JPH11326143A - タイヤ摩耗寿命予測方法 - Google Patents

タイヤ摩耗寿命予測方法

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JPH11326143A
JPH11326143A JP10126176A JP12617698A JPH11326143A JP H11326143 A JPH11326143 A JP H11326143A JP 10126176 A JP10126176 A JP 10126176A JP 12617698 A JP12617698 A JP 12617698A JP H11326143 A JPH11326143 A JP H11326143A
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ews
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明禎 清水
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直人 山岸
Hiroshi Mori
浩 毛利
Naohiro Sasaka
尚博 佐坂
Hiroshi Kobayashi
弘 小林
Tetsunori Haraguchi
哲之理 原口
Yasuyuki Kato
康之 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤの摩耗寿命を短時間にかつ正確に予測
することができるタイヤ摩耗寿命予測方法を得る。 【解決手段】 まず、スリップ率0.5%〜5%程度の
測定ができる摩耗試験装置により摩耗寿命予測を行なう
タイヤのタイヤトレッド部と同材質のゴム試験片のゴム
インデックスGiを測定し(ステップ100)、次に該
タイヤのフリーローリング時、トー角が付与されている
状態の各々の摩擦エネルギーを測定すると共に、各々タ
イヤ使用時の動的な変化を考慮したキャンバー角、トー
角、荷重が付与されている状態での横力が付与されてい
る状態、駆動力が付与されている状態、及び制動力が付
与されている状態の各状態における摩擦エネルギーを測
定し(ステップ102)、以上により得られたゴムイン
デックスGiと、各摩擦エネルギーと、を用いて摩耗寿
命期待値Tlを算出し(ステップ104)、摩耗寿命期
待値Tlに基づいて摩耗寿命を予測する(ステップ10
6)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タイヤ摩耗寿命予
測方法に係り、特に、実際の走行状態でのタイヤの摩耗
寿命を予測するタイヤ摩耗寿命予測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両のタイヤ摩耗寿命を予測する
には、予測対象となるタイヤを装着した車両を実際に所
定距離だけ走行させて、その時のタイヤの摩耗状況に基
づいて摩耗寿命を予測する方法がとられていた。
【0003】しかしながら、この方法では、高精度な予
測を行なうためにはタイヤの摩耗量を精度良く測定する
必要があり、このために車両を走行させる距離を長くす
る必要があるため、タイヤ摩耗寿命を予測するのに時間
がかかるという問題点があった。
【0004】この問題点を解決するために、特公平1−
56374号公報に記載の技術では、試験車に対して少
なくとも2対のテストタイヤを装着し、該2対のテスト
タイヤを所望の回転数差で実路走行させて、駆動力と制
動力によるタイヤの摩耗状態を同時に評価できるように
している。
【0005】一方、タイヤの摩耗量を予測するための計
算式としてシャーラマッハの摩耗量式があるが、この理
論式によると、単位走行距離当りのタイヤの摩耗量M
は、摩擦エネルギーに比例すると言われており、(1)
式で表される。
【0006】 M=γρF2 /C (1) 但し、γはタイヤの摩耗度、ρはリジリエンス、Fはタ
イヤに作用する外力、Cは前後方向または左右方向の力
に対する剛性である。ここで剛性Cを、前後方向、すな
わち駆動方向の剛性Cdと制動方向の剛性Cb、及び左
右方向の剛性Csで表すと、シャーラマッハの摩耗量式
は次の(2)式で表される。
【0007】 M=γρF2 /(Cd+Cb+Cs) =γρ(Fx+ 2 /Cd+Fx- 2 /Cb+Fy2 /Cs) (2) ここで、Fx+ は駆動力によって発生する前方向の力、
Fx- は制動力によって発生する後方向の力、Fyは左
右方向の入力である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公平1−56374号公報に記載の技術では、1度の実
路走行で1対のテストタイヤを評価する場合に比較して
評価時間を短縮することはできるものの、少なくとも1
回は長時間の実路走行試験を行なう必要があり、この場
合もタイヤ摩耗寿命を予測するのに時間がかかるという
問題点があった。
【0009】一方、上記シャーラマッハの摩耗量式で
は、駆動方向、制動方向、及び左右方向の剛性を考慮し
たものとなっているが、これらのパラメータのみを考慮
したものでは、実路において車両に装着したタイヤの摩
耗寿命を精度良く予測するのは困難であるという問題点
があった。
【0010】すなわち、実路における車両の走行時にお
けるタイヤの摩耗現象に影響する要因には、タイヤトレ
ッド部のゴムの特性、タイヤのトレッドパターンや構
造、タイヤへの市場走行時(実際に車両が使用される状
況での走行時)における入力等の多くの要因があり、こ
れらの多くの要因が影響する車両走行時のタイヤの摩耗
状況を、駆動方向、制動方向、及び左右方向の剛性のみ
を考慮したシャーラマッハの摩耗量式を用いて精度良く
予測するのは困難であるという問題点があった。
【0011】本発明は上記問題点を解消するために成さ
れたものであり、タイヤの摩耗寿命を短時間にかつ正確
に予測することができるタイヤ摩耗寿命予測方法を提供
することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載のタイヤ摩耗寿命予測方法は、フリー
ローリング時のタイヤの摩擦エネルギーEwf、トー角
が付与されている状態でのタイヤの摩擦エネルギーEw
aを各々求めると共に、各々タイヤ使用時の動的な変化
を考慮したキャンバー角、トー角、及び荷重が付与され
ている状態においての、横力が付与されている状態、駆
動力が付与されている状態、及び制動力が付与されてい
る状態の各状態における摩擦エネルギーEws、摩擦エ
ネルギーEwd、及び摩擦エネルギーEwbを求め、か
つタイヤトレッド部と同材質のゴム試料の市場走行時と
略同等のシベリティにおける摩擦エネルギーew、及び
所定走行距離当りの摩耗深さWの各々を求めて、前記摩
擦エネルギーewを前記摩耗深さWで割った値ew/W
であるゴムインデックスGiと、下記の式で表される摩
擦エネルギーEwの逆数1/Ewとの積Gi/Ewを含
む値に基づいてタイヤの摩耗寿命を予測する。
【0013】 Ew=Ewf+Ewa+Ews+Ewb+Ewd ここで、請求項1記載のタイヤ摩耗寿命予測方法の原理
について説明する。
【0014】まず、タイヤの摩耗は、タイヤトレッド部
のゴムの材質の寄与Gと、タイヤのトレッドパターンや
構造の寄与Eと、の2つに大別することができると仮定
した。
【0015】そして、上記タイヤトレッド部のゴムの材
質の寄与Gとしてランボーン摩耗試験により得られるタ
イヤトレッド部のゴムの摩耗抵抗指数Gl(%)を、上
記タイヤのトレッドパターンや構造の寄与Eとしてタイ
ヤの転がり半径で基準化した単位面積当りの単位距離走
行時の摩擦エネルギーEw(kgf/cm2 (SI単位
系ではN/m2 ))を、各々測定して適用した。ランボ
ーン摩耗試験は、JIS K 6264により規格化さ
れているもので、加硫ゴム、その他の弾性材料の摩耗試
験のうち、ランボーン摩耗試験機を用いて耐摩耗性を測
定するものであり、この試験によって摩耗抵抗指数Gl
を得ることができる。
【0016】なお、ランボーン摩耗試験により得られる
摩耗抵抗指数Glに関しては、1987年第131回A
CSミーティングPaper79番等において、タイヤ
におけるトップゴム(ゴムの表面)の摩耗性能を示す指
数として有効であることが報告されている。
【0017】また、摩擦エネルギーEwに関しては、1
982年秋季自動車技術会講演会前刷り集の「タイヤ摩
耗の室内評価についての一つの試み」(横浜ゴム株式会
社)等において、タイヤの摩耗に対するトレッドパター
ンや構造の寄与を評価するための有効な物理量である旨
が報告されている。
【0018】そこで、ゴムの摩耗抵抗指数Glと、摩擦
エネルギーEwと、を用いて、タイヤの耐摩耗性能を予
測することを試みた。
【0019】摩耗抵抗指数Glが大きいほど摩耗寿命は
長く、摩擦エネルギーEwが大きいほど摩耗寿命は短い
と考えられるので、次の(3)式で耐摩耗係数mを定義
した。
【0020】 m=Gl/Ew (3) 次に、タイヤ残溝が深いほど摩耗寿命は長いと考えられ
るので、耐摩耗係数mに基づいて、次の(4)式を用い
てタイヤ摩耗寿命期待値Tlを定義した。
【0021】 Tl=m×(NSD−1.6) =(Gl/Ew)×(NSD−1.6) (4) 但し、NSDはタイヤの溝深さ(mm)であり、1.6
はタイヤの棄却限界とされている残溝1.6(mm)に
相当する。
【0022】また、シャーラマッハの摩耗量式と同様
に、摩擦エネルギーEwは、横力(左右力)が付与され
ている状態でのタイヤの摩擦エネルギーEws、駆動力
が付与されている状態でのタイヤの摩擦エネルギーEw
d、制動力が付与されている状態でのタイヤの摩擦エネ
ルギーEwbで表されると考え、(4)式を次の(5)
式に変形した。
【0023】 Tl={Gl/(Ews+Ewd+Ewb)} ×(NSD−1.6) (5) 次に、(5)式を用いて、5通りの一般的な市場走行時
の入力を行なったときの摩耗寿命期待値Tlを算出する
と共に、実車による走行試験により実際に当該タイヤの
摩耗寿命を測定した。
【0024】図1は、算出された摩耗寿命期待値Tlと
実車による走行試験により得られた摩耗寿命との関係を
示したグラフである。同図に示すように、摩耗寿命期待
値Tlと実車による走行試験により得られた摩耗寿命と
は相関が低く、このままでは摩耗寿命期待値Tlに基づ
いて最終的に得られるタイヤ摩耗寿命の予測精度を上げ
ることはできないことが確認できた。
【0025】次に、この相関が低い原因を解明すべく、
各摩擦エネルギーを詳細に検討した結果、図2(A)〜
(C)に示すように、4種類のタイヤA〜Dにおいて各
入力の2乗に対して各摩擦エネルギーEws、Ewd、
Ewbの各々が比例しており、これに関してはシャーラ
マッハによる検討の通りであったが、そのグラフは原点
を通らずに、正の切片が存在することが判明した。
【0026】そこで、この正の切片を詳細に検討した結
果、フリーローリング時(自由転動時)のタイヤの摩擦
エネルギーEwf、及びトー角が付与されている状態で
のタイヤの摩擦エネルギーEwaが、上記正の切片に対
応する摩擦エネルギーの主たる要素であることが判明し
た。
【0027】これらのことから、摩擦エネルギーEwを
次の(6)式を用いて算出する事とし、 Ew=Ewf+Ewa+Ews+Ewb+Ewd (6) タイヤの摩耗寿命期待値Tlを、次の(7)式を用いて
算出することとした。
【0028】 Tl=(Gl/Ew)×(NSD−1.6) (7) 上記(7)式を用いて、上記(5)式の検討時と同様の
5通りの入力を行なったときの摩耗寿命期待値Tlを求
めた結果、図3に示すように、摩耗寿命期待値Tlと実
車による走行試験によって得られた摩耗寿命との相関が
高くなり、この摩耗寿命期待値Tlに基づいて最終的に
得られるタイヤ摩耗寿命の予測精度を高めることができ
ることが判明した。
【0029】なお、実車における車両走行時のタイヤで
は、車両の姿勢によってアライメントやタイヤにかかる
荷重が変化するため、車両走行時における動的なアライ
メントの変化や荷重移動に関する要素を摩擦エネルギー
Ews、Ewd、及びEwbに反映させた方が好まし
い。この方法として、摩擦エネルギーEws、Ewd、
及びEwbの各々を求めるに際し、タイヤに対してタイ
ヤ使用時の動的な変化を考慮したキャンバー角、トー
角、及び荷重を付与することとした。
【0030】上記タイヤ使用時の動的な変化を考慮した
キャンバー角、トー角、及び荷重を求める方法として、
走行中の車両の動的なアライメントの変化の要因となる
前後(方向)、左右(方向)、ヨーイング、ローリン
グ、及びピッチングを含めた5自由度以上(必要に応じ
てさらに上下(方向)を含めた6自由度)の車両モデル
を用いて各々次のように算出することとした。
【0031】まず、摩擦エネルギーEwsを求める際に
タイヤに対して付与するキャンバー角、トー角、及び荷
重は、車両の旋回時における速度及び求心加速度(旋回
中心に対する加速度)を設定し、上記車両モデルを用い
て定常円旋回時の車両に装着されたタイヤのキャンバー
角、トー角、及び荷重をコンピュータシミュレーション
により算出する。市場走行時のような様々な入力状態で
あっても、上記車両の旋回時における速度及び求心加速
度として車両の代表速度及び代表加速度を設定すること
によって定常円旋回に置き換えることが可能である。な
お、実際には上記代表速度として想定する走行モードの
平均速度を、上記代表加速度として想定する走行モード
の加速度のRMS値を用いるのが好ましい。
【0032】また、摩擦エネルギーEwdを求める際に
タイヤに対して付与するキャンバー角、トー角、及び荷
重は、車両の駆動加速度を設定し、上記車両モデルを用
いて駆動時の車両に装着されたタイヤのキャンバー角、
トー角、及び荷重をコンピュータシミュレーションによ
り算出する。市場走行時のような様々な入力状態であっ
ても、上記車両の駆動加速度として車両の代表駆動加速
度を設定することによって一定の慣性力の状態に置き換
えることが可能である。なお、実際には上記代表駆動加
速度として想定する走行モードの加速度のRMS値を用
いる。
【0033】同様に、摩擦エネルギーEwbを求める際
にタイヤに対して付与するキャンバー角、トー角、及び
荷重は、車両の制動加速度を設定し、上記車両モデルを
用いて制動時の車両に装着されたタイヤのキャンバー
角、トー角、及び荷重をコンピュータシミュレーション
により算出する。市場走行時のような様々な入力状態で
あっても、上記車両の制動加速度として車両の代表制動
加速度を設定することによって一定の慣性力の状態に置
き換えることが可能である。なお、実際には上記代表制
動加速度として想定する走行モードの加速度のRMS値
を用いる。
【0034】一方、図3に示された摩耗寿命期待値Tl
と実車による走行試験によって得られた摩耗寿命との相
関の向上は充分ではなく、この理由をさらに検討した結
果、ランボーン摩耗試験におけるゴム試験片の摩耗肌
(表面の摩耗状態)と、実車で用いられるタイヤにおけ
るタイヤトレッド部の摩耗肌とが大きく異なっているこ
とが原因である可能性が高いことが判明した。このこと
は、ランボーン摩耗試験におけるシベリティ(摩擦の苛
酷さを表すもので、シベリティが大きいほどスリップ
率、摩擦エネルギーが大きい)が、実車におけるタイヤ
のシベリティよりもはるかに大きいことに起因してい
る。すなわち、JIS K 6264で規格化されてい
る通常のランボーン摩耗試験におけるスリップ率の許容
範囲は5%から80%までであり、スリップ率が最小の
5%であるときの単位面積当りの単位距離走行時の摩擦
エネルギーの範囲は100×10-5〜300×10
-5(kgf/cm2 )であるのに対し、市場走行時の単
位面積当りの単位距離走行時の摩擦エネルギーの範囲は
10×10-5〜40×10-5(kgf/cm2 )であ
り、この値が大きく異なっている。
【0035】そこで、市場走行時のシベリティと同程度
のシベリティ(スリップ率0.5%〜5%程度)におけ
るゴム試験片の摩耗試験が行なえる試験機を用いて、市
場走行時相当のシベリティにおける単位面積当りの単位
距離走行時の摩擦エネルギーew(kgf/cm2 )と
所定走行距離当りの摩耗深さW(ここでは、1000k
m走行時相当のゴム試験片の摩耗深さ(mm/1000
km))を測定し、上記摩擦抵抗指数Glに代わるもの
としてゴムインデックスGiを次の(8)式により定義
し、 Gi=ew/W (8) ゴムインデックスGiを用いて次の(9)式により、タ
イヤの摩耗寿命期待値Tlを算出することを試みた。
【0036】 Tl=(Gi/Ew)×(NSD−1.6) (9) 上記(9)式を用いて、上記(5)式の検討時と同様の
5通りの入力を行なったときの摩耗寿命期待値Tlを求
めた結果、図4に示すように、摩耗寿命期待値Tlと実
車による走行試験によって得られた摩耗寿命との相関
が、図3に示した(7)式によって求めた摩耗寿命期待
値Tlと実車による走行試験によって得られた摩耗寿命
との相関に比較して著しく高くなり、上記(9)式の摩
耗寿命期待値Tlに基づいて最終的に得られるタイヤ摩
耗寿命の予測精度を格段に高くすることができることが
判明した。
【0037】以上の原理に基づき、請求項1に記載のタ
イヤ摩耗寿命予測方法では、フリーローリング時のタイ
ヤの摩擦エネルギーEwf、トー角が付与されている状
態でのタイヤの摩擦エネルギーEwaが各々求められる
と共に、各々タイヤ使用時の動的な変化を考慮したキャ
ンバー角、トー角、及び荷重が付与されている状態にお
いての、横力が付与されている状態、駆動力が付与され
ている状態、及び制動力が付与されている状態の各状態
における摩擦エネルギーEws、摩擦エネルギーEw
d、及び摩擦エネルギーEwbが求められ、かつタイヤ
トレッド部と同材質のゴム試料の市場走行時と略同等の
シベリティにおける摩擦エネルギーew、及び所定走行
距離当りの摩耗深さWの各々が求められる。なお、この
際のトー角は、進行方向に対するタイヤ赤道面の角度、
横力はタイヤの転動方向と直交する方向の力、駆動力は
タイヤ駆動時のタイヤの進行方向の力、制動力はタイヤ
制動時の駆動力方向とは逆方向の力である。また、上記
フリーローリング時のタイヤの摩擦エネルギーEwfを
求める際には、タイヤが装着される車両のイニシャルキ
ャンバー角を付与することが好ましい。
【0038】その後、摩擦エネルギーewを摩耗深さW
で割った値ew/WであるゴムインデックスGiと、上
記(6)式で表される摩擦エネルギーEwの逆数1/E
wとの積Gi/Ewを含む値に基づいてタイヤの摩耗寿
命が予測される。
【0039】このように、請求項1に記載のタイヤ摩耗
寿命予測方法によれば、横力(左右力)が付与されてい
る状態でのタイヤの摩擦エネルギーEws、駆動力が付
与されている状態でのタイヤの摩擦エネルギーEwd、
制動力が付与されている状態でのタイヤの摩擦エネルギ
ーEwbに加えて、フリーローリング時のタイヤの摩擦
エネルギーEwf、トー角が付与されている状態でのタ
イヤの摩擦エネルギーEwaが、タイヤの摩耗寿命を予
測するための要素として用いられるので、駆動方向、制
動方向、及び左右方向の剛性のみを考慮したシャーラマ
ッハの摩耗量式を用いて摩耗寿命を予測する場合に比較
して、より高精度なタイヤの摩耗寿命予測を行なうこと
ができると共に、市場走行時と略同等のシベリティにお
けるゴムインデックスGiを測定して摩耗寿命の予測に
用いているので、JIS K 6264により規格化さ
れている通常のランボーン摩耗試験により求めた摩耗抵
抗指数を用いる場合に比較して、より高精度なタイヤの
摩耗寿命予測を行なうことができ、さらに摩擦エネルギ
ーEws、Ewd、及びEwbを求めるに際し、タイヤ
に対してタイヤ使用時の動的な変化を考慮したキャンバ
ー角、トー角、及び荷重とが付与されるので、このよう
なキャンバー角、トー角、及び荷重が付与されない場合
に比較して、より高精度なタイヤの摩耗寿命予測を行な
うことができる。
【0040】なお、請求項2記載のタイヤ摩耗寿命予測
方法のように、請求項1記載のタイヤ摩耗寿命予測方法
において、前記積Gi/Ewを含む値は、前記積Gi/
Ewの値、前記積Gi/Ewにタイヤ棄却限界に至るま
での残溝の深さを乗算した値、の何れかの値であること
が好ましい。なおここで、上記タイヤ棄却限界に至るま
での残溝の深さは、タイヤの溝深さNSDから、タイヤ
の棄却限界とされる値、例えば1.6(mm)を減算し
た値を用いることが好ましい。また、この際のタイヤの
溝深さNSDは、例えばタイヤトレッド部の複数の溝深
さの平均値でもよいし、タイヤトレッド部の複数の溝深
さの最小値でもよい。
【0041】また、請求項3記載のタイヤ摩耗寿命予測
方法は、請求項1又は請求項2記載のタイヤ摩耗寿命予
測方法において、前記摩擦エネルギーEws、前記摩擦
エネルギーEwd、及び前記摩擦エネルギーEwbの各
々を、左右方向の入力Fy、駆動力によって発生する前
方向の力Fx+ 、制動力によって発生する後方向の力F
- 、未定係数S、D、B及び指数ns、nd、nbを
用いて、 Ews=S×Fyns、Ewd=D×Fx+ nd、Ewb=
B×Fx- nb と表し、前記未定係数S、D、B及び前記指数ns、n
d、nbを、左右方向の入力Fy、前方向の力Fx+
及び後方向の力Fx- を各々付与したときの摩擦エネル
ギーEws、摩擦エネルギーEwd、及び摩擦エネルギ
ーEwb、の各々の測定値に基づいて予め求めておい
て、市場走行時の車両重心位置の左右方向の加速度分
布、及び車両重心位置の前後方向の加速度分布のRMS
値に基づいて前記左右方向の入力Fy、前記前方向の力
Fx+ 、及び前記後方向の力Fx- を決定し、決定され
た前記左右方向の入力Fy、前記前方向の力Fx+ 、及
び前記後方向の力Fx- と、上記の式に基づいて、前記
摩擦エネルギーEws、前記摩擦エネルギーEwd、及
び前記摩擦エネルギーEwbを求める。
【0042】請求項3に記載のタイヤ摩耗寿命予測方法
によれば、請求項1又は請求項2記載のタイヤ摩耗寿命
予測方法における摩擦エネルギーEws、摩擦エネルギ
ーEwd、及び摩擦エネルギーEwbの各々が、左右方
向の入力Fy、駆動力によって発生する前方向の力Fx
+ 、制動力によって発生する後方向の力Fx- 、未定係
数S、D、B及び指数ns、nd、nbを用いて、 Ews=S×Fyns (10) Ewd=D×Fx+ nd (11) Ewb=B×Fx- nb (12) と表わされ、未定係数S、D、B及び指数ns、nd、
nbが、左右方向の入力Fy、前方向の力Fx+ 、及び
後方向の力Fx- を各々付与したときの摩擦エネルギー
Ews、摩擦エネルギーEwd、及び摩擦エネルギーE
wb、の各々の測定値に基づいて予め求められる。な
お、上記における左右方向、前方向、及び後方向の各々
は、タイヤを回転させたときのタイヤの進行方向に対す
る方向である。
【0043】一方、市場走行時の車両重心位置の左右方
向の加速度分布、及び車両重心位置の前後方向の加速度
分布のRMS値に基づいて左右方向の入力Fy、前方向
の力Fx+ 、及び後方向の力Fx- が決定される。な
お、ここでRMS値は、各加速度分布における所定範囲
の各加速度の2乗の平均値の平方根によって求められる
値である。
【0044】さらに、以上により決定された左右方向の
入力Fy、前方向の力Fx+ 、及び後方向の力Fx
- と、上記(10)式〜(12)式に基づいて、すなわ
ち、これらの値を上記(10)式〜(12)式に代入す
ることによって摩擦エネルギーEws、摩擦エネルギー
Ewd、及び摩擦エネルギーEwbが求められる。
【0045】このように、請求項3に記載のタイヤ摩耗
寿命予測方法によれば、請求項1又は請求項2記載のタ
イヤ摩耗寿命予測方法における摩擦エネルギーEws、
摩擦エネルギーEwd、及び摩擦エネルギーEwbが、
市場走行時の車両重心位置の左右方向の加速度分布、及
び車両重心位置の前後方向の加速度分布の各々の分布の
RMS値に基づいて求められることにより市場走行時の
入力を反映したものとされるので、市場走行時の入力を
反映していない場合に比較して、より高精度にタイヤの
摩耗寿命の予測を行なうことができる。
【0046】また、請求項4記載のタイヤ摩耗寿命予測
方法は、請求項1又は請求項2記載のタイヤ摩耗寿命予
測方法において、前記摩擦エネルギーEws、前記摩擦
エネルギーEwd、及び前記摩擦エネルギーEwbの各
々を、左右方向の入力Fy、駆動力によって発生する前
方向の力Fx+ 、制動力によって発生する後方向の力F
- 、未定係数S、D、B及び指数ns、nd、nbを
用いて、 Ews=S×Fyns、Ewd=D×Fx+ nd、Ewb=
B×Fx- nb と表し、前記指数ns、nd、nbを1.5から3まで
の値として前記未定係数S、D、Bを、左右方向の入力
Fy、前方向の力Fx+ 、及び後方向の力Fx-を各々
付与したときの摩擦エネルギーEws、摩擦エネルギー
Ewd、及び摩擦エネルギーEwb、の各々の測定値に
基づいて予め求めておいて、市場走行時の車両重心位置
の左右方向の加速度分布、及び車両重心位置の前後方向
の加速度分布のRMS値に基づいて前記左右方向の入力
Fy、前記前方向の力Fx+ 、及び前記後方向の力Fx
- を決定し、決定された前記左右方向の入力Fy、前記
前方向の力Fx+ 、及び前記後方向の力Fx- と、上記
の式に基づいて、前記摩擦エネルギーEws、前記摩擦
エネルギーEwd、及び前記摩擦エネルギーEwbを求
める。
【0047】請求項4に記載のタイヤ摩耗寿命予測方法
によれば、請求項3記載のタイヤ摩耗寿命予測方法にお
いて測定値に基づいて求めている指数ns、nd、nb
を1.5から3までの値、より好ましくは2から3まで
の値として、未定係数S、D、Bが、左右方向の入力F
y、前方向の力Fx+ 、及び後方向の力Fx- を各々付
与したときの摩擦エネルギーEws、摩擦エネルギーE
wd、及び摩擦エネルギーEwb、の各々の測定値に基
づいて予め求められる。
【0048】したがって、請求項4に記載のタイヤ摩耗
寿命予測方法によれば、請求項3記載のタイヤ摩耗寿命
予測方法と同様の効果を奏すると共に、指数ns、n
d、nbを1.5〜3の固定値としたので、指数ns、
nd、nbを固定値としない場合に比較して、未定係数
S、D、Bを容易に求めることができる。
【0049】ところで、車両が右旋回するときと左旋回
するときとでは、車両に装着されたタイヤに対する同じ
発生力における摩擦エネルギーは異なるが、さらにトー
角等の影響により発生力も異なる。発生力が右旋回時と
左旋回時とで異なる要因として、トー角による影響の他
に、車両のアッカーマン特性による左右輪の実舵角の違
いによる影響が知られている。そこで、左右方向の入力
Fyを、コーナリングパワーCp(kgf/rad)、
トー角θtoe (rad)、及びアッカーマン特性による
左右輪の実舵角の差θアッカーマン(rad)を用いて、次の
(13)式及び(14)式により、右旋回時の左右方向
の入力Fy+ と、左旋回時の左右方向の入力Fy- の2
つの式に分けて考えることが好ましい。
【0050】 Fy+ =(Fy/21/2 ) +[Cp×{θtoe +(θアッカーマン/2)}] (13) Fy- =(Fy/21/2 ) −[Cp×{θtoe +(θアッカーマン/2)}] (14) また、これに伴い、横力が付与されている状態でのタイ
ヤの摩擦エネルギーEwsも、右旋回時の横力が付与さ
れている状態での摩擦エネルギーEws+ と、左旋回時
の横力が付与されている状態での摩擦エネルギーEws
- とに分けて、次の(15)式で表すことが好ましい。
【0051】 Ews=Ews+ +Ews- (15) ここで、上記アッカーマン特性による左右輪の実舵角の
差θアッカーマンは、次のように計算する。
【0052】すなわち、市場入力より求めた車両の平均
速度で車両の左右入力(好ましくはRMS値)を発生す
る定常円旋回を仮定して、その旋回半径を計算し、さら
にその円旋回を速度0で走行したとき、スリップ角がと
もに0となる左右輪それぞれの実舵角を計算する。(理
想的アッカーマン) そして、実際の車両はアッカーマンがない状態(パラレ
ルリンク)と理想的アッカーマンの中間程度のアッカー
マン特性であることから上記計算値の半分の値を車両の
アッカーマン特性による左右輪の実舵角の差θアッカーマンと
する。
【0053】なお、車両のアッカーマン特性があれば、
それをそのまま用いてもよい。また、右旋回時の左右方
向の入力Fy+ と、左旋回時の左右方向の入力Fy
- は、上記5自由度以上の車両モデルを用いたコンピュ
ータシミュレーションにより算出してもよい。この場
合、ヨーイングによる左右輪のスリップ角の差をも考慮
することができるので、より摩耗寿命の予測精度が高く
なる。
【0054】したがって、請求項5記載のタイヤ摩耗寿
命予測方法は、請求項1又は請求項2記載のタイヤ摩耗
寿命予測方法において、前記摩擦エネルギーEwsを、
車両のアッカーマン特性及びトー角に基づいて、前記タ
イヤを車両に装着した場合の車両が右旋回するときの摩
擦エネルギーEws+ と、車両が左旋回するときの摩擦
エネルギーEws- とに分けて求め、前記摩擦エネルギ
ーEwsを、前記摩擦エネルギーEws+ と、前記摩擦
エネルギーEws- との和Ews+ +Ews-により求
める。
【0055】請求項5に記載のタイヤ摩耗寿命予測方法
によれば、請求項1又は請求項2記載のタイヤ摩耗寿命
予測方法において、摩擦エネルギーEwsが、車両のア
ッカーマン特性及びトー角に基づいて、タイヤを車両に
装着した場合の車両が右旋回するときの摩擦エネルギー
Ews+ と、車両が左旋回するときの摩擦エネルギーE
ws- とに分けて求められ、摩擦エネルギーEwsは、
摩擦エネルギーEws + と、摩擦エネルギーEws-
の和Ews+ +Ews- により求められる。
【0056】このように、請求項5に記載のタイヤ摩耗
寿命予測方法によれば、請求項1又は請求項2記載のタ
イヤ摩耗寿命予測方法における摩擦エネルギーEws
が、アッカーマン特性及びトー角に基づいて、タイヤを
車両に装着した場合の車両が右旋回するときの摩擦エネ
ルギーEws+ と、車両が左旋回するときの摩擦エネル
ギーEws- とに分けて求められ、かつ摩擦エネルギー
Ewsは、摩擦エネルギーEws+ と、摩擦エネルギー
Ews- との和Ews+ +Ews- により求められるの
で、アッカーマン特性及びトー角に基づくことなく摩擦
エネルギーEwsを求める場合に比較して、より実車走
行時の状況に近い摩擦エネルギーEwsを求めることが
できる。
【0057】上記のようなアッカーマン特性やトー角以
外にも、コンプライアンスステア等による影響も考慮す
ることが可能である。
【0058】また、請求項6記載のタイヤ摩耗寿命予測
方法は、請求項5記載のタイヤ摩耗寿命予測方法におい
て、前記摩擦エネルギーEws+ 、前記摩擦エネルギー
Ews- 、前記摩擦エネルギーEwd、及び前記摩擦エ
ネルギーEwbの各々を、車両が右旋回するときの左右
方向の入力Fy+ 、車両が左旋回するときの左右方向の
入力Fy- 、駆動力によって発生する前方向の力F
+ 、制動力によって発生する後方向の力Fx- 、未定
係数S1、S2、D、B及び指数ns1、ns2、n
d、nbを用いて、 Ews+ =S1×Fy+ ns1 、Ews- =S2×Fy-
ns2 、Ewd=D×Fx+ nd、Ewb=B×Fx- nb と表し、前記未定係数S1、S2、D、B及び前記指数
ns1、ns2、nd、nbを、左右方向の入力F
+ 、左右方向の入力Fy- 、前方向の力Fx+ 、及び
後方向の力Fx- を各々付与したときの摩擦エネルギー
Ews+ 、摩擦エネルギーEws- 、摩擦エネルギーE
wd、及び摩擦エネルギーEwb、の各々の測定値に基
づいて予め求めておいて、市場走行時の車両重心位置の
左右方向の加速度分布、及び車両重心位置の前後方向の
加速度分布のRMS値に基づいて前記左右方向の入力F
+ 、前記左右方向の入力Fy- 、前記前方向の力Fx
+ 、及び前記後方向の力Fx- を決定し、決定された前
記左右方向の入力Fy+ 、前記左右方向の入力Fy-
前記前方向の力Fx+ 、及び前記後方向の力Fx- と、
上記の式に基づいて、前記摩擦エネルギーEws+ 、前
記摩擦エネルギーEws-、前記摩擦エネルギーEw
d、及び前記摩擦エネルギーEwbを求める。
【0059】請求項6に記載のタイヤ摩耗寿命予測方法
によれば、請求項5記載のタイヤ摩耗寿命予測方法にお
ける摩擦エネルギーEws+ 、摩擦エネルギーEw
- 、摩擦エネルギーEwd、及び摩擦エネルギーEw
bの各々が、車両が右旋回するときの左右方向の入力F
+ 、車両が左旋回するときの左右方向の入力Fy-
駆動力によって発生する前方向の力Fx+ 、制動力によ
って発生する後方向の力Fx- 、未定係数S1、S2、
D、B及び指数ns1、ns2、nd、nbを用いて、 Ews+ =S1×Fy+ ns1 (16) Ews- =S2×Fy- ns2 (17) Ewd=D×Fx+ nd (18) Ewb=B×Fx- nb (19) と表わされ、未定係数S1、S2、D、B及び指数ns
1、ns2、nd、nbが、左右方向の入力Fy+ 、左
右方向の入力Fy- 、前方向の力Fx+ 、及び後方向の
力Fx- を各々付与したときの摩擦エネルギーEw
+ 、摩擦エネルギーEws- 、摩擦エネルギーEw
d、及び摩擦エネルギーEwb、の各々の測定値に基づ
いて予め求められる。なお、上記における左右方向、前
方向、及び後方向の各々は、タイヤを回転させたときの
タイヤの進行方向に対する方向である。
【0060】一方、市場走行時の車両重心位置の左右方
向の加速度分布、及び車両重心位置の前後方向の加速度
分布のRMS値に基づいて左右方向の入力Fy+ 、左右
方向の入力Fy- 、前方向の力Fx+ 、及び後方向の力
Fx- が決定される。なお、ここでRMS値は、各加速
度分布における所定範囲の各加速度の2乗の平均値の平
方根によって求められる値である。
【0061】さらに、以上により決定された左右方向の
入力Fy+ 、左右方向の入力Fy-、前方向の力F
+ 、及び後方向の力Fx- と、上記(16)式〜(1
9)式に基づいて、すなわち、これらの値を上記(1
6)式〜(19)式に代入することによって摩擦エネル
ギーEws+ 、摩擦エネルギーEws- 、摩擦エネルギ
ーEwd、及び摩擦エネルギーEwbが求められる。
【0062】このように、請求項6に記載のタイヤ摩耗
寿命予測方法によれば、請求項5記載のタイヤ摩耗寿命
予測方法における摩擦エネルギーEws+ 、摩擦エネル
ギーEws- 、摩擦エネルギーEwd、及び摩擦エネル
ギーEwbが、市場走行時の車両重心位置の左右方向の
加速度分布、及び車両重心位置の前後方向の加速度分布
の各々の分布のRMS値に基づいて求められることによ
り市場走行時の入力を反映したものとされるので、市場
走行時の入力を反映していない場合に比較して、より高
精度にタイヤの摩耗寿命の予測を行なうことができる。
【0063】また、請求項7記載のタイヤ摩耗寿命予測
方法は、請求項5記載のタイヤ摩耗寿命予測方法におい
て、前記摩擦エネルギーEws+ 、前記摩擦エネルギー
Ews- 、前記摩擦エネルギーEwd、及び前記摩擦エ
ネルギーEwbの各々を、車両が右旋回するときの左右
方向の入力Fy+ 、車両が左旋回するときの左右方向の
入力Fy- 、駆動力によって発生する前方向の力F
+ 、制動力によって発生する後方向の力Fx- 、未定
係数S1、S2、D、B及び指数ns1、ns2、n
d、nbを用いて、 Ews+ =S1×Fy+ ns1 、Ews- =S2×Fy-
ns2 、Ewd=D×Fx+ nd、Ewb=B×Fx- nb と表し、前記指数ns1、ns2、nd、nbを1.5
から3までの値として前記未定係数S1、S2、D、B
を、左右方向の入力Fy+ 、左右方向の入力Fy - 、前
方向の力Fx+ 、及び後方向の力Fx- を各々付与した
ときの摩擦エネルギーEws+ 、摩擦エネルギーEws
- 、摩擦エネルギーEwd、及び摩擦エネルギーEw
b、の各々の測定値に基づいて予め求めておいて、市場
走行時の車両重心位置の左右方向の加速度分布、及び車
両重心位置の前後方向の加速度分布のRMS値に基づい
て前記左右方向の入力Fy+ 、前記左右方向の入力Fy
- 、前記前方向の力Fx+ 、及び前記後方向の力Fx-
を決定し、決定された前記左右方向の入力Fy+ 、前記
左右方向の入力Fy- 、前記前方向の力Fx+ 、及び前
記後方向の力Fx- と、上記の式に基づいて、前記摩擦
エネルギーEws+ 、前記摩擦エネルギーEws- 、前
記摩擦エネルギーEwd、及び前記摩擦エネルギーEw
bを求める。
【0064】請求項7に記載のタイヤ摩耗寿命予測方法
によれば、請求項6記載のタイヤ摩耗寿命予測方法にお
いて測定値に基づいて求めている指数ns1、ns2、
nd、nbを1.5から3までの値、より好ましくは2
から3までの値として、未定係数S1、S2、D、B
が、左右方向の入力Fy+ 、左右方向の入力Fy- 、前
方向の力Fx+ 、及び後方向の力Fx- を各々付与した
ときの摩擦エネルギーEws+ 、摩擦エネルギーEws
- 、摩擦エネルギーEwd、及び摩擦エネルギーEw
b、の各々の測定値に基づいて予め求められる。
【0065】したがって、請求項7に記載のタイヤ摩耗
寿命予測方法によれば、請求項6記載のタイヤ摩耗寿命
予測方法と同様の効果を奏すると共に、指数ns1、n
s2、nd、nbを1.5〜3の固定値としたので、指
数ns1、ns2、nd、nbを固定値としない場合に
比較して、未定係数S1、S2、D、Bを容易に求める
ことができる。
【0066】ところで、タイヤの耐摩耗性能は、タイヤ
トレッド部の残溝の深さの平均値、タイヤの重量の減少
量等のタイヤ全体の平均的な値に基づいて評価すること
が多いが、実際にタイヤを車両に装着して使用する場合
には、タイヤの摩耗がトレッド幅方向に不均一となるた
め、最も摩耗が激しい部分がタイヤ棄却限界に達した場
合に、他の部分がタイヤ棄却限界に達していない場合で
あっても、棄却限界とされることが多い。このことか
ら、タイヤ全体の平均的な値のみに基づいて耐摩耗性能
を予測するのではなく、トレッド幅方向の摩耗量の分布
状況を予測することが好ましい。
【0067】そこで、請求項8記載のタイヤ摩耗寿命予
測方法は、請求項1乃至請求項7の何れか1項記載のタ
イヤ摩耗寿命予測方法において、タイヤの複数箇所にお
いて前記タイヤの摩耗寿命を予測する。
【0068】このように、請求項8に記載のタイヤ摩耗
寿命予測方法によれば、タイヤの複数箇所の摩耗寿命が
予測されるので、上記複数箇所をタイヤトレッド部のト
レッド幅方向の複数箇所とすることにより、トレッド幅
方向の摩耗寿命の分布(偏摩耗)を予測することができ
る。
【0069】なお、請求項9記載のタイヤ摩耗寿命予測
方法のように、請求項1乃至請求項8の何れか1項記載
のタイヤ摩耗寿命予測方法において、前記摩擦エネルギ
ーEwは、タイヤの転がり半径で基準化した単位面積当
たりの単位距離走行時の摩擦エネルギーであることが好
ましい。この場合、タイヤサイズの異なる複数のタイヤ
における摩耗寿命の予測結果を相互に比較することがで
きるようになる。
【0070】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係る実施の形態を詳細に説明する。
【0071】〔第1実施形態〕図5のフローチャートを
参照して、本第1実施形態のタイヤ摩耗寿命予測方法を
説明する。
【0072】まず、ステップ100では、摩耗寿命の予
測を行なうタイヤ(例えば、タイヤサイズ225/55
R16のタイヤ)のタイヤトレッド部のゴムと同材質の
ゴム試料としてのゴム試験片の標準気温(例えば、25
°C)でかつ市場走行時と略同等のシベリティ(スリッ
プ率が0.5%〜5%程度の範囲の値)におけるゴムイ
ンデックスGiを求める。
【0073】この際のゴムインデックスGiの測定は、
例えば図6に要部を示した摩耗試験装置を用いて行なう
ことができる。なお、本摩耗試験装置は、ランボーン摩
耗試験装置を利用した構成であり、一端に走行路面をモ
デル化した回転体である回転砥石1が取り付けられた砥
石駆動軸2を備えている。砥石駆動軸2の他端には図示
しないサーボモータ等の回転駆動手段が連結されてい
る。回転駆動手段により、砥石駆動軸2を介して、砥石
1は、角速度ωd (rad/min)で回転される。
【0074】また、砥石駆動軸2と平行にゴム試験片駆
動軸3が延在されて配設され、ゴム試験片駆動軸3の一
方の端部には、円板状のゴム試験片4を保持するホルダ
ー5が設けられ、他端には、上記回転駆動手段とは別個
の、図示しないサーボモータ等の回転駆動手段が連結さ
れると共に、その中間部に、偏角許容型カップリング
(自在継手)90、クラッチ6、及びトルクメータ83
等が設けられている。
【0075】ここで、ホルダー5は、ゴム試験片駆動軸
3側に設けた受けパッド5aと、ゴム試験片駆動軸3の
直下位置に配置したシリンダによって、受けパッド5a
に対して進退変位されるクランプパッド5bからなる。
これらの両パッド5a、5bは、それらの間に配置した
ゴム試験片4をそれの厚み方向から所定の力で挟持し
て、そのゴム試験片4の周面を、砥石1の周面に対向さ
せて位置させる。従って、ゴム試験片駆動軸3の回転作
動に基づき、ゴム試験片4が、両パッド5a、5bとと
もに、その駆動軸3と等速で回転する。
【0076】また、クラッチ6は、接続されることによ
り、回転駆動手段による回転力をゴム試験片駆動軸3に
伝達する。なお、クラッチ6が解除されると、回転駆動
手段による回転力がゴム試験片駆動軸3に伝達されず、
ゴム試験片4が自由回転する。
【0077】ゴム試験片駆動軸3は、可動ベース7上に
取付けられている。そして、この可動ベース7は、固定
ベース8上にゴム試験片駆動軸3の軸線と直交する方向
に敷設されたガイドレール9に進退変位可能に取り付け
られている。よって、ゴム試験片駆動軸3は、砥石駆動
軸2との平行状態を維持したまま、それに接近し、また
離隔変位することができる。
【0078】可動ベース7は、図示しない荷重負荷装置
により移動され、これにより、砥石1とゴム試験片4と
が圧着する。砥石1とゴム試験片4とが圧着すると、ゴ
ム試験片4に前後力が発生する。この前後力は、分力計
89(図12参照)により検出することができる。
【0079】ここで、前後力とは、砥石1とゴム試験片
4とが接する面の接線方向の力をいい、図6においては
紙面と垂直な方向の力である。
【0080】さらに、可動ベース7の、固定ベース8に
対する相対変位量を検出するため、遮光板80とセンサ
ヘッド81とからなるレーザ変位計(変位センサ)82
が設けられている。遮光板80は可動ベース7に、セン
サヘッド81は固定ベース8にそれぞれ取り付けられて
いる。
【0081】変位センサ82は、可動ベース7に取付け
た遮光板80の、センサヘッド81への進入量に応じ
て、センサヘッド81の発光部81aから照射されたレ
ーザの、受光部81bへの入射光量が変動することに基
づいて、固定ベース8に対する可動ベース7の、基準位
置からの変位量を検出する。
【0082】なお、可動ベース7の基準位置とは、ゴム
試験片4の中心軸線と砥石1周面(ゴム試験片4側)と
の間隔が、ゴム試験片4の理論上の半径と等しくなるよ
うに可動ベース7を位置させたときの、当該可動ベース
7の固定ベース8に対する位置である。
【0083】ところで、図12(a)、図12(b)に
示すように、本実施の形態では、可動ベース7上に、偏
角許容型カップリング90を隔てて位置する一対のブラ
ケット85を上方に向けて突設し、そのブラケット85
の上端部分に揺動アーム86の一端部をゴム試験片駆動
軸3の、偏角許容型カップリング90より遊端側部分、
即ち、ゴム試験片駆動軸3に掛合させ、これにより、揺
動アーム86の、ゴム試験片駆動軸3に正確に追従した
上下方向の揺動変位を可能ならしめている。
【0084】ここで、揺動アーム86のゴム試験片駆動
軸3への掛合は、それら両者間の水平方向の相対変位を
許容するボールスライドユニット87を介して行うこと
が好ましく、また好ましくは、揺動アーム86の中間部
をも同様のスライドユニット87を介してゴム試験片駆
動軸3に掛合させ、これによって、可動ベース7の移動
によるゴム試験片4の砥石1への押圧力の分力計89へ
の拘束を除去して単にゴム試験片4の前後力のみを正し
く検出可能ならしめた。
【0085】またここでは、ブラケット85の上端に、
高い剛性を有する固定アーム88を、ゴム試験片駆動軸
3遊端側に向けて水平に取付け、この固定アーム88
と、揺動アーム86との間に、駆動軸と交差する方向、
図では、上下方向の力を検出する分力計89を配設す
る。
【0086】かかる構成によれば、先に述べたようにゴ
ム試験片4に発生した前後力は、ゴム試験片駆動軸3、
揺動アーム86を介して分力計89に円滑に伝達される
ことになるので、前後力を高い精度にて検出することが
できる。
【0087】またここでは、分力計89として一般的な
ロードセルを用いることができるので、すぐれた耐久性
の下で、故障のおそれ、保守管理等の必要性なしに、高
い測定精度を長期間にわたって維持することができ、駆
動軸等の構成部材の耐久性の低下のおそれがない。更
に、駆動軸の括れ部が不要となる為駆動軸の剛性が高ま
り、試料がバウンドすると言う問題の発生もない。
【0088】図13は、他の実施形態を示す要部斜視図
であり、図13(a)に示すところは、分力計89を、
ゴム試験片駆動軸3に掛合させた揺動アーム86の先端
部分と、固定アーム88の先端部分で、その本体部分8
8aから上方へ突出する門形突部88bとの間に配設し
たものであり、これによれば、図6、図12(a)、図
12(b)に示すものに比して、門形突部部分に配設し
た分力計が偏角許容型カップリングに掛合した揺動アー
ムに前後力方向と垂直な方向に大きい荷重押圧力がかか
っても、分力計は門形突部88bに保護され、何ら影響
を受けることがない。
【0089】また、図13(b)に示す装置は、とく
に、図13(a)に示す門形突部88bの、頂壁相当部
分88cの両端に水平軸88dを突設し、それぞれの水
平軸88dを側壁相当部分88eにて軸受支持したもの
である。これによれば、頂壁相当部分88cが、水平軸
88dの軸線方向、いいかえれば、ゴム試験片駆動軸3
の軸線と直交する方向に水平変位することを抑制して前
後力方向と垂直な方向の荷重負荷による水平変位を除去
すると共に、前後力方向の試料の摩擦力を敏感に検出す
る為に分力計を配設した頂壁相当部分88cの、側壁相
当部分88eとの連結部にベアリング軸受けを配したこ
とで、その側壁相当部分88eの、水平軸88dの軸線
の周りでの回動変位が容易となり更に固定アーム88の
下側にボールスライドユニットを設けたことで分力計で
試料の摩擦力を正確に検出することができる。
【0090】次に、この摩耗試験装置を用いたゴムイン
デックスGiの測定方法について詳細に説明する。
【0091】まず、ゴム試験片4の質量m1を計測す
る。また、ホルダー5にそのゴム試験片4を保持すると
ともに、ゴム試験片駆動軸3のクラッチ6が解除された
状態で、ゴム試験片駆動軸3(直接的には可動ベース
7)を、上記荷重負荷装置により、砥石駆動軸2側へ進
出変位させる。これにより、ゴム試験片4の周面を、砥
石1の周面に所定圧着力で圧着させることができる。回
転駆動手段により、砥石1を角速度ωd で回転させる
と、クラッチ6の解除によりゴム試験片4が自由回転可
能であるので、ゴム試験片4は、砥石1に対する摩擦力
によってスリップ率0で回転(連れ回り)する。なお、
このとき上記前後力Fo を分力計89により検出する。
【0092】そして、このような連れ回り回転中におけ
るゴム試験片4の回転軸線と、砥石周面との間隔を、変
位センサ82により検出された、基準位置に対する可動
ベース7の変位量から求め、求めた間隔をゴム試験片4
の有効動荷重半径Rrとする。即ち、有効動荷重半径R
rは、ゴム試験片4の試験時における砥石1への圧着部
の実際の半径である。
【0093】なお、ゴム試験片回転軸線と砥石周面との
間隔が、ゴム試験片4の成形誤差その他に起因して、そ
のゴム試験片4と砥石1との周方向接触位置によって若
干変化することも考えられるが、その変化の影響は、ゴ
ム試験片4の回転中に前記間隔を複数回にわたって測定
して、それらの測定値を平均化することで、十分に低減
させることができる。
【0094】なお、有効動荷重半径に代えて、有効転が
り半径を適用することも可能である。
【0095】次に、上述のようにして求めたゴム試験片
4の有効動荷重半径Rrから、0.5%〜5%(好まし
くは、1%〜3%)の範囲内のスリップ率S(例えば、
2%=S0 )を(20)式に基づいて、設定する。
【0096】
【数1】 但し、ωs はゴム試験片の角速度(rad/min)、
d は回転砥石1の半径である。
【0097】スリップ率の設定は、本摩耗試験に当っ
て、ゴム試験片駆動軸3のクラッチ6を接続状態とする
と共に、回転駆動手段により、砥石1の周速(ωd ×R
d )と、ゴム試験片4の周速(ωs ×Rr )との間に、
(20)式を満たす周速差をもたらすことによって実現
することができる。即ち、ゴム試験片4を(21)式か
ら得られる角速度ωs で回転させることにより、スリッ
プ率S=S0 を設定することができる。
【0098】
【数2】 ここで、0.5%〜5%の範囲内のスリップ率Sとした
のは、0.5%〜5%の範囲内のスリップ率Sを設定し
て試験すれば、市場走行時と略同等のシベリティにおけ
る摩擦エネルギーをゴム試験片4で実現することができ
るからである。即ち、スリップ率が5%を超えると摩耗
形態が弾性摩耗を示しはじめるので実車の摩耗形態と離
れ、望ましくない。一方、スリップ率が0.5%を割る
と著しく時間がかかるばかりか摩耗量が少なくなり、精
度が不十分となる。なお、誤差が発生する場合を考慮
し、スリップ率は好ましくは1%から3%の範囲、より
好ましくは2%で行うことが望ましい。
【0099】このように、ゴム試験片4の試験時におけ
る実際の有効動荷重半径Rrを求め、求めた有効動荷重
半径Rrからスリップ率を設定するので、スリップ率
を、その大小にかかわらず、高い精度で設定することが
できる。よって、本摩耗試験の試験精度を効果的に向上
させることができる。
【0100】そして、ゴム試験片4と砥石1とを、スリ
ップ率S0 で、所定時間回転させる。また、スリップ率
0 で回転させているときの上記前後力F1 を分力計8
9により検出する。更に、ホルダー5による保持を解い
て、ゴム試験片4の質量m2を計測する。
【0101】そして、スリップ率0のとき(フリーロー
リング時、すなわち自由回転時)の上記前後力F0 、ス
リップ率S0 のときの上記前後力F1 、及びスリップ率
0を用い、(22)式によって単位面積当りの単位距
離走行時の摩擦エネルギーew(kgf/cm2 )を求
める。
【0102】 ew=(F1 −FO )・S0 /(2πRr ・D) (22) また、摩耗深さW(mm/1000km)を、測定され
た摩耗量WO (=m1−m2)(g)を用いて、(2
3)式から求める。但し、ρ(g/cm3 )はサンプル
の密度、t(min)はテスト時間、D(cm)はサン
プルの幅、Vd (cm/min)は上記砥石1の周速で
ある。
【0103】
【数3】 更に、(22)、(23)式により求められた単位面積
当りの単位距離走行時の摩擦エネルギーewと摩耗深さ
Wとにより、ゴムインデックスGiが上記(8)式で求
められる。
【0104】以上によりゴムインデックスGiが求めら
れると、図5におけるステップ102では、摩耗寿命の
予測を行なうタイヤにおける、フリーローリング時のタ
イヤの摩擦エネルギーEwf、トー角が付与されている
状態でのタイヤの摩擦エネルギーEwa、横力が付与さ
れている状態でのタイヤの摩擦エネルギーEws、駆動
力が付与されている状態でのタイヤの摩擦エネルギーE
wd、及び制動力が付与されている状態でのタイヤの摩
擦エネルギーEwbを測定する。ここで各摩擦エネルギ
ーEwf、Ewa、Ews、Ewd、及びEwbは、タ
イヤの転がり半径で基準化した単位面積当たりの単位距
離走行時の摩擦エネルギーであり、各々の単位は(kg
f/cm2 )である。
【0105】この際の各摩擦エネルギーの測定は、例え
ば図7に示す特開平7−63658号公報に記載のタイ
ヤ踏面の接地部測定装置10を用いて行なうことができ
る。
【0106】すなわち、接地部測定装置10を用いて、
フリーローリング時、トー角が付与されている状態、横
力が付与されている状態、駆動力が付与されている状
態、及び制動力が付与されている状態、の各々の場合の
滑り量S(cm)を測定すると共に、路面22に設けら
れている3成分力変換器32を用いて剪断力τ(kgf
/cm2 )を測定する。特開平7−63658号公報に
も記載されているように、タイヤ踏面の摩擦仕事量Eは
次の(24)式で表される。
【0107】 E=∫τds (24) 従って、接地部測定装置10により測定された滑り量S
と剪断力τとを用いて(24)式によりタイヤ踏面の摩
擦仕事量を算出し、これを各摩擦エネルギーとして用い
る。
【0108】なお、摩擦エネルギーEwaを測定する際
のトー角を付与する方法としては、タイヤ30をタイヤ
支持台54の上部に装着する際に、装着されたタイヤ3
0の進行方向に対する角度が所望のトー角となるように
装着することにより行なう。また、この場合必要に応じ
てキャンバー角を付与してもよい。また、上記横力を付
与するには、路面22の移動と同時にタイヤ支持台54
を路面の移動方向に対して左方向、及び右方向に移動さ
せる、または路面22の移動方向とホイール面に角度を
つけることにより行なう。さらに、この際の摩擦エネル
ギーEws、Ewd、及びEwbの各々を測定する際に
は、タイヤ使用時の動的な変化を考慮したキャンバー
角、トー角、及び荷重をタイヤに対して付与する。この
場合の、上記キャンバー角、トー角、及び荷重は、上記
のように5自由度以上の車両モデルを用いたコンピュー
タシミュレーションによって求める。これによって求め
られた上記キャンバー角、トー角、及び荷重をタイヤに
対して付与する方法としては、測定装置として図7の接
地部測定装置10を使用した場合には、タイヤ30を接
地部測定装置10におけるタイヤ支持台54の上部に装
着する際に、装着されたタイヤ30の垂直方向に対する
角度が求められたキャンバー角となり、かつ装着された
タイヤ30の進行方向に対する角度が求められたトー角
となるように装着すると共に、タイヤ30の路面22に
対する押圧力が、求められた荷重に相当する押圧力とな
るようにタイヤ30を路面22に設けられた3成分力変
換器32に接触させて計測、調整を行うことにより行な
う。
【0109】次に、接地部測定装置10を用いた、タイ
ヤ踏面の接地部の滑り量S、及び剪断力τの測定方法を
詳細に説明する。
【0110】接地部の任意の位置(例えば、ブロック)
の滑り量Sを測定する場合、タイヤトレッドの任意の位
置にマーキングを施す。タイヤ30を回転させてマーキ
ングの施されたブロックを真上に位置させ、マーキング
がテレビカメラ60の真下に位置するようにタイヤ支持
台54の位置を調整する。次に、透明板24の中央部分
がマーキングの施されたブロックの真上に位置するよう
に路面22を移動させる。次に、サブフレーム36を上
昇させて、タイヤのタイヤトレッドを路面22の透明板
24に押圧させる。ここで、タイヤ30の押圧力を決め
るには、路面22を移動させて、タイヤ30を3成分力
変換器32に接触させて計測、調整を行う。
【0111】次に、路面22を水平フレーム18の長手
方向一方側に移動させ、他方側へ向かって路面22を所
定の速度、例えばタイヤ周速度に合わせて移動させる。
【0112】これによって、タイヤトレッドのマーキン
グを施した任意の位置が透明板24に接地してから離間
するまでを経時的にテレビカメラ60は撮影領域の中央
で捕らえることができる。
【0113】接地部測定装置10では、テレビカメラ6
0を路面22に固定したので、路面22の透明板24に
接地した任意の位置が滑りを起こしていない場合には、
テレビモニターの画面中央にマーキングが静止した状態
で写し出される。
【0114】一方、透明板24に接地した任意の位置が
滑りを起こした場合には、透明板24と任意の位置との
相対的な位置がずれたことになるため、テレビモニター
に写し出されたマーキングが画面中央から移動するの
で、この移動量を滑り量Sとして計測する。
【0115】したがって、接地部測定装置10では、タ
イヤトレッドの任意の位置が路面22の透明板24に接
触し初めてから離間するまでの状態を容易に追跡するこ
とができる。
【0116】また、接地部測定装置10では、接地面全
体を撮影する必要が無く、測定すべき微小領域(例え
ば、1つのブロック)をほぼテレビカメラ60の画角い
っぱいに入れて滑り量Sを高精度で計測することができ
る。
【0117】また、接地面に働く剪断力τは、路面22
に設けられた3成分力変換器32により測定する。
【0118】以上により各摩擦エネルギーが測定される
と、図5のステップ104では、ステップ100におい
て測定されたゴムインデックスGiと、ステップ102
において測定された各摩擦エネルギーと、タイヤの溝深
さNSDと、を(9)式に代入することにより、タイヤ
の摩耗寿命期待値Tlを算出する。なお、本第1実施形
態におけるタイヤの溝深さNSDは、タイヤトレッド部
の複数箇所の溝深さを計測し、これらの平均値として予
め求めておく。また、(9)式における摩擦エネルギー
Ewは、(6)式により算出する。
【0119】次のステップ106では、ステップ104
において算出された摩耗寿命期待値Tlに基づいてタイ
ヤの摩耗寿命を予測する。この場合のタイヤの摩耗寿命
の予測には、例えば他のタイヤの摩耗寿命期待値Tlと
比較することによって、該他のタイヤより摩耗寿命が長
い、または短いといったことを予測する、或いは、ある
タイヤの図4に示したグラフを予め用意しておき、該グ
ラフと、算出された摩耗寿命期待値Tlと、に基づいて
摩耗寿命値を求める等の方法が挙げられる。
【0120】以上詳細に説明したように、本第1実施形
態に係るタイヤ摩耗寿命予測方法は、横力が付与されて
いる状態でのタイヤの摩擦エネルギーEws、駆動力が
付与されている状態でのタイヤの摩擦エネルギーEw
d、制動力が付与されている状態でのタイヤの摩擦エネ
ルギーEwbに加えて、フリーローリング時のタイヤの
摩擦エネルギーEwf、トー角が付与されている状態で
のタイヤの摩擦エネルギーEwaを、タイヤの摩耗寿命
を予測するための要素として用いているので、駆動方
向、制動方向、及び左右方向の剛性のみを考慮したシャ
ーラマッハの摩耗量式を用いて摩耗寿命を予測する場合
に比較して、より高精度なタイヤの摩耗寿命予測を行な
うことができると共に、市場走行時と略同等のシベリテ
ィ(スリップ率)におけるゴムインデックスGiを測定
して摩耗寿命の予測に用いているので、JIS K 6
264により規格化されている通常のランボーン摩耗試
験により求めた摩耗抵抗指数を用いる場合に比較して、
より高精度なタイヤの摩耗寿命予測を行なうことができ
る。
【0121】また、本第1実施形態に係るタイヤ摩耗寿
命予測方法は、摩擦エネルギーEws、Ewd、及びE
wbを測定する際に、タイヤに対してタイヤ使用時の動
的な変化を考慮したキャンバー角、トー角、及び荷重を
付与したので、このようなキャンバー角、トー角、及び
荷重を付与しない場合に比較して、より高精度なタイヤ
の摩耗寿命の予測を行なうことができる。
【0122】さらに、本第1実施形態に係るタイヤ摩耗
寿命予測方法は、図6に要部を示した摩耗試験装置によ
るゴムインデックスGiの測定、及び図7に示した接地
部測定装置による各摩擦エネルギーの測定のみによりタ
イヤの摩耗寿命を予測できるので、実車による走行試験
を行なう必要がなく、短時間で予測を行なうことができ
る。
【0123】なお、本第1実施形態では、各摩擦エネル
ギーを測定するのに、特開平7−63658号公報に記
載のタイヤ踏面の接地部測定装置10(図7参照)を用
いる場合について説明したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、例えば1982年秋季自動車技術会講
演会前刷り集の「タイヤ摩耗の室内評価についての一つ
の試み」(横浜ゴム株式会社)において摩擦エネルギー
を測定する際に用いている米国Precision Measurement
Co. 製の接地圧・変位測定装置であるTire Pressure an
d Slip Plateを用いてもよい。
【0124】また、本第1実施形態では、タイヤの溝深
さNSDをタイヤトレッド部の複数の溝深さの平均値と
する場合について説明したが、本発明はこれに限定され
るものではなく、例えばタイヤトレッド部の複数の溝深
さの最小値とする形態としてもよい。
【0125】また、本第1実施形態では、ゴムインデッ
クスGiと、摩擦エネルギーEwの逆数1/Ewとの積
Gi/Ewにタイヤ棄却限界に至るまでの残溝の深さを
乗算した値に基づいて摩耗寿命を予測する場合について
説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
例えば摩耗寿命期待値Tlの概略値を求める場合には、
積Gi/Ewのみを用いるようにしてもよい。
【0126】さらに、本第1実施形態では、各摩擦エネ
ルギーを転がり半径で基準化したものとする場合につい
て説明したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、転がり半径による基準化を行なわないものとしても
よい。この場合の各摩擦エネルギーの単位は(kgf/
cm)となる。
【0127】〔第2実施形態〕次に本発明の第2実施形
態について説明する。本第2実施形態は、横力が付与さ
れている状態でのタイヤの摩擦エネルギーEwsを、タ
イヤを車両に装着した場合の車両が右旋回するときの横
力が付与されている状態での摩擦エネルギーEws
+ と、車両が左旋回するときの横力が付与されている状
態での摩擦エネルギーEws- とに分け、摩擦エネルギ
ーEwsを摩擦エネルギーEws+ と摩擦エネルギーE
ws- との和、すなわちEws+ +Ews- により求め
るものとすると共に、摩擦エネルギーEws+ 、Ews
- 、Ewd、及びEwbを、市場走行時の入力を反映し
たものとするものである。さらに、本第2実施形態で
は、タイヤトレッド部のトレッド幅方向の複数箇所の予
測点を定めておき、各予測点における摩耗寿命期待値T
lまたは必要に応じて摩耗量期待値を算出することによ
り、タイヤのトレッド幅方向の各点の偏摩耗状態の予測
を行なう。なお上記摩耗量期待値は、摩擦エネルギーE
wをゴムインデックスGiで割ったものであり、この値
が大きいほど摩耗量が大きい。
【0128】次に、図8及び図9のフローチャートを参
照して、本第2実施形態に係るタイヤ摩耗寿命(必要に
応じて摩耗量)予測方法を説明する。なお、本第2実施
形態では、上記(16)式〜(19)式における指数n
s1、ns2、nd、nbを各々2に固定した場合につ
いて説明する。
【0129】まず、ステップ200では、上記第1実施
形態における図5のステップ100と同様の方法で、摩
耗寿命または摩耗量の予測を行なうタイヤ(例えば、タ
イヤサイズ225/55R16のタイヤ)のタイヤトレ
ッド部のゴムと同材質のゴム試料としてのゴム試験片の
標準気温(例えば、25°C)でかつ市場走行時と略同
等のシベリティにおけるゴムインデックスGiを求め
る。
【0130】次のステップ202では、図7に示した接
地部測定装置10を用いて、第1実施形態における図5
のステップ102と同様の方法で、上記予測点のうちの
1点について摩擦エネルギーEwf、及びEwaを測定
する。
【0131】次のステップ204では、図9のフローチ
ャートで示した摩擦エネルギー導出手順により、上記ス
テップ202において測定対象とした上記予測点のうち
の1点における摩擦エネルギーEws+ 、Ews- 、E
wd、及びEwbを導出する。以下に、図9を参照し
て、摩擦エネルギーEws+ 、Ews- 、Ewd、及び
Ewbの導出手順を詳細に説明する。
【0132】まず、ステップ250では、摩擦エネルギ
ーEws+ 、Ews- 、Ewd、及びEwbを、車両右
旋回時の左右方向の入力Fy+ 、車両左旋回時の左右方
向の入力Fy- 、駆動力によって発生する前方向の力F
+ 、及び制動力によって発生する後方向の力Fx-
未定係数S1、S2、D、B及び指数ns1、ns2、
nd、nbを用いて、上記(16)式〜(19)式で表
した場合の未定係数S1、S2、D、Bを求める。ここ
で、車両右旋回時の左右方向の入力Fy+ 、車両左旋回
時の左右方向の入力Fy- 、駆動力によって発生する前
方向の力Fx+、及び制動力によって発生する後方向の
力Fx- の単位は(kgf)である。
【0133】なお、未定係数S1、S2、D、Bは、例
えば次の方法により求める。すなわち、未定係数S1
は、まず摩耗寿命または摩耗量を予測したいタイヤに対
して複数通り(好ましくは3通り以上)の車両右旋回時
の左右方向の入力Fy+ を付与した場合の摩擦エネルギ
ーEws+ を各々測定し、測定された摩擦エネルギーE
ws+ と、そのときのタイヤに付与した車両右旋回時の
左右方向の入力Fy+ の2乗とから(16)式から逆算
して、すなわちEws+ /Fy+ 2 を計算して複数の未
定係数S1を求め、これらの平均値として求める。同様
に未定係数S2は、まず摩耗寿命または摩耗量を予測し
たいタイヤに対して複数通り(好ましくは3通り以上)
の車両左旋回時の左右方向の入力Fy- を付与した場合
の摩擦エネルギーEws- を各々測定し、測定された摩
擦エネルギーEws- と、そのときのタイヤに付与した
車両左旋回時の左右方向の入力Fy- の2乗とから(1
7)式から逆算して、すなわちEws- /Fy- 2 を計
算して複数の未定係数S2を求め、これらの平均値とし
て求める。
【0134】また、未定係数Dは、まず摩耗寿命または
摩耗量を予測したいタイヤに対して複数通り(好ましく
は3通り以上)の前方向の力Fx+ を付与した場合の摩
擦エネルギーEwdを各々測定し、測定された摩擦エネ
ルギーEwdと、そのときのタイヤに付与した前方向の
力Fx+ の2乗とから(18)式から逆算して、すなわ
ちEwd/Fx+ 2 を計算して複数の未定係数Dを求
め、これらの平均値として求める。さらに、未定係数B
は、まず摩耗寿命または摩耗量を予測したいタイヤに対
して複数通り(好ましくは3通り以上)の後方向の力F
- を付与した場合の摩擦エネルギーEwbを各々測定
し、測定された摩擦エネルギーEwbと、そのときのタ
イヤに付与した後方向の力Fx- の2乗とから(19)
式から逆算して、すなわちEwb/Fx- 2 を計算して
複数の未定係数Bを求め、これらの平均値として求め
る。
【0135】なお、この際の摩擦エネルギーEws+
Ews- 、Ewd、及びEwbの測定は、例えば図7に
示した接地部測定装置10を用いて行なわれる。
【0136】また、本第2実施形態では、実車での使用
条件をできるだけ再現するために、摩擦エネルギーEw
+ 、Ews- 、Ewd、及びEwbを測定する際に
は、上記第1実施形態と同様に、タイヤ使用時の動的な
変化を考慮したキャンバー角、トー角、及び荷重をタイ
ヤに対して付与した場合の各摩擦エネルギーを測定す
る。
【0137】次のステップ252では、摩耗寿命または
摩耗量の予測を行ないたい市場を代表するような道路
(例えば日本国内の一般的な道路等)を特定して、特定
された道路に対して車両を所定距離だけ走行させたとき
の車両重心位置の左右方向の加速度(G)、及び車両重
心位置の前後方向の加速度(G)を所定時間毎に測定す
ることにより、市場走行時の車両重心位置の左右方向の
加速度分布、及び車両重心位置の前後方向の加速度分布
を求める。なお、各加速度は、例えば車両の重心位置に
Gセンサを設置しておき、該Gセンサにより測定するこ
とができる。図10(A)は車両重心位置の前後方向の
加速度分布の一例を、図10(B)は車両重心位置の左
右方向の加速度分布の一例を各々示す。
【0138】次のステップ254では、左右方向の加速
度分布のRMS値As、前方向の加速度分布のRMS値
Ax+ 、及び後方向の加速度分布のRMS値Ax- を算
出する。なお、ここでRMS値は、各加速度分布におけ
る所定範囲の加速度の2乗の平均値の平方根で求められ
る値である。また、前方向の加速度分布のRMS値Ax
+ を求める際には、車両重心位置の前後方向の加速度分
布における0より大きい加速度のRMS値を、後方向の
加速度分布のRMS値Ax- を求める際には、車両重心
位置の前後方向の加速度分布における0より小さい加速
度のRMS値を、各々求める。
【0139】次のステップ256では、以上により求め
られたRMS値As、Ax+ 、及びAx- と、横力が付
与されている状態でのタイヤ荷重w1 、駆動力が付与さ
れている状態でのタイヤ荷重w2 、及び制動力が付与さ
れている状態でのタイヤ荷重w3 とにより、次の(2
5)式〜(27)式によって左右方向の入力Fy、前方
向の力Fx+ 、及び後方向の力Fx- を求める。なお、
タイヤ荷重の単位は(kg)である。
【0140】 Fy =w1 ×As (25) Fx+ =w2 ×Ax+ (26) Fx- =w3 ×Ax- (27) 但し、前方向の力Fx+ に関しては、駆動輪が2輪のみ
の車両では、車両全体を加速させるための力を、駆動輪
の2輪のみで発生しなければならないため、駆動輪2輪
の発生力の和が重心の慣性力となるようにする。
【0141】また、RMS値を発生させるような状況で
の車両をシミュレート計算し、上記Fx+ 、Fx- 、F
y(Fy+ 、Fy- )を求めてもよい。
【0142】その後、以上により求められた左右方向の
入力Fyに基づいて(13)式及び(14)式により、
トー角及びアッカーマン特性を考慮した車両右旋回時の
左右方向の入力Fy+ 、及び車両左旋回時の左右方向の
入力Fy- を求める。
【0143】次のステップ258では、以上により求め
られた未定係数S1と左右方向の入力Fy+ とを(1
6)式に代入することにより摩擦エネルギーEws
+ を、未定係数S2と左右方向の入力Fy- とを(1
7)式に代入することにより摩擦エネルギーEws
- を、未定係数Dと前方向の力Fx+ とを(18)式に
代入することにより摩擦エネルギーEwdを、未定係数
Bと後方向の力Fx- とを(19)式に代入することに
より摩擦エネルギーEwbを、各々求める。
【0144】なお、予め上記ステップ256における上
記Fy+ 、Fy- 、Fx+ 、Fx-が判明している場合
には、上記ステップ250を実施せずに、上記ステップ
258にて、前記Fy+ 、Fy- 、Fx+ 、Fx- の条
件にて前記接地部測定装置10を用いて直接摩擦エネル
ギーEws+ 、Ews- 、Ewd、Ewbを測定して求
めることも可能である。
【0145】以上により摩擦エネルギーEws+ 、Ew
- 、Ewd、及びEwbが導出されると、図8におけ
るステップ205では、摩耗寿命の予測を行なうのか否
かを判定し、摩耗寿命の予測を行なう場合にはステップ
206へ移行して、当該予測点の近傍における溝深さN
SDを測定し、次のステップ208では、上記ステップ
200において測定されたゴムインデックスGiと、上
記ステップ202において測定された摩擦エネルギーE
wf、及びEwaと、上記ステップ204において導出
された摩擦エネルギーEws+ 、Ews- 、Ewd、及
びEwbと、上記ステップ206において測定された溝
深さNSDと、を(9)式に代入することにより、当該
予測点における摩耗寿命期待値Tlを算出する。なお、
摩擦エネルギーEwを算出する際に用いる摩擦エネルギ
ーEwsは、摩擦エネルギーEws+ と摩擦エネルギー
Ews- との和、すなわちEws+ +Ews- を算出す
ることにより求める。
【0146】摩耗寿命期待値Tlが算出されると、次の
ステップ210では、予め定めた複数箇所の予測点の全
てにおいて、摩耗寿命期待値Tlの算出が終了したか否
かを判定し、終了していない場合は終了するまで、上記
ステップ202〜ステップ208による各予測点におけ
る摩耗寿命期待値Tlの算出を行なったのち、本手順を
終了する。なお、この後、各予測点での摩耗寿命期待値
Tlを用いて各予測点での摩耗寿命を予測してもよい
し、前記各予測点での摩耗寿命期待値Tlの平均値を用
いてタイヤ全体の平均的な摩耗寿命を予測してもよい。
【0147】一方、上記ステップ205で、摩耗寿命の
予測を行なわないと判定された場合は、摩耗量の予測を
行なうものと見做してステップ212へ移行し、当該予
測点における摩耗量期待値を、上記ステップ200にお
いて測定されたゴムインデックスGiと、上記ステップ
202において測定された摩擦エネルギーEwf、及び
Ewaと、上記ステップ204において導出された摩擦
エネルギーEws+ 、Ews- 、Ewd、及びEwb
と、に基づいて算出する。
【0148】摩耗量期待値が算出されると、次のステッ
プ214では、予め定めた複数箇所の予測点の全てにお
いて、摩耗量期待値の算出が終了したか否かを判定し、
終了していない場合は終了するまで、上記ステップ20
2〜ステップ214による各予測点における摩耗量期待
値の算出を行なったのち、本手順を終了する。
【0149】図11は、以上の方法により求めた、3種
類のタイヤのトレッド幅方向左端のショルダ部からトレ
ッド幅方向右端のショルダ部までの7箇所または6箇所
の予測点における摩耗量期待値と、実車による上記7箇
所または6箇所の摩耗量と、を同一グラフ上に示したも
のであり、図11(A)は、タイヤサイズ225/55
R16のタイヤを車両のフロントタイヤとして使用した
場合のグラフを、図11(B)は、タイヤサイズ205
/65R15のタイヤを車両のフロントタイヤとして使
用した場合のグラフを、図11(C)は、タイヤサイズ
175/70R14のタイヤを車両のフロントタイヤと
して使用した場合のグラフを、各々示している。同図に
示すように、以上の方法により求められた各予測点にお
ける摩耗量期待値の分布状態により、トレッド幅方向の
タイヤの偏摩耗の状況を、高精度に予測できることがわ
かる。
【0150】以上詳細に説明したように、本第2実施形
態に係るタイヤ摩耗寿命予測方法は、上記第1実施形態
と同様に、横力が付与されている状態でのタイヤの摩擦
エネルギーEws、駆動力が付与されている状態でのタ
イヤの摩擦エネルギーEwd、制動力が付与されている
状態でのタイヤの摩擦エネルギーEwbに加えて、フリ
ーローリング時のタイヤの摩擦エネルギーEwf、トー
角が付与されている状態でのタイヤの摩擦エネルギーE
waを、タイヤの摩耗寿命を予測するための要素として
用いているので、駆動方向、制動方向、及び左右方向の
剛性のみを考慮したシャーラマッハの摩耗量式を用いて
摩耗寿命を予測する場合に比較して、より高精度なタイ
ヤの摩耗寿命予測を行なうことができると共に、市場走
行時と略同等のシベリティ(スリップ率)におけるゴム
インデックスGiを測定して摩耗寿命の予測に用いてい
るので、JIS K 6264により規格化されている
通常のランボーン摩耗試験により求めた摩耗抵抗指数を
用いる場合に比較して、より高精度なタイヤの摩耗寿命
予測を行なうことができる。
【0151】また、本第2実施形態に係るタイヤ摩耗寿
命予測方法は、上記第1実施形態と同様に、摩擦エネル
ギーEws、Ewd、及びEwbを測定する際に、タイ
ヤに対してタイヤ使用時の動的な変化を考慮したキャン
バー角、トー角、及び荷重を付与したので、このような
キャンバー角、トー角、及び荷重を付与しない場合に比
較して、より高精度なタイヤの摩耗寿命の予測を行なう
ことができる。
【0152】また、本第2実施形態に係るタイヤ摩耗寿
命予測方法は、上記第1実施形態における横力が付与さ
れている状態でのタイヤの摩擦エネルギーEws、駆動
力が付与されている状態でのタイヤの摩擦エネルギーE
wd、及び制動力が付与されている状態でのタイヤの摩
擦エネルギーEwbの各摩擦エネルギーを、市場走行時
の車両重心位置の左右方向の加速度分布、及び車両重心
位置の前後方向の加速度分布の各々の分布のRMS値に
基づいて求めることにより市場走行時の入力を反映した
ものとしたので、上記第1実施形態に示したタイヤ摩耗
寿命予測方法に比較して、より高精度にタイヤの摩耗寿
命を予測することができる。
【0153】また、本第2実施形態に係るタイヤ摩耗寿
命予測方法は、横力が付与されている状態でのタイヤの
摩擦エネルギーEwsを、アッカーマン特性及びトー角
に基づいて、車両が右旋回するときのタイヤの摩擦エネ
ルギーEws+ と、左旋回するときのタイヤの摩擦エネ
ルギーEws- との2つに分けて導出し、かつ摩擦エネ
ルギーEwsを摩擦エネルギーEws+ と摩擦エネルギ
ーEws- との和として求めたので、アッカーマン特性
及びトー角に基づくことなく摩擦エネルギーEwsを求
める場合に比較して、より実車走行時の状況に近い摩擦
エネルギーEwsを求めることができる。
【0154】さらに、本第2実施形態に係るタイヤ摩耗
寿命予測方法は、タイヤのトレッド幅方向の複数箇所に
おける摩耗寿命期待値Tl(必要に応じて摩耗量期待
値)を求めたので、タイヤのトレッド幅方向の摩耗寿命
(または摩耗量)の分布(偏摩耗)を予測することが可
能となる。
【0155】なお、本第2実施形態では、摩擦エネルギ
ーEwf、Ewaを測定する場合に、特開平7−636
58号公報に記載のタイヤ踏面の接地部測定装置10
(図5参照)を用いる場合について説明したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、例えば第1実施形態
と同様に1982年秋季自動車技術会講演会前刷り集の
「タイヤ摩耗の室内評価についての一つの試み」(横浜
ゴム株式会社)において摩擦エネルギーを測定する際に
用いている米国Precision Measurement Co. 製の接地圧
・変位測定装置であるTire Pressure and Slip Plateを
用いてもよい。
【0156】また、本第2実施形態では、(16)式〜
(19)式における未定係数S1、S2、D、Bを求め
る方法として、指数ns1、ns2、nd、nbを2に
固定し、複数の入力を行なった場合の各摩擦エネルギー
を測定して、各入力と摩擦エネルギーとを用いて、(1
6)式〜(19)式により逆算して求める場合について
説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、
指数ns1、ns2、nd、nbを固定値とせず、複数
の入力を行なった場合の各摩擦エネルギーを測定して、
各入力と摩擦エネルギーとの関係から最小2乗法、偏差
面積法等によって各未定係数S1、S2、D、B及び各
指数ns1、ns2、nd、nbを近似的に求めるよう
にしてもよい。この場合、指数ns1、ns2、nd、
nbを固定値とする場合に比較して、より高精度な摩耗
寿命予測が行なえる。
【0157】また、本第2実施形態では、複数箇所の各
予測点における摩耗寿命期待値または摩耗量期待値を1
点ずつ算出する場合について説明したが、本発明はこれ
に限定されるものではなく、各予測点における各々の摩
擦エネルギーを測定したのちに摩耗寿命期待値または摩
耗量期待値を同時に算出する形態としてもよい。
【0158】また、上記各実施形態では、摩擦エネルギ
ーEws、Ewd、及びEwbの各々を測定する際にタ
イヤに付与する、タイヤ使用時の動的な変化を考慮した
キャンバー角、トー角、及び荷重を、5自由度以上の車
両モデルを用いたコンピュータシミュレーションによっ
て求める場合について説明したが、本発明はこれに限定
されるものではなく、例えば上記キャンバー角、トー
角、及び荷重を実車走行試験により求めてもよい。
【0159】また、上記各実施形態では、ゴムインデッ
クスGiを導出するのに、図6に要部を示した摩耗試験
装置を用いる場合について説明したが、本発明はこれに
限定されるものではなく、スリップ率が市場走行時と同
等の0.5%〜5%程度の低シベリティ時の摩耗状態を
測定することができる装置であればよく、例えば、特願
平9−7168号公報記載の弾性体の摩耗試験装置を用
いることとしてもよい。
【0160】また、上記各実施形態では、ゴムインデッ
クスGiの測定に際し、基準位置に対する可動ベースの
変位量からゴム試験片の有効動荷重半径を求めている
が、本発明はこれに限定されるものでなく、ゴム試験片
の円周を求め、求めた円周からゴム試験片の転がり半径
を求めるようにしてもよい。
【0161】すなわち、ゴム試験片の円周は、次のよう
にして求めることができる。即ち、ゴム試験片及び砥石
の回転と同期して回転すると共に端部に切欠部が設けら
れた円板の各々をゴム試験片及び砥石に対応して配置す
る。また、該円板の回転による切欠部の軌跡上の各々
に、円板を挟むように発光部及び受光部からなる光セン
サを設ける。なお、光センサは、発光部からの光を受光
部が受光した場合にパルスを発生させる。そして、砥石
側及びゴム試験片側から発生されるパルスの各々の間隔
と、砥石の円周とからゴム試験片の円周を求める。
【0162】また、上記各実施形態では、ゴムインデッ
クスGiの測定に際し、砥石を固定してゴム試験片を移
動させて圧着させているが、本発明はこれに限定される
ものでなく、ゴム試験片を固定して砥石を移動したり、
砥石及びゴム試験片の双方を移動させたりして、圧着す
るようにしてもよい。
【0163】また、上記各実施形態では、ゴムインデッ
クスGiの測定に際し、前後力を分力計により検出して
いるが、本発明はこれに限定されるものでなく、従来の
トルクメータ83においても駆動時の前後力は測定して
もよい。但し、軸受け等によって発生するトルクも含ま
れることになり、測定精度は分力計89による測定対比
低下する。
【0164】さらに、上記各実施形態では、ゴムインデ
ックスGiの測定に際し、砥石の角速度を固定し、ゴム
試験片の角速度を調整してスリップ率を設定している
が、本発明はこれに限定されるものでなく、ゴム試験片
の角速度を固定して砥石の角速度を調整したり、砥石及
びゴム試験片の双方の角速度を調整したりして、スリッ
プ率を設定してもよい。
【0165】
【発明の効果】請求項1及び請求項2記載のタイヤ摩耗
寿命予測方法によれば、横力(左右力)が付与されてい
る状態でのタイヤの摩擦エネルギーEws、駆動力が付
与されている状態でのタイヤの摩擦エネルギーEwd、
制動力が付与されている状態でのタイヤの摩擦エネルギ
ーEwbに加えて、フリーローリング時のタイヤの摩擦
エネルギーEwf、トー角が付与されている状態でのタ
イヤの摩擦エネルギーEwaが、タイヤの摩耗寿命を予
測するための要素として用いられるので、駆動方向、制
動方向、及び左右方向の剛性のみを考慮したシャーラマ
ッハの摩耗量式を用いて摩耗寿命を予測する場合に比較
して、より高精度なタイヤの摩耗寿命予測を行なうこと
ができると共に、市場走行時と略同等のシベリティにお
けるゴムインデックスGiを測定して摩耗寿命の予測に
用いているので、JIS K 6264により規格化さ
れている通常のランボーン摩耗試験により求めた摩耗抵
抗指数を用いる場合に比較して、より高精度なタイヤの
摩耗寿命予測を行なうことができ、さらに摩擦エネルギ
ーEws、Ewd、及びEwbを求めるに際し、タイヤ
に対してタイヤ使用時の動的な変化を考慮したキャンバ
ー角、トー角、及び荷重とが付与されるので、このよう
なキャンバー角、トー角、及び荷重が付与されない場合
に比較して、より高精度なタイヤの摩耗寿命予測を行な
うことができる、という効果が得られる。
【0166】また、請求項3及び請求項4記載のタイヤ
摩耗寿命予測方法によれば、請求項1又は請求項2記載
のタイヤ摩耗寿命予測方法における摩擦エネルギーEw
s、摩擦エネルギーEwd、及び摩擦エネルギーEwb
が、市場走行時の車両重心位置の左右方向の加速度分
布、及び車両重心位置の前後方向の加速度分布の各々の
分布のRMS値に基づいて求められることにより市場走
行時の入力を反映したものとされるので、市場走行時の
入力を反映していない場合に比較して、より高精度にタ
イヤの摩耗寿命の予測を行なうことができる、という効
果が得られる。
【0167】また、請求項5記載のタイヤ摩耗寿命予測
方法によれば、請求項1又は請求項2記載のタイヤ摩耗
寿命予測方法における摩擦エネルギーEwsが、アッカ
ーマン特性及びトー角に基づいて、タイヤを車両に装着
した場合の車両が右旋回するときの摩擦エネルギーEw
+ と、車両が左旋回するときの摩擦エネルギーEws
- とに分けて求められ、かつ摩擦エネルギーEwsは、
摩擦エネルギーEws + と、摩擦エネルギーEws-
の和Ews+ +Ews- により求めらるので、アッカー
マン特性及びトー角に基づくことなく摩擦エネルギーE
wsを求める場合に比較して、より実車走行時の状況に
近い摩擦エネルギーEwsを求めることができる、とい
う効果が得られる。
【0168】また、請求項6及び請求項7記載のタイヤ
摩耗寿命予測方法によれば、請求項5記載のタイヤ摩耗
寿命予測方法における摩擦エネルギーEws+ 、摩擦エ
ネルギーEws- 、摩擦エネルギーEwd、及び摩擦エ
ネルギーEwbが、市場走行時の車両重心位置の左右方
向の加速度分布、及び車両重心位置の前後方向の加速度
分布の各々の分布のRMS値に基づいて求められること
により市場走行時の入力を反映したものとされるので、
市場走行時の入力を反映していない場合に比較して、よ
り高精度にタイヤの摩耗寿命の予測を行なうことができ
る、という効果が得られる。
【0169】さらに、請求項8記載のタイヤ摩耗寿命予
測方法によれば、タイヤの複数箇所の摩耗寿命が予測さ
れるので、上記複数箇所をタイヤトレッド部のトレッド
幅方向の複数箇所とすることにより、トレッド幅方向の
摩耗寿命の分布(偏摩耗)を予測することができる、と
いう効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(5)式により得られたタイヤ摩耗寿命期待値
と、実車試験により計測されたタイヤ摩耗寿命との関係
を示すグラフである。
【図2】(A)は入力の2乗と横力が付与されている状
態でのタイヤの摩擦エネルギーEwsとの関係を示すグ
ラフ、(B)は入力の2乗と駆動力が付与されている状
態でのタイヤの摩擦エネルギーEwdとの関係を示すグ
ラフ、(C)は入力の2乗と制動力が付与されている状
態でのタイヤの摩擦エネルギーEwbとの関係を示すグ
ラフである。
【図3】(7)式により得られたタイヤ摩耗寿命期待値
と、実車試験により計測されたタイヤ摩耗寿命との関係
を示すグラフである。
【図4】(9)式により得られたタイヤ摩耗寿命期待値
と、実車試験により計測されたタイヤ摩耗寿命との関係
を示すグラフである。
【図5】第1実施形態におけるタイヤ摩耗寿命予測方法
の手順を示す概略フローチャートである。
【図6】第1実施形態においてゴムインデックスGiを
測定するために用いられる摩耗試験装置の要部について
示す平面図である。
【図7】第1実施形態において各摩擦エネルギーを測定
するために用いられるタイヤ踏面の接地部測定装置の側
面図である。
【図8】第2実施形態におけるタイヤ摩耗寿命予測方法
を示す概略フローチャートである。
【図9】第2実施形態における摩擦エネルギーEw
+ 、Ews- 、Ewd、及びEwbの導出手順を示す
概略フローチャートである。
【図10】(A)は市場における車両重心位置の前後方
向の加速度分布の一例を示すグラフであり、(B)は市
場における車両重心位置の左右方向の加速度分布の一例
を示すグラフである。
【図11】(A)はタイヤサイズ225/55R16の
フロントタイヤのトレッド幅方向の摩耗量期待値と、実
車における摩耗量との関係を示すグラフ、(B)はタイ
ヤサイズ205/65R15のフロントタイヤのトレッ
ド幅方向の摩耗量期待値と、実車における摩耗量との関
係を示すグラフ、(C)はタイヤサイズ175/70R
14のフロントタイヤのトレッド幅方向の摩耗量期待値
と、実車における摩耗量との関係を示すグラフである。
【図12】(a)は、前後力を測定する部分を示す側面
図であり、(b)は、図12(a)のA方向からみた側
面図である。
【図13】変形例に係る前後力を測定する部分を示す斜
視図である。
【符号の説明】
4 ゴム試験片(ゴム試料) 10 タイヤ踏面の接地部測定装置 30 タイヤ 32 3成分力変換器 89 分力計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 毛利 浩 東京都小平市小川町1−445−1,2− 1001 (72)発明者 佐坂 尚博 東京都小平市小川東町3−5−5−326 (72)発明者 小林 弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 原口 哲之理 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 加藤 康之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フリーローリング時のタイヤの摩擦エネ
    ルギーEwf、トー角が付与されている状態でのタイヤ
    の摩擦エネルギーEwaを各々求めると共に、各々タイ
    ヤ使用時の動的な変化を考慮したキャンバー角、トー
    角、及び荷重が付与されている状態においての、横力が
    付与されている状態、駆動力が付与されている状態、及
    び制動力が付与されている状態の各状態における摩擦エ
    ネルギーEws、摩擦エネルギーEwd、及び摩擦エネ
    ルギーEwbを求め、かつタイヤトレッド部と同材質の
    ゴム試料の市場走行時と略同等のシベリティにおける摩
    擦エネルギーew、及び所定走行距離当りの摩耗深さW
    の各々を求めて、 前記摩擦エネルギーewを前記摩耗深さWで割った値e
    w/WであるゴムインデックスGiと、下記の式で表さ
    れる摩擦エネルギーEwの逆数1/Ewとの積Gi/E
    wを含む値に基づいてタイヤの摩耗寿命を予測するタイ
    ヤ摩耗寿命予測方法。 Ew=Ewf+Ewa+Ews+Ewb+Ewd
  2. 【請求項2】 前記積Gi/Ewを含む値は、前記積G
    i/Ewの値、前記積Gi/Ewにタイヤ棄却限界に至
    るまでの残溝の深さを乗算した値、の何れかの値である
    請求項1記載のタイヤ摩耗寿命予測方法。
  3. 【請求項3】 前記摩擦エネルギーEws、前記摩擦エ
    ネルギーEwd、及び前記摩擦エネルギーEwbの各々
    を、左右方向の入力Fy、駆動力によって発生する前方
    向の力Fx+ 、制動力によって発生する後方向の力Fx
    - 、未定係数S、D、B及び指数ns、nd、nbを用
    いて、 Ews=S×Fyns、Ewd=D×Fx+ nd、Ewb=
    B×Fx- nb と表し、 前記未定係数S、D、B及び前記指数ns、nd、nb
    を、左右方向の入力Fy、前方向の力Fx+ 、及び後方
    向の力Fx- を各々付与したときの摩擦エネルギーEw
    s、摩擦エネルギーEwd、及び摩擦エネルギーEw
    b、の各々の測定値に基づいて予め求めておいて、 市場走行時の車両重心位置の左右方向の加速度分布、及
    び車両重心位置の前後方向の加速度分布のRMS値に基
    づいて前記左右方向の入力Fy、前記前方向の力F
    + 、及び前記後方向の力Fx- を決定し、 決定された前記左右方向の入力Fy、前記前方向の力F
    + 、及び前記後方向の力Fx- と、上記の式に基づい
    て、前記摩擦エネルギーEws、前記摩擦エネルギーE
    wd、及び前記摩擦エネルギーEwbを求めることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載のタイヤ摩耗寿命予
    測方法。
  4. 【請求項4】 前記摩擦エネルギーEws、前記摩擦エ
    ネルギーEwd、及び前記摩擦エネルギーEwbの各々
    を、左右方向の入力Fy、駆動力によって発生する前方
    向の力Fx+ 、制動力によって発生する後方向の力Fx
    - 、未定係数S、D、B及び指数ns、nd、nbを用
    いて、 Ews=S×Fyns、Ewd=D×Fx+ nd、Ewb=
    B×Fx- nb と表し、 前記指数ns、nd、nbを1.5から3までの値とし
    て前記未定係数S、D、Bを、左右方向の入力Fy、前
    方向の力Fx+ 、及び後方向の力Fx- を各々付与した
    ときの摩擦エネルギーEws、摩擦エネルギーEwd、
    及び摩擦エネルギーEwb、の各々の測定値に基づいて
    予め求めておいて、 市場走行時の車両重心位置の左右方向の加速度分布、及
    び車両重心位置の前後方向の加速度分布のRMS値に基
    づいて前記左右方向の入力Fy、前記前方向の力F
    + 、及び前記後方向の力Fx- を決定し、 決定された前記左右方向の入力Fy、前記前方向の力F
    + 、及び前記後方向の力Fx- と、上記の式に基づい
    て、前記摩擦エネルギーEws、前記摩擦エネルギーE
    wd、及び前記摩擦エネルギーEwbを求めることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載のタイヤ摩耗寿命予
    測方法。
  5. 【請求項5】 前記摩擦エネルギーEwsを、車両のア
    ッカーマン特性及びトー角に基づいて、前記タイヤを車
    両に装着した場合の車両が右旋回するときの摩擦エネル
    ギーEws+ と、車両が左旋回するときの摩擦エネルギ
    ーEws- とに分けて求め、 前記摩擦エネルギーEwsを、前記摩擦エネルギーEw
    + と、前記摩擦エネルギーEws- との和Ews+
    Ews- により求める請求項1又は請求項2記載のタイ
    ヤ摩耗寿命予測方法。
  6. 【請求項6】 前記摩擦エネルギーEws+ 、前記摩擦
    エネルギーEws-、前記摩擦エネルギーEwd、及び
    前記摩擦エネルギーEwbの各々を、車両が右旋回する
    ときの左右方向の入力Fy+ 、車両が左旋回するときの
    左右方向の入力Fy- 、駆動力によって発生する前方向
    の力Fx+ 、制動力によって発生する後方向の力F
    - 、未定係数S1、S2、D、B及び指数ns1、n
    s2、nd、nbを用いて、 Ews+ =S1×Fy+ ns1 、Ews- =S2×Fy-
    ns2 、 Ewd=D×Fx+ nd、Ewb=B×Fx- nb と表し、 前記未定係数S1、S2、D、B及び前記指数ns1、
    ns2、nd、nbを、左右方向の入力Fy+ 、左右方
    向の入力Fy- 、前方向の力Fx+ 、及び後方向の力F
    - を各々付与したときの摩擦エネルギーEws+ 、摩
    擦エネルギーEws- 、摩擦エネルギーEwd、及び摩
    擦エネルギーEwb、の各々の測定値に基づいて予め求
    めておいて、 市場走行時の車両重心位置の左右方向の加速度分布、及
    び車両重心位置の前後方向の加速度分布のRMS値に基
    づいて前記左右方向の入力Fy+ 、前記左右方向の入力
    Fy- 、前記前方向の力Fx+ 、及び前記後方向の力F
    - を決定し、 決定された前記左右方向の入力Fy+ 、前記左右方向の
    入力Fy- 、前記前方向の力Fx+ 、及び前記後方向の
    力Fx- と、上記の式に基づいて、前記摩擦エネルギー
    Ews+ 、前記摩擦エネルギーEws- 、前記摩擦エネ
    ルギーEwd、及び前記摩擦エネルギーEwbを求める
    ことを特徴とする請求項5記載のタイヤ摩耗寿命予測方
    法。
  7. 【請求項7】 前記摩擦エネルギーEws+ 、前記摩擦
    エネルギーEws-、前記摩擦エネルギーEwd、及び
    前記摩擦エネルギーEwbの各々を、車両が右旋回する
    ときの左右方向の入力Fy+ 、車両が左旋回するときの
    左右方向の入力Fy- 、駆動力によって発生する前方向
    の力Fx+ 、制動力によって発生する後方向の力F
    - 、未定係数S1、S2、D、B及び指数ns1、n
    s2、nd、nbを用いて、 Ews+ =S1×Fy+ ns1 、Ews- =S2×Fy-
    ns2 、 Ewd=D×Fx+ nd、Ewb=B×Fx- nb と表し、 前記指数ns1、ns2、nd、nbを1.5から3ま
    での値として前記未定係数S1、S2、D、Bを、左右
    方向の入力Fy+ 、左右方向の入力Fy- 、前方向の力
    Fx+ 、及び後方向の力Fx- を各々付与したときの摩
    擦エネルギーEws+ 、摩擦エネルギーEws- 、摩擦
    エネルギーEwd、及び摩擦エネルギーEwb、の各々
    の測定値に基づいて予め求めておいて、 市場走行時の車両重心位置の左右方向の加速度分布、及
    び車両重心位置の前後方向の加速度分布のRMS値に基
    づいて前記左右方向の入力Fy+ 、前記左右方向の入力
    Fy- 、前記前方向の力Fx+ 、及び前記後方向の力F
    - を決定し、 決定された前記左右方向の入力Fy+ 、前記左右方向の
    入力Fy- 、前記前方向の力Fx+ 、及び前記後方向の
    力Fx- と、上記の式に基づいて、前記摩擦エネルギー
    Ews+ 、前記摩擦エネルギーEws- 、前記摩擦エネ
    ルギーEwd、及び前記摩擦エネルギーEwbを求める
    ことを特徴とする請求項5記載のタイヤ摩耗寿命予測方
    法。
  8. 【請求項8】 タイヤの複数箇所において前記タイヤの
    摩耗寿命を予測する請求項1乃至請求項7の何れか1項
    記載のタイヤ摩耗寿命予測方法。
  9. 【請求項9】 前記摩擦エネルギーEwは、タイヤの転
    がり半径で基準化した単位面積当たりの単位距離走行時
    の摩擦エネルギーである請求項1乃至請求項8の何れか
    1項記載のタイヤ摩耗寿命予測方法。
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