JP4222162B2 - 電界電子放出表示装置 - Google Patents

電界電子放出表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4222162B2
JP4222162B2 JP2003311543A JP2003311543A JP4222162B2 JP 4222162 B2 JP4222162 B2 JP 4222162B2 JP 2003311543 A JP2003311543 A JP 2003311543A JP 2003311543 A JP2003311543 A JP 2003311543A JP 4222162 B2 JP4222162 B2 JP 4222162B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cathode electrode
electrode
cathode
pixel
edge emitter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003311543A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005079054A (ja
Inventor
昌照 谷口
学 北田
和仁 中村
覚 河田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Futaba Corp
Original Assignee
Futaba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Futaba Corp filed Critical Futaba Corp
Priority to JP2003311543A priority Critical patent/JP4222162B2/ja
Publication of JP2005079054A publication Critical patent/JP2005079054A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4222162B2 publication Critical patent/JP4222162B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Description

本発明は、電界電子放出表示装置に関し、特にエッジエミッタ型の電界電子放出表示装置に関する。
近年、ディスプレイ装置は、ディスプレイを薄型化、省エネルギー型化とする方向に研究開発が進められ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、電界電子放出型ディスプレイがあげられる。
電界電子放出表示装置(Field Emission Display :以下、「FED」という)に用いられる電界電子放出素子(以下、「電界放出素子」という。)は、カソード電極、ゲート電極とアノード電極の配置により、スピント型と一般に称される縦型構造のものと、ラテラル型、側面型や平面型と称される横型構造のエッジエミッタ型のものがある。
スピント型電界放出素子は、シー・エー・スピント(C.A.Spindt)の米国特許第3、789、471号によって公知である。スピント型FEDにおいて、アノード定電圧駆動方式(アノード電極全体を一つの電極とし、アノード選択を行わない駆動方式)の従来例を図9〜図13に示す。図9にスピント型FEDの従来構造を示す。図9は、FEDの電極構造を示す斜視図、図10は、カソード電極S4に形成された電子放出部S20を拡大した斜視図で、図11、図12、図13は図9のA−A線断面図である。
図9、図11において、スピント型FEDS10は、基板S1、カソード給電部S12と、その上に円錐形状の電子放出部であるエミッタS20を形成するカソード電極(エミッタ電極)S4と、カソード電極S4の周辺の基板上に絶縁層(二酸化シリコンSiO2 )S3を挟んで引き出し電極であるゲート電極S2が積層されている構造とされ、真空中でカソード電極S4とゲート電極S2との間に電圧を印加することにより、その間に高電界を発生させ、電界放出の原理によってカソード電極の先端より電子が放出され、該電子は基板S1に形成させているアノード電極S7に集束され、その際、蛍光体S6に衝突して発光するものである。蛍光体S6は、フルカラー表示の場合、赤色蛍光体S6R、緑色蛍光体S6G、青色蛍光体S6Bの三種の長方形状の蛍光体から形成され、この3種の蛍光体により、一つの画素(ピクセルともいう)S13が形成され、画素S13は略正方形になっている。(以下、各蛍光体6R、6G、6Bは、サブピクセルといい、この3つの蛍光体を集合した領域を画素又はピクセルという。)
図10〜図13から明らかなように、スピント型FEDS10は、電子放出部S20が円錐状の電子放出源であるエミッタS20で構成されている。
FEDにおいて、エミッタから放出される電子の広がりを小さくし、いかに効率よく所定の蛍光体に衝突させるかが制御上の主要な技術的課題となっている。
アノード電極を蛍光体の色ごとに電気的に分離し、電子の照射位置を制御すれば放出電子の広がりに対する措置は軽減される。
しかし、蛍光体の発光輝度は、下記で表される。
L=(Va・ia・η・Du)/π
L:面輝度(cd/m2)、Va:アノード電圧(V)、
ia:蛍光体に照射される電流(A)、η:蛍光体の発光効率、
Du:デューティーサイクル、
発光輝度は、放出電子の蛍光体照射だけでなくアノード電圧と蛍光体の発光効率に比例するため、アノード電圧が高いほど高輝度が得られる。
また、蛍光体は、アノード電圧が高いほど発光効率は高く、又照射電流が多いほど発光効率は低い。そのため、アノード電圧の輝度への影響は著しい。
しかし、アノードを蛍光体の色ごとに電気的に分離する場合、10〜100μmの蛍光体と蛍光体の距離で電気的絶縁を保持しなければならず、10〜100μmの距離で電気的絶縁を保持できる電圧は、100〜1000Vが限界で、その結果効率的に高輝度を得ることは、製造には高度な技術を必要とし、製造コストも高くならざるを得ないものである。
アノード電極を蛍光体の色ごとに電気的に分離し、電子の照射位置を制御する方式のFEDは、構造が複雑となり、工程が多くなり製造上かなりの困難性が伴うため、通常FEDは、アノード定電圧駆動方式が採用されている。
一方、図9〜図11に示されているアノード定電圧駆動方式のFEDS10では、電子軌道を隣接画素のアノード電位の電位差で制御できないため、他の方法で放出される電子e- の照射位置の制御が必要となる。
すなわち、図11において、蛍光体S6Rを発光させようとした場合、放出電子e- が隣の蛍光体S6Gに照射されないように、放出電子e- の広がりを小さくする必要がある。特に、異なる色で発光する蛍光体(図11の場合緑色蛍光体S6G)に電子e- が照射された場合、色純度が落ち著しく品位を損なってしまう、混色現象が発生する。
放出電子e- の広がりを小さくするために、図12に示すような電子放出側プレートの表面に集束電極S14を設け、引き出し電圧よりマイナスの電界を設けることで広がりを防止するようにしたFEDがある。この形式のFEDは、図より明らかなように、蛍光体S6G側に位置する最右側のエミッタS20より放出される放出電子e- は、集束電極S14により放出方向が変更され、目的の蛍光体S6Rに衝突することになる。
スピント型電界放出素子の構造において、エミッタ電極とゲート電極との距離は、レジストパターンに設けられた穴の大きさにより決定されるため、多数の電子放出部であるエミッタ電極を再現性良く、均一に形成するには、リソグラフィ工程、エッチング工程の精度を上げる必要がある。
しかし、これらの技術は装置性能に大きく左右される上に、その制御は、かなりの精度が要求され、容易ではない。即ち、微細化に伴うエミッタ電極の形状やゲート電極間距離のばらつきによって生ずるエミッタ毎の電子放出特性のばらつきは製造上避けることができないという問題点がある。特に、大画面のFEDを製造する場合には、大きな基板上にエミッタ電極を均一に形成することが困難であるため、エミッタ電極の配列が均一に形成されていない場合には、画面の位置により電界電子放出特性が均一でなくなり、画像を良好に表示することができず、均一な表示特性を得ることが困難であった。
スピント型FEDの放出電子の集束性及び均一性向上のために、技術的課題となる製造上の問題点は、以下のとおりである。
(1)ホール形成工程
1μmレベルの丸状パターン(ホール)を均一(隣接するサブピクセル間のホール径差:0.1μm以下)に大面積に形成すること。
0.1μm以上ホール径差があると、図13に示されるような、左側のサブピクセルのエミッタの電子放出量と右側のサブピクセルのエミッタの電子放出量に差が存在すると、エミッタの電界集中の差により、輝度差が肉眼で識別されてしまう。
(2)蒸着工程
蒸着等の指向性の成膜方法を用い大面積にエミッタを形成すること。
指向性の成膜は成膜率を高くできないので長時間要する。また装置が大型化する。
(3)集束電極形成工程
図12に示される、集束電極を設けることにより、絶縁層成膜、集束電極成膜、レジストパターニング、エッチングの最低4工程の追加が必要となる。
エッジエミッタ型FEDに用いられる電界放出素子は、略平板状に形成され、エッジエミッタが形成されたカソード電極が絶縁層を介して形成されたゲート電極を介してアノード電極に電界電子放出が行われるような構成とされ、ゲート電極とカソード電極との間に発生する電界により、カソード電極から電子が放出される。
このように構成されたエッジエミッタ型FEDでは、カソード電極(エミッタ電極)から発生した電子が、スピント型FEDと同様に、加速されて蛍光体と衝突し、蛍光体が励起して発光し、画像を表示することができる。
このエッジエミッタ型電界放出素子では、電子を放出するカソード電極を略平板状に形成することができるため、ゲート電極とエミッタ電極との間に発生する電界により、エミッタ電極から電子が放出されるため、上述したスピント型電界放出素子と比較すると、製造工程が容易であることが特徴である。
このような特徴を有しているエッジエミッタ型電界放出素子は、平面型多極真空管の分野にも応用されているが、平面上に多数配列すれば平面ディスプレイとすることができ、液晶ディスプレイ装置と比較すると、応答性、輝度、耐環境性など多くの点で優れている。このため、平面ディスプレイとして主流を占める可能性があり、大型の平面型表示装置の開発が進められている。
特許文献1には、スピント型FEDがもつ問題点を解決するために、発光型表示装置等に利用される横型構造のエミッタを薄膜化したエッジエミッタ型の電界放出素子が、図14に示すように開示されている。
図14(a)は特許文献1に記載されている従来の電界放出素子の断面図を示し、(b)にその製造方法を示している。
電界放出素子100は、絶縁性の平面基板101、平面基板の表面に形成された二酸化シリコン薄膜よりなる台座102、102’、その表面に形成されたその先端が鋭角形状(鋸歯状に形成され、この突起部分から電子が放出される。)の電子放出突起部104を持つ導電性薄膜であるカソード電極103と、平面基板表面にカソード基板に対向して形成されたアノード電極105と、平面基板表面に電子放出突起部104においてカソード電極に自己整合的に形成されたゲート電極106から構成されている。
製造方法は、図14(b)において、次の(1)から(5)の工程からなる。
(1)絶縁性の二酸化シリコン等からなる平面基板101の表面に絶縁性薄膜107を形成する工程。
(2)絶縁性薄膜107の表面に台座形状のレジストパターン108を形成する工程。 (3)レジストパターン108をマスクとして、絶縁性薄膜107を逆テーパ状にエッチング加工し台座102、102’を形成する工程。
(4)レジストを除去した後アルミニウム薄膜109を平面基板の全面に方向性粒子ビーム法によりアルミニウム薄膜109を形成する工程。
(5)と、最後に、フォトプロセスによって導電性薄膜109をカソード電極103、ゲート電極106及びアノード電極105の形状にエッチング加工する工程。
特許文献1に記載のものは、カーソード電極103とゲート電極106の距離が薄膜の膜厚で制御されるため、大面積にわたって電気特性を均一にでき、両電極間の距離を短くできること、及び電子放出突起部104の先端を鋭角にできるため、ゲート閾値電圧の低電圧化が可能であることが記載され、カソード電極(カソード電極)をより尖鋭化すること、カソード電極とゲート電極とのギャップを小さくして、駆動電圧を小さくすること等の改良が行われてきた。
特許文献2には、コレクタ電極(アノード電極)をカソード電極と同一基板上に形成した、特許文献1に記載のものと同形式の電界放出素子が記載され、透光性アノード電極をカソード電極の直上部のもう一枚の基板上に形成し、そのアノード電極上に形成した蛍光体を励起発光させる構造のFEDについて示唆されている。
特許文献3には、特許文献1、2に記載されているカソード電極とゲート電極を同一平面上に形成したものと違った、図15に示されているような、平面型(エッジエミッタ型)FEDが記載されている。
三極管であるFED341は、積層構造のエミッタ314とゲート316、及び、透明な基板342上に積層された導電性薄膜からなるアノード343とを備えている。アノード343には低加速電子線用の蛍光体344が積層され、透明な基板342は、他方の基板312に対して適当な間隔で離間している。この基板312にはエミッタ314とゲート316とが積層されている。そして、透明な基板342の蛍光体344がゲート316に対向している。
このFED341においては、エミッタ314−ゲート316間に電圧が加えられて電子が引き出され、この後、エミッタ314−アノード343間に更に高い電圧が加えられ、エミッタ314−ゲート316間に引き出された電子が、図15中に矢印A、Aで示すようにアノード343の側に引き寄せられる。この電子はアノード343に到達する直前に蛍光体344に衝突して蛍光を発生させるように構成されているため、
カソード電極とゲート電極とを、絶縁体を介して積層できるから、カソード電極の縁部とゲート電極の縁部とを近接させることができ、上記カソード電極の縁部に電界を効率良く印加することができる。また、カソード電極の縁部を尖鋭化することで、その尖鋭化された先端のエッジエミッタから電界を効率良く集中させることができると記載されている。
このようなFED341においては、各画素を近接させても、電子放出素子間の距離がエミッタ314−ゲート316間の距離よりもわずかでも大きければ隣り合う他の電子放出素子には何ら影響を及ぼすものではなく、画素同士の間隔を小さくして画素を緻密に配設し、透明な基板342側、及び、他方の基板312側にそれぞれ直交する複数の配線を形成してもクロストークなどの問題は生じないため、駆動方式に単純マトリクス方式を採用することが可能であることが記載されている。
さらに、特許文献4には、従来の平面型FEDではカソード電極から放出される電子を所望の方向に偏向させることが難しく、実用的にFEDに用いることが困難であり、そのために開発された4層型(絶縁層を介してエミッタを一対のゲートで包むように配置し、底面に補助電極を備えた)FEDでは、補助電極から発生する電界がカソード電極にかかるため、一対のゲート電極からカソード電極にかけられる電界が相対的に低くなってしまうという課題を解決し、エミッタ電極から放出された電子を所定の方向に偏向させることができるとともに、小さな駆動電圧でも良好に電子を放出することのできる、図16に示されるようなアノード選択方式のFEDが記載されている。
図16において、FED404は、支持体1と、この支持体1と対向して配設され、アノード電極403がストライプ状に形成されたフェイスプレート404とを備え、フェイスプレート404には、所定のアノード電極403上に発光する赤色蛍光体405R、緑色蛍光体405G、青色蛍光体405Bが形成される所定の領域で一画素が構成されている。
電界放出素子401は、絶縁性基板406上に形成されてマトリックス状に配設され、所定の層構造を有してなるとともに、積層方向に穿設され、略矩形状に形成されている開口孔407(ウエル)を有し、この開口孔407から電子を放出する。
この電界放出素子401は、図16(b)に示すように、4層型の電界放出素子であって、ガラス等の絶縁性基板406と、この絶縁性基板406上に形成された補助電極411と、この補助電極411上に第1の絶縁層412を介して積層された第1のゲート電極413と、この第1のゲート電極413上に第2の絶縁層414を介して積層されたカソード電極415と、このカソード電極415上に第3の絶縁層416を介して積層された第2のゲート電極417とを有している。
この電界放出素子401において、開口孔407は、第1の絶縁層412、第1のゲート電極413、第2の絶縁層414、カソード電極415、第3の絶縁層416及び第2のゲート電極417を貫通するとともに底面に補助電極411が露出するように穿設されることにより形成される。さらに、この電界放出素子401では、第1のゲート電極413がカソード電極415の開口縁より内方へ突出するように形成されている。
第1のゲート電極413及び第2のゲート電極417に所定の電圧を印加することにより、第1のゲート電極413及び第2のゲート電極417とカソード電極415との間に電界を発生させ、カソード電極415の先端部からは、いわゆる電界電子放出により、補助電極411の面内とほぼ垂直方向、アノード電極405方向に電子が放出され、カソード電極415から放出された電子がアノード電極403の方向に偏向されることになる。
したがって、この電界放出素子401は、カソード電極415から放出された電子を効率よくアノード電極403上に形成された蛍光体405に衝突させることができる。このように、この電界放出素子401は、蛍光体405を効率よく発光させることができるため、FEDの輝度を大幅に向上させることができることが記載されている。
特開平3−295131号公報 特許第2613697号 特許第2635879号 特開平11−232997号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている発明は、同一基板上にカソード電極とアノード電極を形成する構造であるため、カソード電極の部分は表示部とすることができず、高密度の表示が困難である。
特許文献3に記載されている発明は、電子放出がエミッタ先端のみから行われる構造であるため、発光がポイント状になり所定の画素全面を均一に発光させることが困難なものであった。
また、特許文献4に記載されている発明は、集束性の向上は図れるものの構造が複雑化し、中型表示素子の商品化の障害となっていた。
そこで、構造が複雑でないエッジエミッタFED構造として次のような構造のものが検討されている。
エッジエミッタ型FEDは、0.6〜1.0mm程度のトリオピッチ(画素ピッチ)の家庭用テレビジョン受像機用、又はパーソナルコンピュータの表示装置用の中型表示素子用途に特許文献3、4にも記載されているように、開発が進められている。
中型表示素子用途に用いられる、エッジエミッタ型FEDは、図17、図18、図19に記載されているようなものが一般的な構造である。図17は中型表示素子用途に開発された一例を示す従来のFED60の平面図であって、1つの画素63を示している。図18は電界放出素子50の斜視図であって、(a)はウエルを3本としたもの、(b)は1本のものを示し(c)はウエル59を1つの電子放出部70として示した斜視図、図19は図18(a)のD−D線の一部断面図を示す。
エッジエミッタ型FED60は、支持体51上に、行(row)電極としてのゲート電極52、絶縁層53、列(column)電極としてのカソード電極54と、図示しない絶縁性パーシペーション55とが積層されて形成された電子を放出する電界放出素子50と、該素子50と対向して配設され、単一のアノード電極57が表示面全体に形成され、該アノード電極57に積層されている長方形状の赤色を発光する赤色蛍光体56R、それに隣り合って長方形状の緑色を発光する緑色蛍光体56G、さらに長方形状の青色を発光する青色蛍光体56Bを一組として略正方形状の画素63から形成され、この画素63が表示面全体に等ピッチでマトリックス状に配列されている。
そして、カソード側と、アノード側は、蛍光体56の長手方向とカソード電極54により構成されるエッジエミッタ58の長手方向を平行に配置するように構成されている。また、このFED60は、カソード電極部50と、アノード電極57との間には、図示しない複数のピラーを有し、このピラーは高度に真空状態とされたカソード基板とアノード基板との間を所定の間隔に維持する。
略平板状に形成されたカソード電極54、特にカソード電極54の先端部である電子を放出するエッジ58は、絶縁層53を介して下側のゲート電極52と対面する構成とされる。カソード電極54は閉じた長方形状をなし、カソード電極54により囲まれた空間部及びエッジ58直下の絶縁層53が除去された部分(カソード電極54のエッジ58の下側部分が絶縁層53から突出して、ゲート電極52と対面するようにエッチングされている。)から電子放出用のウエル59が形成されている。
ゲート電極52はゲート給電部61から、カソード電極54はカソード給電部62からそれぞれ給電される。ゲート電極52とカソード電極54は、それぞれ直交する方向に配置され、ウエル59を構成するカソード電極54は、図においては、3本が一組となって電子放出部70を構成するように形成され、各電子放出部70の上部には、一画素、つまり赤色蛍光体56R、緑色蛍光体56G、青色蛍光体56Bが一組となって配置され、この画素がマトリックス状に形成されることによって、フルカラー表示のディスプレイが構成される。
電界放出素子50は、ゲート給電部61、カソード給電部62より、ゲート電極52にスキャン信号、カソード電極54にデータ信号が入力され所定の画素が選択されて、駆動され、発光して表示素子として機能する。
そして、ゲート電極52とカソード電極54との間に発生する電界により、カソード電極54から電子が放出され、放出された電子はカソード電極とアノード電極との間の電界により加速されて、アノード電極に形成された蛍光体56R、56G、56Bに衝突し、蛍光体を励起し、発光する。なお、カソード電極54の上面の絶縁性パーシペーション55は、アノード電極57との絶縁を保つためのものである。
このような構成の電界放出素子50においては、カソード電極54−ゲート52電極間に電圧が印可されて電子が引き出される。そして、カソード電極54−アノード電極間に更に高い電圧が加えられ、カソード電極54−ゲート間に引き出された電子が、図19中に矢印で示すようにアノードの側に引き寄せられる。この電子はアノードに到達する直前に蛍光体56R、56G、56Bに衝突して蛍光を発生させる。
このような電子放出部70を図17に示す赤色蛍光体56R、緑色蛍光体56G、青色蛍光体56Bの各々に配置して、三種の蛍光体56単位毎に1つの画素とされ、画素をマトリックス状に多数個を配列すれば平面ディスプレイ装置が得られる。
エッジエミッタ型FEDは、1μmレベルのパタン形成や蒸着法のような指向性のある成膜を必要としないため、スピント型FEDの問題点を補うことができるものであるが、放出電子e- の広がり(カソード電極の平面に対して60度程の角度で広がりを持って放出される。)を集束させる集束手段を講じないと、図19に示すように、隣の蛍光体にも電子が放出されることとなり、電子放出側の列(row)電極と行(column)電極の制御のみでは、所定の蛍光体のみに放出電子e- を照射することができなかった。
混色の発生を図17〜図19に基づいて説明すると、FED60では、ゲート電極52にはスキャン信号が入力されるので一定の電位が所定の周期で印可される。そこで画素63のオン、オフの選択はカソード電極54に印可されるデータ信号の電圧により制御される。カソード電極とゲート電極の電位差が電界電子放出に必要な所定の電位差の場合がオン、所定の電位差に満たない場合はオフとなる。
例えば、図19において、電子放出部の長手方向を平行に配置した構成を複数本平行に配置して電子放出エリアを多くすることが考えられる。左側の赤色蛍光体56Rに対応するカソードをオン、右側の青色蛍光体56Bに対応するカソードをオフとした場合、オンのカソードの電位はGNDであるのに対し、オフのカソード電位はGNDよりプラス側電位となる。そのためオンのカソードから放出された電子e- は、隣接するカソードのプラス側電位の影響を受けて電子軌道が曲げられ右側の青の蛍光体に入射して混色を生じてしまう。つまり、エッジエミッタから照射される電子はカソード平面に対し例えば60度程度の角度で広がりを持って放出され、更に、隣接カソードの電位により軌道が曲げられるため、電子が隣接する画素にも照射され選択色以外の色も発光させてしまいフルカラー表示素子にとって致命的な問題である混色を生じていた。
ここで、カソード電極は、エッジエミッタを構成し、各ウエルを電気的に接続させる機能を具備すれば良く、図20に示すように、単純なストライプ形状で画素ピッチ(e)972μmに対し、電子放出部の幅(d)34μm、長さ(g)692μm、(a)部10μmとしていた。
放出電子e- の広がりを防ぐために、別途集束電極を設けると、構造が複雑となり安価に製造することができなかった。(特許文献4参照)
また、放出電子e- が隣接蛍光体に照射されないように、電子放出部70を小さくすると、例えば図18(a)においては3本のウエル59よって電子放出部70としているが、これを図18(b)のように一本のウエル59によって電子放出部70を小さくした場合、電子放出源が減り、電子放出量が少なくなり、したがって、高輝度を得ることができなかった。
エッジエミッタはその稜線状のカソード先端部(エッジ)から電子を放出する電界放出素子である。一般に電界電子放出量は放出部の仕事関数、電界強度、電子放出面積により決定される。ここで仕事関数はエミッタ材料で決定され、実用上はMo、W、C等に限定されその値はほほ固定される。
電界強度はカソード・ゲート間の耐電圧、ドライバーの駆動耐電圧等により実用上の制限がある。従ってエッジエミッタの電子放出能力は実用上その稜線状のエッジ長に依存することになる。
しかし上記の構成では各画素の蛍光体面積に対しエッジエミッタ各素子のエッジ長が短く、グラフィクディスプレイで最低限用いられるDu=1/240程度のパルス幅では充分な電子放出量が得られず、アノード電圧を2kV〜5kVとしても充分な発光輝度が得られなかった。
そもそも、集束電極を持たず、アノード選択も行わないエッジエミッタにおいて電子軌道を考慮したFEDの検討はなされていなかった。
従って、発光輝度と色純度の両者を満足するエッジエミッタFEDを開発することは困難であった。
本発明は、基板上に積層されたゲート電極と、このゲート電極上に層間絶縁層を介して積層され、閉じた長方形状の開口部を形成しているエッジエミッタが形成されているカソード電極と、前記開口部と前記ゲート電極との間に形成されている溝であるウエルとから形成されているカソード電極部とからなるエッジエミッタ型電界電子放出素子と、色選択可能なように色選択方向に前記カソード電極と対応して設けられている各色の蛍光体と、前記各色の蛍光体から一つの画素として形成されているアノード電極部とからなるエッジエミッタ型の電界電子放出表示装置において、前記カソード電極は、色同色方向に連続して形成されいるとともに、色選択方向の開口部からの電極部分の幅を、色同色方向の開口部からの電極部分の幅より広くするように形成されている。
さらに、前記画素に対応するカソード電極の色同色方向の画素領域の外の画素外領域にカソード電極細線部を設けた。
前記カソード電極細線部は、カソード電極の領域の色選択方向中心部に設けられているか、又は、カソード電極の色選択方向の両端部に設けられている。
前記カソード電極細線部以外の前記画素外領域のカソード電極領域は、層間絶縁層を露出させた構造、又は、ゲート電極を露出させた構造とした
また、前記カソード電極細線部は、ゲート電極が露出した領域を取り囲むように形成されているものとした。
本発明によれば、トリオピッチ0.6〜1mm程度の中型表示素子(20型〜30型)用途のエッジエミッタFEDにおいて、製造工程を複雑にすることなく、隣接画素間の混色(もれ発光)を防止することができるとともに、発光輝度を上げることができるという、優れた効果を奏する。
本発明の実施の最良の形態を図1〜図3に基づいて、説明する。
図1は、本発明FEDの全体の構造を示し、(a)は全体構造の斜視図、(b)はA−A線の断面図、(c)はカソード電極部の一部拡大斜視図をそれぞれ示している。
FED10は、カソード側支持体1の上に、行(row)電極としてのゲート電極2、層間絶縁層3、列(column)電極としてのカソード電極4と、図示しない絶縁性パーシペーション5とが積層され、カソード電極4のエッジエミッタ8によって閉じた開口部とされている一本又は複数本のウエル9により領域が形成されている電子放出部20が配置され、その上部には、アノード側支持体1上に、アノード電極7と蛍光体6とが形成されて、図示されていないが、カソード電極4とアノード電極7の間は、高度に真空状態とされている。
赤色蛍光体6R、緑色蛍光体6G、青色蛍光体6Bの3つの蛍光体は、1つの画素(ピクセル)13とされ、画素13が多数マトリックス状に配置されて表示装置が構成されることになる。なお、個々の蛍光体6R、6G、6B(サブピクセルともいう。)は、これら蛍光体を所定の間隔を開けて横方向に並べた状態で1画素13を形成するため、縦長形状とされる。
蛍光体6の素材は、カラー用として、Y2SiO5:Tb(緑)、 Y2SiO:Ce(青)やY23:En(赤)などがある。
電子放出部20には、カソード電極4のエッジエミッタ8を内縁とした閉じた長方形状のカソード電極4の開口部、その直下の層間絶縁層3をエッチングして形成されたゲート電極2上に形成された溝、エッジエミッタ8直下の絶縁層3が除去された部分(カソード電極4のエッジエミッタ8の下側部分が絶縁層3から突出して、ゲート電極2と対面するようにエッチングされている。)によって電子放出用のウエル9が形成されている。
カソード電極4の先端部であるエッジエミッタ8は、電源16(図4参照)により各電極に電圧が印可されると電子を放出するものである。
ウエル9は、図1、図2から明らかなように、長方形状の開口として形成され、その長手方向が、各蛍光体6R、6G、6Bの長手方向と平行となるように、カソード電極部15に多数形成されている。さらに、ウエル9は、層間絶縁層3、カソード電極4、絶縁性パシペーション5を貫通するとともに底面にゲート電極2が露出するように穿設されることにより形成される。
なお、カソード電極4の上面の絶縁性パーシペーション5は、アノード電極7との絶縁を保つためのものである。
ゲート電極2はゲート給電部11から、カソード電極4はカソード給電部12からそれぞれ給電され、ゲート給電部11と、カソード給電部12とは、それぞれ直交する方向に配置されている。
電子放出部20は、ゲート給電部11、カソード給電部12より、ゲート電極2にスキャン信号、カソード電極4にデータ信号が入力され所定の画素が選択されて、駆動され、発光して表示素子として機能する。
図1、図2に示す電子放出部20はウエル9が1本のものとして示されているが、図18(a)に示されているような3本のウエル9を1つの電子放出領域とし、電子放出部20としてもよい。
そして、ゲート電極2とカソード電極4との間に発生する電界により、カソード電極4から電子が放出され、放出された電子は、アノード電極7に形成された蛍光体6R、6G、6Bに衝突し、蛍光体6は励起され、発光する。
なお、本発明では、カソード電極4は表示素子の色同色方向に連続して形成されているが、図2(c)でエッジエミッタ8の縦方向(長手方向)に対応する部分(電極幅aを有する部分)を「色選択方向のカソード電極」又は「色選択方向のエッジエミッタ」といい、エッジエミッタ8の横方向(短手方向)に対応する部分(電極幅bを有する部分)を「色同色方向のカソード電極」又は「色同色方向のエッジエミッタ」といい、アノード電極7の画素13に対応する3本のカソード電極4の部分を、カソード電極画素領域13’とし、色同色方向の隣(図1(a)の図面上の上下方向)のカソード電極画素領域13’との間をカソード電極の画素外領域といい、該画素外領域部分の幅をcとして定義して、以下に説明する。
このような構成の電子放出部20においては、ゲート電極2に所定の電圧を印加することにより、ゲート電極2とカソード電極4との間に電界を発生させ、電子が引き出される。そして、カソード電極4−アノード電極7間に更に高い電圧が加えられ、カソード電極4−ゲート電極2間に引き出された放出電子e- が、図1、図2中に矢印で示すようにアノード側に引き寄せられ、いわゆる電界電子放出により、アノード電極7方向に電子が放出されることになり、カソード電極4から放出された電子がアノード電極7の方向に偏向されることになる。この放出電子e- はアノードに到達する直前に蛍光体6R、6G、6Bに衝突して蛍光を発生させる。
本発明のカソード電極部15は、図2(a)、(b)に示されているように、色選択方向のカソード電極幅aを広くし、色同色方向のカソード電極4の幅bを狭くしたこと、つまり、a>bであるように形成されたカソード電極4を特徴としている。図1には、第1実施例として後に説明する、カソード電極4のカソード電極画素領域13’外の画素外領域部分にカソード電極細線部14を設けたものが図示されている。
本発明の上記特徴点について、図2〜図4に基づいて、説明する。
前記のように、放出電子e- は、図2に示されているように放出される。図2(a)の右側の図は、ウエル9の長辺側のエッジと短辺側のエッジの放出電子e- の方向による放出量の違い(矢印の数で示されている。)を示すものである。電子は、エッジの稜線から均一に放出されるが、長辺側、短辺側の稜線の長さの差により放出量に差ができる。エッジエミッタ8の長辺部分から放出される放出電子e- は、放出量が多く、カソード電極4のマイナスの電位の上下に配置されているゲート電極2とアノード電極7のプラスの電位の複合作用により水平方向にも加速されるため、図19で示されているようにカソード電極部20に対し一定の広がりを持って放出されるものであるため、この放出電子e- の広がりが色選択方向に作用すると、混色を起こすことになる。
本発明は、上記知見に基づき、以下に詳細に説明する2つの特徴的な構成に基づいている。
まず第一点は、図2(a)に示されているように、色選択方向に放出される放出量の多い放出電子e- を集束させるために、色選択方向のカソード電極の幅aを広くし色選択方向の混色を防止するようにする。
色選択方向側のカソード電極幅aが広いと、周辺の電位におよぼす影響が増し、アノード・カソード間に電位分布を生じ電子軌道が曲げられて電子は広がりにくくなるため、色選択方向に放出される放出量の多い放出電子e- は、所定の蛍光体6に集束されて衝突し、蛍光体6を発光させ、その結果、混色が防止できることとなる。
実験結果によれば、アノード−カソード間のパネルギャップ1mm、アノード電圧2kVとして、2つのカソード電極を432μm間隔で配置して、ウエル幅dを例えば5μm、ウエルの長さを175μmに固定し、カソード電極幅aを5μm〜40μmまで増加させると、カソード電極幅aが広くなるにつれ、発光幅が細くなり集束性が向上した。(図3に示す実験において、ウエル幅dとは図2(a)に示す一対のエッジエミッタの間隔dをいい、同様にカソード幅aとはカソード電極の幅をいう。図3の例においては、カソード電極部15には、ウエル9は一本しか設けていないが、ウエル9を複数本設けて、電子放出部20とした場合は、その電子放出部20の幅をウエル幅dとする。その場合のカソード電極幅aは、電子放出部20から色選択方向に隣接するカソード電極の幅をカソード電極幅aとする。)
第二点は、図2(c)に示しているように、色選択方向のカソード電極幅aより色同色方向のカソードの電極幅bを狭くし、放出電子e- を色同色方向に逃がすことにより混色を防止するものである。
色同色方向のカソード電極幅bを狭くすると、放出電子e- は、色同色方向に隣接する蛍光体6にも到達するが、色同色の蛍光体であるため、混色を生ずることはない。
実験結果によれば、図2(c)において、縦長の1個のウエル9の周囲に形成された縦横各一対のエッジエミッタ8を有し、エミッタ部の長さ(175μm)、ウエル幅d(20μm)、カソード電極幅a(35μm)を一定としてその縦方向外側のカソード電極幅bが35μmの場合は、縦方向(色同色方向)の発光範囲が狭くなり、反面、横方向(色選択方向)の発光幅が広いという結果となった。
そして、エミッタ部外側のカソード電極幅bを10μmまで狭めていくと縦方向(色同色方向)の発光範囲が広くなり、横方向(色選択方向)の発光幅が狭くなっていくという結果となった。
エミッタ部縦方向外側のカソード電極幅bを35μmと広げた場合はエミッタの周囲全体がマイナス電位で覆われて電子の逃げ場がないのに対し、カソード電極幅bを10μmと狭くした場合は縦方向のマイナス電位の幅が狭く、縦方向に電子が逃げて広がる事で横方向の発光幅が狭くなったためと考えられる。
また、FEDは内部が真空であり、大気圧を支えるため表示面内に円柱状、又は壁状のスペーサ部材を設ける必要がある。その場合、縦方向の蛍光体パターン間にスペーサ部材を配置するので縦方向の蛍光体パターン間はそのスペース分だけ隙間を設ける必要がある。この隙間は、上記したカソード電極画素領域13’外の画素外領域部分に相当し、従って縦方向への電子広がりはこの観点でも混色への影響が小さくことがわかる。このことは、縦方向に異なる色の蛍光体パターンを配置したとしても混色の問題を生じない表示素子の設計が画面サイズによっては可能であることを示している。
以上のように集束電極を有さず、アノード選択を行なわないエッジエミッタFEDにおいてウエル周囲の電極幅をa>bの関係とすることで混色を生じないFEDを形成することができる。
本発明の実施例1を図5に示す。
図5は、カソード電極部15の平面図を示し、カソード電極4が蛍光体の色同色方向と平行な方向に伸び、カソード電極4の画素13に対応するカソード電極の画素領域13’と色同色方向の次の画素領域との間の画素外領域のカソード電極4の中心部分をカソード細線部14(色同色方向の幅をcとする。)として残し、他の部分の電極部分を除去し、層間絶縁層3を露出させ、更に、カソード電極のa部幅を広げた構造としたものである。その電極部の構造の平面図を、図2(c)に示す。
この構造は、従来構造において混色が生ずる場合でもカソード電極パターンを変更することのみによって、従来構造と同じ工程で製造し、混色防止が可能である。
図5(a)に示す実施例1におけるFEDは、カソード電極が連続する方向に積極的に電子を逃がすことにより発光色の異なる横方向への電子の広がりを抑え混色を防止でき、色同色方向では隣接画素の発光を生じ得るが混色の問題は生じず影響は小さいといえる。
図5(b)には、実験結果に基づく、色選択方向のカソード電極幅aと色同色方向のカソード電極幅bの比b/aと、ウエルの発光幅の関係を示すもので、アノード〜カソード間のパネルギャップ:1mm、アノード電圧2kV、カソード電圧0V、ゲート電圧140V、Du=1/60とし、実験を行った。発光幅はb/a=1の条件を基準として、その比で示してある。
b/aの比率に比例して発光幅は狭くなっており、b/a=0.4で、b/a=1の場合の発光幅の70%以下の発光幅となり、かなりの混色防止効果が得られていることが示されている。
なお、ここでウエルの長軸が縦方向のウエルを用いたが、長軸が横方向のウエルでも同様の効果が得られる。
図5(a)で従来構造と同寸法の画素ピッチ(e)、電子放出領域(d)、(g)のままで、(a)部120μm、(b)部10μm、細線部幅10μmとすることで、図20に示す従来構造で生じていた混色を防止したエッジエミッタFEDが実現できた。
なお、図5では、本発明の構造上の特徴である色選択方向のカソード電極幅aを広げた構造と、幅aに対し、色同色方向のカソード電極幅bを狭くし、細線部を設けた構造を組み合わせているが、色選択方向のカソード電極幅aを広げた構造であっても従来構造と比較し、混色防止効果を得ることができる。
本発明の実施例2を、図6(a)、図7に示す。
実施例1の構造において、画素外領域の前記層間絶縁層3の露出部をカソード電極細線部14で囲まれた閉じた形状としたものである。図6(a)は、カソード電極画素領域13’と隣の画素領域の間の中心線部分まで図示したものである。色同色方向のカソード電極幅は、第1の実施例と同様幅bである。
実施例2は、カソード電極細線部14が隣の画素領域と2か所で接続されるので断線しづらく、層間絶縁層3の露出部のカソード電極も収束機能を果たすので平面的に見て斜め方向に放出電子e- が広がることも防止できる。
本発明の実施例3を、図6(b)、図8に基づいて説明する。
実施例1の構造において、画素外領域のカソード電極層4に加えて、層間絶縁層3も除去して、ゲート電極2を表面に露出させた構造としたものである。
実施例3は、ゲート電極2にカソード電極に対し常にプラス電位が印可されていることを利用したもので、放出電子e- をより積極的にカソード電極の長手方向に集束させることができるものである。
なお、本発明の製造方法は、カソード成膜のときのカソード電極のパターンを変えることを除けば、スピント型の製造手法と同様の薄膜加工工程である。
以上説明してきた本発明の実施例においては、列電極がカソード電極、行電極がゲート電極とされ、絶縁基板上にゲート電極、絶縁層、カソード電極の順に積層された層構造を有するものであるが、列電極がゲート電極、行電極がカソード電極でもよい。
本発明の実施例においては、列電極がカソード電極、行電極がゲート電極とされたものであるが、列電極がゲート電極、行電極がカソード電極であるものより、本発明の実施例のような列電極がカソード電極、行電極がゲート電極のものの方が優位なものであることを以下に説明する。
グラフィクディスプレイは一般に横長の画面、例えば横640画素×縦480画素が用いられている。画素にTFT等のスイッチ素子を持たないパッシブ型では輝度を高くするために各ピクセルの点灯時間を長くする必要がある。そのために、ディスプレイを駆動するスキャンの周期を遅くする必要があり、スキャン信号を信号線の本数が少ない水平方向の信号線に入れることになる。
一方、垂直信号の信号線は元々水平方向よりピクセル数が多く(例えば640個)、更にR、G、B各色がそれぞれ信号線を要するため例えば640×480画素のディスプレイでは1920本(640×3)となる。水平方向の信号線の1スキャンタイミングの間に1920本分のデータを送る必要が生じ、一般的なシリアル形式のデータ送信ではかなり高速のデータ送信が必要となる。また、高電圧の高速データ通信は、ノイズが多くなるので避ける必要がある。
エッジエミッタのカソードとゲートの電圧振幅を比較すると、カソード電圧振幅の方がゲート電圧振幅より小さいので、カソードをデータ信号(垂直方向の信号線)とし、ゲートをスキャン信号とすることが一般的となる。
しかし、カソード電極にデータ信号が入力されると表示内容に応じてオンとオフ電位が隣接電極間でランダムに生じする。この隣接画素の電位変動により電子軌道が影響を受け、混色の問題が生じやすい。(実用上十分な輝度を得るためには電子放出部の面積を狭くして混色を防ぐ手段は、輝度が下がるため、実用的とはいえない。)
電子放出素子を製造するのに必要な高精度の加工が容易にできるエッジエミッタの特性を生かすため、集束電極等の付加的構造を用いずに隣接画素の混色を防止できるエッジエミッタ型FEDを実現する。
本発明の電界電子放出型ディスプレイ装置を示し、(a)はその一部を示す斜視図、(b)はA−A線断面図、(c)は点線で囲んだ部分の拡大図。 本発明の電界電子放出型ディスプレイ装置の断面図を示し、(a)はエッジエミッタの長手方向断面図、(b)は短手方向断面図、(c)は実施例1のカソード電極の平面図。 本発明に基づく電界電子放出型ディスプレイ装置の電子の広がり幅を示す図。 本発明の実施例の作用を示した図1のA−A線の断面図。 本発明の実施例のカソード電極の平面図及び、その効果を示す発光幅の比率を示す図。 本発明の実施例2と、実施例3のカソード電極の平面を模式的に示した図。 本発明の実施例2カソード電極の平面図。 本発明の実施例3のカソード電極の平面図。 従来例の電界電子放出型ディスプレイ装置の一部を示す斜視図。 スピント型電界電子放出型ディスプレイ装置のカソード電極部の一部拡大斜視図。 図10のB−B線の断面図。 スピント型電界電子放出型ディスプレイ装置の他の例を示す断面図。 図10に示す例の作用を示す断面図。 特許文献1に示す横型FEDの製造工程を示す図。 特許文献3に示す従来例のFED電極の断面斜視図。 特許文献4に示す従来例のFED電極1画素を示す斜視図。 特許文献4に示す従来例のFED電極の断面図。 従来のエッジエミッタ型FEDの平面図。 従来のエッジエミッタ型FEDの断面図。 従来のカソード電極の平面図。
符号の説明
1 支持体
2 ゲート電極
3 層間絶縁層
4 カソード電極
5 絶縁性パーシペーション
6 蛍光体
7 アノード電極
8 エッジエミッタ
9 ウエル
10 FED
11 ゲート給電部
12 カソード給電部
13 画素(ピクセル)
13’ 画素13に対応するカソード電極の画素領域
14 カソード電極細線部
15 カソード電極部
16 電源部
20 電子放出部

Claims (7)

  1. 基板上に積層されたゲート電極と、
    このゲート電極上に層間絶縁層を介して積層され、閉じた長方形状の開口部を形成しているエッジエミッタが形成されているカソード電極と、
    前記開口部と前記ゲート電極との間に形成されている溝であるウエルとから形成されているカソード電極部とからなるエッジエミッタ型電界電子放出素子と、
    色選択可能なように色選択方向に前記カソード電極と対応して設けられている各色の蛍光体と、
    前記各色の蛍光体から一つの画素として形成されているアノード電極部と
    からなるエッジエミッタ型の電界電子放出表示装置において、
    前記カソード電極は、色同色方向に連続して形成されいるとともに、色選択方向の開口部からの電極部分の幅を、色同色方向の開口部からの電極部分の幅より広くするように形成されている
    ことを特徴とするエッジエミッタ型の電界電子放出表示装置。
  2. 前記画素に対応するカソード電極の色同色方向の画素領域の外の画素外領域にカソード電極細線部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のエッジエミッタ型の電界電子放出表示装置。
  3. 前記カソード電極細線部は、カソード電極の領域の色選択方向中心部に設けられているものであることを特徴とする請求項に記載のエッジエミッタ型の電界電子放出表示装置。
  4. 前記カソード電極細線部は、カソード電極の色選択方向の両端部に設けられているものであることを特徴とする請求項に記載のエッジエミッタ型の電界電子放出表示装置。
  5. 前記カソード電極細線部以外の前記画素外領域のカソード電極領域は、層間絶縁層を露出させた構造としたものであることを特徴とする請求項に記載のエッジエミッタ型の電界電子放出素子。
  6. 前記カソード電極細線部以外の前記画素外領域のカソード電極領域は、ゲート電極を露出させた構造としたものであることを特徴とする請求項に記載のエッジエミッタ型の電界電子放出表示装置。
  7. 前記カソード電極細線部は、ゲート電極が露出した領域を取り囲むように形成されているものであることを特徴とする請求項に記載のエッジエミッタ型の電界電子放出表示装置。
JP2003311543A 2003-09-03 2003-09-03 電界電子放出表示装置 Expired - Fee Related JP4222162B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003311543A JP4222162B2 (ja) 2003-09-03 2003-09-03 電界電子放出表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003311543A JP4222162B2 (ja) 2003-09-03 2003-09-03 電界電子放出表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005079054A JP2005079054A (ja) 2005-03-24
JP4222162B2 true JP4222162B2 (ja) 2009-02-12

Family

ID=34413087

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003311543A Expired - Fee Related JP4222162B2 (ja) 2003-09-03 2003-09-03 電界電子放出表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4222162B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4765397B2 (ja) * 2005-05-16 2011-09-07 ソニー株式会社 電子放出パネル及び平面型表示装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005079054A (ja) 2005-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3171121B2 (ja) 電界放出型表示装置
JP4191701B2 (ja) 電界放出ディスプレイ
US20060208628A1 (en) Electron emission device and method for manufacturing the same
JP2003263951A (ja) 電界放出型電子源およびその駆動方法
JP2005340193A (ja) 電界放出表示素子及びその製造方法
TW200410282A (en) Triode structure of field-emission display and manufacturing method thereof
JP2005158696A (ja) 電界放出表示装置
KR100263310B1 (ko) 전계 방출용 음극을 갖는 평판 디스플레이와 이의제조방법
KR100661142B1 (ko) 전자 방출 장치 및 필드 에미션 디스플레이
US7309954B2 (en) Field emission display having gate plate
JP4206858B2 (ja) 電界電子放出素子
US7233301B2 (en) Flat panel display and method of manufacturing the same
US7141923B2 (en) Field emission display in which a field emission device is applied to a flat display
JP4222162B2 (ja) 電界電子放出表示装置
JP2004193105A (ja) 三極型電界放出素子及びそれを用いた電界放出ディスプレイ
EP1780743A2 (en) Electron emission device and electron emission display using the same
KR100363219B1 (ko) 전계방출 표시장치
KR20010046802A (ko) 집속 전극을 갖는 전계 방출 표시 소자, 그 제조방법 및이를 이용한 전자빔 집속 방법
KR100433217B1 (ko) 전계방출 표시소자
KR100556744B1 (ko) 탄소 나노튜브 전계방출소자 및 제조 방법
JP3235461B2 (ja) 電界放出素子
JP2007227348A (ja) 電子放出デバイス、および電子放出デバイスを用いる電子放出表示デバイス
KR100357830B1 (ko) 전계 방출 표시장치
JP2005174935A (ja) 表面伝導型電界放出素子及びその形成方法
CN100585784C (zh) 电子发射显示器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060814

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080627

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080805

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081028

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20081110

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111128

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees