JPH11327477A - 着脱自在の掲示部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 写真、印刷物等の掲示物を損傷することな
く、かつ掲示場所を選ぶことなく掲示する掲示部材を得
ること。 【解決手段】 紙、プラスチック等の板材からなる基材
２の表面には写真、印刷物等の掲示物８を着脱可能に粘
着させる掲示面粘着層４が形成されている。また基材２
の裏面には基材２自体を壁面等の張り付け対象面に対し
て着脱自在に張りつける粘着材層６が形成されている。
透明な防護フィルム３を剥がして掲示物８を所定の位置
に配置したならば防護フィルム３を再度掲示面粘着層４
に張りつける。この状態で基材裏面の粘着材層６を用い
て掲示部材１全体を壁面の所定の位置に張りつける。こ
の場合基材２に対する掲示物８の位置も掲示面粘着層４
から適宜着脱して位置調整を行い、かつ掲示部材１自体
も壁面に対して適宜着脱して位置合わせを行うことがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は写真、各種グラフィ
ックス、印刷物等を掲示する掲示部材に係り、特に掲示
場所を選ばずかつ掲示対象を自由に変更することができ
るよう構成した掲示部材に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば写真、各種印刷物やグラフィイク
ス等の掲示物の掲示は、学校をはじめとする公共機関に
おいて主として情報提供を目的とした実用的目的の外、
家庭等において備忘録として或いは装飾的目的等で行う
場合等その掲示方法及び目的もまた多様に行われてい
る。

【０００３】掲示物の掲示方法としては我々が日頃行っ
ているように、押しピン、画鋲等を壁面に差し込むこと
により掲示物を対象面に止め付ける方法、粘着テープや
糊等の粘着材を用いて対象面に張りつける方法、掲示物
を額等に収納しこの額をフックや釘等を用いて対象面に
取付る方法等が従来から実施されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述の従来方法は何れ
も壁面等の取付面に対して何らかの物理的損傷を与える
掲示方法である。即ち押しピン、画鋲等を壁面に差し込
む方法では、掲示物の掲示の度毎にピンや画鋲により壁
面に小孔が形成れてしまう。この点はフックや釘を用い
る場合にも同様な問題がある。またピン、画鋲等を用い
る方法では薄い用紙であると止め付けた部分が容易に破
れてしまい掲示そのものが困難となる。

【０００５】一方粘着テープや糊等の粘着材を用いる方
法では対象面に比較的強固に固着されるため前述のよう
な破れる問題は少ないが、この強固な固着性故に掲示物
を引き剥がす際に、掲示物が破れる等の損傷を負うこと
が多く、しかも壁面の壁紙や塗料等を剥離してしまった
り、壁面に粘着材が付着してしまう等の問題がある。即
ち従来方法では掲示板等、掲示を目的とした対象以外の
面を掲示面として利用する場合には掲示物及び掲示面の
うち少なくとも掲示面に対して何らかの物理的損傷が生
じてしまう。

【０００６】本発明は上述の問題点に鑑み構成された掲
示部材であって、掲示物の種類を問わず、かつ掲示面に
物理的損傷を与えることがなく、また掲示面の種類の如
何を問わずに掲示が可能であり、しかも屋外等でも掲示
物を雨風から防護して掲示可能とすることができる多目
的な掲示部材を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために以下の構成を有する。即ち、本発明は掲示部
材の本体をなしかつ掲示物が貼り付けられる対象である
基材と、この基材の表面を覆う透明の防護フィルムとを
有し、掲示物の貼り付け面である基材表面には掲示物の
着脱が可能でかつ配置位置のずれを防止する程度の粘着
力を有する粘着材層が形成され、かつこの粘着材層には
前記防護フィルムが着脱可能に配置され、粘着材層に張
りつけられた掲示物はこの防護フィルムによって防護さ
れるよう構成され、かつ基材裏面の少なくとも一部に対
しては別の着脱可能な粘着材層が形成されることにより
掲示部材が構成され、基材裏面の粘着材層により壁面等
の取付面に対して掲示部材が着脱可能に取り付けられる
よう構成した掲示部材であるこを特徴とする。

【０００８】

【発明の実施の形態】紙、プラスチックフィルム等の板
材により基材が形成され、基材表面には写真や印刷物等
の掲示物が脱落しない程度の粘着性を有する粘着材層が
形成される。この粘着材層は透明であるため、基材表面
に着色或いは特定の模様等が印刷されていても、これら
の視認を妨げるものではない。例えば基材の周囲に額縁
と同じ図案を印刷しておけば基材全体が額のように視認
することができる。また基材に対して特定の着色をして
おけば掲示物を引き立たせる等、装飾的効果を高めるこ
とができる。

【０００９】基材表面の粘着材層に密着している防護フ
ィルムを剥がし、基材表面の所定の位置に写真や印刷物
等の掲示物を張り付け、この状態で掲示物を覆うように
基材表面に防護フィルムを再度張りつける。この場合、
基材に額縁の形状が印刷されていれば基材に配置された
写真等はあたかも額に飾られたような装飾効果が生じ
る。

【００１０】一方基材裏面にも着脱可能な粘着材層が形
成されているので、基材裏面を所定の壁面に押圧するこ
とにより掲示部材全体がこの壁面に固定される。なお基
材裏面の粘着材は基材表面の粘着材層の粘着材よりも粘
着力が高いものが望ましい。因みに現在、凹凸面に対し
て容易に、しかも高い粘着強度で粘着し、しかも粘着面
を全く損傷せずに引き剥がすことが可能な粘着材が何種
か提供されている。またこのような性能に加えて耐水性
も高く、屋外において風雨にさらされても粘着性が落ち
ない粘着材も提供されているので、予めほこりや水分を
取り去っておけば掲示部材は殆ど取り付け対象面を選ぶ
ことなく取り付け可能である。また当然のことながら基
材自体に可撓性があれば取付対象面が曲面であっても取
付可能である。

【００１１】

【実施例】以下本発明の実施例を図面を参考に具体的に
説明する。図１は掲示部材の全体を示し、図２はこの掲
示部材の断面構造を示す。矢印１は掲示部材を示し、こ
の掲示部材１は部材の本体を成す基材２とこの基材２の
表面を覆うように配置される防護フィルム３とを有して
いる。

【００１２】先ず基材２は紙或いはプラスチックからな
る板材として形成されており、かつこの基材構成材料に
適当な可撓性を持たせることにより曲面に対しても張り
付け可能とするよう構成することも可能である。この基
材２の表面には粘着材からなる層４が形成される。この
層４は基材表面における写真や印刷物等の掲示物の配置
位置がずれずかつこれらの掲示物の着脱が可能で、しか
も防護フィルム３が剥離しない程度の粘着力を有してい
れば十分である。

【００１３】前記層４は、掲示部材全体を支持する基材
裏面の粘着材層と区別するため以下「掲示面粘着層」と
称することにする。なお、この掲示面粘着層４は例えば
シリコンゴムを主体とした粘着材により容易に形成する
ことができる。またこのシリコンゴムを主体とした粘着
材はほぼ透明であり、しかも基材２の表面に薄く形成さ
れるだけであるため、基材表面に印刷が施されていたり
或いは特定の色彩が付けられていても掲示面粘着層４が
これらの視認を妨げることはない。

【００１４】次に防護フィルム３は通常ポリエチレンテ
レフタレート（以下ＰＥＴとする）等のプラスチック材
料から形成されているが、ＰＥＴ以外の素材でも当然利
用可能である。また特に掲示物を屋外に掲示したい場合
には、掲示物を太陽光線、特に紫外線から防護して掲示
物の変色や褪色を防止するため紫外線カット効果のある
防護フィルムを使用することが望ましい。また、フィル
面も単に平坦に形成する外、極めて小さな凹凸面を形成
すればフィルム表面の反射が押されられかつ掲示物が例
えば写真であれば、写真表面が所謂絹目状に見える等の
効果が期待できる。また防護フィルム３に僅かに着色し
ておくことにより掲示物の質感を高めたりする効果も期
待できる。

【００１５】符号５は基材２の裏面に形成された可撓材
層であって、発砲性プラスチック、ゴム材等可撓性を有
する材料により形成されている。６はこの可撓材層５の
裏面に形成された粘着材層である。この粘着材層６は壁
面等の取付対象に対して着脱可能で、しかも掲示部材全
体を支持することが可能な粘性強度を持った粘着材であ
る。このような粘着材の一例としては商品名「はーるデ
コ」（スリーエム社）として販売されている着脱型シー
ルに使用されてる着脱型の粘着材が効果的である。な
お、裏面の粘着材層６を使用しない間はこの粘着材層６
の粘着面を防護するための離型紙７が当該粘着面に貼り
付けてある。なお、基材２の裏面に形成される粘着材層
６は掲示部材全体の重量を支えられれば、必ずしも基材
２の裏面全体に形成する必要はない。

【００１６】以上の構成の掲示部材の使用方法の一例を
次に説明する。先ず基材表面の防護フィルム３を基材２
の掲示面粘着層４から剥がし、当該基材２の表面の所望
の位置に写真等の掲示物８を配置する。この場合掲示粘
着層４が適度の粘着性を有するため、掲示物８の配置位
置は掲示面粘着面層４に対して適宜着脱することにより
自由に配置位置を調整することができる。このようにし
て掲示物８を所定の位置に配置したならば防護フィルム
３を掲示面粘着層４に再度張り付け、作業を終了する。

【００１７】次に基材２の裏面の離型紙７を剥がし、粘
着材層６を露出させて、この粘着材層６により壁面等所
定の対象面に掲示部材全体を貼り付ける。なお、この場
合、対象面に凹凸があっても可撓材層５を形成しておけ
ばこの可撓材層５に形成した粘着材層６は凹凸面に馴染
むよう変形するため平面に対する場合と同じ粘着力を発
揮することができる。なおこの粘着材層６も着脱可能で
あるため、対象面に対して適宜着脱することにより掲示
部材１の位置を容易に調整することができる。この様に
して掲示物８を所定の場所に掲示して情報を提示した
り、或いは風景写真等を掲示して掲示部材１を装飾用に
利用する等様々な目的で使用可能である。

【００１８】以上の掲示部材１では、掲示物８は防護フ
ィルム３により防護されかつ基材２の表面に貼り付けら
れて掲示されるため、ピン等による差し孔や粘着材の付
着なとが生ぜず、然も掲示部材１からは容易に剥がせる
ため掲示物８には何らの損傷も生ぜず、容易に掲示物８
の交換ができる。また掲示部材１自体も対象面に対して
着脱可能に張りつけられているため掲示部材１の配置位
置の変更も対象面を損傷することなく容易に行える。な
お、一旦掲示部材１を所定の場所に配置したならば、通
常はこの状態で掲示物８の交換を行うが、掲示部材自体
を移動させたい場合には上述の如く容易に移動を実施す
ることができる。

【００１９】また基材２が可撓性を有する材料により構
成されている場合には図３に示すように掲示部材１全体
を配管Ｐの表面等の曲面に張りつけることも可能であ
る。また防護フィルム３を紫外線をカットする素材によ
り形成することも可能であるから、例えば掲示部材１を
屋外に配置する場合にはこの紫外線をカットする防護フ
ィルムにより掲示物８の変色や褪色を低減することがで
きる。また粘着材層６及び掲示面粘着層４共に一旦対象
物と密着すると密着面は高い防水性を発揮するため、掲
示部材１に風雨が当たるような悪条件下でも効果的に掲
示を行うことが可能である。

【００２０】図４は第２の実施例を示す。この実施例で
は基材２の表面には額の枠を模した図案９が印刷等の手
段で表示されている。この基材２の表面にも掲示面粘着
層４が形成されているが、前述の如くこの掲示面粘着層
４を構成する粘着材はほぼ透明であり、しかも掲示面粘
着層４自体が薄いため掲示面粘着層４が基材２の表面の
記載の視認を妨げることはない。図４の如く額の枠が記
載されていると、掲示部材１全体が額のように見え、写
真や他のグラフィック等の掲示物を掲示すると恰も額に
飾ったような装飾的効果が期待できる。また同様に基材
２の表面に模様を施したり、特定の色に着色したり、色
のぼかしを入れたり等して、それぞれの装飾効果を発揮
することができる。

【００２１】図５は第３の実施例を示す。この掲示部材
においては基材２が透明体で形成されている。また基材
２の裏面には直接粘着材層６が形成されている。なおこ
の粘着材層６も基材２の表面の掲示面粘着層４と同様透
明な粘着材により形成されている。この構成の掲示部材
では基材２と防護フィルム３との間に挟持された掲示物
を基材２の裏面方向（図６の矢印方向）から見ることも
できる。例えば掲示部材１を透明なガラス窓等に張り付
ければ掲示部材１に配置されている掲示物をこのガラス
窓を通して裏面から視認することができる。この様な利
用例としては、例えば不動産屋がガラス窓に不動産物件
を示す図面を張って、これを通行人に紹介する方法が広
く見られるが、この場合本掲示部材１を用いれば、不動
産物件を示す図面の入替えが容易に行えると共に、店内
からも基材２を通して各図面を確認することができるよ
うにした場合等が考えられる。

【００２２】

【発明の効果】以上に示したとおり、本掲示部材によれ
ば、掲示物は防護フィルムにより防護されかつ基材の表
面に貼り付けられて掲示されるため、ピン等による差し
孔や粘着材の付着等物理的損傷が生ぜず、然も掲示物は
掲示部材から容易に剥がせるため掲示物には何らの損傷
も生ぜず、容易に掲示物の交換ができる。

【００２３】また掲示部材自体も壁面等の取付対象面に
対して着脱可能に張りつけられているため掲示部材の配
置変更等そものも対象面を損傷することなく容易に行う
ことができる。

【００２４】更に、掲示物は防護フィルムと基材とによ
り挟持されているため、例えばピンで止めた場合であれ
ば風によって掲示物が破れる等、掲示中に掲示物が損傷
することが多いが、本発明ではこのような恐れは殆どな
く、かつ防護フィルムを紫外線カット型のものとするこ
とより掲示物の物理的破損のみでなく、掲示物を紫外線
から防護して変色や褪色を大幅に低減するとができ、屋
外の掲示の場合には雨風からも掲示物を防護することが
可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例を示す掲示部材の斜視図
である。

【図２】図１のＡ−Ａ線による拡大断面部分図である。

【図３】図１に示す掲示部材を曲面である配管壁面に張
りつけた状態を示す図である。

【図４】本発明の第２の実施例を示す掲示部材の斜視図
である。

【図５】本発明の第３の実施例を示す掲示部材の斜視図
である。

【図６】図５のＢ−Ｂ線による拡大断面部分図である。

【符号の説明】

１ 掲示部材 ２ 基材 ３ 防護フィルム ４ 掲示面粘着層 ５ 可撓材層 ６ 粘着材層 ７ 離型紙 ８ 掲示物 ９ 図案

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 写真や印刷物等の掲示物を掲示する際に
   使用する部材であって、本体を成す基材と、この基材の
   表面を覆う防護フィルムとを有し、基材表面には掲示物
   の着脱が可能な掲示面粘着層が形成され、基材裏面の少
   なくとも一部には部材全体を壁面等の取付対象面に対し
   て着脱可能に張りつけるための粘着材層が形成され、掲
   示物は基材表面に着脱自在に張りつけられると共に当該
   基材と防護フィルムとにより挟持され、かつ基材は粘着
   材層により取付対象面に対して着脱自在に粘着配置され
   ることを特徴とする着脱自在の掲示部材。
2. 【請求項２】 基材の裏面には可撓性材料からなる可撓
   材層が形成され、前記粘着材層はこの可撓材層に形成さ
   れていることを特徴とする請求項１記載の着脱自在の掲
   示部材。
3. 【請求項３】 基材の表面には図形、模様等が表示さ
   れ、或いは所定の色が着色され、この基材表面に掲示面
   粘着層が形成され、当該掲示面粘着層を介して図形、模
   様、色彩等が視認できるよう構成されていることを特徴
   とする請求項１又は２記載の着脱自在の掲示部材。
4. 【請求項４】 基材は透明な材料により形成され、基材
   表面に配置された掲示物を粘着材層及び基材を介して基
   材裏面から視認できるよう構成したことを特徴とする請
   求項１乃至３の何れか記載の着脱自在の掲示部材。
5. 【請求項５】 基材は屈曲可能な材料により形成され、
   曲面に対しても取付可能に構成したことを特徴とする請
   求項１乃至４の何れか記載の着脱自在の掲示部材。
6. 【請求項６】 防護フィルムは紫外線をカットする素材
   により形成されていることを特徴とする請求項１乃至５
   の何れか記載の着脱自在の掲示部材。
7. 【請求項７】 防護フィルムには微細な凹凸面が形成さ
   れていることを特徴とする請求項１乃至６の何れか記載
   の着脱自在の掲示部材。