JPH1133040A - 歯科用磁性アタッチメントのキーパー - Google Patents

歯科用磁性アタッチメントのキーパー

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JPH1133040A
JPH1133040A JP21138197A JP21138197A JPH1133040A JP H1133040 A JPH1133040 A JP H1133040A JP 21138197 A JP21138197 A JP 21138197A JP 21138197 A JP21138197 A JP 21138197A JP H1133040 A JPH1133040 A JP H1133040A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キーパーの根面板への着脱が可能であって、
長期間にわたる咀嚼等によってキーパーと根面板とが分
離することがなく、MRI診断時等に根面板からキーパ
ーの取り外し、および、撮像後の再合着が容易な歯科用
磁性アタッチメントのキーパーを提供する。 【解決手段】 磁石構造体との吸着面を除いた磁性ステ
ンレス鋼製のキーパーの表面に、少なくとも超低密度ポ
リエチレンにカルボン酸がグラフト反応により導入され
てなる金属接着性ポリオレフィンを含む熱可塑性合成樹
脂被覆が施されてなることを特徴とする。該キーパーと
根面板とは、アクリル系またはコンポジット系のレジン
セメントまたは歯科用充填材によって接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、歯科用磁性アタ
ッチメントのキーパーに関するものである。さらに詳し
くは、この発明は、全部床義歯及び部分床義歯等の可撤
性義歯に用いる歯科用磁性アタッチメントのキーパーに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】歯の欠損等が生じると、咀嚼等に支障が
生じたり、発音が不良となったり、顔貌等の審美性が損
なわれたり、ひいては、消化不良等の胃腸障害を始め、
身体の健康に悪影響を及ぼしたりすることになる。歯の
欠損等に対しては、義歯を装着することにより、咀嚼、
発音機能を回復させることができ、顔貌等の審美性を改
善させることができ、さらには、健康維持に資すること
ができることになる。良好な咀嚼を行わせるには、義歯
を安定した状態において装着・使用できるようにするこ
とが肝要である。
【0003】義歯は、維持装置によって残存歯に維持・
安定するようになっている。部分床義歯の維持装置とし
ては、クラスプ、アタッチメント、テレスコープ・クラ
ウンに大別することができる。クラスプとは、残存歯に
取付ける金属等からなる維持装置である。クラスプは、
製造が比較的簡単であってしかも各種の形状を採用する
ことができることから、症例に応じた製造ができ、汎用
的であって広く使用されている。しかしながら、クラス
プは、健全な残存歯の歯面に接触して使用されることか
ら、歯の表面のエナメル質を傷つけることもあり、ま
た、形態的に食渣を停滞させ易い。これは、日常的に歯
面のブラッシングを行って取り除くことが必要であり、
これを怠るとう蝕を発生させることになる。また、クラ
スプでは、残存歯に対する着力点が比較的高くなるた
め、咀嚼時等において、残存歯に過大な側方力や回転力
が掛かることになり、残存歯の歯周組織の負担能力を越
えると、歯周組織を損傷することになる。さらに、歯面
を金属が覆うことになるため、審美的にも極めて不十分
なものであり、患者が義歯を嫌がる最も大きな原因とも
なっている。
【0004】クラスプのような欠点のない維持装置とし
てアタッチメントとテレスコープ・クラウンが使用され
ている。アタッチメントとしては、例えば、雌部(フィ
メール)と雄部(メール)とで嵌合する滑動型アタッチ
メント、ボール・ソケット・ヒンジを有する蝶番型アタ
ッチメント、ダルボ型として有名なジョイントタイプの
関節型アタッチメント、ドルダーバー、アッカーマンと
呼ばれる固定バー型アタッチメント等各種のものがあ
る。また、テレスコープ・クラウンとしては、コーヌス
クローネテレスコープが確立された技術として存在して
いる。
【0005】しかしながら、これらのアタッチメント
は、その製作が複雑である。人の咀嚼時の咬合力は、平
均すると78kgもあるといわれており、咀嚼時の咬合
圧によってアタッチメント本体の破損や、アタッチメン
トを取り付ける残存歯の損傷に至り易い。また、テレス
コープ・クラウンでは、内冠と外冠との適合精度がよい
場合は維持装置として優れた性能を有しているが、良好
な適合精度を確保するには熟練を要し、しかも、テレス
コープ・クラウンを製造するための専用機器が必要とな
ることから、高価となり一般的とはいい難い。そして、
内冠と外冠との適合精度が悪いまま口腔内に装着される
と、義歯の脱落を招くことになる。近年、アタッチメン
トとして、図5に示すような磁石構造体(21)とキー
パー(22)とからなる磁性アタッチメント(23)が
開発され、急速に普及してきている。前記磁石構造体
(21)は永久磁石を内臓したものであって、接合面
(21a)を露出するようにして義歯床(24a)に埋
設固定されており、支台歯(25)に埋設固定された根
面板(26)に設けられた軟磁性材料からなるキーパー
(22)の吸着面(22a)に前記接合面(21a)を
磁気的に吸着させて固定するようになっている。磁石構
造体(21)は、キーパー(22)に対し垂直方向には
非常に強い磁力で吸引するが、キーパー(22)の表面
とその接合面(21a)とに平行な力、すなわち、義歯
(24)に側方力が働いたときは、比較的弱い力で離脱
することになることから、側方力による支台歯(25)
や歯根膜(27)への悪影響が少ない。また、キーパー
(22)と磁石構造体(21)との接合構造は、方向性
に関する制限が全くないことからテレスコープ・クラウ
ンほどの高精度を要求されず、その製作が容易でもあ
る。そして、磁性アタッチメント(23)は、義歯の着
脱が簡便で取り扱いやすく、審美的にも極めて良好なも
のである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】磁石構造体は、義歯床
に、例えば、金属接着性プライマー(例えば、GCメタ
ルプライマーII)と常温重合レジン(例えば、GCユ
ニファストII)によって接着されるが、キーパーは、
通常、磁性ステンレス鋼からなり、鋳接法により金銀パ
ラジウム合金等の歯科用合金からなる根面板の鋳造時に
根面板と一体化される。このような鋳接法によって形成
されたキーパー付き根面板は、支台歯への装着後の安定
性に優れるものであるが、この鋳接操作は通常1,00
0℃程度の高温において行われることから、磁性ステン
レス鋼からなるキーパー表面が容易に酸化され酸化被膜
を形成することになる。この酸化被覆のうち、キーパー
の磁石構造体との吸着面に形成された酸化被膜は、酸
浴、サンドブラスト処理、バフ研磨等によって除去する
ことが可能であり、その後不動態被膜を形成することに
なるが、メーカーで作製された鏡面仕上げと同等な平面
精度とするには熟練を要する上に困難なことであり、酸
化被膜の不十分な除去では、キーパーの吸着面の面荒れ
を引き起こし、磁石構造体との密着性が不十分となって
磁気回路を乱すことになり、磁気アタッチメントの維持
力低下の一因ともなる。
【0007】一方、歯科用合金との境界部に形成された
酸化被膜の除去は不可能であり、キーパー付き根面板が
口腔内に装着されると、口腔内環境下で唾液等による化
学的作用を受けることになる。歯科用合金は、通常金銀
パラジウム合金などの非腐食性合金が使用されているこ
とから、口腔内環境下で根面板は唾液等による化学的作
用を受けないものの、キーパーの酸化被膜は容易に崩壊
し、ついには隙間腐食よるキーパーの破壊に至ることも
ある。この場合、キーパーが根面板と分離し脱落する可
能性も生じるが、そこ迄進行しなくても、磁性アタッチ
メントの吸引力は大幅に減少することになる。
【0008】磁性ステンレス鋼からなるキーパーは、鋳
接時に冷やし金の作用をすることから、この部分の熱を
放散しやすいためにキーパー辺縁で鋳造欠陥を引き起こ
しやすく、良好なキーパー付き根面板を得るには熟練を
要する。そして、このような鋳接操作は、歯科技工操作
としては余り一般的でないことから、鋳接操作ミスを起
こしやすくトラブルの原因ともなりやすい。
【0009】キーパーは磁性ステンレス鋼であることか
ら、MRI(Magnetic Resonance
Imaging)診断時に、その周囲の画像を乱すこと
が知られている。脳頭蓋内のMRI診断には口腔内のキ
ーパーの影響は殆ど無いことが確認されてはおり、ま
た、口腔内疾患で実際にMRI診断を必要とする場合は
少ないものの、交通事故等による頭部損傷の場合等にお
いてはMRI診断の為にキーパーの一時取り外しも必要
となる可能性は否定できない。その様な場合、根面板か
らキーパーのみをエアタービンで削除し、MRI診断
後、キーパーを金属接着性レジンを用いて根面板に再接
着する方法が推奨されている。しかしながら、このよう
な方法によるキーパーの取り外しは、口腔内でステンレ
ス鋼を切削するため、術者と患者双方に大きな負担を強
いるものであり好ましいものとはいえない。また、再接
着によるキーパーと根面板との接着においては、再接着
するキーパーの位置が当初のそれと必ずしも合致するこ
とにはならず、その様な状態でのキーパーの根面板への
再接着によっては、キーパー吸着面と義歯床に埋設され
た磁石構造体の接合面との密着性が不十分な場合が発生
する。このような場合、磁性アタッチメントの機能が半
減することになる。
【0010】また、磁性アタッチメント義歯は患者自身
による着脱操作や清掃が極めて容易なことから、寝たき
り老人等にとっても有用な義歯である。磁性アタッチメ
ント義歯の製作は、通常の補綴物の製作に比較して容易
であるとは云え、ベッドサイドでの治療のような条件下
では、支台歯の形成、印象採得、支台歯へのキーパー付
き根面板の合着等の操作は容易とはいえない。
【0011】初期の磁性アタッチメントにおいては、支
台歯に嵌合孔を設け、該嵌合孔にキーパー下面に突出し
たピンを嵌合させ、歯科用アマルガムや常温重合レジン
等を用いてキーパーを直接支台歯に接着固定する方法も
行われている。歯科用アマルガムは、磁性ステンレス鋼
からなるキーパーとの接着性が乏しいことから、これに
よるキーパーの支台歯への固定は困難である。磁性アタ
ッチメントにおいては、口腔内で磁石構造体の接合面が
キーパーの吸着面に密着することが必要であるが、歯科
用アマルガムをキーパーの吸着面にまで盛って支台歯へ
のキーパーの接着を補強すると、磁石構造体とキーパー
との吸着力が損なわれ、磁性アタッチメントの機能が発
揮できないことになる。また、キーパーと支台歯とを常
温重合レジンによって接着させるには、キーパーをプラ
イマー処理することが必要であるが、良好で均一なプラ
イマー処理を安定して行うには熟練を要することから、
臨床現場でのトラブルが多発しやすい傾向にある。
【0012】この発明は、上記のような実情に鑑み鋭意
研究の結果創案されたものであり、鋳接法によるキーパ
ー付き根面板のようにキーパーの表面の酸化被膜の形成
がなく、また、磁性ステンレス鋼本来の耐食性を損なう
ことがなく、キーパーの根面板への着脱が可能であっ
て、長期間にわたる咀嚼等によってキーパーと根面板と
が分離することがなく、MRI診断時等において根面板
からのキーパーの取り外し、および、撮像後の再合着が
容易な歯科用磁性アタッチメントのキーパーを提供する
ことを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明は磁性アタッチメントのキーパーを根面板
に固定するのに、鋳接法に代え、レジンセメントまたは
歯科用充填材を用いて根面板に固定するものである。そ
のため、この発明の歯科用磁性アタッチメントのキーパ
ーは、磁石構造体との吸着面を除いたキーパーの表面
に、少なくとも金属接着性ポリオレフィンを含む熱可塑
性合成樹脂被覆が施されてなることを特徴とする。
【0014】前記熱可塑性合成樹脂被覆は、アクリル系
またはコンポジット系のレジンセメントまたは歯科用充
填材との接着性が良好なことから、根面板と前記キーパ
ーの熱可塑性合成樹脂被覆との間に前記レジンセメント
または歯科用充填材を用いるだけで、根面板に前記キー
パーを容易かつ確実に接着することができる。しかも、
接着に先立ち、サンドブラスト処理や、プライマー塗布
等の処理を行わなくても良好な接着性を示し、しかも、
長期間にわたる咀嚼等による口腔内での使用によっても
キーパーと根面板との接着が劣化せず、キーパーと根面
板とが分離することがない。そして、MRI診断時等に
おいて、根面板から前記キーパーを取り外すことが必要
な場合には、根面板と前記キーパーの熱可塑性合成樹脂
被覆との間のレジンセメントまたは歯科用充填材を破壊
するだけでよく、また、撮像後、取り外したキーパーの
根面板への再合着は、再度、レジンセメントまたは歯科
用充填材を用いて容易に行うことが可能で、術者と患者
の負担は小さいものである。
【0015】キーパーとしては、磁性ステンレス鋼に例
示される軟磁性金属材料を採用すればよく、メーカーで
鏡面仕上げされた平面精度の良好なものをそのまま使用
することができる。
【0016】熱可塑性合成樹脂中の金属接着性ポリオレ
フィンによってキーパーに熱可塑性合成樹脂被覆が接着
固定される。金属接着性ポリオレフィンとしては、超低
密度ポリエチレンにカルボン酸がグラフト反応により導
入されてなるものであることが好ましい。この金属接着
性ポリオレフィンとキーパーとの接着機構ははっきりし
ていないが、グラフト反応により導入されたカルボン酸
とキーパーの表面の不動態被膜や収着水分中の−OH基
等と化学結合または水素結合を引き起こすことによるも
のと考えられる。前記熱可塑性合成樹脂被覆はキーパー
の磁石構造体との吸着面を除いた全ての面に設けること
が好ましいが、これに限られるものではない。磁石構造
体との吸着面を除いた面に前記熱可塑性合成樹脂被覆を
設けるには、射出成型および圧縮成型を採用することが
できる。前記熱可塑性合成樹脂被覆はキーパーを根面板
にアクリル系またはコンポジット系のレジンセメントま
たは歯科用充填材によって接着するに充分であればよい
ことから、その厚さは特に限定されるものではない。
【0017】ところで、例えば、磁性アタッチメントを
使用した部分床義歯において、咀嚼時に義歯にかかる咀
嚼力による負荷圧力は、磁性アタッチメントを用いた維
持装置のある部分では、支台歯の根面板を介し歯根膜組
織に伝達され、歯根膜組織の圧受容器の求心性インパル
スによって反射的にうまくコントロールされる。この
時、歯根膜組織は、咀嚼力による垂直圧によって最大約
100〜200μm圧入することになる。これに対し、
粘膜支持される部分では、咀嚼力による負荷圧力が義歯
床下粘膜組織を介して歯槽骨に及び、その負荷のかかっ
た粘膜組織は多いときには約1000μmも圧縮され
る。この部分の負荷圧力のコントロールは粘膜内の痛覚
受容器のインパルスによって行われるものと考えられ、
負荷圧力に対する圧負担の限度は必ずしも無害の範囲に
留まらない。このように、維持装置のある歯根膜組織の
垂直的沈下量は義歯床下粘膜組織の約5分の1から約1
0分の1となり、支台歯と粘膜の両者が荷重を分担する
いわゆる遊離端義歯の場合は支台歯の歯根膜と粘膜にお
ける適切な荷重配分が極めて重要で、かつ難しいものと
なる。
【0018】このように、歯根膜と粘膜とでは咀嚼力を
受けたときの応答、すなわち、沈下量のオーダーが違う
ため、例えば、近心に維持装置がある遊離端義歯の近心
部に咀嚼力が加わると、咀嚼力の大部分は維持装置を介
して歯根膜に伝達され、咀嚼部位が維持装置から離れて
遠心に向かうにつれて粘膜支持の度合が増し、ある程度
の義歯床の沈下によって粘膜組織による支持力が生ず
る。したがって、義歯床下粘膜組織はこの場合に全体に
わたって均等な圧負担をしていないし、それだけに維持
装置を介して支台歯の歯根膜に荷重負担が片寄ることに
なる。その結果、負担過荷重による歯周組織の破壊が起
こったり、支台歯の歯根膜への有害なテコの作用が増
し、貴重な支台歯を喪失する原因となり易い。
【0019】この発明の歯科用磁性アタッチメントのキ
ーパーを用いると、磁石構造体との吸着面を除いたキー
パーの表面に施されてなる少なくとも金属接着性ポリオ
レフィンを含む熱可塑性合成樹脂被覆が衝撃吸収材とし
て機能し、咀嚼等による咬合圧を緩衝することなり、キ
ーパーの前記熱可塑性合成樹脂被覆が咀嚼力に対して歯
根膜の沈下量を補うかたちで弾性変形し、全体として義
歯床下粘膜組織と同等の沈下量にすることができ、咀嚼
力による負荷圧力の偏在による支台歯や粘膜の破壊を防
ぎ、支台歯の歯根膜へのテコ作用が及ぶのを軽減し、咬
合のバランスを保ちつつ、咀嚼感も良好であって、長期
間にわたる使用が可能ともなる。このように、前記熱可
塑性合成樹脂被覆によって、咬合圧を緩和させるように
する場合には、前記熱可塑性合成樹脂被覆の厚さを咬合
圧を緩和させるに適した厚さとなるように設定すればよ
い。
【0020】歯根膜は、粘弾性体であって、一般に10
7 〜108 dyne/cm2 (ミューレマンの研究によ
ると3.9×108 dyne/cm2 、Ast,D.等
の研究によると0.23〜0.43×108 dyne/
cm2 )程度の弾性係数を有すると考えられており、前
記した熱可塑性合成樹脂では、粘膜と同等の沈下量を得
ることができない場合は、可塑剤を添加することも可能
である。
【0021】可塑剤としては、フタル酸エステル系、脂
肪族二塩基酸エステル系、リン酸エステル系、エポキシ
系、脂肪酸エステル系等の可塑剤が採用できる。フタル
酸エステル系としては、フタル酸ジメチル、フタル酸ジ
エチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸ジ−n−オ
クチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジ
イソオクチル、フタル酸n−オクチル、フタル酸n−デ
シル、フタル酸ジ−n−デシル、フタル酸ジイソデシ
ル、フタル酸ジ−n−ドデシル、フタル酸ジイソトリデ
シル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸ブチルベン
ジル、イソフタル酸ジ2エチルヘキシル等が採用でき
る。脂肪族二塩基酸エステル系としては、アジピン酸ジ
−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジ−n−デシル、ア
ジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジ(メチルシクロヘ
キシル)、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エ
チルヘキシル等が採用できる。リン酸エステル系として
は、リン酸トリブチル、リン酸トリ−2−エチルヘキシ
ル、リン酸2エチルヘキシル、リン酸2ジフェニル、リ
ン酸トリクレジル等が採用できる。エポキシ系として
は、エポキシ化大豆油、エポキシ化トール油脂肪酸2エ
チルヘキシル等が採用できる。脂肪酸エステル系として
は、ステアリン酸ブチル、オレイン酸ブチル、アセチル
化リシノール酸メチル等が採用できる。その可塑剤の前
記熱可塑性合成樹脂への添加量としては、60%以下で
あることが望ましい。可塑剤の添加量が60%を超える
と、前記熱可塑性合成樹脂が塑性変形を起こし、衝撃吸
収能力が劣化することから好ましくない。また、前記熱
可塑性合成樹脂に、助剤、安定化剤等を添加してもよ
い。
【0022】前記熱可塑性合成樹脂としては金属接着性
ポリオレフィン単独であっても、または、金属接着性ポ
リオレフィンを含むポリマーブレンドであってもよい。
熱可塑性合成樹脂として、金属接着性ポリオレフィン単
独の場合は、成型後の離型性を良好にするため、金型に
離型剤を塗布することが好ましい。また、成型時のひけ
を防止するためには、成型速度を低くするようにすれば
よい。ポリマーブレンドからなるものを使用する場合、
金属接着性ポリオレフィン以外の熱可塑性合成樹脂とし
ては、高圧低密度ポリエチレン(HPLDPE)、超低
密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエ
チレン(LLDPE)等の軟質ポリエチレン、中密度ポ
リエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDP
E)、エチレンビニルアルコール共重合体(PVO
H)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ
プロピレン(PP)、エチレン系イオノマー等が採用で
きる。金属接着性ポリオレフィン以外のこれらの熱可塑
性合成樹脂は、金属接着性ポリオレフィンに対し1種ま
たは2種以上をポリマーブレンドすることができる。ポ
リマーブレンドにおける熱可塑性合成樹脂の組合せは、
金属接着性ポリオレフィンのキーパーとの接着性を疎外
しないものであって、樹脂相互の相溶性、混和性を考慮
し、弾性等の機械的特性、生体適合性、離型性、ひけ防
止性等の成型加工性、製造コスト等を勘案の上決定す
る。その混合割合は、キーパーとの接着性が十分確保で
きる範囲を選定することが必要である。金属接着性ポリ
オレフィンと他の熱可塑性合成樹脂とをポリマーブレン
ドして使用する場合、金属接着性ポリオレフィンが熱可
塑性合成樹脂100重量部中5.6重量部以上であるこ
とがキーパーとの十分な接着力を得る上で好ましい。金
属接着性ポリオレフィンが熱可塑性合成樹脂100重量
部中5.6重量部未満では、キーパーとの接着力が劣る
ことになり好ましくない。
【0023】ポリマーブレンドとしては、金属接着性ポ
リオレフィン、EVA、軟質ポリオレフィンを組合せる
ことが、キーパーとの接着性が十分であって、離型剤を
使用しなくても成型が可能であり、成型加工性が良好で
あることから好ましい。この場合、ポリマーブレンドと
しては、金属接着性ポリオレフィン5〜55重量部、E
VA55〜25重量部、軟質ポリエチレン10〜35重
量部の配合割合が適当である。金属接着性ポリオレフィ
ンが5重量部未満では、キーパーとの接着力が不十分と
なって好ましくなく、55重量部を超えると、キーパー
との接着力は十分なものの成型時に離型剤を使用するこ
とが必要となってくる。この場合において、金属接着性
ポリオレフィンが5重量部以上10重量部未満まではキ
ーパーとの接着力が有りかつ離型性が特に良好であり、
10重量部以上30重量部未満まではキーパーとの接着
力が有り、離型性と成型加工性が特に良好であり、30
重量部以上ではキーパーとの接着性、離型性、成型加工
性のバランスを図ることができる。このうち、最も好ま
しい配合割合は、金属接着性ポリオレフィン30重量
部、EVA45重量部、軟質ポリエチレン25重量部で
ある。
【0024】ポリマーブレンドには、溶融による物理ブ
レンド法、リアクティブプロセッシング法等各種の方法
が採用できるが、溶融による物理ブレンド法が、均一な
分散の点から好ましい。溶融による物理ブレンドにおい
ては、ブレンドする熱可塑性合成樹脂の軟化温度、溶融
粘度等が接近している場合は、単軸スクリュー押出機等
を用いるのが好ましく、軟化温度の差が大きく、溶融粘
度も大きく異なる場合は、2軸スクリュー押出機を用い
るのが好ましい。ポリマーブレンドされ押出機から押し
出された材料は、ペレットの状態にして押出成型に供す
る。このようなポリマーブレンドによれば、高価な金属
接着性ポリオレフィンの使用量を少なくすることがで
き、より安価な歯科用磁性アタッチメントのキーパーを
提供することができることになる。
【0025】本発明の歯科用磁性アタッチメントのキー
パーを製造するには、前処理工程としてキーパーを脱脂
し、表面を清浄することが好ましい。脱脂剤としては、
メチルアルコール、エチルアルコール、非イオン性界面
活性剤を使用することができる。とりわけ、エチルアル
コールが望ましい。通常ステンレスの表面を清浄にする
ために用いられるトリクロルエチレン等の有害な有機溶
媒は使用する必要がない。従って、製造に当たっては、
キーパー表面を脱脂して清浄し、成型に供するだけでよ
いことから、作業も安全でかつ容易であり、製造コスト
を上昇させることがない。また、成型温度、成型時間、
成型圧力は、成型方法および使用する金属接着性ポリオ
レフィンおよび/またはポリマーブレンドする熱可塑性
合成樹脂に依存するものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示し、さらに
詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は
以下の実施の形態によって限定されるものではない。図
1は、この発明のキーパー(1)を使用した歯科用磁性
アタッチメント(2)の一例を示し、キーパー(1)に
磁石構造体(3)を磁気吸着させる直前の状態である。
この例では、歯科用磁性アタッチメント(2)は下顎小
臼歯に用いられたものとして示されている。図1に示さ
れるように、磁性ステンレス鋼からなるキーパー(1)
は、少なくとも磁石構造体(3)との吸着面(1a)が
鏡面仕上げされ、該吸着面(1a)を除いた面に、少な
くとも金属接着性ポリオレフィンからなる熱可塑性合成
樹脂被覆(4)が設けられている。そして、支台歯
(5)に形成された根面板(6)の凹部に、アクリル系
またはコンポジット系のレジンセメントまたは歯科用充
填材(図示せず)によって接着・固定されている。
【0027】磁石構造体(3)は接合面(3a)を露出
するようにして義歯床(7)に埋設され、アクリル系ま
たはコンポジット系のレジンセメントまたは常温重合レ
ジン(図示せず)によって固定されており、義歯(8)
の口腔内への装着は、磁石構造体(3)の接合面(3
a)をキーパー(1)の吸着面(1a)に接合させ、磁
石構造体(3)とキーパー(1)とを磁気的に吸着させ
て行えばよい。
【0028】キーパー(1)と前記樹脂被覆(4)との
接着は、樹脂被覆(4)が少なくとも金属接着性ポリオ
レフィンを含有することから、キーパー(1)の磁性ス
テンレス鋼の表面の不動態被膜や収着水分中の−OH基
等と金属接着性ポリオレフィンのグラフト反応により導
入されたカルボン酸と化学結合または水素結合を引き起
こすことによるものと考えられる。
【0029】そして、前記熱可塑性合成樹脂は、アクリ
ル系またはコンポジット系のレジンセメントまたは歯科
用充填材との接着性が良好なことから、キーパー(1)
に施した樹脂被覆(4)と根面板(6)との間に前記レ
ジンセメントまたは歯科用充填材を用いるだけで、根面
板(6)にキーパー(1)を容易かつ確実に接着・固定
することができる。この操作は、通常の歯科治療操作に
類似した操作によって行うことができることから熟練を
要することがない。また、MRI診断時等において、根
面板(6)からキーパー(1)を取り外すことが必要な
場合には、キーパー(1)と樹脂被覆(4)との間の接
着力が樹脂被覆(4)とレジンセメントまたは歯科用充
填材との接着力より良好なことから、根面板(6)とキ
ーパー(1)の熱可塑性樹脂の樹脂被覆(4)との間の
レジンセメントまたは歯科用充填材を破壊するだけで、
キーパー(1)と根面板(6)とを分離することがで
き、また、撮像後、取り外したキーパー(1)の根面板
(6)への再合着は、再度、レジンセメントまたは歯科
用充填材を用いて行えばよく、口腔内において容易に行
うことができる。
【0030】キーパー(1)としては、図1、図3に示
された形状のものに限られず、図2、図4に示されるよ
うに断面台形の逆テーパ形状であってもよいものであ
る。ここで使用される根面板(6)は、歯科用アマルガ
ムまたは支台築造用コンポジットレジンを用いて歯科臨
床操作に類似した操作によって支台歯(5)に形成させ
ることができる利点がある。また、根面板(6)に歯科
用アマルガムまたは支台築造用コンポジットレジンを用
いる場合、根面板(6)としては、図1、図2に示され
るような合釘(6a)を有するものに限られず、図3、
図4に示されるように、短い突起(6b)を設けた根面
板(6)を支台歯(5)に固定するようにしてもよいも
のである。なお、図2〜図4においては、図1と同一の
ものには同一番号を付し詳細な説明は省略する。
【0031】
【実施例】次に実施例を示し、さらに詳しく説明する。 (実施例1)キーパーの被覆として、超低密度ポリエチ
レンにカルボン酸がグラフト反応により導入されてなる
金属接着性ポリオレフィン(商品名;アドマー グレー
ドXE−070:三井石油化学工業(株)製)30重量
部、EVA(商品名;EVAFLEX P−1407:
三井デュポンケミカル(株)製)45重量部、軟質ポリ
エチレン(商品名;ULTZEX 20200J:三井
石油化学工業(株)製)25重量部を、230℃、2時
間30分間溶融して混練し、ポリマーブレンドとしたも
のを用いた。キーパーとして、磁性ステンレス鋼(AU
M20;SUS444相当:愛知製鋼(株)製)を使用
した。該キーパーの表面をエチルアルコールによって脱
脂した後、金型内に設置し、成型温度180℃、成型時
間10秒にて前記ポリマーブレンドを押出成型し、キー
パーの吸着面は除いてポリマーブレンドで被覆した。被
覆の厚さは0.3mmとした。
【0032】得られたキーパーを、下顎小臼歯の残存歯
根を支台歯とする3人の患者用の図1に示す形状の根面
板にコンポジット系のレジンセメント(商品名;ビスタ
イトセメント:(株)トクソー製)によって接着・固定
した。患者用の義歯としては、ネオジム−鉄−ボロン系
の希土類磁石を磁性ステンレス鋼(AUM20;SUS
444相当:愛知製鋼(株)製)で被覆した磁石構造体
(商品名;マグフィットEX600:愛知製鋼(株)
製)を用い、通常の義歯作成方法に従って部分床義歯を
それぞれ作成した。
【0033】これをそれぞれ3人の患者に装着し、3ヶ
月間臨床使用した。咬合状態はいずれも良好であり、根
面板からのキーパーの脱落も認められなかった。
【0034】また、得られたキーパーにおけるポリマー
ブレンド被覆の接着性は、以下のようにして接着界面の
破壊の状態を目視にて観察することにより評価した。す
なわち、前記したキーパーを被覆しているのと同一素材
である磁性ステンレス鋼板(SUS444、サイズ;2
5mm×175mm×2mm)の表面をエチルアルコー
ルによって脱脂した後、金型内に設置し、片面に上記ポ
リマーブレンドを180℃、成型時間10秒にて押出成
型し、得られたものを試料とした。ポリマーブレンドの
厚みは、1.2mmとした。試料は5個作製し、ペンチ
で被覆層を引き剥がして、その界面の破壊の状態が、被
覆層の凝集破壊、部分的な凝集破壊、界面剥離の3つの
どれに当たるかを評価したところ、4例が凝集破壊、1
例が部分的な凝集破壊であった。
【0035】(実施例2)被覆として、実施例1の金属
接着性ポリオレフィンを単独使用した。キーパーとして
実施例1と同一の磁性ステンレス鋼を使用し、該キーパ
ーの表面をエチルアルコールによって脱脂した後、金型
内に設置し、成型温度180℃、成型時間20秒にて前
記金属接着性ポリオレフィンを押出成型し、キーパーの
吸着面は除いて金属接着性ポリオレフィンで被覆した。
被覆の厚さは0.3mmである。なお、成型に先立ち、
金型内にフッ素系ノンシリコンタイプ離型剤を塗布し
た。
【0036】得られたキーパーを、下顎小臼歯の残存歯
根を支台歯とする3人の患者用の図1に示す形状の根面
板にコンポジット系のレジンセメント(商品名;パナビ
アEX:クラレ(株)製)によって接着・固定した。患
者用の義歯としては、ネオジム−鉄−ボロン系の希土類
磁石を磁性ステンレス鋼(AUM20;SUS444相
当:愛知製鋼(株)製)で被覆した磁石構造体(商品
名;マグフィットEX600:愛知製鋼(株)製)を用
い、通常の義歯作成方法に従って部分床義歯をそれぞれ
作成した。
【0037】これをそれぞれ3人の患者に装着し、3ヶ
月間臨床使用した。咬合状態はいずれも良好であり、根
面板からのキーパーの脱落も認められなかった。
【0038】また、得られたキーパーにおけるポリマー
被覆の接着性は、実施例1と同様の方法で評価した。試
料は、実施例1で用いたのと同一の磁性ステンレス鋼板
の表面をエチルアルコールによって脱脂した後、金型内
に設置し、片面に上記金属接着性ポリオレフィンを18
0℃、成型時間20秒にて押出成型したものを用いた。
磁性ステンレス鋼のサイズは実施例1と同一とした。金
属接着性ポリオレフィンの厚みは、1.2mmとした。
結果は、5例とも凝集破壊であった。
【0039】
【発明の効果】この発明は、以上詳しく説明したように
構成されているので、以下に記載されるような効果を奏
する。この発明の歯科用磁性アタッチメントのキーパー
は、磁石構造体との吸着面を除いたキーパーの表面に、
少なくとも金属接着性ポリオレフィンを含む熱可塑性合
成樹脂被覆が施されてなるもので、前記熱可塑性合成樹
脂被覆は、アクリル系またはコンポジット系のレジンセ
メントまたは歯科用充填材との接着性が良好なことか
ら、根面板と前記キーパーの熱可塑性合成樹脂被覆との
間に前記レジンセメントまたは歯科用充填材を用いるだ
けで、根面板に前記キーパーを容易かつ確実に接着する
ことができる。この操作は、通常の歯科臨床操作に類似
した操作によって行うことができることから熟練を要す
ることがない。しかも、接着に先立ち、サンドブラスト
処理や、プライマー塗布等の処理を必要としないで、良
好な接着性を示し、しかも、長期間にわたる咀嚼等によ
る口腔内での使用によってもキーパーと根面板との接着
が劣化せず、キーパーと根面板とが分離することがな
い。そして、MRI診断時等において、根面板から前記
キーパーを取り外すことが必要な場合には、根面板と前
記キーパーの熱可塑性合成樹脂被覆との間のレジンセメ
ントまたは歯科用充填材を破壊するだけでよく、また、
撮像後、取り外したキーパーの根面板への再合着は、再
度、レジンセメントまたは歯科用充填材を用いて容易に
行うことが可能で、術者にとって有用であり、寝たきり
老人等を含め広範囲の患者にとっても負担は小さいもの
である。このように、キーパーは繰り返し使用すること
ができることから、鋳接したキーパーをエアタービンに
よって根面板から削除するようなことがなく、安価とな
る。また、取り外したキーパーの根面板への再合着によ
り、取り外し前と同様な状態に容易にでき、キーパーの
吸着面と義歯床に埋設された磁石構造体の接合面との密
着性に支障を生じないことから、咬合を繰り返すことに
よる義歯床からの磁石構造体の脱落の恐れがない。キー
パーと根面板との一体化は従来の鋳接法によらないこと
から、キーパーが磁性ステンレス鋼の場合、キーパー表
面に酸化被膜が形成されない。よって、キーパーの磁石
構造体との吸着面の面荒れが生ずることがなく、磁石構
造体との密着性が充分で磁気アタッチメントの維持力の
低下が生じたり、口腔内での使用によりキーパーと根面
板との間での酸化被膜の隙間腐食が生じたりすることが
ないので、キーパーと根面板との隙間腐食による脱落を
引き起こす恐れがない。また、キーパーと根面板との一
体化を従来の鋳接法によらないことから、キーパーは側
面の維持棒を必要せず術式の大幅な簡略化が可能とな
り、また、製造コストを抑えることが可能となる。そし
て、印象採得、蝋型採得、セメント合着等といった鋳接
法に基づく多くの臨床・技工操作が不要となり、キーパ
ー、および、キーパーの根面板への装着、再装着のコス
トを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のキーパーを使用した歯科用磁性アタ
ッチメントを用いた義歯の説明図である。
【図2】この発明の他のキーパーを使用した歯科用磁性
アタッチメントを用いた義歯の説明図である。
【図3】この発明のさらに他のキーパーを使用した歯科
用磁性アタッチメントを用いた義歯の説明図である。
【図4】この発明のさらに他のキーパーを使用した歯科
用磁性アタッチメントを用いた義歯の説明図である。
【図5】従来の歯科用磁性アタッチメントを用いた義歯
の説明図である。
【符号の説明】
1 キーパー 2 磁性アタッチメント 3 磁石構造体 4 被覆 5 支台歯 6 根面板 7 義歯床 8 義歯

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 永久磁石を備えた磁石構造体に磁気的に
    吸着する歯科用磁性アタッチメントのキーパーにおい
    て、 磁石構造体との吸着面を除いたキーパーの表面に、少な
    くとも金属接着性ポリオレフィンを含む熱可塑性合成樹
    脂被覆が施されてなることを特徴とする歯科用磁性アタ
    ッチメントのキーパー。
  2. 【請求項2】 前記金属接着性ポリオレフィンは、超低
    密度ポリエチレンにカルボン酸がグラフト反応により導
    入されてなるものであることを特徴とする請求項1記載
    の歯科用磁性アタッチメントのキーパー。
  3. 【請求項3】 金属接着性ポリオレフィンが熱可塑性合
    成樹脂100重量部中5.6重量部以上であることを特
    徴とする請求項1または2記載の歯科用磁性アタッチメ
    ントのキーパー。
  4. 【請求項4】 前記熱可塑性合成樹脂が、金属接着性ポ
    リオレフィン5〜55重量部、EVA55〜25重量
    部、軟質ポリエチレン10〜35重量部のポリマーブレ
    ンドからなるものであることを特徴とする請求項1また
    は2記載の歯科用磁性アタッチメントのキーパー。
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