JPH11329327A - イオン注入機用プラテン - Google Patents
イオン注入機用プラテンInfo
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- JPH11329327A JPH11329327A JP10138300A JP13830098A JPH11329327A JP H11329327 A JPH11329327 A JP H11329327A JP 10138300 A JP10138300 A JP 10138300A JP 13830098 A JP13830098 A JP 13830098A JP H11329327 A JPH11329327 A JP H11329327A
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- platen
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 半導体デバイス製造時の歩留りを向上させる
ことのできる、イオン注入機用プラテンを提供する。 【解決手段】 金属をベースとするイオン注入機用プラ
テン。前記ベース上に、順次、シリコーンゴム層及びフ
ッ素樹脂フィルム層が設けられている。
ことのできる、イオン注入機用プラテンを提供する。 【解決手段】 金属をベースとするイオン注入機用プラ
テン。前記ベース上に、順次、シリコーンゴム層及びフ
ッ素樹脂フィルム層が設けられている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体集積回路の製
造において半導体シリコーンウェーハを保持するために
使用されるプラテンに関し、特にイオン注入工程におい
て有用な金属製プラテンに関する。
造において半導体シリコーンウェーハを保持するために
使用されるプラテンに関し、特にイオン注入工程におい
て有用な金属製プラテンに関する。
【0002】
【従来技術】半導体ウェーハ処理工程においては、導電
性を変化させる不純物を半導体ウェーハに導入するため
にイオン注入機が使用されている。また、搬送系から搬
送されてきたウェーハを保持し、イオン注入位置へウェ
ーハをセットする保持板としてプラテンが使用されてい
る。
性を変化させる不純物を半導体ウェーハに導入するため
にイオン注入機が使用されている。また、搬送系から搬
送されてきたウェーハを保持し、イオン注入位置へウェ
ーハをセットする保持板としてプラテンが使用されてい
る。
【0003】イオン注入機中でイオンビームをウェーハ
に打ち込む際には熱が発生し、この熱によりフォトレジ
スト層が熱劣化する。そこで、上記フォトレジストの熱
劣化を防ぐ目的で、ウェーハを100℃以下に維持する
ために冷却する必要がある。この冷却は、従来、プラテ
ン中に冷媒を循環することにより一般的におこなわれて
いるが、ウェーハとプラテン界面の熱伝導率が真空中で
は極端に低下しているため、そのままではウェーハを効
率良く冷却することができない。
に打ち込む際には熱が発生し、この熱によりフォトレジ
スト層が熱劣化する。そこで、上記フォトレジストの熱
劣化を防ぐ目的で、ウェーハを100℃以下に維持する
ために冷却する必要がある。この冷却は、従来、プラテ
ン中に冷媒を循環することにより一般的におこなわれて
いるが、ウェーハとプラテン界面の熱伝導率が真空中で
は極端に低下しているため、そのままではウェーハを効
率良く冷却することができない。
【0004】そこで、物理的接触を良くする目的でプラ
テン表面に熱伝導性ポリマーを使用することが提案さ
れ、既に実用化されている。このような熱伝導性ポリマ
ーの具体例として、米国特許第4,139,051号明
細書には粘着性の不活性ポリマー薄膜が提案されてお
り、米国特許第4,282,924号明細書には、熱伝
導性シリコーンラバー層が提案されている。
テン表面に熱伝導性ポリマーを使用することが提案さ
れ、既に実用化されている。このような熱伝導性ポリマ
ーの具体例として、米国特許第4,139,051号明
細書には粘着性の不活性ポリマー薄膜が提案されてお
り、米国特許第4,282,924号明細書には、熱伝
導性シリコーンラバー層が提案されている。
【0005】一方、プラテンへのウェーハの保持方法と
しては、周縁締着リングによりウェーハ周縁部上面にリ
ングを設置して保持する方法が実用化されているが、こ
の方法では、ウェーハ周縁部を半導体デバイスとして利
用することができないという欠点があった。そこで、近
年においてはウェーハ全面を利用する保持方法として遠
心締着が実用化されている。
しては、周縁締着リングによりウェーハ周縁部上面にリ
ングを設置して保持する方法が実用化されているが、こ
の方法では、ウェーハ周縁部を半導体デバイスとして利
用することができないという欠点があった。そこで、近
年においてはウェーハ全面を利用する保持方法として遠
心締着が実用化されている。
【0006】この方法では、ウェーハはプラテン上に保
持されたまま回転軸の回りに回転する。プラテン表面に
は、遠心力がプラテン表面に対してウェーハを押圧する
ように、回転軸に対する角度が付けられている。上記の
遠心締着及び熱伝導性伝導性ポリマー層を利用する技術
は米国特許4,832,781号明細書に開示されてお
り、ウェーハを保持、冷却するのに非常に有効である。
持されたまま回転軸の回りに回転する。プラテン表面に
は、遠心力がプラテン表面に対してウェーハを押圧する
ように、回転軸に対する角度が付けられている。上記の
遠心締着及び熱伝導性伝導性ポリマー層を利用する技術
は米国特許4,832,781号明細書に開示されてお
り、ウェーハを保持、冷却するのに非常に有効である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
熱伝導性ポリマー層としてシリコーンゴムやフッ素ゴム
などの合成ゴムを使用した場合には、シリコーンウェー
ハ裏面とゴム表面間での凝着摩耗やアブレシブ摩耗によ
って発生したパーティクル(ダスト)がゴムからウェー
ハ裏面へ移行するので、処理済みウェーハをウェーハカ
セットに投入した際に、下積みされたウェーハ表面に上
側にあるウェーハの裏面からパーティクルが落下して付
着し、半導体デバイス製造における歩留まりを低下させ
るという欠点があった。
熱伝導性ポリマー層としてシリコーンゴムやフッ素ゴム
などの合成ゴムを使用した場合には、シリコーンウェー
ハ裏面とゴム表面間での凝着摩耗やアブレシブ摩耗によ
って発生したパーティクル(ダスト)がゴムからウェー
ハ裏面へ移行するので、処理済みウェーハをウェーハカ
セットに投入した際に、下積みされたウェーハ表面に上
側にあるウェーハの裏面からパーティクルが落下して付
着し、半導体デバイス製造における歩留まりを低下させ
るという欠点があった。
【0008】発明者等は、上記の欠点を解決するために
鋭意研究をかさねた結果、金属製プラテンベース上に、
順次シリコーンゴム層及びフッ素樹脂フィルム層を設け
ることにより、イオン注入処理後のウェーハ裏面へのパ
ーティクルの付着量を十分少なくすることができること
を見出し本発明に到達した。従って本発明の目的は、半
導体デバイス製造時の歩留まりを向上させることのでき
る、イオン注入機用プラテンを提供することにある。
鋭意研究をかさねた結果、金属製プラテンベース上に、
順次シリコーンゴム層及びフッ素樹脂フィルム層を設け
ることにより、イオン注入処理後のウェーハ裏面へのパ
ーティクルの付着量を十分少なくすることができること
を見出し本発明に到達した。従って本発明の目的は、半
導体デバイス製造時の歩留まりを向上させることのでき
る、イオン注入機用プラテンを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
金属をベースとするイオン注入機用プラテンにおいて、
前記金属ベース上に、順次、シリコーンゴム層及びフッ
素樹脂フィルム層が設けてなることを特徴とするイオン
注入機用プラテンによって達成された。図1のA図は本
発明のプラテンの断面図であり、B図はその一部拡大図
である。図中の符号1は金属製プラテンの金属ベース、
2はシリコーンゴム層、3はフッ素樹脂フィルム層であ
り、4はその上に保持された半導体ウェーハである。ま
た、プラテンベース1の下面には冷媒循環式の熱交換器
5が設置されており、イオン注入によりウェーハに発生
する熱を冷却する仕組みになっている。
金属をベースとするイオン注入機用プラテンにおいて、
前記金属ベース上に、順次、シリコーンゴム層及びフッ
素樹脂フィルム層が設けてなることを特徴とするイオン
注入機用プラテンによって達成された。図1のA図は本
発明のプラテンの断面図であり、B図はその一部拡大図
である。図中の符号1は金属製プラテンの金属ベース、
2はシリコーンゴム層、3はフッ素樹脂フィルム層であ
り、4はその上に保持された半導体ウェーハである。ま
た、プラテンベース1の下面には冷媒循環式の熱交換器
5が設置されており、イオン注入によりウェーハに発生
する熱を冷却する仕組みになっている。
【0010】金属製のプラテンベース1の素材として
は、アルミニウムやジュラルミンなどが使用される。ま
た、プラテンベース1の表面には、遠心力がプラテン表
面に対してウェーハを押圧するように、回転軸に対する
角度が設けられている。シリコーンゴム層2に使用され
るシリコーンゴムは、遠心力によりウェーハがプラテン
表面に対して押圧されたときにクッション層としての役
割を果たすが、このシリコーンゴム層がウェーハ裏面の
凹凸に対して追従するので、ウェーハ裏面とプラテン表
面の密着性が高まり、接触熱抵抗が下がる。
は、アルミニウムやジュラルミンなどが使用される。ま
た、プラテンベース1の表面には、遠心力がプラテン表
面に対してウェーハを押圧するように、回転軸に対する
角度が設けられている。シリコーンゴム層2に使用され
るシリコーンゴムは、遠心力によりウェーハがプラテン
表面に対して押圧されたときにクッション層としての役
割を果たすが、このシリコーンゴム層がウェーハ裏面の
凹凸に対して追従するので、ウェーハ裏面とプラテン表
面の密着性が高まり、接触熱抵抗が下がる。
【0011】従って、シリコーンゴム層2に使用される
シリコーンゴムの硬度は5〜60(JIS−A)の範囲
のものが好ましく、特に5〜50の範囲であることが好
ましい。硬度が5未満では機械的強度が不足する場合が
あり、60を超えるとウェーハ裏面の凹凸に対してプラ
テン表面が追従できなくなり、密着性が損なわれるので
熱抵抗が大きくなり、ウェーハの冷却効率が低下してウ
ェーハ温度が上昇し、一定温度に制御できなくなる結
果、レジスト層の劣化などが発生し集積回路製造の歩留
まりが悪くなる。
シリコーンゴムの硬度は5〜60(JIS−A)の範囲
のものが好ましく、特に5〜50の範囲であることが好
ましい。硬度が5未満では機械的強度が不足する場合が
あり、60を超えるとウェーハ裏面の凹凸に対してプラ
テン表面が追従できなくなり、密着性が損なわれるので
熱抵抗が大きくなり、ウェーハの冷却効率が低下してウ
ェーハ温度が上昇し、一定温度に制御できなくなる結
果、レジスト層の劣化などが発生し集積回路製造の歩留
まりが悪くなる。
【0012】本発明のプラテンにおけるシリコーンゴム
層2の熱伝導率は、イオン注入中に発生する熱を効率良
く冷却することができるように(0.0009〜0.0
1)cal/(cm・秒・℃)の範囲であることが好ま
しく、特に(0.001〜0.01)cal/(cm・
秒・℃)の範囲であることが好ましい。0.0009c
al/(cm・秒・℃)未満ではウェーハの冷却効率が
低下し、ウェーハ温度が上昇して一定温度に制御できな
くなることがあり、レジスト層の劣化などが発生して集
積回路の歩留まりが悪くなることがある。また、0.0
1cal/(cm・秒・℃)を超えても冷却性能は大幅
に向上することはないし、ゴム硬度も高くなってしま
い、高価な光高熱伝導性無機充填材を大量に使用するこ
とになるのでコスト的に不利となることがある。
層2の熱伝導率は、イオン注入中に発生する熱を効率良
く冷却することができるように(0.0009〜0.0
1)cal/(cm・秒・℃)の範囲であることが好ま
しく、特に(0.001〜0.01)cal/(cm・
秒・℃)の範囲であることが好ましい。0.0009c
al/(cm・秒・℃)未満ではウェーハの冷却効率が
低下し、ウェーハ温度が上昇して一定温度に制御できな
くなることがあり、レジスト層の劣化などが発生して集
積回路の歩留まりが悪くなることがある。また、0.0
1cal/(cm・秒・℃)を超えても冷却性能は大幅
に向上することはないし、ゴム硬度も高くなってしま
い、高価な光高熱伝導性無機充填材を大量に使用するこ
とになるのでコスト的に不利となることがある。
【0013】本発明のシリコーンゴム組成物2に高熱伝
導性を付与するためのフイラーとしては、アルミナ粉、
窒化アルミ粉、窒化ホウ素粉、窒化珪素粉、酸化マグネ
シウム粉、シリカ粉などの高熱伝導性セラミックス粉が
好適である。上記フイラーの配合量は、シリコーンゴム
層2に、前記した如く、(0.0009〜0.01)c
al/(cm・秒・℃)の範囲の熱伝導性を付与するの
に必要な量であることが好ましい。
導性を付与するためのフイラーとしては、アルミナ粉、
窒化アルミ粉、窒化ホウ素粉、窒化珪素粉、酸化マグネ
シウム粉、シリカ粉などの高熱伝導性セラミックス粉が
好適である。上記フイラーの配合量は、シリコーンゴム
層2に、前記した如く、(0.0009〜0.01)c
al/(cm・秒・℃)の範囲の熱伝導性を付与するの
に必要な量であることが好ましい。
【0014】また、シリコーンゴム層2の平均膜厚は5
0〜1,000の範囲が好適である。50μm未満では
ウェーハ裏面の凹凸に対してプラテン表面が追従できな
くなるので密着性が損なわれる。1,000μmを超え
ると熱抵抗が大きくなるので、ウェーハの冷却効率が低
下してウェーハ温度が上昇し、一定温度に制御できなく
なる結果、レジスト層の劣化などが発生して集積回路製
造の歩留まりが悪くなることがある。
0〜1,000の範囲が好適である。50μm未満では
ウェーハ裏面の凹凸に対してプラテン表面が追従できな
くなるので密着性が損なわれる。1,000μmを超え
ると熱抵抗が大きくなるので、ウェーハの冷却効率が低
下してウェーハ温度が上昇し、一定温度に制御できなく
なる結果、レジスト層の劣化などが発生して集積回路製
造の歩留まりが悪くなることがある。
【0015】シリコーンゴム層2に使用されるシリコー
ンゴム組成物としては、硬化前の性状についてはミラブ
ルタイプ、液状タイプの何れのものも使用可能であり、
硬化形態としては過酸化物硬化型、付加反応硬化型、縮
合硬化型、紫外線硬化型などの各種硬化型のものを使用
することができるが、シート成形性及び作業性の観点か
ら、ミラブルタイプの過酸化物硬化型または付加反応硬
化型のものが好適である。
ンゴム組成物としては、硬化前の性状についてはミラブ
ルタイプ、液状タイプの何れのものも使用可能であり、
硬化形態としては過酸化物硬化型、付加反応硬化型、縮
合硬化型、紫外線硬化型などの各種硬化型のものを使用
することができるが、シート成形性及び作業性の観点か
ら、ミラブルタイプの過酸化物硬化型または付加反応硬
化型のものが好適である。
【0016】本発明のフッ素樹脂フィルム層3に使用さ
れるフッ素樹脂は特に制限されるものではないが、凝集
エネルギー(表面エネルギー)が小さく、ゴムに比較し
て硬度の高い、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、
テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオ
ロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体(EPE)、テトラフルオ
ロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリ
フルオロエチレン(CPTFE)などが好ましい。
れるフッ素樹脂は特に制限されるものではないが、凝集
エネルギー(表面エネルギー)が小さく、ゴムに比較し
て硬度の高い、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、
テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニル
エーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン/ヘ
キサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオ
ロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体(EPE)、テトラフルオ
ロエチレン/エチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリ
フルオロエチレン(CPTFE)などが好ましい。
【0017】本発明においては、熱伝導性や凝着摩耗性
を改善するために、上記樹脂は、カーボンブラック、シ
リカ、硝子ファイバーなどの充填材を添加した樹脂であ
ってもよい。フッ素樹脂フィルムの厚みは1〜50μm
の範囲が好ましく、特に5〜25μmの範囲が好まし
い。1μm未満ではフィルムの機械的強度が不足し、5
0μmを超えると熱抵抗が大きくなるので、ウェーハの
冷却効率が低下し、ウェーハ温度が上昇して一定温度に
制御できなくなることがあり、レジスト層の劣化などが
発生するので集積回路の歩留まりが悪くなることがあ
る。
を改善するために、上記樹脂は、カーボンブラック、シ
リカ、硝子ファイバーなどの充填材を添加した樹脂であ
ってもよい。フッ素樹脂フィルムの厚みは1〜50μm
の範囲が好ましく、特に5〜25μmの範囲が好まし
い。1μm未満ではフィルムの機械的強度が不足し、5
0μmを超えると熱抵抗が大きくなるので、ウェーハの
冷却効率が低下し、ウェーハ温度が上昇して一定温度に
制御できなくなることがあり、レジスト層の劣化などが
発生するので集積回路の歩留まりが悪くなることがあ
る。
【0018】フッ素樹脂フィルム層3及び熱伝導性シリ
コーンゴム層2を金属製のプラテンベース1の表面に形
成する方法としては、フッ素樹脂フィルム層3の片面
に、プラズマ処理やエッチング処理等の表面処理により
接着性官能基を導入した後に、該処理面にシラン系また
はチタン系プライマーを塗布し、次いで、熱伝導性シリ
コーンゴムの未硬化プレフォームシートとプレス一体成
型してなるフッ素樹脂フィルム層付き熱伝導性シリコー
ンゴムシートを、前記チタン系プライマーを塗布した金
属製プラテンベース表面に、公知の湿気硬化型又は付加
反応硬化型シリコーンゴム系接着剤を用いて張り合わせ
る方法がある。
コーンゴム層2を金属製のプラテンベース1の表面に形
成する方法としては、フッ素樹脂フィルム層3の片面
に、プラズマ処理やエッチング処理等の表面処理により
接着性官能基を導入した後に、該処理面にシラン系また
はチタン系プライマーを塗布し、次いで、熱伝導性シリ
コーンゴムの未硬化プレフォームシートとプレス一体成
型してなるフッ素樹脂フィルム層付き熱伝導性シリコー
ンゴムシートを、前記チタン系プライマーを塗布した金
属製プラテンベース表面に、公知の湿気硬化型又は付加
反応硬化型シリコーンゴム系接着剤を用いて張り合わせ
る方法がある。
【0019】別の方法としては、金属製のプラテンベー
ス表面にシラン系またはチタン系プライマーを塗布した
後未硬化の熱伝導性シリコーンゴム組成物プレフォーム
を載せ、次いで該プレフォーム上に、表面処理後更にプ
ライマー処理したフッ素系樹脂フィルムを熱プレスする
ことにより一体成形する方法がある。
ス表面にシラン系またはチタン系プライマーを塗布した
後未硬化の熱伝導性シリコーンゴム組成物プレフォーム
を載せ、次いで該プレフォーム上に、表面処理後更にプ
ライマー処理したフッ素系樹脂フィルムを熱プレスする
ことにより一体成形する方法がある。
【0020】さらに、本発明においてはフッ素樹脂フィ
ルムの表面にシボ模様を形成してフッ素樹脂フィルムと
ウェーハとの接触面積を少なくし、これによってパーテ
ィクルの発生を低減させることができる。このようなシ
ボ模様は、図2に示すように、金型表面をエッチング加
工、放電加工、電鋳、鋳造等の方法により処理し、金型
のシボ模様がフッ素樹脂フィルムの表面に転写されるよ
うにすることにより容易に形成させることができる。
ルムの表面にシボ模様を形成してフッ素樹脂フィルムと
ウェーハとの接触面積を少なくし、これによってパーテ
ィクルの発生を低減させることができる。このようなシ
ボ模様は、図2に示すように、金型表面をエッチング加
工、放電加工、電鋳、鋳造等の方法により処理し、金型
のシボ模様がフッ素樹脂フィルムの表面に転写されるよ
うにすることにより容易に形成させることができる。
【0021】
【発明の効果】本発明のイオン注入機用プラテンは、プ
ラテン表面とウェーハ裏面との間に凝着摩耗やアブレシ
ブ摩耗が少ないので、パーティクルの発生量が少ない
上、ウェーハ裏面形状にプラテン表面が十分に追従する
ことができ、密着性が良くウェーハの冷却性能に優れる
ので、半導体集積回路の歩留まりを大幅に改善すること
ができる。
ラテン表面とウェーハ裏面との間に凝着摩耗やアブレシ
ブ摩耗が少ないので、パーティクルの発生量が少ない
上、ウェーハ裏面形状にプラテン表面が十分に追従する
ことができ、密着性が良くウェーハの冷却性能に優れる
ので、半導体集積回路の歩留まりを大幅に改善すること
ができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、実施例、及び比較例で用いたA〜Fは下記の通りで
ある。 A:両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖された、ジ
メチルシロキサン単位99.85モル%及びメチルビニ
ルシロキサン単位0.15モル%から成る、平均重合度
8,000のメチルビニルポリシロキサン B:ジ−t−ブチルパーオキサイド C:アルミナ粉(AL24:昭和電工(株)製の商品
名) D:窒化アルミ粉(XUS−35548:ダウケミカル
(株)製の商品名) E:窒化ホウ素粉(KBN−(h)10:信越化学工業
(株)製の商品名) F:シリカ粉(クリスタライトVX−5:龍森(株)製
の商品名)
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、実施例、及び比較例で用いたA〜Fは下記の通りで
ある。 A:両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖された、ジ
メチルシロキサン単位99.85モル%及びメチルビニ
ルシロキサン単位0.15モル%から成る、平均重合度
8,000のメチルビニルポリシロキサン B:ジ−t−ブチルパーオキサイド C:アルミナ粉(AL24:昭和電工(株)製の商品
名) D:窒化アルミ粉(XUS−35548:ダウケミカル
(株)製の商品名) E:窒化ホウ素粉(KBN−(h)10:信越化学工業
(株)製の商品名) F:シリカ粉(クリスタライトVX−5:龍森(株)製
の商品名)
【0023】実施例1〜4.A〜Fから選ばれる原材料
を使用して表1に示す実施例1〜4のシリコーンゴム組
成物を調整し、シート状のプレフォームを作製した。次
に、片面にプラズマ表面処理を施したフッ素樹脂フィル
ムにチタン系プライマーX−93−805(信越化学工
業株式会社製の商品名)を塗布し、シリコーンゴムプレ
フォームとフッ素樹脂フィルムを5kg/cm2のプレ
ス圧力下で170℃で30分間プレス一体成形を行った
後、オーブン中で、200℃で4時間ポストキュアを行
い、複合シートを作製した。
を使用して表1に示す実施例1〜4のシリコーンゴム組
成物を調整し、シート状のプレフォームを作製した。次
に、片面にプラズマ表面処理を施したフッ素樹脂フィル
ムにチタン系プライマーX−93−805(信越化学工
業株式会社製の商品名)を塗布し、シリコーンゴムプレ
フォームとフッ素樹脂フィルムを5kg/cm2のプレ
ス圧力下で170℃で30分間プレス一体成形を行った
後、オーブン中で、200℃で4時間ポストキュアを行
い、複合シートを作製した。
【0024】各シリコーンゴム単体について、硬度、熱
伝導率、および複合シートのシート厚みを測定した結果
は表1に示した通りである。尚、熱伝導率は、直径5.
0mm、厚さ9mmのテストサンプルを上部ヒーター板
(低温側)と下部ヒーター板(加熱側)の間で圧着し、
温度が一定になった後に、放熱シリコーンゴム両面間の
温度差および熱流束を測定し、次式により算出した。
伝導率、および複合シートのシート厚みを測定した結果
は表1に示した通りである。尚、熱伝導率は、直径5.
0mm、厚さ9mmのテストサンプルを上部ヒーター板
(低温側)と下部ヒーター板(加熱側)の間で圧着し、
温度が一定になった後に、放熱シリコーンゴム両面間の
温度差および熱流束を測定し、次式により算出した。
【0025】λ=(Q/A)×(LΔT) Q=伝導量(cal/秒) λ=熱伝導率(cal/(cm・秒・℃)) A=試験片の断面積(cm2) L=試験片の厚さ(μm) ΔT=試験片両面間の温度差(℃)
【0026】また、プラテン表面からウェーハに付着し
たパーティクルは、8インチウェーハ鏡面をプラテン表
面に搬送し、イオン注入プロセスを経た後に、ウェーハ
鏡面に転写したパーティクルをパーティクルカウンター
(サーフスキャン:(株)日立製作所製のの商品名)を
用いて測定した。
たパーティクルは、8インチウェーハ鏡面をプラテン表
面に搬送し、イオン注入プロセスを経た後に、ウェーハ
鏡面に転写したパーティクルをパーティクルカウンター
(サーフスキャン:(株)日立製作所製のの商品名)を
用いて測定した。
【0027】
【表1】
【0028】アルミニウム製プラテンベース(直径20
0mm、回転軸に垂直な平面に対する傾斜角度=7°)
に湿気硬化型シリコーン系接着剤KE45(信越化学工
業(株)製の商品名)を、膜厚が10μmとなるように
スクリーン印刷法によって塗布した。次に、表1に示す
複合シートを真空圧着機により真空下で張り合わせ、大
気下に室温で7日間放置し、複合シートを有するプラテ
ンを製造した。
0mm、回転軸に垂直な平面に対する傾斜角度=7°)
に湿気硬化型シリコーン系接着剤KE45(信越化学工
業(株)製の商品名)を、膜厚が10μmとなるように
スクリーン印刷法によって塗布した。次に、表1に示す
複合シートを真空圧着機により真空下で張り合わせ、大
気下に室温で7日間放置し、複合シートを有するプラテ
ンを製造した。
【0029】得られたプラテンを遠心締着方式のイオン
注入機に取り付け、熱交換器の冷媒として水道水(20
℃)を使用し、遠心締着回転数を1,300rpmと
し、8インチシリコンウェーハへの入力パワーを3,0
00W(イオンビーム電流0.05A、イオンビーム加
速電圧60keV)としてイオン注入を1分間行った結
果、パーティクル数は少なく、また、ウェーハ温度は表
2に示した如くであり、良好な結果であった。
注入機に取り付け、熱交換器の冷媒として水道水(20
℃)を使用し、遠心締着回転数を1,300rpmと
し、8インチシリコンウェーハへの入力パワーを3,0
00W(イオンビーム電流0.05A、イオンビーム加
速電圧60keV)としてイオン注入を1分間行った結
果、パーティクル数は少なく、また、ウェーハ温度は表
2に示した如くであり、良好な結果であった。
【0030】
【表2】
【0031】比較例1〜4.シートとして表3のシリコ
ーンゴム層のみを用いた他は、実施例1〜4の場合と全
く同様にして、熱伝導性シリコーンゴム層を有するプラ
テンを製造した。
ーンゴム層のみを用いた他は、実施例1〜4の場合と全
く同様にして、熱伝導性シリコーンゴム層を有するプラ
テンを製造した。
【表3】
【0032】得られた各プラテンを用いて、実施例1〜
4の場合と全く同様にしてパーティクル数を測定したと
ころ、表4に示す結果が得られた。
4の場合と全く同様にしてパーティクル数を測定したと
ころ、表4に示す結果が得られた。
【表4】 表2及び表4の結果から、本発明のプラテンを使用する
ことにより、パーティクル数の発生が著しく抑えられる
ことが実証された。
ことにより、パーティクル数の発生が著しく抑えられる
ことが実証された。
【図1】A図は本発明のプラテンの断面図であり、B図
はその部分拡大図である。
はその部分拡大図である。
【図2】シボ模様を有する金型を用い、フッ素樹脂層を
有するシリコーンゴム層にシボ模様を形成させる概念図
である。
有するシリコーンゴム層にシボ模様を形成させる概念図
である。
1 プラテンベース 2 シリコーンゴム層 3 フッ素系樹脂フィルム層 4 シリコーンウェーハ 5 熱交換器 6−1 シボ模様付き金型 6−2 金型
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 半田 隆一 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】金属をベースとするイオン注入機用プラテ
ンにおいて、前記金属ベース上に、順次、シリコーンゴ
ム層及びフッ素樹脂フィルム層が設けられてなることを
特徴とするイオン注入機用プラテン。 - 【請求項2】シリコーンゴム層のJIS−Aによる硬度
が5〜60度、熱伝導率が(0.0009〜0.01)
cal/(cm・秒・℃)の範囲であると共に、厚みが
50〜1,000μmの範囲である、請求項1に記載さ
れたイオン注入機用プラテン。 - 【請求項3】フッ素樹脂フィルム層の厚みが1〜50μ
mである、請求項1又は2に記載されたイオン注入機用
プラテン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10138300A JPH11329327A (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | イオン注入機用プラテン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10138300A JPH11329327A (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | イオン注入機用プラテン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11329327A true JPH11329327A (ja) | 1999-11-30 |
Family
ID=15218663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10138300A Pending JPH11329327A (ja) | 1998-05-20 | 1998-05-20 | イオン注入機用プラテン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11329327A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001277109A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-09 | Toyobo Co Ltd | バッキングフィルム |
US7169469B2 (en) * | 2004-02-27 | 2007-01-30 | Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. | Particle-removing wafer |
-
1998
- 1998-05-20 JP JP10138300A patent/JPH11329327A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001277109A (ja) * | 2000-03-31 | 2001-10-09 | Toyobo Co Ltd | バッキングフィルム |
US7169469B2 (en) * | 2004-02-27 | 2007-01-30 | Taiwan Semiconductor Manufacturing Co., Ltd. | Particle-removing wafer |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040921 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060612 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060707 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061128 |