JP2001057988A - 歯牙用装置及びその製造方法 - Google Patents

歯牙用装置及びその製造方法

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JP2001057988A
JP2001057988A JP23533499A JP23533499A JP2001057988A JP 2001057988 A JP2001057988 A JP 2001057988A JP 23533499 A JP23533499 A JP 23533499A JP 23533499 A JP23533499 A JP 23533499A JP 2001057988 A JP2001057988 A JP 2001057988A
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acrylic resin
denture
rubber composition
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Makoto Kameda
誠 亀田
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 下層(13)がシリコーンゴムにより形
成され、中間層(12)がシリコーンゴムとアクリル樹
脂との混合物より形成され、上層(11)がアクリル樹
脂より形成された床部を有することを特徴とする歯牙用
装置。 【効果】 本発明によれば、アクリル樹脂床にシリコー
ンゴム層が強固に密着、裏装された歯牙用装置を簡略化
した操作で得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有床義歯(局部床
義歯及び全部床義歯)、あるいはナイトガード、バイト
プレーン、マウスピース等の顎・口腔保護装置などの歯
牙用装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、歯牙の喪失で入れ歯(有床義歯)
を使用する人が増えているが、不適切な入れ歯では、痛
くて噛めない、口を開けると外れる、入れ歯と歯茎の間
に物が入りやすい、痛くて入れていられない等、入れ歯
に不満をもち、快適な食生活に支障をきたす場合が多
い。
【0003】入れ歯、即ち義歯の維持・安定は、総入れ
歯(全部床義歯、フルデンチャー)では、歯茎と呼ばれ
る粘膜組織が義歯との吸着で維持・安定させるとし、歯
茎に対する適合を重視している。食べる時の咬合力の圧
は、粘膜面に負担する構造である。一方、部分入れ歯
(局部床義歯、パーシャルデンチャー)では、残存歯に
金属のバネと呼ばれる維持装置のクラスプで義歯の維持
・安定がなされており、食べる時の咬合力の負担圧は、
その多くを残存歯がうける構造で、粘膜面と分担してい
る。
【0004】しかしながら、義歯における床材料には、
従来アクリルレジン(アクリル樹脂)が使用されている
が、これらの材料が硬質であるため、義歯床下組織の顎
提粘膜を刺激し、粘膜、歯槽骨の吸収が起こり、疼痛等
の症状を生じ、義歯が不適合になる結果となる。
【0005】このために、従来、軟質裏装材としてシリ
コーン系ペーストを用いることが行われている。裏装と
は、義歯床が粘膜面との不適合で起こる異常に対し、義
歯床の全体又は一部を追補、更新することで、換床法
(リベース)、床裏装(リライニング)のことであり、
義歯の不適合の解消をするものとされている。これは、
粘膜面のクッション材代わりに用いられる。
【0006】即ち、図4は、有床義歯にシリコーン層を
接着した従来の裏装方法を示したもので、1はレジン歯
(人工歯)、2はこのレジン歯1を植設するレジン床
で、アクリルレジン(アクリル樹脂)にて形成されてい
る。3は、このレジン床2裏面に接着されたシリコーン
層であり、この場合、レジン床2とシリコーン層3との
接着はプライマー(シランカップリング剤)を使用して
いる。
【0007】しかしながら、従来のアクリルレジンに対
するシリコーンの接着方法は、シランカップリング剤を
プライマーとして用いた方法であり、この方法では、口
腔内環境が厳しく、使用条件が苛酷なため、長期使用に
耐えず、シリコーン層が剥離してくる問題がある。
【0008】また、このようなシリコーン層で裏装され
た義歯床を得る場合は、予めレジン床2にレジン歯1を
植設するための成型、重合を行い、次いでシリコーン層
3を接着するという2回の製作過程を必要とし、このた
め患者は2度の印象を強いられ、レジン成型物のための
印象とシリコーン層裏装のための印象との少なくとも2
個の印象模型が必要となる。また、レジン成型物に対
し、シリコーン層裏装のためのスペース確保のレジン研
削が必要で、製作過程が複雑になっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情を
改善するためになされたもので、有床義歯、即ち局部床
義歯及び全部床義歯、並びにナイトガード、バイトプレ
ーン、マウスピース等の顎・口腔保護装置などの歯牙用
装置において、シリコーン裏装材層がアクリル樹脂床部
に強固に接着され、長期間の使用に耐える歯牙用装置、
及びかかる歯牙用装置を操作を簡略化して製作すること
ができる歯牙用装置の製造方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するため、下記の歯牙用装置及びその製造方法を提供
する。 請求項1:下層がシリコーンゴムにより形成され、中間
層がシリコーンゴムとアクリル樹脂との混合物より形成
され、上層がアクリル樹脂より形成された床部を有する
ことを特徴とする歯牙用装置。 請求項2:歯牙用装置が義歯床とこれに植設された人工
歯とを有する有床義歯であり、上記義歯床がシリコーン
ゴム下層と、シリコーンゴムとアクリル樹脂との混合中
間層と、アクリル樹脂上層とから形成され、人工歯がア
クリル樹脂上層に植設された請求項1記載の歯牙用装
置。 請求項3:歯牙用装置がナイトガード、バイトプレー
ン、マウスピース等の歯牙被覆保護部とその両下縁部に
それぞれ連接された連接部とを有する顎・口腔保護装置
である請求項1記載の歯牙用装置。 請求項4:シリコーンゴム下層が歯牙もしくは歯肉のア
ンダーカット部又はアンダーゾーン部に係合してこれに
係止される係合部を有する請求項1,2又は3記載の歯
牙用装置。 請求項5:歯科用アクリル樹脂材料層と、歯科用アクリ
ル樹脂材料とシリコーンゴム組成物との混合物層と、シ
リコーンゴム組成物層とを順次積層し、次いでこれら層
を加熱、硬化させて、各層を接着させることを特徴とす
る歯牙用装置の製造方法。 請求項6:歯科用アクリル樹脂材料層と、歯科用アクリ
ル樹脂材料とシリコーンゴム組成物との混合物層と、シ
リコーンゴム組成物層とを順次積層し、次いでこれら層
を加熱、硬化、接着させて、義歯床を得る請求項5記載
の製造方法。 請求項7:シリコーンゴム組成物が、アルケニル基含有
オルガノポリシロキサンと、SiH基含有オルガノハイ
ドロジェンポリシロキサンと、白金系触媒とを含有する
付加反応硬化型シリコーンゴム組成物である請求項5又
は6記載の製造方法。
【0011】本発明者は、上記目的を達成し、アクリル
樹脂層に対しシリコーン裏装材層を強固にしかも簡略化
して接着させる方法について鋭意検討を行った結果、ア
クリル樹脂層とシリコーン裏装材層との間にアクリル樹
脂とシリコーンゴムとの混合層を介装させることが有効
であり、この場合、歯科用アクリル樹脂材料層と、歯科
用アクリル樹脂材料とシリコーンゴム組成物との混合層
と、シリコーンゴム組成物層とを順次積層し、これを加
熱して同時硬化進行させることにより、アクリル樹脂層
とシリコーンゴム層とがアクリル樹脂とシリコーンゴム
との混合層を介して強固に接着一体化した歯牙用装置の
製作に成功したものである。
【0012】即ち、シリコーンゴム組成物としては、付
加反応硬化型シリコーンゴム組成物が接着性、成型性、
安全性等の点で好適であるが、このような加熱によって
硬化するシリコーンゴム組成物を使用すると共に、歯科
用アクリル樹脂材料も加熱重合により硬化するものを使
用し、加熱、硬化を同時進行させることにより、1個の
印象模型を用いるだけで、またレジン研削を必要とせ
ず、上記アクリル樹脂とシリコーンゴムとの混合中間層
を介して、プライマー(シランカップリング剤)を使用
しないでアクリル樹脂層とシリコーンゴム層とが強固に
積層一体化した硬化成型物(歯牙用装置)が得られるこ
とを知見したものである。
【0013】本発明の歯牙用装置は、上述したように、
アクリル樹脂上層とシリコーンゴム下層とがアクリル樹
脂とシリコーンゴムとの混合中間層を介して強固に接着
一体化しているので、長期使用に耐え、シリコーン層が
口腔内でアクリルレジン(アクリル樹脂)や金属との接
着がプライマーとしてシランカップリング剤を用いて行
われていると苛酷な環境と使用条件で剥離し、長期使用
に耐用できないという従来技術を克服し得るものであ
る。また、本発明の歯牙用装置は、プライマー(シラン
カップリング剤)を使用していないので、長期使用して
いる間にプライマーの溶出が生じるという不都合はない
ものである。なお、本発明において、下層とは歯肉乃至
歯茎に接触する層を意味する。
【0014】また、本発明の歯牙用装置の製造方法によ
れば、簡略化された工程、操作で歯牙用装置を得ること
ができるものである。
【0015】
【発明の実施の形態及び実施例】図1は、本発明の一実
施例にかかる入れ歯(有床義歯)を示すもので、この義
歯は、人工歯10が植設されたアクリル樹脂からなる上
層11と、この上層11に接着されたアクリル樹脂とシ
リコーンゴムとの混合物からなる中間層12と、この中
間層12に接着されたシリコーンゴムからなる下層13
とを有するものである。
【0016】このような有床義歯を製造する場合は、印
象模型内で、人工歯に対し歯科用アクリル樹脂材料層
と、歯科用アクリル樹脂材料とシリコーンゴム組成物と
の混合物層と、シリコーンゴム組成物層とを順次積層、
セットし、次いで加熱して上記アクリル樹脂材料、シリ
コーンゴム組成物を硬化させればよい。あるいは、予め
完成された人工歯を埋め込んだアクリル樹脂又はアクリ
ル樹脂材料層に、上記混合物層とシリコーンゴム組成物
層をセット、硬化させるようにしてもよい。この場合、
上記アクリル樹脂材料層、混合物層、シリコーンゴム組
成物層は、それぞれ半硬化物層として積層、セットでき
る。例えば、加熱により重合開始したアクリル樹脂材料
をセットし、次にこれに硬化開始したシリコーンゴム組
成物と重合開始したアクリル樹脂材料との混合物を積
層、セットし、更に硬化開始したシリコーンゴム組成物
を積層、セットし、その後これら材料を同時に加熱し、
硬化を完了させる手法を採用することができる。
【0017】ここで、歯科用アクリル樹脂材料として
は、義歯床などの製作に従来から使用されている材料、
例えばJIS規格の床用レジンなどを使用することがで
きる。
【0018】また、シリコーンゴム組成物としては、有
機過酸化物硬化型のもの、縮合型のもの、紫外線硬化型
のものなどを使用してもよく、上記図1のシリコーンゴ
ム層としては、これら硬化方式により硬化したシリコー
ンゴムにて形成することも可能であるが、本発明におい
ては、シリコーンゴム組成物として付加反応硬化型シリ
コーンゴム組成物を用いることが接着性、成型性、安全
性、取り扱いやすさ等の点で好ましく、シリコーンゴム
層としては、この付加反応硬化型シリコーンゴム組成物
を硬化して得られるシリコーンゴムを用いることが好ま
しい。この付加反応硬化型シリコーンゴム組成物として
は、公知のもの、即ちビニル基等のアルケニル基を分子
中に2個以上有するオルガノポリシロキサンと、ケイ素
原子に結合する水素原子(SiH基)を分子中に2個以
上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと、白
金系触媒等の付加反応触媒とを必須成分とし、更に必要
により、シリカその他の充填剤や歯肉色に着色するため
の色素などを配合したものが用いられる。このシリコー
ンゴム組成物としては、成型取り扱い性などの点で液状
であるものが好ましいが、これに限定されるものではな
い。なお、シリコーンゴム組成物としては市販品を用い
ることができ、例えば信越化学工業(株)製のものなど
を用いることができる。
【0019】なお、上記中間層を形成するアクリル樹脂
とシリコーンゴムとの混合物において、その混合割合は
適宜選定され、特に制限されるものではなく、シリコー
ンゴム10重量部に対しアクリル樹脂0.1〜20重量
部の範囲、より好ましくは0.2〜10重量部の範囲で
選定することができる。この場合、アクリル樹脂の割合
が多いと接着性は良好であるが、多くなるほど混合物の
精度が脆弱になる。従って、接着性、混合物の精度の点
から、更に好ましくはシリコーンゴム10重量部に対し
てアクリル樹脂0.5〜5重量部、特に1〜3重量部で
ある。
【0020】また、上記加熱、硬化条件も、アクリル樹
脂材料、シリコーンゴム組成物が硬化するように加熱す
ればよく、特に制限されるものではないが、通常150
℃以下、好ましくは50〜150℃、特に70〜120
℃の範囲である。硬化時間も限定されるものではない
が、通常30〜120分、特に30〜90分であること
が好ましい。
【0021】本発明は、人工歯が植設されたアクリル樹
脂義歯床にシリコーンゴム層を裏装する場合も有効であ
る。この場合は、アクリル樹脂義歯床の裏面に、上記ア
クリル樹脂材料層、アクリル樹脂材料とシリコーンゴム
組成物との混合物層を順次積層するか、又は義歯床の裏
面に直接アクリル樹脂材料とシリコーンゴム組成物との
混合物層を積層し、更にこの混合物層にシリコーンゴム
組成物層を積層し、次いで加熱、硬化することができ
る。
【0022】なお、上記シリコーンゴム層には、歯牙も
しくは歯肉のアンダーカット部又はアンダーゾーン部に
係合してこれに係止される係合部を設けることができ
る。
【0023】即ち、入れ歯、特にクラスプによる維持装
置を用いた部分入れ歯は、クラスプの周辺で食物や唾液
の流れを阻害し、食渣が停滞して、残存歯のプラーク付
着の原因となり、プラークの増加が歯周組織に病変をも
たらし、残存歯と歯周組織を破壊する傾向を生じさせ
る。
【0024】また特に、従来の部分入れ歯にあっては、
義歯着脱方向が残存歯と義歯床との間に空隙を形成して
しまう。つまり、従来の部分入れ歯の義歯床は、上述し
たようにアクリルレジンが広く使用されているが、アク
リルレジンは硬質であるため、その横方向の広がりは、
隣接する残存歯の最隆起部であるサベイラインを超えて
残存歯側に進出し得ず、残存歯のサベイラインによって
その幅が局限されるので、サベイラインより下限の歯肉
に向かって細くなる残存歯のアンダーカット部と義歯床
との間に隙間が形成され、これがクラスプと共に大きな
アンダーポケットとなり、食渣の停滞スペースとなるも
のである。この隙間は、死腔と呼ばれ、残存歯に隣接し
て頬舌面のサベイラインより下側に存在するもので、プ
ラークを容易に付着させ、残存歯の歯周組織を破壊する
原因となってしまうものであるが、従来の部分入れ歯に
あってはやむを得ないものとして諦められていた。
【0025】また、この間の事情は、総入れ歯(全部床
義歯)も同様である。上述したように、従来の総入れ歯
も義歯床下粘膜に過大な負担を与えるからである。更
に、総入れ歯においても、その義歯床が硬質のアクリル
レジンを用いているため、歯肉粘膜面のアンダーゾーン
部に入り込めず、安定した装着が行い難いことから、義
歯安定剤を併用することが行われているものであり、こ
のため義歯安定剤を用いなくても歯肉部に安定して装着
し得る総入れ歯が求められている。
【0026】これに対し、上記のような係合部をシリコ
ーンゴム層に設けることにより、残存歯及び歯肉に密着
した義歯床構造とすることができ、従来のアクリルレジ
ンや金属では不可能であった残存歯のアンダーカット部
にも密着した支持構造を義歯床に与えることができるの
で、従来問題となっていた死腔をなくすことができ、義
歯と残存歯との間の隙間をなくして食渣の停滞をなくす
ことができ、また、シリコーンゴムが残存歯の頬舌両歯
面のアンダーカット部面に密着して残存歯を把持する構
造に形成することができるので、部分入れ歯が残存歯に
確実に支持されると共に、残存歯はその歯面全周のほぼ
半分がシリコーンゴムに密着した状態で義歯を支持する
ので、クラスプの鉤尖部分のみで義歯を局部的に支持す
る従来の義歯構造と異なり、残存歯に負担を与えること
が非常に少なく、残存歯の歯周組織に負担をかけること
も少ない。しかも、義歯床部分がこのように残存歯の周
面最隆起ラインであるサベイラインより下側の引っ込ん
だ細いアンダーカット部に進出した延出構造を有してい
ても、この部分はシリコーンゴムによって形成されてい
るので、部分入れ歯の着脱時に容易に弾性変形して簡単
に着脱を行うことができ、使用性に優れたものである。
更に、義歯床下面は歯肉粘膜面に密着し、義歯床と歯肉
との間に隙間は生じ難いので、義歯床と歯肉との間に食
渣などが入り込むことがないと共に、このように義歯床
が歯肉に密着して支持されるので、義歯床下の粘膜への
負担も軽減する。
【0027】また、金属製クラスプを使用しなくてもよ
いので、クラスプによる唾液、食渣などの流れを阻害す
ることがなくなると共に、金属アレルギーなど生体親和
性を損なうおそれもない。
【0028】総入れ歯(全部床義歯)においても、歯肉
粘膜面の装着箇所全面に密着すると共に、シリコーンゴ
ム等のゴム弾性体の係合部がフラビーガム、骨隆起部な
どのアンダーゾーン部に膨出して歯茎にしっかりと支持
され、義歯床下粘膜に対する負担が軽減し、着脱も容易
である。
【0029】図2は、このような総入れ歯(全部床義
歯)の一例を示すもので、そのシリコーンゴム下層13
は、歯肉に密着される垂下部13aを有し、この垂下部
13aの内面には、粘膜のフラビーガム又は骨隆起14
より下側のアンダーゾーン部に膨出してこれに係合、密
着する膨出部(係合部)13bが形成されたものであ
る。
【0030】従って、この入れ歯は、上記膨出部(係合
部)がアンダーゾーン部に係合、密着し、義歯の離脱に
抵抗すると共に、下層シリコーンゴムが歯肉粘着面に密
着し、シリコーンゴムの弾性力により義歯の沈下に抵抗
し、粘膜に対する負担を軽減するものである。
【0031】なお、部分入れ歯(局部床義歯)の場合、
そのシリコーンゴム層部を、人工歯の頬舌歯面側にそれ
ぞれ存して歯肉に密着する支持部と、及び係合部とし
て、隣接する残存歯の対向歯面の少なくともサベイライ
ンからアンダーカット部に至る面に密着する推持部と、
この推持部の両側から上記残存歯側にそれぞれ延出さ
れ、この残存歯の頬舌歯面の少なくともサベイラインよ
り下側のアンダーカット部面に密着する把持部とを有す
る構成とすることができる。
【0032】更に、本発明の歯牙用装置は、ナイトガー
ド、バイトプレーン、マウスピース等の顎・口腔保護装
置として構成することができ、上記と同様にアクリル樹
脂上層、アクリル樹脂とシリコーンゴムとの混合物中間
層、シリコーンゴム下層の構成とすることができる。
【0033】以下、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
【0034】〔実施例〕歯科用アクリル樹脂材料として
ミカワ歯科技研工業社の粉剤と液剤からなる加熱重合ア
クリルレジン材料を使用し、またシリコーンゴム組成物
として市販の主材と硬化剤からなる2液型付加反応硬化
型シリコーンゴム組成物を使用し、以下の方法で図1に
示すような入れ歯を作製した。
【0035】i.模型上でワックスで再現され、1度口
腔内で試適された義歯をフラスコ埋没器で石膏埋没し、
石膏硬化後、熱湯でワックスを流蝋し、図3に示したよ
うなフラスコ埋没の上蓋21及び下蓋22を作成した。
【0036】ii.上記アクリルレジン材料の粉剤と液
剤を通法により混和し、重合開始させる一方、シリコー
ンゴム組成物の主材と硬化剤を混和し、硬化開始させ
た。更に、これら硬化開始したアクリルレジン材料とシ
リコーンゴム組成物を後者10に対し前者1,2又は3
の重量割合で混和させた。
【0037】これにより、 a.アクリル樹脂(レジン)材料 b.アクリル樹脂(レジン)材料+シリコーンゴム組成
物 c.シリコーンゴム組成物 の各重合・硬化開始物を得た。ここで、各重合・硬化開
始物が餅状となった時期がフラスコの填入時期である。
【0038】iii.フラスコ上蓋21の人工歯10の
基底部に上記aの重合・硬化開始物を圧接し、次にbの
重合・硬化開始物を填入すると共に、フラスコ下蓋22
の凹所にcの重合・硬化開始物を填入した。
【0039】iv.フラスコ上下蓋21,22を合わ
せ、70℃で20分係留し、更に120℃まで昇温して
30分係留後、室温まで冷却した。
【0040】v.その後、フラスコから義歯を掘り出
し、研磨した。
【0041】得られた義歯は、いずれも型を精密に再現
した精度の良好なものであり、各層間の接着性も良好で
あった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、アクリル樹脂床にシリ
コーンゴム層が強固に密着、裏装された歯牙用装置を簡
略化した操作で得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる入れ歯の断面図であ
る。
【図2】本発明の他の実施例にかかる入れ歯の断面図で
ある。
【図3】本発明の製造法の一例を説明するフラスコ上下
蓋の断面図である。
【図4】従来の入れ歯の断面図である。
【符号の説明】 10 人工歯 11 アクリル樹脂上層 12 アクリル樹脂とシリコーンゴムとの混合物の中間
層 13 シリコーンゴム下層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 83/04 C08L 83/07 83/05 A61C 13/01 83/07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下層がシリコーンゴムにより形成され、
    中間層がシリコーンゴムとアクリル樹脂との混合物より
    形成され、上層がアクリル樹脂より形成された床部を有
    することを特徴とする歯牙用装置。
  2. 【請求項2】 歯牙用装置が義歯床とこれに植設された
    人工歯とを有する有床義歯であり、上記義歯床がシリコ
    ーンゴム下層と、シリコーンゴムとアクリル樹脂との混
    合中間層と、アクリル樹脂上層とから形成され、人工歯
    がアクリル樹脂上層に植設された請求項1記載の歯牙用
    装置。
  3. 【請求項3】 歯牙用装置がナイトガード、バイトプレ
    ーン、マウスピース等の歯牙被覆保護部とその両下縁部
    にそれぞれ連接された連接部とを有する顎・口腔保護装
    置である請求項1記載の歯牙用装置。
  4. 【請求項4】 シリコーンゴム下層が歯牙もしくは歯肉
    のアンダーカット部又はアンダーゾーン部に係合してこ
    れに係止される係合部を有する請求項1,2又は3記載
    の歯牙用装置。
  5. 【請求項5】 歯科用アクリル樹脂材料層と、歯科用ア
    クリル樹脂材料とシリコーンゴム組成物との混合物層
    と、シリコーンゴム組成物層とを順次積層し、次いでこ
    れら層を加熱、硬化させて、各層を接着させることを特
    徴とする歯牙用装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 歯科用アクリル樹脂材料層と、歯科用ア
    クリル樹脂材料とシリコーンゴム組成物との混合物層
    と、シリコーンゴム組成物層とを順次積層し、次いでこ
    れら層を加熱、硬化、接着させて、義歯床を得る請求項
    5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 シリコーンゴム組成物が、アルケニル基
    含有オルガノポリシロキサンと、SiH基含有オルガノ
    ハイドロジェンポリシロキサンと、白金系触媒とを含有
    する付加反応硬化型シリコーンゴム組成物である請求項
    5又は6記載の製造方法。
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