JPH11325104A - 多板クラッチ - Google Patents

多板クラッチ

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JPH11325104A
JPH11325104A JP13406398A JP13406398A JPH11325104A JP H11325104 A JPH11325104 A JP H11325104A JP 13406398 A JP13406398 A JP 13406398A JP 13406398 A JP13406398 A JP 13406398A JP H11325104 A JPH11325104 A JP H11325104A
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JP
Japan
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clutch
boss
pressure plate
clutch cover
plate
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JP13406398A
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English (en)
Inventor
Yoshinaga Fukuda
佳修 福田
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Exedy Corp
Original Assignee
Exedy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボスドライブ型多板クラッチにおいて、ボス
の交換を容易にするともに、部品点数の増加を抑える。 【解決手段】 クラッチ1は、フライホイール2とボス
9とクラッチカバー組立体3とクラッチディスク23,
24や中間プレート44, プレッシャープレート17等
からなる入出力摩擦部材等を備えている。ボス9は、フ
ライホイール2に取り外し可能に固定されている。ボス
9は、環状部10と、環状部10と一体に形成され環状
部10から軸方向に延び各々の円周方向間に半径方向内
外を貫通する隙間を形成する複数の柱部分11とを有す
る。クラッチカバー組立体3は、ボス9に取り外し可能
に固定されるクラッチカバー16と、プレッシャープレ
ート17と、ダイヤフラムスプリング組立体18とを有
する。摩擦面7とプレッシャープレート17との間には
クラッチディスク42, 43や中間プレート44が配置
されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明、多板クラッチ、特
に、フライホイールとクラッチカバー組立体を連結する
とともに入力側の摩擦係合プレートを駆動するためのボ
スを有する多板クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、レース用自動車などに用いられ
る多板クラッチは、エンジン側のフライホイールと、フ
ライホイールに対して軸方向に間隔を空けて配置された
クラッチカバー組立体と、フライホイールとクラッチカ
バー組立体のプレッシャープレートとの間に配置された
複数の入出力部材(例えばドライブ及びドリブンプレー
ト)とから構成されている。ここでいう多板クラッチと
は、出力部材が2枚以上配置され、入力部材と出力部材
とが構成する摩擦係合面が3面以上形成されたクラッチ
である。
【0003】多板クラッチのフライホイールとクラッチ
カバーは例えば筒状部材によって連結されている。筒状
部材はドライブ及びドリブンプレートの外周側に配置さ
れ、内周面に半径方向に並んだ複数の歯を有している。
歯は内周面に軸方向に長く延びており、ドライブプレー
トの外周歯が係合している。この係合によりドライブプ
レートは筒状部材に対して軸方向に移動可能にかつ円周
方向に移動不能になっている。言い換えると、ドライブ
プレートには筒状部を介してフライホイールからトルク
が入力されるようになっている。
【0004】また、フライホイールとクラッチカバーと
を連結するとともにドライブプレートを駆動する構成と
して、ボスを用いた多板クラッチも知られている。ボス
とは軸方向に延びる柱形状の部材であり、各柱部分の円
周方向間には半径方向内外を連通する隙間が形成されて
いる。ドライブプレートの外周部には前記隙間に挿入さ
れボスに対して軸方向に移動可能にかつ円周方向に移動
不能に係合する係合部が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のボスドライ
ブ型多板クラッチでは、一般にボスはクラッチカバーと
一体に形成又はフライホイールと一体に形成されてい
る。また複数の柱形状部材から構成されたボスもある。
一方、多板クラッチでは摩擦面の数をユーザー側で変更
する場合には、ボスを交換することで軸方向の長さを調
整する必要がある。この場合、従来の構造ではフライホ
イール又はクラッチカバー組立体のいずれかを交換する
必要が出てくる。また、ボスの摩耗により交換する際に
も、フライホイール又はクラッチカバー組立体全体を交
換する必要が出てくる。
【0006】また、複数の柱部材からなるボスの場合に
は、部品点数が増えるとともに組み付け時の精度を維持
することが困難になる。本発明の目的は、ボスドライブ
型多板クラッチにおいて、ボスの交換を容易にするとと
もに部品点数の増加を抑えることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の多板ク
ラッチは、入力回転体とボスとクラッチカバー組立体と
複数の入出力摩擦部材とを備えている。入力回転体は摩
擦面を有する。ボスは入力回転体に取り外し可能に固定
されている。ボスは、環状部と、環状部と一体に形成さ
れ環状部から円周方向に並んで軸方向に延び各々の円周
方向間に半径方向内外を貫通する隙間を形成する複数の
係合部とを有する。クラッチカバー組立体は、ボスに取
り外し可能に固定され摩擦面に対して軸方向に対向する
クラッチカバーと、クラッチカバーの摩擦面側に配置さ
れたプレッシャープレートと、クラッチカバーに支持さ
れプレッシャープレートを摩擦面側に付勢するための付
勢部材とを有する。入力摩擦部材は摩擦面とプレッシャ
ープレートの軸方向間に配置され、複数の係合部に対し
て相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に係合する。出
力摩擦部材は摩擦面とプレッシャープレートとの軸方向
間に配置されクラッチ全体で少なくとも3面の摩擦係合
面を形成する。
【0008】請求項1に記載の多板クラッチでは、入力
回転体に対してもクラッチカバー組立体のクラッチカバ
ーに対しても取り外し可能に固定されている。このた
め、例えばボスを交換する必要が生じた際には、ボスの
みを交換するだけで良い。この場合には従来のようにク
ラッチカバー組立体やフライホイールといった大きな部
材を交換する必要がないため、交換作業が容易になる。
【0009】さらに、請求項1に記載の多板クラッチで
は、ボスは環状部と複数の係合部とが一体に形成された
単独の部材であるため、部品点数の増加が抑えられてお
り、また部品の寸法精度をより正確にできる。請求項2
に記載の多板クラッチでは、入力摩擦部材はボスの複数
の係合部に相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に係合
している。
【0010】請求項3に記載の多板クラッチでは、請求
項1又は2において、プレッシャープレートはボスの複
数の係合部に相対回転不能かつ軸方向に移動可能に係合
している。請求項4に記載の多板クラッチでは、請求項
1〜3のいずれかにおいて、環状部は入力回転体及びク
ラッチカバーの一方に取り外し可能に固定され、複数の
係合部は入力回転体及びクラッチカバーの他方に取り外
し可能に固定されている。
【0011】請求項5に記載の多板クラッチでは、請求
項1〜4のいずれかにおいて、係合部の円周方向幅は、
円周方向に近接する係合部間に形成された隙間より小さ
い。
【0012】
【発明の実施の形態】図1及び図2はそれぞれが本発明
の一実施形態によるクラッチ1の断面図及び平面図であ
る。図1のO−Oがクラッチ1の回転軸線であり、図2
のR1がクラッチ1の回転方向である。クラッチ1は車
輌のエンジンとトランスミッションとの間に配置され、
両者の間でトルク伝達を行うとともにトルクを遮断する
クラッチ機能を有している。特に、クラッチ1は2つの
クラッチディスク組立体40,41(後述)を有するツ
インクラッチであり、例えばレース用車輌に用いられ
る。ただし、以後の説明は必要に応じて単板クラッチや
摩擦係合面が5面以上の多板クラッチにも適用可能であ
る。
【0013】クラッチ1は、主に、フライホイール2
と、クラッチカバー組立体3と、クラッチディスク組立
体4とから構成されている。フライホイール2は中心孔
が形成された円板状の部材である。フライホイール2は
例えば鋳鉄や鋼から形成されている。フライホイール2
は、内周部が複数のボルト6によりクランクシャフト
(図示せず)に固定されている。これによりフライホイ
ール2はクラッチ1において入力回転体として機能す
る。フライホイール2の内周部にはボルト6が貫通する
孔2a(ネジの切られていない孔)が円周方向に並んで
形成されている。フライホイール2の外周部においてト
ランスミッション側には環状の溝2bが形成されてい
る。溝2b部分には軸方向に貫通するネジの切られてい
ない孔2cが円周方向に並んで複数形成されている。溝
2bの内周側にはトランスミッション側を向いた摩擦面
7が形成されている。摩擦面7は環状に形成された平坦
な面である。
【0014】フライホイール2の外周部トランスミッシ
ョン側にはボス9が配置されている。ボス9は、フライ
ホイール2とクラッチカバー組立体3(後述)とを固定
するための部材であり、また入力側の部材としてプレッ
シャープレート17及び中間プレート44にトルク伝達
を行うための部材である。ボス9は例えばアルミ鋳物か
ら形成されている。ボス9は、環状部10と、環状部1
0から軸方向トランスミッション側に延びる複数の柱部
分11(係合部)とを有している。環状部10は半径方
向に所定の幅を有し、軸方向高さの低い環状部材であ
る。環状部10はフライホイール2の溝2bに着座して
いる。環状部10の外周面は溝2bの外周壁に当接し、
これによりボス9はフライホイール2に対して半径方向
に位置決めされている。柱部分11は円周方向に並んで
複数(この実施形態では6本)形成されている。柱部分
11は軸方向に細長く延びており、各柱部分11の円周
方向間には柱部分11の円周方向幅より大きい隙間が確
保されている。柱部分11は、図2に示すように、ほぼ
四角形の断面を有しており、円周方向端面11aは平坦
な面を構成している。なお、柱部分11の内周面と外周
面は円周方向に弧状になっている。各柱部分11に対応
する部分には、柱部分11と環状部10とを貫通するボ
ルト孔12が形成されている。ボルト孔12には軸方向
両側にそれぞれネジ溝が形成されている。ボス9は複数
のボルト13によりフライホイール2に固定されてい
る。ボルト13はフライホイール2のエンジン側からフ
ライホイール2の孔2cを貫通してさらにボス9のボル
ト孔12内に螺合している。
【0015】クラッチカバー組立体3は、クラッチディ
スク組立体4をフライホイール2と一体回転するように
付勢力を与えるとともに、運転者の操作により付勢力を
解除することでクラッチ連結を解除する機能を有してい
る。クラッチカバー組立体3は、クラッチカバー16
と、プレッシャープレート17と、ダイヤフラムスプリ
ング組立体18とから主に構成されている。クラッチカ
バー組立体3はダイヤフラムスプリング組立体18の内
周縁をトランスミッション側に引き出すことでクラッチ
レリーズを行うプルタイプクラッチである。なお、クラ
ッチカバー組立体3はフライホイール2と一体回転する
ように配置されている。
【0016】クラッチカバー16は環状の円板状部材で
ある。クラッチカバー16は、円板状の外周部23と、
外周部23の内周側から軸方向トランスミッション側に
延びる筒状部24と、筒状部24のトランスミッション
側端から内周側に延びる円板状の内周部25とから構成
されている。外周部23のエンジン側面はボス9の柱部
分11のトランスミッション側端面に当接している。外
周部23の外周縁にはエンジン側に突出する環状突起が
形成されており、環状突起の内周面は各柱部分11の外
周面に当接している。これにより、クラッチカバー16
はボス9に対して半径方向に位置決めされている。この
結果、クラッチカバー16はボス9を介してフライホイ
ール2に対して芯出し(半径方向位置決め)されてい
る。外周部23は複数のボルト27により柱部分11に
固定されている。外周部23にはボルト孔12に対応し
たネジの切られていない孔28が形成されている。ボル
ト27は孔28にトランスミッション側から挿入されボ
ルト孔12に螺合している。内周部25はフライホイー
ル2の摩擦面7に対して軸方向に間隔を空けて対向して
いる。
【0017】プレッシャープレート17は、クラッチカ
バー16とフライホイール2との間においてクラッチカ
バー16側に近接して配置されている。プレッシャープ
レート17は環状又は円板状の部材であり、その環状本
体36は摩擦面7に対向する第1面36aと、クラッチ
カバー16の内周部25に対向する第2面36bとを有
している。第1面36aは環状かつ平坦な摩擦面となっ
ている。プレッシャープレート17の環状本体36の外
周側には係合部39が形成されている。係合部39は、
環状本体36から半径方向外側に延び、ボス9の環状部
10とクラッチカバー16の外周部23との軸方向間、
かつ、各柱部分11の円周方向間に位置している。係合
部39は円周方向に長く延び、図2に示すように係合部
39は円周方向両端に柱部分11の円周方向端面11a
に当接する当接面39aを有している。当接面39aと
円周方向端面11aとの係合により、プレッシャープレ
ート17はボス9と一体回転しかつ軸方向には移動可能
となっている。このようにしてプレッシャープレート1
7にはフライホイール2のトルクが入力される。なお、
プレッシャープレート17はクラッチカバー16とは直
接固定、係合等はしていない。
【0018】クッション部材37はプレッシャープレー
ト17の環状本体36の第2面36b側に配置されてい
る。クッション部材37はクラッチ連結動作時にクッシ
ョン機能を実現するための部材である。第2面36bの
内周側には環状溝61が形成されている。環状溝61は
その外周側の第2面36bよりさらに低くなっている。
環状溝61の内周縁には軸方向に延びる筒状部63が形
成されている。筒状部63は環状溝61及び第2面36
bよりさらに軸方向トランスミッション側に延びてい
る。筒状部63の内周側には、環状溝61よりさらに軸
方向に突出する環状の支持部62が形成されている。支
持部62は断面が湾曲している。
【0019】クッション部材37は、図4に示すよう
に、環状又は円板状の部材である。クッション部材37
は板バネであり、この実施形態では特に円板状すなわち
ワッシャー形状である。クッション部材37を構成する
円板状部37aの内周部は支持部62によりプレッシャ
ープレート17に支持されている。また、円板状部37
aの内周縁は筒状部63に近接しており、筒状部63に
よってクッション部材37の半径方向位置決めがされて
いる。クッション部材37の外周縁には、軸方向トラン
スミッション側に突出する環状の支点部37bが形成さ
れている。円板状部37aはクラッチ連結解除状態にお
いて、環状溝61に対してほぼ並行に延びるように、す
わなちほぼフラットな形状を維持している。以上の構造
によって、円板状部37aと環状溝61との間には軸方
向にたわみ代Tが確保されている。
【0020】ダイヤフラムスプリング組立体18(付勢
部材)は、クラッチカバー16に支持されプレッシャー
プレート17に付勢力を与えるためのバネである。ダイ
ヤフラムスプリング組立体18は、2枚のダイヤフラム
スプリングから構成されている。ここで2枚のダイヤフ
ラムスプリングが用いられているのは、多板クラッチに
おいて大きな付勢力を必要とするためである。ダイヤフ
ラムスプリング組立体18は、第1ダイヤフラムスプリ
ング29と第2ダイヤフラムスプリング30とから構成
されている。
【0021】第1ダイヤフラムスプリング29(第1円
板状弾性部材)は、環状の第1弾性部31と、第1弾性
部31から半径方向内側に延びる複数の第1レバー部3
3とから構成されている。第1弾性部31の内周部エン
ジン側面はクッション部材37の支点部37bに当接又
は近接している。第1レバー部33はクラッチ1の回転
軸線O−O付近まで延びている。各第1レバー部33
は、間にスリットを有しており、半径方向先端に向かっ
て円周方向に幅が狭くなっている。また、第1レバー部
33の先端35は途中からトランスミッション側に斜め
に折り曲げられさらに平坦に延びる部分を有している。
すなわち第1レバー部33の先端35はその内周側の部
分と異なる軸方向位置にある。第1レバー部33の先端
35には、レバープレート、ワイヤリング、ウエッジカ
ラー等からなるレリーズ装置19(係合部材)が装着さ
れている。複数の第1レバー部33の半径方向先端35
は中心から所定の位置に配置されており、そのため第1
ダイヤフラムスプリング29には中心孔が形成されてい
ることになる。
【0022】各第1レバー部33の根元付近(外周部)
には各第1レバー部33間のスリットにより幅の大きい
小判孔33aが形成されている。小判孔33aは半径方
向に長く延びる小判形状の孔であり、小判孔33aによ
って各第1レバー部33の外周側円周方向幅はその内周
側部分より狭くなっている。第2ダイヤフラムスプリン
グ30は、第1ダイヤフラムスプリング29の軸方向ト
ランスミッション側に同心に配置されている。第2ダイ
ヤフラムスプリング30は第1ダイヤフラムスプリング
29に当接して配置され、第1ダイヤフラムスプリング
29によってクラッチ連結解除時にプレッシャープレー
ト17から離れるように付勢される。第2ダイヤフラム
スプリング30は、第2弾性部32と、第2弾性部32
から半径方向内側に延びる複数の第2レバー部34とか
ら構成されている。第2弾性部32は第1弾性部31と
重なるように配置されている。各第2レバー部34は間
にスリットを有しており、各々が半径方向先端に向かっ
て円周方向に幅が狭くなっている。第2レバー部34は
第1レバー部33に対応して形成され、第1レバー部3
3にそれぞれ重なるように配置されている。複数の第2
レバー部34の半径方向先端は中心から所定の位置に配
置されており、そのため第2ダイヤフラムスプリング3
0には中心孔が形成されていることになる。第2レバー
部34は、第1レバー部33に比べて短く、第1レバー
部33の平坦部分を越えては半径方向内側に延びていな
い。このように第2ダイヤフラムスプリング30の中心
孔(第2中心孔)は第1ダイヤフラムスプリング29の
中心孔(第1中心孔)より半径が大きい。言い換える
と、第2ダイヤフラムスプリング30は第1ダイヤフラ
ムスプリング29より内径が大きい。なお、第1ダイヤ
フラムスプリング29の外径は第2ダイヤフラムスプリ
ング30の外径と等しい。
【0023】各第2レバー部34の根元付近(外周部)
には各第2レバー部34間のスリットより幅の大きい小
判孔34aが形成されている。小判孔34aは半径方向
に長く延びる小判形状の孔であり、小判孔34aによっ
て各第2レバー部34の外周側円周方向幅はその内周側
部分より狭くなっている。小判孔34a小判孔33aに
対応しており形状も同一である。
【0024】第2ダイヤフラムスプリング30の第2弾
性部32の外周部トランスミッション側面とクラッチカ
バー16の内周部25の外周部エンジン側面との間には
ワイヤリング20が配置されている。ワイヤリング20
は断面円形の部材であり、ダイヤフラムスプリング組立
体18に対してクラッチカバー16側の支点を構成して
いる。ワイヤリング20は筒状部24の内周面に当接し
ており、それにより半径方向の位置決めが行われてい
る。以上の構造において、第1及び弾性部31,32は
外周部(軸方向トランスミッション側面、第2面)がク
ラッチカバー16に支持され、内周部(軸方向エンジン
側すなわちクラッチカバー16側面、第1面)がクッシ
ョン部材37を介してプレッシャープレート17に支持
されている。なお、ワイヤリング20の代わりにクラッ
チカバー16に環状又は弧状の支持部を設けて、クラッ
チカバー16が直接ダイヤフラムスプリング組立体18
を支持しても良い。
【0025】第1及び第2ダイヤフラムスプリング2
9,30は図1においては平坦な状態であるが、自由状
態(クラッチカバー組立体3がクラッチ1から外された
状態)では円錐形状となっている。具体的には、第1及
び第2ダイヤフラムスプリング29,30は内周部すな
わち第1及び第2レバー部33,34先端が外周部すな
わち第1及び第2弾性部31,32よりクラッチカバー
16の内周部25から離れる方向に位置している。この
状態では第1及び第2ダイヤフラムスプリング29,3
0はクラッチカバー16に対して軸方向に移動可能であ
るが、内周部25から離れる側はサークリップ21によ
って支持されている。すなわち第1及び第2ダイヤフラ
ムスプリング29,30はサークリップ21によってク
ラッチカバー16から脱落が防止されている。
【0026】図1に示すクラッチカバー組立体3がクラ
ッチ1に取り付けられた状態では、第1及び第2弾性部
31, 32は軸方向の両部材間で軸方向に変形した状態
で配置されている。具体的には、クラッチレリーズ状態
では第1及び第2ダイヤフラムスプリング29,30内
周部がトランスミッション側に引き出され、プレッシャ
ープレート17側には付勢力をを与えていない。クラッ
チ連結状態では、第1及び第2弾性部31,32は外周
部トランスミッション側がクラッチカバー16に(この
実施形態ではワイヤリング20を介して)支持され、内
周部エンジン側がプレッシャープレート17に(クッシ
ョン部材37を介して)支持されている。これにより第
1及び第2弾性部31,32はプレッシャープレート1
7に対してフライホイール2の摩擦面7側への付勢力を
与えている。なお、第1弾性部31,32は並列に作用
しており、全体の付勢力は第1及び弾性部31,32の
個々の付勢力の合計になっている。
【0027】サークリップ21(係止部材)は、弾性部
31, 32の軸方向エンジン側に配置され、ダイヤフラ
ムスプリング組立体18がクラッチカバー16から軸方
向に離脱するのを防止している。サークリップ21は、
より具体的には、クラッチカバー16の筒状部24の内
周側でかつ軸方向エンジン側に設けられている。サーク
リップ21は、環状に延びる部材であり、その一部が切
れている。サークリップ21は筒状部24に形成された
溝内に挿入されている。サークリップ21と弾性部31
との間には軸方向に所定の隙間が確保されている。この
隙間によってクラッチカバー組立体3がクラッチ1に組
み込まれた状態でサークリップ21はダイヤフラムスプ
リング組立体18に干渉しない。
【0028】プレッシャープレート17の内周部分すな
わち環状溝61に対応する部分には、軸方向に延びる複
数のピン38(回り止め部材)が取付られている。ピン
38は筒状の部材であり、軸方向に延びるスリットが形
成されている。ピン38はプレッシャープレート17に
形成された孔36cに一端が締まり嵌めされ、クッショ
ン部材37に形成された孔37c内を延びさらに第1及
び第2ダイヤフラムスプリング29, 30にそれぞれ形
成された小判孔33a, 34a内を貫通している。ピン
38の直径はクッション部材37の孔37cの円周方向
長さとほぼ等しく、ピン38はクッション部材37の孔
37cに対して円周方向両端がそれぞれ当接している。
これにより、クッション部材37はプレッシャープレー
ト17と一体回転する。ピン38の直径は小判孔33
a,34aの円周方向幅よりは短いが、ピン38には、
小判孔33a,34aの回転方向R1側に当接したもの
と、小判孔33a,34aの回転方向R2側に当接した
ものとがある。このようにしてダイヤフラムスプリング
組立体18はプレッシャープレート17と一体回転す
る。
【0029】以上に述べたように、複数のピン38によ
りクッション部材37とダイヤフラムスプリング組立体
18とがプレッシャープレート17と一体回転するよう
になっている。このため、各部材間における相対回転が
なくなり、摩耗が生じにくい。特に、ピン38により2
つの部材をプレッシャープレートに対して回り止めして
いるため、部品点数が大幅に削減されている。
【0030】クラッチディスク組立体4は、第1クラッ
チディスク組立体40と第2クラッチディスク組立体4
1とから構成されている。第1クラッチディスク組立体
40は第2クラッチディスク組立体41に対して軸方向
エンジン側に配置されている。第1クラッチディスク組
立体40のクラッチディスク42(第1摩擦部材)はフ
ライホイール2の摩擦面7に近接して配置されている。
第2クラッチディスク組立体41のクラッチディスク4
3(第2摩擦部材)はプレッシャープレート17の環状
本体36の第1面36aに近接して配置されている。各
クラッチディスク42, 43は、両面には摩擦フェーシ
ングが設けられており、クラッチ1の出力摩擦部材とし
て機能する。第1及び第2クラッチディスク組立体4
0,41はトーションスプリング等からなる捩じり振動
ダンパーを有している。また、第1及び第2クラッチデ
ィスク組立体40,41はトランスミッションから延び
るシャフト(図示せず)に係合するハブを有している。
これによりクラッチディスク組立体4はクラッチ1の出
力回転体として機能する。
【0031】クラッチディスク42, 43の軸方向間に
は中間プレート44(摩擦係合部材)が配置されてい
る。中間プレート44はフライホイール2と一体回転す
る入力摩擦部材として機能する。中間プレート44は環
状の部材であり、軸方向両側に環状でかつ平坦な摩擦面
を有している。中間プレートを主に構成する環状本体4
5には半径方向外側に延びる複数の突出部46が形成さ
れている。突出部46はクラッチディスク42,43よ
りさらに半径方向外方に延び、ボス9の環状部10とク
ラッチカバー16の外周部23との軸方向間、かつ、各
柱部分11の円周方向間に位置している。突出部46は
円周方向に長く延びており、円周方向両端には係合部5
1が形成されている。係合部51はボス9の柱部分11
に対して相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に係合し
ている。具体的には係合部51に形成された円周方向端
面51aが柱部分11の円周方向端面11aに対して円
周方向から当接している。
【0032】環状本体45には内部に半径方向に延びる
孔47が形成されている。孔47は突出部46に対応し
て形成されている。このため、このクラッチ1の内部は
孔47とその半径方向外方にある柱部分11間の隙間に
よって外部と連通している。このため、クラッチ1の内
部は、遠心力によって半径方向外方に流れる空気によっ
て冷却される。
【0033】突出部46には、軸方向両側の面にバネ5
0がそれぞれ設けられている。バネ50は、中間プレー
ト44に固定され、クラッチレリーズ時に中間プレート
44をフライホイール2とプレッシャープレート17と
の間で所定の軸方向中間位置に保つための弾性部材であ
る。バネ50によって、クラッチ連結解除状態において
中間プレート44が軸方向片側に寄ることに起因するド
ラッグトルクが生じにくい。
【0034】バネ50は、板バネであり、円周方向に延
びる第1部分52(固定部)と、第1部分52の円周方
向両端から軸方向に延びる第2部分53(弾性部)と、
第2部分53の先端から軸方向反対側に折り曲げられた
折り曲げ部分54とから構成されている。第1部分52
は突出部46の軸方向端面に当接し、2本のピン55に
より突出部46に固定されている。また、各ピン55は
軸方向両側にあるバネ50を固定している。第2部分5
3は突出部46の軸方向端面から斜めに延びている。折
り曲げ部分54は第2部分53先端において突出部46
側に折り曲げられ、突出部46と反対側に凸状に湾曲し
た当接面を構成している。軸方向エンジン側のバネ50
において当接面はボス9の環状部10の軸方向トランス
ミッション側面に当接している。また、軸方向トランス
ミッション側のバネ50の当接面はプレッシャープレー
ト17の係合部39の軸方向エンジン側面に当接してい
る。クラッチ連結状態及び連結解除状態においてバネ5
0の第2部分53及び折り曲げ部分54は軸方向に圧縮
された状態を維持している。
【0035】このクラッチ1では、フライホイール2の
摩擦面7とクラッチディスク42との間、クラッチディ
スク42と中間プレート44との間、中間プレート44
とクラッチディスク43との間、クラッチディスク43
とプレッシャープレート17の第1面36aとの間に各
々摩擦係合面が確保されている。次にクラッチ1の動作
について説明する。
【0036】運転者がクラッチペダルを踏んだ状態で
は、レリーズ装置19が図1の右側すなわち軸方向トラ
ンスミッション側に引き出され、それにより第1ダイヤ
フラムスプリング29のレバー部33が軸方向トランス
ミッション側に移動させられている。このとき第2ダイ
ヤフラムスプリング30は第1ダイヤフラムスプリング
29によって軸方向トランスミッション側に移動させら
れる。この状態では、ダイヤフラムスプリング組立体1
8からの付勢力はプレッシャープレート17に与えられ
ておらず、クッション部材37は図4の実線で示す平坦
な状態を維持している。さらに、プレッシャープレート
17に付勢力が与えられないことにより、第1及び第2
クラッチディスク組立体40, 41のクラッチディスク
42, 43はフライホイール2,中間プレート44及び
プレッシャープレート17から離れている。この結果フ
ライホイール2のトルクはクラッチディスク組立体4に
伝達されない。このとき、中間プレート44に固定され
たバネ50によって中間プレート44はフライホイール
2とプレッシャープレート17との軸方向中間所定位置
に維持されている。この結果、中間プレート44が軸方
向の片側に寄ってクラッチディスク42, 43に当接す
ることに起因するドラッグトルクが生じにくい。
【0037】運転者がクラッチペダルを離すと、ダイヤ
フラムスプリング組立体18において第1及び第2ダイ
ヤフラムスプリング29, 30が元の状態に戻ろうとす
る。すなわち第1及び第2弾性部31, 32の外周部が
クッション部材37を介してプレッシャープレート17
に付勢力を与える。クラッチ連結動作初期の段階におい
てクッション部材37は図4に示すように実線の状態か
ら波線の状態まで弾性変形する。すなわち支点部37b
が第1ダイヤフラムスプリング29に押され、クッショ
ン部材37の外周部がプレッシャープレート17の環状
溝61側に押し付けられる。このときのクッション部材
37の弾性変形により、クラッチ連結動作時のクッショ
ン機能が得られる。
【0038】クッション部材37の変形後は、プレッシ
ャープレート17がエンジン側に移動し、クラッチディ
スク42, 43と中間プレート44をフライホイール2
の摩擦面7に対して押圧する。この結果、第1及び第2
クラッチディスク組立体40, 41に対してフライホイ
ール2、ボス9及びプレッシャープレート17からトル
クが入力される。 〔クッション部材37による効果〕クラッチ連結動作時
にクッション部材37が軸方向に変形することによりク
ッショニング効果が得られる。クラッチレリーズ操作時
にはクッション部材37からの荷重がクラッチレリーズ
方向に作用するため、レリーズ荷重が減少する。その結
果、半クラッチ操作の操作性が向上する。
【0039】クッション部材37においては、クッショ
ン部材としての剛性やたわみ代を任意に設定することが
でき、つまりクッション特性を任意に設定可能である。
このようにして半クラッチ操作性を設定する自由度が高
い。さらに、クラッチディスク42, 43の摩耗が進行
した際にも、クッション部材37の支点部37bの高さ
が異なるものを用いることで摩擦フェーシングの摩耗時
にもダイヤフラムスプリング組立体18の姿勢を維持で
きる。すなわちセット荷重を長期間にわたって保つこと
ができる。このようにクラッチ1における摩耗時の調整
をプレッシャープレート17より小さな部材の交換のみ
で可能になる。
【0040】クッション部材37は板バネであるため、
寸法精度を高く維持できる。またクッション部材37は
平坦な板バネであるため、特性の設定がより容易であ
る。さらに、クッション部材37とプレッシャープレー
ト17との間には外周側に隙間が確保されているため、
クラッチディスク42, 43の摩耗粉等がプレッシャー
プレート17とクッション部材37との間に入りにく
く、また入った場合でも遠心力により容易に排出され得
る。
【0041】上記クッション部材は、本実施形態より摩
擦係合面が多い多板クラッチにも採用できる。クッショ
ン部材は、1枚のダイヤフラムスプリングを有するクラ
ッチカバー組立体、プッシュタイプのクラッチ、複数の
歯からなるギアドライブタイプのクラッチなどにも採用
可能である。 〔ピン38による効果〕ピン38によりクッション部材
37とダイヤフラムスプリング組立体18とのプレッシ
ャープレート17に対する回り止めを行っているため、
各支点部での摩耗が防止されている。また、部品点数が
少なくなっている。
【0042】クッション部材37及びダイヤフラムスプ
リング組立体18をピン38に組み付けるのは容易であ
るため、組み付け作業性が向上している。なお、回り止
めを実現するための部材としてはピンに限定されず例え
ばボルト等の他の部品であってもよい。上記回り止め部
材としてのピンは、本実施形態より摩擦係合面が多い多
板クラッチにも採用できる。また、回り止め部材は、1
枚のダイヤフラムスプリングを有するクラッチカバー組
立体、プッシュタイプのクラッチ、複数の歯からなるギ
アドライブタイプのクラッチなどにも採用可能である。 〔ボス9による効果〕A.ボス9がフライホイール2及びクラッチカバー16
と別体である点 ボス9がフライホイール2及びクラッチカバー16から
分離した単独の部材であるため、以下の効果が生じる。
図1に示すクラッチ1はツインクラッチであるが、この
クラッチを例えばクラッチディスク組立体が3個用いら
れたトリプルタイプに変更する場合には、ボス9の交換
を行うだけで良い。ここでは、ボス9はクラッチ1の軸
方向寸法を変更可能な部材として機能している。すなわ
ち従来のようにフライホイール2やクラッチカバー組立
体3等の大きな部品やアッセンブリーを交換する必要が
ない。この結果ユーザーがクラッチ1の仕様を変更する
際に取り扱いが容易になっている。また、ボス9の柱部
分11が摩耗し係合部分を交換する際にも、ボス9のみ
の交換で良い。
【0043】B.ボス9が一体の環状部10及び柱部分
11から構成されている点 ボス9は一体の環状部10及び柱部分11から構成され
ているため、部品の寸法精度が向上している。例えば、
環状部10におけるフライホイール2と当接する環状面
の平面度が向上している。また、各柱部分11において
クラッチカバー16の外周部23に当接する軸方向端面
の軸方向位置が正確に保たれている。
【0044】ボスは環状部がクラッチカバーに取り外し
固定され、複数の柱部分がフライホイールに取り外し可
能に固定される構成であってもよい。また、ボスは柱部
分の軸方向両側に環状部が一体に形成された構成であっ
てもよい。上記ボスの構造は、本実施形態より摩擦係合
面が多い多板クラッチにも採用できる。また、ボスは、
1枚のダイヤフラムスプリングを有するクラッチカバー
組立体や、プッシュタイプのクラッチにも採用可能であ
る。 〔バネ50による効果〕バネ50(弾性部材)を中間プ
レート44(環状部材)に設けることでクラッチ連結解
除時に中間プレート44のフライホイール2及びプレッ
シャープレート17に対する軸方向の位置決めが確実に
行われる。より詳細には、中間プレート44はフライホ
イール2とプレッシャープレート17との軸方向中間に
位置される。
【0045】軸方向両側のバネ50のバネ定数が同一で
ある場合は、中間プレート44は軸方向移動量がプレッ
シャープレート17の移動量のちょうど半分を推移して
いく。プレッシャープレート17側のバネ50のバネ定
数がフライホイール2側のバネ50のバネ定数より大き
な場合は、中間プレート44の移動量はプレッシャープ
レート17の移動量の半分以下となって推移する。この
ように2種類のバネ50のバネ定数を設定することによ
り、中間プレート44のプレッシャープレート17に対
する移動率を調整できる。
【0046】特に、この実施形態ではバネ50が中間プ
レート44に固定されて1つの摩擦係合部材を構成して
いるため、持ち運び及び組み付け時の操作性が向上して
いる。板バネ50は他の部材と接触する部分が折り曲げ
部分54によって滑らかに湾曲しているため、破損しに
くい。
【0047】バネ50による摩擦係合部材の構成は、ツ
インクラッチの中間プレート(本実施形態)やプレッシ
ャープレート、単板クラッチのプレッシャープレート、
本実施形態より摩擦係合面が多い多板クラッチのドライ
ブプレートなどに採用できる。ツインクラッチのプレッ
シャープレートに固定されたバネは中間プレートとクラ
ッチカバーに当接してプレッシャープレートの軸方向位
置を決める。単板クラッチのプレッシャープレートに固
定されたバネはフライホイールとクラッチカバーに当接
してプレッシャープレートの軸方向位置を決める。複数
のドライブプレートを有する多板クラッチではバネは複
数のドライブプレートに固定され軸方向に隣接するドラ
イブプレートに当接して各ドライブプレートの軸方向位
置を決めする。
【0048】バネ50は板バネ以外にコイルスプリング
等の他のバネを用いてもよい。中間プレートに固定され
たバネの構成は、プッシュタイプのクラッチや複数の歯
からなるギアドライブタイプのクラッチにも採用可能で
ある。また、この構成は1枚のダイヤフラムスプリング
を有するクラッチカバー組立体にも採用できる。 〔ダイヤフラムスプリング組立体18による効果〕ダイ
ヤフラムスプリング組立体18では、2枚のダイヤフラ
ムスプリング29, 30を重ねて用いることでクラッチ
1のトルク伝達容量を大きくしている。ここでは、第2
ダイヤフラムスプリング30の内径を大きくすることで
レバー部のレリーズ装置19と係合する部分(35)を
1枚のダイヤフラムスプリングで構成したことにより、
レリーズ装置19の装着を従来と同様に行うことが可能
となっている。すなわち2枚重ねのダイヤフラムスプリ
ング組立体においても特別な構造のレリーズ装置を用い
る必要がなくなり、共通の部品を使用できる。
【0049】2枚のダイヤフラムスプリングからなる構
成は、単板クラッチや本実施形態より摩擦係合面が多い
多板クラッチにも採用できる。また、2枚のダイヤフラ
ムスプリングからなる構成は、プッシュタイプのクラッ
チや複数の歯からなるギアドライブタイプのクラッチに
も採用可能である。 〔サークリップ21による効果〕サークリップ21はダ
イヤフラムスプリング組立体18をクラッチカバー16
から離脱不能に係合している。すなわち、サークリップ
21によって、クラッチカバー16,ワイヤリング20
及び第1及び第2ダイヤフラムスプリング29,30が
1つのサブアッセンブリーとなっている。このサブアッ
センブリーは運搬及びクラッチ1全体をの組立時に1つ
の部材として利用可能である。
【0050】特に、この実施形態では、プレッシャープ
レート17がストラッププレート等によりクラッチカバ
ーに固定されていないため、上記部材が1つのサブアッ
センブリーを構成していることは運搬や組み付け時にお
いて重要である。特に、図に示すプルタイプクラッチで
はダイヤフラムスプリングはクラッチカバーによって離
脱不能に支持されていないため、より重要になる。
【0051】係止部材としてのサークリップ21は必要
に応じてクラッチカバー16から取り外せることが好ま
しい。係止部材が取り外せる場合には、ワイヤリング2
0やダイヤフラムスプリング組立体18を交換するのが
容易である。係止部材はサークリップに限定されない。
すなわち他の部材を用いても可能である。上記係止部材
としてのサークリップは、単板クラッチや本実施形態よ
り摩擦係合面が多い多板クラッチにも採用できる。係止
部材は1枚のダイヤフラムスプリングを有するクラッチ
カバー組立体にも採用できる。ただし、係止部材として
のサークリップは、ボスドライブ型の多板クラッチのよ
うにプレッシャープレートがクラッチカバーに固定され
ておらず、しかもプルタイプ用のダイヤフラムスプリン
グが配置されたクラッチカバー組立体において最も効果
を発揮する。
【0052】
【発明の効果】本発明に係る多板クラッチでは、入力回
転体に対してもクラッチカバー組立体のクラッチカバー
に対しても取り外し可能に固定されている。このため、
例えばボスを交換する必要が生じた際には、部品の交換
作業が容易になる。ボスは環状部と複数の係合部とが一
体に形成された単独の部材であるため、部品点数の増加
が抑えられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクラッチの断面図。
【図2】クラッチの平面図。
【図3】図1のIII 矢視図。
【図4】プレッシャープレートに配置されたクッション
部材の構成を説明するための部分断面図。
【符号の説明】
1 クラッチ 2 フライホイール 3 クラッチカバー組立体 4 クラッチディスク組立体 7 摩擦面 9 ボス 10 環状部 11 柱部分 16 クラッチカバー 17 プレッシャープレート 18 ダイヤフラムスプリング組立体 19 レリーズ装置 20 ワイヤリング 29 第1ダイヤフラムスプリング 30 第2ダイヤフラムスプリング 42,43 クラッチディスク 44 中間プレート 45 環状本体 50 バネ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】摩擦面を有する入力回転体と、 前記入力回転体に取り外し可能に固定され、環状部と、
    前記環状部と一体に形成され前記環状部から円周方向に
    並んで軸方向に延び各々の円周方向間に半径方向内外を
    貫通する隙間を形成する複数の係合部とを有するボス
    と、 前記ボスに取り外し可能に固定され前記摩擦面に対して
    軸方向に対向するクラッチカバーと、前記クラッチカバ
    ーの前記摩擦面側に配置されたプレッシャープレート
    と、前記クラッチカバーに支持され前記プレッシャープ
    レートを前記摩擦面側に付勢するための付勢部材とを有
    するクラッチカバー組立体と、 前記摩擦面と前記プレッシャープレートとの軸方向間に
    配置され摩擦係合面を少なくとも3面形成する複数の入
    出力摩擦部材と、を備えた多板クラッチ。
  2. 【請求項2】前記入力摩擦部材は前記ボスの前記複数の
    係合部に相対回転不能にかつ軸方向に移動可能に係合し
    ている、請求項1に記載の多板クラッチ。
  3. 【請求項3】前記プレッシャープレートは前記ボスの前
    記複数の係合部に相対回転不能にかつ軸方向に移動可能
    に係合している、請求項1又は2に記載の多板クラッ
    チ。
  4. 【請求項4】前記環状部は前記入力回転体及び前記クラ
    ッチカバーの一方に取り外し可能に固定され、前記複数
    の係合部は前記入力回転体及び前記クラッチカバーの他
    方に取り外し可能に固定されている、請求項1〜3のい
    ずれかに記載の多板クラッチ。
  5. 【請求項5】前記係合部の円周方向幅は、円周方向に隣
    接する前記係合部間に形成された隙間より小さい、請求
    項1〜4のいずれかに記載の多板クラッチ。
JP13406398A 1998-05-15 1998-05-15 多板クラッチ Pending JPH11325104A (ja)

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