JPH11323845A - 吸音パネル - Google Patents

吸音パネル

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JPH11323845A
JPH11323845A JP15222398A JP15222398A JPH11323845A JP H11323845 A JPH11323845 A JP H11323845A JP 15222398 A JP15222398 A JP 15222398A JP 15222398 A JP15222398 A JP 15222398A JP H11323845 A JPH11323845 A JP H11323845A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透光性を有するとともに、吸音及び消音の機
能を備えた、道路、鉄道等の防音壁の構成材料に適した
吸音パネルを提供すること。 【解決手段】 表面板11、背面板12及び中間板1
3,14を透明な合成樹脂製又はガラス製の板材で以て
構成し、少なくとも表面板11に多数の透孔11aを形
成するとともに、内部に中間板13,14により区画し
た空間部10を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸音パネルに関
し、特に、道路、鉄道等の防音壁の構成材料に適した吸
音パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、道路、鉄道等の防音壁の構成材料
として、種々の吸音部材が実用化されている。
【0003】図5に、現在最も一般的に用いられている
防音壁用の吸音部材を示す。この防音壁用の吸音部材
は、防錆処理したルーバー構造の金属製の板材からなる
表面板111と、表面を合成樹脂フィルム112aで覆
ったグラスウールからなる吸音材112と、この吸音材
の背面に空間115をあけて配設した防錆処理した金属
製の板材からなる背面板114と、空間115を密閉す
る防錆処理した金属製の板材からなる枠部材113とか
らなる単位ブロック101から構成され、この単位ブロ
ック101を防錆処理したH形鋼等の支柱に嵌挿、固定
したり、あるいはコンクリート製の側壁に直接固定して
防音壁を構築するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の表面
板111及び背面板114を金属製の板材で以て構成し
た防音部材は、安価で、耐久性を有するものの、透光性
を有しないため、運転手や乗客の視界を妨げ、閉鎖的な
印象を与えるとともに、太陽光を通さないため、その周
囲に植えられた、例えば、グリーンベルトを形成する樹
木の生長が著しく阻害されるという問題を有していた。
【0005】この問題点に対処するため、1枚の透明な
合成樹脂製又はガラス製の板材で以て構成された遮音板
を用いた防音壁が実用化されているが、この防音壁は、
遮音板自体が吸音及び消音の機能を備えていないことか
ら、防音効果に乏しいという問題を有していた。
【0006】本発明は、上記従来の吸音部材の有する問
題点に鑑み、透光性を有するとともに、吸音及び消音の
機能を備えた、道路、鉄道等の防音壁の構成材料に適し
た吸音パネルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の吸音パネルは、表面板、背面板及び中間板
を透明な合成樹脂製又はガラス製の板材で以て構成し、
少なくとも表面板に多数の透孔を形成するとともに、内
部に中間板により区画した空間部を形成したことを特徴
とする。
【0008】この吸音パネルは、表面板、背面板及び中
間板を透明な合成樹脂製又はガラス製の板材で以て構成
することにより、吸音パネルが透光性を有し、また、少
なくとも表面板に多数の透孔を形成するとともに、内部
に中間板により区画した空間部を形成することにより、
吸音及び消音の機能を備えている。
【0009】この場合において、表面板、背面板及び中
間板をポリカーボネート製の板材で以て構成することが
できる。
【0010】これにより、透明性が高く、耐衝撃性を有
し、安全で、かつ、寸法安定性が高い吸音パネルを得る
ことができる。
【0011】また、空間部の上方を開口することができ
る。
【0012】これにより、吸音パネル内に吸音し、消音
しきれなかった騒音を、上方の空間に向けて放出して、
騒音を低減することができる。
【0013】また、空間部の下方を開口することができ
る。
【0014】これにより、吸音パネル内に吸音し、消音
しきれなかった騒音を、下方の地中に向けて放出して、
騒音を低減することができる。
【0015】また、空間部をラビリンス状に形成するこ
とができる。
【0016】これにより、吸音パネル内に吸音した騒音
を、ラビリンス状に形成した空間部を通過する間に減衰
させ、騒音を低減することができる。
【0017】また、空間部を密閉することができる。
【0018】これにより、吸音パネル内に吸音した騒音
を、外部に放出することなく、空間部において減衰さ
せ、騒音を低減することができる。
【0019】また、空間部に透明な合成繊維製又はガラ
ス繊維製の不織布からなる吸音材を配設することができ
る。
【0020】これにより、吸音パネル内に吸音した騒音
を、不織布からなる吸音材において減衰させ、騒音を低
減することができる。
【0021】また、吸音材をポリ塩化ビリニデン繊維製
の不織布で以て構成することができる。
【0022】これにより、透明性、雨水等に対する耐水
性、排気ガス等に対する耐化学物質性が高く、耐久性を
有する吸音パネルを得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の吸音パネルの実施
の形態を図面に基づいて説明する。
【0024】図1〜図2に、本発明の吸音パネルの第1
実施例を示す。この吸音パネル1は、表面板11、背面
板12及び中間板13,14を透明な合成樹脂製又はガ
ラス製の板材で以て構成し、表面板11及び中間板13
に多数の透孔11a,13aを形成するとともに、内部
に中間板13,14により区画した空間部10A,10
B,10C(以下、総称するときは「空間部10」とい
う。)を形成したものである。
【0025】この場合において、表面板11、背面板1
2及び中間板13,14を構成する透明な合成樹脂製の
板材としては、透明性が高く、耐衝撃性を有し、安全
で、かつ、寸法安定性が高いポリカーボネート製の板材
を使用することが好ましく、また、ガラス製の板材とし
ては、耐衝撃性を有し、万一破損したときに安全な強化
ガラス製又は合わせガラス製の板材を使用することが好
ましい。
【0026】また、本実施例においては、表面板11、
背面板12及び中間板14を、押出成形、プレス成形等
により一体に成形し、空間部10に別途成形した中間板
13を配設し、接着等により一体化するようにしたが、
吸音パネル1を構成する方法は、これに限定されず、例
えば、各板材11,12,13,14を個別に成形し、
これらを、アルミニウム、ステンレススチール、防錆処
理を施した鋼等の押出成形、プレス成形等により成形し
た断面コ字形等の金属製等の枠部材を用いて組み立てる
こともできる。
【0027】多数の透孔11a,13aを形成した表面
板11及び中間板13の開口率は、10〜80%程度、
好ましくは、20〜60%程度に設定するようにする。
【0028】また、空間部10のうち、多数の透孔11
a,13aを形成した表面板11及び中間板13により
区画して形成した空間部10Aは独立して設け、その背
部の中間板13及び中間板14、中間板14及び背面板
12により、それぞれ区画して形成した空間部10B,
10Cは、その一端(本実施例においては、下端)にお
いて連通することにより、ラビリンス状(迷路状)に形
成することにより、吸音パネル1内に吸音した騒音を、
空間部10B,10Cを通過する間に減衰させ、騒音を
低減することができる。さらに、中間板14及び背面板
12により区画して形成した空間部10Cの上方を開口
することにより、吸音パネル1内に吸音し、消音しきれ
なかった騒音を、上方の空間に向けて放出して、周囲の
騒音を低減することができる。
【0029】この場合、図3に示す変形例のように、中
間板14及び背面板12により区画して形成した空間部
10Cの下方を開口することにより、吸音パネル1内に
吸音し、消音しきれなかった騒音を、下方の地中5に向
けて放出して、周囲の騒音を低減することができる。な
お、このように、騒音を地中5に向けて放出する場合
は、騒音が地中5に吸収されやすいように、吸音パネル
1の周囲にバラスト等の空隙率の大きな材料を配するよ
うにする。
【0030】ところで、上記のように構成された吸音パ
ネル1は、道路3(又は鉄道)の側壁4のH形鋼等の支
柱2に建て込んだり、支柱や壁体に任意の固定金具等を
用いて直接取り付けることができ、これにより、夜間の
工事が多くなる道路、鉄道等の防音壁の構築作業を、短
時間で、簡易に行うことができるものとなる。
【0031】図4に、本発明の吸音パネルの第2実施例
を示す。この吸音パネル1は、表面板11、背面板12
及び中間板15を透明な合成樹脂製又はガラス製の板材
で以て構成し、表面板11に多数の透孔11aを形成す
るとともに、内部に中間板15により区画した空間部1
0を形成し、表面板11及び中間板15により区画して
形成した空間部に透明な合成繊維製又はガラス繊維製の
不織布からなる吸音材16を配設し、中間板15及び背
面板12により区画して形成した空間部10Dを密閉し
て形成したものである。
【0032】この場合において、吸音材16を構成する
透明な合成繊維製の不織布としては、ポリ塩化ビリニデ
ン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維
製の不織布を使用することができ、特に、透明性、雨水
等に対する耐水性、排気ガス等に対する耐化学物質性が
高いポリ塩化ビリニデン繊維製の不織布を使用すること
が好ましい。このポリ塩化ビリニデン繊維製の不織布
は、ポリ塩化ビリニデン繊維と、耐候性を有する合成樹
脂材料からなるブリッジ剤としてのポリエステル繊維等
のポリ塩化ビリニデン繊維より低融点の繊維とを纏絡さ
せるとともに、全体を加熱して低融点の繊維を溶融する
ことにより、ポリ塩化ビリニデン繊維を結合させること
により、所定の形状に成形したものであり、ガラス繊維
製の不織布のように、表面を合成樹脂フィルムで覆うこ
となく、そのまま使用することができるものである。ポ
リ塩化ビリニデン繊維は、10〜100デニール、好ま
しくは、20〜40デニールのものを、また、ブリッジ
剤に用いるポリエステル繊維等のポリ塩化ビリニデン繊
維より低融点の繊維は、それより細い1〜10デニー
ル、好ましくは、2〜5デニールのものを用い、また、
両者は、ポリ塩化ビリニデン繊維を、98〜60重量
%、好ましくは、90〜70重量%、低融点の繊維を、
それより少ない2〜40重量%、好ましくは、10〜3
0重量%の比率で用い、両者を纏絡させるとともに、低
融点の繊維を溶融することにより、ポリ塩化ビリニデン
繊維を結合させることが好ましい。これにより、均質
で、かつ、型くずれしにくい不織布を得ることができ
る。
【0033】なお、吸音材16にガラス繊維製の不織布
を使用する場合には、表面を合成樹脂フィルムで覆った
不織布を使用する。
【0034】本実施例の吸音パネル1は、吸音パネル1
内に吸音した騒音を、空間部10に配設した透明な合成
繊維製又はガラス繊維製の不織布からなる吸音材16に
おいて減衰させるとともに、さらに、その背部の中間板
15及び背面板12により区画して形成した密閉した空
間部10Dにおいて減衰させ、騒音を低減することがで
きる。
【0035】なお、本実施例の吸音パネル1のその他の
構成及び作用は、上記第1実施例の吸音パネル1と同様
である。
【0036】以上、本発明の吸音パネルの実施の形態を
図面に基づいて説明したが、本発明の吸音パネルの構成
は、表面板、背面板及び中間板を透明な合成樹脂製又は
ガラス製の板材で以て構成することにより、吸音パネル
が透光性を有し、また、少なくとも表面板に多数の透孔
を形成するとともに、内部に中間板により区画した空間
部を形成することにより、吸音及び消音の機能を備えて
いるものである限りにおいて上記実施例に限定されず、
例えば、上記実施例の構成を適宜組み合わせて吸音パネ
ルを構成する等、その趣旨を逸脱しない範囲において、
適宜変更することができるものである。
【0037】
【発明の効果】本発明の吸音パネルによれば、表面板、
背面板及び中間板を透明な合成樹脂製又はガラス製の板
材で以て構成することにより、吸音パネルに透光性を持
たせることができ、これにより、運転手や乗客の視界を
妨げることがなく、開放的な印象を与えるとともに、太
陽光を通すことができ、その周囲に植えられた、例え
ば、グリーンベルトを形成する樹木の生育環境を改善す
ることができる。また、少なくとも表面板に多数の透孔
を形成するとともに、内部に中間板により区画した空間
部を形成することにより、吸音及び消音の機能を備え、
騒音を低減することができる。
【0038】また、表面板、背面板及び中間板をポリカ
ーボネート製の板材で以て構成することにより、透明性
が高く、耐衝撃性を有し、安全で、かつ、寸法安定性が
高い吸音パネルを得ることができる。
【0039】また、空間部の上方を開口することによ
り、吸音パネル内に吸音し、消音しきれなかった騒音
を、上方の空間に向けて放出して、騒音を低減すること
ができる。
【0040】また、空間部の下方を開口することによ
り、吸音パネル内に吸音し、消音しきれなかった騒音
を、下方の地中に向けて放出して、騒音を低減すること
ができる。
【0041】また、空間部をラビリンス状に形成するこ
とにより、吸音パネル内に吸音した騒音を、ラビリンス
状に形成した空間部を通過する間に減衰させ、騒音を低
減することができる。
【0042】また、空間部を密閉することにより、吸音
パネル内に吸音した騒音を、外部に放出することなく、
空間部において減衰させ、騒音を低減することができ
る。
【0043】また、空間部に透明な合成繊維製又はガラ
ス繊維製の不織布からなる吸音材を配設することによ
り、吸音パネル内に吸音した騒音を、不織布からなる吸
音材において減衰させ、騒音を低減することができる。
【0044】また、吸音材をポリ塩化ビリニデン繊維製
の不織布で以て構成することにより、透明性、雨水等に
対する耐水性、排気ガス等に対する耐化学物質性が高
く、耐久性を有する吸音パネルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸音パネルの第1実施例を示し、
(a)は外観斜視図、(b)は側面図である。
【図2】同吸音パネルの設置状態を示す説明図である。
【図3】第1実施例の変形例の吸音パネルの設置状態を
示す説明図である。
【図4】本発明の吸音パネルの第2実施例を示し、
(a)は外観斜視図、(b)は側面図である。
【図5】従来の吸音部材を示す断面図である。
【符号の説明】
1 吸音パネル 10 空間部 11 表面板 11a 透孔 12 背面板 13 中間板 13a 透孔 14 中間板 15 中間板 16 吸音材 2 支柱 3 道路 4 側壁
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年4月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 吸音パネル
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸音パネルに関
し、特に、道路、鉄道等の防音壁の構成材料に適した吸
音パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、道路、鉄道等の防音壁の構成材料
として、種々の吸音部材が実用化されている。
【0003】図5に、現在最も一般的に用いられている
防音壁用の吸音部材を示す。この防音壁用の吸音部材
は、防錆処理したルーバー構造の金属製の板材からなる
表面板111と、表面を合成樹脂フィルム112aで覆
ったグラスウールからなる吸音材112と、この吸音材
の背面に空間115をあけて配設した防錆処理した金属
製の板材からなる背面板114と、空間115を密閉す
る防錆処理した金属製の板材からなる枠部材113とか
らなる単位ブロック101から構成され、この単位ブロ
ック101を防錆処理したH形鋼等の支柱に嵌挿、固定
したり、あるいはコンクリート製の側壁に直接固定して
防音壁を構築するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の表面
板111及び背面板114を金属製の板材で以て構成し
た防音部材は、安価で、耐久性を有するものの、透光性
を有しないため、運転手や乗客の視界を妨げ、閉鎖的な
印象を与えるとともに、太陽光を通さないため、その周
囲に植えられた、例えば、グリーンベルトを形成する樹
木の生長が著しく阻害されるという問題を有していた。
【0005】この問題点に対処するため、1枚の透明な
合成樹脂製又はガラス製の板材で以て構成された遮音板
を用いた防音壁が実用化されているが、この防音壁は、
遮音板自体が吸音及び消音の機能を備えていないことか
ら、防音効果に乏しいという問題を有していた。
【0006】本発明は、上記従来の吸音部材の有する問
題点に鑑み、透光性を有するとともに、吸音及び消音の
機能を備えた、道路、鉄道等の防音壁の構成材料に適し
た吸音パネルを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の吸音パネルは、表面板、背面板及び2枚の
中間板を透明な合成樹脂製又はガラス製の板材で以て構
成し、表面板及び前方の中間板に多数の透孔を形成する
とともに、内部に2枚の中間板により区画した空間部を
形成し、多数の透孔を形成した表面板及び前方の中間板
により区画して形成した空間部を独立して設け、前方の
中間板及び後方の中間板、後方の中間板及び背面板によ
り、それぞれ区画して形成した空間部を、その一端にお
いて迷路状に連通させ、後方の中間板及び背面板により
区画して形成した空間部を開口したことを特徴とする。
【0008】この吸音パネルは、表面板、背面板及び2
枚の中間板を透明な合成樹脂製又はガラス製の板材で以
て構成することにより、吸音パネルが透光性を有し、ま
た、表面板及び前方の中間板に多数の透孔を形成すると
ともに、内部に中間板により区画した空間部を形成する
ことにより、吸音及び消音の機能を備えている。また、
多数の透孔を形成した表面板及び前方の中間板により区
画して形成した空間部を独立して設け、前方の中間板及
び後方の中間板、後方の中間板及び背面板により、それ
ぞれ区画して形成した空間部を、その一端において迷路
状に連通させ、後方の中間板及び背面板により区画して
形成した空間部を開口することにより、吸音パネル内に
吸音した騒音を、迷路状に形成した空間部を通過する間
に減衰させ、消音しきれなかった騒音を、空間に向けて
放出して、騒音を低減することができる。
【0009】この場合において、表面板、背面板及び2
枚の中間板をポリカーボネート製の板材で以て構成する
ことができる。
【0010】これにより、透明性が高く、耐衝撃性を有
し、安全で、かつ、寸法安定性が高い吸音パネルを得る
ことができる。
【0011】また、空間部の上方を開口することができ
る。
【0012】これにより、吸音パネル内に吸音し、消音
しきれなかった騒音を、上方の空間に向けて放出して、
騒音を低減することができる。
【0013】また、空間部の下方を開口することができ
る。
【0014】これにより、吸音パネル内に吸音し、消音
しきれなかった騒音を、下方の地中に向けて放出して、
騒音を低減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の吸音パネルの実施
の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】図1〜図2に、本発明の吸音パネルの一実
施例を示す。この吸音パネル1は、表面板11、背面板
12及び中間板13,14を透明な合成樹脂製又はガラ
ス製の板材で以て構成し、表面板11及び中間板13に
多数の透孔11a,13aを形成するとともに、内部に
中間板13,14により区画した空間部10A,10
B,10C(以下、総称するときは「空間部10」とい
う。)を形成したものである。
【0017】この場合において、表面板11、背面板1
2及び中間板13,14を構成する透明な合成樹脂製の
板材としては、透明性が高く、耐衝撃性を有し、安全
で、かつ、寸法安定性が高いポリカーボネート製の板材
を使用することが好ましく、また、ガラス製の板材とし
ては、耐衝撃性を有し、万一破損したときに安全な強化
ガラス製又は合わせガラス製の板材を使用することが好
ましい。
【0018】また、本実施例においては、表面板11、
背面板12及び中間板14を、押出成形、プレス成形等
により一体に成形し、空間部10に別途成形した中間板
13を配設し、接着等により一体化するようにしたが、
吸音パネル1を構成する方法は、これに限定されず、例
えば、各板材11,12,13,14を個別に成形し、
これらを、アルミニウム、ステンレススチール、防錆処
理を施した鋼等の押出成形、プレス成形等により成形し
た断面コ字形等の金属製等の枠部材を用いて組み立てる
こともできる。
【0019】多数の透孔11a,13aを形成した表面
板11及び中間板13の開口率は、10〜80%程度、
好ましくは、20〜60%程度に設定するようにする。
【0020】また、空間部10のうち、多数の透孔11
a,13aを形成した表面板11及び中間板13により
区画して形成した空間部10Aは独立して設け、その背
部の中間板13及び中間板14、中間板14及び背面板
12により、それぞれ区画して形成した空間部10B,
10Cは、その一端(本実施例においては、下端)にお
いて連通することにより、迷路状(ラビリンス状)に形
成することにより、吸音パネル1内に吸音した騒音を、
空間部10B,10Cを通過する間に減衰させ、騒音を
低減することができる。さらに、中間板14及び背面板
12により区画して形成した空間部10Cの上方を開口
することにより、吸音パネル1内に吸音し、消音しきれ
なかった騒音を、上方の空間に向けて放出して、周囲の
騒音を低減することができる。
【0021】この場合、図3に示す変形例のように、中
間板14及び背面板12により区画して形成した空間部
10Cの下方を開口することにより、吸音パネル1内に
吸音し、消音しきれなかった騒音を、下方の地中5に向
けて放出して、周囲の騒音を低減することができる。な
お、このように、騒音を地中5に向けて放出する場合
は、騒音が地中5に吸収されやすいように、吸音パネル
1の周囲にバラスト等の空隙率の大きな材料を配するよ
うにする。
【0022】ところで、上記のように構成された吸音パ
ネル1は、道路3(又は鉄道)の側壁4のH形鋼等の支
柱2に建て込んだり、支柱や壁体に任意の固定金具等を
用いて直接取り付けることができ、これにより、夜間の
工事が多くなる道路、鉄道等の防音壁の構築作業を、短
時間で、簡易に行うことができるものとなる。
【0023】図4に、吸音パネルの参考例を示す。この
吸音パネル1は、表面板11、背面板12及び中間板1
5を透明な合成樹脂製又はガラス製の板材で以て構成
し、表面板11に多数の透孔11aを形成するととも
に、内部に中間板15により区画した空間部10を形成
し、表面板11及び中間板15により区画して形成した
空間部に透明な合成繊維製又はガラス繊維製の不織布か
らなる吸音材16を配設し、中間板15及び背面板12
により区画して形成した空間部10Dを密閉して形成し
たものである。
【0024】この場合において、吸音材16を構成する
透明な合成繊維製の不織布としては、ポリ塩化ビリニデ
ン繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維
製の不織布を使用することができ、特に、透明性、雨水
等に対する耐水性、排気ガス等に対する耐化学物質性が
高いポリ塩化ビリニデン繊維製の不織布を使用すること
が好ましい。このポリ塩化ビリニデン繊維製の不織布
は、ポリ塩化ビリニデン繊維と、耐候性を有する合成樹
脂材料からなるブリッジ剤としてのポリエステル繊維等
のポリ塩化ビリニデン繊維より低融点の繊維とを纏絡さ
せるとともに、全体を加熱して低融点の繊維を溶融する
ことにより、ポリ塩化ビリニデン繊維を結合させること
により、所定の形状に成形したものであり、ガラス繊維
製の不織布のように、表面を合成樹脂フィルムで覆うこ
となく、そのまま使用することができるものである。ポ
リ塩化ビリニデン繊維は、10〜100デニール、好ま
しくは、20〜40デニールのものを、また、ブリッジ
剤に用いるポリエステル繊維等のポリ塩化ビリニデン繊
維より低融点の繊維は、それより細い1〜10デニー
ル、好ましくは、2〜5デニールのものを用い、また、
両者は、ポリ塩化ビリニデン繊維を、98〜60重量
%、好ましくは、90〜70重量%、低融点の繊維を、
それより少ない2〜40重量%、好ましくは、10〜3
0重量%の比率で用い、両者を纏絡させるとともに、低
融点の繊維を溶融することにより、ポリ塩化ビリニデン
繊維を結合させることが好ましい。これにより、均質
で、かつ、型くずれしにくい不織布を得ることができ
る。
【0025】なお、吸音材16にガラス繊維製の不織布
を使用する場合には、表面を合成樹脂フィルムで覆った
不織布を使用する。
【0026】本参考例の吸音パネル1は、吸音パネル1
内に吸音した騒音を、空間部10に配設した透明な合成
繊維製又はガラス繊維製の不織布からなる吸音材16に
おいて減衰させるとともに、さらに、その背部の中間板
15及び背面板12により区画して形成した密閉した空
間部10Dにおいて減衰させ、騒音を低減することがで
きる。
【0027】なお、本参考例の吸音パネル1のその他の
構成及び作用は、上記本発明の実施例の吸音パネル1と
同様である。
【0028】以上、本発明の吸音パネルの実施の形態を
図面に基づいて説明したが、本発明の吸音パネルの構成
は、表面板、背面板及び中間板を透明な合成樹脂製又は
ガラス製の板材で以て構成することにより、吸音パネル
が透光性を有し、また、少なくとも表面板に多数の透孔
を形成するとともに、内部に中間板により区画した空間
部を形成することにより、吸音及び消音の機能を備えて
いるものである限りにおいて上記実施例に限定されず、
例えば、上記参考例の構成を適宜適用して吸音パネルを
構成する等、その趣旨を逸脱しない範囲において、適宜
変更することができるものである。
【0029】
【発明の効果】本発明の吸音パネルによれば、表面板、
背面板及び2枚の中間板を透明な合成樹脂製又はガラス
製の板材で以て構成することにより、吸音パネルに透光
性を持たせることができ、これにより、運転手や乗客の
視界を妨げることがなく、開放的な印象を与えるととも
に、太陽光を通すことができ、その周囲に植えられた、
例えば、グリーンベルトを形成する樹木の生育環境を改
善することができる。また、表面板及び前方の中間板に
多数の透孔を形成するとともに、内部に中間板により区
画した空間部を形成することにより、吸音及び消音の機
能を備え、騒音を低減することができる。さらに、多数
の透孔を形成した表面板及び前方の中間板により区画し
て形成した空間部を独立して設け、前方の中間板及び後
方の中間板、後方の中間板及び背面板により、それぞれ
区画して形成した空間部を、その一端において迷路状に
連通させ、後方の中間板及び背面板により区画して形成
した空間部を開口することにより、吸音パネル内に吸音
した騒音を、迷路状に形成した空間部を通過する間に減
衰させ、消音しきれなかった騒音を、空間に向けて放出
して、騒音を低減することができる。
【0030】また、表面板、背面板及び2枚の中間板を
ポリカーボネート製の板材で以て構成することにより、
透明性が高く、耐衝撃性を有し、安全で、かつ、寸法安
定性が高い吸音パネルを得ることができる。
【0031】また、空間部の上方を開口することによ
り、吸音パネル内に吸音し、消音しきれなかった騒音
を、上方の空間に向けて放出して、騒音を低減すること
ができる。
【0032】また、空間部の下方を開口することによ
り、吸音パネル内に吸音し、消音しきれなかった騒音
を、下方の地中に向けて放出して、騒音を低減すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸音パネルの一実施例を示し、(a)
は外観斜視図、(b)は側面図である。
【図2】同吸音パネルの設置状態を示す説明図である。
【図3】図1の実施例の変形例の吸音パネルの設置状態
を示す説明図である。
【図4】吸音パネルの参考例を示し、(a)は外観斜視
図、(b)は側面図である。
【図5】従来の吸音部材を示す断面図である。
【符号の説明】 1 吸音パネル 10 空間部 11 表面板 11a 透孔 12 背面板 13 中間板 13a 透孔 14 中間板 15 中間板 16 吸音材 2 支柱 3 道路 4 側壁

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面板、背面板及び中間板を透明な合成
    樹脂製又はガラス製の板材で以て構成し、少なくとも表
    面板に多数の透孔を形成するとともに、内部に中間板に
    より区画した空間部を形成したことを特徴とする吸音パ
    ネル。
  2. 【請求項2】 表面板、背面板及び中間板をポリカーボ
    ネート製の板材で以て構成したことを特徴とする請求項
    1記載の吸音パネル。
  3. 【請求項3】 空間部の上方を開口したことを特徴とす
    る請求項1又は2記載の吸音パネル。
  4. 【請求項4】 空間部の下方を開口したことを特徴とす
    る請求項1又は2記載の吸音パネル。
  5. 【請求項5】 空間部をラビリンス状に形成したことを
    特徴とする請求項1、2、3又は4記載の吸音パネル。
  6. 【請求項6】 空間部を密閉したことを特徴とする請求
    項1又は2記載の吸音パネル。
  7. 【請求項7】 空間部に透明な合成繊維製又はガラス繊
    維製の不織布からなる吸音材を配設したことを特徴とす
    る請求項1、2、3、4、5又は6記載の吸音パネル。
  8. 【請求項8】 吸音材をポリ塩化ビリニデン繊維製の不
    織布で以て構成したことを特徴とする請求項7記載の吸
    音パネル。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1842977A1 (en) * 2006-04-03 2007-10-10 Vincenzo Tognaccini Sound-absorbing transparent panel
CN101942813A (zh) * 2010-09-06 2011-01-12 程卫国 吸音防反射砖
CN103015338A (zh) * 2013-01-08 2013-04-03 山西尚风科技股份有限公司 一种防治噪声污染的声屏障单元板装置
JP2013087433A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Kobe Steel Ltd 透光性吸音パネル

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