JPH11326092A - マイクロデバイスのフィルタ構造およびその製造方法 - Google Patents

マイクロデバイスのフィルタ構造およびその製造方法

Info

Publication number
JPH11326092A
JPH11326092A JP15074798A JP15074798A JPH11326092A JP H11326092 A JPH11326092 A JP H11326092A JP 15074798 A JP15074798 A JP 15074798A JP 15074798 A JP15074798 A JP 15074798A JP H11326092 A JPH11326092 A JP H11326092A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
filter
substrate
internal space
fluid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP15074798A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruzo Miyashita
治三 宮下
Akiko Yoshimura
昭子 葭村
Masaki Esashi
正喜 江刺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Anelva Corp
Original Assignee
Anelva Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Anelva Corp filed Critical Anelva Corp
Priority to JP15074798A priority Critical patent/JPH11326092A/ja
Publication of JPH11326092A publication Critical patent/JPH11326092A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Weting (AREA)
  • Measuring Fluid Pressure (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体製造プロセス技術により作られるマイ
クロセンサまたはマイクロアクチュエータ等のマイクロ
デバイスにおいて気体または流体の導入口を介して微小
なゴミが内部空間へ入るのを防止し、デバイスの信頼性
を高め、寿命を長くする。 【解決手段】 真空センサ21はシリコン基板24とその両
側に固定されたパイレックス基板25,26 からなる積層構
造を有する。中間のシリコン基板24には圧力を受ける電
極部1が設けられる。パイレックス基板25に内部空間S
1と外部を通じる導入口22が形成され、この導入口を通
して外部から内部空間S1に気体または流体が導入され
る。シリコン基板に半導体製造プロセス技術を応用して
例えば格子状孔からなるフィルタ23を作り、このフィル
タ23を陽極接合によって導入口の内側開口部に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造プロセ
ス技術で製造されるマイクロセンサまたはマイクロアク
チュエータ等のマイクロデバイスにおいて内部空間へ気
体または流体を導入する孔のフィルタ構造とその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造プロセス技術によっ
て、小型かつ測定範囲の広い圧力測定用センサが開発さ
れてきた。例えばIEEE Electron Device Societyにおい
て開催されたTRANSDUCER'97 の1997 International Con
ference on Solid-State Sensorand Actuators Chicag
o, June 16-19, 1997 講演予稿集 Volume 2, p.1457-p.
1460などに発表されたサーボ式静電容量型真空センサが
ある。この真空センサの構造を図5に示す。図5では実
際のセンサ構造に比較して厚みを誇張して示している。
【0003】図5において真空センサは、シリコン基板
131と、シリコン基板131の両側に接合されたパイ
レックス基板132,133で構成されている。中間の
シリコン基板131にはダイアフラム状の電極部134
が形成される。電極部134と上側のパイレックス基板
132の間には内部空間139が形成され、電極部13
4と下側のパイレックス基板133との間には内部空間
140が形成されている。内部空間139には導入口1
41を通して外部から測定対象である気体または流体が
導入される。内部空間140はゲッター材154が収容
されたゲッター室153と通じており、内部空間140
とゲッター室153はゲッター材154によって排気さ
れ、高真空状態に保持されている。電極部134は、内
部空間139に導入された気体または流体の圧力を受け
る。電極部134は、その中央部下側に肉厚部135を
有し、肉厚部135の周囲に肉薄部136を有する。肉
厚部135は下方に凸状となっている。電極部134
は、肉厚部135と肉薄部136の全体が変位する可動
電極である。電極部134では、気体または流体の圧力
を受けると、下側の内部空間140が高真空状態に保持
されているので、肉薄部136が下方向へ変形し、中央
の肉厚部135が下方へ変位する。
【0004】上記構造を有する電極部134は、一定の
厚みを有するシリコン基板131の両面を半導体製造プ
ロセス技術を応用してエッチングすることにより形成さ
れる。また上記パイレックス基板132,133はパイ
レックスガラスで形成され、絶縁性と高剛性を有してい
る。パイレックス基板132における内部空間139側
の面にはサーボ電極137が設けられている。サーボ電
極137はp++シリコン層で形成される。サーボ電極
137は電極部134に対向している。パイレックス基
板133における内部空間140側の面には固定電極1
38が設けられている。固定電極138は肉厚部135
に対向している。肉厚部135は固定電極138に対す
る電極として機能し、肉厚部135と固定電極138の
間で間隔に応じた静電容量が決まる。
【0005】上側のパイレックス基板132には、導電
性端子を形成するための3つの貫通孔が形成される。第
1の貫通孔にはAl(アルミニウム)電極142が設け
られかつサーボ電極137に接続される導電性エポキシ
樹脂143が充填されている。第2の貫通孔にはAl電
極144が設けられかつシリコン部145を介して電極
部134に接続される導電性エポキシ樹脂146が充填
されている。第3の貫通孔にはAl電極147が設けら
れかつシリコン部148を介して固定電極138に接続
される導電性エポキシ樹脂149が充填されている。各
エポキシ樹脂143,146,149にはそれぞれリー
ド線150,151,152が電気的に接続されてい
る。リード線150,151,152はそれぞれ図示し
ない外部回路に接続される。詳しくは、リード線150
は外部回路内のサーボ電圧出力部に接続され、リード線
151は外部回路内の基準電位部に接続され、リード線
152は外部回路内の検出部に接続される。サーボ電極
137にはリード線150を通してサーボ電圧が印加さ
れる。
【0006】上記構成において、導入口141を通して
気体または流体が内部空間139に導入されると、電極
部134は気体または流体の圧力を受け、前述のごとく
肉薄部136が下方向へ変形し、肉厚部135が内部空
間140側へ変位する。その結果、電極部134の肉厚
部135と固定電極138との間の間隔が変化し、肉厚
部135と固定電極138の間の静電容量が変化する。
この静電容量の変化は例えば交流ブリッジ回路からなる
検出部によって検出される。検出部の検出作用に基づい
て、電極部134に加わる圧力と釣り合うように、パイ
レックス基板132のサーボ電極137にサーボ電圧が
印加される。電極部134においてサーボ電圧による静
電引力と気体または流体による圧力との間に釣り合いが
生じ、電極部134は中央位置に保たれる。印加された
サーボ電圧の2乗と上記圧力の間には比例関係があるた
め、サーボ電極137に与えられたサーボ電圧を測定す
ることにより、上記真空センサに加わった気体または流
体の圧力を測定することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のサーボ式静電容
量型真空センサでは導入口141を通して直接に外部に
通じている。従って導入口141を通して真空センサ中
に気体または流体を取り込むと、気体または流体に含ま
れる微小なゴミも入ってくる。また導入口141を通し
て微小なゴミが単独で入ってくる場合もある。このよう
な微小なゴミが内部空間139に入り込むと、微小なゴ
ミによって内部空間139が塞がれる。このため、圧力
に対応した容量変化が発生せず、正確な圧力が測定でき
なくなるおそれが生じる。また極端な場合には真空セン
サの寿命が短くなる。
【0008】上記ではサーボ式静電容量型真空センサで
の問題を説明したが、同様な問題は、導電性材料基板を
利用して作られる同様な微細構造を有したマイクロセン
サあるいはマイクロアクチュエータ(以下、総称して
「マイクロデバイス」という)において、気体または流
体を導入口を通して内部空間に導入するときに一般的に
起きる。
【0009】本発明の目的は、上記の問題を解決するこ
とにあり、半導体製造プロセス技術により作られるマイ
クロセンサやマイクロアクチュエータのごときマイクロ
デバイスにおいて、導入口を介して微小なゴミが内部空
間へ入るのを防止し、測定の信頼性を保ち、デバイスの
寿命を長くしたマイクロデバイスのフィルタ構造および
その製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】本発明に係る
マイクロデバイスのフィルタ構造およびその製造方法
は、上記目的を達成するため、次のように構成される。
第1のフィルタ構造(請求項1に対応)は、外部と内部
空間を連通する孔が形成された絶縁性外側基板を備え、
孔を通して外部から内部空間に気体または流体を導入す
るように構成されたマイクロデバイスに適用されるもの
であり、導電性材料基板に半導体製造プロセスを適用し
て作られた例えば格子状の複数の微細孔からなるフィル
タを外側基板の孔に陽極接合で固定したことを特徴とす
る。上記のごとく内部空間につながる孔にフィルタを設
けるようにしたため、微小なゴミが内部空間に入るを防
止できる。第2のフィルタ構造(請求項2に対応)は、
上記第1の構成において、好ましくは、導電性材料基板
はシリコン基板であり、フィルタは当該シリコン基板で
作られることを特徴とする。第1のフィルタ構造の製造
方法(請求項3に対応)は、外部と内部空間を連通する
孔が形成された絶縁性外側基板を備え、孔を通して外部
から内部空間に気体または流体を導入するように構成さ
れたマイクロデバイスに設けられるフィルタ構造の製造
方法であって、導電性材料基板を用意し、この導電性材
料基板に酸化膜を形成し、レジストを塗布し、例えば格
子状孔からなるパターニングを行い、酸化膜のウェット
エッチングを行い、拡散層を形成し、拡散層の表面と絶
縁性外側基板における孔の周辺部とを陽極接合し、導電
性材料基板をウェットエッチングして拡散層を残し、こ
れにより孔に例えば格子状の複数の微細孔からなるフィ
ルタを形成する方法である。この方法によれば、マイク
ロデバイスを作るための半導体製造プロセス技術をその
まま使用して、フィルタ構造も設けることが可能とな
る。第2のフィルタ構造の製造方法(請求項4に対応)
は、上記第1の方法において、好ましくは、導電性材料
基板はシリコン基板であり、フィルタは当該シリコン基
板で作られることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好適な実施形態
を添付図面に基づいて説明する。
【0012】図1および図2を参照して本発明に係るフ
ィルタ構造を説明する。図1は平面図、図2は図1にお
けるA−A線矢視断面図である。図1および図2におい
て、11は板状のパイレックスガラスであり、このパイ
レックスガラス11には一例として2つの孔12,13
が形成されている。図示されたパイレックスガラス11
は、全体のパイレックスガラスのうちの一部が示されて
いる。板状パイレックスガラス11は絶縁性と高剛性を
有する。パイレックスガラス11の両側は空間S1,S
2となっており、空間S2から空間S1に対して孔1
2,13を通して圧力(P)が加わっている。空間S2
の側に存在する気体または流体は圧力Pにより空間S2
と空間S1の間を移動する。
【0013】本発明に係るフィルタ構造は、パイレック
スガラス11の空間S1側の表面に設けられている。1
4がフィルタである。フィルタ14は、図1および図2
に示されるものでは、全体として板状の形態を有してい
るが、実際上その厚みはごく微小なものであって実質的
には膜状のものである。フィルタ14には、この例では
前述の孔12,13に対応して格子状孔部15,16が
形成されている。格子状孔部15,16は、平面形状が
例えばほぼ円形の領域において、格子状に配列された多
数の微細な孔によって形成されている。なお孔部15,
16は必ずしも格子状である必要はなく、フィルタ作用
を有する複数の微細孔であれば任意の孔部を用いること
ができる。格子状孔部15,16の平面から見た大きさ
は任意であり、通常、パイレックスガラス11に形成さ
れた孔12,13の大きさに対応して決められる。上記
フィルタ14は、パイレックスガラス11の表面に固定
されている。
【0014】以上の構成によれば、パイレックスガラス
11によって仕切られた両側の2つの空間S1,S2の
間で、空間S2から圧力Pによって気体または流体が空
間S1へ導入されるとき、気体または流体の中に微小な
ゴミが含まれているとすると、パイレックスガラス11
の空間S1側に設けられたフィルタ14の格子状孔部1
5,16によって当該ゴミは排除され、気体または流体
のみが空間S1側へ導入されることになる。従って好ま
しくないゴミが空間S1へ入り込むことが防止される。
上記フィルタ14の製造方法は後で説明される。
【0015】なお上記実施形態では2つの接近した孔1
2,13に対して2つの孔を一緒にしてフィルタ14を
形成したが、マイクロセンサ等の孔(導入口)の大きさ
および数に従って本発明のフィルタの形状は任意に変更
することができる。
【0016】次に図3を参照して前述した本発明に係る
フィルタ構造をサーボ式静電容量型真空センサに用いた
例について説明する。以下ではサーボ静電容量型真空セ
ンサを単に真空センサと呼ぶ。この真空センサは、従来
技術の箇所でも説明した通り内部に外部から気体または
流体を導入する空間を有しており、気体または流体を導
入するための導入口を有している。図1および図2で説
明したフィルタ14は導入口に付設される。図3におい
て21は真空センサであり、22は導入口であり、23
はフィルタである。この実施形態で示されたフィルタ2
3は上記フィルタ14に比較して1つの格子状孔部を有
した構造となっている。
【0017】図3に示すように真空センサ21は三層の
積層構造を有している。中間に位置する層は導電性材料
であるシリコン基板24である。シリコン基板24の上
側および下側にはパイレックス基板25,26が設けら
れている。パイレックス基板25,26はパイレックス
ガラスで作られた板状の部材であり、前述のパイレック
スガラス11に相当する。パイレックス基板25,26
は絶縁性と高い剛性を有している。パイレックス基板2
5,26はシリコン基板24の上下に陽極接合される。
このシリコン基板24には電極部1が設けられる。電極
部1の両側には内部空間S3,S4が形成される。上側
のパイレックス基板25には導入口22が形成されてお
り、その導入口22の内側開口部にはフィルタ23が設
けられている。
【0018】パイレックス基板25の内部空間S3側の
面にはほぼ中央部に凸状のサーボ電極27が設けられ
る。サーボ電極27は、別に用意したシリコン基板に既
存の半導体製造プロセス技術を適用して形成される。サ
ーボ電極27には、シリコン層28aとAl電極28b
を介して外部からサーボ電圧が印加される。
【0019】下側のパイレックス基板26には電極ピン
29,30,31,32が接続される。各電極ピン29
〜32はそれぞれパイレックス基板26に形成された対
応する孔にて導電性のエポキシ樹脂33にて固定されて
いる。またパイレックス基板26の内部空間S4側の面
には、上記電極部1が固定され、固定電極35と参照電
極36が設けられている。電極部1は、ほぼ中央に位置
する肉薄の可動電極34aと、可動電極34aの周囲に
位置して可動電極34aを支持する肉厚の周囲電極34
bとからなる。可動電極34aは例えば5μmの厚みを
有する薄膜であり、周囲電極34bは例えば400μm
未満の厚みを有する厚膜である。電極部1は、周囲電極
34bの周縁部がパイレックス基板26に接合される。
電極部1がパイレックス基板26に接合されることによ
り内部空間S4は封止空間として形成される。内部空間
S4内にはゲッター材41を収納したゲッター室40が
形成されている。ゲッター材41によって内部空間S4
は高真空の状態に保持される。
【0020】上記の固定電極35と参照電極36は内部
空間S4内に配置される。参照電極36は例えば固定電
極35の周囲に固定電極を囲むように設けられている。
固定電極35は可動電極34aに対向し、参照電極36
は周囲電極34bに対向している。可動電極34aと固
定電極35の間、周囲電極34bと参照電極36の間に
は、それぞれ、間隔および電極面積に応じた静電容量が
設定される。
【0021】上記電極ピン29は電極部1に接続され、
上記電極ピン30は固定電極35に接続され、上記電極
ピン31は参照電極36に接続されている。なお電極ピ
ン29,30,31,32の接続部では、そのエポキシ
樹脂33の周囲に、パイレックス基板26との境界部を
形成するAl電極37が設けられている。電極ピン32
は、シリコンで形成された接続部38を介して前述のA
l電極28bに接続されている。
【0022】電極部1では、肉薄の可動電極34aが肉
厚の周囲電極34bで支持されかつ可動電極34aと周
囲電極34bの下面が同一面になるように形成された電
極部1の形態上、可動電極34aに上側に凹所39が形
成される。可動電極34aは凹所39を通して内部空間
S3に臨んでいる。可動電極34aの上側の内部空間S
3は導入口22を通して外部に通じ、下側の内部空間S
4は高真空に保持されている。導入口22を通して外部
から気体または流体が内部空間S3に導入されると、気
体または流体の圧力は可動電極34aに加わる。可動電
極34aに圧力が加わると、可動電極34aは下方へ変
位する。このとき周囲電極34bで変位は生じない。
【0023】図3において、24aはシリコンによって
全周囲に作られた支持壁部、また前述の接続部38もシ
リコンで形成された部分である。内部空間S3は支持壁
部24aよって囲まれている。
【0024】図3に示した構造では導電性材料のシリコ
ン基板24に対しパイレックス基板25,26を接合し
た積層構造としたが、積層される両側の基板はパイレッ
クスガラス(コーニング(株)社製)に限定されず、そ
の代わりにシリコン基板の材料と同じあるいは非常に近
い熱膨張係数を持つ材料、例えばSDガラス(ホウケイ
酸ガラス;ホーヤ(株)社製)を用いることもできる。
さらに本発明に係るフィルタ構造は、この実施形態で説
明する真空センサ21すなわちマイクロセンサだけでは
なく、気体または流体を導入するようにした他の構造
体、例えばマイクロアクチュエータに応用することがで
きる。本発明に係るフィルタ構造は一般的にマイクロセ
ンサおよびマイクロアクチュエータを含むマイクロデバ
イスに応用できる。
【0025】上記のように構成された真空センサ21に
おいて、導入口22から気体または流体が導入される
と、気体または流体の圧力に比例した変位が電極部1の
可動電極34aに生じ、固定電極35と可動電極34a
の間の静電容量が変化する。これを電極ピン29,30
に接続した外部回路(図示せず)を利用して検出し、電
極32、接続部38、Al電極28b、シリコン層28
aを経由してフィードバックさせ、サーボ電極27にサ
ーボ電圧を印加する。サーボ電圧に基づく静電引力が気
体または流体の圧力と釣り合うようにすることにより、
可動電極34aは常に中立位置に保持される。この状態
を維持しながら、サーボ電極27に印加したサーボ電圧
を計測することにより、電極部1の可動電極34aに加
わった気体または流体の圧力を検出することが可能とな
る。
【0026】前述の実施形態では、導入口22に、例え
ば格子状に配列した微細孔からなるフィルタ23が設け
られたため、気体または流体に含まれるゴミはフィルタ
23で排除され、導入口22を通過して内部空間S3内
に入ることがない。このためゴミが可動電極34aとサ
ーボ電極27の間の隙間に詰まることがなく、真空セン
サ21の測定の信頼性を高め、センサ寿命を長くするこ
とができる。
【0027】本実施形態によるフィルタ23の平面形状
は例えば四角形であってその寸法は2.5mm×4.5
mm、厚みは例えば5μm、格子状孔部の径は例えば2
mmである。
【0028】本発明によるフィルタ構造は、半導体製造
プロセス技術を用いてマイクロセンサまたはマイクロア
クチュエータ等を製造する時に、そのプロセスを変更し
たり、あるいは増したりすることなしに、従来の方法を
そのまま用いて作製することができるという特徴を有し
ている。
【0029】次に図4を参照して本発明に係るフィルタ
構造を備えたサーボ式静電容量型真空センサ21の作製
方法におけるフィルタ構造部分の作製方法を説明する。
【0030】まず両面研磨した例えば370μmの厚み
のシリコン基板51に対してマスク用に例えば1μmの
厚みの酸化膜52を形成し、配線用とフィルタ構造用に
パターニングした後、拡散技術によりp型(あるいはn
型)シリコン層53a,53bを5μmの厚みで形成す
る(図4(a))。上面の酸化膜52をパターニング
し、p型(あるいはn型)シリコン層53a,53bの
選択エッチングを行う。その後に酸化膜52をフッ酸等
でエッチングし、さらにシリコン基板51を3μm程度
の厚みでエッチングする(図4(b))。ここにおいて
上記p型(あるいはn型)シリコン層53aには例えば
格子状に配列した孔が形成される。図4(b)において
54は格子状孔からなるフィルタ構造が形成されたp型
(あるいはn型)シリコン層であり、55は3μm程度
の厚み(d)を有するエッチング部である。この後、シ
リコン基板51におけるp型(あるいはn型)シリコン
層53bおよびフィルタ構造であるp型(あるいはn
型)シリコン層54(前述のフィルタ23に対応)と、
孔22が加工されたパイレックス基板25とを対向さ
せ、シリコン基板51とパイレックス基板25を陽極接
合する(図4(c))。シリコン基板51をEPW(エ
チレン・ジアミン・ピロカテコール水溶液)等のエッチ
ング溶液で選択エッチングし、その後、酸化膜52を除
去する(図4(d))。なおp型(あるいはn型)シリ
コン層はEPWに対するエッチング速度が極端に遅いの
で、EPWで選択エッチングが行える。これにより、格
子状に配列した孔からなるフィルタ23が形成される。
この部分の拡大平面図および拡大平面図は図1および図
2に示した格子状孔部と同じである。以上のごとくマイ
クロデバイスのフィルタ構造は、半導体製造プロセス技
術を利用して精度良く作製することができる。
【0031】上記実施形態ではシリコン基板24を用い
たが、導電性材料基板であれば他のものを用いることも
できる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、半導体製造プロセス技術で製造されたマイクロセ
ンサまたはマイクロアクチュエータ等のマイクロデバイ
スであって導入口を通して内部空間に気体または流体を
導入するように構成されたマイクロデバイスにおいて、
導入口に微細な例えば格子状の構造を有するフィルタを
半導体製造プロセス技術を利用して設けるようにしたた
め、気体または流体が持ち込む微小なゴミあるいは直接
に導入口から入ってくる微小なゴミを阻止することがで
き、マイクロデバイスの測定信頼性を高めかつ寿命を長
くすることができる。このフィルタ構造を備えたマイク
ロセンサでは、発塵を伴うようなプロセス、例えばCV
D等にも応用することができる。さらに、マイクロセン
サ等の製造過程においてプロセスを増やすことなく製造
することができ、しかも、半導体製造プロセス技術によ
り微細加工が可能であるため、フィルタ構造自身を超小
型かつ微細な網目にすることができる。従ってマイクロ
センサ等のサイズを大きくすることなく、内蔵すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフィルタ構造の平面図である。
【図2】図1におけるA−A線矢視断面図である。
【図3】本発明に係るフィルタ構造を備えたサーボ式静
電容量型真空センサの要部縦断面図である。
【図4】本発明に係るフィルタ構造の製造方法を示す工
程図である。
【図5】従来のサーボ式静電容量型真空センサの要部縦
断面図である。
【符号の説明】
1 電極部 11 パイレックスガラス 12,13 孔 14 フィルタ 15,16 格子状孔部 21 真空センサ 22 導入口 23 フィルタ 24 シリコン基板 25,26 パイレックス基板 27 サーボ電極 34a 可動電極 34b 周囲電極 35 固定電極 36 参照電極 S1,S2 空間 S3 導入口につながる内部空間 S4 高真空に保持された内部空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 葭村 昭子 東京都府中市四谷5丁目8番1号 アネル バ株式会社内 (72)発明者 江刺 正喜 宮城県仙台市太白区八木山南1丁目11番地 9

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外部と内部空間を連通する孔が形成され
    た絶縁性外側基板を備え、前記孔を通して外部から前記
    内部空間に気体または流体を導入するように構成された
    マイクロデバイスにおいて、 導電性材料基板に半導体製造プロセスを適用して作られ
    た複数の微細孔からなるフィルタを前記絶縁性外側基板
    の前記孔に陽極接合で固定したことを特徴とするマイク
    ロデバイスのフィルタ構造。
  2. 【請求項2】 前記導電性材料基板はシリコン基板であ
    り、前記フィルタは前記シリコン基板で作られることを
    特徴とする請求項1記載のマイクロデバイスのフィルタ
    構造。
  3. 【請求項3】 外部と内部空間を連通する孔が形成され
    た絶縁性外側基板を備え、前記孔を通して外部から前記
    内部空間に気体または流体を導入するように構成された
    マイクロデバイスに設けられるフィルタ構造の製造方法
    であって、 導電性材料基板を用意し、この導電性材料基板に酸化膜
    を形成し、レジストを塗布し、複数の微細孔からなるパ
    ターニングを行い、前記酸化膜のウェットエッチングを
    行い、拡散層を形成し、前記拡散層の表面と前記絶縁性
    外側基板における前記孔の周辺部とを陽極接合し、前記
    導電性材料基板をウェットエッチングして前記拡散層を
    残し、これにより前記孔に複数の微細孔からなるフィル
    タを形成したことを特徴とするフィルタ構造の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記導電性材料基板はシリコン基板であ
    り、前記フィルタは当該シリコン基板で作られることを
    特徴とする請求項3記載のフィルタ構造の製造方法。
JP15074798A 1998-05-14 1998-05-14 マイクロデバイスのフィルタ構造およびその製造方法 Pending JPH11326092A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15074798A JPH11326092A (ja) 1998-05-14 1998-05-14 マイクロデバイスのフィルタ構造およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15074798A JPH11326092A (ja) 1998-05-14 1998-05-14 マイクロデバイスのフィルタ構造およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11326092A true JPH11326092A (ja) 1999-11-26

Family

ID=15503546

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15074798A Pending JPH11326092A (ja) 1998-05-14 1998-05-14 マイクロデバイスのフィルタ構造およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11326092A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005274175A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Anelva Corp 静電容量型圧力センサ及びその製造方法
JP2009515338A (ja) * 2005-11-03 2009-04-09 マキシム・インテグレーテッド・プロダクツ・インコーポレーテッド ウェハ・レベル・パッケージングの方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005274175A (ja) * 2004-03-23 2005-10-06 Anelva Corp 静電容量型圧力センサ及びその製造方法
JP4549085B2 (ja) * 2004-03-23 2010-09-22 キヤノンアネルバ株式会社 静電容量型圧力センサ及びその製造方法
JP2009515338A (ja) * 2005-11-03 2009-04-09 マキシム・インテグレーテッド・プロダクツ・インコーポレーテッド ウェハ・レベル・パッケージングの方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4176849B2 (ja) センサの製造方法
US5801313A (en) Capacitive sensor
US6445053B1 (en) Micro-machined absolute pressure sensor
US7803649B2 (en) Angular rate sensor and method of manufacturing the same
WO2017000501A1 (zh) 一种mems压力传感元件
JP6024481B2 (ja) 半導体圧力センサ
JP2008046078A (ja) 微小電気機械システム素子およびその製造方法
JP2012225920A (ja) マイクロ−電子機械システム(mems)デバイス
JPS63149531A (ja) 静電容量式圧力センサ
CN107478862B (zh) 一种基于金金键合的石英振梁加速度计敏感芯片
JP4335545B2 (ja) 圧力と加速度との双方を検出するセンサおよびその製造方法
CN112897450B (zh) 一种mems绝压式压力传感器及其加工方法
CN109596208B (zh) 一种u形槽悬臂梁结构的mems压电矢量水听器及其制备方法
JP5598515B2 (ja) 物理量センサ及びその製造方法
JP3405108B2 (ja) 外力計測装置およびその製造方法
JP5120176B2 (ja) 物理量センサ及びその製造方法
JPH06300650A (ja) 静電容量式圧力センサ
JPH11326092A (ja) マイクロデバイスのフィルタ構造およびその製造方法
TWI835956B (zh) 用於電容性壓力感測器裝置之微機電構件、電容性壓力感測器裝置、及其製造方法
JP2896728B2 (ja) 静電容量式圧力センサ
CN113091989A (zh) 谐振式微压传感器及其制备方法
JPH0618345A (ja) 圧力センサの製造方法
JP5298508B2 (ja) 力学量検出センサ
JP2008544513A (ja) 微小機械モーションセンサーを製造する方法、および、微小機械モーションセンサー
JP2006258528A (ja) 加速度センサおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080204

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080819

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20080904

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081017