JPH11323025A - ゴムシート - Google Patents

ゴムシート

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JPH11323025A
JPH11323025A JP14841798A JP14841798A JPH11323025A JP H11323025 A JPH11323025 A JP H11323025A JP 14841798 A JP14841798 A JP 14841798A JP 14841798 A JP14841798 A JP 14841798A JP H11323025 A JPH11323025 A JP H11323025A
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JP
Japan
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rubber
resin
parts
weight
rubber sheet
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JP14841798A
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English (en)
Inventor
Nobuo Nakabayashi
延郎 中林
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Maxell Kureha Co Ltd
Original Assignee
Kureha Elastomer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 施工現場でゴムシートに接着剤を塗布
することなく、ゴムシート同士を直接またはゴムシート
間に溶融ゴムアスファルトを介在させて融着することが
でき、接合作業が容易で、しかも接着力、特に高温下に
おける接着力を向上させる。 【解決手段】 ゴム、加硫剤、助剤、補強剤その他の
添加剤からなるゴム組成物をシート状に成形し、加硫し
て得られたゴムシートにおいて、上記ゴム組成物にポリ
エチレン系樹脂、液状エポキシ樹脂およびアルキルフェ
ノール樹脂が添加、混練される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建物その他の構
造物の防水シートやルーフィング、または防草シートと
して使用されるゴムシートに関し、施工現場の広さや形
状に応じて上記のゴムシートを接着により縦横に接続す
る際の接着作業を容易にし、かつ接着力、特に高温下の
接着力の強化を可能にしたものである。
【0002】
【従来の技術】防水シート、ルーフィングおよび防草シ
ート等にゴムシートを使用することが知られているが、
ゴムシートは、成形・加硫時の大きさが施工現場の広さ
に比べて遙に小さいため、施工の現場で多数枚のゴムシ
ートを縦横に継ぎ足す必要があった。そのため、従来
は、多数枚のゴムシートを施工現場に広げ、その縁を重
ねて溶剤系接着剤、自然加硫型ゴム系接着剤または熱可
塑性樹脂からなる熱融着性接着剤等の接着剤で接着して
いた。したがって、従来は施工現場でゴムシートに接着
剤を塗布するという面倒な作業を必要とした。
【0003】この問題を解決するため、ゴムを加硫剤、
助剤、補強剤その他の添加剤と共に混練する際にポリオ
レフィン系樹脂を配合し、シートに成形した後に加硫す
ること、およびゴムを加硫剤、助剤、補強剤その他の添
加剤と共に混練してシートに成形し、次いでポリオレフ
ィン系樹脂フィルムを重ね、加圧下で加硫してゴムシー
トとポリオレフィン系樹脂フィルムとを一体化すること
等が提案された(特開平9−132676号公報、特開
平9−143278号公報等参照)。また、これらのゴ
ムシートを接合する際、ゴムシート間に砂、塵埃その他
の異物が混入しても剥離や漏水が生じないようにするた
め、ゴムシート間に溶融ゴムアスファルトを介在させる
ことが提案された(特開平10−88074号公報参
照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来
は、ゴムシートの接着をゴムシートに含まれるポリオレ
フィン系樹脂の熱可塑性に基づく融着に依存していたの
で、接着力、特に高温下での接着力が不十分であり、真
夏の直射日光下では接合部が剥離したり、ずれたりする
等の問題があった。
【0005】この発明は、施工現場でゴムシートに接着
剤を塗布することなく、ゴムシート同士を直接またはゴ
ムシート間に溶融ゴムアスファルトを介在させて融着す
ることができ、接合作業が容易で、しかも接着力、特に
高温下における接着力の向上が可能なゴムシートを提供
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
は、ゴム、加硫剤、助剤、補強剤その他の添加剤からな
るゴム組成物をシート状に成形し、加硫して得られたゴ
ムシートにおいて、上記ゴム組成物にポリエチレン系樹
脂、液状エポキシ樹脂およびアルキルフェノール樹脂が
添加、混練されていることを特徴とする。
【0007】すなわち、この発明は、ゴム、加硫剤、助
剤、補強剤その他の添加剤からなる通常のゴム組成物に
従来のポリエチレン系樹脂と共に液状エポキシ樹脂およ
びアルキルフェノール樹脂を添加するものである。その
結果、シートに成形し、加硫した後に、得られたゴムシ
ート同士を直接またはあらかじめ塗布された溶融ゴムア
スファルト層を挟んで重ね、加圧下で加熱すると、ゴム
シート同士の界面またはゴムシートと溶融ゴムアスファ
ルト層との界面にポリエチレン系樹脂と液状エポキシ樹
脂の相互侵入構造が形成されて接着力が増大する。そし
て、ゴムシートのゴム弾性は、ほとんど失われない。な
お、ゴムシート間に溶融ゴムアスファルト層を介在させ
た場合は、ゴムシート間に砂、塵埃その他の異物が混入
した場合も、これらの異物がゴムアスファルトの層内に
埋没するため、接着不良箇所が生じない。
【0008】この発明で使用するゴムは、従来の防水
用、防草用等に使用されるゴムで、ポリエチレン系樹脂
と混合可能なゴムであればよいが、特にエチレンプロピ
レン系ゴム、イソブチレンイソプレンゴムおよびハロゲ
ン化イソブチレンイソプレンゴム等が好ましく、用途に
応じて選択される。例えば、ゴム同士を直接融着する場
合は、エチレンプロピレン系ゴム、イソブチレンイソプ
レンゴムおよび両者の混合物が好ましい。また、溶融ゴ
ムアスファルトを介在させる場合は、上記のエチレンプ
ロピレン系ゴム、イソブチレンイソプレンゴムおよびハ
ロゲン化イソブチレンイソプレンゴムのいずれか一以上
を主成分とするゴムが好ましい。すなわち、これらのゴ
ムのいずれかを単独で、または二以上を混合して、また
いずれか一以上のゴムと他のゴムとを混合して用いるこ
とができる。ただし、他のゴムと混合する場合、他のゴ
ムの混合比率はゴム全量の40%以下が好ましく、他の
ゴムが40%を超えると耐候性が不十分となる。
【0009】また、この発明で使用されるポリエチレン
系樹脂は、エポキシ基に対して反応性を有する官能基
(ただし、無水マレイン酸を除く)で変性されたポリエ
チレンまたはその共重合体が好ましく、かかるポリエチ
レン系樹脂として、エチレン酢酸ビニル二元共重合体、
エチレングリシジルメタクリレート二元共重合体、エチ
レングリシジルメタクリレート酢酸ビニル三元共重合体
またはエチレングリシジルメタクリレートアクリル酸メ
チル三元共重合体等が例示される。特に、ゴムシート同
士を直接融着する場合は、エチレングリシジルメタクリ
レート二元共重合体が接着力に優れ、入手が容易な点で
好ましい。また、溶融ゴムアスファルトを用いる場合
は、上記の共重合体はすべて好ましく、特にエチレン酢
酸ビニル二元共重合体は、接着力に優れ、かつ安価に入
手できる点で好ましい。
【0010】この発明で使用する液状エポキシ樹脂とし
ては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂のほか、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂、グリ
シジルエステル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ
樹脂等が使用可能であるが、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂は、汎用性に優れる点で特に好ましい。なお、エ
ポキシ当量は、160〜270が好ましく、この範囲を
外れると接着性が不十分になる。
【0011】また、この発明で用いるアルキルフェノー
ル樹脂は、ヘキサを含有するものが接着性の点で好まし
く、フェノールホルムアルデヒド樹脂は汎用性に優れる
点で特に好ましい。
【0012】ゴムシート同士を直接融着する場合、上記
のポリエチレン系樹脂(エチレングリシジルメタクリレ
ート二元共重合体)、液状エポキシ樹脂およびアルキル
フェノール樹脂の配合量は、それぞれゴム組成物100
重量部に対して13〜23重量部、3.6〜6.9重量
部および0.5〜1.1重量部が好ましく、エチレング
リシジルメタクリレート二元共重合体、液状エポキシ樹
脂またはアルキルフェノール樹脂のどれかが上記の範囲
を外れると、接着力が不十分となる。
【0013】また、ゴムシート間に溶融アスファルトを
介在させる場合、上記のポリエチレン系樹脂、液状エポ
キシ樹脂およびアルキルフェノール樹脂の配合量は、そ
れぞれゴム組成物100重量部に対して15〜30重量
部、2.0〜6.0重量部および0.2〜1.8重量部
が好ましく、ポリエチレン系樹脂、液状エポキシ樹脂ま
たはアルキルフェノール樹脂のどれかが上記の範囲を外
れると、接着力が不十分となる。
【0014】上記のゴム、ポリエチレン系樹脂、液状エ
ポキシ樹脂およびアルキルフェノール樹脂は、硫黄や有
機過酸化物等の任意の加硫剤および助剤、補強剤その他
の添加剤と共に常法にしたがって混練され、シートに成
形され、加硫される。得られたゴムシートは、単体で使
用できることはもちろん、その上面、下面または中間層
に補強用繊維シート(例えば、織物、編物、不織布)を
積層し、複合シートとして使用することもできる。この
場合は、未加硫ゴムシートに繊維シートを積層し、加硫
により一体化する。
【0015】得られた2枚のゴムシートは、縁部が重な
るように施工現場に広げて敷き、ゴムシート同士を直接
融着する場合は、上側ゴムシートの縁部を立上げなが
ら、接合すべき上下の両面に熱風を吹付けて加熱し、し
かるのち再び重ねて加圧するか、2枚のゴムシートの縁
部を裏面同士が向き合うように起立させ、移動式プレス
で加熱と加圧を同時に行って接合する。また、溶融ゴム
アスファルトを用いる場合は、重なり部の上側ゴムシー
トを立ち上げた状態で下側ゴムシートの縁部に沿って溶
融ゴムアスファルトを流下し、しかるのち上側のゴムシ
ートを重ね、その上からローラで圧力を加え、2枚のゴ
ムシートの縁部を間のゴムアスファルト層を介して密着
させ、自然冷却を行う。なお、2枚のゴムシートの重な
り幅は40〜50mmが好ましい。また、溶融ゴムアスフ
ァルトの塗布厚みは1〜2mm(塗布量は1200〜24
00g/m2 )が好ましく、塗布厚み(塗布量)が小さ
いと非接着部ができて水洩れが生じ易く、反対に大き過
ぎるとずれが生じ易くなり、かつ不経済である。
【0016】
【発明の実施の形態】実施形態1 EPDM、硫黄、助剤、カーボンブラックおよびその他
の添加剤からなるゴム組成物100重量部に付き、エチ
レングリシジルメタクリレート二元共重合体を13〜2
3重量部、液状エポキシ樹脂を3.6〜6.9重量部、
アルキルフェノール樹脂(フェノールホルムアルデヒド
樹脂)を0.5〜1.1重量部添加し、混練した後、厚
み2mm程度のシートに成形し、次いでプレス機(温度1
64℃、プレス圧力20 kgf/cm2 )で20分間プレス
して加硫ゴムシートを得る。
【0017】得られた2枚のゴムシートを、その縁が約
40〜50mmの幅で、かつ一方の表面に他方の裏面が接
するように重ねて並べ、しかるのちこの重ね合わせ部に
沿って市販の熱風自動融着機を走行させながら、上側の
ゴムシートの縁部を立上げて上下のゴムシートの対向面
に温度300〜400℃の熱風を吹付け、次いで立上げ
ていた上側のゴムシートの縁部を下ろして下側のゴムシ
ートの縁部に重ね、ローラで加圧し、接着する。
【0018】実施形態2 実施形態1のEPDMに代えてEPDMとIIRの90
/10〜60/40混合物を使用する以外は実施形態1
と同様にして加硫ゴムシートを製造し、この加硫ゴムシ
ートを施工面に並べ、縁部の重なり部を熱風自動融着機
で接合する。
【0019】実施形態3 実施形態1のEPDMゴム組成物100重量部につき、
エチレン酢酸ビニル二元共重合体を15〜30重量部、
液状エポキシ樹脂を2.0〜6.0重量部、さらにアル
キルフェノール樹脂を0.2〜1.8重量部添加配合
し、その他は実施形態1と同様にして加硫ゴムシートを
製造する。得られたゴムシートを、実施形態1と同様に
配列した後、上側のゴムシートを立上げ、下側のゴムシ
ートの縁部に沿って温度180〜200℃の溶融ゴムア
スファルトを流下して厚み1〜2mmのゴムアスファルト
層を形成し、しかるのち上側のゴムシートを重ね、その
上からローラで圧力1〜2 kgf/cm2 を加えながら2枚
のゴムシートを接続する。
【0020】なお、上記のEPDMは、IIRまたはハ
ロゲン化IIRのいずれかで置換してもよい。また、上
記のエチレン酢酸ビニル二元共重合体は、エチレングリ
シジルメタクリレート二元共重合体、エチレングリシジ
ルメタクリレート酢酸ビニル三元共重合体またはエチレ
ングリシジルメタクリレートアクリル酸メチル三元共重
合体のいずれかで置換することができる。
【0021】
【実施例】種々のゴムおよび樹脂を用いてゴムシートの
試験片を作り、その性能試験を行った。
【0022】ゴムとしては下記のものを用いた。 EPDM(A):出光DSM社販売、商品名「ケルタン
578」 EPDM(B):三井石油化学社製、商品名「三井EP
T1070」 EPDM(C):日本合成ゴム社製、商品名「JSR−
EP93」 IIR:日本合成ゴム社製、商品名「JSRブチル26
8」 塩素化IIR:日本合成ゴム社製、商品名「JSRクロ
ロブチル1066」
【0023】上記のゴムを用い、下記の表1に示す6種
類の配合を行った。なお、表中、「炭カル」は「炭酸カ
ルシウム」を、「プロセスオイル」は「パラフィン系プ
ロセスオイル」を、「PEG」は「ポリエチレングリコ
ール」を、「SRF−LM」は「SRF−LMカーボ
ン」を、「ジスルフィド」は「モルホリンジスルフィ
ド」をそれぞれ示す。なお、単位は重量部である。 表 1 配合A 配合B 配合C 配合D 配合E 配合F EPDM(A) 100 − − − − − EPDM(B) − 30 − − − − EPDM(C) − − − − 100 70 IIR − 70 100 − − 30 塩素化IIR − − − 100 − − 亜鉛華 5 5 5 5 5 5 ステアリン酸 1 1 1 1 1 1 PEG − − − − 0.5 0.5 炭カル(軽質) 49.5 58.5 58.5 60 21.2 21.2 炭カル(重質) 10 10 10 10 − − MAFブラック 55 60 60 60 40 40 SRF−LM − − − − 20 20 ホワイトカーボン − − − − 10 10 プロセスオイル 30 20 20 20 50 50 イオウ 1.5 2 2 1.5 1.5 1.5 CBS 2.5 − − − 2.5 2.5 TMTD 1.5 − − 1.0 1.5 1.5 Zn MDC 2.5 − − − − − MBTS 1.5 1.5 1.5 1.5 − − Te EDC − 2 2 − − − ジスルフィド − − − − 3 3 Zn BDC − − − − 2.5 2.5 MBT − − − − 1.3 1.3
【0024】ポリエチレン系樹脂として下記の樹脂イな
いし樹脂ニを用いた。 樹脂イ:エチレン酢酸ビニル二元共重合体(融点63
℃、住友化学社製、商品名「スミテートMB−11」) 樹脂ロ:エチレングリシジルメタクリレート二元共重合
体(融点105℃、住友化学社製、商品名「ボンドファ
ースト2C」) 樹脂ハ:エチレングリシジルメタクリレート酢酸ビニル
三元共重合体(融点98℃:住友化学社製、商品名「ボ
ンドファースト2A」) 樹脂ニ:エチレングリシジルメタクリレートアクリル酸
メチル三元共重合体(融点52℃、住友化学社製、商品
名「ボンドファースト7M」)
【0025】液状エポキシ樹脂として下記のEPRを、
またアルキルフェノール樹脂(フェノールホルムアルデ
ヒド樹脂)として、下記のPFR(a)ないしPFR
(c)を用いた。
【0026】EPR:液状エポキシ樹脂(油化シェルエ
ポキシ社製、商品名「エピコート815」) PFR(a):フェノールホルムアルデヒド樹脂A(住
友デュレズ社製、商品名「スミライトレジンPR126
87」) PFR(b):フェノールホルムアルデヒド樹脂B(住
友デュレズ社製、商品名「スミライトレジンPR531
95」) PFR(c):フェノールホルムアルデヒド樹脂C(住
友デュレズ社製、商品名「スミライトレジンPR703
1A」)
【0027】試料番号1〜15 ゴムとして配合EまたはFのゴム組成物に樹脂ロ(エチ
レングリシジルメタクリレート二元共重合体)、液状エ
ポキシ樹脂(EPR)、フェノールホルムアルデヒド樹
脂PFRの(a)または(c)を種々の重量比で添加配
合し、1バッチに付き、3.5672〜3.8181kg
ずつ14インチロール(ロール温度115〜125℃)
で混練し、温度70〜80℃の14インチロールで未加
硫のゴムシート(幅450mm、厚さ2.0±0.1mm)
を分出した。
【0028】上記未加硫のゴムシートを一辺長400mm
の正方形に裁断して試験片とし、厚さ2mmのジュラルミ
ン板上に乗せた厚さ1.8mm、内法寸法が縦横400mm
の枠ゲージの内側に収め、その上に上記と同じジュラル
ミン板を重ね、プレス機の上下の熱盤間に挟み、温度1
64℃、圧力20 kgf/cm2 で20分間の熱プレスを行
って加硫した。なお、一部の試験片にはその片面にポリ
エステル繊維からなる絡み織り組織の補強布(経糸10
0d×2、緯糸500d×2、RFL処理)を重ね、加
硫により一体化した。
【0029】上記加硫後の試験片を縦180mm、横36
0mmの大きさに裁断し、その2枚を重ね(ただし、補強
布を積層したものは、補強布を外側にして重ねる)、長
さ方向の一端(長さ50mmの部分)に離型用のPETフ
ィルムを挟み、上下両面にポリエチレンテレフタレート
フィルムを介して前記のジュラルミン板を重ね、熱プレ
ス(温度174℃、圧力10 kgf/cm2 、時間10分)
により、上記2枚の試験片を熱融着した。
【0030】熱融着後の試験片を幅25mm、長さ200
mmに裁断して測定試料とし、剥離試験器(島津製作所
製、オートグラフP−100)を用い、180度剥離法
により、引張速度50mm/分、測定温度24℃、60℃
および80℃でゴムシート同士の接着力を測定した。
【0031】上記の測定結果をゴムシートの成分配合比
(単位は重量部)と共に下記の表2、3に示す。なお、
接着力に下線を付したものは材料破壊が生じたことを示
す。また、「PE」は「ポリエチレン系樹脂」を示す。
【0032】 表 2 試料番号 1 2 3 4 5 6 7 8 9 ゴム配合の種類 E E E E E E E E E PEの種類 ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ ロ 同 配合量(部) 15 11 21 25 18 18 18 18 18 EPR配合量(部) 4.1 3.0 6.3 7.5 5.4 5.4 − − 5.4 PFR(種類) a a a a a c − a − 同 配合量(部) 0.56 0.4 1.0 1.2 0.8 0.85 − 0.8 − 接着力( kgf/25mm) 補強布あり 24℃ 51.0 53.0 50.4 49.2 52.8 54.2 27.0 26.2 32.4 60℃ 27.9 26.8 25.6 24.0 28.9 26.8 6.8 6.2 8.6 80℃ 15.8 13.0 15.0 11.8 16.2 15.2 3.6 3.5 4.1 補強布なし 24℃ 21.0 23.2 20.0 19.8 22.2 20.5 14.6 15.2 18.6 60℃ 10.0 7.8 10.7 8.5 10.8 10.4 3.8 3.7 4.4 80℃ 7.3 4.2 7.9 4.8 7.8 8.0 2.1 2.4 3.1
【0033】 表 3 10 11 12 13 14 ゴム配合の種類 F F F F F PEの種類 ロ ロ ロ ロ ロ 同 配合量(部) 15 11 21 25 18 EPR配合量(部) 4.1 3.0 6.3 7.5 5.4 PFRの種類 a a a a c 同 配合量(部) 0.56 0.4 1.0 1.2 0.85 接着力( kgf/25mm) 補強布あり 24℃ 47.8 48.2 48.5 46.0 49.0 60℃ 25.4 25.8 24.5 23.1 25.8 80℃ 14.1 11.8 14.5 10.5 15.1 補強布なし 24℃ 19.8 20.2 19.5 18.8 20.0 60℃ 9.8 7.1 10.0 7.8 10.0 80℃ 7.0 4.0 7.1 4.5 7.5
【0034】上記の表2、3に示すとおり、試料1〜6
および試料10〜14は、いずれも低温での接着力に優
れている。特に試料1、3、5、6、10、12、14
は、高温時でも材料破壊が生じる程度であった。これに
対し、試料2、11は、樹脂b(エチレングリシジルメ
タクリレート二元共重合体)、液状エポキシ樹脂(EP
R)、フェノールホルムアルデヒド樹脂PFR(A)の
配合量が少ないため、また試料4、13は樹脂b(エチ
レングリシジルメタクリレート二元共重合体)、液状エ
ポキシ樹脂(EPR)、フェノールホルムアルデヒド樹
脂PFR(A)の配合量が多いため、いずれも高温時で
接着力が低下した。また、試料7〜9は、液状エポキシ
樹脂(EPR)およびフェノールホルムアルデヒド樹脂
PFR(a)の少なくとも一方を含有しないため、低温
での接着力も小さかった。
【0035】試料番号21〜52 種々のゴムシートを作り、このゴムシートに溶融ゴムア
スファルトをコーティングし、その剥離テストを行っ
た。
【0036】前記配合A〜Dのゴム組成物にポリエチレ
ン系樹脂として前記の樹脂イ〜ニを、液状エポキシ樹脂
として前記のEPRを、またアルキルフェノール樹脂と
して前記のPFR(a)〜(c)を種々の重量比で配合
し、1バッチに付き、3.6972〜4.19016kg
ずつ14インチロール(ロール温度60〜110℃)で
混練し、温度60〜70℃の14インチロールで未加硫
ゴムシート(幅450mm、厚さ2.0±0.1mm)を分
出し、さらに実施例1と同様に加硫した。
【0037】得られた加硫ゴムシートを縦350mm、横
300mmの長方形に裁断し、190℃の溶融ゴムアスフ
ァルト(日本石油社製、商品名「エコファルトK−
1」)を約2mmの厚さにコーティングし、室温で24時
間冷却した。次いで、幅25mm、長さ250mmの短冊形
に裁断し、ゴムアスファルト層の表面に布貼着テープ
(日東電工社製、No.750)を貼り付け、−40℃に冷却
して長さ方向の一端に剥がし口を作り、室温に戻した
後、測定器として引張試験器(ミネベア社製、テクノグ
ラフTG−1KN)を用い、温度24℃、引張速度10
00mm/分で180度剥離法の剥離試験を行い、ゴムア
スファルト層に破壊が生じたものを○とし、部分的に剥
離したものを△とし、全面で剥離したもの×とし、特に
剥離が容易なものを××とした。また、混練時および分
出しの際に粘着性もヘタリもないものを○とし、過度の
粘着性またはヘタリがあるものを×とした。その結果を
ゴムシートの成分配合比(単位は重量部)と共に下記の
表4〜8に示す。
【0038】 表 4 試料番号 21 22 23 24 25 26 ゴム配合の種類 A A A A A A PEの種類 イ イ イ イ イ イ 同 配合量(部) 17 13 10 28 33 23 EPR配合量(部) 5.5 6.5 6.5 2.5 1.2 4.0 PFRの種類 a a a a a a 同 配合量(部) 1.6 2.0 2.0 0.4 0.1 0.9 接着力 ○ △ × ○ × ○ 加工性 ○ ○ ○ ○ × ○
【0039】 表 5 試料番号 27 28 29 30 31 32 33 34 ゴム配合の種類 A A A A A A A A PEの種類 ロ ハ ニ イ イ イ イ イ 同 配合量(部) 23 23 23 23 23 23 23 23 EPR配合量(部) 4.0 4.0 4.0 4.0 4.0 − 4.0 − EPFの種類 a a a b c − − a 同 配合量(部) 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 − − 0.9 接着力 ○ ○ ○ ○ ○ ×× ×× ×× 加工性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
【0040】 表 6 試料番号 35 36 37 38 39 ゴム配合の種類 C C C C C PEの種類 イ イ イ イ イ 同 配合量(部) 17 13 10 28 33 EPR配合量(部) 5.5 6.5 6.5 2.5 1.2 EPFの種類 a a a a a 同 配合量(部) 1.6 2.0 2.0 0.4 0.1 接着力 ○ △ × ○ × 加工性 ○ ○ ○ ○ ×
【0041】 表 7 試料番号 40 41 42 43 44 ゴム配合の種類 C C C C C PEの種類 ロ ハ ニ イ イ 同 配合量(部) 23 23 23 23 23 EPR配合量(部) 4.0 4.0 4.0 4.0 4.0 EPFの種類 a a a b c 同 配合量(部) 0.9 0.9 0.9 0.9 0.9 接着力 ○ ○ ○ ○ ○ 加工性 ○ ○ ○ ○ ○
【0042】 表 8 試料番号 45 46 47 48 49 50 51 52 ゴム配合の種類 B B B B D D D D PEの種類 イ イ イ イ イ イ イ イ 同 配合量(部) 17 13 28 33 17 13 28 33 EPR配合量(部) 5.5 6.5 2.5 1.2 5.5 6.5 2.5 1.2 EPFの種類 a a a a a a a a 同 配合量(部) 1.6 2.0 0.4 0.1 1.6 2.0 0.4 0.1 接着力 ○ △ ○ × ○ △ ○ △ 加工性 ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ×
【0043】上記の表4〜8から明らかなように、試料
21、24、26〜31、35、38、40〜45、4
7、49、51は、いずれもポリエチレン系樹脂(P
E)、液状エポキシ樹脂(EPR)およびアルキルフェ
ノール樹脂(EPF)をそれぞれ適量配合しているた
め、接着力および加工性が共に良好であった。これに対
し、試料22、23、25、36、37、39、46、
48、50、52は、PE、EPRおよびEPFのすべ
ての配合量が適量範囲から外れるため、接着力や加工性
が低く、また試料32〜34は、PEの配合が適量であ
るにもかかわらず、EPRまたはEPFを欠くため、接
着力が不足し、特に剥離し易かった。
【0044】
【発明の効果】上記のとおり、請求項1に係るゴムシー
トは、ゴムに熱可塑性のポリエチレン系樹脂と共に液状
エポキシ樹脂およびアルキルフェノール樹脂を添加した
ものであるから、熱融着性に優れ、上記の液状エポキシ
樹脂およびアルキルフェノール樹脂を用いない従来のゴ
ムシートに比べて接着力、特に高温での接着力に優れ、
防水シートやルーフィング、防草シートとして好適に使
用することができる。
【0045】そして、請求項2、3に係るゴムシート
は、ゴムシート同士を直接重ねて熱融着するのに好適で
あり、特に請求項3に係るゴムシートは、接着力に優
れ、かつ製造が容易である。一方、請求項4に係るゴム
シートは、ゴムシートを溶融ゴムアスファルトを介して
接合するのに好適であり、特に請求項5に係るゴムシー
トは製造が容易であり、請求項6に係るゴムシートは、
接着力および加工性に優れている。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム、加硫剤、助剤、補強剤その他の添
    加剤からなるゴム組成物をシート状に成形し、加硫して
    得られたゴムシートにおいて、上記ゴム組成物にポリエ
    チレン系樹脂、液状エポキシ樹脂およびアルキルフェノ
    ール樹脂が添加、混練されていることを特徴とするゴム
    シート。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたゴムシートにおい
    て、ゴムがエチレンプロピレン系ゴム、イソブチレンイ
    ソプレンゴムまたは両者の混合物であり、ポリエチレン
    系樹脂がエチレングリシジルメタクリレート二元共重合
    体であるゴムシート。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載されたゴムシートにおい
    て、エチレングリシジルメタクリレート二元共重合体、
    液状エポキシ樹脂およびアルキルフェノール樹脂の配合
    量が、それぞれゴム組成物100重量部に対して13〜
    23重量部、3.6〜6.9重量部および0.5〜1.
    1重量部であるゴムシート。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載されたゴムシートにおい
    て、ゴムがエチレンプロピレン系ゴム、イソブチレンイ
    ソプレンゴムおよびハロゲン化イソブチレンイソプレン
    ゴムのいずれかを主成分とし、ポリエチレン系樹脂がエ
    ポキシ基と反応性を有する官能基(ただし、無水マレイ
    ン酸を除く)で変性されたポリエチレンまたはその共重
    合体であるゴムシート。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載されたゴムシートにおい
    て、ポリエチレン系樹脂がエチレン酢酸ビニル二元共重
    合体であるゴムシート。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載されたゴムシー
    トにおいて、ポリエチレン系樹脂、液状エポキシ樹脂お
    よびアルキルフェノール樹脂の配合量が、それぞれゴム
    組成物100重量部に対して15〜30重量部、2.0
    〜6.0重量部および0.2〜1.8重量部であるゴム
    シート。
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