JPH11321992A - 飲料供給装置 - Google Patents
飲料供給装置Info
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- JPH11321992A JPH11321992A JP13666298A JP13666298A JPH11321992A JP H11321992 A JPH11321992 A JP H11321992A JP 13666298 A JP13666298 A JP 13666298A JP 13666298 A JP13666298 A JP 13666298A JP H11321992 A JPH11321992 A JP H11321992A
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- Japan
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- beverage
- microorganisms
- supply device
- resin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 メンテナンスの手間を省略したりあるいは少
なくしても、飲料に異臭が発生したり、飲料の風味や色
が落ちず、美味しいジュース、コーヒー、ビール、水、
茶などを供給できる飲料供給装置を提供する。 【解決手段】 飲料原料および飲料が接触する全ての面
あるいはほとんど全ての面が、親水性および/または疎
水性を有する微生物が付着し難いポリマーにより形成さ
れるとともに、その表面は前記微生物が停滞する原因と
なる凹凸のない平滑度を有し、かつ前記表面に前記微生
物が停滞して繁殖する原因となる大きさの凹部がないよ
うにする。
なくしても、飲料に異臭が発生したり、飲料の風味や色
が落ちず、美味しいジュース、コーヒー、ビール、水、
茶などを供給できる飲料供給装置を提供する。 【解決手段】 飲料原料および飲料が接触する全ての面
あるいはほとんど全ての面が、親水性および/または疎
水性を有する微生物が付着し難いポリマーにより形成さ
れるとともに、その表面は前記微生物が停滞する原因と
なる凹凸のない平滑度を有し、かつ前記表面に前記微生
物が停滞して繁殖する原因となる大きさの凹部がないよ
うにする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジュース、コーヒ
ー、ビール、水、茶などの飲料供給装置に関するもので
あり、さらに詳しくはメンテナンスの手間を少なくして
も異臭が発生したり、風味や色が落ちず、美味しいジュ
ース、コーヒー、ビールなどの飲料を供給できる飲料供
給装置に関するものである。
ー、ビール、水、茶などの飲料供給装置に関するもので
あり、さらに詳しくはメンテナンスの手間を少なくして
も異臭が発生したり、風味や色が落ちず、美味しいジュ
ース、コーヒー、ビールなどの飲料を供給できる飲料供
給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】前記飲料供給装置には、ビールなどのよ
うにタンクなどの大型容器に密封して工場から出荷され
た商品を、冷却してノズルからそのままコップに小分け
して販売する飲料供給装置(以下、プリミックス商品と
称す)と、ジュースやコーラなどのように濃縮液で大型
容器に保管しておき、販売の都度水によって適宜希釈し
て供給する飲料供給装置(以下、ポストミックス商品と
称す)とがある。プリミックス商品もポストミックス商
品も充分な衛生管理の下で工場生産されるので、大型容
器に充填されて工場から出荷供給される商品自体が雑菌
で汚染されていることは殆どない。
うにタンクなどの大型容器に密封して工場から出荷され
た商品を、冷却してノズルからそのままコップに小分け
して販売する飲料供給装置(以下、プリミックス商品と
称す)と、ジュースやコーラなどのように濃縮液で大型
容器に保管しておき、販売の都度水によって適宜希釈し
て供給する飲料供給装置(以下、ポストミックス商品と
称す)とがある。プリミックス商品もポストミックス商
品も充分な衛生管理の下で工場生産されるので、大型容
器に充填されて工場から出荷供給される商品自体が雑菌
で汚染されていることは殆どない。
【0003】しかし、大型容器に密封充填されて工場出
荷された商品を、コップに小分けして販売などする飲料
供給装置においては、ノズル部は常時大気中に放置され
ているため空中浮遊菌に接触する機会が多く酢酸菌、乳
酸菌などの一般細菌や飲料内の雑菌が増殖し易く、コネ
クタ部は飲料原液の入った大型容器交換の際に取り外す
ため空気中の野生酵母などの雑菌が混入してコネクタ部
や飲料通路内に入り内壁に付着して増殖し易く、飲料を
冷却するための熱交換部分(ステンレスコイルなど)に
は飲料が通過する際の急激な温度変化により溶解度が変
化して飲料に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの
化合物からなる無機物が析出し、この無機質が温床とな
って野生酵母などの雑菌が内壁に付着して増殖し易く、
これらの微生物の物質代謝の生成物などが原因となっ
て、ジュース、コーラ、ビールなどの飲料に異臭が発生
したり、風味や色が落ちて不味くなり商品価値が損なわ
れる問題点があった。
荷された商品を、コップに小分けして販売などする飲料
供給装置においては、ノズル部は常時大気中に放置され
ているため空中浮遊菌に接触する機会が多く酢酸菌、乳
酸菌などの一般細菌や飲料内の雑菌が増殖し易く、コネ
クタ部は飲料原液の入った大型容器交換の際に取り外す
ため空気中の野生酵母などの雑菌が混入してコネクタ部
や飲料通路内に入り内壁に付着して増殖し易く、飲料を
冷却するための熱交換部分(ステンレスコイルなど)に
は飲料が通過する際の急激な温度変化により溶解度が変
化して飲料に含まれるカルシウムやマグネシウムなどの
化合物からなる無機物が析出し、この無機質が温床とな
って野生酵母などの雑菌が内壁に付着して増殖し易く、
これらの微生物の物質代謝の生成物などが原因となっ
て、ジュース、コーラ、ビールなどの飲料に異臭が発生
したり、風味や色が落ちて不味くなり商品価値が損なわ
れる問題点があった。
【0004】この問題を回避するために飲料供給装置の
機材を毎日水で洗浄したり、定期的(例えば、週1回)
にスポンジを通して洗浄するなど、頻繁に洗浄作業をし
て、配管、ノズル部、コネクタ部、熱交換部分などの接
液部に付着する細菌類や無機物の堆積物を除去したり、
監視したりするメンテナンスを行う必要があるが、この
メンテナンスには巨額のコストがかかる問題があり、ま
たその都度系内の飲料を廃棄しなければならない。
機材を毎日水で洗浄したり、定期的(例えば、週1回)
にスポンジを通して洗浄するなど、頻繁に洗浄作業をし
て、配管、ノズル部、コネクタ部、熱交換部分などの接
液部に付着する細菌類や無機物の堆積物を除去したり、
監視したりするメンテナンスを行う必要があるが、この
メンテナンスには巨額のコストがかかる問題があり、ま
たその都度系内の飲料を廃棄しなければならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は先に飲料供
給経路の内部をポリテトラフルオロエチレン樹脂(PT
FE)などの揆水性材料で形成した飲料等の供給装置を
提案した(特願平9−258978号明細書)が、ある
程度改善はみられるものの未だ不十分であり、さらに改
善することが強く求められている。
給経路の内部をポリテトラフルオロエチレン樹脂(PT
FE)などの揆水性材料で形成した飲料等の供給装置を
提案した(特願平9−258978号明細書)が、ある
程度改善はみられるものの未だ不十分であり、さらに改
善することが強く求められている。
【0006】本発明の目的は、メンテナンスの手間を省
略したりあるいは少なくしても、異臭が発生したり、風
味や色が落ちず、美味しいジュース、コーヒー、ビー
ル、水、茶などの飲料を供給できる飲料供給装置を提供
することである。
略したりあるいは少なくしても、異臭が発生したり、風
味や色が落ちず、美味しいジュース、コーヒー、ビー
ル、水、茶などの飲料を供給できる飲料供給装置を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決するために鋭意研究した結果、飲料などが接触する
全ての面あるいはほとんど全ての面を前記微生物が付着
し難いポリマーで形成し、かつ、飲料などが接触する表
面は微生物が停滞しないような平滑度とし、また飲料な
どが接触する表面に微生物が停滞して繁殖するような大
きさの凹部がないようにすることにより、前記微生物や
無機物の付着を防止ないし抑制でき、例え、前記微生物
や無機物が付着したとしても飲料供給装置の使用時にお
ける飲料などの流れ(例えば、流速約30cc/se
c.の流れ)によって押し流されてしまうので、前記微
生物が停滞して繁殖してその物質代謝の生成物などが原
因となって、ジュース、コーラ、ビール、水、茶などの
飲料に異臭が発生したり、風味や色が落ちて不味くなっ
て商品価値が損なわれることなどの不都合がなくなるこ
とを見出し、本発明を完成させるに至った。
解決するために鋭意研究した結果、飲料などが接触する
全ての面あるいはほとんど全ての面を前記微生物が付着
し難いポリマーで形成し、かつ、飲料などが接触する表
面は微生物が停滞しないような平滑度とし、また飲料な
どが接触する表面に微生物が停滞して繁殖するような大
きさの凹部がないようにすることにより、前記微生物や
無機物の付着を防止ないし抑制でき、例え、前記微生物
や無機物が付着したとしても飲料供給装置の使用時にお
ける飲料などの流れ(例えば、流速約30cc/se
c.の流れ)によって押し流されてしまうので、前記微
生物が停滞して繁殖してその物質代謝の生成物などが原
因となって、ジュース、コーラ、ビール、水、茶などの
飲料に異臭が発生したり、風味や色が落ちて不味くなっ
て商品価値が損なわれることなどの不都合がなくなるこ
とを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】上記課題を解決するための請求項1の発明
は、飲料原料から調製された飲料あるいは予め調製され
た飲料を所定の飲料通路を通して供給する飲料供給装置
において、前記飲料原料および前記飲料が接触する全て
の面あるいはほとんど全ての面が、親水性および/また
は疎水性を有する微生物が付着し難いポリマーにより形
成されるとともに、その表面は前記微生物が停滞する原
因となる凹凸のない平滑度を有し、かつ前記表面に前記
微生物が停滞して繁殖する原因となる大きさの凹部がな
いようにしたことを特徴とする飲料供給装置である。
は、飲料原料から調製された飲料あるいは予め調製され
た飲料を所定の飲料通路を通して供給する飲料供給装置
において、前記飲料原料および前記飲料が接触する全て
の面あるいはほとんど全ての面が、親水性および/また
は疎水性を有する微生物が付着し難いポリマーにより形
成されるとともに、その表面は前記微生物が停滞する原
因となる凹凸のない平滑度を有し、かつ前記表面に前記
微生物が停滞して繁殖する原因となる大きさの凹部がな
いようにしたことを特徴とする飲料供給装置である。
【0009】微生物には親水性を有する微生物や疎水性
を有する微生物、また環境条件によって親水性と疎水性
を変化させる微生物(例えば、納豆菌などのバチルス属
に属する微生物)があるが、本発明においてはこれらの
微生物のいずれもが付着し難いポリマー[このようなポ
リマーは特に限定されないが、例えば、4フッ化エチレ
ン・6フッ化プロピレン共重合体(FEP樹脂)、4フ
ッ化エチレン・パーフロロアルコキシ共重合体(PFA
樹脂)、エチレン・テトラフロロエチレン共重合体(E
TFE樹脂)、これらを含む組成物などを例示すること
ができる]を使用することが必要である。
を有する微生物、また環境条件によって親水性と疎水性
を変化させる微生物(例えば、納豆菌などのバチルス属
に属する微生物)があるが、本発明においてはこれらの
微生物のいずれもが付着し難いポリマー[このようなポ
リマーは特に限定されないが、例えば、4フッ化エチレ
ン・6フッ化プロピレン共重合体(FEP樹脂)、4フ
ッ化エチレン・パーフロロアルコキシ共重合体(PFA
樹脂)、エチレン・テトラフロロエチレン共重合体(E
TFE樹脂)、これらを含む組成物などを例示すること
ができる]を使用することが必要である。
【0010】しかし、本発明においては前記ポリマーを
使用して前記飲料などが接触する面を形成するだけでは
未だ不十分であり、飲料などが接触する表面への前記微
生物や無機物の付着を充分に防止ないし抑制することは
できない。本発明においては飲料原料および飲料が接触
する全ての面が、前記微生物が付着し難いポリマーで形
成するとともに、飲料などが接触する表面の平滑度が微
生物が停滞する原因となるような凹凸のない平滑度と
し、また飲料などが接触する表面に微生物が停滞して繁
殖する原因となる大きさの凹部がないようにすることが
肝要である。このようにすることにより、はじめて前記
微生物や無機物の付着を防止ないし抑制できる。このよ
うにすればもし前記微生物や無機物が一時的に付着、停
滞したとしても飲料供給装置の使用時における飲料など
の流れによって押し流されてしまうので問題がなくな
る。
使用して前記飲料などが接触する面を形成するだけでは
未だ不十分であり、飲料などが接触する表面への前記微
生物や無機物の付着を充分に防止ないし抑制することは
できない。本発明においては飲料原料および飲料が接触
する全ての面が、前記微生物が付着し難いポリマーで形
成するとともに、飲料などが接触する表面の平滑度が微
生物が停滞する原因となるような凹凸のない平滑度と
し、また飲料などが接触する表面に微生物が停滞して繁
殖する原因となる大きさの凹部がないようにすることが
肝要である。このようにすることにより、はじめて前記
微生物や無機物の付着を防止ないし抑制できる。このよ
うにすればもし前記微生物や無機物が一時的に付着、停
滞したとしても飲料供給装置の使用時における飲料など
の流れによって押し流されてしまうので問題がなくな
る。
【0011】しかし、実際には、飲料通路の内に存在す
る、例えば、可動部などが飲料などに接触する可能性の
あるレギュレーターや電磁弁などについては飲料などの
接触面を前記ポリマーで形成することは例えできても、
その接触面の平滑度などを所定の平滑度にできない可能
性がある場合などがある。このような場合はその表面を
なるべく平滑にするとともに前記凹部がないようにすれ
ば前記微生物や無機物の付着を抑制できる。このように
することによって、飲料などが接触する面に前記微生物
が停滞、付着、繁殖するのを抑制できる。また、本発明
においては、後述するシロップタンクなどは通常ステン
レス製であり、外気と接触して微生物が入り込みにくい
ので、シロップの接触面を前記ポリマーで形成しその表
面を平滑にするとともに前記凹部がないようにすること
が好ましいが、省略することもできる。省略した場合で
あってもステンレスの表面をなるべく平滑にしたり、前
記凹部がないようにすることが好ましい。
る、例えば、可動部などが飲料などに接触する可能性の
あるレギュレーターや電磁弁などについては飲料などの
接触面を前記ポリマーで形成することは例えできても、
その接触面の平滑度などを所定の平滑度にできない可能
性がある場合などがある。このような場合はその表面を
なるべく平滑にするとともに前記凹部がないようにすれ
ば前記微生物や無機物の付着を抑制できる。このように
することによって、飲料などが接触する面に前記微生物
が停滞、付着、繁殖するのを抑制できる。また、本発明
においては、後述するシロップタンクなどは通常ステン
レス製であり、外気と接触して微生物が入り込みにくい
ので、シロップの接触面を前記ポリマーで形成しその表
面を平滑にするとともに前記凹部がないようにすること
が好ましいが、省略することもできる。省略した場合で
あってもステンレスの表面をなるべく平滑にしたり、前
記凹部がないようにすることが好ましい。
【0012】本発明でいう飲料原料から調製された飲料
の中には、いわゆる水、希釈水、炭酸水などが含まれ
る。水道水などは塩素などによりあらかじめ殺菌処理さ
れているが、水道水などに含有されるゴミなどを分離す
るために飲料供給装置に備えられているフィルター内に
微生物が繁殖することがあり、これが系内に流入して商
品に対して悪影響を及ぼす場合がある。そこでこれを防
止、抑制するためフィルターやシスターンなどに市販の
塩素発生器を設置するなどして発生させた塩素により微
生物を死滅させることが行われている。しかし、実際に
死滅するのは一般細菌のみで、野生酵母やかび類などは
完全に死滅するわけではない。したがって、水、希釈
水、炭酸水などと接触する全ての面を上記のように前記
微生物が付着し難いポリマーで形成するとともに、表面
の平滑度が微生物が停滞する原因となるような凹凸のな
い平滑度とし、また表面に微生物が停滞して繁殖する原
因となる大きさの凹部がないようにすることが好まし
い。しかし、経済的な理由などによって、その接触面の
一部がステンレスなどの金属であったり、上記のポリマ
ーとは異なるポリマーなどであったりしてもよい。そし
てこのような場合であっても、その接触面は平滑にする
とともに前記凹部がないようにすることが好ましい。
の中には、いわゆる水、希釈水、炭酸水などが含まれ
る。水道水などは塩素などによりあらかじめ殺菌処理さ
れているが、水道水などに含有されるゴミなどを分離す
るために飲料供給装置に備えられているフィルター内に
微生物が繁殖することがあり、これが系内に流入して商
品に対して悪影響を及ぼす場合がある。そこでこれを防
止、抑制するためフィルターやシスターンなどに市販の
塩素発生器を設置するなどして発生させた塩素により微
生物を死滅させることが行われている。しかし、実際に
死滅するのは一般細菌のみで、野生酵母やかび類などは
完全に死滅するわけではない。したがって、水、希釈
水、炭酸水などと接触する全ての面を上記のように前記
微生物が付着し難いポリマーで形成するとともに、表面
の平滑度が微生物が停滞する原因となるような凹凸のな
い平滑度とし、また表面に微生物が停滞して繁殖する原
因となる大きさの凹部がないようにすることが好まし
い。しかし、経済的な理由などによって、その接触面の
一部がステンレスなどの金属であったり、上記のポリマ
ーとは異なるポリマーなどであったりしてもよい。そし
てこのような場合であっても、その接触面は平滑にする
とともに前記凹部がないようにすることが好ましい。
【0013】本発明の請求項2の発明は、請求項1記載
の飲料供給装置において、前記ポリマーが臨界表面張力
30dyn/cm以下のフッ素系樹脂であることを特徴
とする。飲料などが接触する表面へ飲料成分、微生物、
無機物などが付着する形態としては、表面の凹凸の中に
単純に絡まっている場合、分子間の引力によるものでフ
ァンデル・ワールス力と呼ばれるもので結合している場
合、静電気的な性質によって付着している場合、表面分
子と弱い化学結合によって結合している場合、表面内部
に浸透、拡散している場合などが考えられる。したがっ
て付着を効果的に防止するためには、表面自由エネルギ
ーを低下させて揆水性、防汚効果を上げて飲料成分、前
記微生物、無機物が付着しにくくするとともに、電気的
に中性化し、表面の凹凸をなくし、停滞する凹部をなく
すことが必要となる。
の飲料供給装置において、前記ポリマーが臨界表面張力
30dyn/cm以下のフッ素系樹脂であることを特徴
とする。飲料などが接触する表面へ飲料成分、微生物、
無機物などが付着する形態としては、表面の凹凸の中に
単純に絡まっている場合、分子間の引力によるものでフ
ァンデル・ワールス力と呼ばれるもので結合している場
合、静電気的な性質によって付着している場合、表面分
子と弱い化学結合によって結合している場合、表面内部
に浸透、拡散している場合などが考えられる。したがっ
て付着を効果的に防止するためには、表面自由エネルギ
ーを低下させて揆水性、防汚効果を上げて飲料成分、前
記微生物、無機物が付着しにくくするとともに、電気的
に中性化し、表面の凹凸をなくし、停滞する凹部をなく
すことが必要となる。
【0014】飲料供給装置の飲料などと接触する面に現
在使用されている、ナイロンは臨界表面張力が42〜4
6dyn/cm、ポリエチレン(低密度ポリエチレン樹
脂、LDPE)の臨界表面張力は31dyn/cmであ
るが、飲料成分、前記微生物、無機物の付着がおこり満
足なものではない。それに対して、臨界表面張力30d
yn/cm以下のフッ素系樹脂を使用すると撥水性、撥
油性の両方を呈し、飲料成分、前記微生物、無機物が付
着しにくくなる。臨界表面張力30dyn/cm以下の
表面自由エネルギーの低いフッ素系樹脂の静的接触角
[水に対する静的接触角:接触角計CA−A(協和界面
科学)を使用し、液滴法で測定した。測定は5回行い、
その平均値を測定値とした。]は例えばFEP樹脂が1
05°、PFA樹脂が115°、ETFE樹脂が96°
と大きく、例え飲料成分、前記微生物、無機物などが表
面に付着しても前記飲料の流れにより押し流される可能
性が高い。また上記のようなフッ素系樹脂は、現在使用
されている、ナイロンやポリエチレン(低密度ポリエチ
レン樹脂、LDPE)と比較して耐薬品性、耐候性、ガ
ス透過性などの物性において優れているので好ましく使
用できる。
在使用されている、ナイロンは臨界表面張力が42〜4
6dyn/cm、ポリエチレン(低密度ポリエチレン樹
脂、LDPE)の臨界表面張力は31dyn/cmであ
るが、飲料成分、前記微生物、無機物の付着がおこり満
足なものではない。それに対して、臨界表面張力30d
yn/cm以下のフッ素系樹脂を使用すると撥水性、撥
油性の両方を呈し、飲料成分、前記微生物、無機物が付
着しにくくなる。臨界表面張力30dyn/cm以下の
表面自由エネルギーの低いフッ素系樹脂の静的接触角
[水に対する静的接触角:接触角計CA−A(協和界面
科学)を使用し、液滴法で測定した。測定は5回行い、
その平均値を測定値とした。]は例えばFEP樹脂が1
05°、PFA樹脂が115°、ETFE樹脂が96°
と大きく、例え飲料成分、前記微生物、無機物などが表
面に付着しても前記飲料の流れにより押し流される可能
性が高い。また上記のようなフッ素系樹脂は、現在使用
されている、ナイロンやポリエチレン(低密度ポリエチ
レン樹脂、LDPE)と比較して耐薬品性、耐候性、ガ
ス透過性などの物性において優れているので好ましく使
用できる。
【0015】本発明の請求項3の発明は、請求項1また
は請求項2記載の飲料供給装置において、前記平滑度が
Ra≦0.8μmであることを特徴とする。飲料などが
接触する表面は前記微生物が停滞する原因となる凹凸の
ない平滑度を有する必要があるが、具体的には平滑度が
Ra≦0.8μmであることが好ましい。各種の平滑度
を有する表面に5×104 の微生物(バチルス属)を付
着させた後、70℃の洗浄水で流速20cc/sec.
で5分間洗浄した後、表面に残留する微生物の数を数え
る実験を行った結果、平滑度Raが0.8μmを越える
と残留数が多くなるが、平滑度Raが0.8μm以下で
あると表面に残留する微生物の数が非常に少なくなっ
た。一般に市場で使用されている液体自動販売機などの
飲料供給装置において、使用時における飲料などの流速
は、例えば、ポストミックス商品の場合は、約30〜4
0cc/sec.程度であり、プリミックス商品の場合
は、約50〜70cc/sec.程度であるので、表面
の平滑度Raを0.8μm以下とすれば例え表面に微生
物が付着しても飲料などの流よって押し流されてしま
い、実質的に表面に停滞しなくなる。
は請求項2記載の飲料供給装置において、前記平滑度が
Ra≦0.8μmであることを特徴とする。飲料などが
接触する表面は前記微生物が停滞する原因となる凹凸の
ない平滑度を有する必要があるが、具体的には平滑度が
Ra≦0.8μmであることが好ましい。各種の平滑度
を有する表面に5×104 の微生物(バチルス属)を付
着させた後、70℃の洗浄水で流速20cc/sec.
で5分間洗浄した後、表面に残留する微生物の数を数え
る実験を行った結果、平滑度Raが0.8μmを越える
と残留数が多くなるが、平滑度Raが0.8μm以下で
あると表面に残留する微生物の数が非常に少なくなっ
た。一般に市場で使用されている液体自動販売機などの
飲料供給装置において、使用時における飲料などの流速
は、例えば、ポストミックス商品の場合は、約30〜4
0cc/sec.程度であり、プリミックス商品の場合
は、約50〜70cc/sec.程度であるので、表面
の平滑度Raを0.8μm以下とすれば例え表面に微生
物が付着しても飲料などの流よって押し流されてしま
い、実質的に表面に停滞しなくなる。
【0016】本発明の請求項4の発明は、請求項1から
請求項3のいずれかに記載の飲料供給装置において、前
記凹部が1μm以上の大きさの凹部であることを特徴と
する。飲料供給装置の飲料などと接触する面に付着した
前記微生物や無機物の大きさを測定すると、酵母は約4
〜8μm、一般細菌は1μm前後、黴菌糸の幅、胞子の
径が10μm程度で問題となる微生物の外径はほとんど
が約1μm以上であり、無機物の外径は約10μm以上
である。そこで前記微生物が停滞して繁殖する原因とな
る大きさの凹部を1μm以上の大きさの凹部と規定し
た。このような1μm以上の大きさの凹部が表面に形成
されているとその中に無機物も入り込み易く、また各種
の微生物が停滞して繁殖することになる。1μm未満の
大きさの凹部であれば無機物が入り込まず、各種の微生
物が停滞して繁殖しない。なお、凹部の大きさ1μm
は、この凹部の入口部の内径の平均値を示す。1μm未
満の大きさの凹部の深さは1μm未満でも1μm以上で
あってもよく特に限定されないが、やはり1μm未満で
浅い方が好ましい。
請求項3のいずれかに記載の飲料供給装置において、前
記凹部が1μm以上の大きさの凹部であることを特徴と
する。飲料供給装置の飲料などと接触する面に付着した
前記微生物や無機物の大きさを測定すると、酵母は約4
〜8μm、一般細菌は1μm前後、黴菌糸の幅、胞子の
径が10μm程度で問題となる微生物の外径はほとんど
が約1μm以上であり、無機物の外径は約10μm以上
である。そこで前記微生物が停滞して繁殖する原因とな
る大きさの凹部を1μm以上の大きさの凹部と規定し
た。このような1μm以上の大きさの凹部が表面に形成
されているとその中に無機物も入り込み易く、また各種
の微生物が停滞して繁殖することになる。1μm未満の
大きさの凹部であれば無機物が入り込まず、各種の微生
物が停滞して繁殖しない。なお、凹部の大きさ1μm
は、この凹部の入口部の内径の平均値を示す。1μm未
満の大きさの凹部の深さは1μm未満でも1μm以上で
あってもよく特に限定されないが、やはり1μm未満で
浅い方が好ましい。
【0017】プリミックス商品特にビールはpHが4程
度でアルコール分があるため一般細菌は繁殖しにくく、
ポストミックス商品に用いられる、例えば濃縮シロップ
は高pH高ブリックスのため一般的には微生物が繁殖し
にくいが、前述のように、ノズル部分には黴類などの微
生物が繁殖する恐れがある。また、シロップ[シロップ
A(ブリックス50〜55、pH3程度)、シロップB
(ブリックス50〜55、pH3.2程度、乳分が含ま
れている)など]の場合は微生物が繁殖する恐れがあ
る。シロップの中には燐分が含まれているものもあり、
その場合は黴類が繁殖し易い。このようにプリミックス
商品の場合もポストミックス商品の場合もいずれにして
も微生物が繁殖する恐れがあるので、これらが接触する
面には1μm以上の大きさの凹部が表面に形成されない
ようにすることが必要である。
度でアルコール分があるため一般細菌は繁殖しにくく、
ポストミックス商品に用いられる、例えば濃縮シロップ
は高pH高ブリックスのため一般的には微生物が繁殖し
にくいが、前述のように、ノズル部分には黴類などの微
生物が繁殖する恐れがある。また、シロップ[シロップ
A(ブリックス50〜55、pH3程度)、シロップB
(ブリックス50〜55、pH3.2程度、乳分が含ま
れている)など]の場合は微生物が繁殖する恐れがあ
る。シロップの中には燐分が含まれているものもあり、
その場合は黴類が繁殖し易い。このようにプリミックス
商品の場合もポストミックス商品の場合もいずれにして
も微生物が繁殖する恐れがあるので、これらが接触する
面には1μm以上の大きさの凹部が表面に形成されない
ようにすることが必要である。
【0018】本発明の請求項5の発明は、請求項1から
請求項4のいずれかに記載の飲料供給装置において、前
記フッ素系樹脂が溶融粘度106 (Pa・s)以下のフ
ッ素系樹脂であることを特徴とする。飲料供給装置の飲
料などと接触する面に使用される、ポリテトラフロロエ
チレン樹脂(PTFE樹脂)は臨界表面張力が18dy
n/cmと低く、表面自由エネルギーの低い優れた樹脂
であるが、融点(327℃)以上の温度においても溶融
粘度が高く[例えば、380℃で溶融粘度が1011(P
a・s)]、溶融しにくい樹脂である。そして、成形さ
れた表面には結晶性に起因する微細な凹凸が生成した
り、ミクロボイド、ピンホール、亀裂などが発生するの
で表面の平滑度に劣るとともに表面に前記微生物が停滞
する大きさの凹部ができ易く、こような表面の凹凸に前
記微生物が停滞したり、大きな凹部内に飲料成分、前記
微生物、無機物が入り込むので満足なものではない。
請求項4のいずれかに記載の飲料供給装置において、前
記フッ素系樹脂が溶融粘度106 (Pa・s)以下のフ
ッ素系樹脂であることを特徴とする。飲料供給装置の飲
料などと接触する面に使用される、ポリテトラフロロエ
チレン樹脂(PTFE樹脂)は臨界表面張力が18dy
n/cmと低く、表面自由エネルギーの低い優れた樹脂
であるが、融点(327℃)以上の温度においても溶融
粘度が高く[例えば、380℃で溶融粘度が1011(P
a・s)]、溶融しにくい樹脂である。そして、成形さ
れた表面には結晶性に起因する微細な凹凸が生成した
り、ミクロボイド、ピンホール、亀裂などが発生するの
で表面の平滑度に劣るとともに表面に前記微生物が停滞
する大きさの凹部ができ易く、こような表面の凹凸に前
記微生物が停滞したり、大きな凹部内に飲料成分、前記
微生物、無機物が入り込むので満足なものではない。
【0019】それに対して、FEP樹脂(融点270
℃)は溶融粘度が104 〜105 (Pa・s)、PFA
樹脂(融点302〜310℃)は溶融粘度が103 〜1
04 (Pa・s)、ETFE樹脂(融点270℃)は溶
融粘度が103 〜104 (Pa・s)と低く、製膜性が
よいなど溶融成形性に優れており、結晶性が低く、上記
のPTFE樹脂のように表面に微細な凹凸が生成した
り、ミクロボイド、ピンホール、亀裂、前記微生物が停
滞する大きさの凹部などが発生することがない。溶融粘
度106 (Pa・s)以下のフッ素系樹脂を用いると、
表面の平滑度に優れ、かつ表面に前記微生物が停滞する
大きさの凹部がないものを得ることができる。
℃)は溶融粘度が104 〜105 (Pa・s)、PFA
樹脂(融点302〜310℃)は溶融粘度が103 〜1
04 (Pa・s)、ETFE樹脂(融点270℃)は溶
融粘度が103 〜104 (Pa・s)と低く、製膜性が
よいなど溶融成形性に優れており、結晶性が低く、上記
のPTFE樹脂のように表面に微細な凹凸が生成した
り、ミクロボイド、ピンホール、亀裂、前記微生物が停
滞する大きさの凹部などが発生することがない。溶融粘
度106 (Pa・s)以下のフッ素系樹脂を用いると、
表面の平滑度に優れ、かつ表面に前記微生物が停滞する
大きさの凹部がないものを得ることができる。
【0020】本発明の請求項6の発明は、請求項1から
請求項5のいずれかに記載の飲料供給装置において、前
記微生物が、環境変化によって極性が変化する微生物で
あることを特徴とする。一般的には、親水性を有する微
生物が多く存在するが、中には疎水性を有する微生物や
前述のように環境条件によって親水性と疎水性を変化さ
せる微生物がある。例えば野生酵母の場合、細胞内に存
在するリポゾームにおいて、タンパク質や糖タンパク
(野生酵母の場合、マンノースのポリマーがタンパク質
に結合した物質)が形成され、これらの親水性タンパク
は細胞膜である処理により体外に排出され、疎水性であ
る細胞膜を覆い菌体を保護している。このようにして野
生酵母はタンパク質などの親水性ポリマーによって覆わ
れ、水分活性の高い環境で生息している。しかし、Ba
cillus属微生物(B.cereus、B.lic
hniformis、B.polymyxa、B.su
btilis、B.stearothermophil
uなど)などは、例えば、pH、温度などの条件が変化
したり、無機物と反応して細胞異常を生じる条件になっ
たりなど、環境が変化すると、親水性、疎水性と自由に
変質する。例えば、B.cereusはpH=7(中性
域)では疎水性細胞膜が親水性タンパク質で覆われてお
り親水性を示す。しかし、pH=約4〜5ではタンパク
質が欠損して疎水性細胞膜が一部現れ疎水性を示す。p
H=4以下では死滅する。したがって、ビール(pH=
4.3程度)ではB.cereusは疎水性を示す。ビ
ールの接触する表面がポリテトラフロロエチレン樹脂
(PTFE樹脂)であるとPTFE樹脂は臨界表面張力
が18dyn/cmと低いが前述のように微生物が停滞
する大きさの凹部があり、この凹部に疎水性B.cer
eusが入り停滞し繁殖することになる。このような凹
部に入った疎水性B.cereusは飲料供給装置の使
用時のビールの流れによって流されることがない。それ
に対して、FEP樹脂、PFA樹脂、ETFE樹脂など
のフッ素系樹脂は臨界表面張力が15dyn/cmと低
い上、表面が平滑で、微生物が停滞して繁殖するような
大きさの凹部がないので、疎水性B.cereusであ
っても停滞して繁殖することがなく、また例え表面に付
着しても飲料供給装置の使用時のビールの流れによって
流される。本発明においては、このように環境変化によ
って極性が変化する微生物であっても付着し難いポリマ
ーを使用する必要がある。そして、その表面は前記微生
物が停滞する原因となる凹凸のない平滑度を有し、かつ
前記表面に前記微生物が停滞して繁殖する原因となる大
きさの凹部がないようにすることが肝要である。このよ
うにすれば例え表面に微生物が付着しても飲料などの流
よって押し流されてしまい、実質的に表面に停滞したり
繁殖しなくなる。
請求項5のいずれかに記載の飲料供給装置において、前
記微生物が、環境変化によって極性が変化する微生物で
あることを特徴とする。一般的には、親水性を有する微
生物が多く存在するが、中には疎水性を有する微生物や
前述のように環境条件によって親水性と疎水性を変化さ
せる微生物がある。例えば野生酵母の場合、細胞内に存
在するリポゾームにおいて、タンパク質や糖タンパク
(野生酵母の場合、マンノースのポリマーがタンパク質
に結合した物質)が形成され、これらの親水性タンパク
は細胞膜である処理により体外に排出され、疎水性であ
る細胞膜を覆い菌体を保護している。このようにして野
生酵母はタンパク質などの親水性ポリマーによって覆わ
れ、水分活性の高い環境で生息している。しかし、Ba
cillus属微生物(B.cereus、B.lic
hniformis、B.polymyxa、B.su
btilis、B.stearothermophil
uなど)などは、例えば、pH、温度などの条件が変化
したり、無機物と反応して細胞異常を生じる条件になっ
たりなど、環境が変化すると、親水性、疎水性と自由に
変質する。例えば、B.cereusはpH=7(中性
域)では疎水性細胞膜が親水性タンパク質で覆われてお
り親水性を示す。しかし、pH=約4〜5ではタンパク
質が欠損して疎水性細胞膜が一部現れ疎水性を示す。p
H=4以下では死滅する。したがって、ビール(pH=
4.3程度)ではB.cereusは疎水性を示す。ビ
ールの接触する表面がポリテトラフロロエチレン樹脂
(PTFE樹脂)であるとPTFE樹脂は臨界表面張力
が18dyn/cmと低いが前述のように微生物が停滞
する大きさの凹部があり、この凹部に疎水性B.cer
eusが入り停滞し繁殖することになる。このような凹
部に入った疎水性B.cereusは飲料供給装置の使
用時のビールの流れによって流されることがない。それ
に対して、FEP樹脂、PFA樹脂、ETFE樹脂など
のフッ素系樹脂は臨界表面張力が15dyn/cmと低
い上、表面が平滑で、微生物が停滞して繁殖するような
大きさの凹部がないので、疎水性B.cereusであ
っても停滞して繁殖することがなく、また例え表面に付
着しても飲料供給装置の使用時のビールの流れによって
流される。本発明においては、このように環境変化によ
って極性が変化する微生物であっても付着し難いポリマ
ーを使用する必要がある。そして、その表面は前記微生
物が停滞する原因となる凹凸のない平滑度を有し、かつ
前記表面に前記微生物が停滞して繁殖する原因となる大
きさの凹部がないようにすることが肝要である。このよ
うにすれば例え表面に微生物が付着しても飲料などの流
よって押し流されてしまい、実質的に表面に停滞したり
繁殖しなくなる。
【0021】本発明の請求項7の発明は、請求項1から
請求項6のいずれかに記載の飲料供給装置において、前
記飲料通路の一部が金属管で形成され、該金属管の内面
に前記ポリマーから形成されたパイプを積層したことを
特徴とする。前記ポリマーを用いて中空のパイプを溶融
成形などにより成形し、SUS304ステンレスパイプ
などの金属管で形成された飲料通路の内面にこのパイプ
を挿入して加熱してパイプ内面に圧着するなどして積層
すれば容易に、その表面に前記微生物が停滞する原因と
なる凹凸のない平滑度を有し、かつその表面に前記微生
物が停滞して繁殖する原因となる大きさの凹部がない飲
料通路を形成することができる。
請求項6のいずれかに記載の飲料供給装置において、前
記飲料通路の一部が金属管で形成され、該金属管の内面
に前記ポリマーから形成されたパイプを積層したことを
特徴とする。前記ポリマーを用いて中空のパイプを溶融
成形などにより成形し、SUS304ステンレスパイプ
などの金属管で形成された飲料通路の内面にこのパイプ
を挿入して加熱してパイプ内面に圧着するなどして積層
すれば容易に、その表面に前記微生物が停滞する原因と
なる凹凸のない平滑度を有し、かつその表面に前記微生
物が停滞して繁殖する原因となる大きさの凹部がない飲
料通路を形成することができる。
【0022】本発明の請求項8の発明は、請求項1から
請求項7のいずれかに記載の飲料供給装置において、前
記飲料通路の一部がこの飲料通路を通過する飲料を冷却
する冷却通路であることを特徴とする。飲料を冷却する
冷却通路は熱交換部分(ステンレスコイルなど)であ
り、このような熱交換部分の内面には飲料が通過する際
の急激な温度変化により溶解度が変化して飲料に含まれ
るカルシウムやマグネシウムなどの化合物からなる無機
物が析出し、この無機質が温床となって野生酵母などの
雑菌が内壁に付着して増殖し易いので、内面は前記ポリ
マーで形成し、その表面は前記平滑度を有し、かつ前記
大きさの凹部がないようにすることが特に必要である。
請求項7のいずれかに記載の飲料供給装置において、前
記飲料通路の一部がこの飲料通路を通過する飲料を冷却
する冷却通路であることを特徴とする。飲料を冷却する
冷却通路は熱交換部分(ステンレスコイルなど)であ
り、このような熱交換部分の内面には飲料が通過する際
の急激な温度変化により溶解度が変化して飲料に含まれ
るカルシウムやマグネシウムなどの化合物からなる無機
物が析出し、この無機質が温床となって野生酵母などの
雑菌が内壁に付着して増殖し易いので、内面は前記ポリ
マーで形成し、その表面は前記平滑度を有し、かつ前記
大きさの凹部がないようにすることが特に必要である。
【0023】本発明の請求項9の発明は、請求項8に記
載の飲料供給装置において、前記冷却通路が熱伝導性の
高い樹脂パイプで形成されていることを特徴とする。前
記熱交換部分が熱伝導性の高い樹脂パイプであっても、
熱交換部分の内面には同様に無機物が析出し、雑菌が内
壁に付着して増殖し易いので、内面は前記ポリマーで形
成し、その表面は前記平滑度を有し、かつ前記大きさの
凹部がないようにすることが特に必要である。
載の飲料供給装置において、前記冷却通路が熱伝導性の
高い樹脂パイプで形成されていることを特徴とする。前
記熱交換部分が熱伝導性の高い樹脂パイプであっても、
熱交換部分の内面には同様に無機物が析出し、雑菌が内
壁に付着して増殖し易いので、内面は前記ポリマーで形
成し、その表面は前記平滑度を有し、かつ前記大きさの
凹部がないようにすることが特に必要である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に
係る飲料供給装置を示す。この飲料供給装置は、飲料と
してビールを貯留した飲料タンクとしてのビール樽1
と、ビール樽1の頭部に着脱自在に装着され、ビール樽
1内に後述する炭酸ガスを導入させ、且つ、ビール樽1
内の圧力が炭酸ガスによって上昇したときビール樽1内
のビールを吐出するディスペンスヘッド2と、炭酸ガス
を高圧(例えば、40気圧以上)で供給する圧力容器と
しての炭酸ガスボンベ3と、炭酸ガスボンベ3から供給
される炭酸ガスを、ビール樽1内のビールを圧送するの
に適した気圧(例えば、2〜3気圧)に減圧する減圧弁
4と、減圧弁4で減圧された炭酸ガスをディスペンスヘ
ッド2に導くガスホース5と、ディスペンスヘッド2か
ら吐出されたビールが圧送されるビールホース6と、ビ
ールホース6を介してビール樽1から圧送されたきたビ
ールを所定の温度(例えば、5℃前後)に冷却し、これ
を必要に応じてジョッキ等に注出するビールディスペン
サ7を備えて構成されている。
の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に
係る飲料供給装置を示す。この飲料供給装置は、飲料と
してビールを貯留した飲料タンクとしてのビール樽1
と、ビール樽1の頭部に着脱自在に装着され、ビール樽
1内に後述する炭酸ガスを導入させ、且つ、ビール樽1
内の圧力が炭酸ガスによって上昇したときビール樽1内
のビールを吐出するディスペンスヘッド2と、炭酸ガス
を高圧(例えば、40気圧以上)で供給する圧力容器と
しての炭酸ガスボンベ3と、炭酸ガスボンベ3から供給
される炭酸ガスを、ビール樽1内のビールを圧送するの
に適した気圧(例えば、2〜3気圧)に減圧する減圧弁
4と、減圧弁4で減圧された炭酸ガスをディスペンスヘ
ッド2に導くガスホース5と、ディスペンスヘッド2か
ら吐出されたビールが圧送されるビールホース6と、ビ
ールホース6を介してビール樽1から圧送されたきたビ
ールを所定の温度(例えば、5℃前後)に冷却し、これ
を必要に応じてジョッキ等に注出するビールディスペン
サ7を備えて構成されている。
【0025】ビールディスペンサ7は、ビールを注出す
る注出コック8と、ビールホース6が接続された接続口
金9と、冷却ユニット10によって冷却された冷却水1
1を収容した冷却水槽12と、冷却水槽12内に配置さ
れていると共に、一端が注出コック8に、他端が接続口
金9にそれぞれ接続されることにより冷却水槽12内に
ビールを通過させる冷却コイル13と、注出時にジョッ
キ等から溢れたビール等を受ける排水皿14を有して構
成されている。
る注出コック8と、ビールホース6が接続された接続口
金9と、冷却ユニット10によって冷却された冷却水1
1を収容した冷却水槽12と、冷却水槽12内に配置さ
れていると共に、一端が注出コック8に、他端が接続口
金9にそれぞれ接続されることにより冷却水槽12内に
ビールを通過させる冷却コイル13と、注出時にジョッ
キ等から溢れたビール等を受ける排水皿14を有して構
成されている。
【0026】冷却ユニット10は、冷媒を圧縮する圧縮
機15と、圧縮機15によって圧縮された冷媒を凝縮す
る凝縮器16と、凝縮器16によって凝縮された冷媒を
蒸発させ、この蒸発の際に周囲を冷却する蒸発管17
と、凝縮器16の凝縮作用を促進させる送風ファン18
と、冷却水槽12内の冷却水11を攪拌して冷却水11
の温度を均一にする攪拌プロペラ19と、送風ファン1
8及び攪拌プロペラ19を共通に駆動する駆動モーター
20より構成されている。
機15と、圧縮機15によって圧縮された冷媒を凝縮す
る凝縮器16と、凝縮器16によって凝縮された冷媒を
蒸発させ、この蒸発の際に周囲を冷却する蒸発管17
と、凝縮器16の凝縮作用を促進させる送風ファン18
と、冷却水槽12内の冷却水11を攪拌して冷却水11
の温度を均一にする攪拌プロペラ19と、送風ファン1
8及び攪拌プロペラ19を共通に駆動する駆動モーター
20より構成されている。
【0027】以上の構成において、減圧弁4、ガスホー
ス5、及びディスペンスヘッド2を介して炭酸ガスボン
ベ3からビール樽1内に所定の気圧の炭酸ガスが供給さ
れると、ビール樽1内の圧力が上昇し、ビール樽1内に
貯留されたビールがディスペンスヘッド2を介してビー
ルホース6側に押し出され、ビールホース6を経てビー
ルディスペンサ7へ圧送される。ビールディスペンサ7
に圧送されたビールは、接続口金9から冷却コイル13
に供給され、冷却コイル13を通過する間に所定の温度
(5℃前後)まで瞬間冷却され、注出コック8の開動作
に伴って注出される。
ス5、及びディスペンスヘッド2を介して炭酸ガスボン
ベ3からビール樽1内に所定の気圧の炭酸ガスが供給さ
れると、ビール樽1内の圧力が上昇し、ビール樽1内に
貯留されたビールがディスペンスヘッド2を介してビー
ルホース6側に押し出され、ビールホース6を経てビー
ルディスペンサ7へ圧送される。ビールディスペンサ7
に圧送されたビールは、接続口金9から冷却コイル13
に供給され、冷却コイル13を通過する間に所定の温度
(5℃前後)まで瞬間冷却され、注出コック8の開動作
に伴って注出される。
【0028】以上の構成の本発明の飲料供給装置におい
て、ビール樽1内のビールは充分な衛生管理の下で工場
生産されるので、充填されて工場から出荷供給されるビ
ール自体が雑菌で汚染されていることは殆どないが、注
出コック8は常時大気中に放置されているため空中浮遊
菌に接触する機会が多く酢酸菌、乳酸菌などの一般細菌
や飲料内の雑菌が増殖し易く、ディスペンスヘッド2は
ビール樽1の交換の際に取り外すため空気中の野生酵母
などの雑菌が混入し易く、ビールを冷却するための冷却
コイル13(熱交換部分)にはビールが通過する際の急
激な温度変化により溶解度が変化してビールに含まれる
無機物が特に接続口金9の近傍の入口部に析出し、この
無機質が温床となって野生酵母などの雑菌が冷却コイル
13内壁に付着して増殖し易く、これらの微生物の物質
代謝の生成物などが原因となってビールに異臭が発生し
たり、風味や色が落ちて不味くなり商品価値が損なわれ
る。
て、ビール樽1内のビールは充分な衛生管理の下で工場
生産されるので、充填されて工場から出荷供給されるビ
ール自体が雑菌で汚染されていることは殆どないが、注
出コック8は常時大気中に放置されているため空中浮遊
菌に接触する機会が多く酢酸菌、乳酸菌などの一般細菌
や飲料内の雑菌が増殖し易く、ディスペンスヘッド2は
ビール樽1の交換の際に取り外すため空気中の野生酵母
などの雑菌が混入し易く、ビールを冷却するための冷却
コイル13(熱交換部分)にはビールが通過する際の急
激な温度変化により溶解度が変化してビールに含まれる
無機物が特に接続口金9の近傍の入口部に析出し、この
無機質が温床となって野生酵母などの雑菌が冷却コイル
13内壁に付着して増殖し易く、これらの微生物の物質
代謝の生成物などが原因となってビールに異臭が発生し
たり、風味や色が落ちて不味くなり商品価値が損なわれ
る。
【0029】そのため本発明の飲料供給装置において
は、ビール樽1、ディスペンスヘッド2、ビールホース
6、接続口金9、冷却コイル13、注出コック8および
これらを接続する通路、弁などビールが接触する全ての
面、あるいはほとんど全ての面が、FEP樹脂、PFA
樹脂、ETFE樹脂などの微生物が付着し難いポリマー
が積層されて形成されている。
は、ビール樽1、ディスペンスヘッド2、ビールホース
6、接続口金9、冷却コイル13、注出コック8および
これらを接続する通路、弁などビールが接触する全ての
面、あるいはほとんど全ての面が、FEP樹脂、PFA
樹脂、ETFE樹脂などの微生物が付着し難いポリマー
が積層されて形成されている。
【0030】図2は、積層されたポリマー(FEP樹
脂)の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)や原子間力顕
微鏡(AFM)で観察した結果に基づいてポリマー(F
EP樹脂)の表面を模式的に示した説明図である。図2
のAに一部の表面を拡大して示したように、冷却コイル
13などの内壁面21に積層されたポリマー22の表面
23は平滑であり、前記微生物が停滞する原因となる凹
凸のない平滑度を有し、かつポリマー22の表面23に
前記微生物が停滞して繁殖する原因となる大きさの凹部
がない。黒矢印はビールの流れ方向を示す。このように
することにより、例え表面23に前記微生物が付着した
としても本発明の飲料供給装置を使用した時のビールの
流れによって流されてしまい無機物が付着したり微生物
が停滞したり繁殖したりすることがなくなる。
脂)の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)や原子間力顕
微鏡(AFM)で観察した結果に基づいてポリマー(F
EP樹脂)の表面を模式的に示した説明図である。図2
のAに一部の表面を拡大して示したように、冷却コイル
13などの内壁面21に積層されたポリマー22の表面
23は平滑であり、前記微生物が停滞する原因となる凹
凸のない平滑度を有し、かつポリマー22の表面23に
前記微生物が停滞して繁殖する原因となる大きさの凹部
がない。黒矢印はビールの流れ方向を示す。このように
することにより、例え表面23に前記微生物が付着した
としても本発明の飲料供給装置を使用した時のビールの
流れによって流されてしまい無機物が付着したり微生物
が停滞したり繁殖したりすることがなくなる。
【0031】図3は、比較のために、冷却コイル13な
どの内壁面21にPTFE樹脂24を積層した場合、そ
の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)や原子間力顕微鏡
(AFM)で観察した結果に基づいてPTFE樹脂24
の表面を模式的に示した説明図である。図3のBに一部
の表面を拡大して示したように、PTFE樹脂24の表
面は平滑でなく、前記微生物が停滞する原因となる凹凸
25、25が存在する。しかもPTFE樹脂24の表面
には前記微生物が停滞して繁殖する原因となる大きさの
凹部26、26が存在する。このようなPTFE樹脂2
4の表面には無機物が付着したり前記微生物が停滞して
繁殖するので、メンテナンスの手間を省くと、ビールに
異臭が発生したり、風味や色が落ちるなどの問題が発生
する。
どの内壁面21にPTFE樹脂24を積層した場合、そ
の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)や原子間力顕微鏡
(AFM)で観察した結果に基づいてPTFE樹脂24
の表面を模式的に示した説明図である。図3のBに一部
の表面を拡大して示したように、PTFE樹脂24の表
面は平滑でなく、前記微生物が停滞する原因となる凹凸
25、25が存在する。しかもPTFE樹脂24の表面
には前記微生物が停滞して繁殖する原因となる大きさの
凹部26、26が存在する。このようなPTFE樹脂2
4の表面には無機物が付着したり前記微生物が停滞して
繁殖するので、メンテナンスの手間を省くと、ビールに
異臭が発生したり、風味や色が落ちるなどの問題が発生
する。
【0032】図4は本発明の第2の実施の形態に係る飲
料供給装置100の一実施形態をジュースのポストミッ
クス型自動販売機を例に挙げて説明する。31は供給装
置100で販売する商品、すなわちジュースの原料とな
る図示しないシロップが充填されたステンレス鋼板製の
シロップタングであり、途中に冷却コイル32と供給弁
33が介在する配管34を介してノズル35と連結され
ている。なお、シロップタンク31には炭酸ガスボンベ
36が減圧弁37を介して連結されていて、炭酸ガスの
圧力がボンベ内のシロップ上面に作用し、シロップタン
ク31内のシロップが配管34に押し出される構成とな
っている。
料供給装置100の一実施形態をジュースのポストミッ
クス型自動販売機を例に挙げて説明する。31は供給装
置100で販売する商品、すなわちジュースの原料とな
る図示しないシロップが充填されたステンレス鋼板製の
シロップタングであり、途中に冷却コイル32と供給弁
33が介在する配管34を介してノズル35と連結され
ている。なお、シロップタンク31には炭酸ガスボンベ
36が減圧弁37を介して連結されていて、炭酸ガスの
圧力がボンベ内のシロップ上面に作用し、シロップタン
ク31内のシロップが配管34に押し出される構成とな
っている。
【0033】38はシロップタンク31から供給される
濃縮ジュースを所定濃度に希釈するための水道水を適量
貯溜するシスターンであり、このシスターン38も途中
に冷却コイル39と供給弁40が介在する配管41を介
してノズル42と連結されている。冷却コイル32・3
9は水槽43の内部に設置されていて、冷凍機44によ
って所定温度に冷却される水槽内の水45に放熱して冷
却されるようになっている。
濃縮ジュースを所定濃度に希釈するための水道水を適量
貯溜するシスターンであり、このシスターン38も途中
に冷却コイル39と供給弁40が介在する配管41を介
してノズル42と連結されている。冷却コイル32・3
9は水槽43の内部に設置されていて、冷凍機44によ
って所定温度に冷却される水槽内の水45に放熱して冷
却されるようになっている。
【0034】また、シスターン38には、水位制御装置
46を設け、シスターン38内の水位が所定レベル以下
になると水管47に設けた電磁弁48を開弁し、所定レ
ベル以上になるとこれを閉弁するように構成して、所定
の水量を常時保有できるように構成してある。49は、
例えば、紙製のコップであり、図示しない従来周知の機
構によって、所定の金額の貨幣が供給されて商品選択ボ
タンが操作されたときに、収納部から排出されて、ノズ
ル35・42の注出口の下方に搬送・位置するようにな
つている。そして、本発明の飲料供給装置100におい
ては、シロップタンク31自体を含めてシロップタンク
31の出口側からノズル35の注出口に至る第1の飲料
通路R1と、シスターン38自体を含めてシスターン3
8の出口側からノズル42の注出口に至る第2の飲料通
路R2の内面の全ての面、あるいはほとんど全ての面
が、FEP樹脂、PFA樹脂、ETFE樹脂などの微生
物が付着し難いポリマーが前記表面特性を持って積層さ
れて形成されている。
46を設け、シスターン38内の水位が所定レベル以下
になると水管47に設けた電磁弁48を開弁し、所定レ
ベル以上になるとこれを閉弁するように構成して、所定
の水量を常時保有できるように構成してある。49は、
例えば、紙製のコップであり、図示しない従来周知の機
構によって、所定の金額の貨幣が供給されて商品選択ボ
タンが操作されたときに、収納部から排出されて、ノズ
ル35・42の注出口の下方に搬送・位置するようにな
つている。そして、本発明の飲料供給装置100におい
ては、シロップタンク31自体を含めてシロップタンク
31の出口側からノズル35の注出口に至る第1の飲料
通路R1と、シスターン38自体を含めてシスターン3
8の出口側からノズル42の注出口に至る第2の飲料通
路R2の内面の全ての面、あるいはほとんど全ての面
が、FEP樹脂、PFA樹脂、ETFE樹脂などの微生
物が付着し難いポリマーが前記表面特性を持って積層さ
れて形成されている。
【0035】例えば、配管34・41は共に合成樹脂製
の複合管であり、何れも内側には内径が例えば5mmで
厚さが0.2mmである、前記表面特性を持ったFEP
樹脂を配管し、その外周部を補強のために透明なエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)で被覆した構成とな
っている。したがって、配管34・41は共に内部が透
視でき、且つ、可撓性が強まるり、多少の引き回しにも
耐えることができ破損し難くなっている。
の複合管であり、何れも内側には内径が例えば5mmで
厚さが0.2mmである、前記表面特性を持ったFEP
樹脂を配管し、その外周部を補強のために透明なエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(EVA)で被覆した構成とな
っている。したがって、配管34・41は共に内部が透
視でき、且つ、可撓性が強まるり、多少の引き回しにも
耐えることができ破損し難くなっている。
【0036】一方、冷却コイル32・39は、冷却機4
4によって冷却された水45との熱交換が効率良く行え
るように、例えば樹脂より熱伝導率が良いステンレス鋼
管からなり、その内面に約100μm厚さ以下の前記表
面特性を持ったFEP樹脂が積層されている。
4によって冷却された水45との熱交換が効率良く行え
るように、例えば樹脂より熱伝導率が良いステンレス鋼
管からなり、その内面に約100μm厚さ以下の前記表
面特性を持ったFEP樹脂が積層されている。
【0037】具体的には、FEP樹脂を用いて中空のパ
イプを溶融成形などにより成形し、SUS304ステン
レスパイプの内面にこのFEP樹脂パイプを挿入してF
EP樹脂の融点以上に加熱してパイプ内面に圧着して前
記表面特性を持ったFEP樹脂を積層する。
イプを溶融成形などにより成形し、SUS304ステン
レスパイプの内面にこのFEP樹脂パイプを挿入してF
EP樹脂の融点以上に加熱してパイプ内面に圧着して前
記表面特性を持ったFEP樹脂を積層する。
【0038】ところで、冷却コイル32・39は樹脂製
であっても良い。ガスバリアー性が高くガス透過性の低
い(EVA/LDPE)積層体、(EVA/ナイロン1
1)積層体などが現在使われているが、機械的強度が高
く、耐水性にも優れた適宜の樹脂に熱伝導率の高い充填
材を適量混合して熱伝導率を高めた樹脂製コイルの内面
に約100μm厚さ以下の前記表面特性を持ったFEP
樹脂を積層して形成することもできる。
であっても良い。ガスバリアー性が高くガス透過性の低
い(EVA/LDPE)積層体、(EVA/ナイロン1
1)積層体などが現在使われているが、機械的強度が高
く、耐水性にも優れた適宜の樹脂に熱伝導率の高い充填
材を適量混合して熱伝導率を高めた樹脂製コイルの内面
に約100μm厚さ以下の前記表面特性を持ったFEP
樹脂を積層して形成することもできる。
【0039】例えば、前記樹脂製コイルとしては、前記
表面特性を持ったFEP樹脂の厚さ0.1〜0.2mm
程度のパイプの上に、グラファイトや炭素繊維を含有さ
せて熱伝導率を高めたナイロン樹脂などを押出成形する
ことなどで、内面に前記表面特性を持ったFEP樹脂を
積層した熱伝導率の高い樹脂からなるパイプを作り冷却
コイルとすることもできる。
表面特性を持ったFEP樹脂の厚さ0.1〜0.2mm
程度のパイプの上に、グラファイトや炭素繊維を含有さ
せて熱伝導率を高めたナイロン樹脂などを押出成形する
ことなどで、内面に前記表面特性を持ったFEP樹脂を
積層した熱伝導率の高い樹脂からなるパイプを作り冷却
コイルとすることもできる。
【0040】また、自動開閉が可能な供給弁33・40
はステンレス鋼製であり、その内面、すなわちシロップ
や水が通過する通路を形成する面も、冷却コイル32・
39と同様に前記表面特性を持ったFEP樹脂を積層す
る。
はステンレス鋼製であり、その内面、すなわちシロップ
や水が通過する通路を形成する面も、冷却コイル32・
39と同様に前記表面特性を持ったFEP樹脂を積層す
る。
【0041】さらに、ノズル35・42は適宜のエンジ
ニアリングプラスチック、例えばポリフェニレンスルフ
イド樹脂(PPS)に、同様に前記表面特性を持ったF
EP樹脂を積層する。
ニアリングプラスチック、例えばポリフェニレンスルフ
イド樹脂(PPS)に、同様に前記表面特性を持ったF
EP樹脂を積層する。
【0042】上記構成になる本発明の飲料供給装置10
0においては、シロップタンク31を交換する際に、配
管34にシロップタンク31側の開口端から空気が入
り、空気中の雑菌が管内のシロップに付着することがあ
っても、雑菌やシロップは、管内面などに付着・残留す
ることなく、シロップタンク31からガス圧を受けて次
々に押し出されるシロップによってノズル35側に移動
し注出される。
0においては、シロップタンク31を交換する際に、配
管34にシロップタンク31側の開口端から空気が入
り、空気中の雑菌が管内のシロップに付着することがあ
っても、雑菌やシロップは、管内面などに付着・残留す
ることなく、シロップタンク31からガス圧を受けて次
々に押し出されるシロップによってノズル35側に移動
し注出される。
【0043】したがって、シロップタンク31に濃縮オ
レンジジュースなどのようにpH3程度の酸性で、しか
も糖度が著しく高いために雑菌が生存できないジュース
だけでなく、雑菌が増殖し易い中性で糖度の低いウーロ
ン茶や紅茶などのお茶系飲料用シロップが充填されてい
ても、配管34などの内部で雑菌が増殖することがな
い。
レンジジュースなどのようにpH3程度の酸性で、しか
も糖度が著しく高いために雑菌が生存できないジュース
だけでなく、雑菌が増殖し易い中性で糖度の低いウーロ
ン茶や紅茶などのお茶系飲料用シロップが充填されてい
ても、配管34などの内部で雑菌が増殖することがな
い。
【0044】また、冷却コイル39の内面は、シスター
ン38から希釈用として供給される水が冷却されるた
め、水に溶解していたCaやMgなどのミネラル分が析
出し易く、このため従来はミネラル分が堆積し雑菌が繁
殖する場合もあったが、本発明の飲料供給装置100で
は冷却コイル39の内面は前記表面特性を持ったFEP
樹脂が積層されているため、析出したミネラル分は付着
し難く、雑菌が停滞したり繁殖せず、通過する水と共に
流れ去る。
ン38から希釈用として供給される水が冷却されるた
め、水に溶解していたCaやMgなどのミネラル分が析
出し易く、このため従来はミネラル分が堆積し雑菌が繁
殖する場合もあったが、本発明の飲料供給装置100で
は冷却コイル39の内面は前記表面特性を持ったFEP
樹脂が積層されているため、析出したミネラル分は付着
し難く、雑菌が停滞したり繁殖せず、通過する水と共に
流れ去る。
【0045】また、ノズル35・42の内面も、同様の
理由によって汚れ難い。なお、シロップはシロップタン
ク31毎に工場から出荷供給されても良いし、別容器で
供給されるシロップをシロップタンク31に設けた図示
しない注入口を開いて注入するように構成することも可
能である。
理由によって汚れ難い。なお、シロップはシロップタン
ク31毎に工場から出荷供給されても良いし、別容器で
供給されるシロップをシロップタンク31に設けた図示
しない注入口を開いて注入するように構成することも可
能である。
【0046】図5は本発明の第3の実施の形態に係る飲
料供給装置51の説明図である。図5において、51は
ポストミックス式飲料供給装置の本体であり、この本体
51は外箱52と内箱53との間に断熱材54を充填し
て形成する。55は仕切壁であり、本体51を商品とし
て販売するコーラやジュースなどのシロップタンクa・
b・cおよびこれらシロップタンク内の液体を所定濃度
に希釈するための水道水を適量貯溜するシスターン5
6、さらにはこれらシロップタンクa・b・cやシスタ
ーン56を接続するための液体回路57などをしかるべ
き定位置に収納するための収納室58と、この収納室5
8を常時3℃前後に冷却するために必要な圧縮機59や
凝縮器60などを含む冷却ユニットを収納する機械室6
1とに区画できるように構成する。
料供給装置51の説明図である。図5において、51は
ポストミックス式飲料供給装置の本体であり、この本体
51は外箱52と内箱53との間に断熱材54を充填し
て形成する。55は仕切壁であり、本体51を商品とし
て販売するコーラやジュースなどのシロップタンクa・
b・cおよびこれらシロップタンク内の液体を所定濃度
に希釈するための水道水を適量貯溜するシスターン5
6、さらにはこれらシロップタンクa・b・cやシスタ
ーン56を接続するための液体回路57などをしかるべ
き定位置に収納するための収納室58と、この収納室5
8を常時3℃前後に冷却するために必要な圧縮機59や
凝縮器60などを含む冷却ユニットを収納する機械室6
1とに区画できるように構成する。
【0047】また、シスターン56には、図示しない水
位制御装置を設け、シスターン56内の水位が所定レベ
ル以下になると水管62に設ける電磁弁63を開弁し、
所定レベル以上になるとこれを閉弁するように構成し
て、所定の水量を常時保有できるように構成する。64
はカーボネータであり、加圧ポンプ65を介してシスタ
ーン56より水を導入すると共に、図示しないガスボン
ベよりガス管を介して二酸化炭素を導入し、炭酸水を作
るものである。
位制御装置を設け、シスターン56内の水位が所定レベ
ル以下になると水管62に設ける電磁弁63を開弁し、
所定レベル以上になるとこれを閉弁するように構成し
て、所定の水量を常時保有できるように構成する。64
はカーボネータであり、加圧ポンプ65を介してシスタ
ーン56より水を導入すると共に、図示しないガスボン
ベよりガス管を介して二酸化炭素を導入し、炭酸水を作
るものである。
【0048】66は、シロップタンクa・b・c内のシ
ロップ液を上記炭酸水と混合して販売口67内のドリッ
プトレイ68上に載置したコップ69に供給するとき付
勢する液体供給用の電磁弁である。
ロップ液を上記炭酸水と混合して販売口67内のドリッ
プトレイ68上に載置したコップ69に供給するとき付
勢する液体供給用の電磁弁である。
【0049】70は、ドリップトレイ68上に載置した
コップ69へ顧客などの要望により所定量の氷片を供給
するための製氷機である。71は、ドリップトレイ68
上に載置したコップ69に供給するときや、販売口67
よりコップ69を取り出すときにドリップトレイ68上
に零れた液体を自動販売機の下方の機械室61内に設け
た、密閉式の廃液容器72へ導くための廃液管である。
コップ69へ顧客などの要望により所定量の氷片を供給
するための製氷機である。71は、ドリップトレイ68
上に載置したコップ69に供給するときや、販売口67
よりコップ69を取り出すときにドリップトレイ68上
に零れた液体を自動販売機の下方の機械室61内に設け
た、密閉式の廃液容器72へ導くための廃液管である。
【0050】本発明の飲料供給装置51は、飲料原料お
よび飲料が接触する全ての面あるいはほとんど全ての面
が、前記親水性および/または疎水性を有する微生物が
付着し難いポリマーにより形成されるとともに、その表
面は前記表面特性を有するもので形成されている。すな
わちシロップタンクa・b・c、シスターン56、全て
の液体回路57、水管62、電磁弁63、カーボネータ
64、加圧ポンプ65、電磁弁66、製氷機70などの
全ての面あるいはほとんど全ての面が、前記微生物が付
着し難いポリマーにより形成されており、その表面は前
記表面特性を有している。
よび飲料が接触する全ての面あるいはほとんど全ての面
が、前記親水性および/または疎水性を有する微生物が
付着し難いポリマーにより形成されるとともに、その表
面は前記表面特性を有するもので形成されている。すな
わちシロップタンクa・b・c、シスターン56、全て
の液体回路57、水管62、電磁弁63、カーボネータ
64、加圧ポンプ65、電磁弁66、製氷機70などの
全ての面あるいはほとんど全ての面が、前記微生物が付
着し難いポリマーにより形成されており、その表面は前
記表面特性を有している。
【0051】ところで、本発明は上記実施形態に限定さ
れるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨か
ら逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
れるものではないので、特許請求の範囲に記載の趣旨か
ら逸脱しない範囲で各種の変形実施が可能である。
【0052】
【実施例】次に実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明
するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるもので
はない。
するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるもので
はない。
【0053】(実施例1)野生酵母(Saccharo
myses cerevisiae、市場に設置した飲
料供給装置の実機より採取、分離、同定したもの。大き
さ約4μm×8μm)を用いて、ポリマー表面への付着
量に対するポリマーの臨界表面張力の影響を試験した。 ポリマー試料: 1.臨界表面張力15dyn/cmのPFAあるいはF
EPのシート(表面平均平滑度Ra=0.15μm。1
μm以上の大きさの凹部はない。厚さ2mm、長さ80
mm、幅30mm) 2.臨界表面張力18dyn/cmのPTFEのシート
(表面平均平滑度Ra=0.24μm。1μm以上の大
きさの凹部(約2〜5μm程度)が存在する。厚さ2m
m、長さ80mm、幅30mm) 3.臨界表面張力31dyn/cmのLDPEのシート
(表面平均平滑度Ra=0.16μm。1μm以上の大
きさの凹部はない。厚さ2mm、長さ80mm、幅30
mm) 4.臨界表面張力39dyn/cmのPVCのシート
(表面平均平滑度Ra=0.15μm。1μm以上の大
きさの凹部はない。厚さ2mm、長さ80mm、幅30
mm)
myses cerevisiae、市場に設置した飲
料供給装置の実機より採取、分離、同定したもの。大き
さ約4μm×8μm)を用いて、ポリマー表面への付着
量に対するポリマーの臨界表面張力の影響を試験した。 ポリマー試料: 1.臨界表面張力15dyn/cmのPFAあるいはF
EPのシート(表面平均平滑度Ra=0.15μm。1
μm以上の大きさの凹部はない。厚さ2mm、長さ80
mm、幅30mm) 2.臨界表面張力18dyn/cmのPTFEのシート
(表面平均平滑度Ra=0.24μm。1μm以上の大
きさの凹部(約2〜5μm程度)が存在する。厚さ2m
m、長さ80mm、幅30mm) 3.臨界表面張力31dyn/cmのLDPEのシート
(表面平均平滑度Ra=0.16μm。1μm以上の大
きさの凹部はない。厚さ2mm、長さ80mm、幅30
mm) 4.臨界表面張力39dyn/cmのPVCのシート
(表面平均平滑度Ra=0.15μm。1μm以上の大
きさの凹部はない。厚さ2mm、長さ80mm、幅30
mm)
【0054】なお、ポリマー試料1(FEPのシート)
およびポリマー試料2(PTFEのシート)と同じ成形
条件で成形されたFEPとPTFEのシートの表面をS
EMおよび原子間力顕微鏡(AFM)で観察した。図6
は、走査型電子顕微鏡(SEM)によるPTFEの表面
の顕微鏡写真(2.5万倍)である。図6の右上に記載
の11個のドットの各ドット間の距離は0.1μmであ
る。図7は、走査型電子顕微鏡(SEM)によるFEP
の表面の顕微鏡写真(2.5万倍)である。図7の右上
に記載の11個のドットの各ドット間の距離は0.1μ
mである。図8は原子間力顕微鏡(AFM)によるPT
FEの表面の顕微鏡写真である。X軸は5μm間隔で2
0μmまで、Y軸は同じく5μm間隔で20μmまで測
定してあり、Z軸(高さ方向)の1目盛りは0.5μm
である。図8中に測定条件が記載されている(Nano Sco
pe Tapping AFM、 Scan size 20.00μm、 Setpoint 0.763
6 U、 Scan rate 0.5003 Hz、 Number of samples 256、 X
5.000μm/div、Z 500.000 nm/div) 。図9は、原子間力
顕微鏡(AFM)によるFEPの表面の顕微鏡写真であ
る。X軸は5μm間隔で20μmまで、Y軸は同じく5
μm間隔で20μmまで測定してあり、Z軸(高さ方
向)の1目盛りは0.5μmである。図9中に測定条件
が記載されている(Nano Scope Tapping AFM、 Scan siz
e 20.00μm、 Setpoint 1.538 U、 Scan rate 1.0001 Hz、
Number of samples 256、 X 5.000μm/div、Z 500.000 n
m/div)。
およびポリマー試料2(PTFEのシート)と同じ成形
条件で成形されたFEPとPTFEのシートの表面をS
EMおよび原子間力顕微鏡(AFM)で観察した。図6
は、走査型電子顕微鏡(SEM)によるPTFEの表面
の顕微鏡写真(2.5万倍)である。図6の右上に記載
の11個のドットの各ドット間の距離は0.1μmであ
る。図7は、走査型電子顕微鏡(SEM)によるFEP
の表面の顕微鏡写真(2.5万倍)である。図7の右上
に記載の11個のドットの各ドット間の距離は0.1μ
mである。図8は原子間力顕微鏡(AFM)によるPT
FEの表面の顕微鏡写真である。X軸は5μm間隔で2
0μmまで、Y軸は同じく5μm間隔で20μmまで測
定してあり、Z軸(高さ方向)の1目盛りは0.5μm
である。図8中に測定条件が記載されている(Nano Sco
pe Tapping AFM、 Scan size 20.00μm、 Setpoint 0.763
6 U、 Scan rate 0.5003 Hz、 Number of samples 256、 X
5.000μm/div、Z 500.000 nm/div) 。図9は、原子間力
顕微鏡(AFM)によるFEPの表面の顕微鏡写真であ
る。X軸は5μm間隔で20μmまで、Y軸は同じく5
μm間隔で20μmまで測定してあり、Z軸(高さ方
向)の1目盛りは0.5μmである。図9中に測定条件
が記載されている(Nano Scope Tapping AFM、 Scan siz
e 20.00μm、 Setpoint 1.538 U、 Scan rate 1.0001 Hz、
Number of samples 256、 X 5.000μm/div、Z 500.000 n
m/div)。
【0055】試験方法:滅菌ボトルトップフィルタ(コ
ーニング:ポアサイズ0.22μm)を用いてビール
(pH=4.3)を濾過滅菌して培地とし、このビール
培地に前記野生酵母を107 (CFU/ml)程度懸濁
させた。この野生酵母を懸濁したビールを全て滅菌容器
(150cc)に入れ、その中に上記ポリマー試料1〜
4を半分だけ浸漬した後、振とう器[タイテック(株)
製、NR−3]にかけて、35℃、9日間、200回/
分で旋回振動(振とうモード)させた。その後、ポリマ
ー試料1〜4の浸漬した部分に付着した野生酵母の付着
量A(菌数)を測定した。次いで、野生酵母が付着した
ポリマー試料1〜4を常温の滅菌水中に浸漬し、上記と
同様にして振とう器[タイテック(株)製、NR−3]
にかけて、10分間、200回/分で旋回振動(振とう
モード)させた後、同様にして野生酵母の付着量B(菌
数)を測定した。測定結果を表1に示す。
ーニング:ポアサイズ0.22μm)を用いてビール
(pH=4.3)を濾過滅菌して培地とし、このビール
培地に前記野生酵母を107 (CFU/ml)程度懸濁
させた。この野生酵母を懸濁したビールを全て滅菌容器
(150cc)に入れ、その中に上記ポリマー試料1〜
4を半分だけ浸漬した後、振とう器[タイテック(株)
製、NR−3]にかけて、35℃、9日間、200回/
分で旋回振動(振とうモード)させた。その後、ポリマ
ー試料1〜4の浸漬した部分に付着した野生酵母の付着
量A(菌数)を測定した。次いで、野生酵母が付着した
ポリマー試料1〜4を常温の滅菌水中に浸漬し、上記と
同様にして振とう器[タイテック(株)製、NR−3]
にかけて、10分間、200回/分で旋回振動(振とう
モード)させた後、同様にして野生酵母の付着量B(菌
数)を測定した。測定結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】表1から、上記野生酵母(大きさ約4μm
×8μm)の場合、臨界表面張力30dyn/cm以下
のポリマーであると付着量が少ないことが判る。
×8μm)の場合、臨界表面張力30dyn/cm以下
のポリマーであると付着量が少ないことが判る。
【0058】(実施例2)一般細菌(Bacillus
cereus)(菌大きさ約0.8〜1μm×約2〜
5μm)を用いて、ポリマー表面への付着量に対するポ
リマーの臨界表面張力の影響を試験した。実施例1と同
じポリマー試料1〜4を用いた。
cereus)(菌大きさ約0.8〜1μm×約2〜
5μm)を用いて、ポリマー表面への付着量に対するポ
リマーの臨界表面張力の影響を試験した。実施例1と同
じポリマー試料1〜4を用いた。
【0059】試験方法:滅菌ボトルトップフィルタ(コ
ーニング:ポアサイズ0.22μm)を用いて水道水
(pH=7)を濾過滅菌して培地とし、この水道水培地
に前記一般細菌を107 (CFU/ml)程度懸濁させ
た。この一般細菌を懸濁した水道水を全て滅菌容器(1
50cc)に入れ、その中に上記ポリマー試料1〜4を
半分だけ浸漬した後、振とう器[タイテック(株)製、
NR−3]にかけて、35℃、9日間、200回/分で
旋回振動(振とうモード)させた。その後、ポリマー試
料1〜4の浸漬した部分に付着した一般細菌の付着量A
(菌数)を測定した。次いで、一般細菌が付着したポリ
マー試料1〜4を常温の滅菌水中に浸漬し、上記と同様
にして振とう器[タイテック(株)製、NR−3]にか
けて、10分間、200回/分で旋回振動(振とうモー
ド)させた後、同様にして一般細菌の付着量B(菌数)
を測定した。測定結果を表2に示す。
ーニング:ポアサイズ0.22μm)を用いて水道水
(pH=7)を濾過滅菌して培地とし、この水道水培地
に前記一般細菌を107 (CFU/ml)程度懸濁させ
た。この一般細菌を懸濁した水道水を全て滅菌容器(1
50cc)に入れ、その中に上記ポリマー試料1〜4を
半分だけ浸漬した後、振とう器[タイテック(株)製、
NR−3]にかけて、35℃、9日間、200回/分で
旋回振動(振とうモード)させた。その後、ポリマー試
料1〜4の浸漬した部分に付着した一般細菌の付着量A
(菌数)を測定した。次いで、一般細菌が付着したポリ
マー試料1〜4を常温の滅菌水中に浸漬し、上記と同様
にして振とう器[タイテック(株)製、NR−3]にか
けて、10分間、200回/分で旋回振動(振とうモー
ド)させた後、同様にして一般細菌の付着量B(菌数)
を測定した。測定結果を表2に示す。
【0060】
【表2】
【0061】表2から、ポリマー試料2[臨界表面張力
18dyn/cmのPTFEのシート(表面平均平滑度
Ra=0.24μm。1μm以上の大きさの凹部(約2
〜5μm程度)が存在する。)]は臨界表面張力が30
dyn/cm以下であるにもかかわらず一般細菌の付着
量が多いことが判る。これはポリマー試料2は1μm以
上の大きさの凹部(約2〜5μm程度)が存在するため
一般細菌がこの凹部に入って停滞、付着、繁殖したもの
と考えられる。臨界表面張力が30dyn/cm以上の
ポリマー試料3、4は一般細菌の付着量が多い。それに
対して、臨界表面張力が30dyn/cm以下である
上、表面が平滑で、1μm以上の大きさの凹部がないポ
リマー試料1(臨界表面張力15dyn/cmのPFA
あるいはFEPのシート)は小さな上記一般細菌であっ
ても付着量が少ないことが判る。
18dyn/cmのPTFEのシート(表面平均平滑度
Ra=0.24μm。1μm以上の大きさの凹部(約2
〜5μm程度)が存在する。)]は臨界表面張力が30
dyn/cm以下であるにもかかわらず一般細菌の付着
量が多いことが判る。これはポリマー試料2は1μm以
上の大きさの凹部(約2〜5μm程度)が存在するため
一般細菌がこの凹部に入って停滞、付着、繁殖したもの
と考えられる。臨界表面張力が30dyn/cm以上の
ポリマー試料3、4は一般細菌の付着量が多い。それに
対して、臨界表面張力が30dyn/cm以下である
上、表面が平滑で、1μm以上の大きさの凹部がないポ
リマー試料1(臨界表面張力15dyn/cmのPFA
あるいはFEPのシート)は小さな上記一般細菌であっ
ても付着量が少ないことが判る。
【0062】(実施例3)臨界表面張力15dyn/c
mのFEPのシート(上記ポリマー試料1)の表面をサ
ンドブラストして、平滑度Ra(μm)が0.2(ポリ
マー試料5)、0.4(ポリマー試料6)、0.8(ポ
リマー試料7)、1(ポリマー試料8)の試料を作成し
た。そして、実施例1と同様にして試験し、ポリマー試
料5〜8の浸漬した部分に付着した野生酵母の付着量A
(菌数)および付着量B(菌数)を測定した。測定結果
を表3に示す。
mのFEPのシート(上記ポリマー試料1)の表面をサ
ンドブラストして、平滑度Ra(μm)が0.2(ポリ
マー試料5)、0.4(ポリマー試料6)、0.8(ポ
リマー試料7)、1(ポリマー試料8)の試料を作成し
た。そして、実施例1と同様にして試験し、ポリマー試
料5〜8の浸漬した部分に付着した野生酵母の付着量A
(菌数)および付着量B(菌数)を測定した。測定結果
を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】表3から、平滑度Ra(μm)が0.8以
下であると野生酵母の付着量が少ないことが判る。
下であると野生酵母の付着量が少ないことが判る。
【0065】(実施例4)一般細菌を用いて実施例2と
同様にして試験し、ポリマー試料5〜8の浸漬した部分
に付着した一般細菌の付着量A(菌数)および付着量B
(菌数)を測定した。測定結果を表4に示す。
同様にして試験し、ポリマー試料5〜8の浸漬した部分
に付着した一般細菌の付着量A(菌数)および付着量B
(菌数)を測定した。測定結果を表4に示す。
【0066】
【表4】
【0067】表4から、平滑度Ra(μm)が0.8未
満であると一般細菌の付着量が少ないことが判る。
満であると一般細菌の付着量が少ないことが判る。
【0068】
【発明の効果】本発明の飲料供給装置は、飲料原料およ
び飲料が接触する全ての面あるいはほとんど全ての面
が、親水性および/または疎水性を有する微生物が付着
し難いポリマーにより形成されるとともに、その表面は
微生物が停滞する原因となる凹凸のない平滑度を有し、
かつ表面に微生物が停滞して繁殖する原因となる大きさ
の凹部がないようにしたので、メンテナンスの手間を省
略したりあるいは少なくしても、飲料に異臭が発生した
り、飲料の風味や色が落ちず、美味しいジュース、コー
ヒー、ビール、水、茶などを供給できる。本発明の飲料
供給装置は、例え飲料原料および飲料が接触する表面に
微生物や無機物が停滞したとしても飲料供給装置を使用
した時の飲料の流れによって流されてしまうので無機物
が付着したり、微生物が付着して停滞して繁殖したりす
ることがない。
び飲料が接触する全ての面あるいはほとんど全ての面
が、親水性および/または疎水性を有する微生物が付着
し難いポリマーにより形成されるとともに、その表面は
微生物が停滞する原因となる凹凸のない平滑度を有し、
かつ表面に微生物が停滞して繁殖する原因となる大きさ
の凹部がないようにしたので、メンテナンスの手間を省
略したりあるいは少なくしても、飲料に異臭が発生した
り、飲料の風味や色が落ちず、美味しいジュース、コー
ヒー、ビール、水、茶などを供給できる。本発明の飲料
供給装置は、例え飲料原料および飲料が接触する表面に
微生物や無機物が停滞したとしても飲料供給装置を使用
した時の飲料の流れによって流されてしまうので無機物
が付着したり、微生物が付着して停滞して繁殖したりす
ることがない。
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る飲料供給装
置を示す説明図である。
置を示す説明図である。
【図2】 図1に示した本発明の飲料供給装置の飲料が
接触する面を走査型電子顕微鏡(SEM)や原子間力顕
微鏡(AFM)で観察した結果に基づいてその表面を模
式的に示した説明図である。
接触する面を走査型電子顕微鏡(SEM)や原子間力顕
微鏡(AFM)で観察した結果に基づいてその表面を模
式的に示した説明図である。
【図3】 飲料が接触する面にPTFE樹脂を積層した
場合、その表面を走査型電子顕微鏡(SEM)や原子間
力顕微鏡(AFM)で観察した結果に基づいてPTFE
樹脂の表面を模式的に示した説明図である。
場合、その表面を走査型電子顕微鏡(SEM)や原子間
力顕微鏡(AFM)で観察した結果に基づいてPTFE
樹脂の表面を模式的に示した説明図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態に係る飲料供給装
置を示す説明図である。
置を示す説明図である。
【図5】 本発明の第3の実施の形態に係る飲料供給装
置を示す説明図である。
置を示す説明図である。
【図6】 走査型電子顕微鏡(SEM)によるPTFE
の表面の顕微鏡写真である。
の表面の顕微鏡写真である。
【図7】 走査型電子顕微鏡(SEM)によるFEPの
表面の顕微鏡写真である。
表面の顕微鏡写真である。
【図8】 原子間力顕微鏡(AFM)によるPTFEの
表面の顕微鏡写真である。
表面の顕微鏡写真である。
【図9】 原子間力顕微鏡(AFM)によるFEPの表
面の顕微鏡写真である。
面の顕微鏡写真である。
13 冷却コイル(飲料通路) 21 内壁面 22、24 ポリマー 23 表面 25 凹凸 26 凹部
Claims (9)
- 【請求項1】 飲料原料から調製された飲料あるいは予
め調製された飲料を所定の飲料通路を通して供給する飲
料供給装置において、前記飲料原料および前記飲料が接
触する全ての面あるいはほとんど全ての面が、親水性お
よび/または疎水性を有する微生物が付着し難いポリマ
ーにより形成されるとともに、その表面は前記微生物が
停滞する原因となる凹凸のない平滑度を有し、かつ前記
表面に前記微生物が停滞して繁殖する原因となる大きさ
の凹部がないようにしたことを特徴とする飲料供給装
置。 - 【請求項2】 前記ポリマーが臨界表面張力30dyn
/cm以下のフッ素系樹脂であることを特徴とする請求
項1記載の飲料供給装置。 - 【請求項3】 前記平滑度がRa≦0.8μmであるこ
とを特徴とする請求項1または請求項2記載の飲料供給
装置。 - 【請求項4】 前記凹部が1μm以上の大きさの凹部で
あることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか
に記載の飲料供給装置。 - 【請求項5】 前記フッ素系樹脂が溶融粘度106 (P
a・s)以下のフッ素系樹脂であることを特徴とする請
求項2から請求項4のいずれかに記載の飲料供給装置。 - 【請求項6】 前記微生物が、環境変化によって極性が
変化する微生物であることを特徴とする請求項1から請
求項5のいずれかに記載の飲料供給装置。 - 【請求項7】 前記飲料通路の1部が金属管で形成さ
れ、該金属管の内面に前記ポリマーから形成されたパイ
プを積層したことを特徴とする請求項1から請求項6の
いずれかに記載の飲料供給装置。 - 【請求項8】 前記飲料通路の1部がこの飲料通路を通
過する飲料を冷却する冷却通路であることを特徴とする
請求項1から請求項7のいずれかに記載の飲料供給装
置。 - 【請求項9】 前記冷却通路が熱伝導性の高い樹脂パイ
プで形成されていることを特徴とする請求項8に記載の
飲料供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13666298A JPH11321992A (ja) | 1998-05-19 | 1998-05-19 | 飲料供給装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13666298A JPH11321992A (ja) | 1998-05-19 | 1998-05-19 | 飲料供給装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11321992A true JPH11321992A (ja) | 1999-11-24 |
Family
ID=15180573
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13666298A Pending JPH11321992A (ja) | 1998-05-19 | 1998-05-19 | 飲料供給装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11321992A (ja) |
-
1998
- 1998-05-19 JP JP13666298A patent/JPH11321992A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040520 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060119 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060124 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060606 |