JPH11320887A - インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置

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JPH11320887A
JPH11320887A JP15376098A JP15376098A JPH11320887A JP H11320887 A JPH11320887 A JP H11320887A JP 15376098 A JP15376098 A JP 15376098A JP 15376098 A JP15376098 A JP 15376098A JP H11320887 A JPH11320887 A JP H11320887A
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JP
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ink
jet recording
recording head
ink jet
top plate
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JP15376098A
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Tamon Itaya
多門 板屋
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Original Assignee
Canon Inc
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2002/14362Assembling elements of heads
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/20Modules

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】インクもれがなく、画像品位が良好で歩留りが
高く、さらに、記録装置のクリーニング機構を阻害する
ことのない、インクジェット記録ヘッドおよび該インク
ジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置を
提供する。 【解決手段】インクに吐出エネルギを与える吐出エネル
ギ発生素子がインク流路に対応して設けられた基板と、
インク流路となる溝412と、溝412の一端に連通し
てインクが吐出される吐出口413が配列して設けられ
たオリフィスプレートとを一体に形成してなる天板部材
とを有し、基板と天板部材とを接合させることによって
インク流路が形成され、接合時においてオリフィスプレ
ートの裏面に基板の端部が当接しオリフィスプレート裏
面と基板の端部との接部を、はめ込みによって接合可能
に構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吐出口から記録液体
を吐出して記録を行うインクジェット記録ヘッドおよび
該インクジェット記録ヘッドを備えたインクジェット記
録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パソコン端末、コピー、FAX等の出力
装置として、熱転写・Lベースプレート・ドットインパ
クト、インクジェット等の記録装置が使用されている。
このなかで、インクジェット方式は、静粛性に優れる印
刷方法として注目を浴びているが、このうち加熱による
液体の発泡を利用したものは、(以下BJと呼ぶ)高密
度化が容易である・静粛性に優れる・カラー化が容易・
高速印刷に耐え得る等の優れた特徴を有し、高品位で安
価な印刷方法として注目を浴びている。かかるインクジ
ェット方式の一般的な記録ヘッドは、例えば、特開平3
−101952号公報に開示されており、その概略を図
11(A)および(B)に示す。
【0003】これらの図に示すように、このインクジェ
ット記録ヘッドは、インク吐出エネルギー発生素子を設
けた基板(以下、ヒータボード01と称す)と、このヒ
ータボード01と接合されて記録液体(以下、インクと
称す)を収容する液室07およびインク路08を構成す
る凹凸部を有した天板02とからなる。天板02は、イ
ンク流路08に連通しインクを吐出するためのインク吐
出口09を有するオリフィスプレート04を一体的に併
せ持っている。ヒータボード01は支持基板(以下、ベ
ースプレートと称す)03に接着剤により接着固定さ
れ、天板02はヒータボード01上に配置されているイ
ンク吐出エネルギー発生素子としてのヒータ部と、天板
02のインク流路08とが合致するように接着され、天
板02の有しているオリフィスプレート04は、支持基
板03の前端面に前垂れのように配置されている。な
お、インクは、インク供給部材05から、天板02上部
に具備されたインク供給口01bから供給される。この
ようなインクジェット記録ヘッドにおいては、天板02
のオリフィスプレート04と、ヒータボード01および
ベースプレート03との隙間部分の封止は、ベースプレ
ート03に配設された溝に封止剤が積極的に流れ込み、
その後、各々の部材間の隙間と、封止剤との間に発生す
る毛管力によって、ベースプレート03とオリフィスプ
レート04の間あるいは、ヒータボード01端面とオリ
フィスプレート04との間が封止される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オリフ
ィスプレートの剥れなどの機械的な強度、インク漏れな
どの点から、以下のような問題があった。すなわち、ヒ
ータボードをベースプレート上に複数配列してなるマル
チノズルのヘッドなど、ノズルの配列数の多いヘッドで
は、オリフィスプレートのはがれや、隙間からのインク
もれが生じる。また、オリフィスプレートの全領域を封
止剤で満たすことが困難であるため、封止剤で固定され
ない領域が大きくなる。以上の課題を回避したヘッドを
得るために高粘度の封止剤を用いると、以下のような問
題がさらに発生する。 (1)オリフィスプレートの下端にまで多量の封止剤を
設けると封止剤の凹凸が発生し、記録装置に搭載されて
いるヘッドのクリーニング機構が効果的に作用しない。 (2)ヒータボードとオリフィスプレートの間まで封止
剤が十分に充填されない場合、ヒータボードとオリフィ
スプレート間にインクが流入し、吐出状態が不安定にな
る。
【0005】そこで、本発明は、上記した従来のものに
おける課題を解決し、封止剤を用いなくとも、オリフィ
スプレートとヒータボードを構造的に接合するだけでオ
リフィスプレート部の封止が可能であり、インクもれが
なく、画像品位が良好で歩留りが高く、さらに、記録装
置のクリーニング機構を阻害することのない、インクジ
ェット記録ヘッドおよび該インクジェット記録ヘッドを
備えたインクジェット記録装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、インクジェット記録ヘッドおよびインクジ
ェット記録装置をつぎのように構成したことを特徴とす
るものである。すなわち、本発明のインクジェット記録
ヘッドは、インクに吐出エネルギを与える吐出エネルギ
発生素子がインク流路に対応して設けられた基板と、前
記インク流路となる溝と、当該溝の一端に連通してイン
クが吐出される吐出口が配列して設けられたオリフィス
プレートとを一体に形成してなる天板部材とを有し、前
記基板と前記天板部材とを接合させることによって前記
インク流路が形成され、当該接合時において前記オリフ
ィスプレートの裏面に前記基板の端部が当接するインク
ジェット記録ヘッドにおいて、前記オリフィスプレート
裏面と前記基板の端部との接部を、はめ込みによって接
合可能に構成したことを特徴としている。また、本発明
のインクジェット記録ヘッドは、前記はめ込みにって接
合可能な構成が、前記オリフィスプレート裏面と前記基
板の端部とに設けられた凹凸部で構成されていることを
特徴としている。また、本発明のインクジェット記録ヘ
ッドは、前記凹凸部が、複数組設けられていることを特
徴としており、また、本発明においてはこれらの凹凸部
は、その断面形状を水平または斜めに差し込む形状、あ
るいは菱形または円形等の形状としたことを特徴として
いる。また、本発明のインクジェット記録ヘッドは、前
記はめ込みによる接合可能な構成によって、フルライン
タイプのインクジェット記録ヘッドを構成したことを特
徴としている。また、本発明のインクジェット記録装置
は、上記したいずれかの本発明のインクジェット記録ヘ
ッドを備えたことを特徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は上記した構成により、溝
付天板の接合部となるオリフィスプレート裏面とヒータ
ボード端面の両面を凹凸を利用したはめ込みによって接
合可能な形状とすることで、オリフィスプレートとヒー
タボード間の接合面での構造的な密着性を封止剤を用い
ずに実現することができ、特に、多数の例えば200個
以上、典型的には数千個にも及ぶ吐出口を有するインク
ジェット記録ヘッドが容易に構成でき、フルラインタイ
プのインクジェット記録ヘッドを構成するのに好適であ
る。
【0008】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1(A)および(B)は、本発明の一実
施例に係るインクジェット記録ヘッドの特徴を表わす説
明図であり、図1(A)は、その溝付天板を模式的に示
す斜視図、図1(B)はヒータボードを接合したときの
図1(A)のA−A線断面図である。この図1(A)お
よび(B)を用いて本発明の一実施例に係る構成を説明
する。この溝付天板400は、まず樹脂射出成形によ
り、共通液室411や、インク供給口414などの溝付
天板としての機能を付加した成形体として形成される。
この成形体には、共通液室411から個々のインク流路
が成形時に同時に作り込まれる場合と、インク流路形成
面のみが成形されて、後からインク流路がレーザ加工な
どで形成される場合とがある。いずれにおいても、溝付
天板400には各々のインク流路に対応してインク吐出
口413およびこれに連通するインク流通溝412が形
成されることになり、このようにインク流通溝412を
具備していることから溝付天板と呼称される。
【0009】図1(B)に示すように、この溝付き天板
400のオリフィスプレートとヒーターボードの接合状
態での断面において、両者の各接合面における形状が凹
凸の関係に準じるはめ込み形状で形成されている。すな
わち、オリフィスプレート裏面が凹型溝1aであるなら
ば、ヒータボードの端面は凸型突起1bとなり、互いの
凹凸がそれぞれ組み合わされる構造である。凹凸形状の
生成方法として、凹型溝1aは成形もしくはオリフィス
プレートをレーザ加工して形成され、凸型突起1bはヒ
ータボードを切削加工して形成される(不図示)。なお
形成方法はこれらに限定されない。オリフィスプレート
裏面に凸型突起1bの形状を、ヒータボードの端面に凹
型溝1aを設けた組み合わせでもよい。
【0010】また図2に示すように、この凹凸は、1組
に限らず複数組であっても良い。併せて、オリフィスプ
レート裏面に凸型突起1bの形状を、ヒータボードの端
面に凹型溝1aを設けた組み合わせが複数組のうちにあ
ってもよい。また、形状は、はめ込みで接合が成立する
形状であれば、図3などに示すような斜めに差し込む形
状や、菱形、円形、その他の形状の突起(不図示)であ
っても良い。以上本実施例では、オリフィスプレート裏
面と、ヒータボード端面の接合を凹凸部を設けてはめ込
みとすることで、オリフィスプレート部において、封止
剤を用いなくとも簡易に密着性の高い接合が可能とな
り、記録時のインク漏れが発生しなかった。
【0011】図4は、本実施例の溝付天板を用いたイン
クジェット記録ヘッドの構成を示す模式的斜視図で、主
要な部品の構成を説明する図である。ここでは、インク
吐出口の密度が360dpi(25.4mm当たり36
0個すなわち間隔が70.5μm)、インク吐出口の数
が3008個(記録幅212mm)であるインクジェッ
ト記録ヘッドについて説明する。インク吐出口が300
8個であるから、少なくとも吐出エネルギ発生素子は3
008個必要であるが、ここでは、吐出エネルギ発生素
子101をそれぞれ128個ずつ有するヒータボード
(基板)100を複数枚用意して一直線上に配列するこ
とにより、所定の数の吐出エネルギ発生素子が確保され
るようにした。各ヒータボード100は、それぞれ、吐
出エネルギ発生素子101が所定の位置に360dpi
の密度にて128個設けられ、さらに、外部からの電気
信号により任意のタイミングで吐出エネルギ発生素子1
01を駆動させるための信号や駆動のための電力などを
供給する信号・電力供給パッド202を有している。各
ヒータボード100は、ステンレス鋼で作られた支持体
(ベースプレート)300の表面上に配置され、接着剤
にて接着固定されている。
【0012】図5は、ヒータボード100を並べた状態
の詳細図である。各ヒータボード100は、支持体30
0の所定の場所に、所定の厚さで塗布された接着剤30
1によって接着固定されている。この際、隣接する2つ
のヒータボード100間において、一方のヒータボード
上にあって他方のヒータボードの最も近い吐出エネルギ
発生素子と、他方のヒータボード上にあって一方のヒー
タボードに最も近い吐出エネルギ発生素子と間のピッチ
は、各ヒータボード100上での吐出エネルギ発生素子
101のピッチP(=70.5μm)と同一である。し
たがって、ヒータボード100が20数個設けられてい
たとしても、これらヒータボード100全体を通して、
吐出エネルギ発生素子101は同一のピッチPで配設さ
れていることになる。
【0013】吐出エネルギ発生素子101としては、具
体的には、記録信号に応じて通電することにより発熱す
る電気熱変換体が使用される。吐出エネルギ発生素子1
01は、シリコン基板であるヒータボード100に対
し、半導体装置製造技術を用いて形成される。そして、
通電によって吐出エネルギ発生素子101が発熱した場
合、この吐出エネルギ発生素子に対応するインク流路内
のインクが加熱されて発泡し、その発泡のエネルギによ
ってインク流路内のインクが吐出口からインク液滴とし
て吐出されることになる。この発泡は、好ましくは膜沸
騰によるものである。吐出エネルギ発生素子101とし
ては、圧電素子からなるものなども使用することができ
る。図4に戻って、支持体300には、配線基板200
も接着貼付されている。配線基板200は、各ヒータボ
ード100に対して信号や電力を供給するためのもので
あり、信号・電力供給パッド202と所定の位置関係と
なるように配線基板200は配置されている。配線基板
200のヒータボード100側でない端部には、外部か
ら印字信号や駆動電力が供給されるコネクタ(不図示)
が設けられている。
【0014】次に溝付天板400について説明する。図
6は本例の溝付天板400を示したもので、予め樹脂射
出成形により、共通液室やインク供給口などの溝付天板
としての機能を付加してある成形体460を形成する
(図6(E))。この成形体460は、製造されるべき
溝付天板400と同様の形状であるが、オリフィスプレ
ートとなるべき位置が、成形時の反り量を加味して肉盛
りされている。さらに、この成形体460には、吐出口
やインク流路溝は形成されていない。図示斜線部40
1,402は、切削加工によって切削される部分であ
り、斜線部401,402を切削除去することにより、
吐出口やインク流路溝が形成されていない形状のものが
得られる。さらに、この状態のものに加工を施して吐出
口やインク流路溝を形成することにより、最終的な溝付
天板400が得られることになる。オリフィスプレート
は成形されているが吐出口やインク流路溝が形成されて
いない状態のものを、最終的な溝付天板400に対応さ
せて、天板と呼ぶことにする。
【0015】まず上述した方法によって、樹脂による成
形後にオリフィスプレート表面(吐出口面)とインク流
路溝形成面とヒータボード接合面(突き当て面)とを同
時に切削加工することによって、天板を形成する。そし
て、オリフィスプレート表面に、オリフィス周縁部がイ
ンクによって濡れることにより吐出性能が低下すること
を防ぐために、撥インク性の被膜を形成する。その後、
エキシマレーザによってインク流路溝形成面を掘り込む
ことによって、ヒータボード100の各吐出エネルギ発
生素子101に対応したインク流路溝を形成する。この
ようにして溝付天板400が最終的に完成する。
【0016】図1(A)、(B)に示されるように、溝
付天板400は、ヒータボード100に設けられた吐出
エネルギ発生素子101に対応して設けられたインク流
路412、各インク流路412に対応し、インクを記録
媒体に向けて吐出させるための当該インク流路412に
連通したオリフィス(吐出口)413、各インク流路4
12に対してインクを供給するために各インク流路に連
通した液室411、液室411に対してインクタンク
(図示せず)から供給されたインクを流入させるための
インク供給口414といった構成要素が一体的に設けら
れた構成となっている。溝付天板400は、当然のこと
ながら、ヒータボード100を複数並べて設けられた吐
出エネルギ発生素子列をほぼ覆い被さるような長さを有
している。
【0017】図7は、支持体300、ヒータボード10
0および溝付天板400の位置関係を示す模式図であ
る。溝付天板400は、その流路412と支持体300
上に並べられたヒータボード100上の吐出エネルギ発
生素子101との位置関係が所定の位置関係になるよう
に、支持体300側に結合させる。この結合の方法とし
ては、バネによって機械的に押え込む方法や、接着剤に
よって固定する方法や、これらの方法を併用する方法な
ど、各種の方法がある。溝付天板400を構成する材料
としては、インク流路溝や吐出口を設けるため、正確に
溝を形成できる樹脂が好ましく、さらに機械的強度、寸
法安定性、耐インク性に優れたものであることが望まし
い。このような材料としては、例えば、エポキシ樹脂、
アクリル樹脂、ジグリコールジアルキルカーボネート樹
脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ
イミド樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂
等が望ましく、特にポリサルフォンやポリエーテルサル
フォン等の樹脂がその成型性、耐液性等の観点から望ま
しい。
【0018】溝付天板400を樹脂で構成した場合、そ
の線熱膨張係数は1×10-5/℃から1×10-4/℃程
度である。ここではポリサルフォン(線熱膨張係数56
×10-6/℃)を用いるものとして説明する。一方、基
板であるヒータボード100はシリコン基板で構成され
ており、その線熱膨張係数は2.4×10-6/℃であ
る。また、ヒータボード100を配列する支持体300
はステンレス鋼製であり、その線熱膨張係数は17.3
×10-6/℃である。ここで、記録ヘッドの組み立てが
25℃近傍の温度で行われたものとする。組み立てた記
録ヘッドがその動作時において温度が上昇して60℃程
度になることは、十分にあり得る。そのため、上述した
ままの構成では、ここで25℃で精度良く組み立てられ
たものとして、線膨張係数の差による60℃でのずれを
計算すると、以下のようになる。
【0019】[数1]3008ノズル×0.0705
(ピッチ)×(60−25)×(56×10-6−17.
3×10-6)=0.287mm すなわち、0.287mmのずれが生じ、これは、吐出
口4個分の大きさであって、このようなずれが生じるの
では、インクジェット記録ヘッドとしてあまり実用にな
り得るものでない。そこで、溝付天板400には、図6
(D)に示されるように、溝付天板400の熱膨張を規
制するための支持部材415が、溝付天板400の長手
方向すなわちインク流路配置方向に沿って、溝付天板4
00の樹脂の中に設けられている。ここで支持部材41
5は、支持体300と同じステンレス鋼製のパイプであ
り、その両端が溝付天板400の本体部分から突出して
インクの供給口となっている。またこの支持部材415
には、液室411と連通する穴414が予め加工されて
おり、これによって、支持部材415すなわちパイプ内
部と液室とが連通している。
【0020】なお、支持部材415の表面には、ブラス
ト加工やローレット加工といった表面加工が施されてお
り、これによって支持部材415と溝付天板400の樹
脂との密着度が向上するようになっている。支持部材4
15と溝付天板400を構成する樹脂との機械的強度
(弾性係数など)の関係から、溝付天板400全体とし
ての線熱膨張係数は、ステンレス鋼の線熱膨張係数と一
致する。こうすることにより、溝付天板400と支持体
300は同一の熱膨張係数を持つことになって、温度上
昇に伴うずれが全く生じなくなる。シリコン基板からな
るヒータボード100と、これら支持体300や溝付天
板400との間には熱膨張差が生じる。しかし、ヒータ
ボードが128ドット単位に分割されていることから、
この熱膨張差は無視し得るものである。すなわち、上述
と同様に25℃と60℃との間での熱膨張差を計算する
と、次のようになる。
【0021】[数2]128×0.0705×(60−
25)×(17.3×10-6−2.4×10-6)=0.
005 これはヒータボード100の両端の吐出エネルギ発生素
子と、溝付天板400側の吐出口やインク流路とのずれ
が、0.005/2=0.0025mm、すなわち2.
5μmとなることを示している。この2.5μmという
値は、ピッチP=70.5μmと比較するとわずかであ
り、インクジェット記録ヘッドの吐出性能になんらの影
響も与えないものである。次に、インクジェット記録ヘ
ッドについて、図8および図9を用いてさらに詳しく説
明する。今まで説明してきたように、吐出エネルギ発生
素子が作り込まれたヒータボードをガラス、シリコン、
セラミックス、金属等からなる支持体の上に複数個精度
よく配置接着したものに対し、オリフィスおよび液流路
が作り込まれた溝付天板を接合することによって、イン
ク流路が形成され、インクジェット記録ヘッドが製造さ
れる。
【0022】図8は、このようなインクジェット記録ヘ
ッドを適用したインクジェットカートリッジを模式的に
示している。このインクジェットカートリッジは、イン
クジエット記録装置本体に対して着脱可能に取り付けら
れるものであって、上述したものと同様のインクジェッ
ト記録ヘッド850と、そのインクジェット記録ヘッド
に供給するためのインクを貯蔵することが可能なインク
タンク851とが一体的に形成されている。図9は、記
録媒体の記録幅に対応した幅を有するいわゆるフルライ
ンタイプのインクジェット記録ヘッドおよびそのインク
ジェット記録ヘッドを使用したインクジェット記録装置
の模式的概略説明図を示している。フルラインタイプの
インクジェット記録ヘッドは、その性質上、吐出口の数
が多数であって、本発明の効果が最も顕著に現れるもの
である。
【0023】この記録装置では、フルラインインクジェ
ット記録ヘッド600は、記録媒体搬送ローラ700に
よって搬送される紙や布等の記録媒体800に対向して
配置されている。そして、記録媒体800を搬送しなが
ら、フルラインタイプインクジェット記録ヘッド600
から記録信号に応じてインクを記録媒体800に向けて
インクを吐出することにより、長尺の記録媒体800に
記録がなされる。
【0024】本発明の場合、吐出エネルギ発生素子を設
けたヒータボードを複数個並べることでインクジェット
記録ヘッドを製造するので、フルライン記録ヘッドのよ
うな長いインクジェット記録ヘッドでも容易に製造する
ことができる。
【0025】図10は、カートリッジタイプの小型のイ
ンクジェット記録ヘッドを搭載したインクジェット記録
装置を示している。この記録装置では、インクタンク部
1001とインクジェット記録ヘッド部1002とが一
体化され、記録装置本体に対して着脱可能なインクジェ
ット記録ヘッドカートリッジ1000が使用されてい
る。インクジェット記録ヘッドカートリッジ1000
は、図示矢印方向に往復移動可能なキャリッジ1010
上に搭載されている。また、記録媒体800を搬送する
ための搬送ローラやこのキャリッジ1010を駆動する
駆動源としてのモータ1003、駆動源からの動力をキ
ャリッジ1010に伝えるためのキャリッジ軸1004
等が設けられている。さらに、インクジェット記録ヘッ
ド部1002に対してインクを吐出するための信号を供
給する信号供給手段(不図示)が設けられている。以
上、本発明によるインクジェット記録ヘッドが使用され
るインクジェット記録装置について、単色のインクを吐
出するインクジェット記録ヘッドを1個のみ搭載する場
合について説明したが、本発明はこれに限られるもので
はない。すなわち、複数色のインクのそれぞれに対応し
た複数個のインクジェット記録ヘッドを搭載するカラー
記録装置に対して本発明のインクジェット記録ヘッドを
使用することは、当然である。
【0026】本発明に係るインクジェット方式の記録ヘ
ッド、記録装置の代表的な構成や原理については、例え
ば米国特許第4,723,129号明細書、同第4,7
40,796号明細書に開示されている基本的な原理を
用いて行うのが好ましい。この方式はいわゆるオンディ
マンド型、コンティニアス型のいずれにも適用可能であ
るが、特にオンディマンド型の場合には、液体(イン
ク)が保持されているシートや液路に対応して配置され
た電気熱変換体に、記録情報に対応して核沸騰を越える
急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印
加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生
させて、結果的にこの駆動信号に一体一対応して液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この
気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(イン
ク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。こ
の駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成
長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(イン
ク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0027】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4,463,359号明細書、同第4,345,
262号明細書に記載されているようなものが適してい
る。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米
国特許第4,313,124号明細書に記載されている
条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができ
る。
【0028】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4,558,333号明細書、米国特許
第4,459,600号明細書を用いた構成も本発明に
含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対
して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする
構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エ
ネルギの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応する構成
を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。さらに、記録装置が
記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフ
ルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書
に開示されているような複数記録ヘッドの組み合せによ
って、その長さを満たす構成や一体的に形成された一個
の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよいが、本発明
は、上述した効果を一層有効に発揮することができる。
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電
気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる
交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘ
ッド自体にインクタンクが一体的に設けられたカートリ
ッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効
である。さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等
の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを
一体的に構成するか複数個の組み合せによってでもよい
が、異なる色の復色カラーまたは、混色によるフルカラ
ーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極めて有
効である。以上のような良好な諸特性を有するインクジ
ェット記録ヘッドおよびインクジェット装置は、吐出口
のマルチ化に伴う記録の高速化や高画質化に非常に適し
たものとなる。なお、本発明で、記録とは、布、糸、
紙、シート材等のインク付与を受けるインク支持体全て
へのインク付与等(プリント)を含むもので、記録装置
は、各種情報処理装置全て、あるいはその出力器として
のプリンタを含むものであり、本発明はこれらへの用途
が可能なものである。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、オリフ
ィスプレート裏面とエネルギー発生素子が設けられた基
板の端部との当接部を、はめ込みによって接合可能に構
成することによって、オリフィスプレート部において、
封止剤を用いなくとも、簡易に密着性の高い接合が可能
となり、封止剤を用いた場合のように記録装置のクリー
ニング機構を阻害することがなく、また、インク漏れに
よる不安定な吐出状態が生じることがないため、画像品
位が良好で歩留りの高いインクジェット記録ヘッドを実
現することができる。また、本発明の上記したはめ込み
による接合によると、多数の例えば200個以上、典型
的には数千個にも及ぶ吐出口を有するインクジェット記
録ヘッドが容易に構成でき、特に、記録媒体の記録幅に
対応する長さを有するフルラインタイプのインクジェッ
ト記録ヘッドを構成するのに好適なインクジェット記録
ヘッドを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るインクジェット記録ヘ
ッドの溝付き天板を模式的に示し、(A)はその構造を
示した斜視図、(B)は(A)のA−A線断面図であ
る。
【図2】本発明の一実施例に係るオリフィスプレートと
基板の接合を説明する断面図である。
【図3】本発明の一実施例に係るオリフィスプレートと
基板の接合を説明する断面図である。
【図4】インクジェット記録ヘッドの主要な部品の構成
を説明する図である。
【図5】ヒータボードを配置した状態を示す詳細図であ
る。
【図6】本発明の実施例に係り、(A)は溝付天板上面
図、(B)は溝付天板正面図、(C)は溝付天板下面
図、(D)は(B)のB−B線断面図、(E)は天板の
最初の成形体の(D)と同じ部分の断面図である。
【図7】支持体、ヒータボードおよび溝付天板の位置関
係を示す模式図である。
【図8】本発明のインクジェット記録ヘッドを適用した
インクジェットカートリッジの構成を示す斜視図であ
る。
【図9】フルラインタイプのインクジェット記録ヘッド
とこのインクジェット記録ヘッドを使用した記録装置の
概念的構成を示す図である。
【図10】カートリッジタイプの小型インクジェット記
録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置を示す斜視
図である。
【図11】従来のインクジェット記録ヘッドの一例を示
す模式図である。
【符号の説明】
1a:凹型溝 1b:凸型突起 100:ヒータボード 101:吐出エネルギ発生素子 200:配線基板 201:コネクタ 202:信号・電力供給パッド 300:支持体 301:接着剤 403:オリフィスプレート 411:共通液室 412:インク流通溝 413:吐出口 414:インク供給口 415:支持部材 460:成形体 600:フルラインインクジェット記録ヘッド 700:記録媒体搬送ローラ 800:記録媒体 850:インクジェット記録ヘッド 851:インクタンク 1000:インクジェット記録ヘッドカートリッジ 1010:キャリッジ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクに吐出エネルギを与える吐出エネル
    ギ発生素子がインク流路に対応して設けられた基板と、 前記インク流路となる溝と、当該溝の一端に連通してイ
    ンクが吐出される吐出口が配列して設けられたオリフィ
    スプレートとを一体に形成してなる天板部材とを有し、 前記基板と前記天板部材とを接合させることによって前
    記インク流路が形成され、当該接合時において前記オリ
    フィスプレートの裏面に前記基板の端部が当接するイン
    クジェット記録ヘッドにおいて、 前記オリフィスプレート裏面と前記基板の端部との当接
    部を、はめ込みによって接合可能に構成したことを特徴
    とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】前記はめ込みによって接合可能な構成が、
    前記オリフィスプレート裏面と前記基板の端部とに設け
    られた凹凸部で構成されていることを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】前記凹凸部が、複数組設けられていること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジ
    ェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】前記凹凸部は、その断面形状を水平または
    斜めに差し込む形状、あるいは菱形または円形等の形状
    としたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか
    1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】前記はめ込みによる接合可能な構成によっ
    て、フルラインタイプのインクジェット記録ヘッドを構
    成したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか
    1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】インクジェット記録装置において、請求項
    1〜請求項5のいずれか1項に記載のインクジェット記
    録ヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット記録
    装置。
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