JPH11326758A - 赤外線用リレー光学系 - Google Patents

赤外線用リレー光学系

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JPH11326758A
JPH11326758A JP10148256A JP14825698A JPH11326758A JP H11326758 A JPH11326758 A JP H11326758A JP 10148256 A JP10148256 A JP 10148256A JP 14825698 A JP14825698 A JP 14825698A JP H11326758 A JPH11326758 A JP H11326758A
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JP
Japan
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lens
lens group
optical system
magnification
refractive power
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JP10148256A
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Inventor
Kenji Ono
賢治 小野
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有効開口数が0.25程度と明るく、横倍率
βが0.1〜0.55程度であり、諸収差が十分に補正
された結像倍率が可変である赤外線用リレー光学系を提
供すること。 【解決手段】 物体側から順に、第1レンズ群G1と第
2レンズ群G2とを有する赤外線用リレー光学系におい
て、第1レンズ群G1は、物体側から順に、正屈折力の
第1レンズ成分L1と、物体側に凸面を向けた第2レン
ズ成分L2と、負屈折力の第3レンズ成分L3とからな
り、第2レンズ群G2は、物体側から順に、負屈折力の
第4レンズ成分L4と、物体に凹面を向けた正屈折力の
第5レンズ成分L5と、物体側に凸面を向けた正屈折力
の第6レンズ成分L6とを有し、所定の条件を満足す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線撮像装置に
用いる赤外線用光学系、特に波長が3〜5μm帯域で使
用する赤外線用リレー光学系、又は同帯域で使用する工
業用ファイバ光学系に適用する赤外線用リレー光学系に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来のリレー光学系としては、例えば、
特開平5−297270号公報に開示されている光学系
が知られている。このリレー光学系は、1群2枚構成の
レンズと、3枚のフィルタとから構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術
に開示されたリレー光学系は、リレー倍率が固定であ
り、かつ、有効開口数が0.075〜0.077と暗い
ものである。そして、上述の特開平5−297270号
公報に開示されているレンズ構成のままで、像側の有効
開口数NA=0.25、横倍率β=0.2倍〜0.55
倍程度の諸元を有する赤外線用リレー光学系を達成しよ
うとすると、諸収差を良好に補正することができず、鮮
明な画像を得ることができないので問題である。さら
に、ファイバ光学系の種類は、その用途によって、人間
の体内を観察するための医療用光学系から水道管内部等
の劣化を観察するための工業用光学系まで多岐にわた
る。そして、各用途毎にファイバ束の直径が異なるた
め、ファイバ光学系に続くリレー光学系の結像倍率が固
定されていると、ファイバ光学系の射出側端部のリレー
されるべき像がリレー光学系でケラレてしまう場合があ
り問題である。
【0004】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので
あり、有効開口数が0.25程度と明るく、横倍率βが
0.1〜0.55程度であり、諸収差が十分に補正され
た結像倍率が可変である赤外線用リレー光学系を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためのものであり、以下に、実施形態に示した各図
面を用いてその内容を説明する。請求項1記載の発明で
は、物体側から順に、第1レンズ群G1と第2レンズ群
G2とを有する赤外線用リレー光学系において、前記第
1レンズ群G1は、物体側から順に、正屈折力の第1レ
ンズ成分L1と、物体側に凸面を向けた第2レンズ成分
L2と、負屈折力の第3レンズ成分L3とからなり、前
記第2レンズ群G2は、物体側から順に、負屈折力の第
4レンズ成分L4と、物体に凹面を向けた正屈折力の第
5レンズ成分L5と、物体側に凸面を向けた正屈折力の
第6レンズ成分L6とを有し、前記第1レンズ群G1の
最小結像倍率時の屈折力をφ1min、前記第1レンズ
群G1の最大結像倍率時の屈折力をφ1max、前記第
2レンズ群G2の最小結像倍率時の屈折力をφ2mi
n、前記赤外線用リレー光学系全体の最小結像倍率時の
屈折力をφmin、前記第2レンズ群G2の最小結像倍
率時の横倍率をβ2minとしたとき、 0.4<|φ1min/φ1max|<1.2 (1) 0.9<φmin/φ2min<1.4 (2) 1.3<β2min<3.1 (3) の条件を満足し、倍率可変であることを特徴とする。
【0006】また、請求項2記載の発明では、近距離物
体への合焦に際して、前記第3レンズ成分L3と前記第
5レンズ成分L5とが像側に移動し、前記第6レンズ成
分L6は固定していることを特徴とする。
【0007】また、請求項3記載の発明では、前記第1
レンズ群G1と前記第2レンズ群G2との間に冷却され
た絞りCが設けられていることを特徴とする。
【0008】(作用)本発明は上記構成により、第1レ
ンズ群G1の第3レンズ成分L3を像側に繰り出すこと
で、第2レンズ成分L2と第3レンズ成分L3との間隔
を変化させ、球面収差とコマ収差の変動を補正すると同
時に、結像倍率を変化させたときに像面が物体側に倒れ
るのを補正している。また、第2レンズ群G2中の第5
レンズ成分L5を移動することにより4レンズ成分L4
と第5レンズ成分L5との間隔、及び第5レンズ成分L
5と第6レンズ成分L6との間隔を変えて、非点収差、
歪曲収差の変動を補正している。ここで、第6レンズ成
分L6は固定されており、変倍に際しても移動しない。
【0009】また、本発明による赤外線用リレー光学系
は、正屈折力の第1レンズ群G1と正屈折力の第2レン
ズ群G2との屈折力比が適切な範囲に規定されているた
め、諸収差を劣化させることなく、像側の有効開口数N
A=0.25と明るい光学系を実現することができる。
【0010】また、本発明では、以下の条件式(1)、 0.4<|φ1min/φ1max|<1.2 (1) を満足することが望ましい。ここで、φ1minは前記
第1レンズ群G1の最小結像倍率時の屈折力を、φ1m
axは前記第1レンズ群の最大結像倍率時の屈折力をそ
れぞれ表している。
【0011】条件式(1)は、第1レンズ群G1の最小
結像倍率時の屈折力と最大結像倍率時の屈折力との最適
な比の範囲を規定している。条件式(1)の上限値を超
える場合には、最小結像倍率時の像面の倒れが大きくな
ってしまう。逆に、条件式(1)の下限値を下回る場合
には、第1レンズ群G1の屈折力が最小結像倍率時に比
較して最大結像倍率時の方が大きくなり、第1レンズ群
G1で発生する諸収差、特に、球面収差、コマ収差を十
分小さくすることは困難であり好ましくない。このた
め、条件式(1)を満足しないと、リレー倍率(横倍
率)が0.1〜0.55倍程度の赤外線用リレー光学系
として適用できなくなる。また、本発明による赤外線用
リレー光学系の更なる光学性能の向上を図るために、さ
らに好ましくは、条件式(1)の上限値は1.1とする
ことが望ましい。
【0012】また、本発明は、以下の条件式(2)、 0.9<φmin/φ2min<1.4 (2) を満足することが望ましい。ここで、φ2minは前記
第2レンズ群G2の最小結像倍率時の屈折力を、φmi
nは前記赤外線用リレー光学系全体の最小結像倍率時の
屈折力をそれぞれ表している。
【0013】条件式(2)は、第2レンズ群G2の最小
結像倍率時の屈折力と赤外線用リレー光学系全体の最小
結像倍率時の屈折力との適切な比の範囲を規定するもの
であり、特に、良好な光学性能を得るための条件を示し
ている。条件式(2)の上限値を超える場合は、諸収差
の変動が大きくなるだけでなく、第2レンズ群G2を通
過する軸上光線と軸外光線の通過位置のバランスが悪く
なり、軸外のコマ収差が大きく発生するため好ましくな
い。逆に、条件式(2)の下限値を下回る場合は、第2
レンズ群G2の屈折力が小さくなり、諸収差の補正が困
難になるので好ましくない。
【0014】また、本発明では、以下の条件式(3)、 1.3<β2min<3.1 (3) を満足することが望ましい。ここで、β2minは前記
第2レンズ群G2の最小結像倍率時の横倍率を表してい
る。
【0015】条件式(3)は、前記第2レンズ群G2の
適切な横倍率の範囲を規定するものである。条件式
(3)の上限値を超える場合は、第2レンズ群G2の屈
折力が小さくなる傾向にあるので、第1レンズ群G1の
屈折力とのバランスが崩れてしまい、諸収差を良好に補
正することが困難になる。また、赤外線リレー光学系の
像面にはCCD等の検知器が配置されており、条件式
(3)の上限値を超えると、バックフォーカスが長くな
るので、第2レンズ群G2から検知器までの距離が長く
なる。この結果、検知器と第2レンズ群G2を覆う鏡筒
が大きくなってしまう。ここで、鏡筒等から生ずる赤外
線は観察像に対してノイズとなり像の質を劣化させる原
因となるので、この影響を少なくすることが好ましい。
しかし、鏡筒が大きくなると、該鏡筒から放射される赤
外線が多くなり、その影響を除去することが困難になる
ので好ましくない。逆に、条件式(3)の下限値を下回
る場合は、第2レンズ群G2の正の屈折力が強くなるた
め、バックフォーカスが短くなる。このため、リレー光
学系と検知器との距離が短くて済み、第2レンズ群G2
と検知機とを覆う鏡筒から放射される赤外線の影響を少
なくすることが可能であるが、諸収差を良好に補正でき
なくなるので好ましくない。
【0016】また、本発明では、前記第1レンズ群G1
と前記第2レンズ群G2との間に冷却された絞りC、い
わゆるコールドシールドを有している。そして、冷却絞
りCは可変絞りであることが望ましい。さらに、この冷
却絞りCの開口部には、例えばシリコンからなる窓Wが
設けられていることが望ましい。そして、冷却絞りC、
窓W、前記第2レンズ群G2及び結像面Iに配置されて
いる検知器までの全体を鏡筒で覆い、鏡筒内部を大気圧
よりも低い状態、望ましくは真空状態にする。さらに、
鏡筒全体を冷却することにより、鏡筒自体から放射され
るノイズとなる赤外光が検知器に入射する事を低減する
ことができる。また、絞りCを冷却するには、鏡筒を冷
却することで絞りCを間接的に冷却する場合、又は絞り
C自体を積極的に冷却する場合の何れでも良い。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の実施形態を説明する。 (第1実施形態)図1は第1実施形態にかかる赤外線用
リレー光学系の構成を示す図である。本実施形態の赤外
線用リレー光学系は、3〜5μmの波長帯域の赤外光を
使用して赤外画像を得る赤外線撮像装置のリレー光学系
に適用した例である。物体側から順に、第1レンズ群G
1と第2レンズ群G2とから構成されている。そして、
第1レンズ群G1は、物体側から順に、正屈折力の第1
レンズ成分L1と、物体側に凸面を向けた第2レンズ成
分L2と、負の屈折力の第3レンズL3とを有し、前記
第2レンズ群G2は、物体側から順に、負の屈折力の第
4レンズL4と、物体側に凹面を向けた正の屈折力の第
5レンズL5と、物体側に凸面を向けた正の屈折力の第
6レンズL6とを有している。また、第1レンズ群G1
と第2レンズ群G2の間に可変冷却絞りC(コールドシ
ールド)が設けられ、該絞りの開口部は、例えばシリコ
ンからなる窓Wで覆われている。可変冷却絞りC、窓
W、第2レンズ群G2、及び像面に設けられた不図示の
検知器を図示しない鏡筒で覆う構成である。そして、鏡
筒内部を真空に引くと共に、ノイズとなる赤外光の影響
を低減するために可変冷却絞りC等を含む鏡筒全体を冷
却する。
【0018】次に、表1に本実施形態の赤外線用リレー
光学系の諸元値を掲げる。表1において、NAiは検知
器側の開口数、Φ1minは第1レンズ群G1の最小結
像倍率時の屈折力、Φ1maxは第1レンズ群G1の最
大結像倍率時の屈折力、Φ2minは第2レンズ群G2
の最小結像倍率時の屈折力、Φminは赤外線用リレー
光学系全体の最小結像倍率時の屈折力、β2minは第
2レンズ群G2の最小結像倍率時の横倍率、D0は物体
とレンズ第1面との空気間隔をそれぞれ表している。ま
た、番号は物体側から数えたレンズ面の順番、Rはレン
ズの曲率半径、dはレンズの空気間隔、nは波長4μm
の赤外線に対する屈折率、硝材はレンズを構成する材料
名をそれぞれ表している。なお、以下全ての実施形態の
諸元値を示す表において同様の符号を用いる。
【0019】
【表1】 NAi =0.25 Φ1min=−0.07379 Φ1max= 0.066383 Φ2min= 0.08248 Φmin = 0.11068 β2min= 1.349 D0 =60.00 番号 R d n 硝材 1 -200.2256 3.05282 3.425406 シリコン 2 -79.1602 2.00000 1.000000 3 25.8917 4.10376 3.425406 シリコン 4 36.6450 d4 1.000000 5 -48.7229 1.00000 4.024610 ゲルマニウム 6 18.0440 d6 1.000000 7 0.0000 0.50000 3.425406 シリコン 8 0.0000 2.00000 1.000000 9 213.9535 1.00000 4.024610 ゲルマニウム 10 97.1131 d10 1.000000 11 -41.3446 2.64710 3.425406 シリコン 12 -23.2649 d12 1.000000 13 44.9843 2.70166 3.425406 シリコン 14 1331.9234 18.83390 1.000000 (可変間隔データ) β 0.35 0.10 0.55 d4 14.65435 5.15392 16.26124 d6 3.63812 13.13855 2.03122 d10 6.05622 2.21361 5.46596 d12 2.00000 5.84261 2.59026 (条件対応値) (1) |φ1min/φ1max| 1.112 (2) φmin/φ2min 1.342 (3) β2min 1.349
【0020】図2は第1実施形態の赤外リレー光学系の
横倍率β=0.35の時の諸収差、図3は横倍率β=
0.1の時の諸収差、図4は横倍率β=0.55の時の
諸収差をそれぞれ示す図である。ここで、球面収差図中
において、実線は波長4μmの赤外線に対する収差、一
点鎖線は波長3μmの赤外線に対する収差、破線は波長
5μmの赤外線に対する収差をそれぞれ示している。ま
た、非点収差図中において、破線は波長4μmの赤外線
に対するメリジオナル像面、実線は波長4μmの赤外線
に対するサジタル像面を示している。
【0021】また、図5は横倍率β=0.35の時の横
収差、図6は横倍率β=0.1の時の横収差、図7は横
倍率β=0.55の時の横収差をそれぞれ示す図であ
る。なお、以下全ての実施形態における諸収差図中の符
号等は本実施形態と同様のものを用いる。各収差図から
明らかなように、本実施形態の赤外線用リレー光学系
は、波長3〜5μmの範囲にわたり良好な光学性能を有
していることがわかる。
【0022】(第2実施形態)図8は第2実施形態にか
かる赤外線用リレー光学系の構成を示す図である。本実
施形態の赤外線用リレー光学系は、3〜5μmの波長帯
域の赤外光を使用して赤外画像を得る赤外線撮像装置の
リレー光学系に適用した例である。物体側から順に、第
1レンズ群G1と第2レンズ群G2とから構成されてい
る。そして、第1レンズ群G1は、物体側から順に、正
屈折力の第1レンズ成分L1と、物体側に凸面を向けた
第2レンズ成分L2と、負の屈折力の第3レンズL3と
を有し、前記第2レンズ群G2は、物体側から順に、負
の屈折力の第4レンズL4と、物体側に凹面を向けた正
の屈折力の第5レンズL5と、物体側に凸面を向けた正
の屈折力の第6レンズL6とを有している。また、第1
レンズ群G1と第2レンズ群G2の間に可変冷却絞りC
(コールドシールド)が設けられ、該絞りの開口部は、
例えばシリコンからなる窓Wで覆われている。可変冷却
絞りC、窓W、第2レンズ群G2、及び像面に設けられ
た不図示の検知器を図示しない鏡筒で覆う構成である。
そして、鏡筒内部を真空に引くと共に、ノイズとなる赤
外光の影響を低減するために可変冷却絞りC等を含む鏡
筒全体を冷却する。次に、表2に本実施形態の赤外線用
リレー光学系の諸元値を掲げる。
【0023】
【表2】 NAi = 0.25 Φ1min=−0.02120 Φ1max= 0.04887 Φ2min= 0.10186 Φmin = 0.0969 β2min= 3.083 D0 =60.00 番号 R d n 硝材 1 -219.5749 3.20459 3.425406 シリコン 2 -79.5483 2.00000 1.000000 3 31.4987 2.13420 3.425406 シリコン 4 51.2011 d4 1.000000 5 -77.0612 1.00000 4.024610 ゲルマニウム 6 37.8810 d6 1.000000 7 0.0000 0.50000 3.425406 シリコン 8 0.0000 4.75969 1.000000 9 -19.1456 1.41731 4.024610 ゲルマニウム 10 -49.4553 d10 1.000000 11 -22.6212 3.01653 3.425406 シリコン 12 -15.8162 d12 1.000000 13 -23.5914 2.05021 3.425406 シリコン 14 50.6187 18.29580 1.000000 (可変間隔データ) β 0.35 0.10 0.55 d4 15.27530 5.81726 17.21015 d6 3.87821 13.33625 1.94335 d10 3.66371 4.11800 2.62848 d12 2.45428 2.00000 3.48952 (条件対応値) (1) |φ1min/φ1max| 0.433 (2) φmin/φ2min 0.951 (3) β2min 3.083
【0024】図8は第2実施形態の赤外リレー光学系の
横倍率β=0.35の時の諸収差、図9は横倍率β=
0.1の時の諸収差、図10は横倍率β=0.35、図
11は横倍率β=0.55の時の諸収差をそれぞれ示す
図である。また、図12は横倍率β=0.35の時の横
収差、図13は横倍率β=0.1の時の横収差、図14
は横倍率β=0.55の時の横収差をそれぞれ示す図で
ある。各収差図から明らかなように、本実施形態の赤外
線用リレー光学系は、波長3〜5μmの範囲にわたり良
好な光学性能を有していることがわかる。
【0025】(第3実施形態)図15は第3実施形態に
かかる赤外線用リレー光学系の構成を示す図である。本
実施形態の赤外線用リレー光学系は、3〜5μmの波長
帯域の赤外光を使用して赤外画像を得る赤外線撮像装置
のリレー光学系に適用した例である。物体側から順に、
第1レンズ群G1と第2レンズ群G2とから構成されて
いる。そして、第1レンズ群G1は、物体側から順に、
正屈折力の第1レンズ成分L1と、物体側に凸面を向け
た第2レンズ成分L2と、負の屈折力の第3レンズL3
とを有し、前記第2レンズ群G2は、物体側から順に、
負の屈折力の第4レンズL4と、物体側に凹面を向けた
正の屈折力の第5レンズL5と、物体側に凸面を向けた
正の屈折力の第6レンズL6とを有している。また、第
1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間に可変冷却絞り
C(コールドシールド)が設けられ、該絞りの開口部
は、例えばシリコンからなる窓Wで覆われている。可変
冷却絞りC、窓W、第2レンズ群G2、及び像面に設け
られた不図示の検知器を図示しない鏡筒で覆う構成であ
る。そして、鏡筒内部を真空に引くと共に、ノイズとな
る赤外光の影響を低減するために可変冷却絞りC等を含
む鏡筒全体を冷却する。次に、表3に本実施形態の赤外
線用リレー光学系の諸元値を掲げる。
【0026】
【表3】 NAi = 0.25 Φ1min=−0.0416 Φ1max= 0.0380 Φ2min= 0.08727 Φmin = 0.11733 β2min= 2.331 D0 =60.003 番号 R d n 硝材 1 -46.3638 2.78957 3.425406 シリコン 2 -37.2356 2.00000 1.000000 3 23.1049 3.53737 3.425406 シリコン 4 36.9580 d4 1.000000 5 -85.3621 1.00000 4.024610 ゲルマニウム 6 26.4044 d6 1.000000 7 0.0000 0.50000 3.425406 シリコン 8 0.0000 2.00000 1.000000 9 256.7237 1.00000 4.024610 ゲルマニウム 10 96.0132 d10 1.000000 11 -24.1400 3.00000 3.425406 シリコン 12 -20.1051 d12 1.000000 13 31.9245 2.79358 3.425406 シリコン 14 103.2613 18.25690 1.000000 (可変間隔データ) β 0.35 0.10 0.55 d4 9.88624 2.77410 11.06081 d6 5.53434 12.64648 4.35977 d10 7.10678 9.31294 2.78058 d12 4.20616 2.00000 8.53236 (条件対応値) (1) |φ1min/φ1max| 1.094 (2) φmin/φ2min 1.344 (3) β2min 2.331
【0027】図16は第3実施形態の赤外リレー光学系
の横倍率β=0.35の時の諸収差、図17は横倍率β
=0.1の時の諸収差、図18は横倍率β=0.55の
時の諸収差をそれぞれ示す図である。また、図19は横
倍率β=0.35の時の横収差、図20は横倍率β=
0.1の時の横収差、図21は横倍率β=0.55の時
の横収差をそれぞれ示す図である。各収差図から明らか
なように、本実施形態の赤外線用リレー光学系は、波長
3〜5μmの範囲にわたり良好な光学性能を有してい
る。
【0028】また、本発明の実施形態でレンズ材料とし
て用いられているシリコン及びゲルマニウムの各波長に
対する屈折率N4、N3,N5を表4に示す。ここで、
N4は波長4μmの赤外線に対する屈折率、N3は波長
3μmの赤外線に対する屈折率、N5は波長5μmの赤
外線に対する屈折率、をそれぞれ表わしている。
【0029】
【表4】 N4 N3 N5 シリコン 3.425406 3.432338 3.422272 ゲルマニウム 4.024610 4.044976 4.015388
【0030】また、本発明の赤外線用リレー光学系は、
例えば以下(A)乃至(C)のように構成することもで
きる。 (A)前記第1レンズ群G1は、メニスカスレンズと両
凹レンズとを含んでいることを特徴とする請求項1記載
の赤外線用リレー光学系。 (B)最小結像倍率から最大結像倍率までの合焦に際し
て、前記第1レンズ群G1内の少なくとも1つのレンズ
成分を移動させ、かつ、前記第2レンズ群G2内の少な
くとも1つのレンズ成分を移動させることを特徴とする
請求項1又は上記(A)記載の赤外線用リレー光学系。 (C)合焦に際して、前記第1レンズ群G1と前記第2
レンズ群G2との間隔、すなわち第1レンズ成分L1の
物体側面から第6レンズ成分L6の像側面までの間隔は
固定であることを特徴とする請求項1又は上記(A)記
載の赤外線用リレー光学系。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
有効開口数NAiが0.25と明るく、横倍率βが0.
1〜0.55倍程度であり、かつ諸収差が充分に補正さ
れ、良好な光学性能を有する赤外線用リレー光学系を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる赤外線リレー光
学系のレンズ構成を示す図であり、(a)は倍率β=
0.35時、(b)は倍率β=0.1時、(c)は倍率
β=0.55時のレンズ状態をそれぞれ示している。
【図2】本発明の第1実施形態にかかる赤外線用リレー
光学系の倍率β=0.35時の諸収差を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態にかかる赤外線用リレー
光学系の倍率β=0.1時の諸収差を示す図である。
【図4】本発明の第1実施形態にかかる赤外線用リレー
光学系の倍率β=0.55時の諸収差を示す図である。
【図5】本発明の第1実施形態にかかる赤外線用リレー
光学系の倍率β=0.35時の横収差を示す図である。
【図6】本発明の第1実施形態にかかる赤外線用リレー
光学系の倍率β=0.1時の横収差を示す図である。
【図7】本発明の第1実施形態にかかる赤外線用リレー
光学系の倍率β=0.55時の横収差を示す図である。
【図8】本発明の第2実施形態にかかる赤外線リレー光
学系のレンズ構成を示す図であり、(a)は倍率β=
0.35時、(b)は倍率β=0.1時、(c)は倍率
β=0.55時のレンズ状態をそれぞれ示している。
【図9】本発明の第2実施形態にかかる赤外線用リレー
光学系の倍率β=0.35時の諸収差を示す図である。
【図10】本発明の第2実施形態にかかる赤外線用リレ
ー光学系の倍率β=0.1時の諸収差を示す図である。
【図11】本発明の第2実施形態にかかる赤外線用リレ
ー光学系の倍率β=0.55時の諸収差を示す図であ
る。
【図12】本発明の第2実施形態にかかる赤外線用リレ
ー光学系の倍率β=0.35時の横収差を示す図であ
る。
【図13】本発明の第2実施形態にかかる赤外線用リレ
ー光学系の倍率β=0.1時の横収差を示す図である。
【図14】本発明の第2実施形態にかかる赤外線用リレ
ー光学系の倍率β=0.55時の横収差を示す図であ
る。
【図15】本発明の第3実施形態にかかる赤外線リレー
光学系のレンズ構成を示す図であり、(a)は倍率β=
0.35時、(b)は倍率β=0.1時、(c)は倍率
β=0.55時のレンズ状態をそれぞれ示している。
【図16】本発明の第3実施形態にかかる赤外線用リレ
ー光学系の倍率β=0.35時の諸収差を示す図であ
る。
【図17】本発明の第3実施形態にかかる赤外線用リレ
ー光学系の倍率β=0.1時の諸収差を示す図である。
【図18】本発明の第3実施形態にかかる赤外線用リレ
ー光学系の倍率β=0.55時の諸収差を示す図であ
る。
【図19】本発明の第3実施形態にかかる赤外線用リレ
ー光学系の倍率β=0.35時の横収差を示す図であ
る。
【図20】本発明の第3実施形態にかかる赤外線用リレ
ー光学系の倍率β=0.1時の横収差を示す図である。
【図21】本発明の第3実施形態にかかる赤外線用リレ
ー光学系の倍率β=0.55時の横収差を示す図であ
る。
【符号の説明】
G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群 L1 第1レンズ成分 L2 第2レンズ成分 L3 第3レンズ成分 L4 第4レンズ成分 L5 第5レンズ成分 L6 第6レンズ成分 C 可変冷却絞り W 窓 I 結像面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体側から順に、第1レンズ群と第2レ
    ンズ群とを有する赤外線用リレー光学系において、 前記第1レンズ群は、物体側から順に、正屈折力の第1
    レンズ成分と、物体側に凸面を向けた第2レンズ成分
    と、負屈折力の第3レンズ成分とを有し、 前記第2レンズ群は、物体側から順に、負屈折力の第4
    レンズ成分と、物体に凹面を向けた正屈折力の第5レン
    ズ成分と、物体側に凸面を向けた正屈折力の第6レンズ
    成分とを有し、 前記第1レンズ群の最小結像倍率時の屈折力をφ1mi
    n、 前記第1レンズ群の最大結像倍率時の屈折力をφ1ma
    x、 前記第2レンズ群の最小結像倍率時の屈折力をφ2mi
    n、 前記赤外線用リレー光学系全体の最小結像倍率時の屈折
    力をφmin、 前記第2レンズ群の最小結像倍率時の横倍率をβ2mi
    nとしたとき、 0.4<|φ1min/φ1max|<1.2 (1) 0.9<φmin/φ2min<1.4 (2) 1.3<β2min<3.1 (3) の条件を満足することを特徴とする倍率可変である赤外
    線用リレー光学系。
  2. 【請求項2】 近距離物体へ合焦するに際して、前記第
    3レンズ成分と前記第5レンズ成分とが像側に移動し、
    前記第6レンズ成分は固定していることを特徴とする請
    求項1記載の赤外線用リレー光学系。
  3. 【請求項3】 前記第1レンズ群と前記第2レンズ群と
    の間に冷却された絞りが設けられていることを特徴とす
    る請求項1記載の赤外線用リレー光学系。
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JP2007264191A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Nikon Corp 赤外光学系
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