JPH11322370A - 暖房加熱用波長選択型熱放射材料 - Google Patents

暖房加熱用波長選択型熱放射材料

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JPH11322370A
JPH11322370A JP14651598A JP14651598A JPH11322370A JP H11322370 A JPH11322370 A JP H11322370A JP 14651598 A JP14651598 A JP 14651598A JP 14651598 A JP14651598 A JP 14651598A JP H11322370 A JPH11322370 A JP H11322370A
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Masato Tazawa
真人 田澤
Sakae Tanemura
栄 種村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱放射による暖房および加熱に用いる熱放射
源としての熱放射波長選択型熱放射材料を提供する。 【解決手段】 ストーブ等の暖房装置からの熱放射によ
る人体等の加熱を目的とした熱放射材料であって、金属
基板上に一酸化珪素膜を形成してなることを特徴とする
空気による赤外光の吸収を選択的に低減させる暖房加熱
用波長選択型熱放射材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、暖房技術または加
熱技術に関するものであり、さらに詳しくは、熱放射に
よる暖房および加熱に用いる熱放射源としての熱放射波
長選択型熱放射材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】暖房装置は、主に赤外光の放射による放
射型暖房装置と温風の強制循環による温風型暖房装置お
よび両者をともに利用した対流型暖房装置に分類するこ
とができる。また、工場や農場における加熱装置や木材
等の乾燥を目的とした加熱装置も、高温物体を目的物に
密着させる方法をのぞいて原理的に暖房装置と同様であ
り、放射型、温風型、対流型に分類することができる。
このうち、放射型や熱放射を用いる対流型の暖房加熱装
置においては、高温状態で赤外光を放射する熱放射源と
して、耐熱性と高い赤外放射率が必要とされることか
ら、耐熱性ガラスまたはセラミックスが用いられてき
た。
【0003】一方、地球上の空気は、一般に、赤外光を
吸収するが、「大気の窓」と呼ばれる8〜13μmの波
長範囲では赤外光の透過率が高いことが知られている
(日本太陽エネルギー学会編、太陽エネルギー利用ハン
ドブック(1985)、p.45)。また、大気の窓以
外の領域における空気による赤外光の吸収率は、通常の
赤外分光器を用いて容易に求めることができ、実際に測
定したところ湿度30%の時の吸収係数は約1m-1であ
った.したがって、約3m以上の距離には大気の窓領域
以外の赤外光の大部分は到達せず、空気に吸収されるこ
とになる。
【0004】上記従来の放射型暖房加熱装置や対流型暖
房加熱装置の熱放射材料は、近赤外領域から遠赤外領域
にわたる広い範囲の赤外光を無選択に放射し、「大気の
窓」以外の波長領域では、空気による赤外光の吸収によ
り空気を暖め、さらに間接的に空気から暖房すべき人体
もしくは物体に熱を供給し暖房加熱を実現するものであ
り、「大気の窓」の波長領域では、熱放射材料からの放
射を直接人体等が受けて暖房加熱を実現するものであ
る。しかしながら、空気を介して暖房加熱を行うことは
時間を要し、特にホールや工場、農場等の大空間におい
て約3m以上はなれた物体を暖房加熱しようとする際に
は、大量の空気を暖める必要がありエネルギーの損失が
大であった。したがって、空気による赤外光の吸収を低
減し、熱放射体から発せられる赤外光を直接暖房加熱に
利用でき、無駄なエネルギーの消費の少ない熱放射材料
が嘱望されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような状況の中
で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、空気による
赤外光の吸収を低減し、効率よく赤外光による加熱が可
能な新しい熱放射材料を開発することを目標として鋭意
研究を積み重ねた結果、金属基板上に一酸化珪素膜を形
成した放射材料が波長選択型熱放射材料として有用であ
ることを見出し、本発明を完成した。本発明は、上記に
鑑み提案されたもので、金属基板上に一酸化珪素膜を形
成してなることを特徴とする暖房加熱用波長選択型熱放
射材料に関するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明は、以下の技術的手段からなる。 (1)ストーブ等の暖房装置からの熱放射による人体等
の加熱を目的とした熱放射材料であって、金属基板上に
一酸化珪素膜を形成してなることを特徴とする空気によ
る赤外光の吸収を選択的に低減させる暖房加熱用波長選
択型熱放射材料。 (2)工場や農場での製品の乾燥過程での熱放射による
加熱を目的とした熱射材料であって、金属基板上に一酸
化珪素膜を形成してなることを特徴とする空気による赤
外光の吸収を選択的に低減させる暖房加熱用波長選択型
熱放射材料。 (3)基板に金属膜を形成し、さらにその上面に一酸化
珪素膜を形成してなる熱放射材料であって、8〜13μ
mの波長領域で特異的に高い放射率を有する前記(1)
または(2)記載の暖房加熱用波長選択型熱放射材料。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明について詳細に説明
する。本発明においては、上記のように、金属基板上に
一酸化珪素膜を形成してなる波長選択型放射材料が使用
される。上記、一酸化珪素膜は、「大気の窓」の波長領
域内で高い放射率を与え、それ以外の波長領域では放射
率が低いものであれば、純粋な一酸化珪素膜に限定する
ものではなく、他物質と混合したものでもよい.また、
一酸化珪素膜の形成方法についてもスパッタリング法や
その他の公知の方法を用いることができ、特に限定する
ものではない。また、上記金属基板としては、赤外領域
で反射率が高く、摂氏300度程度以上の高温に耐える
ものであれば、どのような材質でもよく、他のガラス等
の基板上に金属薄膜を形成したものでもよい.その形状
や寸法等についても特に限定するものではない。さら
に、一酸化珪素膜を形成した後の最上面に、赤外領域で
透過性の塗装を設け、その意匠性を向上させたり、物理
的な保護効果を保有させるようにしてもよい。本発明の
波長選択型熱放射材料は、8〜13μmの波長領域で特
異的に高い放射率を有し、人体等の暖房を目的とした熱
放射材料、また、ホール、工場、農場等の大空間におけ
る暖房、加熱を目的とした熱放射材料等として有用であ
るが、これらに限らず、同様の目的で適宜使用される。
【0008】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明する。しかし、本発明は当該実施例によって何ら限定
されるものではない。 実施例 図1に示す本発明の一実施例の波長選択型熱放射材料
は、基板として52mm×76mm、厚さ1mmのガラ
ス板1を用い、真空蒸着法によってアルミニウム膜2を
作製し、さらにその上面に一酸化珪素膜3を形成してな
る構成のものである。アルミニウム膜2の膜厚は赤外光
を透過しないために十分な値であり、一酸化珪素膜3の
膜厚は1μmである.アルミニウム膜2の厚さは赤外光
について不透過性であれば特に限定するものではない。
上記波長選択型熱放射材料の赤外反射スペクトルを図2
に示す.この図からわかるように、「大気の窓」と呼ば
れる8〜13μmの波長領域の一部で反射率が低く、こ
の材料が不透明であることを考えると、この波長領域で
吸収率すなわち放射率が高いことがわかる。
【0009】上記放射材料を摂氏約300度まで加熱
し、その後、熱源を絶ったあとの波長選択型熱放射材料
の温度変化を温度21.5度の室内で記録した.その結
果、この材料の温度は1分間に摂氏130度の割合で低
下した。この温度低下は、空気との接触による熱伝導及
び放射率が高い波長領域での赤外光放射によるものと考
えられる.空気との接触による熱伝導は空気を暖めるこ
とによる暖房に寄与し、赤外光の放射は目的とする物体
を直接暖めることに寄与することができる。
【0010】比較例 基板として、上記実施例と同じ大きさのガラス板を用
い、その上面に黒色塗料を塗ったものを放射材料として
使用し、比較例とした。この材料の赤外反射スペクトル
を図3に示す.この材料も不透明であること、また、図
3から、この材料の分光放射率は赤外領域全域にわたっ
て高い値を示すことがわかる。
【0011】この材料についても、実施例と同じ条件で
その温度低下を記録した.その結果、1分あたり摂氏1
39度の割合で温度低下をすることが判明した.この温
度低下は、空気との接触による熱伝導及び赤外領域全域
での赤外光放射によるものと考えられる。赤外光放射の
うち、「大気の窓」の波長領域では目的とする物体の直
接の加熱が可能であるが、この波長領域以外では、空気
との接触による熱伝導と同様に、空気を暖めることによ
る間接的暖房に寄与するものである.「大気の窓」以外
の波長領域での赤外放射のために、温度低下の割合が実
施例よりも大きくなっている。
【0012】実施例と比較例での温度低下の割合の差
は、赤外光を放射する波長領域の差によるものである。
すなわち、実施例の放射体では、「大気の窓」の波長領
域以外での赤外放射を抑制することにより、赤外光を空
気に吸収させ目的物を加熱するという時間のかかる過程
を低減できたことを意味している。したがって、同じエ
ネルギーを実施例及び比較例の放射体に与え、数m以上
離れた場所にある物体を加熱する場合、実施例の放射体
の方が比較例の放射体よりも効率よく赤外光による加熱
が可能である。目的の物体が人体の場合には、実施例の
放射体の方がより効率的な暖房が可能になる。また、本
放射体を前面が赤外領域で透明な断熱箱に入れた場合
は、接触による空気への熱伝導が低減され、その結果、
さらに省エネルギー効果が増大する。
【0013】以上、本発明を実施例に基づいて説明した
が、本発明は前記した実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載した構成を変更しない限りど
のようにでも実施することができる。
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の暖房加熱
用波長選択型熱放射材料は、金属基板上の一酸化珪素膜
が「大気の窓」の領域だけで熱放射をするという性質を
利用して、高効率の加熱を可能とするものである。した
がって、本発明の熱放射材料を用いることにより、空気
による赤外光の吸収を低減し、熱放射体から発せられる
赤外光を直接暖房加熱に利用することができ、これによ
り、暖房加熱装置のエネルギー消費が減少し、たとえば
ホール、工場、農場等大空間での暖房加熱費用の低減が
期待されるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の暖房加熱用波長選択型熱放
射材料の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例に用いた暖房加熱用波長選択
型熱放射材料の赤外反射スペクトルを示す説明図であ
る。
【図3】比較例に用いたガラス基板上に黒色塗料を施し
た放射材料の赤外反射スペクトルを示す説明図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 アルミニウム膜 3 一酸化珪素膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストーブ等の暖房装置からの熱放射によ
    る人体等の加熱を目的とした熱放射材料であって、金属
    基板上に一酸化珪素膜を形成してなることを特徴とする
    空気による赤外光の吸収を選択的に低減させる暖房加熱
    用波長選択型熱放射材料。
  2. 【請求項2】 工場や農場での製品の乾燥過程での熱放
    射による加熱を目的とした熱射材料であって、金属基板
    上に一酸化珪素膜を形成してなることを特徴とする空気
    による赤外光の吸収を選択的に低減させる暖房加熱用波
    長選択型熱放射材料。
  3. 【請求項3】 基板に金属膜を形成し、さらにその上面
    に一酸化珪素膜を形成してなる熱放射材料であって、8
    〜13μmの波長領域で特異的に高い放射率を有する請
    求項1または2記載の暖房加熱用波長選択型熱放射材
    料。
JP14651598A 1998-05-11 1998-05-11 暖房加熱用波長選択型熱放射材料 Expired - Lifetime JP2909538B1 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6993253B2 (en) 2002-11-12 2006-01-31 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Heating apparatus with special selective radiant material partially coated thereon
JP2006291583A (ja) * 2005-04-12 2006-10-26 Arukon Kk 導管カバ−付屋根融雪装置
JP2008508173A (ja) * 2004-07-30 2008-03-21 ユーロケラ ソシエテ オン ノーム コレクティフ 暖炉のインサート又はストーブ型の機器のための、ガラス材料で作られた板

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008508173A (ja) * 2004-07-30 2008-03-21 ユーロケラ ソシエテ オン ノーム コレクティフ 暖炉のインサート又はストーブ型の機器のための、ガラス材料で作られた板
JP2006291583A (ja) * 2005-04-12 2006-10-26 Arukon Kk 導管カバ−付屋根融雪装置

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