JPH11325623A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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Publication number
JPH11325623A
JPH11325623A JP12559898A JP12559898A JPH11325623A JP H11325623 A JPH11325623 A JP H11325623A JP 12559898 A JP12559898 A JP 12559898A JP 12559898 A JP12559898 A JP 12559898A JP H11325623 A JPH11325623 A JP H11325623A
Authority
JP
Japan
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refrigerant
heat exchanger
compressor
engine
air conditioner
Prior art date
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Application number
JP12559898A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Taniguchi
博昭 谷口
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Publication of JPH11325623A publication Critical patent/JPH11325623A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヒートポンプ式の車両用空調装置であって、
暖房運転時にエンジン停止された場合に車室内の温度の
低下を抑制し得るよう構成されたものにおいて、その暖
房効率を簡易な構造により向上させる。 【解決手段】 車両用空調装置をエンジンにより駆動さ
れる圧縮機1と、切換弁2と、室内側熱交換器3と、オ
リフィスチューブ4と、エンジン冷却水により冷媒を加
熱する室外側熱交換器5とを閉ループに構成する。室内
側熱交換器を、その下端が室外側熱交換器の下端よりも
高低差Hだけ高い位置に、かつ、オリフィスチューブの
下端よりも高低差hだけ高い位置になるよう配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒートポンプ式の
車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の車両用空調装置とし
て、暖房運転中にエンジンを停止させた場合に車室温度
を低下しにくくするものが知られている(例えば、特開
平8−91045号公報参照)。このものでは、エンジ
ンによって駆動される圧縮機、冷媒の流路を切り替える
四方向弁、冷房時は蒸発器として作動し且つ暖房時は凝
縮器として作動する室内側熱交換器、圧力損失を発生さ
せる固定絞り、冷房時は凝縮器として作動し且つ暖房時
は蒸発器として作動する室外側熱交換器、及び、冷媒を
エンジン冷却水の熱源で加熱する冷媒加熱器が冷媒配管
により順次接続されている。そして、上記冷媒加熱器と
四方向弁との間、及び、この四方向弁と室内側熱交換器
との間に通常は開弁する第1及び第2開閉弁をそれぞれ
設けている。そして、暖房運転中にエンジンを停止させ
た場合に、上記第1及び第2開閉弁を共に閉弁しかつ室
内側熱交換器への送風ファンを継続作動させることによ
り、上記室外側熱交換器をエンジン冷却水の余熱で加熱
する吸熱側とし、上記室内側熱交換器を放熱側として、
上記第1開閉弁から冷媒加熱器、室外側熱交換器、固定
絞り、室内側熱交換器、及び、第2開閉弁までの部分を
ヒートパイプとして作用するようにして、車室内の温度
の低下を抑えようとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、暖房運転中
にエンジンを停止させた場合に車室内の温度の低下を抑
制することは、例えば信号停止時のアイドリングストッ
プのようにエンジンを短時間停止させる場合に有効であ
る。また、車室内の温度の低下を抑制することにより、
例えば車室内の温度が低下した場合に相対的に湿度が上
昇することよってウインドウガラスが曇ってしまうこと
も防止される。
【0004】ところが、上記従来の車両用空調装置にお
いてエンジン停止時には、室外側熱交換器において吸熱
して気化した気相冷媒を室内側熱交換器に向けて移動さ
せる一方、室内側熱交換器において放熱して液化した液
相冷媒を上記室外側熱交換器に向けて移動させるという
ように、気相冷媒と液相冷媒とを同じ1本の配管内で互
いに逆方向に流通させるようにしているため、絞り弁に
おいて上記気相及び液相冷媒が互いに流れを妨げ合って
しまうようになる。このため、室外側及び室内側熱交換
器での冷媒の凝縮及び蒸発が効果的に行われず、その結
果、暖房効率が低下してしまうという問題がある。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、ヒートポンプ
式の車両用空調装置であって、暖房運転時にエンジンが
停止された場合に車室内の温度の低下を抑制し得るよう
構成されたものにおいて、その暖房効率を簡易な構造に
より向上させることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、エンジンにより駆動されて
冷媒を圧縮する圧縮機と、上記エンジンの作動に基づく
発熱を受けて加熱される加熱媒体により冷媒を加熱する
室外側熱交換器と、上記冷媒の潜熱により空調を行う室
内側熱交換器と、冷媒に圧力損失を発生させる圧力損失
発生手段とが冷媒配管により連通された車両用空調装置
を前提としている。このものにおいて、冷媒配管を、冷
媒が上記圧縮機から室内側熱交換器、圧力損失発生手
段、及び、室外側熱交換器を通って再び上記圧縮機に戻
るように閉ループに構成し、上記室内側熱交換器を、そ
の下端が上記室外側熱交換器の下端、及び、上記圧力損
失発生手段の下端の双方よりも高い位置になるよう配設
する構成とするものである。なお、上記「圧縮機」とし
ては、例えばターボ式のように作動を停止させても冷媒
自体は入口と出口との間を素通り可能なものを用いれば
よい。
【0007】上記の構成の場合、エンジンにより圧縮機
が作動される通常空調時には、上記圧縮機により圧縮さ
れた高温高圧の気相冷媒が、室内側熱交換器において放
熱して低温高圧の液相冷媒となる。そして、圧力損失発
生手段により減圧されて低圧低温の気液混合冷媒とな
り、室外側熱交換器において加熱されて高温低圧の気相
冷媒となって上記圧縮機に戻される。このように、冷媒
の放熱と吸熱とのサイクルを繰り返しながら閉ループ内
を循環することにより暖房が行われる。
【0008】そして、暖房運転時に上記エンジンが停止
されることによって圧縮機が停止した時には、上記室内
側熱交換器と圧力損失発生手段との間、及び、上記圧力
損失発生手段と室外側熱交換器との間の冷媒配管内は液
相冷媒に満たされた状態になっており、しかも、室内側
熱交換器が圧力損失発生手段よりも上下方向に高い位置
に配設されているため、上記冷媒配管内の液相冷媒に作
用する重力によって、この液相冷媒は室内側熱交換器か
ら室外側熱交換器に向かって流れるようになる。この重
力の作用による液相冷媒の質量流量は、圧縮機の作動に
よる液相冷媒の質量流量に比べ低下しているため、上記
圧力損失発生手段による減圧がほとんどなされず、上記
圧力損失発生手段と室外側熱交換器との間の冷媒配管内
も液相冷媒により次第に満たされていく。そして、室内
側熱交換器が室外側熱交換器よりも高い位置に配設され
ているため、上記圧力損失発生手段と室外側熱交換器と
の間の冷媒配管内も液相冷媒により満たされて上記液相
冷媒が室外側熱交換器内に到達する。この室外側熱交換
器では、エンジン発熱に基づく加熱媒体の余熱によっ
て、液相冷媒が沸騰して気化する。そして、この気相冷
媒が上記圧縮機の内部を素通りして再び上記室内側熱交
換器に戻る。この室内側熱交換器に戻った気相冷媒は放
熱して液相冷媒となり、再び重力が作用することにより
室外側熱交換器の方に流れるようになる。
【0009】このように、室外側熱交換器を圧力損失発
生手段及び室外側熱交換器よりも高い位置に配設するこ
とによって、重力の作用及び加熱冷媒の余熱により冷媒
が吸熱と放熱とを繰り返しながら閉ループ内を自動的に
循環する。このため、エンジン停止時の車室内の温度の
低下が抑制される。しかも、上記冷媒は閉ループ内を一
方向のみに循環するため、従来の車両用空調装置のヒー
トパイプとして作用させる場合に生じる冷媒の流れの妨
げはなく、また、冷媒はサイフォンの原理により循環す
るため閉ループ内を活発に循環することが可能になる。
これにより、エンジン停止時の暖房効率を向上させるこ
とが可能になる。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、圧縮機の入口側及び出口側の両側位置の冷
媒配管に介装され、上記圧縮機により圧縮された冷媒の
供給状態を切り替える供給状態切替手段を備え、上記供
給状態切替手段を、上記圧縮機出口と室内側熱交換器と
が互いに連通し上記圧縮機入口と室外側熱交換器とが互
いに連通した暖房運転状態と、上記圧縮機出口と室外側
熱交換器とが互いに連通し上記圧縮機入口と室内側熱交
換器とが互いに連通した冷房運転状態とに相互に切替可
能になるよう構成するものである。
【0011】上記の構成の場合、冷暖房を行うヒートポ
ンプ式の車両用空調装置が構成され、供給状態切替手段
により冷房運転状態にして冷媒を室外側熱交換器から室
内側熱交換器に向けて流した場合には、圧縮機により圧
縮された高温高圧の気相冷媒は、室外側熱交換器におい
て凝縮して放熱し低温高圧の液相冷媒になる。そして、
圧力損失発生手段により減圧されて低温低圧の気液混合
冷媒になり、室内側熱交換器において上記冷媒が蒸発さ
れて吸熱し、これにより気相となった冷媒が上記圧縮機
に戻される。このような冷媒の吸熱と放熱とのサイクル
により車室内の冷房を行うことが可能になる。
【0012】一方、上記供給状態切替手段により暖房運
転状態にして冷媒を室内側熱交換器から室外側熱交換器
に向けて流した場合には、圧縮機により圧縮された高温
高圧の気相冷媒は室内側熱交換器において凝縮して放熱
し低温高圧の液相冷媒となる。そして、圧力損失発生手
段により減圧されて低温低圧の気液混合冷媒となり、室
外側熱交換器において加熱されて高温低圧の気相冷媒と
なった冷媒が上記圧縮機に戻される。このような冷媒の
放熱と吸熱のサイクルにより車室内の暖房を行うことが
可能になる。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
明において、供給状態切替手段を、エンジン停止時には
圧縮機をバイパスして冷媒を流通するよう構成するもの
である。
【0014】ところで、圧縮機が例えば往復ピストン式
であれば、エンジン停止時に冷媒が循環するときに上記
圧縮機内部の逆止弁により圧力損失が発生してしまって
効果的に上記冷媒を循環させることができなくなる。ま
た、上記圧縮機が例えばロータリーベーン式である場合
や、スクロール式である場合には、圧縮機の停止時には
冷媒が上記圧縮機内を通過することが不可能になる。し
かしながら、上記の構成の場合、上記供給状態切替手段
により、エンジン停止時には圧縮機をバイパスして冷媒
を循環させることにより、上記圧縮機の形式の如何に拘
わらず上記冷媒を循環させて車室内の温度の低下を抑制
することが可能になる。しかも、圧縮機をバイパスする
ことにより冷媒の流路長が短くなるため、管路抵抗を低
減させて冷媒を効果的に循環させることが可能になり、
暖房効率のより一層の向上が図られる。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1または請
求項2記載の発明において、圧縮機をバイパスするバイ
パス流路を備え、上記バイパス流路に、暖房中にエンジ
ンが停止された場合にのみ冷媒の流通を許容する冷媒流
通許容手段を備える構成とするものである。
【0016】上記の構成の場合、圧縮機の形式によっ
て、エンジン停止時の冷媒の循環時に圧力損失が発生し
たり、上記圧縮機内を通過することが不可能であったり
しても、バイパス流路を設けることにより冷媒はバイパ
ス流路を通って閉ループ内を循環することが可能にな
り、冷媒を効率よく循環させて暖房効率を向上させつ
つ、車室内の温度の低下を抑制することが可能になる。
しかも、冷媒流通許容手段によって暖房中にエンジンが
停止された場合にのみバイパス流路内を冷媒が流通する
ため、上記バイパス流路は、圧縮機の作動による通常の
空調時には上記冷媒の循環に影響を及ぼすことがなく、
上記バイパス流路を設けても通常空調時には圧縮機の作
動により通常の車室の空調を行うことが可能になる。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項4記載の発
明において、冷媒流通許容手段を、圧縮機出口から入口
に向かう方向への流れを阻止する逆止弁により構成する
ものである。
【0018】上記の構成の場合、圧縮機の作動により車
室内の空調を行う通常空調の場合には、逆止弁によって
圧縮機出口からバイパス流路を通って入口に向かって流
れることが阻止され、通常の空調を行うことが可能にな
る。一方、エンジン停止時には、上記逆止弁は、圧縮機
入口から出口方向に上記バイパス流路を通る流れを許容
するため、冷媒は放熱と吸熱とを繰り返しながら上記バ
イパス流路を通って閉ループ内を循環することが可能に
なる。このため、エンジン停止時には、車室内の温度の
低下を効果的に抑制することが可能になる。
【0019】請求項6記載の発明は、請求項1〜請求項
5記載のいずれかの発明において、室外側熱交換器を、
エンジン冷却水により冷媒を加熱するよう構成するもの
である。
【0020】上記の構成の場合、エンジン停止時には、
室外側熱交換器においてエンジン冷却水の余熱を利用し
て冷媒を気化させることが可能になり、冷媒が放熱と吸
熱とを繰り返しながら閉ループ内を自動的に循環して車
室内の温度の低下を抑制することが可能になる。このよ
うに、例えばエンジン停止時に冷媒を加熱するために新
たな設備その他を備えなくても、上記エンジン冷却水の
余熱を有効に利用して車室の温度低下を効果的に抑制す
ることが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0022】<第1実施形態>図1は、本発明の第1実
施形態に係るヒートポンプ式の車両用空調装置の回路図
を示し、1はエンジン駆動されるターボ式に構成された
圧縮機、2は冷媒の流路を切り替える供給状態切替手段
としての切換弁、3は冷媒の潜熱により車室の空調を行
う車室側熱交換器、4は圧力損失発生手段としてのオリ
フィスチューブ、5はエンジン冷却水により冷媒加熱す
る室外側熱交換器であり、上記圧縮機1、切換弁2、室
内側熱交換器3、オリフィスチューブ4、及び、室外側
熱交換器5が冷媒配管により順次接続されている。
【0023】上記切換弁2は、室外側熱交換器5から室
内側熱交換器3に向かって冷媒を流通させる冷房ポジシ
ョン2aと(同図の破線の矢印参照)、室内側熱交換器
3から室外側熱交換器5に向かって冷媒を流通させる暖
房ポジション2bと(同図の実線の矢印参照)を備えた
四方向二位置切換弁に構成されており、ソレノイド駆動
により上記各ポジション2a,2bに切り替えられるよ
うになっている。
【0024】上記室内側熱交換器3は、車室内に空調風
を送風するためのファン3aを備えている一方、上記室
外側熱交換器5には、エンジン冷却水用通路5aが設け
られており、このエンジン冷却水用通路5aにエンジン
冷却水を流すことにより冷媒を加熱するように構成され
ている。
【0025】そして、上記室内側熱交換器3は、その下
端がオリフィスチューブ4の下端よりも高低差hだけ上
方になるよう配設され、かつ、上記室外側熱交換器5の
下端よりも高低差Hだけ上方になるよう配設されてい
る。
【0026】上記車両用空調装置において、冷房運転時
には上記切換弁2を冷房ポジション2aにして、圧縮機
1において圧縮された高温高圧の気相冷媒を室外側熱交
換器5において凝縮させて放熱し低温高圧の液相冷媒に
する。そして、オリフィスチューブ4により減圧して低
温低圧の気液混合冷媒にして、室内側熱交換器3におい
て上記冷媒を蒸発させて吸熱し空気を冷却する。この冷
却した空気をファン3aにより車室内に送風する。そし
て、上記室内側熱交換器3から再び圧縮機1に冷媒を戻
すようにする(同図の破線の矢印参照)。
【0027】一方、暖房運転時には上記切換弁2を暖房
ポジション2bにし、上記圧縮機1において圧縮された
高温高圧の気相冷媒を上記切換弁2、室内側熱交換器
3、オリフィスチューブ4、及び、室外側熱交換器5を
介して上記圧縮機1に戻すようにしている(同図の実線
の矢印参照)。この暖房運転時の冷媒の状態は、図2に
示すように、室内側熱交換器3では、上記圧縮機1によ
り圧縮された高温高圧の気相冷媒を凝縮させることによ
り、気相冷媒が占める領域3Gと、気液混合冷媒が占め
る領域3Mと、液相冷媒が占める領域3Lとが存在する
ようになる。そして、上記室内側熱交換器3からオリフ
ィスチューブ4までの間の冷媒配管6aは液相冷媒で満
たされるようになる。次いで、上記オリフィスチューブ
4により減圧されて上記オリフィスチューブ4から室外
側熱交換器5までの間の冷媒配管6bは気液混合冷媒で
満たされるようになる。そして、上記室外側熱交換器5
では気液混合冷媒を蒸発させることにより、気液混合冷
媒が占める領域5Mと気相冷媒が占める領域5Gとが存
在するようになる。
【0028】つぎに、上記第1実施形態の作用・効果を
説明する。
【0029】エンジンを停止して圧縮機1の作動が停止
した状態では、図3に示すように、上記室内側熱交換器
3とオリフィスチューブ4との間の冷媒配管6a内は液
相冷媒で満たされた状態にあり、かつ、上記室内側熱交
換器3はオリフィスチューブ4の下端よりも高低差hだ
け上方になるよう配設されているため、上記室内側熱交
換器3とオリフィスチューブ4との間の冷媒配管6a内
の液相冷媒には、上記高さ高低差hに応じた重力が作用
するようになる。このため、上記液相冷媒には上記室外
側熱交換器5に向かう方向に流れようとする力が作用す
るようになる。この冷媒に作用する力により、上記室内
側熱交換器3内の液相冷媒はオリフィスチューブ4を通
って上記室外側熱交換器5に向かって流れるようにな
る。上記オリフィスチューブ4では、冷媒の質量流量が
低下しているため減圧されることはほとんどなく、上記
液相冷媒は液化した状態のまま上記オリフィスチューブ
4と室外側熱交換器5との間の冷媒配管6b内を満たし
ていくようになる。そして、上記室内側熱交換器3は、
その下端が室外側熱交換器5の下端よりも高低差Hだけ
上方になるよう配設されているため、上記液相冷媒は上
記室外側熱交換器5内に流入するようになる。そのた
め、上記室外側熱交換器5に液相冷媒が占める領域5L
が存在するようになる。そして、エンジン停止直後であ
ればエンジン冷却水の余熱により、上記室外側熱交換器
5内の液相冷媒が沸騰して気泡が発生し、気液混合冷媒
が占める領域5M、及び、気相冷媒が占める領域5Gが
存在するようになる。この気相冷媒は上記圧縮機1に戻
り、この圧縮機1を素通りして再び上記室内側熱交換器
3において凝縮して液相冷媒となる(同図の3G,3
M,3L参照)。上記室内側熱交換器3内の液相冷媒
は、再び重力が作用することにより室外側熱交換器5の
方に流れるようになる。このような冷媒の循環は上記エ
ンジン冷却水が冷えて冷媒が上記室外側熱交換器5にお
いて沸騰されなくなるまで続くことになる。
【0030】このように、室内側熱交換器3の下端がオ
リフィスチューブ4及び室外側熱交換器5の下端よりも
上方になるよう上記室内側熱交換器3を配設することに
よって、重力の作用及びエンジン冷却水の余熱により冷
媒が吸熱と放熱とを繰り返しながら閉ループ内を自動的
に循環することができる。このため、エンジン停止時の
車室内の温度の低下を抑制することができるようにな
る。しかも、上記冷媒は閉ループ内を一方向のみに循環
するため、従来の車両用空調装置に生じる冷媒流れの妨
げはなく、また、冷媒はサイフォンの原理により循環す
るため活発に閉ループ内を循環することが可能になる。
これにより、エンジン停止時の暖房効率を向上させるこ
とができるようになる。
【0031】特に、信号停止時のアイドリングストップ
のようなイグニッションスイッチをアクセサリ位置(A
CC位置)にした状態では、ファン3aが作動するため
上記室内側熱交換器3により加熱された空気は車室内に
送風されるようになり、車室内の温度の低下をより一層
効果的に抑制することができるようになる。さらに、ア
イドリングストップのようなエンジンを短時間停止させ
るような場合では、そのエンジン停止の間はエンジン冷
却水の余熱により液相冷媒を沸騰させることが十分に可
能であり、車室内の温度低下の防止を効果的に行うこと
ができるようになる。
【0032】なお、上記室内側熱交換器3と室外側熱交
換器5との間の高低差H、及び、室内側熱交換器3とオ
リフィスチューブ4との間の高低差hは、冷媒の比重
と、冷媒の動粘性係数と、冷媒配管の内径とに応じて決
定すればよく、例えば、上記室内側熱交換器3はインス
トルメントパネルの裏側に配設する一方、上記室外側熱
交換器5はタイヤハウスの前側に配設するようにすれ
ば、冷媒を循環させることができるようになる。
【0033】<第2実施形態>図4は本発明の第2実施
形態に係るヒートポンプ式の車両用空調装置の回路図を
示し、このものでは、上記第1実施形態とは異なり、四
方向二位置切換弁である切換弁2の代わりに、冷房ポジ
ション7aと暖房ポジション7bとに加えて圧縮機1を
バイパスするバイパスポジション7cを備えた四方向三
位置切換弁に構成された供給状態切替手段としての切換
弁7を備えている。
【0034】なお、上記車両用空調装置のその他の構成
は第1実施形態のものと同様であるために、同一部材に
は同一符号を付して、その説明は省略する。
【0035】そして、上記第2実施形態の場合、暖房運
転中にエンジンを停止させれば、上記切換弁7をバイパ
スポジション7cにする。この状態では、冷媒は室内側
熱交換器3からオリフィスチューブ4を介して室外側熱
交換器5に流入して再び上記室内側熱交換器3に戻るよ
うな閉ループを循環するようになる(同図の矢印参
照)。このため、例えば、上記圧縮機がターボ式ではな
くて、往復ピストン式のように冷媒が通過するように上
記圧縮機内部の逆止弁により圧力損失が発生してしまう
ものであっても、上記圧縮機が例えばロータリーベーン
式やスクロール式のように圧縮機の停止状態であっては
その内部を冷媒が通過することが不可能なものであって
も、上記圧縮機の形式の如何に拘わらず上記冷媒を循環
させて車室内の温度の低下を抑制することができるよう
になる。しかも、圧縮機1をバイパスすることにより冷
媒の流路長が短くなるため、管路抵抗を低減させて冷媒
を効果的に循環させることが可能になり、暖房効率のよ
り一層の向上を図ることができる。
【0036】<第3実施形態>図5は本発明の第3実施
形態に係るヒートポンプ式の車両用空調装置の回路図を
示し、このものでは、上記圧縮機1に並列にバイパス流
路6cを配設している。そして、上記バイパス流路6c
に、圧縮機1の入口から出口方向への流れのみを許容す
る冷媒流通許容手段としての逆止弁8を介設している。
【0037】なお、上記車両用空調装置のその他の構成
は第1実施形態のものと同様であるために、同一部材に
は同一符号を付して、その説明は省略する。
【0038】そして、上記第3実施形態の場合、圧縮機
1により冷媒が循環している通常空調時には上記圧縮機
1の出口側の方が圧力が高くなるため、上記逆止弁8に
よって、冷媒が上記バイパス流路6cを通って上記圧縮
機1の入口側に逆流することが阻止されるようになる。
これにより、上記バイパス流路6cを設けても通常の空
調を何ら問題なく行うことができる。
【0039】そして、暖房運転中にエンジンが停止され
て上記圧縮機1が停止すると、冷媒は室内側熱交換器3
からオリフィスチューブ4を介して室外側熱交換器5に
流入し、上記バイパス流路6cを通って室内側熱交換器
3に戻るようになる。このため、圧縮機の形式によっ
て、エンジン停止時の冷媒の循環時に圧力損失が発生し
たり、上記圧縮機内を通過することが不可能であったり
しても、エンジン停止時に冷媒を効率よく循環させて暖
房効率を向上させつつ、車室内の温度の低下を効果的に
抑制することができるようになる。
【0040】なお、上記逆止弁8においても圧力損失が
生じるが、往復ピストン式圧縮機の内部の逆止弁に比べ
使用条件が緩やかであるため、圧力損失を小さくするよ
うに設計をすることができ、その発生する圧力損失は最
小限に抑えることができる。
【0041】<他の実施形態>なお、本発明は上記第1
〜3実施形態に限定されるものではなく、その他種々の
実施形態を包含するものである。すなわち、上記第1〜
3実施形態では、圧力損失発生手段としてオリフィスチ
ューブ4を用いているが、これに限らず、例えばキャピ
ラリチューブを用いてもよい。また、膨張弁を用いるよ
うにしてもよい。
【0042】上記第3実施形態におけるバイパス流路6
cは、切換弁2よりも圧縮機1側に、この圧縮機1に平
行に配設するのであれば、どこに配設してもよい。
【0043】また、上記高低差H、及び、高低差hとし
ては大きければ大きいほど、つまり、室内側熱交換器3
の配設位置がオリフィスチューブ4及び室外側熱交換器
5の双方の配設位置よりも高ければ高いほど、冷媒が重
力の作用をうけることができるためよい。なお、上記高
低差H、及び、高低差hとしては0以上、つまり、上記
室内側熱交換器3の下端が上記オリフィスチューブ4の
下端及び室外側熱交換器5の下端の双方よりも少しでも
高ければ、冷媒は閉ループ内を循環することができるよ
うになる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明における車両用空調装置によれば、暖房をしていた場
合にエンジンが停止されて圧縮機が停止すると、室外側
熱交換器が圧力損失発生手段及び室外側熱交換器よりも
高い位置に配設されているため、重力の作用及び加熱冷
媒の余熱により冷媒は吸熱と放熱とを繰り返しながら閉
ループ内を自動的に循環することができる。このため、
エンジン停止時にもヒートポンプとして機能し車室内の
温度の低下を抑制することができる。しかも、上記冷媒
は閉ループ内を一方向のみに循環するため、従来の車両
用空調装置に生じた冷媒流れの妨げはなく、また、冷媒
はサイフォンの原理により循環するため活発に閉ループ
内を循環することができる。これにより、エンジン停止
時の暖房効率を向上させることができる。
【0045】請求項2記載の発明によれば、上記請求項
1記載の発明による効果に加えて、冷暖房を行うヒート
ポンプ式の車両用空調装置を構成することができ、冷媒
を室外側熱交換器から室内側熱交換器に向けて流した場
合には、冷房を行うことができる一方、冷媒を室内側熱
交換器から室外側熱交換器に向けて流した場合には、暖
房を行うことができる。
【0046】請求項3記載の発明によれば、上記請求項
2記載の発明による効果に加えて、圧縮機の形式によっ
て圧縮機内部の逆止弁で圧力損失が発生したり、冷媒が
上記圧縮機内を通過することが不可能であっても、冷媒
を循環させることが可能になり、上記冷媒を効果的に循
環させて暖房効率の向上を図ることが可能になり、車室
内の温度の低下を抑制することができる。しかも、冷媒
の流路長が短くなるため、管路抵抗を低減させて暖房効
率のより一層の向上を図ることができる。
【0047】請求項4記載の発明によれば、上記請求項
1または請求項2記載の発明による効果に加えて、圧縮
機に形式によって圧縮機内部の逆止弁で圧力損失が発生
したり、冷媒が上記圧縮機内を通過することが不可能で
あっても、冷媒はバイパス流路を通って循環することが
可能になり、車室内の温度の低下を抑制することができ
る。また、上記バイパス流路は通常の空調時には上記冷
媒の循環に影響を及ぼすことがなく、このバイパス流路
を設けても通常空調時には圧縮機の作動により通常の車
室の空調を行うことができる。
【0048】請求項5記載の発明によれば、上記請求項
4記載の発明による効果に加えて、通常空調の場合に
は、逆止弁によって圧縮機出口からバイパス流路を通っ
て入口に向かって流れることが阻止され、通常の空調を
行うことができる一方、エンジン停止時には、冷媒は放
熱と吸熱とを繰り返しながら上記バイパス流路を通って
閉ループ内を循環することができる。このため、エンジ
ン停止時には、車室内の温度の低下を効果的に抑制する
ことができる。
【0049】請求項6記載の発明によれば、上記請求項
1〜請求項5記載のいずれかの発明による効果に加え
て、エンジン停止時には、室外側熱交換器においてエン
ジン冷却水の余熱を利用して冷媒を気化させることが可
能になり、冷媒が放熱と吸熱とを繰り返しながら閉ルー
プ内を自動的に循環して車室内の温度の低下を抑制する
ことができ、上記エンジン冷却水の余熱を有効に利用し
て車室の温度低下を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る車両用空調装置を示す回路
図である。
【図2】通常暖房運転時の冷媒の状態変化を示す説明図
である。
【図3】エンジン停止時の冷媒の状態変化を示す図2対
応図である。
【図4】第2実施形態に係る車両用空調装置を示す図1
対応図である。
【図5】他の実施形態に係る車両用空調装置を示す図1
対応図である。
【符号の説明】
1 圧縮機 2,7 切換弁(供給状態切替手段) 3 室内側熱交換器 4 オリフィスチューブ(圧力損失発生手
段) 5 室外側熱交換器 8 逆止弁(冷媒流通許容手段) 6a,6b 冷媒配管 6c バイパス流路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンにより駆動されて冷媒を圧縮す
    る圧縮機と、上記エンジンの作動に基づく発熱を受けて
    加熱される加熱媒体により冷媒を加熱する室外側熱交換
    器と、上記冷媒の潜熱により空調を行う室内側熱交換器
    と、冷媒に圧力損失を発生させる圧力損失発生手段とが
    冷媒配管により連通された車両用空調装置において、 冷媒配管は、冷媒が上記圧縮機から室内側熱交換器、圧
    力損失発生手段、及び、室外側熱交換器を通って再び上
    記圧縮機に戻るように閉ループに構成され、 上記室内側熱交換器は、その下端が上記室外側熱交換器
    の下端、及び、上記圧力損失発生手段の下端の双方より
    も高い位置になるよう配設されていることを特徴とする
    車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 圧縮機の入口側及び出口側の両側位置の冷媒配管に介装
    され、上記圧縮機により圧縮された冷媒の供給状態を切
    り替える供給状態切替手段を備え、 上記供給状態切替手段は、上記圧縮機出口と室内側熱交
    換器とが互いに連通し上記圧縮機入口と室外側熱交換器
    とが互いに連通した暖房運転状態と、上記圧縮機出口と
    室外側熱交換器とが互いに連通し上記圧縮機入口と室内
    側熱交換器とが互いに連通した冷房運転状態とに相互に
    切替可能になるよう構成されていることを特徴とする車
    両用空調装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、 供給状態切替手段は、エンジン停止時には圧縮機をバイ
    パスして冷媒を流通するよう構成されていることを特徴
    とする車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2において、 圧縮機をバイパスするバイパス流路を備え、 上記バイパス流路には、暖房中にエンジンが停止された
    場合にのみ冷媒の流通を許容する冷媒流通許容手段が備
    えられていることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 冷媒流通許容手段は、冷媒が圧縮機出口から入口に向か
    う方向へ流れることを阻止する逆止弁により構成されて
    いることを特徴とする車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれかにおい
    て、 室外側熱交換器は、エンジン冷却水により冷媒を加熱す
    るよう構成されていることを特徴とする車両用空調装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013250035A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Denso Corp ヒートサイフォン式冷凍サイクル装置
WO2016189741A1 (ja) * 2015-05-28 2016-12-01 日産自動車株式会社 車両用空調システム

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JP2013250035A (ja) * 2012-06-04 2013-12-12 Denso Corp ヒートサイフォン式冷凍サイクル装置
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