JPH11327307A - 画像形成方法ならびに画像形成装置 - Google Patents

画像形成方法ならびに画像形成装置

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JPH11327307A
JPH11327307A JP11030513A JP3051399A JPH11327307A JP H11327307 A JPH11327307 A JP H11327307A JP 11030513 A JP11030513 A JP 11030513A JP 3051399 A JP3051399 A JP 3051399A JP H11327307 A JPH11327307 A JP H11327307A
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    • G03G15/06Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for developing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数を増すことなく現像装置内の現像剤
還流性を良好にし、混合攪拌性を向上させ、トナー濃度
偏差、画像濃度ムラ等の異常画像の発生を回避し、現像
装置の駆動トルクを低減させる。 【解決手段】 磁界発生手段が発生させる磁界の、現像
剤担持体回転方向での現像剤規制部材の直上流におけ
る、現像剤担持体接線方向成分が極大となる接線方向磁
束密度ピーク位置が、現像剤担持体法線方向成分が0と
なる法線方向磁束密度変極点位置よりも現像剤担持体回
転方向上流側に位置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンタ等の画像形成装置及びそのような画像形
成装置に用いる画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図10に画像形成装置の一例を概略図で
示す。図示された画像形成装置2は、感光体廻りユニッ
ト4、トナー供給装置38、転写部8、定着部10、給
紙カセット等を備えている。感光体廻りユニット4は、
像担持体としての感光体15等の作像機器と感光体上に
形成された静電潜像をトナーによって顕像化するための
現像装置16とが一体もしくは別体に備えられて構成さ
れている。所望の給紙カセットから給紙された用紙は、
搬送コロ等の搬送手段によってレジストローラ対17に
送られ、感光体15上に作像されたトナー像とタイミン
グを合わされて転写部8へ搬送され、トナー像を転写さ
れる。未定着トナー像を載せた用紙は定着部10へと搬
送され、トナー像の定着後排紙される。
【0003】図11に現像装置16の要部の概略図を示
す。現像装置16内には、現像剤担持体41、現像剤規
制部材42、現像剤攪拌部材43等が設けられている。
現像剤担持体41は本体として回転可能な非磁性体のス
リーブ45を有しており、スリーブ45内部には磁界発
生手段44が固定配置されている。現像剤担持体41
は、磁界発生手段44によって発生させられた磁界の作
用で磁性を有する現像剤、(例えばキャリアとトナーと
からなる二成分現像剤、以下では、単に「現像剤」とよ
ぶ)を担持して矢印A方向へ回転することによって、現
像剤を現像位置へ搬送する。その際、現像剤規制部材
(例えば、ドクタ)42が、現像剤担持体41に担持さ
れる現像剤の量(現像剤保持量)を規制する。すなわ
ち、現像剤担持体41上に担持されて現像位置へ搬送さ
れる現像剤の層厚が現像剤規制部材42によって規制さ
れる。現像剤攪拌部材43は、現像装置16内で現像剤
を攪拌・搬送する。
【0004】図12は、現像剤担持体41の内部に配置
されている複数の磁極(P1〜P6)から構成されてい
る磁界発生手段44によって発生させられる磁界と現像
剤規制部材42の配置位置との間の関係を示す概念図で
ある。現像剤担持体41の周囲に発生する磁界の現像剤
担持体法線方向成分(本明細書では簡単に「法線方向磁
束密度」と呼ぶ)の大きさの分布が実線で示されてい
る。実線の現像剤担持体半径方向の広がりが大きいほど
その回転角度位置における法線方向磁束密度が強いこと
をあらわす。
【0005】現像装置内の現像剤は、現像剤担持体41
の汲み上げ極(P5極)にて現像剤担持体41上に汲み
上げられて保持される。汲み上げられた現像剤は現像剤
担持体41のA方向への回転に伴って移動し、現像剤規
制部材42によって現像剤保持量が一定に規制される
(すなわち、理想的には現像剤規制部材の配設位置を通
過した後の現像剤担持体上の現像剤の層厚は一定にな
る)。現像剤規制部材42を通過した現像剤は現像位置
で像担持体上の静電潜像を可視化する(すなわち現像す
る)。現像によってトナー濃度の低下した現像剤は、さ
らに現像剤担持体41の回転にともなって搬送され、再
び現像装置内に戻り、剤離れ極(P4極)の作用により
現像剤担持体41から離れ、現像剤攪拌部材の領域に送
られる。一方、P5極で汲み上げられた現像剤の量が所
定の現像剤保持量を越えた場合には、余分な現像剤は現
像剤規制部材42によって規制されて通過できず、現像
剤担持体41より剥離させられる。現像剤担持体から剥
離した現像剤は、現像剤規制部材42の面を伝わりなが
ら現像剤担持体41から離れ、磁界の影響が小さくなっ
た地点で自重落下する(図11矢印C)。
【0006】従来、現像剤規制部材42は磁界の法線方
向成分が0となる回転角度位置(本明細書では、「法線
方向磁束密度変極点」と呼ぶ)よりも現像剤担持体回転
方向下流側に設置されることが多い。なぜならば、法線
方向磁束密度が大きいところや法線方向磁束密度変極点
の位置で現像剤保持量を規制すると、以下のような不都
合が生じるからである。すなわち、法線方向磁束密度の
大きいところ、すなわち現像剤の磁気ブラシ状の穂が立
っているところ(図12の例では実線が現像剤担持体か
ら大きく離れているところ)で現像剤保持量を規制する
と、現像剤担持体41の回転トルクが大きくなる。ま
た、現像剤担持体回転方向における法線方向磁束密度変
極点(すなわち穂が寝ているところ)の位置で現像剤保
持量を規制すると、現像剤の結束力が弱いので、現像剤
規制部材42を通過した後の現像剤保持量が不安定とな
り、その結果、現像剤担持体41の回転トルクは小さく
てよいが、規制後の穂の高さがばらついてしまう。従っ
て、従来、図12に示すように、法線方向磁束密度変極
点を避け、現像剤による磁気ブラシ状の穂が現像剤担持
体41上で立ち始める部分、すなわち磁界の法線方向成
分が強くなっていく途中の位置に現像剤規制部材を配置
している。これによって、現像剤担持体41の回転トル
クはあまり大きくなくてよく、規制後の穂の高さも揃う
ことになり、上記のような不都合が生じない。
【0007】しかしこの配置方法は、現像剤規制部材で
規制され像担持体側に汲み上げられる現像剤保持量及び
現像剤担持体の回転トルクだけを考慮して決められたも
のであり、現像剤規制部材により規制され、現像装置内
に還流する現像剤の挙動までを考慮に入れたものではな
い。従って、このように配置するだけでは、現像剤規制
部材により規制されて現像装置内に残って還流する現像
剤は、現像剤規制部材に衝突した後に現像剤規制部材に
押し付けられながら現像剤担持体から離れ、現像剤規制
部材の表面に接しながら押し上げられ、現像剤担持体の
磁束密度の影響をうけなくなった地点で自然落下し、す
ぐまた現像剤担持体に汲み上げられてしまう。その結
果、現像装置内全体での現像剤の還流が行えず、現像装
置内でトナー濃度偏差がある状態となり、画像濃度に偏
差がある等の不具合が生じていた。
【0008】従来、現像装置内の現像剤の攪拌混合性を
向上させて現像剤のトナー濃度偏差等を解消する方法と
しては、例えば特開平9−80881号公報に示されて
いるように、現像剤攪拌部材を改良し、現像剤攪拌部材
等により強制的に攪拌し混合させることが知られてい
る。しかし、このような方法では機構が複雑であり、ま
た、ユニットトルク増、ならびに部品点数の増加等が発
生し、コスト増を起こすという欠点がある。従って、こ
のような方法では、ダウンサイジングや省エネルギーの
要求を満たすことができない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、部品
点数を増すことなく現像装置内の現像剤還流性を良好に
し、混合攪拌性を向上させ、トナー濃度偏差、画像濃度
ムラ等の異常画像の発生を回避し、現像装置の駆動トル
クを低減させることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の課題は、本発明に
より、磁界発生手段が発生させる磁界の作用で磁性を有
する現像剤を現像剤担持体に磁気吸着させて磁気ブラシ
を形成し、当該現像剤担持体の長手方向中心軸線のまわ
りでの回転にともなって、前記磁界の現像剤担持体法線
方向成分が0となる法線方向磁束密度変極点位置から現
像剤担持体回転方向に現像剤担持体法線方向成分が極大
になる法線方向磁束密度ピーク位置までの間の現像剤担
持体回転角度領域に配置された現像剤規制部材によって
前記磁気ブラシの現像剤量を規制し、この現像剤量を規
制された磁気ブラシを用いて像担持体上の潜像を現像す
る画像形成方法において、現像剤担持体回転方向での前
記現像剤規制部材の直上流における、前記磁界の現像剤
担持体接線方向成分が極大となる接線方向磁束密度ピー
ク位置が、前記法線方向磁束密度変極点位置よりも現像
剤担持体回転方向上流側に位置するように前記磁界が発
生させられていることを特徴とする画像形成方法によっ
て、また、像担持体と、長手方向中心軸線のまわりで回
転可能な現像剤担持体としての非磁性体のスリーブと、
当該スリーブ内部空間に現像剤担持体回転方向に相前後
して配置されて固定された複数の磁極を備えている、磁
性を有する現像剤を当該現像剤担持体表面に保持するた
めの磁界を発生させる磁界発生手段と、当該現像剤担持
体表面に保持されて現像位置に運ばれる現像剤の量を規
制する現像剤規制部材とをもっている画像形成装置にお
いて、前記複数の磁極のうちの現像剤担持体回転方向に
隣り合って位置する二つの磁極の間であって、磁界の現
像剤担持体法線方向成分が0となる法線方向磁束密度変
極点位置から現像剤担持体回転方向に現像剤担持体法線
方向成分が極大になる法線方向磁束密度ピーク位置まで
の間の現像剤担持体回転角度範囲内の現像剤担持体周囲
領域に、前記現像剤規制部材が配設されていること、及
び、前記二つの磁極の間で、磁界の現像剤担持体接線方
向成分が極大となる接線方向磁束密度ピーク位置が、前
記法線方向磁束密度変極点位置よりも現像剤担持体回転
方向上流側にあることを特徴とする画像形成装置によっ
て解決される。
【0011】特に、前記接線方向磁束密度ピーク位置
が、前記法線方向磁束密度変極点位置よりも少なくとも
3°現像剤担持体回転方向上流側にあると有利である。
また、前記現像剤規制部材の両側に位置する隣り合った
二つの法線方向磁束密度ピーク位置のうち、現像剤担持
体回転方向上流側の法線方向磁束密度ピーク位置での法
線方向磁束密度が、現像剤担持体回転方向下流側の法線
方向磁束密度ピーク位置での法線方向磁束密度よりも大
きいこと、特に150G以上大きいことが有利である。
【0012】さらに、好ましくは、前記接線方向磁束密
度ピーク位置が、現像剤担持体回転方向にてこの接線方
向磁束密度ピーク位置の前後で磁界の接線方向成分が0
となる二つの接線方向磁束密度0位置の間の中点よりも
上流側に位置する。
【0013】前記現像剤規制部材の両側に位置する隣り
合った二つの法線方向磁束密度ピーク位置のうち、現像
剤担持体回転方向上流側の法線方向磁束密度ピーク位置
を含む法線方向磁束密度分布の半値中央角度幅は、現像
剤担持体回転方向下流側の法線方向磁束密度ピーク位置
を含む法線方向磁束密度分布の半値中央角度幅よりも広
いことが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面をもとにして説明する。図1に、本発明に係る一つの
実施形態での現像剤担持体及び現像剤規制部材の配置関
係を示す概略的な図を示す。現像剤担持体41内部に
は、現像剤担持体が現像剤を担持して搬送するのに有利
な磁界を発生させるように適当な極性、磁束密度等を有
する複数の磁極が現像剤担持体回転方向に適宜固定配置
されており、それによって磁界発生手段44が構成され
ている。現像剤規制部材42は、磁界発生手段44によ
って現像剤担持体41の周囲に発生させられる磁界の法
線方向磁束密度変極点(特にこの例ではP5極とP6極
との間の法線方向磁束密度変極点)の位置を避け、現像
剤の磁気ブラシ状の穂が現像剤担持体上で立ち始める磁
界領域(当該磁界領域では、現像剤担持体回転方向に関
して磁界の現像剤担持体法線方向成分が0から極大へ推
移する)に配置されている。図1には、現像剤担持体周
面における法線方向磁束密度の分布(すなわち、磁界の
現像剤担持体法線方向成分の大きさの分布)が現像剤担
持体41のまわりに実線で示されている。この変化をあ
らわす実線が現像剤担持体から半径方向に最も離れてい
る回転角度位置で法線方向磁束密度が最も大きい。
【0015】本実施形態では、特に現像剤規制部材42
の配設位置より現像剤担持体回転方向上流側の一つ目の
現像剤担持体回転方向磁束密度ピーク位置(すなわち、
磁界の現像剤担持体回転方向成分が極大を示す回転角度
位置、以下では「接線方向磁束密度ピーク位置」とよ
ぶ)、つまりP5極とP6極とに係る磁界の接線方向磁
束密度ピーク位置が、前記の着目した法線方向磁束密度
変極点位置よりも現像剤担持体回転方向上流側且つP5
極に係る磁界の法線方向成分がピークを示す位置よりも
現像剤担持体回転方向下流側にくるように磁界発生手段
44が構成されている。図1には、当該接線方向磁束密
度ピーク位置を含む接線方向磁束密度の大きさの分布が
破線で示されている。破線が現像剤担持体から半径方向
に最も離れている回転角度位置が当該接線方向磁束密度
ピーク位置である。例えば、現像剤担持体に設けられる
磁界発生手段44を構成する各磁極、特に現像剤規制部
材が設けられた位置に作用する磁極(図1の例ではP5
極及びP6極)の法線方向磁束密度のピーク値や磁束密
度波形を異ならせることにより、接線方向磁束密度がピ
ークを示す位置をコントロールすることが可能である。
上記のように接線方向磁束密度ピーク位置を法線方向変
極点位置よりも上流側に発生させて上記の位置に現像剤
規制部材42を配設することにより、現像剤規制部材4
2によって規制されて現像剤担持体から剥離して現像装
置16内に還流する現像剤には、現像剤規制部材42と
の接触抵抗が低減される方向に磁界が作用する(図
2)。すなわち、P5極によって担持された現像剤のう
ちの現像剤規制部材42によって規制されて現像装置内
に残る現像剤が現像剤規制部材42に押し付けられて現
像剤規制部材42の側面を上方向に逃げる際に、磁界の
影響により当該現像剤に現像装置内側方向への力がかか
る。このような磁界の影響を受けた状態で還流が開始さ
れるので、現像剤規制部材42の面に沿って現像剤担持
体から離れる方向への現像剤還流速度が向上する。その
結果、図3に矢印Bで示すように、現像剤が現像剤規制
部材42に沿って比較的遠方まで運ばれてから、現像装
置16内に自重落下する。従って、現像装置内での現像
剤の還流性が良くなる。また、現像剤が現像剤担持体4
1から剥離しやすくなるので現像剤担持体41の回転ト
ルクも小さくてすむ。
【0016】一つの実施例としては、接線方向磁束密度
を3°以上上流側に傾けることによって、すなわち、P
5極とP6極との間の前記の着目した法線方向磁束密度
変極点位置よりも現像剤担持体回転方向において3°上
流側に前述の接線方向磁束密度ピーク位置が生じること
によって、現像装置16内での現像剤の還流性が向上す
ることを確認している。また、このように接線方向磁束
密度を上流側に傾けることは、現像剤規制部材42より
上流側の磁極P5の磁束密度を、現像剤規制部材42よ
り下流側の磁極P6の磁束密度より大きくすることによ
って達成できることを確認した。図4に、本発明の一つ
の実施例に係る磁界発生手段44により発生させられる
法線方向ならびに接線方向の磁束密度分布を示す。図4
aには、現像剤担持体41表面での法線方向磁束密度分
布が実線で描かれている。図4bには、現像剤担持体4
1表面での接線方向磁束密度分布が破線で描かれてい
る。
【0017】図3に示されている現像装置16に設けら
れている現像剤担持体41は、潜像担持体としての感光
体ドラム15(図1参照)に近接するようにして配置さ
れ、両者の対向部分に現像領域が形成される。現像剤担
持体41の本体としては、アルミニウム、真鍮、ステン
レス、導電性樹脂などの非磁性体を円筒状に形成してな
る現像スリーブ45が用いられる。現像スリーブ45
は、図示を省略した回転駆動機構によって矢印A方向、
すなわち反時計回り方向に回転させられる。本発明の一
つの実施例では、感光体ドラム15のドラム径が30mm
に設定されているとともに、ドラム線速度が90mm/se
cに設定されている。また現像スリーブ45のスリーブ
径は16mmに設定されており、スリーブ線速度は225
mm/secに設定されている。したがって、感光体ドラム
15のドラム線速度に対する現像スリーブ45のスリー
ブ線速度比は2.5になっている。また感光体ドラム1
5と現像スリーブ45との間隔である現像ギャップは
0.6mmに設定されている。現像スリーブ45内には現
像スリーブ45の表面上に現像剤を穂立ちさせるように
磁界を形成する磁界発生手段44が固定状態で備えられ
ている。このとき現像剤を構成するキャリアが、磁界発
生手段44から発せられる磁力線に沿うようにして現像
スリーブ45上にチェーン状に穂立ちし、このチェーン
状に穂立ちしたキャリアに帯電トナーが付着して磁気ブ
ラシが構成される。この磁気ブラシは、現像スリーブ4
5の回転移送にともなって現像スリーブ45と同方向
(図3では反時計回り方向)に移送される。磁界発生手
段44は、複数の磁極を備えている。具体的には、例え
ば、現像領域部分に現像剤を穂立ちさせるための現像主
磁極P1が配置されており、現像スリーブ45上に現像
剤を汲み上げるために磁極P5が配置されており、現像
スリーブ45上に汲み上げられた現像剤を現像領域まで
搬送するために磁極P6が設けられている。現像後の領
域には、現像剤を現像装置内へ搬送して戻すための磁極
P2及びP3が設けられている。P4極は現像装置内へ
戻される現像剤を現像スリーブ45から剥離させるため
に用いられる極である(図1参照)。これらの各磁極P
1〜P6は、現像スリーブ45の半径方向に向けて配置
されている。すなわち、これらの各磁極から発する磁力
線は、当初、現像スリーブ45の半径方向に向いてい
る。この例では現像剤担持体41としての磁石ローラ4
1が6極の磁石によって構成されている。しかしなが
ら、汲み上げ性、黒ベタ画像追従性を向上させるため
に、P5極から現像剤規制部材42としてのドクタ42
までの間に磁極を更に増やして8極以上で構成される磁
石ローラとしてもよい。
【0018】図5に現像スリーブ表面の磁束密度分布を
測定するために用いた装置の概略を図示する。測定方法
としては、スリーブ表面に磁束密度分布測定プローブ5
1を接触させた状態で磁界発生手段44を回転させ、当
該磁束密度分布測定プローブの法線方向磁束密度測定素
子52及び接線方向磁束密度測定素子53により検出さ
れた電圧値をガウスメーター54等により増幅させレコ
ーダ55等の記録装置に回転角度と共に記録させる方式
を用いた。法線方向磁束密度測定素子52及び接線方向
磁束密度測定素子53は、図5に示すように、法線方向
磁束密度測定素子52がスリーブ表面に近く設けられ、
それに直角方向に接線方向磁束密度測定素子53が設け
られている。
【0019】図6に比較例としての現像剤規制部材42
の配置位置と前記の接線方向磁束密度ピーク位置との関
係を示す。当該比較例では、前記の接線方向磁束密度ピ
ーク位置が前記の着目する法線方向磁束密度変極点位置
よりも現像剤担持体回転方向下流側に生じるように磁界
が発生させられる。この場合には、現像剤規制部材42
によって規制されて現像装置16内に残る現像剤は、上
述の実施形態の場合に比べて大きな力で現像剤規制部材
42に向かって押し付けられる(図7)。当該現像剤は
このような押し付け力を受けながら現像剤規制部材42
の面に沿って上方に搬送されるので、現像剤規制部材4
2に対する衝突力が大きくなり、その結果、現像剤還流
速度は遅くなる。それによって、現像剤は、図11に矢
印Cで示すように、現像剤規制部材42に沿って遠くま
で運ばれずに、現像剤担持体41の比較的近傍に自重落
下する。また当該比較例の場合には、現像装置16内で
の現像剤還流速度が遅いため、現像剤担持体41の汲み
上げ極(P5極)にて現像剤担持体41上に汲み上げら
れて保持されて移動する現像剤が滞留することとなり、
現像剤担持体41の回転トルクが大きくなる。さらに、
現像剤規制部材42によって規制されて現像装置内へ還
流する現像剤が現像剤担持体近傍に落下するため、再び
すぐに現像剤担持体41に汲み上げられてしまい、その
結果、現像装置内全体での現像剤の還流が行えず、現像
装置内でのトナー濃度偏差のある状態となり、画像濃度
に偏差のある等の不具合が生じてしまう。
【0020】現像剤担持体41周辺に発生させられる磁
界の法線方向磁束密度変極点位置(適当な基準位置から
の角度)と接線方向磁束密度ピーク位置(当該基準位置
からの角度)との間の関係を変化させて還流速度及び混
合攪拌性を実験により観察した結果の概略を図8及び図
9に示す。法線方向磁束密度変曲点位置の角度Oと接線
方向磁束密度ピーク位置の角度Pとの間の角度差θを θ≡(法線方向磁束密度変極点の角度O)−(接線方向
磁束密度ピーク点の角度P) とすると、 θ=+ (本実施形態;図1): 攪拌混合性良好 θ=0° : 攪拌混合性普通 θ=− (比較例;図6) : 攪拌混合性悪い であった(図9)。
【0021】従って、 θ=(法線方向磁束密度変極点角度O)−(接線方向磁
束密度ピーク点角度P)>0° とすることにより、還流速度が向上し(すなわち、還流
性が向上し)、攪拌混合性が向上する。
【0022】
【発明の効果】本発明により、現像剤規制部材による現
像剤保持量規制後の現像装置内に残った現像剤の還流速
度が増すため、現像装置にかかる駆動トルクが低減する
ことが可能となる。さらには、現像装置内の現像剤の混
合攪拌性が良くなり、現像装置内のトナー濃度偏差を低
減することが可能となる。その結果、画像濃度ムラ等の
異常画像の発生を押さえることが可能であり、ひいては
部品点数を増加させること無く低コストの現像装置を提
供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有利な実施形態における法線方向磁束
密度変極点位置(角度)と接線方向磁束密度ピーク位置
(角度)と現像剤規制部材配設位置との関係を示す概念
図である。現像剤担持体のまわりに実線で示された波形
は、磁界発生手段を構成する各磁極によって現像剤担持
体表面に発生させられる磁界について、現像剤担持体表
面での磁界の法線方向成分の大きさの分布(極性は考慮
していない)を示したものである。破線で示された波形
は、特にP5極とP6極の作用による現像剤担持体表面
の磁界の接線方向成分の分布を示している。その際、現
像剤担持体からの半径方向の広がりが大きいほど、すな
わち波形の最大振幅位置に近づくほどその成分の値が大
きくなる。
【図2】図1に示す位置関係の場合に現像剤規制部材近
傍で現像剤に及ぼされる磁界の作用を示す概念図であ
る。本実施形態により発生させられる磁界の場合には、
現像剤規制部材の方へ現像剤を押し付ける力が低減され
る。
【図3】図1に示す実施形態の場合の、現像装置内での
現像剤の動きを示す図式的な概念図である。
【図4】本発明の一つの実施例に係る磁界発生手段によ
り像担持体表面に発生させられる磁界(磁束密度)を示
す概念図である。(a)には、実線の波形で磁界の法線
方向成分の分布を示し、(b)には破線の波形で磁界の
接線方向成分の分布を示す。
【図5】現像剤担持体表面の磁束密度分布を測定するた
めに用いた装置の概略図である。
【図6】比較例に係る法線方向磁束密度変極点位置(角
度)と接線方向磁束密度ピーク位置(角度)と現像剤規
制部材配設位置との関係を示す図1と同様の図である。
【図7】図6に示す位置関係の場合に現像剤規制部材近
傍で現像剤に及ぼされる磁界の作用を示す概念図であ
る。この比較例の場合には、発生させられる磁界が現像
剤を現像剤規制部材の方へ押し付けるように作用する。
【図8】法線方向磁束密度変極点位置Oと接線方向磁束
密度ピーク位置Pとの間の角度差θ(=O−P)と還流
速度との関係を示す概略的なグラフである。
【図9】法線方向磁束密度変極点位置Oと接線方向磁束
密度ピーク位置Pとの間の角度差θ(=O−P)と混合
攪拌性との関係を示す概略的なグラフである。
【図10】一般的な画像形成装置の一例の概略図であ
る。
【図11】現像装置内部の概略図である。
【図12】磁界発生手段によって現像剤担持体のまわり
に発生させられた磁界と現像剤規制部材の配置位置との
間の従来一般的に用いられている関係を示した概念図で
ある。現像剤担持体のまわりに実線の波形で磁界の法線
方向成分の大きさの推移を示す。現像剤担持体からの半
径方向の広がりが大きいほど、すなわち波形の最大振幅
に近づくほど法線方向成分が大きいことを示す。すなわ
ち、担持された現像剤に働く法線方向の力が大きいこと
を示す。
【符号の説明】
16 現像装置 41 現像剤担持体 42 現像剤規制部材(ドクタ) 43 現像剤攪拌部材 44 磁界発生手段 45 現像スリーブ 51 磁束密度分布測定プローブ 52 法線方向磁束密度測定素子 53 接線方向磁束密度測定素子 P1〜P6 磁界発生手段を構成する磁極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁界発生手段が発生させる磁界の作用で
    磁性を有する現像剤を現像剤担持体に磁気吸着させて磁
    気ブラシを形成し、当該現像剤担持体の長手方向中心軸
    線のまわりでの回転にともなって、前記磁界の現像剤担
    持体法線方向成分が0となる法線方向磁束密度変極点位
    置から現像剤担持体回転方向に現像剤担持体法線方向成
    分が極大になる法線方向磁束密度ピーク位置までの間の
    現像剤担持体回転角度領域に配置された現像剤規制部材
    によって前記磁気ブラシの現像剤量を規制し、この現像
    剤量を規制された磁気ブラシを用いて像担持体上の潜像
    を現像する画像形成方法において、 現像剤担持体回転方向での前記現像剤規制部材の直上流
    における、前記磁界の現像剤担持体接線方向成分が極大
    となる接線方向磁束密度ピーク位置が、前記法線方向磁
    束密度変極点位置よりも現像剤担持体回転方向上流側に
    位置するように前記磁界が発生させられていることを特
    徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 像担持体と、 長手方向中心軸線のまわりで回転可能な現像剤担持体と
    しての非磁性体のスリーブと、 当該スリーブ内部空間に現像剤担持体回転方向に相前後
    して配置されて固定された複数の磁極を備えている、磁
    性を有する現像剤を当該現像剤担持体表面に保持するた
    めの磁界を発生させる磁界発生手段と、 当該現像剤担持体表面に保持されて現像位置に運ばれる
    現像剤の量を規制する現像剤規制部材とをもっている画
    像形成装置において、 前記複数の磁極のうちの現像剤担持体回転方向に隣り合
    って位置する二つの磁極の間であって、磁界の現像剤担
    持体法線方向成分が0となる法線方向磁束密度変極点位
    置から現像剤担持体回転方向に現像剤担持体法線方向成
    分が極大になる法線方向磁束密度ピーク位置までの間の
    現像剤担持体回転角度範囲内の現像剤担持体周囲領域
    に、前記現像剤規制部材が配設されていること、及び、 前記二つの磁極の間で、磁界の現像剤担持体接線方向成
    分が極大となる接線方向磁束密度ピーク位置が、前記法
    線方向磁束密度変極点位置よりも現像剤担持体回転方向
    上流側にあることを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記接線方向磁束密度ピーク位置が、前
    記法線方向磁束密度変極点位置よりも少なくとも3°現
    像剤担持体回転方向上流側にあることを特徴とする、請
    求項2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記現像剤規制部材の両側に位置する隣
    り合った二つの法線方向磁束密度ピーク位置のうち、現
    像剤担持体回転方向上流側の法線方向磁束密度ピーク位
    置での法線方向磁束密度が、現像剤担持体回転方向下流
    側の法線方向磁束密度ピーク位置での法線方向磁束密度
    よりも大きいことを特徴とする、請求項2または請求項
    3に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記の現像剤担持体回転方向上流側の法
    線方向磁束密度ピーク位置での法線方向磁束密度が、前
    記の現像剤担持体回転方向下流側の法線方向磁束密度ピ
    ーク位置での法線方向磁束密度よりも150G以上大き
    いことを特徴とする、請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記接線方向磁束密度ピーク位置が、現
    像剤担持体回転方向にてこの接線方向磁束密度ピーク位
    置の前後で磁界の接線方向成分が0となる二つの接線方
    向磁束密度0位置の間の中点よりも上流側に位置するこ
    とを特徴とする、請求項2〜5のいずれか一項に記載の
    画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記現像剤規制部材の両側に位置する隣
    り合った二つの法線方向磁束密度ピーク位置のうち、現
    像剤担持体回転方向上流側の法線方向磁束密度ピーク位
    置を含む法線方向磁束密度分布の半値中央角度幅が、現
    像剤担持体回転方向下流側の法線方向磁束密度ピーク位
    置を含む法線方向磁束密度分布の半値中央角度幅よりも
    広いことを特徴とする、請求項2〜6のいずれか一項に
    記載の画像形成装置。
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