JP2001140928A - クラッチ装置 - Google Patents
クラッチ装置Info
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Abstract
軸方向エンジン側に配置されたクラッチ装置においてエ
ンジンからの曲げ振動による悪影響を減らす。 【解決手段】 クラッチカバー組立体8は、クラッチデ
ィスク82の軸方向エンジン側に配置されたプレッシャ
ープレート51と、摩擦駆動板23に固定されたクラッ
チカバー28と、プレート51を軸方向トランスミッシ
ョン側に付勢するためのコーンスプリング52とを有し
ている。レリーズ機構10は、摩擦駆動板23の軸方向
トランスミッション側に固定されたカバー部材57と、
一端がプレート51の軸方向エンジン側の面に当接し他
端カバー部材57に近接して配置されたレリーズ部材6
0と、カバー部材57及びレリーズ部材60の他端に支
持されたレバー部材59とを有している。カバー部材5
7の内周端はトランスミッション側の部材に支持されて
いる。
Description
に、クラッチカバー組立体がクラッチディスクの軸方向
エンジン側に配置されたクラッチ装置に関する。
トランスミッションの入力シャフトに伝達すると共に、
必要に応じてその動力を遮断するための装置である。ク
ラッチ装置は、主に、トランスミッションのクランクシ
ャフトから動力が入力される摩擦駆動板と、摩擦駆動板
に近接して配置されたクラッチディスクと、クラッチデ
ィスクを摩擦駆動板に付勢すると共に必要に応じてその
付勢を解除するためのクラッチカバー組立体とから構成
されている。クラッチカバー組立体は、駆動板と一体回
転するように設けられたクラッチカバーと、クラッチカ
バー内に配置されクラッチディスクに近接して配置され
たプレッシャープレートと、クラッチカバーに支持され
プレッシャープレートをクラッチディスク及び駆動板側
に付勢するための付勢部材とを有している。
ッチカバー組立体が駆動板の軸方向エンジン側に配置さ
れたものが知られている。この場合、クラッチカバー組
立体に対して荷重を付与することでクラッチをレリーズ
するためのレリーズ機構は、摩擦駆動板の軸方向トラン
スミッション側に設けられている。レリーズ機構は、例
えば、駆動板の軸方向トランスミッション側に固定され
たカバー部材と、駆動板を貫通して一端がプレッシャー
プレートに当接する当接部となっているレリーズ部材
と、カバー部材の一部を支点としてレバー部材の他端に
当接するレバー部材とから構成されている。レバー部材
に対して駆動機構からの荷重が作用すると、レバー部材
はカバー部材に支持されてレリーズ部材を軸方向エンジ
ン側に移動させる。これにより、プレッシャープレート
は付勢部材からの付勢力に打ち勝ってクラッチディスク
から離れる。このようにしてクラッチ装置においてクラ
ッチ連結が解除される。
置では、クラッチカバーは例えば内周部がクランクシャ
フトや他の部材に支持されている。このため、エンジン
からの曲げ振動がクラッチ装置に入力されると、クラッ
チ装置全体が曲げ振動の影響を受け、共振現象を生じさ
せ易い。
クラッチディスクの軸方向エンジン側に配置されたクラ
ッチ装置において、エンジンからの曲げ振動による悪影
響を減らすことにある。
チ装置は、クラッチディスクを連結・解除することで、
エンジンのクランクシャフトからの動力をトランスミッ
ションの入力シャフトに伝達・遮断するための装置であ
って、摩擦駆動板とクラッチカバー組立体とレリーズ機
構とを備えている。摩擦駆動板はクラッチディスクの軸
方向トランスミッション側に配置されている。クラッチ
カバー組立体は、プレッシャープレートの軸方向エンジ
ン側に固定されたクラッチカバーと、 クラッチディス
クの軸方向エンジン側に配置されたプレッシャープレー
トと、クラッチカバーに支持されプレッシャープレート
をクラッチディスク側に付勢するするための付勢部材と
を有する。レリーズ機構は、摩擦駆動板の軸方向トラン
スミッション側に固定され内周端がトランスミッション
側の部材に支持されたカバー部材と、一端がプレッシャ
ープレートの軸方向エンジン側の面に当接し他端がカバ
ー部材に近接して配置されたレリーズ部材と、カバー部
材及びレリーズ部材の他端に支持されたレバー部材とを
有する。
端がトランスミッション側の部材に支持されている。こ
のように、クラッチ装置において軸方向トランスミッシ
ョン側に配置された部材であるカバー部材が支持される
ことによって、エンジンからの曲げ振動が入力された場
合であっても装置全体が傾きにくくなっており、曲げ振
動による共振現象が生じにくくなっている。
項1において、駆動機構は、インナーレースと、レバー
部材に荷重を付与するためのアウターレースと、両レー
ス間に配置された複数の転動体とからなるレリーズベア
リングさらに有している。カバー部材の内周端はアウタ
ーレースによって支持されている。このクラッチ装置で
は、レリーズベアリングを用いてカバー部材を支持して
いるため、特別な部材を設ける必要がない。
項2において、アウターレースに取り付けられ、カバー
部材の内周面を軸方向に摺動可能に支持する外周面を有
する筒状部材をさらに備えている。このクラッチ装置で
は、カバー部材の内周面はレリーズベアリングに取り付
けられた筒状部材によって支持されている。
項3において、筒状部材は、外周面を有する筒状部と、
レバー部材に当接する当接部とを有している。このクラ
ッチ装置では、筒状部材はカバー部材の内周端を支持す
ると共にレバー部材を駆動する機能を有している。請求
項5に記載のクラッチ装置では、請求項1〜4のいずれ
かにおいて、クラッチカバーは外周端が摩擦駆動板に固
定され内周端がクランクシャフトに回転自在に支持され
ている。
内周端がクランクシャフトに支持されているため、クラ
ッチ装置は軸方向両側で他の部材によって支持されてい
ることになるため、エンジンからの曲げ振動が入力され
た場合の曲げ振動による共振現象が生じにくくなってい
る。請求項6に記載のクラッチ装置では、請求項5にお
いて、クラッチカバーの内周端はクランクシャフトに半
径方向及び軸方向エンジン側を支持されている。
クランクシャフトによって半径方向及び軸方向の位置決
めがされている。請求項7に記載のクラッチ装置は、請
求項5又は6において、クラッチカバーの内周端と入力
シャフトの間に配置された軸受をさらに備えている。こ
のクラッチ装置では、入力シャフトは軸受を介してクラ
ッチカバーの内周端に支持されている。
縦断面概略図を示す。クラッチ装置1は、エンジンのク
ランクシャフト2からトランスミッションの入力シャフ
ト3にトルクを伝達及び遮断するための装置である。図
1の左側にエンジン(図示せず)が配置され、図1の右
側にトランスミッション(図示せず)が配置されてい
る。
ラッチディスク組立体7と、クラッチカバー組立体8
と、レリーズ機構10とを備えている。質量体5はクラ
ンクシャフト2の先端に固定されている。質量体5はク
ランクシャフト2側に大きな慣性モーメントを確保する
ための部材である。質量体5は円板状部材12と環状部
材13とから構成されている。円板状部材12は内周端
が複数のボルト15によってクランクシャフト2の先端
に固定されている。ボルト15は軸方向トランスミッシ
ョン側から取り付けられている。円板状部材12の内周
縁は、クランクシャフト2の先端面に形成された環状突
出部2aの外周面に当接している。環状部材13は円板
状部材12の外周端軸方向トランスミッション側に固定
されている。環状部材13は軸方向厚みの大きいイナー
シャ部材である。環状部材13は円周方向に並んだ複数
のボルト16によって円板状部材12に固定されてい
る。ボルト16は軸方向エンジン側から取り付けられて
いる。さらに、円板状部材12の外周縁にはエンジン始
動用リングギア17が固定されている。なお、質量体は
一体の部材から構成されていてもよい。
スミッション側に間隔をあけて配置された円板状かつ環
状の部材である。摩擦駆動板23の外径は環状部材13
の外径とほぼ等しい。但し、摩擦駆動板23の内径は環
状部材13の内径より小さくかつ円板状部材12の内径
より大きい。摩擦駆動板23は軸方向エンジン側に環状
かつ平坦な摩擦面25を有している。さらに、摩擦駆動
板23の摩擦面25より外周側の部分には、円周方向に
並んで複数の軸方向貫通孔26が形成されている。
ィスク82と、連結プレート83と、ハブ85とから主
に構成されている。クラッチディスク82はプレートと
そのプレートの両面に設けられた1対の摩擦フェーシン
グとから構成されている。クラッチディスク82は摩擦
駆動板23の摩擦面25に近接して配置されている。連
結プレート83は環状かつ円板状のプレート部材であ
り、後述するクラッチカバー28の内周側部分33の軸
方向トランスミッション側に近接して配置されている。
連結プレート83の外周部は図示しないリベット等によ
りクラッチディスク82のプレートに固定されている。
また、連結プレート83の内周部複数のリベット84に
よってハブ85のフランジに固定されている。ハブ85
の内周面には入力シャフト3と係合するスプライン孔が
形成されている。
明する。クラッチカバー組立体8は、摩擦駆動板23に
対して軸方向エンジン側に取り付けられた主にクラッチ
カバー28の外周側部分32と、プレッシャープレート
51と、コーンスプリング52とから構成されている。
クラッチカバー28(プレート部材)は、質量体5の軸
方向トランスミッション側に近接して配置された円板状
かつ環状のプレート部材である。クラッチカバー28の
外径は環状部材13の外径とほぼ等しいが、内径は円板
状部材12の内径よりさらに小さい。クラッチカバー2
8はその半径方向中間で外周側部分32と内周側部分3
3とに分かれている。外周側部分32は概ね軸方向エン
ジン側に突出するように曲げられており、摩擦駆動板2
3との軸方向間に空間を確保している。また、内周側部
分33は軸方向トランスミッション側に突出するように
曲げられており、円板状部材12との軸方向間に空間を
確保している。外周側部分32の最外周縁部分34は図
示しないボルト等により摩擦駆動板23の外周部に固定
されている。また、内周側部分33の内周端は筒状部3
7とその先端から内周側に延びるフランジ38とから構
成されている。筒状部37の外周面はクランクシャフト
2の環状突出部2aの内周面に当接し、フランジ38は
クランクシャフト2において環状突出部2aより内周側
の軸方向端面2bに軸方向トランスミッション側から当
接している。このように、クラッチカバー28の内周端
はクランクシャフト2に対して半径方向及び軸方向の位
置決めがされている。さらに、筒状部37と入力シャフ
ト3と間に軸受39が配置されている。軸受39はイン
ナーレースとアウターレースと複数の転動体とからなる
ラジアル軸受であり、クラッチカバー28に対して入力
シャフト3を回転自在に支持している。
スク82の軸方向エンジン側に配置された環状の部材で
ある。プレッシャープレート51はクラッチディスク8
2に対向する環状かつ平坦な押圧面51aを有してい
る。コーンスプリング52(付勢部材)は、外周側部分
32とプレッシャープレート51との軸方向間に配置さ
れている。コーンスプリング52の外周端はプレッシャ
ープレート51の環状突出部51bに支持され、その内
周端はクラッチカバー28に形成された環状突出部35
に支持されている。この状態でコーンスプリング52は
軸方向に弾性変形させられており、それによりプレッシ
ャープレート51に対して軸方向トランスミッション側
に付勢する力を与えている。また、コーンスプリング5
2の内周面はクラッチカバー28に形成された筒状部分
の外周面に支持され、半径方向の位置決めがされてい
る。付勢部材の種類はコーンスプリングに限定されな
い。
8をクランクシャフト2に対して回転方向に弾性的に連
結するための機構である。ダンパー機構24は、ドライ
ブ部材29と、クラッチカバー28の内周側部分33
と、複数の弾性部材30とから構成されている。ドライ
ブ部材29は、環状のプレート部材であり、前述の複数
のボルト15によってクランクシャフト2の先端に固定
されている。ドライブ部材29は、円板状部材12の内
周端の軸方向トランスミッション側に当接する環状部分
と、その外周縁から軸方向トランスミッション側に延び
る複数の当接部46とを有している。
は、円周方向に延びる複数のばね保持部36が形成され
ている。ばね保持部36は他の部分に比べて軸方向トラ
ンスミッション側に突出するように絞り加工で形成され
た突出部分であり、軸方向エンジン側に凹んでいる。各
ばね保持部36の円周方向間にはばね保持部36に比べ
て半径方向が短い凹部41が形成されている。
コイルスプリングであり、ばね保持部36内に収容され
ている。弾性部材30の円周方向両端にはスプリングシ
ート43が配置されており、スプリングシート43は各
弾性部材30の円周方向両端を支持すると共に凹部41
の半径方向両側に形成された支持面42に当接してい
る。スプリングシート43は、弾性部材30を支持する
支持部と、その支持部から弾性部材30のコイル内に延
びる突出部とを有している。ここで、前述のドライブ部
材29の当接部46は凹部41内に延びてその円周方向
両端がスプリングシート43の支持部背面に当接又は近
接している。このようにして、ドライブ部材29のトル
クは弾性部材30を介してクラッチカバー28に伝達さ
れるようになっている。さらに、ばね保持部36の外周
側部分には、弧状又は環状の保持プレート48が複数の
リベット49によって固定されている。保持プレート4
8は弾性部材30の半径方向外側においてその軸方向エ
ンジン側を支持するようになっている。これにより、弾
性部材30はクラッチカバー28に保持され、軸方向に
脱落しないようになっている。また、ドライブ部材29
の当接部46はこの保持された弾性部材30に対して軸
方向からの移動のみによって係合又は係合解除すること
ができる。なお、弾性部材の種類はコイルスプリングに
限定されず、板状部材を折り曲げて複数のばね要素を形
成した曲がり板ばねであってもよい。
は、内周側部分33によってダンパー機構24の出力側
部材を構成し、外周側部分32によってクラッチカバー
組立体8のばね支持部を構成している。このように1つ
の部材に複数の機能を持たせることで全体の部品点数が
少なくなっている。さらに、外周側部分32に形成され
た軸方向トランスミッション側を向く凹部内にプレッシ
ャープレート51及びコーンスプリング52を収容し、
さらに内周側部分33に形成された軸方向エンジン側を
向く凹部内に弾性部材30、ドライブ部材29さらには
ボルト15の頭部を収容しているため、半径方向及び軸
方向にコンパクトな構造になっている。特に弾性部材3
0がプレッシャープレート51の内周側に配置されてい
る構造が効果的である。ここで、例えばダンパー機構2
4の弾性部材30をプレッシャープレート51の軸方向
エンジン側に配置すれば装置全体の軸方向寸法が大きく
なり、又は弾性部材30をプレッシャープレート51の
半径方向外側に配置すれば装置全体の半径方向寸法が大
きくなってしまう。
バー28の外周側部分32のさらに外周側に配置されて
おり、クラッチ装置1の軸方向及び半径方向寸法を大き
くすることなく十分な慣性モーメントを確保している。
以上に述べたように、クラッチカバー組立体8はダンパ
ー機構24を介して直接クランクシャフト2に連結され
ている。このため、ダンパー機構24の構造が簡単かつ
コンパクトにな、組み付け作業性が向上している。
レリーズ機構10は主にカバー組立体54と駆動機構5
5とから構成されている。カバー組立体54は摩擦駆動
板23の軸方向トランスミッション側に取り付けられて
いる。すなわちカバー組立体54は摩擦駆動板23に対
してクラッチカバー組立体8と反対側に配置されてい
る。カバー組立体54は、後述する駆動機構55からの
荷重をプレッシャープレート51に伝えることでクラッ
チ連結を解除するための機構である。カバー組立体54
は、カバー部材57と、レリーズ部材58と、レバー部
材59とから構成されている。
り、摩擦駆動板23の外周側面に当接する外周部57a
と、外周部57aの内周縁から軸方向トランスミッショ
ン側に延びる筒状部57bと、筒状部57bの先端から
内周側に延びる内周部57cとを有している。内周部5
7cは摩擦駆動板23の軸方向トランスミッション側面
から軸方向に離れて配置されている。外周部57aは図
示しないボルト等によって摩擦駆動板23の外周部に固
定されている。内周部57cには軸方向エンジン側に延
びる環状突出部68が形成されている。
材60と支持部形成部材61とから構成されている。駆
動部材60は、図2に示すように概ね筒状の部材であ
り、環状の着座部62と、着座部62から軸方向トラン
スミッション側に延びる複数の軸方向延長部63とから
構成されている。着座部62の軸方向エンジン側端はプ
レッシャープレート51の軸方向トランスミッション側
の外周縁に形成された溝51cに当接している。また、
着座部62の先端側内周面は溝51cの外周面に当接し
て半径方向の位置決めがされている。このように環状の
着座部62によって、駆動部材60のプレッシャープレ
ート51に対する姿勢が安定している。軸方向延長部6
3は、図1及び図2に示すように、摩擦駆動板23の軸
方向貫通孔26内を軸方向に貫通しており、先端は摩擦
駆動板23の軸方向トランスミッション側面よりさらに
突出している。軸方向延長部63の先端は、半径方向内
側に折り曲げられてさらに軸方向に延びる折り曲げ部6
4となっている。
状の支持部を形成するための部材であり、駆動部材60
に対して軸方向トランスミッション側から容易に着脱可
能である。支持部形成部材61は、概ね環状のプレート
部材であり、円板状部93とその外周端から軸方向トラ
ンスミッション側に延びる筒状部94とから構成されて
いる。円板状部93には軸方向トランスミッション側に
突出する環状突出部67が形成されている。環状突出部
67は環状突出部68の外周側に位置している。筒状部
94の先端は折り曲げ部64の外周側に当接している。
また、筒状部94には切り曲げられて折り曲げ部64の
内周側に当接する屈曲部66とを有している。屈曲部6
6は折り曲げ部64の円周方向中間に位置している。こ
のようにして、筒状部94と屈曲部66との半径方向間
に折り曲げ部64が挟まれており、支持部形成部材61
は各軸方向延長部63の先端に対して軸方向及び半径方
向に移動不能に係合している。
ト部材である。レバー部材59の外周部はカバー部材5
7の内周部57cの軸方向エンジン側に近接して配置さ
れている。レバー部材59の外周端は支持部形成部材6
1の環状突出部67に軸方向エンジン側から当接し、さ
らにその内周側の部分がカバー部材57の環状突出部6
8に軸方向エンジン側から当接している。レバー部材5
9は例えば円板状プレートに内周縁及び外周縁から交互
に形成されたスリットによって弾性機能をほとんど有さ
ず単にレバーとしてのみ機能するようになっていてもよ
い。以上に述べた構造において、レバー部材59の内周
端が軸方向トランスミッション側に移動すると、カバー
部材57の環状突出部68を支点としてレバー部材59
の外周端が軸方向エンジン側に回動し、レリーズ部材5
8を軸方向エンジン側に移動させる。これにより、プレ
ッシャープレート51はコーンスプリング52からの付
勢力に打ち勝ってクラッチディスク82から離れてい
く。
ことでクラッチレリーズ動作を行うための機構である。
駆動機構55は主にレリーズベアリング69と油圧シリ
ンダ70と油圧回路71とから構成されている。レリー
ズベアリング69は主にインナーレースとアウターレー
スとその間に配置された複数の転動体からなり、ラジア
ル荷重及びスラスト荷重を受けることが可能となってい
る。レリーズベアリング69のアウターレースには、筒
状部材72が装着されている。筒状部材72はアウター
レースの外周面に当接する筒状部73と、筒状部73の
軸方向エンジン側端から半径方向外側に延びる第1フラ
ンジ74と、筒状部73の軸方向トランスミッション側
端から半径方向内側に延びアウターレースの軸方向トラ
ンスミッション側面に当接する第2フランジ75とを有
している。第1フランジ74はレバー部材59の半径方
向内側端に軸方向エンジン側から当接している。
と、ピストン77とから主に構成されている。油圧室構
成部材76はその内周側に配置されたピストン77との
間に油圧室79を構成している。油圧室79内には油圧
回路71から油圧が供給可能となっている。ピストン7
7は筒状の部材であり、その内周面はトランスミッショ
ン側から延びる筒状シャフト80の外周面に支持されて
いる。さらに、ピストン77はレリーズベアリング69
のインナーレースに対して軸方向エンジン側から当接す
るフランジ78を有している。この状態で油圧回路71
から油圧室79内に油圧が供給されると、ピストン77
は軸方向トランスミッション側に移動しレリーズベアリ
ング69を移動させる。
いて説明する。筒状部材72の筒状部73には、軸方向
トランスミッション側に延びる延長部87がさらに形成
されている。これにより、筒状部材72には軸方向に長
い外周面91が形成されている。カバー部材57の内周
部57cは、前記実施形態よりさらに内周側に延びてお
り、内周側延長部88を形成している。これにより、内
周部57cの内径は、レバー部材59の内径とほぼ等し
くなっており、レリーズベアリング69の近傍に位置し
ている。内周側延長部88には複数の孔88aが形成さ
れている。さらに、内周側延長部88の内周縁には軸方
向エンジン側に延びる筒状部89が形成されている。こ
の筒状部89の内周側には筒状部材90が固定されてい
る。筒状部材90の内周面は延長部87の外周面91に
支持されている。ここで、カバー部材57はクラッチカ
バー組立体8、摩擦駆動板23及びカバー組立体54か
らなる一体の構成において最もトランスミッション側に
配置された部材であり、その部材がトランスミッション
側の他の部材によって支持されていることになる。この
結果、エンジンンからの曲げ振動によってクラッチ装置
1全体が傾きにくくなっており、エンジンの曲げ振動に
よって発生する共振現象を抑えることができる。これに
より、クラッチカバー28の板厚を小さくできる。
ー組立体8、摩擦駆動板23及びカバー組立体54から
なる一体の構成において最も軸方向エンジン側に配置さ
れた部材であり、その内周端がクランクシャフト2に支
持されているため、結果として軸方向両側でそれぞれク
ラッチ装置1の支持が行われている。そのため、さら
に、エンジン側からの曲げ振動に対して共振現象を生じ
にくなっている。
ための部材としてレリーズベアリング69を用いている
ため、特別な部品やそのためのスペースが不要である。
別の表現を用いると、筒状部材72は、レバー部材59
を駆動するための第1フランジ74と、カバー部材57
を支持するための延長部87とを有している。さらに、
内周側延長部88側に軸方向に長い筒状部材90を用い
ることで、カバー部材57の内周面と他の部材との軸方
向接触長さを長くすることができ、カバー部材57がよ
り傾きにくくなっている。さらに、筒状部材90に低摩
擦係数の材料を用いるなどして、レリーズベアリング6
9が軸方向に移動する際に当接部分間での摺動抵抗を小
さくできる。
いて説明する。図4に示すように、エンジン側の構成と
しては、ボルト15によってクランクシャフト2の先端
に質量体5とドライブ部材29とが予め固定されてい
る。また、クラッチカバー28には、弾性部材30が予
め取り付けられている。これは組み付け動作前にダンパ
ー機構24を主に構成する弾性部材30があらかじめク
ラッチカバー組立体8の一部すなわちクラッチカバー2
8に装着されていることを意味する。このため、組付け
前のクラッチカバー組立体8及び弾性部材30の運搬や
保管が便利になっている。
シャフトを軸方向トランスミッション側に移動させて行
く。すると、ドライブ部材29の当接部46は軸方向ト
ランスミッション側から各弾性部材30の円周方向間
に、より具体的にはスプリングシート43の間に挿入さ
れる。クランクシャフト2の軸方向端面2bがクラッチ
カバー28のフランジ38に当接すると、両者の軸方向
相対移動が停止する。以上に述べたように、クランクシ
ャフト2とクラッチカバー組立体8との組み付け動作
は、両側の部材を軸方向に移動させるだけで完了し、ボ
ルトやリベット等の締結部材等を必要としない。このよ
うにクラッチ装置1の組み付け時の作業が簡単になり、
組み付け作業が短時間で行える。一言で言うと、クラッ
チ装置1の組み付け性が向上している。第2実施形態 図5及び図6に本発明の第2実施形態としてのクラッチ
装置の縦断面概略図を示す。本実施形態のクラッチ装置
1は基本構造が第1実施形態のものと同様であるので、
ここでは異なる点についてのみ説明する。 〔カバー部材の支持構造〕カバー部材57’における環
状突出部68’は、第1実施形態の環状突出部68に比
べて外周側に位置している。また、支持部形成部材6
1’の環状突出部67’は第1実施形態の環状突出部6
7に比べて内周側に位置している。これにより、レバー
部材59’の外周端は環状突出部68’に対して軸方向
エンジン側から当接し、さらにその内周側部分が環状突
出部67’に対して軸方向トランスミッション側から当
接している。
スに設けられた筒状部材72’は、アウターレース外周
面に当接する筒状部73’と、筒状部73’の軸方向エ
ンジン側端から内周側に突出しアウターレースの軸方向
エンジン側面に当接する第2フランジ75’と、筒状部
73’の軸方向トランスミッション端から外周側に延び
る第1フランジ74’とを有している。第1フランジ7
4’はレバー部材59’の内周端に軸方向トランスミッ
ション側から当接している。筒状部材72’の筒状部7
3’には、軸方向トランスミッション側に延びる延長部
87’がさらに形成されている。これにより、筒状部材
72’には軸方向に長い外周面91’が形成されてい
る。
周側に延びており、内周側延長部88’を形成してい
る。これにより、内周部57c’の内径はレバー部材5
9’の内径とほぼ等しくなっており、レリーズベアリン
グ69の近傍に位置している。内周側延長部88’には
複数の孔88a’が形成されている。さらに、内周側延
長部88’の内周縁には軸方向トランスミッション側に
延びる筒状部89’が形成されている。この筒状部8
9’の内周側には筒状部材90’が固定されている。筒
状部材90’の内周面は延長部87’の外周面91’に
支持されている。この構造によって得られる効果は前記
実施形態と同様である。 〔ダンパーのロック機構〕クラッチカバー28は、軸方
向に薄い板金製であり、軸方向に弾性変形可能である。
さらに、クラッチカバー28の外周側部分32において
平坦な環状部分32aの軸方向エンジン側には摩擦フェ
ーシング99が接着されている。摩擦フェーシング99
は円板状部材12の平坦な面に対して軸方向に対向して
いる。図5に示すクラッチ連結状態では、摩擦フェーシ
ング99と円板状部材12との軸方向間には隙間が確保
されている。
て油圧室79内の作動油がドレンされると、ピストン7
7は軸方向エンジン側に移動する。これにより、レリー
ズベアリング69’はレバー部材59’の内周端を軸方
向エンジン側に移動させる。レバー部材59’はカバー
部材57’の環状突出部68’を支点として回動し、レ
リーズ部材58を軸方向エンジン側に移動させる。これ
によりプレッシャープレート51はコーンスプリング5
2の付勢力に打ち勝ってクラッチディスク82から離れ
る。このとき、レリーズベアリング69’からクラッチ
カバー組立体8に対して軸方向エンジン側に作用する荷
重によって、クラッチカバー28の特に外周側部分32
が軸方向エンジン側に弾性変形する。これより、摩擦フ
ェーシング99が円板状部材12に当接して摩擦係合す
る。すなわち、ダンパー機構24の出力側部材であるク
ラッチカバー28がクランクシャフト2と一体回転する
円板状部材12と摩擦係合して一体回転するようにな
る。さらに言い換えると、クラッチカバー28や摩擦駆
動板23がクランクシャフト2に対してロックされた状
態となり、ダンパー機構24が作動しない。したがっ
て、エンジン始動時の低回転数領域(例えば回転数0〜
500rpm)での共振点通過時には、クラッチをレリ
ーズすることで、共振によるダンパー機構24の破損や
音/振動を生じにくくしている。
すると、このクラッチ装置1では、レリーズ機構10が
クラッチカバー組立体8に対して荷重を付与することで
クラッチをレリーズすると、その荷重を利用してクラッ
チカバー28の摩擦フェーシング99が円板状部材12
に摩擦係合させられる。ここでは、ダンパー機構24の
ロックがクラッチレリーズ時におけるレリーズ機構10
からの荷重を利用しているため、構造が簡単になる。特
に、ロック機構が円板状部材12やクラッチカバー28
といった従来部材からなるため、特別な構造を設ける必
要がない。
てみると、本実施形態のクラッチ装置はレバー部材59
の内周端を軸方向エンジン側に押すことでクラッチをレ
リーズするプッシュタイプであり、第1実施形態のクラ
ッチ装置はレバー部材59の内周端を軸方向トランスミ
ッション側に引くことでクラッチをレリーズするプルタ
イプである。ここで両者の違いはカバー組立体54や駆
動機構55などのレリーズ機構10のみに存在し、クラ
ッチカバー組立体8のプレッシャープレート51やコー
ンスプリング52は共通していることが分かる。言い換
えると、共通部分に対してカバー部材、支持部形成部材
等を変えるだけでプルタイプのクラッチ装置とプッシュ
タイプのクラッチ装置とを製造できる。ここで、レリー
ズ部材58において駆動部材60は共通部品であり交換
する必要がないため、異なる部材はすべて軸方向トラン
スミッション側から取付可能であり、作業性がよい。 〔変形例〕本発明は前記実施形態に限定されない。本発
明は、他の種類のクラッチ装置、例えば、クラッチカバ
ー組立体が摩擦板の軸方向トランスミッション側に配置
されたクラッチ装置や、摩擦駆動板の軸方向両側に別の
クラッチカバー組立体を設け2出力を可能とするクラッ
チ装置にも採用できる。
部材は内周端がトランスミッション側の部材に支持され
ていため、エンジンからの曲げ振動が入力された場合で
あっても装置全体が傾きにくくなっており、曲げ振動に
よる共振現象が生じにくい。
縦断面概略図。
縦断面概略図。
断面概略図。
縦断面概略図。
Claims (7)
- 【請求項1】クラッチディスクを連結・解除すること
で、エンジンのクランクシャフトからの動力をトランス
ミッションの入力シャフトに伝達・遮断するためのクラ
ッチ装置であって、 前記クラッチディスクの軸方向トランスミッション側に
配置された摩擦駆動板と、 前記プレッシャープレートの軸方向エンジン側に固定さ
れたクラッチカバーと、前記クラッチディスクの軸方向
エンジン側に配置されたプレッシャープレートと、前記
クラッチカバーに支持され前記プレッシャープレートを
前記クラッチディスク側に付勢するするための付勢部材
とを有するクラッチカバー組立体と、 前記摩擦駆動板の軸方向トランスミッション側に固定さ
れ内周端が前記トランスミッション側の部材に支持され
たカバー部材と、一端が前記プレッシャープレートの軸
方向エンジン側の面に当接し他端が前記カバー部材に近
接して配置されたレリーズ部材と、前記カバー部材及び
前記レリーズ部材の前記他端に支持されたレバー部材
と、前記レバー部材を駆動することで前記レリーズ部材
を介して前記プレッシャープレートを軸方向エンジン側
に移動させるための駆動機構とを有するレリーズ機構
と、を備えたクラッチ装置。 - 【請求項2】前記駆動機構は、インナーレースと、前記
レバー部材に荷重を付与するためのアウターレースと、
前記両レース間に配置された複数の転動体とからなるレ
リーズベアリングをさらに有し、 前記カバー部材の内周端は前記アウターレースによって
支持されている、請求項1に記載のクラッチ装置。 - 【請求項3】前記アウターレースに取り付けられ、前記
カバー部材の内周面を軸方向に摺動可能に支持する外周
面を有する筒状部材をさらに備えている、請求項2に記
載のクラッチ装置。 - 【請求項4】前記筒状部材は、前記外周面を有する筒状
部と、前記レバー部材に当接する当接部とを有してい
る、請求項3に記載のクラッチ装置。 - 【請求項5】前記クラッチカバーは外周端が前記摩擦駆
動板に固定され内周端が前記クランクシャフトに回転自
在に支持されている、請求項1〜4のいずれかに記載の
クラッチ装置。 - 【請求項6】前記クラッチカバーの内周端は前記クラン
クシャフトに半径方向及び軸方向エンジン側を支持され
ている、請求項5に記載のクラッチ装置。 - 【請求項7】前記クラッチカバーの内周端と前記入力シ
ャフトの間に配置された軸受をさらに備えている、請求
項5又は6に記載のクラッチ装置。
Priority Applications (3)
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---|---|---|---|
JP32460899A JP3940246B2 (ja) | 1999-11-15 | 1999-11-15 | クラッチ装置 |
US09/695,082 US6481552B1 (en) | 1999-11-15 | 2000-10-25 | Clutch apparatus |
DE10056733A DE10056733B4 (de) | 1999-11-15 | 2000-11-15 | Kupplungsvorrichtung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32460899A JP3940246B2 (ja) | 1999-11-15 | 1999-11-15 | クラッチ装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2001140928A true JP2001140928A (ja) | 2001-05-22 |
JP3940246B2 JP3940246B2 (ja) | 2007-07-04 |
Family
ID=18167727
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP32460899A Expired - Fee Related JP3940246B2 (ja) | 1999-11-15 | 1999-11-15 | クラッチ装置 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3940246B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7159703B2 (en) * | 2003-04-23 | 2007-01-09 | Exedy Corporation | Clutch device having an elastic coupling for a flywheel |
US7195111B2 (en) * | 2002-09-02 | 2007-03-27 | Exedy Corporation | Clutch device having a clutch damper and dual-mass flywheel assembly |
CN1318772C (zh) * | 2001-08-06 | 2007-05-30 | 卢克摩擦片和离合器两合公司 | 离合器系统的装配方法 |
-
1999
- 1999-11-15 JP JP32460899A patent/JP3940246B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN1318772C (zh) * | 2001-08-06 | 2007-05-30 | 卢克摩擦片和离合器两合公司 | 离合器系统的装配方法 |
US7195111B2 (en) * | 2002-09-02 | 2007-03-27 | Exedy Corporation | Clutch device having a clutch damper and dual-mass flywheel assembly |
US7159703B2 (en) * | 2003-04-23 | 2007-01-09 | Exedy Corporation | Clutch device having an elastic coupling for a flywheel |
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---|---|
JP3940246B2 (ja) | 2007-07-04 |
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