JPH11326693A - ロック用バネ着脱治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な作業でロック用バネの着脱を行えて着
脱作業の作業性向上が図れるロック用バネ着脱治具を提
供すること。 【解決手段】 接続対象物とコネクタにロック用バネ３
を着脱させるためのロック用バネ着脱治具１である。ロ
ック用バネ３を第１の配置位置と第２の配置位置との間
で受ける一面１１ａを有する治具本体１１、ロック用バ
ネ３が第１の配置位置から第２の配置位置に移動する際
にクランプ受入部３１ａの周辺部と係合してロック用バ
ネ３の着脱方向の動きを係止すクランプ１２、第１の回
動位置と第２の回動位置との間で揺動可能なレバー１
３、レバー１３が第２の回動位置から第１の回動位置に
戻る際にロック用バネ３を押圧してクランプ１２による
ロック用バネ３の係止を解除するクランプ解除バネ１４
等から構成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はロック用バネ着脱治
具に関し、特に、例えば光コネクタにおいてプラグをア
ダプタに嵌合させる際のロック用バネを着脱するために
使用する治具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば光コネクタにおいて、プラ
グをアダプタに嵌合させる際には、プラグとアダプタと
の軸芯合わせを保持して光学特性の安定化を図るため、
プラグとアダプタとの間にロック用バネを装着する構造
が用いられている。従来技術において、この種のロック
用バネを着脱する際に使用される治具としては、図１１
及び図１２に示したものがある。

【０００３】即ち、図１１にはロック用バネを着脱する
際にロック用バネをクランプするロック用バネクランプ
用治具８が示されており、また、図１２には、ロック用
バネを着脱する場合にロック用バネを開くロック用バネ
開き用治具９が示されている。そして、例えば図１３に
示したように、ロック用バネクランプ用治具８及びロッ
ク用バネ開き用治具９は、光プラグコネクタ７とアダプ
タ５とをロック用バネ３によりロックするために、ま
た、ロックしたロック用バネ３を取り外すために使用さ
れる。ここで、ロック用バネ３を外す際、図１３におい
て、ロック用バネクランプ用治具８によりロック用バネ
３をクランプした状態で作業者がロック用バネ開き用治
具９を用いて手で矢印の方向にロック用バネ３を押し広
げている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
治具の場合、ロック用バネを着脱する際に二つの治具を
用いて、ロック用バネを作業者が手作業で押し広げなけ
ればならず、その作業が繁雑でしかも難しいものとな
る。また、この広げる作業の際に治具が外れた場合には
ロック用バネがバネ弾性でコネクタ側に戻ってしまう。
このため、コネクタに予想外の外力がかかって破損する
等の問題があった。

【０００５】本発明は、簡単な作業でロック用バネの着
脱を行え、着脱作業の作業性向上を図ることができるロ
ック用バネ着脱治具を提供することを課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、接続対
象物に対するコネクタの嵌合方向と直交する一方向であ
る着脱方向で、互いに嵌合した前記接続対象物と前記コ
ネクタに対して、ロック用バネを着脱させるためのロッ
ク用バネ着脱治具であって、前記ロック用バネとして
は、クランプ受入部を有するバネ本体と、該バネ本体に
連設され、前記嵌合方向で前記接続対象物を係止する接
続対象物側係止部と、前記嵌合方向で前記コネクタを係
止するコネクタ側係止部と、該コネクタ側係止部と前記
バネ本体とを連結すると共に前記嵌合方向で前記コネク
タ側係止部を前記コネクタに押し付けるように前記コネ
クタ側係止部を付勢するバネ部と、前記コネクタ側係止
部に連設され、自由端側端部が実質的に前記着脱方向に
沿って延在しているバネ側フックとを有しているものを
対象としているロック用バネ着脱治具において、治具本
体と、クランプと、一端部に治具側フックを有するレバ
ーと、クランプ解除バネとを含んでおり、前記治具本体
は、前記ロック用バネが前記嵌合方向で第１の配置位置
と第２の配置位置との間で移動可能なように、前記ロッ
ク用バネを受ける一面を有しており、前記クランプは、
前記第１の配置位置にある前記ロック用バネの前記クラ
ンプ受入部内に挿入され、前記ロック用バネが前記治具
本体に対して相対的に前記第１の配置位置から前記第２
の配置位置に移動すると、前記クランプ受入部の周辺部
と係合して、前記ロック用バネの前記着脱方向の動きを
係止するように成っており、前記レバーは、第１の回動
位置と第２の回動位置との間で揺動可能なように、前記
治具本体に回動自在に設けられており、前記治具側フッ
クは、前記レバーが前記第１の回動位置にある時に、前
記一面上にある前記ロック用バネの前記バネ側フックと
係合することなく前記嵌合方向で対向し、更に、前記レ
バーが前記第１の回動位置から前記第２の回動位置へ回
動する際に、前記一面上にある前記ロック用バネの前記
バネ側フックを介して前記コネクタ側係止部を前記嵌合
方向で前記接続対象物側係止部から離すように成ってお
り、前記クランプ解除バネは、前記レバーが前記第２の
回動位置から前記第１の回動位置に戻る際に、前記第２
の配置位置にある前記ロック用バネを押圧して該ロック
用バネを前記第１の配置位置に戻して、前記クランプに
よる前記ロック用バネの係止を解除するように成ってい
ることを特徴とするロック用バネ着脱治具が得られる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下に、本発明の一実施形態を図
１乃至図９を参照して説明する。本実施形態のロック用
バネ着脱治具１は、アダプタ（接続対象物）５に対する
光プラグコネクタ（コネクタ）７の嵌合方向ａと直交す
る一方向である着脱方向ｂで、互いに嵌合したアダプタ
５と光プラグコネクタ７に対して、ロック用バネ３を着
脱させるためのものである（図９参照）。そして、ロッ
ク用着脱治具１は、治具本体１１、クランプ１２、レバ
ー１３、クランプ解除バネ１４等から構成される。

【０００８】治具本体１１は、ロック用バネ３が嵌合方
向ａで第１の配置位置（図２（ａ）参照）と第２の配置
位置（図２（ｂ）参照）との間で移動可能なように、ロ
ック用バネ３を受ける一面（底面）１１ａを有してい
る。クランプ１２は、第１の配置位置にあるロック用バ
ネ３のクランプ挿入孔（クランプ受入部）３１ａ内に挿
入される。そして、ロック用バネ３が治具本体１１に対
して相対的に第１の配置位置から第２の配置位置に移動
する際、クランプ挿入孔３１ａの周辺部と係合して、ロ
ック用バネ３の着脱方向の動きを係止するように機能す
る。

【０００９】レバー１３は、図３に示すように、その一
端部に治具側フック１３ａを有すると共に、第１の回動
位置（垂直な状態）と第２の回動位置（傾倒した状態）
との間で揺動可能なように、治具本体１１に対して回動
自在に設けられている。治具側フック１３ａは、レバー
１３が第１の回動位置にある状態においては、治具本体
１１の底面１１ａ上にあるロック用バネ３のバネ側フッ
ク３５と係合することなく嵌合方向ａで対向している。
更に、治具側フック１３ａは、レバー１３が第１の回動
位置から第２の回動位置へ回動する状態においては、治
具本体１１の底面１１ａ上にあるロック用バネ３のバネ
側フック３５を介してコネクタ側係止部３３を嵌合方向
ａで接続対象物側係止部３２から離す。

【００１０】クランプ解除バネ１４は、図４に示すよう
に、レバー１３が第２の回動位置から第１の回動位置に
戻る際に、第２の配置位置にあるロック用バネ３を押圧
する。これにより、ロック用バネ３が第１の配置位置に
戻り、クランプ１２によるロック用バネ３の係止が解除
される。

【００１１】ここで、ロック用バネ着脱治具１が使用さ
れるロック用バネ３は、図１に示すように、本体３１、
接続対象物側係止部３２、コネクタ側係止部３３、バネ
部３４、バネ側フック３５等から構成される。

【００１２】上記のバネ本体３１は、クランプ受入部と
して機能するクランプ挿入孔３１ａを有している。ま
た、接続対象物側係止部３２は、バネ本体３１に連設さ
れており、嵌合方向ａにおいてアダプタ５を係止するよ
うに機能する。更に、コネクタ側係止部３３は、嵌合方
向ａにおいて光プラグコネクタ７を係止するように機能
する。また、バネ部３４は、コネクタ側係止部３３とバ
ネ本体３１とを連結すると共に、嵌合方向ａにおいてコ
ネクタ側係止部３３を光プラグコネクタ７に押し付ける
ように、コネクタ側係止部３３を付勢している。更に、
バネ側フック３５は、コネクタ側係止部３３に連設され
ると共に、自由端側端部が実質的に着脱方向ｂに沿って
延在している。

【００１３】以上の構成である本実施形態のロック用バ
ネ着脱治具１の動作を次に説明する。先ず、ロック用バ
ネ３を装着することで光プラグコネクタ７とアダプタ５
の嵌合をロックする際の手順を説明する。

【００１４】先ず、ロック用バネ３のクランプ挿入孔３
１ａに、ロック用バネ着脱治具１のクランプ１２を挿入
する。次に、治具側フック１３ａとバネ側フック３５と
の位置を確認しつつ、図２（ａ）のように、バネ側フッ
ク３５に治具側フック１３ａを係合させる。その後、作
業者がロック用バネ着脱治具１のレバー１３を握り、レ
バー１３を図３のように回動させる。この回動により、
図２（ｂ）のように、ロック用バネ３は第１の配置位置
から第２の配置位置に移動する。つまりロック用バネ３
が治具本体１１の底面１１ａ上をスライドし、ロック用
バネ着脱治具１にクランプされた状態となる。そして、
図４（ａ）のように、ロック用バネ３が更に開いたなら
ば、作業者はレバー１３を握ったまま、アダプタ５の対
応する孔ないし溝にロック用バネ３の接続対象物側係止
部３２を挿入する。挿入完了後に、作業者がレバー１３
を放すと、クランプ解除バネ１４により、ロック用バネ
着脱治具１は、図４（ｂ）のように、ロック用バネ３に
対してスライドした状態となる。そして、この状態か
ら、レバー１３を握らずロック用バネ着脱治具１を上方
に移動することで、ロック用バネ着脱治具１が離脱され
る。

【００１５】次に、ロック用バネ３を光プラグコネクタ
７及びアダプタ５から取り外す場合の手順を説明する。

【００１６】先ず、装着時と同様に、図６に示したよう
に、ロック用バネ着脱治具１をロック用バネ３にセット
する。次いで、作業者がロック用バネ着脱治具１のレバ
ー１３を握り、レバー１３を回動させる。この回動によ
り、図７に示したように、ロック用バネ３が治具本体１
１の底面１１ａ上で相対的に移動し（実際は、ロック用
バネ３は移動せず、ロック用バネ着脱治具１が移動す
る）、ロック用バネ着脱治具１のクランプ１２によって
ロック用バネ３がクランプされた状態となる。この状態
からレバー１３を更に回動させることで、ロック用バネ
３のコネクタ側係止部３３が開いた状態となる。このよ
うにロック用バネ３が十分開いたならば、ロック用バネ
３をロック用バネ着脱治具１と共に上方に引き上げる。
これにより、ロック用バネ３が光プラグコネクタ７及び
アダプタ５から離脱される。

【００１７】ここで、以上のように構成される本実施形
態のロック用バネ着脱治具によれば、ロック用バネ着脱
治具のレバーを回動しない場合、ロック用バネの光プラ
グコネクタ及びアダプタに対する着脱時において、治具
側フックとバネ側フックの干渉を避けることができる。

【００１８】また、ロック用バネ着脱治具のクランプに
よるロック用バネの係止を解除するクランプ解除用バネ
を設けることで、光プラグコネクタ及びアダプタに対す
るロック用バネの着脱時に、レバーを元に戻すだけで、
クランプ解除用バネの付勢力によってただちにロック用
バネ着脱治具のクランプとロック用バネとの係合を解除
し、両者を分離することができる。

【００１９】尚、例えば図１０に示したロック用バネ着
脱治具のように、クランプ解除用バネが無い場合には、
レバーを元に戻してもクランプによるロック用バネの係
止をただちに解除することができない。

【００２０】尚、本実施形態のロック用バネ着脱治具
は、光コネクタ用のものであるが、勿論、本発明は、コ
ネクタ一般に適用可能である。

【００２１】

【発明の効果】本発明のロック用バネ着脱治具によれ
ば、簡単な操作でロック用バネをコネクタ及び接続対象
物に対して着脱させることができる。特に、コネクタ及
び接続対象物に対するロック用バネの着脱の際に、ロッ
ク用バネに対するクランプを自動的に解除できることか
ら、ロック用バネの着脱作業の作業性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態によるロック用バネ着脱治
具を示し、（ａ）は上方から見た斜視図、（ｂ）は下方
から見た要部の斜視図である。

【図２】図１のロック用バネ着脱治具のクランプの動作
を示し、（ａ）はクランプとロック用バネとが係合して
いない状態の説明図、（ｂ）はクランプとロック用バネ
とが係合した状態の説明図である。

【図３】図１のロック用バネ着脱治具のレバーの動作を
示す一部切欠き側面図である。

【図４】図１のロック用バネ着脱治具のクランプ解除バ
ネの動作を示し、（ａ）はクランプ状態を解除しようと
している状態の説明図、（ｂ）はクランプが解除された
状態の説明図である。

【図５】図１にロック用バネ着脱治具の要部を示し、
（ａ）は一部切欠き側面図、（ｂ）は（ａ）のＡ−Ａ線
での断面図である。

【図６】図１のロック用バネ着脱治具にロック用バネを
セットした際のロック用バネの通常状態を示した説明図
である。

【図７】図１のロック用バネ着脱治具にロック用バネを
セットした際のロック用バネの嵌合状態を示した説明図
である。

【図８】図１のロック用バネ着脱治具におけるロック用
バネの着脱時の状態を示した説明図である。

【図９】図１に示すロック用バネ着脱治具によりロック
用バネを光プラグコネクタ及びアダプタに着脱する状態
を示した斜視図である。

【図１０】図１のロック用バネ着脱治具からクランプ解
除バネを省いた比較例を示した説明図である。

【図１１】従来のロック用バネクランプ用治具の一例を
示した斜視図である。

【図１２】従来のロック用バネ開き用治具の一例を示し
た斜視図である。

【図１３】図１１及び図１２の治具を使用してロック用
バネを着脱する状態を示した説明図である。

【符号の説明】

１ ロック用バネ着脱治具 １１ 治具本体 １１ａ 一面（底面） １２ クランプ １３ レバー １３ａ 治具側フック １４ クランプ解除バネ ３ ロック用バネ ３１ バネ本体 ３１ａ クランプ挿入孔（クランプ受入部） ３２ 接続対象物側係止部 ３３ コネクタ側係止部 ３４ バネ部 ３５ バネ側フック ５ アダプタ（接続対象物） ７ 光プラグコネクタ（コネクタ） ８ ロック用バネクランプ用治具（従来） ９ ロック用バネ開き用治具（従来） ａ 嵌合方向 ｂ 着脱方向（嵌合方向と直交する一方向）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桂 浩輔 東京都新宿区西新宿三丁目19番２号 日本 電信電話株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 接続対象物に対するコネクタの嵌合方向
   と直交する一方向である着脱方向で、互いに嵌合した前
   記接続対象物と前記コネクタに対して、ロック用バネを
   着脱させるためのロック用バネ着脱治具であって、 前記ロック用バネとしては、クランプ受入部を有するバ
   ネ本体と、該バネ本体に連設され、前記嵌合方向で前記
   接続対象物を係止する接続対象物側係止部と、前記嵌合
   方向で前記コネクタを係止するコネクタ側係止部と、該
   コネクタ側係止部と前記バネ本体とを連結すると共に前
   記嵌合方向で前記コネクタ側係止部を前記コネクタに押
   し付けるように前記コネクタ側係止部を付勢するバネ部
   と、前記コネクタ側係止部に連設され、自由端側端部が
   実質的に前記着脱方向に沿って延在しているバネ側フッ
   クとを有しているものを対象としているロック用バネ着
   脱治具において、 治具本体と、クランプと、一端部に治具側フックを有す
   るレバーと、クランプ解除バネとを含んでおり、 前記治具本体は、前記ロック用バネが前記嵌合方向で第
   １の配置位置と第２の配置位置との間で移動可能なよう
   に、前記ロック用バネを受ける一面を有しており、 前記クランプは、前記第１の配置位置にある前記ロック
   用バネの前記クランプ受入部内に挿入され、前記ロック
   用バネが前記治具本体に対して相対的に前記第１の配置
   位置から前記第２の配置位置に移動すると、前記クラン
   プ受入部の周辺部と係合して、前記ロック用バネの前記
   着脱方向の動きを係止するように成っており、 前記レバーは、第１の回動位置と第２の回動位置との間
   で揺動可能なように、前記治具本体に回動自在に設けら
   れており、 前記治具側フックは、前記レバーが前記第１の回動位置
   にある時に、前記一面上にある前記ロック用バネの前記
   バネ側フックと係合することなく前記嵌合方向で対向
   し、更に、前記レバーが前記第１の回動位置から前記第
   ２の回動位置へ回動する際に、前記一面上にある前記ロ
   ック用バネの前記バネ側フックを介して前記コネクタ側
   係止部を前記嵌合方向で前記接続対象物側係止部から離
   すように成っており、 前記クランプ解除バネは、前記レバーが前記第２の回動
   位置から前記第１の回動位置に戻る際に、前記第２の配
   置位置にある前記ロック用バネを押圧して該ロック用バ
   ネを前記第１の配置位置に戻して、前記クランプによる
   前記ロック用バネの係止を解除するように成っているこ
   とを特徴とするロック用バネ着脱治具。