JPH11329308A - 平板ディスプレイおよびその製造方法 - Google Patents

平板ディスプレイおよびその製造方法

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JPH11329308A
JPH11329308A JP9152199A JP9152199A JPH11329308A JP H11329308 A JPH11329308 A JP H11329308A JP 9152199 A JP9152199 A JP 9152199A JP 9152199 A JP9152199 A JP 9152199A JP H11329308 A JPH11329308 A JP H11329308A
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晟豪 ▲曹▼
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    • H01J31/12Image or pattern display tubes, i.e. having electrical input and optical output; Flying-spot tubes for scanning purposes with luminescent screen
    • H01J31/123Flat display tubes
    • H01J31/125Flat display tubes provided with control means permitting the electron beam to reach selected parts of the screen, e.g. digital selection
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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁膜とゲート電極を自由に設計しても,陰
極から放出された電子の蛍光体に対するフォーカシング
特性が低下しない,平板ディスプレイを提供する。 【解決手段】 平板ディスプレイは,第1基板40の一
面に形成されるカソード電極42と,カソード電極42
の一面に形成され貫通部44aを配しながら形成される
絶縁膜44と,貫通部44a内に配されながらカソード
電極42に接触する電界放出用陰極46と,貫通部44
aと連通する開口部48aを有し絶縁膜44の一面に形
成されるゲート電極48と,ゲート電極48とカソード
電極42の間に配されて電界放出用陰極46から放出さ
れた電子の流れを制御するフォーカシング電極50と,
第1基板40と所定の間隔を置いて配されて内部空間部
56を真空状態に維持するように第1基板40に結合す
る第2基板54と,該第2基板54の一面にアノード電
極60と,アノード電極60の一面に形成される蛍光層
64とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,平板ディスプレイ
およびその製造方法に関し,より詳しくは電界放出用陰
極を有する平板ディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】平板ディスプレイは,表示装置の代表格
である陰極線管(CRT)とは異なり,軽量で小型とい
う利点があり,様々な方面でその研究が活発に進められ
ている。平板ディスプレイには,液晶表示装置(LC
D)をはじめとして蛍光表示管(VFD)及びプラズマ
パネルディスプレイ(PDP)などが含まれるが,その
他の種類の一つとして電界放出表示装置(Field
Emission Display;FED,電界放射
ディスプレイ)が挙げられる。
【0003】かかる電界放出表示装置は,周知の如く,
大画面用表示装置に適しているのみならず,低消費電力
で良質の画像が得られるという利点があるため,次世代
映像表示装置として注目されている。
【0004】公知の電界放出表示装置は,電界放出(f
ield emission)現象によって放出された
電子が衝突により蛍光体を発光させることによって,所
定の画像が実現できるように構成されている。通常,電
界放出表示装置は,電子放出源を有する陰極基板と蛍光
体を塗布する陽極基板とが含まれる。
【0005】図面を参照して考察すると,従来の電界放
出表示装置では,図7に示すように,所定の間隔を置い
て配置された平坦な両基板1,3の各一面づつに,それ
ぞれ所定のパターン,例えばライン形態で,カソード電
極5及びアノード電極7が形成されている。
【0006】従来の電界放出表示装置において,上記両
基板1,3は,その内部空間部が真空状態を実現できる
ように相互に結合されており,両基板1,3間に形成さ
れるセルギャップは,隔離柱であるスペーサ9によって
維持される。
【0007】従来の電界放出表示装置の基板1側におい
て,カソード電極5の一面にはSiOのような酸化物
からなる絶縁膜11が形成されており,さらに,かかる
絶縁膜11の一面にはゲート電極13が形成される。こ
こで,上記絶縁膜11とゲート電極13とには,図8に
拡大して示すように,所定の直径Dを有しながら絶縁膜
11を貫通し一端が上記カソード電極5によって遮られ
る開口15が多数形成されており,それぞれの開口15
には,電界放出用陰極17が上記カソード電極5と連結
するように配置される。
【0008】上記電界放出用陰極17は,低仕事関数を
有する物質,たとえばダイヤモンドやDLC(Diam
ond−Liked Carbon;非結晶ダイアモン
ド)などから平坦な形態をなして形成される。
【0009】対して,基板3側において,アノード電極
7の一面には,蛍光体19が所定のパターンをなして塗
布されており,さらに,隣接する蛍光体19の間には,
ブラックマトリックス21が形成される。
【0010】以上説明した構成を有する従来の電界放出
表示装置は,作動の際に,所望の画素部分のゲート電極
13と該ゲート電極13に対応するカソード電極5との
間に,不図示の電源から電圧が印加される。かかる電圧
の印加により,対応する電界放出用陰極17とゲート電
極13との間に電界が形成されて,電界放出用陰極17
からの電子放出が実現する。
【0011】そして,高電圧が印加されたアノード電極
7により,上記電子が上記蛍光体19に誘導されて,該
電子が上記蛍光体19に衝突することにより,蛍光体1
9が励起されて目的とする画像が実現される。
【0012】かかる従来の電界放出表示装置において,
上記開口15の直径Dは,上記電界放出用陰極17から
放出される電子の量に影響を及ぼす上記電界放出表示装
置の性能を決定づける因子となる。
【0013】すなわち,上記開口15は,その直径D
が,上記絶縁膜11の全体の厚さH′から上記電界表出
用陰極17の厚さK分を控除した厚さHの寸法より大き
く形成するほど,上記電界放出を大きくして上記電界放
出用陰極17から放出される電子量が増加する特性を示
す。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,従来の
電界放出表示装置は,上記開口15を形成しようとして
も,実質的にはその設計において制限を受けていた。こ
れは,他でもなく,上記開口15がその直径Dの比を上
記厚さHの比より大きくして形成する場合,上記カソー
ド17から放出される電子の量は多くなり,開口15の
開口部分で上記ゲート電極13に対する電子の衝突量も
増加するため,リーク(leak)が起き易く,且つ,
上記蛍光体19に誘導される電子のフォーカシング状態
が低下して,ディスプレイされる画像の歪みをもたらす
問題点があるということである。
【0015】本発明は,従来の電界放出表示装置が有す
る上記その他の問題点に鑑みてなされたものであり,そ
の目的は,絶縁膜とゲート電極を自由に設計しても,陰
極から放出された電子の蛍光体に対するフォーカシング
特性が低下しないようにした電界放出用陰極を有する平
板ディスプレイを提供すること等にある。
【0016】また,本発明の他の目的は,上記目的が実
現できるようにした電界放出用陰極を有するディスプレ
イの製造方法を提供すること等にもある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明によれば,例えば,第1基板の一面に所定の
パターンを有して形成される複数のカソード電極と,該
各カソード電極の一面に所定のパターンに形成された複
数の貫通部を配置しながら上記第1基板の一面に形成さ
れる絶縁膜と,上記それぞれの貫通部内に配置されなが
ら上記カソード電極に接触する複数の電界放出用陰極
と,上記貫通部と貫通される開口部を保有して上記絶縁
膜の一面に所定のパターンを有して形成される複数のゲ
ート電極と,該ゲート電極と上記カソード電極との間に
配置されて上記電界放出用陰極から放出された電子の流
れを制御する複数のフォーカシング電極と,上記第1基
板と所定の間隔を置いて配置されて内部空間部を真空状
態に維持するように該第1基板に結合する第2基板と,
該第2基板の一面に所定のパターンを有して形成される
複数のアノード電極と,該各アノード電極の一面に形成
される蛍光層とを含む電界放出用陰極を有する平板ディ
スプレイが提供される。
【0018】ここで,電界放出用陰極には,放出面が平
坦な平面型(薄膜型)のもの又は円錐形状もしくは角錐
形状のスピント型(縦型)のものがある。さらに,電界
放出用陰極は,例えば,Mo,Pt,ダイヤモンド,D
LC等から形成可能である。さらにまた,電子の放出方
向は,例えば,基板に平行な方向,基板に垂直な方向そ
の他の様々な方向とすることができる。また,基板は,
例えばガラス基板やシリコンウェハ等の透明基板などを
適用可能である。また,アノード電極には,例えばIT
Oなどの透明導電体等を使用可能である。また,蛍光体
には,R,G,Bの蛍光体,具体的には,例えば,Z
n,ZnO,ZnS,(ZnCd)S,Y ,或い
はYSなど,又はこれらを母体としてMn,A
g,Eu,Sm,Dy,Ce,Tb,或いはこれらの混
合物などをコーティングしたもの等を使用可能である。
さらにまた,内部空間部は,実質的な真空状態であれば
よく,例えば高真空状態や微量の不活性ガス(He,N
e,Ar等)が存在する高真空状態等とすることが可能
である。
【0019】また,上記目的を実現するために,本発明
によれば,基板の一面にカソード電極形成物質を塗布
し,これをパターニングしてカソード電極を形成する段
階と,該カソード電極の一面に絶縁物質及びフォーカシ
ング電極形成物質を順次に積層し,これをパターニング
して絶縁層とフォーカシング電極を形成する段階と,上
記基板の一面に上記フォーカシング電極を覆うように絶
縁物質を塗布して絶縁膜を形成する段階と,該絶縁膜の
一面にゲート電極形成物質を塗布してゲート電極を形成
する段階と,上記絶縁層とフォーカシング電極が上記絶
縁膜及びゲート電極の外部に露出するように上記絶縁層
とフォーカシング電極をパターニングする段階と,上記
絶縁膜のパターニング部位に電界放出用陰極形成物質を
充填して電界放出用陰極を形成する段階とを含む電界放
出用陰極を有する平板ディスプレイの製造方法が提供さ
れる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下,本発明についての望ましい
実施形態について添付図面を参照しながら詳細に説明す
る。尚,以下の説明及び添付図面においては,同一の機
能及び構成を有する構成要素については,同一符号を付
すことにより,重複説明を省略する。
【0021】図1は,本実施形態に係る平板ディスプレ
イについての部分断面図である。図1に示す本実施形態
に係る平板ディスプレイは,電界放出表示装置の一つで
あり,通常の電界放出表示装置と同様に,一方の基板側
に配置された電界放出用陰極から電子を放出し,該電子
が他の基板側に配置された蛍光体に誘導されて蛍光体を
発光させることにより,所定の画像を表示するように構
成されている。
【0022】ここで,通常の電界放出表示装置において
は,一旦は電界放出用陰極から放出された電子が,電界
放出用陰極のゲート電極等にぶつかって蛍光体に到達す
る前にリークされる傾向により,電子は充分フォーカシ
ングされなくなる。しかし,本実施形態に係る平板ディ
スプレイの電界放出用陰極は,通常の電界放出表示装置
についてのかかる問題点を克服可能な構造を有する。以
下,(1)フォーカシング電極周辺の構成,(2)フォ
ーカシング電極の作用,および(3)平板ディスプレイ
のアセンブリに項分けして説明する。
【0023】(1)フォーカシング電極周辺の構成 図1に示すように,本実施形態に係る平板ディスプレイ
は,まず,高電位勾配が形成される電子の放出面を有し
電子放出部を成す少なくとも1以上の電界放出用陰極4
6と,各電界放出用陰極46にそれぞれ提供され電子の
フォーカシング状態を良好になすようにするフォーカシ
ング電極50を含む。本実施形態においては,かかるフ
ォーカシング電極50により形成されるフォーカシング
のための電界(電場)又は磁界により,電界放出用陰極
46から後述の蛍光層62(アノード60の一面に形成
されている。)に向かう放出電子の流れ制御,即ち集束
・発散が制御可能となる。
【0024】本実施形態においては,かかるフォーカシ
ング電極50を電界放出用陰極46の内部に位置させて
いるが,この時,フォーカシング電極50の下部(図面
基準)にはカソード電極42の一面と接する絶縁層52
が配置される。
【0025】すなわち,フォーカシング電極50は,絶
縁層52に支持されて,基板1上の所定位置に配置され
るようになる。ここで,かかるフォーカシング電極50
には,図2に点線で示すように,それぞれに斜線方向に
連結される配線51を通じて駆動に必要な電圧が印加さ
れる。
【0026】本実施形態において,フォーカシング電極
50の形状は,絶縁膜44に形成された貫通部44a及
びゲート電極48に形成された開口48aの形状に合わ
せて円柱形をなすが,要は電界放出用電極46から放出
される電子のフォーカシング状態を制御可能な所定の電
界又は磁界を形成可能であり,かつ開口48aやゲート
電極48等の周辺の構成要素の形状に合うものであれば
よい。したがって,フォーカシング電極50は,必ずし
も円形に限られるわけではなく,例えば,楕円柱(上底
面が楕円),立方体(上底面が正方形),直方体(上底
面が長方形),筒状,上底面が渦巻き状の立体,或いは
円錐や各種角錐等にも形成することができる。尚,言う
までもなく,貫通部44a及び開口48aも,フォーカ
シング電極50の形状に合わせて適当な形状で形成する
ことができる。
【0027】本実施形態において,貫通部44a及びフ
ォーカシング電極50が円柱形状に形成された時,貫通
部44aは,その直径Dがフォーカシング電極50の直
径wより大きく形成される。しかし,本実施形態では,
貫通部44aの直径Dとフォーカシング電極の直径Wと
を略同一に形成することも可能である。
【0028】フォーカシング電極50は,ゲート電極4
8の印加電圧に対応して所定の電圧が印加されることに
より,所定の強度の電界を形成する。本実施形態に係る
平板ディスプレイにおいて,かかる電界は,電界放出用
陰極46から放出された電子の流れに影響を及ぼす。
【0029】すなわち,フォーカシング電極50は,平
板ディスプレイの動作時にカソード電極42とゲート電
極48との間に,電子放出用の電界とは異なる電界を形
成することにより,該電界の影響で放出電子から成る電
子ビームのフォーカシング状態を調整する。
【0030】本実施形態に係る平板ディスプレイでは,
かかるフォーカシング電極50により,絶縁膜44が貫
通部44aの直径Dをその厚さHより大きくしたとして
も,放出電子がゲート電極48にぶつかってリークしな
いように,放出電子のフォーカシング状態を調整するこ
とが可能となる。
【0031】(2)フォーカシング電極の作用 次に,フォーカシング電極の作用について,図4〜図6
を参照しながら発明者らが実際に行った実験を基に説明
する。実施形態に基づいて,実際に発明者らは,次の条
件に適合する電界放出表示装置を構成し,該装置につい
て実験したところ,次のような結果が得られた。
【0032】すなわち,カソード電極(42)をグラウ
ンドさせ,ゲート電極(48)には40V,フォーカシ
ング電極(50)には10Vの電圧を印加する場合,図
4に示すように,電子ビームは,電界のエッジ効果によ
って電子eの進行方向が相互に交差(クロス)し,ア
ノード電極(60)に誘導された。
【0033】これとは異なり,カソード電極(42)を
グラウンドさせ,ゲート電極(48)には40V,フォ
ーカシング電極(50)には5Vの電圧を印加する場
合,図5に示すように,電子ビームは,互いに平行な状
態で良好にアノード電極(60)に誘導された。すなわ
ち,かかる場合,電子ビーム(放出電子からなる。)
は,フォーカシング電極(50)が形成する電界の影響
を受けて,フォーカシング状態が良好になる。
【0034】最後に,カソード電極(42)をグラウン
ドさせ,ゲート電極(48)には40V,フォーカシン
グ電極(50)には0Vの電圧を印加する場合,図6に
示すように,電子ビームは,ゲート電極(48)に衝突
するようにアノード電極(60)に誘導されて電子のリ
ーク現象をもたらすことがわかる。
【0035】以上の実験結果から,本実施形態を適用す
ることによって,フォーカシング電極(50)に印加さ
れる電圧を他の電極,即ちカソード電極(42)及びゲ
ート電極(48)のそれぞれに印加される電圧に合わせ
て適切に調節すれば,電子ビームがゲート電極(48)
にリークされることなく,良好にフォーカシングされる
ことがわかる。
【0036】このように,本実施形態によれば,フォー
カシング電極(50)によって電子ビームのフォーカシ
ング状態を良好に調整することで,電子ビームをアノー
ド電極(60)側に誘導し蛍光層の所定領域に衝突させ
ることができる。すなわち,本実施形態によれば,フォ
ーカシング電極(50)により発生する電界又は磁界に
よって電子ビームの絞りを自在に調整可能である。ここ
で,フォーカシング電極(50)により発生する電界や
磁界は,フォーカシング電極(50)に印加電力,即ち
電圧又は電流によって容易に調整可能である。
【0037】尚,本実施形態に係る平板ディスプレイに
おいては,例えば,絶縁膜(44)の通過部(44a)
の直径(D)を例えば1〜10μmに維持し,厚さHを
例えば0.5〜6μmに維持する時,その作用が良好に
なる。
【0038】(3)平板ディスプレイのアセンブリ 本実施形態に係る平板ディスプレイの製造は,次のよう
に行われる。図3は,平板ディスプレイの製造方法につ
いての説明図である。図示したように,まず基板40が
提供され(S1),この基板40の一面にカソード電極
42が所定のパターンを維持して形成されると(S
2),このカソード電極42の一面には絶縁層52の形
成物質が所定の厚さを維持して蒸着され(S3),その
後フォーカシング電極50の形成物質が所定の厚さを維
持して絶縁層52の上に積層するように蒸着形成される
(S4)。
【0039】次の段階(S5)において,かかるフォー
カシング電極50と絶縁層52は,所定のパターンを維
持するようにパターニングされる。
【0040】その後,絶縁層52とフォーカシング電極
50を覆って,基板40の一面には,絶縁膜44の形成
物質が所定の厚さを維持して蒸着され,この絶縁膜44
の一面には,ゲート電極48の形成物質が所定の厚さを
維持して蒸着される(S6)。
【0041】それから,絶縁膜44とゲート電極48
は,貫通部44a(絶縁膜44)と開口48a(ゲート
電極48)とが形成されるようにパターニングされ(S
7),貫通部44aには,低仕事関数物質からなる電界
放出用陰極46が詰められて形成される(S8)。この
時,電界放出用陰極46は,絶縁層52とフォーカシン
グ電極50を覆いながら,絶縁膜44の全体の厚さH′
よりは薄い厚さaを有するように形成される(図1参
照)。
【0042】このような段階を経てカソードアセンブリ
は形成され,第2基板54は,第1基板40との間に形
成する内部空間部56が,真空状態を維持することがで
きるように第1基板40に取付けられる。
【0043】この時,第1,2基板40,54のセルギ
ャップを維持するスペーサ58は,平板ディスプレイの
ピクセルとピクセルとの間に合わせて配置される。
【0044】また,第2基板54の一面にはカソード電
極42に対応する複数のアノード電極60が所定のパタ
ーンを維持して形成され,このアノード電極60の一面
には,蛍光体からなる蛍光層62が形成される。
【0045】併せて,蛍光層62の一面にはアルミニウ
ム層64が形成され得るが,これは平板ディスプレイが
高電圧用をなす場合に備えられる。結果,第2基板54
とアノード電極60と蛍光層62とアルミニウム層64
とからアノードアセンブリが形成される。
【0046】以上のように構成される平板ディスプレイ
は,ゲート電極48に所定の電圧が印加されてその作用
が始まると,電界放出用陰極46からは電子が放出さ
れ,この放出された電子は,アノード電極60側に誘導
されて蛍光層62にぶつかるようになることにより,光
を発するようになって,ユーザーが所望する画像や文字
などを実現するようになる。
【0047】以上,本発明の望ましい実施形態について
説明したが,本発明はこれに限られるわけではなく,特
許請求の範囲と発明の詳細な説明及び添付した図面の範
囲内で様々に変形して実施でき,これも本発明の範囲に
属することは当然のことである。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば,第1基板の一面に所定
のパターンを有して形成される複数のカソード電極と,
該各カソード電極の一面に所定のパターンに形成された
複数の貫通部を配置しながら前記第1基板の一面で形成
される絶縁膜と,前記それぞれの貫通部内に配置されな
がら前記カソード電極に接触する複数の電界放出用陰極
と,前記貫通部と貫通される開口部を保有して前記絶縁
膜の一面に所定のパターンを有して形成される複数のゲ
ート電極と,該ゲート電極と前記カソード電極の間に配
置されて前記電界放出用陰極から放出された電子の流れ
を制御する複数のフォーカシング電極と,前記第1基板
と所定の間隔を置いて配置されて内部空間部を真空状態
に維持するように該第1基板に結合する第2基板と,該
第2基板の一面に所定のパターンを有して形成される複
数のアノード電極と,該各アノード電極の一面に形成さ
れる蛍光層と,含む電界放出用陰極を有する平板ディス
プレイが提供される。
【0049】また,本発明によれば,前記フォーカシン
グ電極は,所定のパターンをなして前記それぞれの貫通
部内に配置されて形成されることを特徴とする電界放出
用陰極を有する平板ディスプレイや,前記フォーカシン
グ電極は,所定のパターンをなして前記電界放出用陰極
の内部に配置されて形成されることを特徴とする電界放
出用陰極を有する平板ディスプレイが提供される。
【0050】さらにまた,本発明によれば,前記フォー
カシング電極は,前記カソード電極の一面に形成される
絶縁層の一面に積層されて形成されることを特徴とする
電界放出用陰極を有する平板ディスプレイや,前記電界
放出用陰極は,低仕事関数を有する物質がその表面を平
坦になして形成されることを特徴とする電界放出用陰極
を有する平板ディスプレイが提供される。
【0051】さらに,本発明によれば,前記貫通部とフ
ォーカシング電極は,円形の形態に形成されることを特
徴とする電界放出用陰極を有する平板ディスプレイや,
前記貫通部の直径は,前記フォーカシング電極の直径と
同一又はそれより大きく形成されることを特徴とする電
界放出用陰極を有する平板ディスプレイが提供される。
【0052】さらにまた,本発明によれば,前記貫通部
の直径は,前記絶縁膜の厚さと同一又はそれより大きく
形成されることを特徴とする電界放出用陰極を有する平
板ディスプレイや,前記貫通部の直径は,1〜10μm
を維持して形成されることを特徴とする電界放出用陰極
を有する平板ディスプレイ,或いは,前記絶縁膜の厚さ
は,0.5〜6μmを維持して形成されることを特徴と
する電界放出用陰極を有する平板ディスプレイが提供さ
れる。
【0053】また,本発明によれば,基板の一面にカソ
ード電極形成物質を塗布し,これをパターニングしてカ
ソード電極を形成する段階と,該カソード電極の一面に
絶縁物質及びフォーカシング電極形成物質を順次に積層
し,これをパターニングして絶縁層とフォーカシング電
極を形成する段階と,前記基板の一面に前記フォーカシ
ング電極を覆うように絶縁物質を塗布して絶縁膜を形成
する段階と,該絶縁膜の一面にゲート電極形成物質を塗
布してゲート電極を形成する段階と,前記絶縁層とフォ
ーカシング電極が前記絶縁膜及びゲート電極の外部に露
出するように前記絶縁層とフォーカシング電極をパター
ニングする段階と,前記絶縁膜のパターニング部位に電
界放出用陰極形成物質を充填して電界放出用陰極を形成
する段階とを含む電界放出用陰極を有する平板ディスプ
レイ製造方法が提供される
【0054】以上説明した本発明の構成と作用説明等を
通じてわかるように,本発明は,カソード電極とゲート
電極の間に形成されるフォーカシング電極により,次の
ような効果を奏する。
【0055】まず,本発明に係る平板ディスプレイは,
フォーカシング電極が,電界放出用陰極から放出された
電子がゲート電極にぶつかってリークされることなく良
好なフォーカシング特性を見せるようにすることによ
り,ディスプレイされる画像の歪みを防止する効果を有
する。
【0056】また,かかる効果は,電界放出用陰極が配
置される絶縁膜の貫通部の大きさに拘わらず,換言すれ
ば,絶縁膜の貫通部の直径が絶縁膜の全体の厚さから電
界放出用陰極の厚さ分だけを引いた厚さより大きくなさ
れた状態においても発揮できる。よって,本発明に従っ
て電界放出表示装置を構成する時には,製品の品位向上
に有利になるように電界放出表示装置を設計することが
できる利点を有する。
【0057】この他にも,電界放出用陰極から放出され
た電子が蛍光体にフォーカシングされて誘導される時,
スペーサにぶつかって起こる悪影響も防止できる付加的
な効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による平板ディスプレイを示
す部分断面図である。
【図2】本発明の実施形態による平板ディスプレイのゲ
ート電極とフォーカシング電極を説明するための平面図
である。
【図3】本発明の実施形態による平板ディスプレイの製
造方法を説明するための図面である。
【図4】本発明の実施形態による平板ディスプレイの作
用を説明するための図面である。
【図5】本発明の実施形態による平板ディスプレイの作
用を説明するための他の図面である。
【図6】本発明の実施形態による平板ディスプレイの作
用を説明するための他の図面である。
【図7】従来の技術による電界放出表示装置を示す断面
図である。
【図8】従来の技術による電界放出表示装置の部分断面
図である。
【符号の説明】
42 カソード電極 44 絶縁膜 44a 貫通部 46 電界放出用電極 48 ゲート電極 48a 開口 50 フォーカシング電極 52 絶縁層 56 内部空間部 60 アノード電極 62 蛍光層 64 高電圧用アルミニウム

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隔を置いて配置されるカソード
    電極及びアノード電極と;前記カソード電極の一面と前
    記アノード電極の一面との間に形成される内部空間部
    と;前記カソード電極の一面に形成されており電界放出
    効果により前記内部空間部に電子を放出する電界放出用
    陰極と;前記カソード電極の一面に形成されており前記
    電界放出陰極が内部に配置される貫通部を有する絶縁膜
    と;前記絶縁膜の前記内部空間部側の面に形成されてお
    り前記電界放出用陰極の電界放出効果を制御するゲート
    電極と;前記カソード電極と前記カソード電極との間に
    配されており放出された前記電子の流れを制御するフォ
    ーカシング電極と;前記アノード電極の一面に形成され
    ており前記電子の衝突によって発光する蛍光層と;を備
    えることを特徴とする,平板ディスプレイ。
  2. 【請求項2】 前記フォーカシング電極は,絶縁層を介
    して前記カソード電極の一面に形成されていることを特
    徴とする請求項1に記載の平板ディスプレイ。
  3. 【請求項3】 前記フォーカシング電極は,前記貫通部
    内に配置されることを特徴とする請求項1または2に記
    載の平板ディスプレイ。
  4. 【請求項4】 前記フォーカシング電極は,前記電界放
    出用陰極内に形成されることを特徴とする請求項1,2
    または3に記載の平板ディスプレイ。
  5. 【請求項5】 前記貫通部及び前記フォーカシング電極
    は,実質的に円柱形であることを特徴とする請求項3ま
    たは4に記載の平板ディスプレイ。
  6. 【請求項6】 前記貫通部の開口直径は,前記フォーカ
    シング電極上面の直径以上であることを特徴とする請求
    項5に記載の平板ディスプレイ。
  7. 【請求項7】 前記貫通部の開口直径は,前記絶縁膜の
    厚さ以上であることを特徴とする請求項5または6に記
    載の平板ディスプレイ。
  8. 【請求項8】 前記電界放出用陰極は,前記電子の放出
    が行われる実質的に平坦な放出面を有することを特徴と
    する請求項1,2,3,4,5,6または7のいずれか
    に記載の平板ディスプレイ。
  9. 【請求項9】 前記電界放出用陰極は,低仕事関数を有
    する物質から形成されていることを特徴とする,請求項
    1,2,3,4,5,6,7または8のいずれかに記載
    の平板ディスプレイ。
  10. 【請求項10】 前記蛍光層の前記内部空間部側の面に
    は,高電圧用アルミニウムが形成されていることを特徴
    とする,請求項1,2,3,4,5,6,7,8又は9
    のいずれかに記載の平板ディスプレイ。
  11. 【請求項11】 基板の一面に積層したカソード電極形
    成物質をパターニングすることによりカソード電極を形
    成する第1段階と;前記カソード電極の一面に絶縁物質
    とフォーカシング電極形成物質とを順次積層する第2段
    階と;前記第2段階で積層された前記絶縁物質及び前記
    フォーカシング電極形成物資をパターニングすることに
    より絶縁層とフォーカシング電極とを形成する第3段階
    と;前記フォーカシング電極が形成された前記基板の一
    面に絶縁物質とゲート電極形成物質とを順次積層する第
    4段階と;前記絶縁層及びフォーカシング電極が開口部
    分で露出するように,前記第4段階で積層された前記絶
    縁物質及びゲート電極形成物質をパターニングすること
    により,絶縁膜とゲート電極とを形成する段階と;前記
    絶縁膜の開口部分に電界放出用陰極形成物質を充填する
    ことにより電界放出用陰極を形成する段階と;を含むこ
    とを特徴とする平板ディスプレイの製造方法。
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