算結果を図3に示す。反射率はDFBレーザ30の発振波長の1310nmで約99%となり、高反射特性が得られている。
また、本発明によるコーティング膜付きInPブロック19を搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子22の小信号高速周波数特性を測定した。その結果、3dBダウンの周波数は25℃常温で30GHzが得られ、広帯域特性が得られた。
また、このような高反射膜構造18の導入により、閾値電流が減少し、変調帯域が改善される。また、AR膜から出射される出力が増加する。その結果、光ファイバとの結合係数を上げなくても光結合が充分にとれることから、光ファイバの調整トレランスが緩く、モジュールの歩留まりが向上する。
2 i-InGaAlAs(0.95μm組成)第1のSCH層
3 i-InGaAlAs(0.95μm組成)第2のSCH層
4 n-InAlAsキャリアストップ層
5 p-InAlAsキャリアストップ層
6 n-InPバッファー層
7 InGaAsP(1.1μm組成)光ガイド層
8 p-InPクラッド層
9 p+-InGaAsPキャップ層
10 n-InP基板
11 SiNx絶縁膜
12 p電極
13 n電極
14 AR膜
14a TiO2高屈折率膜
14b SiO2低屈折率膜
15 HR膜
15a SiO2低屈折率膜
15b TiO2高屈折率膜
16 AuSnハンダ
17 AlNヒートシンク
18 HR膜構造
18A DFBレーザのHR膜
18B InPブロックのHR膜
18a SiO2低屈折率膜
18b TiO2高屈折率膜
18c SiO2低屈折率調整膜
19 コーティング膜付きInPブロック
20 AR膜
20a TiO2高屈折率膜
20b SiO2低屈折率膜
21 Auコーティング膜
22 本発明によるコーティング膜付きInPブロックを搭載したリッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子
23 受光素子
24 プリアンプ
25 Wavelength division multiplexing (WDM)フィルタ
26 ボールレンズ
27 シングルモード光ファイバ
30 リッジ型InGaAlAs系DFBレーザ素子
Claims (5)
- 誘電体多層膜から成る高反射膜を、少なくとも一方の端面に備えた半導体レーザと、
誘電体多層膜から成る高反射膜を端面に備えた透明ブロックとを有し、
且つ、前記半導体レーザに備えた前記高反射膜に前記透明ブロックに備えた前記高反射膜を接触させて成る高反射膜構造を有していることを特徴とする半導体レーザ素子。 - 一方の端面に反射防止膜を備え、他方の端面に低屈折率膜と高屈折率膜のペア膜を少なくとも1ペア有する構造の誘電体多層膜から成る高反射膜を備えたDFBレーザと、
一方の端面に低屈折率膜と高屈折率膜のペア膜を少なくとも1ペア有する構造の誘電体多層膜から成る高反射膜を備えた透明ブロックとを有し、
且つ、前記半導体レーザに備えた前記高反射膜に前記透明ブロックに備えた前記高反射膜を接触させて成る高反射膜構造を有していることを特徴とする半導体レーザ素子。 - 前記透明ブロックの一方の端面において、前記高反射膜と前記透明ブロックの間に低屈折率調整膜を備えたことを特徴とする請求項2記載の半導体レーザ素子。
- 前記半導体レーザに備えた前記高反射膜に前記透明ブロックに備えた前記高反射膜を接触させて成る前記高反射膜構造は、前記低屈折率膜と前記高屈折率膜のペア膜を4ペア以上有して成るものであることを特徴とする請求項2又は3記載の半導体レーザ素子。
- 前記透明ブロックの他方の端面に反射防止膜を備えたことを特徴とする請求項2〜4の何れか1項記載の半導体レーザ素子。
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JP2010080749A JP2011216534A (ja) | 2010-03-31 | 2010-03-31 | 半導体レーザ素子 |
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JP2018006396A (ja) * | 2016-06-28 | 2018-01-11 | ウシオ電機株式会社 | 半導体レーザ素子および半導体レーザ装置 |
CN115395364A (zh) * | 2022-08-31 | 2022-11-25 | 武汉云岭光电有限公司 | 半导体激光器及其制备方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003031900A (ja) * | 2001-05-11 | 2003-01-31 | Furukawa Electric Co Ltd:The | 半導体レーザ装置、半導体レーザモジュールおよびこれを用いたラマン増幅器 |
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