JPH1132598A - 穴掘り機用オーガー - Google Patents

穴掘り機用オーガー

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JPH1132598A
JPH1132598A JP20849797A JP20849797A JPH1132598A JP H1132598 A JPH1132598 A JP H1132598A JP 20849797 A JP20849797 A JP 20849797A JP 20849797 A JP20849797 A JP 20849797A JP H1132598 A JPH1132598 A JP H1132598A
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Masao Yamashita
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 穴掘り機により掘削した穴の底の平面度を良
好に保ち、土をならす作業を不用にすること。 【構成】 地面に穴を掘るため、回転軸R周りに回転可
能に設けた回転羽根20を有するオーガー17である。
中心部より外周部の方が深い断面形状の底を有する穴H
を掘削するために、中心部より掘削方向へ突出した外周
部を有する刃先部21を回転羽根20の先端部に設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地面に穴を掘るた
め回転軸周りに回転可能に設けた回転羽根を有する穴掘
り機用オーガーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】穴掘り機には、実開昭63−48405
号の第4図に従来例として示された、エンジン駆動のオ
ーガーを備えた手持ち式のものがある。このハンドオー
ガーというべき穴掘り機では1穴/30秒が作業量の標
準であり、労働条件の厳しさから1日当たり500穴が
限界であった。そのため上記考案や実開平2−5730
6号、特開平7−107813号等の発明、考案が開発
された。しかしそれらは出願されてはいるが、製品とし
て具体化されたものはない。そこで本発明者は自動穴掘
り機が実用化できない原因を追求し、試行錯誤を繰り返
して自走式の穴掘り機を完成した。その結果を公開すべ
く既に出願もしている。本発明はこの開発の過程で創作
されたものである。
【0003】従来の穴掘り機に使用されたオーガーで掘
削した穴hは、図7に示すように回転軸rとの直交線l
よりやや後退方向へ角度θ′傾斜した底iを有するもの
である。ところが掘削作業によって掘り取られた土砂j
は穴kの縁に堆積し、この土砂jはオーガーkを穴から
引き上げると穴内に落下し、底iの外周に堆積する。そ
の結果、底の平面度が失われるので、土砂を手ですくい
出すか、或いは予め必要以上に深い穴を掘り、後に外周
に落下した土砂を平らにならさなければならない、とい
う問題を生じた。最近、小型樹をポットにより育成する
方法が行なわれており、根巻きの必要がない利点を有す
る。しかし穴の底に上記のように土砂jが堆積するとポ
ットの角がつぶれ、好ましくない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の経緯に
より、また上記の事情に基づいてなされたものであり、
その課題は、掘削した穴の底の平面度を良好に保ち、土
をならすなどの作業を不用にすることである。
【0005】また本発明は所定の形状の穴を土の状況に
拘ず効率よく掘削すること及びポットの角をつぶさない
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
本発明は、中心部より外周部の方が深い断面形状の底を
有する穴を掘削するために、中心部より掘削方向へ突出
した外周部を有する刃先部を回転羽根の先端部に設ける
という手段を講じたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明に係る自走式穴掘り機は、
植物を植え付けるために、圃場Fに必要な深さの穴Hを
掘るための装置である。ここでいう圃場Fとは耕耘され
たものも耕耘されていないものも含む。
【0008】推進手段としては、耕耘された圃場Fを確
実に移動することができる必要があるので、本発明にお
いては無限軌道11が不可欠である。無限軌道11は、
クローラーであるとか、キャタピラと通称されるもので
あり、本体10の左右に夫々設けられた駆動輪18と従
動輪19間に履帯をかけ渡した構造を有する。無限軌道
11の動力には、例えば内燃エンジンなどの原動機12
が本体10に搭載される。本体10には油圧装置13も
搭載される。油圧を発生させるための動力源は独立に設
けたり、また外部から供給しても良いが、推進手段の原
動機12の動力を使用することも可能である。
【0009】図示の実施例の場合、原動機12には大出
力のガソリンエンジンを使用し、出力を走行系と油圧装
置の動力源に利用している。走行系の動力源は上記駆動
輪への動力接・断用の走行クラッチを介して変速機へ入
力される。他方、油圧系の動力のために原動機12は油
圧ポンプを駆動する。
【0010】本発明の穴堀り機では従来の穴掘り機にお
ける土砂残留の問題が解決されている。前記した半人力
用の動力穴掘り機(いわゆるハンドオーガー)の場合、
これをそのまま使用したのでは十分に掘削できず、掘り
くずした土砂を持ち上げて外に出すための取り扱いを経
験で体得する必要があった。このような操作ができない
動力穴掘り機では掘った穴の中に半分以上の土砂が残留
してしまい、その後のかき出しが大変なため、実用にな
らなかったという事情がある。この原因を追求した結
果、従来機ではオーガーの回転にも拘らず土砂が十分に
上がってこず、すき間から落下することが判明した。そ
こで本発明では原動機12を大出力のものとして、オー
ガー17の回転速度を従来の100〜150rpmから
倍速の250〜300rpmに高め、オーガー17の跳
ね飛ばす土砂及び高速回転するオーガー17から作業者
を保護するため作業者を本体床板28上に搭乗させ、か
つ間に枠体などの構造物を配置して跳ね飛ばされる土砂
からの遮蔽体29とした。これらの対策を講じた結果、
オーガー自体の構造は変えることなく回転速度及びトル
クの増大により掘削した土砂を上昇させ穴の外へほぼ完
全に放出することが可能になった。即ち、土質による差
はあるが、後工程に何ら問題のない程度となった。な
お、オーガー17は土砂を掘削したあと跳ね飛ばすこと
を目的とするので、高速回転とはこの目的を達する回転
速度を意味する。従って上記回転速度は飽くまで例示で
あり、穴の深浅や土砂の軽重、或いはオーガー17の回
転トルクの大小に応じて上記回転速度の範囲外に変更し
得る。
【0011】このようなオーガー17について、本発明
では、中心部より外周部の方が深い断面形状の底を有す
る穴Hを掘削するために、中心部より外周部の方が掘削
方向へ突出した刃先部21を回転羽根20の先端部に設
けている。例示のオーガー17は螺旋形の回転羽根20
を回転軸体22に取り付けた構造を有し、回転軸Rに直
交した線Lよりも角度θだけ傾斜した刃先部21を持つ
ように前縁部を加工している。例示の刃先部21は中心
部よりに平坦部を有してその外周のみ角度θだけ傾斜し
た形状を有するのでこのオーガー17によって掘削され
た穴Hの底Iは外周部にほぼV字型の溝Mが形成され
る。この溝Mは穴Hの縁から内部へ落下すると考えられ
る量の土砂Jを吸収して底Iを平坦に保つ。前進方向へ
傾斜した刃先部21の形状は例示のものに限られない。
【0012】刃先部21の構造について説明を補足す
る。図7(a)(b)は、回転軸Rから半径方向へのび
る線Lよりも途中から回転方向前方へ前進した傾斜状の
刃先部21を有する例である。図7(c)(d)は、半
径方向へのびる線Lよりも回転方向後方へ後退した傾斜
状の刃先部21を有する例であり、刃先部21は回転方
向さらに後方の折線L′にて下向きに曲げられる。
【0013】また本発明においては土砂に対するオーガ
ー17の摩擦力を軽減する工夫が払われている。螺旋形
の回転羽根20によって穴を掘るときには遠心力で土砂
が外方へ移動し、そこで土砂と回転羽根とがすべりなが
ら掘削が進行する。ここに発生する摩擦力は回転羽根2
0の回転の大きな負担となり、土砂が湿っている場合に
は特に顕著である。この点を解決するため本発明ではオ
ーガー17の上面、つまり掘削時に土砂が滑る面23
に、進行方向に対して楔形状に形成した突起24を設け
る。図8〜図10参照。
【0014】例示の突起24は回転羽根20の外周に設
けてあり、回転方向へ複数箇所、等間隔に配置されてい
る。突起24はその斜面25に当たった土砂を跳ね上げ
て散らし、図10のPの範囲で摩擦力を軽減させ、かつ
穴Hの内壁面Nと土砂が滑る面23との間の土砂の量を
減少させ、同様に摩擦力を軽減させる。突起24は別製
の楔形部材を回転羽根20に溶接等により取り付けるほ
か、羽根自体のプレス加工等によっても形成することが
できる。
【0015】図において30は作業者が座る運転座席、
31は操作盤部であり、走行クラッチ操作部32と変速
機操作レバー33、サイドクラッチ34及びメインスロ
ットルレバー35を含む走行系と、油圧ポンプのオンオ
フ用スイッチ兼用のスロットル36、及びクラッチ3
7、オーガー昇降のための油圧シリンダの操作レバー3
8等を有する。39は後述する方向維持装置の昇降レバ
ー、40はカウンター、41はそのリセットボタンであ
り、推進手段による本機の移動距離Sを測定する。この
距離Sは前後の穴の間隔の決定に必要であり、例えば走
行系の回転軸の回転数を演算することから実距離を算出
し、かつ設定値毎に音や光を表示する。
【0016】掘削及び土砂排出を行なうオーガー17
は、左右の枠体15、15に夫々取り付けられた油圧回
転機16によって駆動され、穴を掘るために回転する、
と同時に昇降可能に構成される。オーガー用の油圧回転
機16の取り付けのため、枠体42を本体10の一端
部、図例では後端部に設置する。同枠体42は上下方向
のガイドレール43と、同ガイドレール43に沿って上
下動可能に設けられた上下動枠44とを有している。上
下動枠44の左右に枠体15が夫々設けられているの
で、枠体42に据え付けられた昇降用シリンダ装置14
の作動によりピストン45が伸縮し、ピストン先端を接
続した上下動枠44とともに左右の枠体15も昇降す
る。昇降量、特に下限及び上限などはリミットスイッチ
その他の検出手段によって検出し、穴の深さを一定に管
理することができる。これは自動制御も可能である。
【0017】左右の枠体15の間隔を調節可能とするた
めに、上下動枠44の左右方向に突出する幅調整用ガイ
ドレール46を設け、左右の枠体15を同方向へ移動可
能に支持する。またガイドレール46と平行に捩子47
を回転可能に取り付け、そのねじ部と螺合するナット部
47′を左右の枠体15に設け、ハンドル48の操作に
よって左右枠体15の位置を調整する。中央には第3の
枠体15′を設けることができる。これは上下動枠44
に直かに取り付けられる。各枠体15、15、15′に
は回転軸を垂直方向にして油圧回転機16、16、1
6′を設置し、各回転機16、16、16′にはオーガ
ー17を夫々着脱可能に取り付ける。なお、中央の油圧
回転機16′は左右いずれかの油圧回転機16を移設す
ることで済ませることができるが、専用機を設けてお
き、オーガーのみ着脱しても良い。
【0018】本体10の後端には、2組のオーガー17
が本体前後方向と直交する、左右方向に並列する。その
左右いずれか側方に測標18を取り付けることができ
る。測標18は、既設の穴または穴位置を示す目印に自
機の位置、つまりオーガー17による穴掘り位置を合わ
せるためのものであるから、オーガー17の回転軸を結
んだ線の外方延長上へ枠体42から延びる伸縮可能な延
出杆49と、その先端に測標18を設けた縦杆19とを
設けて構成する。縦杆19は上下動可能とすることがで
きる。
【0019】さらに、本体10の移動方向を一定に保つ
方向維持装置50を本体10に併設することができる。
これは一種の操向装置であり、図示の例は特に、耕され
た圃場で直進性を得るためのものである。同装置50
は、圃場Fの土砂に切り込むように接する細長いブレー
ド51と、ブレード51を上下動可能に支持する支持筒
52、ブレード51を圃場Fの土砂に加圧するばね5
3、及び不使用時にブレード51を引き上げておき、使
用時に下降させるためのシリンダ装置54とを有してい
る。このほか、穴掘り時に放出される土砂が既設の穴を
埋めないように、穴を囲むか覆うための土砂流れ込み防
止機構55や、或いは傾斜地に鉛直な穴を掘るため、オ
ーガーを傾斜させるための傾斜装置等を設けることも可
能である。
【0020】このような構成を有する本発明の装置にお
いて、圃場Fに穴掘りを実施するとオーガー17によっ
て掘削された穴Hは中心部よりも外周部の方が深い断面
形状の底Iを持った穴となる。図5。故に、一旦掘り上
げた土砂がくずれ落ちても溝Mが埋まるだけで、底面全
体としてはほぼ平坦となり、ポット栽培の樹木を植えて
も、ポット底部の角をつぶすことはない。また穴Hの掘
削中、土砂は突起24によって跳ねとばされるので、回
転羽根20にかかる摩擦力が著しく軽減されることとな
る。
【0021】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成されかつ作用す
るものであるから、掘削された穴の底の平面性が良好に
保たれ、事後、土をならす必要がないという効果があ
り、回転羽根に突起を設けた場合には摩擦力が著しく軽
減され、従って動力を一定とすれば突起を設けない場合
に比較して掘削能力が飛躍的に向上し、逆に一定径の穴
を掘る場合は突起を設けたことによって、より小さい動
力で足りるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象である穴掘り機の1実施例を示す
後面図。
【図2】同上の側面図。
【図3】同上の平面図。
【図4】本発明に係るオーガーの1例の要部を示す側面
図。
【図5】同上オーガーによって掘った穴の断面図。
【図6】土砂で溝が埋まった穴の断面図。
【図7】(a)刃先部の1例を示す側面図。 (b)図(a)の断面説明図。 (c)刃先部の他例を示す側面図。 (d)図(c)の断面説明図。
【図8】本発明に係るオーガーの他の例の要部を示す側
面図。
【図9】回転羽根の平面図。
【図10】同上の作用説明図。
【図11】従来のオーガーの要部を示す側面図。
【図12】従来のオーガーで掘った穴の断面図。
【図13】土砂で埋まった穴の断面図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地面に穴を掘るため回転軸周りに回転可
    能に設けた回転羽根を有する穴掘り機用オーガーであっ
    て、中心部より外周部の方が深い断面形状の底を有する
    穴を掘削するために、中心部より掘削方向へ突出した外
    周部を有する刃先部を回転羽根の先端部に設けたことを
    特徴とする穴掘り機用オーガー。
  2. 【請求項2】 オーガーは螺旋形の回転羽根を回転軸体
    に取り付けた構造を有し、回転軸に直交した線よりも角
    度θだけ傾斜した刃先部を持つように前縁部を加工した
    構造を有する請求項1記載の穴掘り機用オーガー。
  3. 【請求項3】 地面に穴を掘るため回転軸周りに回転可
    能に設けた回転羽根を有する穴掘り機用オーガーであっ
    て、オーガーによる掘削時に土砂が滑る面に土砂を跳ね
    上げて摩擦を軽減する楔形状の突起を設けたことを特徴
    とする穴掘り機用オーガー。
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