JPH11320773A - 防水布 - Google Patents

防水布

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JPH11320773A
JPH11320773A JP7363698A JP7363698A JPH11320773A JP H11320773 A JPH11320773 A JP H11320773A JP 7363698 A JP7363698 A JP 7363698A JP 7363698 A JP7363698 A JP 7363698A JP H11320773 A JPH11320773 A JP H11320773A
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JP
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waterproof
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resin layer
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JP7363698A
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English (en)
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Tomokazu Ise
智一 伊勢
Ichiro Hanamori
一郎 花森
Toshiaki Kobayashi
利章 小林
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハロゲン含有率が低く焼却などにおけるダイ
オキシン等の有毒ガスの発生が実質的に生じない(環境
に優しい)のみでなく、ハロゲン含有率が低いにもかか
わらず、高周波融着加工性及び耐摩耗性等の諸性能に優
れた防水布を提供する。 【解決手段】 布帛及び少なくとも該布帛の片面に設け
られた防水樹脂層からなり、ハロゲン含有率が1重量%
以下の防水布であって、該防水樹脂層がオレフィン系ポ
リマー(A)及び最大重量減少温度が該オレフィン系ポリ
マー(A)の融点の20℃以上かつ含水率5%以上の無機
剤(B)により構成され、防水樹脂層における該無機剤
(B)の配合割合が1〜70重量%であるとともに、防
水樹脂層が少なくとも該無機剤(B)の配合割合が5重
量%未満であるX層及び該無機剤(B)の配合割合が5
重量%以上70重量%以下であるY層を備えた多層構造
を形成しており、Y層がX層よりも布帛側に存在してい
ることを特徴とする防水布とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハロゲン含有率が低く
焼却などにおけるダイオキシン等の有毒ガスの発生が実
質的に生じない(環境に優しい)のみでなく、ハロゲン
含有率が低いにもかかわらず、高周波発熱性及び耐摩耗
性等の諸性能に優れた防水布に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種用途に使用される防水布とし
て、ポリエステル繊維に代表される有機繊維布帛に塩化
ビニル系樹脂(PVC)ゾルをコ−ティングしたり、P
VCフィルムを該布帛に一体化(積層、トッピング、ラ
ミネート等)したものが製造されている。かかる防水布
は、比較的柔軟で取扱性・作業性が高く、さらに耐水
性、耐光性、耐摩耗性、耐久性等の諸性能に優れるのみ
でなく、PVCが塩素元素を含有するため酸化アンチモ
ン等の難燃助剤を配合することにより防炎性能が確保さ
れやすい特長を有している。しかも、高周波発熱性に優
れ容易に融着するため、シート間を容易に接合すること
ができ、取扱性・施工性が高く、メンテナンスを容易に
行い得るものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、PVC
を付与した防水布は諸性能に優れたものであるが、焼却
時に毒性のダイオキシンや焼却炉に損傷を与える塩酸ガ
スが発生するため、PVCの使用は環境問題となってい
る。以上のことから、PVCを付与した防水布にかわる
地球にやさしい防水布の開発が強く望まれている。
【0004】これまでPVCにかえて、ポリエチレン、
ポリエチレンー酢酸ビニル樹脂等の非ハロゲン樹脂を用
いた防水布が提案されているが、これらの樹脂は高周波
発熱性が低いために取扱性に問題があり、さらにハロゲ
ンを含有していないことから防炎性の確保が困難であっ
た。本発明の目的は、ハロゲン含有率が低いにもかかわ
らず、高周波発熱性等の諸性能に優れた防水布を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1) 布帛
及び少なくとも該布帛の片面に設けられた防水樹脂層か
らなり、ハロゲン含有率が1重量%以下の防水布であっ
て、該防水樹脂層がオレフィン系ポリマー(A)及び最大
重量減少温度が該オレフィン系ポリマー(A)の融点の2
0℃以上かつ含水率5%以上の無機剤(B)により構成
され、防水樹脂層における該無機剤(B)の配合割合が
1〜70重量%であるとともに、防水樹脂層が少なくと
も該無機剤(B)の配合割合が5重量%未満であるX層
及び該無機剤(B)の配合割合が5重量%以上70重量
%以下であるY層を備えた多層構造を形成しており、Y
層がX層よりも布帛側に存在していることを特徴とする
防水布、(2)少なくとも布帛の片面にハロゲン含有率
1重量%以下、融点500℃以上の素材からなる耐熱層
が設けられている(1)に記載の防水布、に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の防水布のハロゲン含有率
は1重量%以下、好ましくは0.1重量%、さらに好ま
しくは0.01重量%以下とする必要がある。ハロゲン
含有率が高い場合にはダイオキシン等が発生するため環
境上好ましくない。なお、本発明にいうハロゲン含有率
とは、防水布重量に占めるハロゲン元素重量の割合であ
る。また防水布の目付は取扱性等の点から1500g/
2以下、特に200g/m2以上700g/m2以下と
するのが好ましい。
【0007】本発明の防水布は、布帛の少なくとも片面
に防水樹脂層を設けたものであるが、用いる布帛の構造
は特に限定されず、たとえば平織、絡み織、模紗織等の
織物、挿入ラッセル編等の編物及び湿式不織布及び乾式
不織布などの不織布等を用いることができる。なかでも
機械的性能、取扱性等の点から織編物、特に平織もしく
は引張伸度の等方性が高い経緯挿入ラッセルを用いるの
がより好ましい。繊維布帛は、軽量性及び機械的性能等
の点から目付100〜500g/m2程度とするのが好
ましく、防水布の機械的性能、耐久性等の点から、引張
強力(タテ方向及びヨコ方向の平均)が100kgf/
3cm以上、特に120kgf/3cm以上であるのが
好ましく、引張伸度(タテ方向及びヨコ方向の平均)が
25%以下、特に5〜20%であるのが好ましい。
【0008】布帛を構成する繊維の種類は特に限定され
ず、各種無機繊維、合成繊維、天然繊維等を用いること
ができる。具体的には無機繊維としてガラス繊維、カー
ボン繊維、有機繊維としてはポリエチレンテレフタレー
ト繊維等のポリエステル系繊維(全芳香族ポリエステル
繊維を含む)、ポリアミド系繊維、アラミド系繊維、ポ
リオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維等が
挙げられ、これらを複数種併用してもかまわない。また
適宜、酸化チタン、カオリン、シリカ、硫酸バリウム、
カ−ボンブラック、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、
光安定剤等を含んでいても良い。
【0009】機械的性能、取扱性、重さ及び耐熱性等の
点からは合成繊維を用いるのが好ましい。なかでも防水
樹脂層を構成するオレフィン系ポリマーとの親和性が高
く、耐光性、耐摩耗性及び低温特性等に優れるオレフィ
ン系繊維を用いるのが好ましい。特に機械的性能に優れ
ていることから高密度ポリエチレン繊維、ポリプロピレ
ン繊維を用いるのが好ましく、製造工程性、コスト等の
点からフィルムをスリットして得られるスリットヤーン
を用いるのが好ましい。なおオレフィン系繊維として
は、鞘がオレフィン系ポリマーにより構成された芯鞘繊
維や海成分がオレフィン系ポリマーにより構成された海
島繊維等も包含され、防水樹脂層を構成するオレフィン
系ポリマーとの親和性が高いことから好適に使用され
る。
【0010】布帛を構成する繊維の形態は特に限定され
ず、たとえば図1に示したようなフィラメント、紡績
糸、テープ状スプリットヤーン、カットファイバー等を
適宜選択して用いればよい。布帛が織編物である場合に
は、機械的性能の点からフィラメント糸を使用するのが
好ましく、単繊維デニールを1〜3000d,特に3〜
2000d程度とするのが好ましい。
【0011】また防水樹脂層にはオレフィン系ポリマー
(A)が含まれている必要がある。オレフィン系ポリマ
ーは焼却時に発生するガスの毒性を心配する必要がな
く、また耐光性、耐摩耗性及び低温特性に優れることか
ら、本発明に好適に使用できる。使用できるオレフィン
系ポリマーは、ハロゲン元素を実質的に含有しないもの
であれば特に限定されず、たとえばポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン共重合体(エチレンー酢酸ビニル
共重合体等)、エチレンープロピレンゴム、ポリスチレ
ンとビニルーポリイソプレンのトリブロック共重合体、
ポリスチレンー変性ポリオレフィンとブロック共重合体
等を単独又は2種以上を併用して用いることができる。
【0012】本発明の効果を損わない範囲であれば他の
ポリマーが配合されていてもよいが、防水樹脂層の機械
的性能、耐光性、耐摩耗性、柔軟性等の点から、オレフ
ィン系ポリマー以外のポリマーの割合が30重量%以
下、さらに10重量%以下であるのが好ましい。
【0013】本発明は、高度の高周波発熱性を有する水
分子を含有し、かつ高周波接合時の温度で水分子を放出
しない無機剤(B)を配合することにより、本来は高周
波発熱性に劣るオレフィン系ポリマーの発熱性を間接的
に高めるものである。無機剤(B)の含水率は5重量%
以上、好ましくは8重量%以上とする必要があり、含水
率が低すぎると防水樹脂層の高周波発熱性が不十分とな
る。またかかる無機剤を配合することにより無機剤の防
炎効果を高めることができる。なお、本発明にいう含水
率とは、無機剤(B)に占めるOH基の重量割合をい
い、実施例に記載の方法により測定できる。
【0014】(B)の最大重量減少温度は(A)の融点
の20℃以上、好ましくは30℃以上、特に好ましくは
50℃以上である必要がある。最大重量減少温度が低す
ぎると、防水樹脂層形成のための成型加工温度を極めて
狭い温度範囲にしなければならず加工性が著しく低下
し、高周波接合時に水分子が放出され、防水樹脂層の高
周波発熱性を十分に高めることができなくなる。最大重
量減少温度は高ければ高いほど好ましい。分散性、機械
的性能及び高周波接合時のスパーク発生防止の点から、
無機剤(B)の粒子径は5μm以下、特に3μm以下と
するのが好ましい。
【0015】本発明に使用できる無機剤は特に限定され
ないが、無機水和物を用いるのが好ましく、結晶水(配
位水、陰イオン水、格子水、ゼオライト水)等を含有す
る無機物が使用できる。具体的には、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサイト類化合物
等が好適に挙げられ、これらを単独で又は2種以上を併
用して用いることができる。なかでも高周波発熱性等の
点から水酸化マグネシウムを用いるのが好ましい。勿
論、防水樹脂層には本発明の効果を損わない範囲で
(B)以外の添加物、たとえば顔料、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、光安定剤等が配合されていても構わない。
【0016】防水樹脂層における無機剤(A)の配合割
合は1〜70重量%、特に3〜40重量%とするのが好
ましい。無機剤の配合割合が低すぎると防水布の高周波
発熱性等が不十分となる。逆に配合割合が高くしても、
高周波発熱性はそれほど向上しないことから経済的でな
く、またさらに配合割合が高くなりすぎると機械的性能
が劣化し、また防水樹脂層が布帛から脱落しやすくなる
ため好ましくない。防水布の高周波発熱性は15秒以
下、特に8秒以下であるのが好ましい。
【0017】また本発明においては、耐久性等の点から
たとえば図1のように防水樹脂層を多層化する必要があ
る。具体的には、該防水樹脂層が少なくとも(B)の配
合割合が5重量%未満、好ましくは1重量%未満である
X層及び(B)の配合割合比が5重量%以上70重量%
以下、好ましくは15重量%以上、40重量%以下であ
るY層を備えた多層構造を形成し、Y層がX層よりも布
帛側に存在している構造とする。
【0018】Y層の表面に(B)の配合割合の小さいX
層を設けることにより、耐摩耗性、耐候性等の諸性能を
改善できる。かかる構成にすることにより、トラック等
の幌シートのように過酷な条件で使用した場合にも優れ
た耐久性が奏される。耐摩耗性は100g/20cm2
以下、特に50g/50cm2以下であるのが好まし
い。Y層の上に無機剤(B)の配合割合の小さい、さら
には実質的に存在しないX層を積層した場合であって
も、防水樹脂層総重量に対して無基剤(B)を1〜70
重量%、好ましくは5〜40重量%含有していれば、何
等問題なく優れた高周波発熱性が奏される。
【0019】X層及びY層の厚さの比は、耐久性、高周
波発熱性等の点から1:0.5〜30とするのが好まし
い。勿論、防水樹脂層にはX層及びY層以外の層が存在
していてもよく、X層及びY層、布帛及びX層が直接接
していなくてもかまわない。X層及びY層の積層方法は
特に限定されないが、布帛の上にY層を積層(ラミネー
ト等)し、次いでX層を積層(ラミネート)する方法が
好適に挙げられる。
【0020】本発明においては、布帛の少なくとも片
面、所望により両面に上記の防水樹脂層を設けることに
より諸性能に優れた防水布を製造することができる。こ
のとき本発明の効果を損わない範囲であれば防水樹脂層
が設けられていない部分が存在していてもかまわない。
好ましくは、防水布の少なくとも片面において、80面
積%以上、特に90面積%以上が防水樹脂層により被覆
されているのが好ましい。
【0021】防水樹脂層は、防水布の機械的性能、防水
性能及び取扱性等の点から、防水布を構成する布帛に対
して10重量%以上200重量%以下、特に20重量%
以上100重量%以下とするのが好ましく、具体的には
片面における防水樹脂層の厚さを10〜500μm、特
に20〜100μmとするのが好ましい。防水樹脂層を
構成する樹脂は、布帛表層部及び/又は内層部に存在し
ていてもよく、布帛に入り込んだ防水樹脂も防水樹脂層
を構成する樹脂として包含される。
【0022】防水樹脂の付与方法は特に限定されず。た
とえばトッピング加工、ラミネート加工、ロ−ルコ−タ
−法、ナイフコ−タ−法、ディッピング法等により付与
すればよい。工程性等の点からは押出ラミネート法を採
用するのが好ましい。具体的には、オレフィン系ポリマ
ー(A)に対して無機剤(B)を所定濃度となるように
添加混合(ドライブレンド)し、この組成物を押出機か
らストランド状に押出後ろ冷却し、次いでペレッタイザ
ーで裁断してペレット状物を製造し、このペレット状物
を押出ラミネート法により布帛と貼りあわせる方法等が
挙げられる。接着性の点からは、布帛に直接防水樹脂層
が一体化されるのが好ましい。
【0023】また本発明の効果を損わない範囲であれ
ば、布帛の片面に本発明で規定の防水樹脂層を設け、他
面にそれ以外の層(樹脂層、金属層等)を設けてもよ
く、本発明の防水樹脂層の上層部、下層部及び防水樹脂
層内部にさらに他の層を設けてもかまわない。なお、本
発明にいう防水樹脂層とは、オレフィン系ポリマーが1
0重量%以上、好ましくは30重量%以上存在する層を
いい、層間に他の層が介在されている場合も、他層によ
り分断されている両層をともに防水樹脂層と称する。
【0024】本発明においては、防水布を防炎性が高度
に要求される用途に用いる場合、無機剤(B)の配合割
合を60重量%程度以上にすることにより防水布に高度
の防炎性を付与することができるが、図2のようにハロ
ゲン含有率1重量%以下、融点500℃以上、好ましく
は600℃以上の素材からなる耐熱層を少なくとも布帛
の片面に設けることにより、防水布の防炎性を顕著に高
めることができる。かかる手段によれば、防水樹脂層の
機械的性能及び他層との接着性などが損うことなく容易
に防炎性を付与できる。
【0025】防炎効果を十分に得る点からは、耐熱層の
厚みを1μm以上、特に10μm以上にするのが好まし
く、取扱性等の点からは50μm以下とするのが好まし
い。耐熱層は布帛の片面又は両面に設ければよく、防水
樹脂層と同面又は異なる面に設けることができ、防水樹
脂層の上部、下部又は層内に設けてもよい。効率的に耐
熱性を付与する点からは、防水樹脂層と同面に設けるの
が好ましく、防水布同志の接合を容易に行う点から防水
樹脂層内に耐熱層を設けるのが好ましい。具体的には、
図3のように防水樹脂層をX層及びY層を有する2層構
造とするとともに、X層とY層の間に耐熱層を設けるの
が好ましい例として挙げられる。
【0026】耐熱層は上記性能を備えるものであれば特
に限定されないが、たとえばアルミニウム、銅、クロム
等の金属を蒸着したり、スパッタリングしてなる金属薄
膜を耐熱層とするのが好ましい。またシリコーン樹脂、
チラノ樹脂(ポリサタノカルボシラン)、ポリパラバン
酸樹脂等の高耐熱性樹脂のコーテイング、ポリビニルブ
チラールとポリイソシアネート/リン酸エステル系化合
物からなる架橋樹脂組成物、オルガノシラン系化合物、
メラミン系化合物、ウレタン系化合物などの熱硬化型ハ
ードコート、多官能性(メタ)アクリラート系化合物等
の活性エネルギー線硬化型ハードコートにより耐熱性層
を設けるのも好適に採用できる。
【0027】また雲母粉、シリカ粉末、二硫化モリブデ
ン等の無機物をシリコーン樹脂、ニトロセルロース等の
ポリマーに配合して耐熱性を高めた樹脂により耐熱層を
形成してもかまわない。場合によっては、リン系、メラ
ミン系等の難燃剤を布帛及び/又は防水樹脂層に配合し
てもかまわない。加工性及び耐熱性等の点からはアルミ
ニウム薄膜を耐熱層とするのが好ましい。アルミニウム
等を耐熱層とする場合、防水樹脂層との接着性が不十分
になりやすいことから、ウレタン系等の接着剤を用いて
防水樹脂層等との接着を行うのが好ましい。
【0028】防水布を様々な用途に使用する場合、2枚
以上のメッシュシ−トの端部を継いで用いたり破損部分
等を補修する必要が生じる。防水布の高周波発熱性が低
い場合、シート間の接合等を行うことが困難であり多大
な時間及び労力を要することとなるが、本発明の防水布
は高周波発熱性に優れているため、高周波ウエルダーに
より付着樹脂を軟化させて容易にかつ効率的にシート間
の接続、補修等の加工を行うことができる。高周波ウエ
ルダーの好ましい条件としては、周波数40〜50MH
zの汎用高周波ウエルダーを用い、接圧1kgf/m2
以上、陽極電流値100〜200A/m2、通電時間3
〜15秒間で溶着後、同接圧下で2〜10秒間冷却する
方法が挙げられる。このとき必要に応じて耐熱層等を除
去してから作業を行うのが好ましく、防水布表面が防水
樹脂層で構成されている場合にはそのまま接合等の加工
を行うことができる。
【0029】以上のように、本発明の防水布は、防水
性、機械的性能、取扱性、高周波発熱性等の諸性能に優
れているためにあらゆる用途に使用できる。たとえば土
木建築用途、被覆材等に広く使用でき、たとえばハッチ
カバー、トラック用幌シート、野積シート、各種ライナ
ー、各種テント類(テント倉庫等)、ポンドライナー、
各種土木・遮水シート及び貯水タンク用ライナー等に好
適に使用できる。
【0030】以下、実施例により本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれにより何等限定されるもので
はない。
【実施例】[ポリマーの融点 ℃]ポリマーチップを示
差熱分析装置を用い、20ml/minの窒素気流中、
10℃/minの昇温速度の条件で吸発熱曲線を作成
し、その最大吸熱ピークを示す温度をポリマー融点とす
る。 [最大重量減少温度 ℃]試料を50℃下24hrs以
上真空乾燥した後、熱重量分析装置により20ml/m
inの窒素気流中、10℃/minの昇温速度の条件で
温度〜重量変化を測定し、その微分曲線の最大ピーク温
度を最大重量減少温度とする。
【0031】[含水率 %]試料を50℃下で24時間
以上真空乾燥した後、試料(質量W1g)を耐熱容器か
らなる蒸留装置に入れて800℃以上の温度で乾留市
6、流出した液状物の質量(W2g)を測定するととも
に、その一部を採取してガスクロマトグラフにより水分
比率(c)を定量し、(W2×C)/W1×100によ
り算出する。 [耐熱層の融点 ℃]試料を示差熱分析装置を用い、2
0ml/minの窒素気流中、10℃/minの昇温速
度の条件で吸発熱曲線を作成し、その最大吸熱ピークを
示す温度をポリマー融点とする。なお600℃までに吸
熱ピークが発生しない場合には試料の融点を600℃以
上とする。なお、耐熱層が防水布に一体化されている場
合には、熱キシレン等の防水樹脂層除去可能な溶剤で防
水樹脂層を除去し、得られた耐熱層を絶乾した後融点を
測定する。
【0032】[ハロゲン含有率 重量%]試料(A1m
g)を酸素気流中で加熱分解し、このガスを800℃の
白金触媒に接触させて単体ハロゲンを生成させ、次いで
この単体ハロゲンを400〜450℃の加熱銀と反応さ
せ、反応後の銀の重量増加分(A2mg)を測定し、A
22/A1×100により算出する。
【0033】[高周波発熱性 秒、陽極電流値 A]防
水布を2枚重ね合わせて両防水樹脂層を接触させ、高周
波接合機(パール工業製、型式T−12000、周波数
38.6MHz、出力3KW)に20×150mm寸法
の電極を取付け、接圧2kg/cm2の条件で接合処理
を行い、良好な溶着に必要な通電時間を高周波発熱性と
して評価し、またこのときの高周波通電電流値を陽極電
流値として示す。 [引張強力 kgf/3cm 引張伸度 kgf/3c
m]幅3cmの試料を引張速度50mm/分にて引張
り、フィルムが破断したときの強力及び伸度をそれぞれ
引張強力及び引張伸度とした。
【0034】[耐摩耗性 mg/20cm2]JIS
L0849に準じて摩擦試験機II型に防水布をセット
し、日本研紙製「サンドペーパーCCw」を摩耗子とし
て100往復接触摩耗させ、防水布の重量減少量により
耐摩耗性を評価する。
【0035】[実施例1〜3、比較例1]高密度ポリエ
チレン(三井化学製「ハイゼックス5000SR」)を
Tダイ・押出機によりフィルム(厚さ0.15mm)に
成形し、これをスリット幅10mmにスリット後、13
0℃加熱ローラー間で7倍の延伸を行い、幅1.45m
m、厚さ0.12mmの1500デニールのスプリット
ヤーンを製造し、このスプリットヤーンを用いてウオー
ターゼット織機によりタテ及びヨコ方向に各々16本/
in打込んだ平織組織の布帛(目付216g/m2を製
造した。この布帛のタテ方向の性能は引張強力141k
gf/3cm、引張伸度23%、ヨコ方向の性能は引張
強力120kgf/3cm、引張伸度12%であった。
【0036】またエチレンー酢酸ビニル共重合体(住友
化学製「エバテートD2021」酢酸ビニル共重合率1
0重量% 融点98.8℃)100重量部に、水酸化マ
グネシウム(協和化学工業製「キスマ5A」 最大重量
減少温度345℃、含水率57% 粒子径0.7μm)
を表1に示す無機剤配合割合になるように配合したもの
を、押出ラミネート法により上記布帛の両面にラミネー
トして各々35μmの厚さのY層を形成し、次いで水酸
化マグネシウム未添加のエチレンー酢酸ビニル共重合体
樹脂をY層の上に押出ラミネート加工して厚さ各35μ
mのX層を両面に形成して厚さ各々300μmの防水布
(目付280g/m2)を作成した。結果を表1に示
す。なお、表中の無機剤配合割合はY層重量に占める無
機剤の重量割合を示している。結果を表1に示す。
【0037】[比較例2]エチレンー酢酸ビニル共重合
体100重量部に水酸化マグネシウムを40重量部配合
したものを、布帛の両面に押出ラミネート加工して厚さ
各70μmの防水樹脂層を形成させた以外は実施例1と
同様に行って、厚さ300μm(目付285g/m2
の防水布を作成した。結果を表1に示す。なお表中の無
機剤配合割合は防水樹脂層全体に占める無機剤の重量割
合である。
【0038】
【表1】
【0039】[実施例4]実施例1で用いた布帛両面
に、実施例1で用いたエチレンー酢酸ビニル共重合体1
00重量部及び水酸化マグネシウム50重量部からなる
樹脂組成物を押出ラミネート加工して各々30μmのY
層(無機剤配合割合33、3重量%)を形成し、次いで
この両面にウレタン系接着剤(アースエナボンド社製
「エナボンド401」)を10g/m2塗布した厚さ2
0μmのアルミ箔(融点600℃以上)及び水酸化マグ
ネシウム未配合の厚さ30μmのエチレンー酢酸ビニル
共重合体を順に積層し、温度150℃×圧力10kg/
cm2の条件で5分間熱プレスし、図3のような防水布
を製造した。得られた防水布の目付は398g/m2
ハロゲン含有率は0重量%、高周波発熱性は5秒であ
り、防水樹脂層に占める無機剤の重量割合は約15重量
%であった。かかる防水布の防炎性能を消防法施行規則
第4条の3第3・4・7項に記載の試験方法により評価
したところ、比較例1の防水布が不合格であったのに対
し、合格性能を保有していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 布帛及びX層及びY層の2層構造を有する防
水樹脂層からなる本発明の防水布の断面の1例を示した
模式図。
【図2】 布帛、X層及びY層の2層構造を有する防水
樹脂層及び耐熱層からなる本発明の防水布の断面の1例
を示した模式図。
【符号の説明】
1 :布帛 2 :防水樹脂層 2(a):X層 2(b):Y層 3 :耐熱層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布帛及び少なくとも該布帛の片面に設け
    られた防水樹脂層からなり、ハロゲン含有率が1重量%
    以下の防水布であって、該防水樹脂層がオレフィン系ポ
    リマー(A)及び最大重量減少温度が該オレフィン系ポリ
    マー(A)の融点の20℃以上かつ含水率5%以上の無機
    剤(B)により構成され、防水樹脂層における該無機剤
    (B)の配合割合が1〜70重量%であるとともに、防
    水樹脂層が少なくとも該無機剤(B)の配合割合が5重
    量%未満であるX層及び該無機剤(B)の配合割合が5
    重量%以上70重量%以下であるY層を備えた多層構造
    を形成しており、Y層がX層よりも布帛側に存在してい
    ることを特徴とする防水布。
  2. 【請求項2】 少なくとも布帛の片面にハロゲン含有率
    1重量%以下、融点500℃以上の素材からなる耐熱層
    が設けられている請求項1に記載の防水布。
JP7363698A 1998-03-18 1998-03-23 防水布 Pending JPH11320773A (ja)

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JP6827498 1998-03-18
JP10-68274 1998-03-18
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