JPH11325116A - パワーテイクオフ装置 - Google Patents

パワーテイクオフ装置

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JPH11325116A
JPH11325116A JP10135471A JP13547198A JPH11325116A JP H11325116 A JPH11325116 A JP H11325116A JP 10135471 A JP10135471 A JP 10135471A JP 13547198 A JP13547198 A JP 13547198A JP H11325116 A JPH11325116 A JP H11325116A
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clutch
piston
backlash
plate
clutch plate
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Yasuhiro Yokoyama
泰弘 横山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多板クラッチでのバックラッシュに起因する
騒音の発生を効果的に抑制できるパワーテイクオフ装置
を提供する。 【解決手段】 ピストン28にゴム製のバックラッシュ
抑制部材38を固着し、ピストン28の押圧でクラッチ
プレート25,26が接続操作されたときに、ピストン
28と係合部材18との間でバックラッシュ抑制部材3
8を弾性をもって挟持するように構成したため、エンジ
ンの回転変動によりバックラッシュの範囲内でクラッチ
プレート25と係合部材18とが正逆回転したときに、
バックラッシュ抑制部材が回転方向に弾性変形ながら正
逆回転を規制する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両に搭載された
エンジンを動力源として補助作業機器を駆動するパワー
テイクオフ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載された走行用エンジンを動力
源として利用して、例えば、消防に用いる放水ポンプ等
の補助作業機器を駆動するようにしたパワーテイクオフ
装置が広く実施されている。この種のパワーテイクオフ
装置では、例えば、実開平8−277863号公報に記
載のもののように、内蔵した湿式多板クラッチによりエ
ンジンからの動力を任意に伝達・遮断して、必要時にの
み補助作業機器を作動させるように構成されている。
【0003】具体的には、入力側クラッチプレート及び
出力側クラッチプレートを交互に重合配置して湿式多板
クラッチを構成し、入力側クラッチプレートの外周に、
エンジンにて回転駆動されるクラッチドラムを係合させ
ると共に、出力側クラッチプレートの内周に、放水ポン
プ等と連結されるクラッチハブを係合させ、これらのク
ラッチプレートを軸方向に押圧し得るようにピストンを
配置している。クラッチドラム側はエンジンの運転中は
常時回転しており、ピストンにて押圧されずに多板クラ
ッチが解放されているときには、クラッチハブと共に放
水ポンプが停止保持され、ピストンによる押圧で多板ク
ラッチが接続されると、クラッチハブを介して放水ポン
プが回転駆動されて放水が開始される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記したパワーテイク
オフ装置において、クラッチプレートに対するクラッチ
ドラムやクラッチハブの係合は、相対回転を規制して軸
心方向への移動を許容しなければならない。そこで、入
力側クラッチプレートについては、その外周に形成した
凹凸をクラッチドラムの係合爪に係合させ、又、出力側
クラッチプレートについては、同じく外周に形成した凹
凸をクラッチハブのスプラインに係合させているのであ
るが、特に、入力側クラッチプレートとクラッチドラム
との間には、構造上、ある程度の回転方向のバックラッ
シュが生じるのは避けられない。
【0005】そして、上記のようにパワーテイクオフ装
置を放水ポンプの駆動に用いる場合、多板クラッチを接
続してから放水ポンプ内に水が吸引されて本来の作動が
開始されるまでの間、放水ポンプはほとんど無負荷状態
で回転駆動されるため、クラッチドラムに対して入力側
クラッチプレートがバックラッシュの範囲内で正逆回転
して衝突し、所謂ガラ音と呼ばれる騒音を発生してしま
う。特に、放水を開始するまでの間、回転変動が顕著な
アイドル状態でエンジンを待機させていることが、この
ガラ音の発生を助長させてしまう要因となっている。
【0006】本発明の目的は、多板クラッチでのバック
ラッシュに起因する騒音の発生を効果的に抑制すること
ができるパワーテイクオフ装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、クラッチプレートに対して相対回転不
能に係合部材を係合させて、その係合部材によりエンジ
ン側と補助作業機器側とをクラッチプレートを介して連
結し、ピストンの押圧でクラッチプレートを接続操作し
てエンジンの回転を補助作業機器側に伝達するように
し、更に、ピストンと係合部材との間にバックラッシュ
抑制部材を介装して、ピストンの押圧時に係合部材との
間で弾性をもって挟持されるように構成した。よって、
クラッチプレートが接続操作されて、エンジンの回転変
動でクラッチプレートと係合部材とがその間のバックラ
ッシュの範囲内で正逆回転したときには、バックラッシ
ュ抑制部材が回転方向に弾性変形ながら、その正逆回転
を規制する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を消防用の放水ポン
プに用いるパワーテイクオフ装置に具体化した一実施例
を説明する。
【0009】図はパワーテイクオフ装置の断面を示して
おり、パワーテイクオフ装置のハウジング1はフロント
カバー2、メインボディ3、リアカバー4及びオイルシ
ールカバー5により構成されている。これらの部材2〜
5はボルト6〜8にて相互に連結されると共に、Oリン
グ9,10により油密を保持されている。フロントカバ
ー2とメインボディ3との間にはギア室11が形成さ
れ、ギア室11内にはインプットシャフト12がベアリ
ング13で回転可能に支持されている。ギア室11内に
おいて、インプットシャフト12にはドライブギア14
が固定され、このドライブギア14はアイドルギア15
と歯合している。そして、車両の走行用エンジンの回転
は、図示しない伝達機構によって変速機の箇所より取り
出されて、アイドルギア15を介してドライブギア14
と共にインプットシャフト12を回転駆動するようにな
っている。
【0010】ハウジング1内のメインボディ3とリアカ
バー4との間にはクラッチ室16が形成され、インプッ
トシャフト12の後端はオイルシール17にて油密を保
持された状態でクラッチ室16内に突出して、有底円筒
状の係合部材としてのクラッチドラム18がボルト19
で固定されている。クラッチ室16内において、インプ
ットシャフト12と同一軸線上にはアウトプットシャフ
ト20が配設され、このアウトプットシャフト20の前
端は、インプットシャフト12の後端面に装着されたベ
アリング21により支持され、後部は、リアカバー4に
装着されたベアリング22により支持されて、インプッ
トシャフト12とは独立して回転し得るようになってい
る。
【0011】クラッチ室16内において、アウトプット
シャフト20にはクラッチハブ23が外嵌され、このク
ラッチハブ23はスプライン23a及びスナップリング
24によってアウトプットシャフト20に対して一体的
に固定されている。クラッチハブ23に形成された円筒
状のハブ部23bは、前記クラッチドラム18の内周側
に位置して、ハブ部23bの外周とクラッチドラム18
の内周との間には、リング状をなす複数枚の入力側クラ
ッチプレート25及び出力側クラッチプレート26が交
互に重合配置されている。
【0012】入力側クラッチプレート25の外周には規
則的な凹凸状をなす係合部(図示略)が形成され、これ
らの係合部は、クラッチドラム18に同様の間隔で形成
された係合溝18aに係合している。同様に出力側クラ
ッチプレート26の内周には規則的な凹凸状の係合部
(図示略)が形成され、これらの係合部は、ハブ部23
bの外周に形成されたスプライン23cに係合してい
る。その結果、入力側クラッチプレート25はクラッチ
ドラム18に対して、出力側クラッチプレート26はク
ラッチハブ23に対して、それぞれ相対回転を規制され
て軸心方向への移動を許容されると共に、最前部の出力
側クラッチプレート26は、スナップリング27によっ
て前方への移動を規制されている。これらのクラッチプ
レート25,26によって湿式多板クラッチが構成さ
れ、この多板クラッチは、クラッチ室16内に予め満た
された作動油中でその接続・解放操作が行われる。
【0013】クラッチハブ23のハブ部23bより後側
にはフランジ部23d及びスプライン23eが一体的に
形成され、フランジ部23dの前側には最後部の入力側
クラッチプレート25と相対向して押圧リング28a
が、フランジ部23dの後側にはブレーキリング28b
がそれぞれ前後動可能に外嵌している。ブレーキリング
28bは前方に開口する有底円筒状をなし、その開口部
はフランジ部23dを内包した状態で押圧リング28a
によって閉塞されている。これらの押圧リング28aと
ブレーキリング28bはスナップリング29により一体
化されてピストン28を構成し、ピストン28内は、フ
ランジ部23dにより前側の油圧室30と後側のばね室
31に区画されている。
【0014】ばね室31内において、クラッチハブ23
のフランジ部23dとピストン28のブレーキリング2
8bとの間には複数の圧縮コイルばね32が介装されて
いる。これらの圧縮コイルばね32により、ピストン2
8は常に図に示す後方位置に付勢されて、油圧室30側
の容積を最小とすると共に、その押圧リング28aを最
後部の入力側クラッチプレート25から離間させてい
る。
【0015】ピストン28の後側にはリング状をなすブ
レーキプレート33及びストッパプレート34が配設さ
れ、スナップリング35にて後方への移動を規制されて
いる。ピストン28のブレーキリング28bは圧縮コイ
ルばね32の付勢により、ストッパプレート34との間
でブレーキプレート33を挟持している。ピストン28
及びストッパプレート34は、その内周に形成された係
合部28c,34aをクラッチハブ23のスプライン2
3eに係合させて、クラッチハブ23に対する相対回転
を規制されている。又、ブレーキプレート33は、その
外周に形成された係合部33aをリアカバー4に形成し
た係合溝4aに係合させて、回転を規制されている。つ
まり、アウトプットシャフト20と共に、クラッチハブ
23、出力側クラッチプレート26、ピストン28、及
びストッパプレート34が一体で回転することになる。
【0016】ピストン28の油圧室30は、クラッチハ
ブ23の油路36及びリアカバー4の油路37を介して
図示しない油圧制御回路と連通している。そして、油圧
制御回路から油路36,37を経て油圧室30内に作動
油が供給されると、その油圧でピストン28は図に示す
後方位置から前方位置まで移動され、スナップリング2
7との間で入力側クラッチプレート25及び出力側クラ
ッチプレート26を挟持する。
【0017】ピストン28の押圧リング28aの前面に
は、前記クラッチドラム18の後端面に対応するよう
に、バックラッシュ抑制部材としてのゴム製のバックラ
ッシュ抑制リング38が固着され、このバックラッシュ
抑制リング38は、ピストン28が後方位置のときにク
ラッチドラム18の後端面に対して離間し、ピストン2
8が前方位置のときにクラッチドラム18の後端面との
間で弾性変形して挟持される。
【0018】一方、アウトプットシャフト20の後部
は、オイルシールカバー5に装着されたオイルシール3
9にて油密を保持された状態で外部に突出し、その後端
に固定されたフランジ40には、放水ポンプが取付可能
となっている。
【0019】次に、上記のように構成されたパワーテイ
クオフ装置を用いて消防用の放水ポンプを作動させる場
合を説明する。
【0020】作業に先立ち、放水ポンプは予めフランジ
40に取り付けておく。車両の走行用エンジンを始動さ
せると、その駆動力により図示しない伝達機構及びアイ
ドルギア15を介してドライブギア14と共にインプッ
トシャフト12及びクラッチドラム18が回転駆動され
る。このとき、油圧制御回路から作動油は供給されてい
ないため、圧縮コイルばね32によりピストン28が図
に示す後方位置に切換えられ、入力側クラッチプレート
25及び出力側クラッチプレート26は挟持されずに解
放状態に保持されて、クラッチドラム18の回転はクラ
ッチハブ23に伝達されることなく遮断される。尚、作
動油の粘性でクラッチハブ23側への僅かな回転伝達は
生ずるが、前記したピストン28による固定ブレーキプ
レート33の挟持によって、アウトプットシャフト20
と共に放水ポンプは完全に停止保持される。
【0021】この状態で油圧制御回路から作動油を供給
すると、その油圧によりピストン28が前方位置まで移
動されて、ブレーキプレート33の挟持を中止すると共
に、入力側クラッチプレート25及び出力側クラッチプ
レート26を挟持して接続状態に切換える。よって、ク
ラッチドラム18の回転がクラッチハブ23に伝達され
て、アウトプットシャフト20と共に放水ポンプが回転
駆動される。又、このピストン28の移動に伴って、バ
ックラッシュ抑制リング38はクラッチドラム18の後
端面との間で弾性変形して挟持される。
【0022】従来技術で述べたように、作動開始直後の
放水ポンプは内部に水が吸引されるまでの間、ほとんど
無負荷状態で回転駆動されることになり、しかも、この
ときのエンジンは回転変動が顕著なアイドル状態にあ
る。そして、入力側クラッチプレート25の係合部とク
ラッチドラム18の係合溝18aとの間には、構造上、
ある程度の回転方向のバックラッシュが存在しているた
め、変動を伴って回転するクラッチドラム18に対して
入力側クラッチプレート25がバックラッシュの範囲内
で正逆回転する現象が生ずる。
【0023】このとき、本実施例では、バックラッシュ
抑制リング38が回転方向に弾性変形ながらクラッチド
ラム18と入力側クラッチプレート25との正逆回転を
規制することから、そのクラッチドラム18の係合溝1
8aと入力側クラッチプレート25の係合部との衝突が
防止される。換言すれば、このときのインプットシャフ
ト12の回転は、クラッチドラム18、バックラッシュ
抑制リング38、ピストン28を経てアウトプットシャ
フト20へと伝達されて、クラッチプレート25,26
の代わりに専らバックラッシュ抑制リング38にて回転
伝達が行われる。その結果、バックラッシュに起因する
所謂ガラ音と呼ばれる騒音の発生を効果的に抑制するこ
とができる。
【0024】尚、放水を開始した後の放水ポンプは適度
な回転負荷が発生するため、その回転の伝達は、通常の
パワーテイクオフ装置と同じくクラッチプレート25,
26を介して行われる。そして、この回転負荷によって
バックラッシュ内での正逆回転の現象が防止されるた
め、このときも騒音発生の虞はない。
【0025】以上で実施例の説明を終えるが、本発明の
態様はこの実施例に限定されるものではない。例えば、
上記実施例では、クラッチドラム18と入力側クラッチ
プレート25との間に騒音の原因となるバックラッシュ
が生じているとの前提のもとに、バックラッシュ抑制リ
ング38をクラッチドラム18に圧接させて、クラッチ
ドラム18と入力側クラッチプレート25との正逆回転
を規制した。これは、クラッチプレート25,26の外
周側に位置する側の係合部材(実施例ではクラッチドラ
ム18)に、構造上より多くのバックラッシュが発生す
るためであるが、例えば、クラッチドラム18とクラッ
チハブ23のハブ部23bとの内外の位置関係を逆転さ
せたレイアウトにした場合には、当然、ハブ部23b側
により多くのバックラッシュが発生することになる。よ
って、この場合には、バックラッシュ抑制リング38を
ハブ部23b側に圧接させるように、ピストン28等の
レイアウトを変更すればよい。
【0026】又、上記実施例では、消防用の放水ポンプ
に用いるパワーテイクオフ装置に具体化したが、その用
途はこれに限定されるものではなく、種々に変更可能で
ある。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明のパワーテイ
クオフ装置によれば、ピストンの押圧でクラッチプレー
トが接続操作されたときに、ピストンと係合部材との間
でバックラッシュ抑制部材が弾性をもって挟持されるよ
うに構成したため、エンジンの回転変動でバックラッシ
ュの範囲内でクラッチプレートと係合部材とが正逆回転
したときに、バックラッシュ抑制部材が回転方向に弾性
変形ながら正逆回転を規制して、バックラッシュに起因
する騒音の発生を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のパワーテイクオフ装置を示す断面図で
ある。
【符号の説明】
18 クラッチドラム(係合部材) 23 クラッチハブ(係合部材) 25 入力側クラッチプレート 26 出力側クラッチプレート 28 ピストン 38 バックラッシュ抑制リング(バックラッシュ
抑制部材)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に重合配置されて、ピストンの押圧
    により接続操作されるクラッチプレートと、 前記クラッチプレートに対して相対回転不能に係合し
    て、クラッチプレートを介してエンジン側と補助作業機
    器側とを連結する係合部材と、 前記ピストンと係合部材との間に介装されて、ピストン
    の押圧時に係合部材との間で弾性をもって挟持されるバ
    ックラッシュ抑制部材とを備えたことを特徴とするパワ
    ーテイクオフ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2017493A3 (de) * 2007-07-20 2014-03-12 Wirtgen GmbH Baumaschine,Schaltkupplung, sowie Verfahren zum Schalten des Kraftflusses
CN110273936A (zh) * 2018-03-15 2019-09-24 法雷奥离合器公司 在盘包和反作用器件之间布置有塑料垫片的离合器机构

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CN110273936A (zh) * 2018-03-15 2019-09-24 法雷奥离合器公司 在盘包和反作用器件之间布置有塑料垫片的离合器机构

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