JP2001003954A - 摩擦係合装置及びそれを用いたハイブリッド車輌 - Google Patents

摩擦係合装置及びそれを用いたハイブリッド車輌

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JP2001003954A
JP2001003954A JP11174681A JP17468199A JP2001003954A JP 2001003954 A JP2001003954 A JP 2001003954A JP 11174681 A JP11174681 A JP 11174681A JP 17468199 A JP17468199 A JP 17468199A JP 2001003954 A JP2001003954 A JP 2001003954A
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Kiyotaka Koga
清隆 古賀
Masayuki Takenaka
正幸 竹中
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Aisin AW Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リターンスプリング用リテーナの抜止め用ス
ナップリングをなくして、構造を簡単にすると共に、軸
方向寸法の短縮化を図る。 【解決手段】 センタサポート突出部72aに抜止めし
てフランジ83を挟持し、該フランジは、ピストン82
の押圧力に基づき、ブレーキディスク85及びブレーキ
プレート86を挟圧する反力受け部材となる。フランジ
83の後面外径部分に形成した凹部d内にブレーキディ
スク及びプレートを配置し、前面内径部分に形成した凹
部c内にスナップリング84を配置する。リターンスプ
リング89用リテーナ87をフランジ83にて支持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌に搭載される
自動変速機等の動力伝達装置に用いられる摩擦係合装置
に係り、特にハイブリッド車輌においてジェネレータ
(第1の電気回転手段)を停止状態に保持するための摩
擦係合装置に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧アクチュエータで作用する
摩擦係合装置は、例えば特公平6−13894号公報に
示すように、油圧アクチュエータのシリンダを構成する
センタサポート又は該サポートにボールベアリングを装
着するための圧入スリーブに、リターンスプリング用の
リテーナをスナップリングにて抜止め・固定し、該リテ
ーナとピストンとの間にリターンスプリングを縮設して
いる。従って、上記リテーナ及びスナップリングが必要
不可欠であり、部品点数が多くなると共に、構造が複雑
になっている。
【0003】また、従来、特開平10−44789号公
報に示すようなハイブリッド車輌が提案されている。該
ハイブリッド車輌は、エンジン出力軸の回転をジェネレ
ータ及び駆動車軸にプラネタリギヤを介して分配して伝
達すると共に、電気モータの回転を駆動車軸に伝達して
おり、エンジンの回転によりジェネレータを回転して充
電しつつ、該エンジン回転単独で又は電気モータにアシ
ストされて、駆動車軸を駆動して走行するか、又は電気
モータ単独で駆動車軸を駆動して走行する。
【0004】上記ハイブリッド車輌において、例えば高
速走行状態にありかつバッテリ充電量(SOC)が充分
である場合、ジェネレータを停止して充電しない状態
で、エンジン出力を専ら車輌走行に用いることがある
が、この際、ジェネレータのロータを電気的制御により
停止するのは、該ロータを0回転に保持するようにジェ
ネレータを制御する必要があり、制御が面倒であると共
に効率を低下する虞れがある。
【0005】上記ハイブリッド車輌は、ジェネレータの
ロータを停止するブレーキ装置を設けて、充電を必要と
しない場合、該ブレーキ装置によりロータを機械的に停
止状態としている。該ブレーキ装置4′は、図9に示す
ように、ジェネレータ3のロータ軸15後側を支持する
リヤケース18のリヤサポート18aに油圧サーボ79
を配置し、また反力受け部材(バックアッププレート)
としてのフランジ83を上記リヤサポート18aの十字
溝18bに係合して回止めすると共にスナップリング9
5により抜止めしてリヤサポート18aに固定してい
る。更に、油圧サーボ79のピストン82に隣接して、
リヤサポートに回止めされているブレーキプレート86
が配置され、また該ブレーキプレートと上記フランジ8
3との間に、上記ロータ17と一体に回転するように係
合しているブレーキディスク85が配置されている。
【0006】そして、本ブレーキ装置4′は、前述した
一般の摩擦係合装置と同様に、リヤサポート18aにス
ナップリング96により抜止めされてリテーナ87が装
着されており、該リテーナとピストン82との間にリタ
ーンスプリング89が縮設されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記ブレーキ装置4′
は、前述した一般の摩擦係合装置と同様に、リターンス
プリング用リテーナ87及びその抜止め用のスナップリ
ング96を必要とし、かつリテーナ87は、スプリング
89からの荷重をスナップリング96で支えるための大
きなモーメントを受ける必要があり、肉厚の高い剛性を
備える必要があり、部品点数が多くなると共に構造が複
雑になり、かつ軸方向寸法増加の原因にもなっている。
【0008】更に、上記ハイブリッド車輌に用いられる
ブレーキ装置は、フランジ83、ブレーキディスク85
及びブレーキプレート86が軸方向に直列状に配置され
ており、かつフランジは、ブレーキディスク及びプレー
トの片当りを防止すべく、ピストン82からの押圧力に
対する剛性を確保するための所定厚さを必要とすること
が相俟って、軸方向寸法増加の原因になっている。
【0009】また、ブレーキ装置4′がリヤサポート1
8aに配置されているため、リヤケース18を組付ける
際、ロータ軸15に対する軸芯組合せと共に、ブレーキ
ディスク85をロータ17の内径スプラインfに嵌合す
る必要があり、組立てが面倒になっている。
【0010】そこで、本発明は、リターンスプリングを
反力受け部材で支持し、また該反力受け部材内に摩擦部
材を収納・配置し、もって上述した課題を解決した摩擦
係合装置及びそれを用いたハイブリッド車輌を提供する
ことを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る本発明
は、油圧アクチュエータ(79)と、軸方向に互に隣接
して配置される外摩擦部材(85)及び内摩擦部材(8
6)と、支持部材(72a)(10)と、該支持部材に
抜止め支持されて前記油圧アクチュエータ(79)のピ
ストン(82)からの押圧力を受ける反力受け部材(8
3)と、を備え、前記ピストンの押圧力により前記反力
受け部材(83)との間で前記外摩擦部材(85)及び
内摩擦部材(86)を挟圧してなる、摩擦係合装置
(4)において、前記反力受け部材(83)と前記ピス
トン(82)の間に、該ピストンのリターンスプリング
(89)を縮設して配置する、ことを特徴とする摩擦係
合装置にある。
【0012】請求項2に係る本発明は、前記反力受け部
材(83)は、その油圧アクチュエータ側面の隅部分に
凹部(d)を有し、該凹部内に、前記内摩擦部材(8
6)を及び前記外摩擦部材(85)を収納・配置してな
る、請求項1記載の摩擦係合装置にある。
【0013】請求項3に係る本発明は、前記反力受け部
材(83)は、その油圧アクチュエータ(79)と反対
側面の前記支持部材側に凹部(c)を有し、該凹部内
に、前記反力受け部材(83)を前記支持部材(72
a)に対して抜止め支持するスナップリング(84)を
配置してなる、請求項2記載の摩擦係合装置にある。
【0014】請求項4に係る本発明は、前記反力受け部
材(83)と前記支持部材(72a)(10)との接合
面(j)が、略々全面に亘り密着して接合してなる、請
求項1ないし3のいずれか記載の摩擦係合装置にある。
【0015】請求項5に係る本発明は、前記リターンス
プリングは、多数のコイルスプリング(89)からなる
と共に、その一端部をリテーナ(87)にて保持され、
該リテーナが、前記支持部材(72a)に支持されると
共に、そのコイルスプリング保持部分(87b)を前記
反力受け部材(83)に当接してなる、請求項1ないし
4のいずれか記載の摩擦係合装置にある。
【0016】請求項6に係る本発明は、エンジン出力軸
(2a)に連動する入力軸(13)と、第1の電気回転
手段(3)と、第2の電気回転手段(5)及び駆動車軸
に連動する走行回転軸(16)と、少なくとも第1の回
転要素(CR)、第2の回転要素(S)及び第3の回転
要素(R)を有するプラネタリギヤ(6)と、を備え、
前記プラネタリギヤが、前記第1の回転要素(CR)を
前記入力軸(13)に、前記第2の回転要素(S)を前
記第1の電気回転手段(3)のロータ(17)に、前記
第3の回転要素(R)を前記走行回転軸(16)に、そ
れぞれ連動してなるハイブリッド車輌(1)において、
前記請求項1ないし5のいずれか記載の摩擦係合装置
を、前記第1の電気回転手段のロータ(17)を停止す
るブレーキ装置(4)として配置してなる、ハイブリッ
ド車輌にある。
【0017】請求項7に係る本発明は、前記油圧アクチ
ュエータ(79)が、ケース(10)に一体に固定さ
れ、かつ前記第1の電気回転手段(3)のロータ(1
7)を支持するロータ軸(15)のエンジン側部分を支
持するセンタサポート(72)に設けられ、該センタサ
ポートの軸方向突出部(72a)を前記支持部材とし
て、前記反力受け部材(83)を回止めかつ抜止めして
支持し、前記外摩擦部材(85)が、前記第1の電気回
転手段のロータ(17)に回転不能に連結されてなる、
請求項6記載のハイブリッド車輌にある。
【0018】[作用]以上構成に基づき、例えば本摩擦
係合装置をハイブリッド車輌における第1の電気回転手
段(ジェネレータ3)のロータ(17)を停止するブレ
ーキ装置(4)として適用した場合、バッテリー充電量
(SOC)が充分でジェネレータ(3)による充電が不
要になると、バルブボディ(36)からの作動油圧が油
路(90),(91)を介して油圧アクチュエータ(7
9)に供給される。すると、ピストン(82)は、反力
受け部材(83)との間に縮設されているリターンスプ
リング(89)に抗して伸長し、反力受け部材(83)
の凹部(d)内に収納・配置されている内摩擦部材(8
6)及び外摩擦部材(85)を前記反力受け部材(8
3)との間で挟圧して、ブレーキ作動状態となる。
【0019】この状態では、ジェネレータ(3)のロー
タ(17)が機械的に停止された状態となり、ジェネレ
ータ(3)は発電することなく、エンジンの出力は専ら
車輌の走行エネルギとして用いられる。
【0020】なお、上記カッコ内の符号は、図面と対照
するためのものであるが、これは、便宜的なものであっ
て、請求項記載の構成に何等影響を与えるものではな
い。
【0021】
【発明の効果】請求項1に係る本発明によると、ピスト
ンの押圧力を担持して、その間に摩擦部材を挟圧する反
力受け部材に、ピストンのリターンスプリングを支持し
たので、リターンスプリング用リテーナの抜止め用スナ
ップリングが不要となり、更に場合によっては、リター
ンスプリング用リテーナを省くことも可能となり、部品
点数が削減できると共に構成が簡素化し、更に軸方向の
短縮化も図ることができる。
【0022】請求項2に係る本発明によると、反力受け
部材における油圧アクチュエータ側隅部分に凹部を形成
し、該凹部内に摩擦部材を配置したので、摩擦部材用の
軸方向スペースが不要となり、かつ反力受け部材が、ピ
ストンの押圧力に基づき摩擦部材が充分なトルク容量を
確保するに足りる剛性を有する板厚を備えることができ
るものでありながら、軸方向寸法の短縮化を図ることが
できる。
【0023】更に、摩擦部材は半径方向長さの短い環状
部材からなり、かつピストンの押圧部に対向して位置し
ているので、前記反力受け部材が充分な剛性を確保でき
ることと相俟って、反力受け部材及び摩擦部材等に撓み
を生じることがなく、摩擦部材の片当りを防止して摩擦
係合装置(ブレーキ又はクラッチ装置)の性能を安定す
ることができる。
【0024】請求項3に係る本発明によると、反力受け
部材の後面の支持部材側に凹部を形成し、該凹部内に、
反力受け部材抜止め用のスナップリングを配置したの
で、該スナップリング用のスペースが不要となり、軸方
向寸法の短縮化を図ることができる。
【0025】請求項4に係る本発明によると、摩擦部材
の係合時、ピストンから押圧力が作用しても、反力受け
部材は、支持部材と略々全面に亘り密着して接合してい
るので、スナップリングとの接合点を支点として傾くよ
うなことはなく、摩擦部材の片当りを防止して、ブレー
キ性能を確保すると共にその性能を長期に亘り維持する
ことができる。
【0026】請求項5に係る本発明によると、リターン
スプリングは、リテーナに一端を保持された多数のコイ
ルスプリングからなり、該リテーナを支持部材に支持す
ることによりリターンスプリングを容易に組付けること
ができると共に、リテーナのコイルスプリング保持部分
が直接反力受け部材に当接するので、リテーナはモーメ
ントが作用せず簡単で薄い構成で足り、軸方向寸法の短
縮化を図ることができる。
【0027】請求項6に係る本発明によると、上述した
ように、軸方向寸法の短縮化を図りかつ信頼性の高い安
定した作動が可能な摩擦係合装置を、ハイブリッド車輌
における第1の電気回転手段のロータを停止するブレー
キ装置として適用したので、ハイブリッド車輌の軸方向
のコンパクト化及び信頼性を向上することができる。
【0028】請求項7に係る本発明によると、ブレーキ
装置をケースに一体に設けたセンタサポートに配置した
ので、ロータ軸の組付け及びリヤケースの組付けが簡単
となり、組立性能を向上すると共に、バルブボディに近
いセンタサポートに形成した油路から油圧アクチュエー
タに油圧を連通して、油路構造も短くて簡単なもので足
り、油圧装置としての信頼性を向上すると共に油圧の応
答性も向上することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明を適
用したハイブリッド車輌の駆動装置について説明する。
図1は、ハイブリッド車輌用駆動装置の概略図、図2
は、その展開した正面断面図、図3は、その側面断面図
である。
【0030】ハイブリッド車輌用駆動装置1は、内燃エ
ンジン2、第1の電気回転手段を構成するジェネレータ
3、ブレーキ装置4、第2の電気回転手段を構成する電
気モータ5、プラネタリギヤ6、油圧発生装置7及びデ
ィファレンシャル装置9を備えており、内燃エンジン2
に接続して配置される一体ケース10,18内に、上記
ジェネレータ3、ブレーキ装置4、モータ5、プラネタ
リギヤ6、油圧発生装置7及びディファレンシャル装置
9が収納されている。そして、エンジン出力軸2aに整
列する第1軸A、カウンタ軸11からなる第2軸B、モ
ータ出力軸5aからなる第3軸C、ディファレンシャル
装置9の左右に延びる駆動車軸からなる第4軸D及びオ
イルポンプの駆動部材である駆動軸8からなる第5軸E
が、図3に示すように配置されている。即ち、カウンタ
軸からなる第2軸Bを包囲するように、第1軸A、第3
軸C、第4軸Dが配置され、そして第1軸Aの下方でか
つ第4軸Dの側方に第5軸Eが配置されている。なお、
図2は、上記第1〜4軸A,B,C,D,Eを展開した
状態を示す。
【0031】第1軸A上には、エンジン出力軸2aにフ
ライホイール14及びダンパ12を介して連結している
入力軸13、ジェネレータ3、ブレーキ装置4及びプラ
ネタリギヤ6が配置されており、該プラネタリギヤ6
は、そのサンギヤ(第2の回転要素)Sがジェネレータ
3への伝達軸(ロータ軸)15に連結し、そのピニオン
Pを支持するキャリヤ(第1の回転要素)CRが上記入
力軸13に連結し、そのリングギヤ(第3の回転要素)
Rが該入力軸13を被嵌するスリーブからなる走行回転
軸16に連結している。ジェネレータ3は、前記伝達軸
15に固定されているロータ17及びケース10に固定
されているステータ19を有しており、励磁式発電機等
のどのようなものでも適用可能であるが、ロータに永久
磁石を用いた磁石式発電機(例えばブラシレスDCモー
タ/ジェネレータ)が望ましい。また、前記伝達軸15
におけるリヤケース18からの突出部分にはレゾルバ等
の回転位置センサ20が配置されており、ロータの回転
位置を正確に検出して、きめ細かい回転数の制御を行い
得る。
【0032】前記走行回転軸16にはカウンタドライブ
ギヤ(エンジン出力用)21が固定されており、また前
記カウンタ軸11上には大ギヤ22及び小ギヤ23が一
体に固着されており、前記カウンタドライブギヤ21が
大ギヤ22に噛合している。一方、電気モータ5は、前
記出力軸5aに一体に固着されているロータ25及びケ
ース10に固定されているステータ26を有しており、
直流モータ及び誘導式交流モータ等のどのようなもので
も適用可能であるが、ロータに永久磁石を用いるブラシ
レスDCモータが好ましい。なお、前記モータ5と反対
側における前記出力軸5aのケース10からの突出部分
にはレゾルバ等の回転位置センサ27が配置されてお
り、ロータ25の位置を正確に検出してモータ出力の制
御を行い得る。また、該モータの出力軸5aにはカウン
タドライブギヤ(モータ出力用)29が一体に固定され
ており、該ギヤ29も前記カウンタ軸の大ギヤ22に噛
合している。
【0033】ディファレンシャル装置9は、デフケース
30に固定されている入力ギヤ31を有しており、該ギ
ヤ31が前記カウンタ軸の小ギヤ23に噛合している。
また、デフケースに支持されているセンタギヤ32が左
右サイドギヤ33l,33rに噛合しており、前記入力
ギヤ31からの入力トルクを左右サイドギヤに分配して
伝達し、左右前輪に連動する左右駆動車軸を駆動する。
【0034】ついで、油圧発生装置7について、図4及
び図3に沿って説明する。本油圧発生装置7は、オイル
ポンプ35及びその駆動伝動系からなり、前記第5軸E
上に配置される駆動軸(中空の駆動軸も含む)8を有し
ている。該駆動軸は第1軸Aの下方に隣接する位置に平
行して配置されており、またオイルポンプ35は、クレ
ッセントタイプのギヤポンプ(この型のポンプに限ら
ず、他の形式の回転型ポンプを適用することが可能)か
らなり、ケース10内の下方に収納配置されているバル
ブボディ36内に設けられている。該一体構成のバルブ
ボディ36にはサクションパイプ37が下方に向けて突
設されており、その先端のストレーナ部37aがケース
10の下部に形成されている油溜り39内に位置してい
る。また、ケース10の下部には多数の放熱用のフィン
38が形成されており、上記油溜り39内のオイルの冷
却を図っている。
【0035】前記バルブボディ36は、上記オイルポン
プ35の外に、プライマリレギュレータバルブ、セカン
ダリレギュレータバルブ及び切換えバルブ等を有してお
り、ケース10に固定されて配置されている。該バルブ
ボディ36からの送出油圧は、ケースに形成された油孔
40…及び各軸に形成された油孔を介して、冷却用、潤
滑用オイルとしてそれぞれ必要箇所に送られると共に、
後述するように作動油としてブレーキ装置4に送られ
る。
【0036】そして、前記オイルポンプ駆動軸8は、図
4に詳示するように、その基端部がバルブボディ36内
におけるオイルポンプ35のインナギヤに一体に結合し
ており、先端部が、径方向に膨出すると共に円筒部8a
を有するカップ状に形成されている。該円筒部8aの内
周面a及び外周面bの両面、即ち円筒部内の凹部の周面
a及び円筒部外周面bにそれぞれ第1及び第2のワンウ
ェイクラッチ45,46が装着されている。内周側(第
1の)ワンウェイクラッチ45の内周面には第1のギヤ
47の一側中央部に設けられた短軸47aが嵌挿されて
おり、また外周側(第2の)ワンウェイクラッチ46の
外周面には第2のギヤ49の円筒ハブ49aが被嵌され
ている。なお、上記両ワンウェイクラッチ45,46
は、所定一方向回転において、第1又は第2のギヤ4
7,49の速い方の回転を駆動軸8に伝達し、遅い方の
回転(停止及び逆回転を含む)をフリー回転とするよう
に設定されている。
【0037】一方、前記入力軸13には幅狭のギヤ50
が一体に回転するように結合され、かつそのボス部がベ
アリング51を介してケース10に支持されている。ま
た、走行回転軸16は、その一端部分がリングギヤRに
連結していると共に、その他端部に同様の幅狭のギヤ5
2が一体に回転するように結合されており、かつ該走行
回転軸16に支持されたギヤ21のボスがボールベアリ
ング53を介してケース10に支持されると共に、ナッ
ト55にてベアリングを挟圧し、更に前記ギヤ52が走
行回転軸16先端にスナップリング56により抜止され
て、走行回転軸16がギヤ21,52と共にケース10
に回転自在に支持されている。これにより、ポンプ駆動
用ギヤとなる前記入力軸13上のギヤ50と前記走行回
転軸16上のギヤ52とは、互に隣接して配置される。
また、入力軸13は、その一端部が前記プラネタリギヤ
6のキャリヤCRを一体に形成しており、かつ該一端部
分にてニードルベアリング57又はブッシュを介してま
た他端部分にて前記ベアリング51を介してケース10
に支持されている。
【0038】そして、前記入力軸のギヤ50が前記第1
のギヤ47に常時噛合し、また前記走行回転軸のギヤ5
2が前記第2のギヤ49と常時噛合している。また、第
1のギヤ47は、ケース10との間に該ケースに設けら
れているスラストワッシャ(スラスト支持部材)59を
介在して、またポンプ駆動軸8a及び第2のギヤの円筒
ハブ49aの先端との間に該第1のギヤに設けられてい
るスラストワッシャ(スラスト支持部材)60を介在し
て、支持されている。同様に、第2のギヤ49は、第1
のギヤ47との間に前記スラストワッシャ60を介在し
て、またバルブボディ36との間に該ボディに設けられ
ているスラストワッシャ61を介在して支持されてい
る。
【0039】従って、第1のギヤ47は、その両側をス
ラストワッシャ59,60を介して前記ケース10と駆
動軸8との間に挟圧されると共に、その短軸47aが駆
動軸円筒部8a内周に第1のワンウェイクラッチ45を
介して支持されることにより、左右移動が阻止されて駆
動軸8に支持されている。また、第2のギヤ49は、そ
の両側をスラストワッシャ60,61を介して前記第1
のギヤ47及びバルブボディ36に挟圧されると共に、
その円筒ハブ49aが駆動軸円筒部8aの外周に第2の
ワンウェイクラッチ46を介して支持されることによ
り、左右移動が阻止されて駆動軸8に支持されている。
また、駆動軸8は、第1のギヤ47、スラストワッシャ
59,60により抜止めされかつバルブボディ36にて
片持ち支持されている。
【0040】これにより、内周側(第1の)ワンウェイ
クラッチ45及び外周側(第2の)ワンウェイクラッチ
46が、直径の異なるものからなり、かつ駆動軸8の軸
方向に互に重なる位置に配置されることにより、軸方向
寸法が短くなることに加えて、第1のギヤ47、第2の
ギヤ49が駆動軸8に支持されて隣接して配置されると
共に駆動軸8がバルブボディに片持ち支持されることが
相俟って、油圧発生装置7の軸方向寸法の短縮化が図ら
れ、更にこれに伴い、該油圧発生装置を挟圧して配置す
るケース10,101 の間隔を短くできる。
【0041】従って、バルブボディ36を固定したケー
ス隔壁101 がプラネタリギヤ6と干渉することが防止
され、バルブボディ36及び該ボディ内に設けられてい
るオイルポンプ35、更にその駆動軸8(第5軸E)
を、2重軸からなる入力軸13及び走行回転軸16(第
1軸A)に近づけて配置することが可能となる。この結
果、第1及び第2のギヤ47,49の小径化が可能とな
り、これらギヤは、油溜り39に比較的多くのオイルを
溜めても、即ちオイルレベルを上昇しても、該オイルを
撹拌することはない。
【0042】ついで、本発明の主要部である摩擦係合装
置としてのブレーキ装置4について、図5、図6に沿っ
て説明する。ジェネレータ3のロータ17は、略々中央
部にフランジ71aを有するハブ71に支持されてお
り、該ハブフランジ71aはロータ軸(伝達軸)15に
固着されている。また、ケース10はその後面をリヤケ
ース18が一体に固定されて一体ケースを構成してお
り、更に該ケースの隔壁101 部分には前記第1軸Aを
囲むように、具体的にはプラネタリギヤ6を囲むように
センタサポート72がボルトにより一体に固定されてい
る。
【0043】前記ロータ軸15は、その前部を前記セン
タサポート72にベアリング73を介して支持されてお
り、その後部をリヤケース18のリヤサポート18aに
ベアリング75を介して支持されている。更に、リヤサ
ポート18aとロータ軸15との間にはオイルシール7
6が介在していると共に、前記レゾルバ20が配置され
ており、更に該レゾルバ20を覆うように、カバープレ
ート77がリヤケース18に固定されている。
【0044】そして、前記ロータハブ71とセンタサポ
ート72との間に本ブレーキ装置4が配設されている。
該ブレーキ装置4は、図6に詳示するように、センタサ
ポート72に設けられた油圧アクチュエータ79を有し
ており、該アクチュエータは、センタサポート側面に環
状に形成された凹溝からなるシリンダ80と該シリンダ
にOリング81により油密状に嵌合しているピストン8
2を有する。また、センタサポート72には後方に向け
て軸方向に突出する環状の突出部(支持部材)72aを
有しており、該突出部には所定間隔毎例えば120度に
軸方向に延びる切溝72bが形成されている。
【0045】前記環状突出部72aの外周面には所定肉
厚からなり反力受け部材(バックアッププレート)とな
るフランジ83が嵌合していると共に、該フランジの内
周面には所定間隔毎に内径方向に突出する突部83aが
形成されており、該突部83aが前記切溝72bに係合
して回止めとなっている。また、該フランジ83の後方
にはスナップリング84がセンタサポート突出部72a
に嵌合・装着されており、該フランジの後方への抜止め
がなされている。該フランジのスナップリングが当接す
る面部分(後面内径隅部分)は削られて僅かに薄肉にな
っており、該削られた凹部分cに前記スナップリング8
4が配置されて、軸方向寸法が増加することを阻止して
いる。
【0046】また、フランジ83の内周面は、略々全面
に亘り環状突出部72aの外周面に密着した状態で接合
している。具体的には、前記切溝72b及び突部83a
を除いた、フランジ83と突出部72aとの接合面j
は、殆ど隙間のない状態で嵌合しており、ブレーキ係合
時におけるピストン82からの押圧力を上記接合面g全
体で受け、フランジ83がスナップリング84との接合
面を支点として傾いてしまうことを防止している(な
お、図9に示すフランジ83は、リヤサポート18aと
所定隙間を存して支持されているので、傾いてしまう虞
れがある)。
【0047】一方、前記フランジ83の前面外径側の隅
部分も削られて段付き構造となっており、該段付きによ
る凹部分dの内径面には所定間隔毎に凹溝(スプライ
ン)eが形成されている。また、前記ロータハブ71の
前方(前記フランジ83と対面する側)の内周面にもス
プラインf形成されている。そして、前記フランジ外周
の凹部分dには僅かな間隙を在して回転自在に支持され
るように、ブレーキディスク(外摩擦板)85が収納・
配置されており、該ブレーキディスクは、半径方向長さ
が短い環状部材からなり、その両面に紙等の摩擦材が貼
着されていると共に、外周面に所定間隔毎に突部が形成
されており、これら突部が前記スプラインfに係合して
ロータハブ71と一体に回転するようになっている。ま
た、前記凹部分dには、前記ブレーキディスク85の軸
方向前方側(油圧アクチュエータ79側)に隣接してブ
レーキプレート(内摩擦板)86が収納・配置されてお
り、該ブレーキプレートは、同様に半径方向長さが短い
環状部材からなり、その内周面に所定間隔毎に突部が形
成されており、これら突部が前記凹溝(スプライン)e
に係合してフランジ83と一体に回転するように支持さ
れている。
【0048】また、前記ピストン82の半径方向中央よ
り僅かに外径側にて後方(ブレーキプレート86側)に
向けて突出する環状の押圧部82aが形成されており、
該押圧部先端が前記環状のブレーキプレート86に対向
している。一方、前記センタサポート突出部72aの切
溝端の僅かに前方における外周面にはリテーナ87が支
持されており、かつ該リテーナには多数のコイルスプリ
ングからなるリターンスプリング89が環状に保持され
ている。更に、該リテーナ87は、その内周部87aが
突出部72aの外周面に支持されると共に、そのスプリ
ング保持部87bが直接フランジ83の前面に当接して
抜止めが図られている。そして、前記ピストンの押圧部
82aの内径側に形成された所定数の凹部gと前記リテ
ーナ87との間に所定数のコイルスプリングからなるリ
ターンスプリング89が縮設されている。
【0049】また、ケース10には、図5に示すよう
に、前記バルブボディ36の作動油吐出孔に連通する油
孔90が形成されており、該油孔はセンタサポート72
に形成された油孔91に連通しており、更に該油孔91
は前記油圧アクチュエータ79のシリンダ80底面に導
かれている。なお、ケース10には、図6に示すよう
に、バルブボディ36の潤滑油吐出孔に連通する油孔4
0(図2参照)も形成されており、該油孔はセンタサポ
ートに形成されている油孔40aを介してロータ軸15
に形成されている油孔40bに導かれ、各ベアリング7
3,75に潤滑油が供給されると共に、ロータ軸15及
びロータ17の回転に伴う遠心力により、ジェネレータ
3は、径方向内側からも(外径側も潤滑油が滴下され、
また浸されている)潤滑油が供給されて、潤滑・冷却さ
れる。
【0050】上述したブレーキ装置4は、リターンスプ
リング89用のリテーナ87は、反力受け部材(バック
アッププレート)となるフランジ83にて抜止め支持さ
れており、スナップリング等の専用の抜止め部材が不要
となり、かつスプリング89の荷重作用部分87bでフ
ランジ83にて支持されているので、簡単で薄肉の構造
で足りる。また、ブレーキディスク85及びブレーキプ
レート86は、フランジ83の外周段付き部である凹部
d内に配置・支持されているので、軸方向に専用のスペ
ースを必要とせず、またフランジ83の抜止め用のスナ
ップリング84も、フランジ83の後面内径側の凹部c
内に配置されているので、軸方向に専用のスペースを必
要とせず、これらが相俟って、フランジ83は、充分な
ブレーキ容量を確保するに足りる反力受け部材(バック
アッププレート)としての板厚を備えるものでありなが
ら、軸方向寸法の減少を図っている。また、ブレーキデ
ィスク85及びブレーキプレート86は、半径方向長さ
の短い環状部材からなり、かつピストン82の押圧部8
2aに対向して位置しており、かつ反力受け部材となる
フランジ83はその内周面の略々全面が密着して突出部
72aに支持されて傾きが防止されているので、上記フ
ランジ83が充分な厚さを確保できることと相俟って、
フランジ、ブレーキディスク、プレート等に撓みを生じ
ることがなく、ブレーキ板の片当りを防止してブレーキ
性能を安定し得る。
【0051】また、センタサポート72に、ピストン8
0、リターンスプリング89を保持した、リテーナ86
を載置し、この状態でブレーキディスク85及びプレー
ト86を組付けたフランジ83を上記サポートの突出部
72aに装着してスナップリング84で抜止めすること
により、ブレーキ装置が組立てられる。更に、この状態
で、ロータ17を有するロータ軸15を、ブレーキディ
スク86をハブスプラインfに係合しつつセンタサポー
ト72に組付け、その後、リヤサポート18aをロータ
軸15に挿入することによりリヤケース18を組付け、
更にレゾルバ20及びカバー77を取付けることにより
組立てられる。
【0052】ついで、上述したハイブリッド車輌の駆動
装置及びブレーキ装置4の作用について説明する。内燃
エンジン2の回転は、入力軸13を介してプラネタリギ
ヤ6のキャリヤCRに伝達され、該プラネタリギヤ6に
てトルク分配されて、サンギヤS及び伝達軸15を介し
てジェネレータ3に伝達されると共に、リングギヤRを
介して走行回転軸16に伝達される。更に、走行回転軸
16の回転は、歯車21,22を介してカウンタ軸11
に伝達され、一方、電気モータ5の回転も、ギヤ29,
22を介してカウンタ軸11に伝達され、そしてカウン
タ軸11の回転が、ギヤ23,31及びディファレンシ
ャル装置9を介して左右駆動車軸に伝達される。そし
て、前記エンジン2、ジェネレータ3及びモータ5を適
宜制御することにより、モータ出力のみにて、エンジン
出力のみて、又はエンジン出力にモータ出力をアシスト
して、駆動車軸を駆動すると共に、バッテリ残量及び走
行負荷に応じて、エンジン2の出力にてジェネレータ3
を駆動してバッテリを充電する。
【0053】例えば、定速で走行する等の専らエンジン
出力にて、又はエンジン出力にモータ出力をアシストし
て走行する通常走行の場合、エンジン出力軸2aと一体
の入力軸13及び走行回転軸16の両方が所定方向に回
転するが、一般に、キャリヤCRに連動している入力軸
13の回転数に比し、リングギヤRに連動している走行
回転軸の回転数が高く(一般にキャリヤCRに対するリ
ングギヤRの回転比は2)、従ってギヤ50を介しての
第1のギヤ47の回転数よりもギヤ52を介しての第2
のギヤ49の回転数が高い。これにより、外周側(第2
の)ワンウェイクラッチ46がロック状態となり、かつ
内周側(第1の)ワンウェイクラッチ45がフリー状態
となって、上記高速側の回転である第2のギヤ49及び
ワンウェイクラッチ46を介してポンプ駆動軸8が回転
され、該走行速度に応じた高速回転にて、オイルポンプ
35が駆動される。
【0054】また、バッテリ残量(SOC)が充分で、
エンジン出力のすべてを専ら走行エネルギとして用いる
場合、バルブボディ36内の切換えバルブが切換えられ
て、オイルポンプ35の吐出圧に基づくプライマリレギ
ュレータバルブからのライン圧(作動油圧)がケース1
0に形成された油路90に直接連通され、更にケースと
一体のセンタサポート72に形成された油路91を介し
て、即ちすべてケース内に形成された短い油路を介して
直接、油圧アクチュエータ79のシリンダ80に供給さ
れる。これにより、油圧アクチュエータ79のピストン
82はリターンスプリング89に抗して伸長し、その押
圧部82aがブレーキプレート86を押圧して、該ブレ
ーキプレートとフランジ83との間でブレーキディスク
85を挟圧して、これらの間の摩擦力によりトルク容量
が増大して、ロータ17の慣性力及びプラネタリギヤ6
からのロータ軸15への回転力に対して充分なトルク容
量を確保して、即ちブレーキディスク85とブレーキプ
レート86及びフランジ83とが一体に係合するブレー
キ装置4の作動状態となる。
【0055】この状態では、ブレーキディスク86と回
転方向一体のロータハブ71と、センタサポート72と
回転方向一体のブレーキプレート86及びフランジ83
とが一体となって、ロータ17が機械的に停止される。
これにより、細かいジェネレータの制御を行うことな
く、ジェネレータ3は停止状態となって、エンジン出力
は、専ら車輌走行に用いられ、通常の内燃エンジン駆動
車輌と同様に機能する。なおこの際、上述したように、
走行回転駆動軸16の回転に基づきオイルポンプ35が
駆動される。
【0056】なお、上述したジェネレータ3を機械的に
停止する場合以外、バルブボディ36の切換えバルブは
ライン圧(作動油圧)のドレーン状態にあり、油圧アク
チュエータ79の油圧はドレーンされて、ピストン82
がリターンスプリング89によりシリンダ82内に退入
された位置にある。この状態では、ブレーキディスク8
5とフランジ83及びブレーキプレート86との間でト
ルク容量を有さず、即ちブレーキ装置4が解放された状
態にあり、ロータ17は自由に回転し得る状態にある。
【0057】更に、エンジン2をアイドリング状態にし
て、又は専らエンジン2にてジェネレータ3を回転・充
電して、車輌を停止する状態では、駆動車軸に連動して
いる走行回転軸16は停止状態にあるが、エンジン出力
軸2aに連結している入力軸13は所定回転にて回転し
ている。従って、該入力軸13の回転が、ギヤ50,4
7及び内周側(第1の)ワンウェイクラッチ45を介し
て駆動軸8に伝達され、オイルポンプ35を駆動する。
【0058】一方、モータ駆動モードで前進走行する場
合、エンジン2は非駆動状態にある。そして、モータ5
の出力軸5aの回転は、前述したようにカウンタ軸11
を介してディファレンシャル装置9に伝達されると共
に、ギヤ22,21を介して走行回転軸16に所定方向
の回転として伝達される。従って、該走行回転数16の
回転は、ギヤ52,49及び外周側(第2の)ワンウェ
イクラッチ46を介してポンプ駆動軸8に伝達され、該
走行速度に応じた回転にて、オイルポンプ35が駆動さ
れる。なおこの際、走行回転軸16の回転によっても、
ジェネレータ3のロータ17がフリー回転するだけで
(エンジン出力軸もフリー回転する場合もある)、エン
ジン2及びジェネレータ3は、何等機能せず、ハイブリ
ッド車輌は、専ら電気モータ25により駆動される電気
自動車として機能する。
【0059】また、モータ駆動モードで車輌停止状態に
ある場合、モータ出力軸5a及び駆動車軸は停止状態と
なり、従ってギヤ29,22,21及び31,23,2
2,21を介して走行回転軸16も停止状態となり、更
にギヤ52を介して第2のギヤ49も停止状態となる。
また、後進走行時、モータ5を逆回転することにより、
ギヤ29,21,23,31及びディファレンシャル装
置9を介して駆動車輪を後進するが、該逆回転は、ギヤ
22,21を介して走行回転軸16に伝達され、更にギ
ヤ52を介して第1のギヤ49を逆方向に回転する。該
ギヤ49の逆回転は、外周側(第2の)ワンウェイクラ
ッチ46をフリー回転してポンプ駆動軸8に伝達される
ことはない。
【0060】該モータ駆動モードでの車輌停止状態又は
後進状態にあっては、ジェネレータ(第1の電気回転手
段)3を電気モータとして機能して、該ジェネレータ3
により伝達軸15を所定方向に回転・駆動する。この状
態では、エンジン2は非駆動状態にあってフリー回転に
あり、前記走行回転軸16に一体のリングギヤRの停止
又は逆転に基づき、キャリヤCR及びそれと一体の入力
軸13が所定方向に減速回転する。該入力軸13の回転
は、ギヤ50,47及び内周側(第1の)ワンウェイク
ラッチ45を介してポンプ駆動軸8に伝達され、オイル
ポンプ35を駆動する。なお、上記ジェネレータ3の電
気モータとして機能は、上記オイルポンプの駆動の外
に、エンジンのスタータとして用いられる。
【0061】ついで、図7に沿って、一部変更した実施
例について説明する。本実施例は、リターンスプリング
89にリテーナを用いず直接配置したものであり、その
他の点については、図5及び図6に示す実施例と同一で
あるので、同一符号を付して説明を省略する。本実施例
は、フランジ83の前方(ピストン82側)側面に所定
間隔毎に円形の凹部83cを形成し、これら凹部にリタ
ーンスプリング89の縮径部89aを嵌着して、フラン
ジ83とピストン82との間に、スナップリング及びリ
テーナを用いることなく、直接リターンスプリング89
を縮設する。
【0062】従って、本実施例によると、リテーナをも
省くことが可能となり、部品点数を更に削減できると共
に構成が簡素化し、更なる軸方向寸法の短縮化も図るこ
とができる。なお、上述実施例は、小径の多数のコイル
スプリングをリターンスプリングとして用いたが、これ
に限らず、大径の1個のコイルスプリングを突出部72
aを囲むように配置してもよい。
【0063】更に、図8に沿って、他の実施例について
説明する。本実施例は、中心側に回転部材15′を配置
し、支持部材となるケース10が外径側に配置されてお
り、かつこれら回転部材15′とケース10との間に配
置される多板ブレーキ装置42 に適用される。
【0064】本多板ブレーキ装置42 は、反力受け部材
となるフランジ83を有しており、該フランジ83は、
肉厚からなり、かつその外周面に形成されたスプライン
83aがケース10に形成されたスプライン10aに係
合して回転止めされていると共に、スナップリング84
により抜止めされて、ケース10に一体に設けられてい
る。なお、該フランジ83は、その後方側(油圧アクチ
ュエータ79と反対側)の外周側隅部が削られて凹部c
となっており、該凹部c内に前記スナップリング84が
配置されて、軸方向寸法の短縮化を図っている。
【0065】また、前記フランジ83は、その前方側
(油圧アクチュエータ79側)の内周側隅部が削られて
段付き形状の凹部dが形成されており、かつ該凹部dの
外周面には所定間隔毎に凹溝(スプライン)eが形成さ
れている。一方、回転部材である軸15′の外周にも所
定間隔毎に凹溝(スプライン)fが形成されている。そ
して、前記フランジ83のスプラインeにはブレーキデ
ィスク(外摩擦板)86が係合し、また前記回転軸1
5′のスプラインにはブレーキプレート(内摩擦板)8
5が係合して、これらブレーキディスク及びプレートが
軸方向に交互にかつスナップリング99により抜止めさ
れて配置され、多板ブレーキ装置42 を構成している。
従って、ブレーキディスク及びプレートからなる多板ブ
レーキ板85,86がフランジ83の凹部d内に配置さ
れているので、フランジ83は、ブレーキ容量を確保す
るのに足りる反力受け部材としての充分な軸方向寸法を
有するものでありながら、多板プレート板専用スペース
を必要とせず、軸方向寸法の短縮化を図っている。
【0066】また、前記ケース10の内周には環状のシ
リンダ部材80が嵌合していると共に、その外周側一端
が外径方向に突出しており、かつ該突出部80aが前記
スプライン10aの先端に係合して、該シリンダ部材8
0が固定部材であるケース10に一体に配設されてい
る。該シリンダ部材80にはピストン82がOリング8
1により油密状に嵌合しており、該ピストン82は、前
記ブレーキプレート及びディスクを押圧する環状の押圧
部82aを有している。
【0067】そして、前記フランジ83とピストン82
との間にはリターンスプリング89が縮設されている。
該リターンスプリング89は、小径の多数のコイルスプ
リングからなり、その一端の小径部89aがフランジ8
3の側面に形成された円形の凹部83cに嵌着して直接
配置されている。従って、従来必要であったリテーナ及
びスナップリングを必要とせず、その分軸方向寸法の短
縮化が図られている。
【0068】以上構成に基づき、本実施例によるブレー
キ装置42 は、図示しない油路により油圧アクチュエー
タ79に油圧が供給されることにより、ピストン82が
リターンスプリング89の付勢力に抗して伸長し、その
押圧部82aが多板ブレーキ板85,86を押圧するこ
とによりブレーキを作動する。この際、多板ブレーキ板
85,86は、半径方向長さの短い環状部材からなる
が、多板による充分な摩擦力を備えるものでありなが
ら、前記フランジが充分な厚さを有しかつその外周面が
広い面積にて密着してケース10に接合(j)して傾き
が防止されていることが相俟って、ブレーキ板に撓みが
生じることがなく、ブレーキ板の片当りを防止してブレ
ーキ性能を安定し得る。
【0069】上述実施例は、ブレーキ装置をハイブリッ
ド車輌に適用したが、これに限らず、車輌に搭載される
自動変速機や四輪駆動システム等の動力伝達装置におけ
るブレーキ装置及びクラッチ装置(これら両方を含めて
摩擦係合装置という)として、また車輌に限らず、船舶
等の他の交通手段や、その他各種産業機械等の他の装置
に適用してもよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したハイブリッド車輌の駆動装置
を示す全体概略図。
【図2】その展開した正面断面図。
【図3】その側面断面図。
【図4】その油圧発生装置部分を拡大して示す正面断面
図。
【図5】本発明に係るブレーキ装置を含むジェネレータ
(第1の電気回転手段)部分を示す断面図。
【図6】そのブレーキ装置を示す拡大断面図。
【図7】一部変更したブレーキ装置を示す断面図。
【図8】他の実施例によるブレーキ装置を示す拡大した
断面図。
【図9】従来の技術によるブレーキ装置部分を示す断面
図。
【符号の説明】
1 ハイブリッド車輌(の駆動装置) 2 (内燃)エンジン 2a エンジン出力軸 3 第1の電気回転手段(ジェネレータ) 4 摩擦係合装置(ブレーキ装置) 5 第2の電気回転手段(電気モータ) 6 プラネタリギヤ 7 油圧発生装置 10 支持部材(ケース) 13 入力軸 15 ロータ軸(伝達軸) 16 走行回転軸 17 ロータ 71 ロータハブ 72 センタサポート 72a 支持部材(突出部) 72b 切溝 79 油圧アクチュエータ 80 シリンダ 82 ピストン 83 反力受け部(フランジ、バックアッププレ
ート) 84 スナップリング 85 外摩擦部材(ブレーキディスク、ブレーキ
プレート) 86 内摩擦部材(ブレーキプレート、ブレーキ
ディスク) 87 リテーナ 89 リターンスプリング c 凹部(分) d 凹部(分) e 凹溝(スプライン) f スプライン

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧アクチュエータと、軸方向に互に隣
    接して配置される外摩擦部材及び内摩擦部材と、支持部
    材と、該支持部材に抜止めかつ回転不能に支持されて前
    記油圧アクチュエータのピストンからの押圧力を受ける
    反力受け部材と、を備え、前記ピストンの押圧力により
    前記反力受け部材との間で前記外摩擦部材及び内摩擦部
    材を挟圧してなる、摩擦係合装置において、 前記反力受け部材と前記ピストンの間に、該ピストンの
    リターンスプリングを縮設して配置する、 ことを特徴とする摩擦係合装置。
  2. 【請求項2】 前記反力受け部材は、その油圧アクチュ
    エータ側面の隅部分に凹部を有し、該凹部内に、前記内
    摩擦部材及び前記外摩擦部材を収納・配置してなる、 請求項1記載の摩擦係合装置。
  3. 【請求項3】 前記反力受け部材は、その油圧アクチュ
    エータと反対側面の前記支持部材側に凹部を有し、 該凹部内に、前記反力受け部材を前記支持部材に対して
    抜止め支持するスナップリングを配置してなる、 請求項2記載の摩擦係合装置。
  4. 【請求項4】 前記反力受け部材と前記支持部材との接
    合面が、略々全面に亘り密着して接合してなる、 請求項1ないし3のいずれか記載の摩擦係合装置。
  5. 【請求項5】 前記リターンスプリングは、多数のコイ
    ルスプリングからなると共に、その一端部をリテーナに
    て保持され、 該リテーナが、前記支持部材に支持されると共に、その
    コイルスプリング保持部分を前記反力受け部材に当接し
    てなる、 請求項1ないし4のいずれか記載の摩擦係合装置。
  6. 【請求項6】 エンジン出力軸に連動する入力軸と、第
    1の電気回転手段と、第2の電気回転手段及び駆動車軸
    に連動する走行回転軸と、少なくとも第1の回転要素、
    第2の回転要素及び第3の回転要素を有するプラネタリ
    ギヤと、を備え、 前記プラネタリギヤが、前記第1の回転要素を前記入力
    軸に、前記第2の回転要素を前記第1の電気回転手段の
    ロータに、前記第3の回転要素を前記走行回転軸に、そ
    れぞれ連動してなるハイブリッド車輌において、 前記請求項1ないし5のいずれか記載の摩擦係合装置
    を、前記第1の電気回転手段のロータを停止するブレー
    キ装置として配置してなる、 ハイブリッド車輌。
  7. 【請求項7】 前記油圧アクチュエータが、ケースに一
    体に固定され、かつ前記第1の電気回転手段のロータを
    支持するロータ軸のエンジン側部分を支持するセンタサ
    ポートに設けられ、 該センタサポートの軸方向突出部を前記支持部材とし
    て、前記反力受け部材を回止めかつ抜止めして支持し、 前記外摩擦部材が、前記第1の電気回転手段のロータに
    回転不能に連結されてなる、 請求項6記載のハイブリッド車輌。
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