JPH11320013A - 端部異形棒状製品の鍛造方法および鍛造装置 - Google Patents
端部異形棒状製品の鍛造方法および鍛造装置Info
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Abstract
せず、角部に丸味を付けることができ、さらに装置がシ
ンプルで高能率な搬送が可能であり、型寿命が長く量産
に適した鍛造方法および鍛造装置を提供する。 【解決手段】 予備成形された棒状または板状の素材
を、上下の金型で素材の軸方向と直交する方向から加圧
すると共に、素材の軸方向からパンチ7で加圧して素材
少なくとも一方の端部に凹部を成形して荒地鍛造を行う
閉塞鍛造工程Iと、閉塞鍛造工程Iで得られた素材を、
上下の金型で素材の軸方向に直交する方向から加圧して
バリ出しを行う仕上鍛造工程IIと、仕上鍛造工程IIで得
られた素材をバリ抜き加工するバリ抜き工程III を、順
に実行する。
Description
鍛造方法および鍛造装置に関する。端部異形棒状製品と
は、広義には棒状部材の一端または両端が棒状本体部分
とは形状が異なる棒状製品をいい、狭義にはさらに端部
に凹所が形成される棒状製品をいう。狭義の端部異形棒
状製品の代表的な物としては、コネクティングロッド、
スパナー、ユニバーサルジョイントヨーク等がある。本
発明はこれら広義の端部異形棒状製品の鍛造に適し、狭
義の端部異形棒状製品には特に好適な鍛造方法および鍛
造装置に関する。
コネクティングロッドの従来の鍛造方法を図7に基づき
説明する。図7(A)は最も一般的な型鍛造法を示して
おり、棒材から素材を切り取った後、フォージングロー
ル等で予備成形し、プレスまたはハンマーで型鍛造を行
いコネクティングロッドに仕上げる。この型鍛造の代表
的な工程は4工程からなり、つぶし工程、荒工程、仕上
工程およびバリ抜き工程からなる。
れでバリを出しながら進めていく。すなわち、下金型上
に置かれた加熱素材は、加圧によって最初外方へ広げら
れ、上下金型内を十分満たしたのち、余分の材料はバリ
となって周囲にはみ出る。このバリは薄いので急冷され
変形抵抗が大きくなり、材料は抵抗の少ない金型の方へ
流れやすくなり、金型のすみずみを満たす。したがっ
て、このバリは型鍛造にとって不可欠である。
は、材料の歩留りが悪いことを意味し、通常は60〜7
0%であり、経済的でないという問題がある。この歩留
りの問題を解消したのが、図7(B)に示す閉塞鍛造法
であって、これは素材を予備成形した後、棒状素材を複
数の分割ダイで加圧挾持し、閉塞した状態下において外
部からパンチを圧入させて素材を所望の形に成形するも
のである(特開平2−137636号公報参照)。
を目指す鍛造法であるが、つぎの欠点がある。まず閉塞
鍛造では素材を閉塞するため、分割ダイは組合せ型を用
い加圧時に隙間ができないようにしているが、素材と最
終製品の体積とが正確に一致せず少しでも素材の量が多
いと、図8に示すように分割ダイa、bやポンチc、d
の合せ面や嵌合面から肉がはみ出して薄いバリfが発生
し、これを取り除くための仕上作業が必要となり、逆に
少ないと最終製品の一部に欠肉ができる。また、鍛造品
の角部に丸味を付けることが難しい。このため、製品の
角部に応力が集中しやすく、強度上不利になるという欠
点がある。さらに、つぎの理由から量産には適していな
い。第1に、複数の分割ダイで密閉して加圧するため、
材料流動に非常に高い圧力が必要となり、高い精度の予
備成形品が必要となる。しかし、現状では満足のいく予
備成形方法が見当らない。第2に、鍛造時に加熱素材が
金型内に滞留する時間が長くなり、複雑な形状の金型が
必要であるため、型寿命が短いという欠点がある。第3
に、複数の分割ダイを必要とするなど装置が複雑である
ため、高能率の金型間搬送が困難で、1個づつの生産と
なるため、生産性が低い。
留り100 %を目指す閉塞鍛造法は大量生産となると問題
点も多く、広く普及していないのが実状である。
く、製品に薄いバリが発生せず、角部に丸味を付けるこ
とができ、さらに予備成形の精度が低くてよく、装置が
シンプルで高能率な搬送が可能であり、型寿命が長く、
これらの特質により量産に適した鍛造方法および鍛造装
置を提供することを目的とする。
予備成形された棒状または板状素材を、上下の金型で素
材の軸方向と直交する方向から加圧すると共に、素材の
軸方向からパンチで加圧して素材の少なくとも一方の端
部に凹部及び該凹部に続く両袖部を成形して仕上鍛造を
行う閉塞鍛造工程と、前記閉塞鍛造工程で得られた素材
の前記端部以外の部分を、上下の金型で素材の軸方向に
直交する方向から加圧してバリ出しを行う仕上鍛造工程
と、前記仕上鍛造工程で得られた素材を、バリ抜き加工
するバリ抜き工程を、順に実行することを特徴とする。
請求項2の鍛造方法は、前記閉塞鍛造工程と仕上鍛造工
程を同一工程で行うことを特徴とする。請求項3の鍛造
装置は、同一プレスの上ダイホルダと下ダイホルダのそ
れぞれに、閉塞鍛造用金型と仕上鍛造用金型とバリ抜き
金型をその順で並べて配置し、かつ閉塞鍛造用金型を配
置した部位には水平パンチを上下の金型内に圧入させる
水平パンチ作動機構を取付けていることを特徴とする。
に基づき説明する。まず、本発明の鍛造方法で用いられ
る鍛造装置を説明する。図5は下ダイホルダに各工程の
金型1〜3を取付けた鍛造装置の平面図、図6は図5の
VI〜VI線矢視における閉塞鍛造工程用プレスの断面図で
ある。
に取付けられた下型であって、1は閉塞鍛造用金型、2
は仕上鍛造用金型、3はバリ抜き用金型である。
照)は、素材を密閉し閉塞して鍛造するための金型であ
るが、従来技術の閉塞鍛造用金型と異なり、予備成形品
の体積と厳密に一致させる必要はない。すなわち後工程
で素材一端の凹部及び該凹部に続く両袖部以外はバリ出
しが行われるため、本工程では少しラフな精度と形状を
有しておればよい。
金型が用いられ、該金型2〜3に対応する上金型(図示
省略)も従来と同様の金型が用いられ、上ダイホルダ1
3(図6参照)に取付けられる。なお、各金型1〜3の
間での素材の搬送は図示しないトランスファーアーム等
によって行われる。
レス構造を図6に基づき説明する。このプレスは、特公
昭62−8252号公報に示す成形装置と同様な構成を
有しており、上金型6が上金型ホルダ17に取付けら
れ、該上金型ホルダ17は液体流入口14から圧力室1
4′に満たされた高圧液によって常時下方向に力が作用
している。上金型ホルダ17の下限はストッパーナット
15′によって決定される。また上金型ホルダ17はガ
イドポスト15によって上下方向を除いて拘束されてい
る。
れる。下ダイホルダ5には水平方向に移動可能なパンチ
ホルダ8が設けられ、該パンチホルダ8は3個のリンク
からなるトグルリンク機構10によって水平方向に動く
ことができる。すなわち下ダイホルダ5に設けられた上
下に移動可能な摺動ブロック9の受圧面20が、上ダイ
ホルダ13の摺動ブロック押え面19によって押えられ
ると、摺動ブロック押え面19は下方向に動き、パンチ
ホルダ8が水平方向に動くようになっている。
部を加圧するためパンチ7を取付けてある。またスプリ
ング12によって常に押えつけられているため、受圧面
20を押しつける力がなくなったときは、パンチホルダ
8は後退し、摺動ブロック9は上方に動く。
トし、プレスを作動させると先ず上金型6が下金型1に
当る。この時から上金型6は圧力室14′の液圧により
下金型1を押し付けると同時に、上ダイホルダ13の摺
動ブロック押え面19が受圧面20に当接し、そのまま
上ダイホルダ13が下ると、摺動ブロック9が下に移動
し、トグルリンク10によってパンチホルダ8が前進す
る。するとパンチ7が密閉された金型1、6内で素材を
両端から据え込み、端部を希望する形状(例えば、凹部
及び該凹部に続く両袖部を有する形状)に成形する。
るので、圧力室14′の液体は外部に設けたアキュムレ
ータ(図示しない)に戻される。成形が終り、上ダイホ
ルダ13が上昇すると、パンチホルダ8はばね力で後退
し、圧力室14′には再びアキュムレータによって液体
が入り込み、上金型ホルダ17が下に押し出される。な
お、11は素材を下金型2から取出すためのエジェクタ
ーピンである。
造方法を説明する。図1は本発明において1個取り金型
を用いた鍛造方法の工程図、図2は本発明において2個
取り金型を用いた鍛造方法の工程図、図3は閉塞鍛造及
び仕上鍛造工程Iの金型の説明図、図4は仕上鍛造工程
Iで得られた鍛造品Zの説明図である。本発明は端部異
形棒状製品の内、特に、コネクティングロッドの成形に
適している。
から素材取りをし、棒状または板状の形状に予備成形し
た後、閉塞鍛造工程I、仕上鍛造工程II、バリ抜き工程
IIIの順で実行される。なお、図1は鍛造品の1個取り
の例を図示し、図2は2個取りの例を図示している。2
個取りの場合、能率がよいが、本発明は両方を含むもの
である。
おいて、大端部の凹部及び該凹部に続く両袖部以外は荒
地鍛造を行うもので厳密な精度を必要とせず、比較的体
積配分がラフな形状のもので十分である。
下金型1に素材Xを入れ、素材Xの軸方向と直交する方
向から上金型で加圧し、軽く平らにつぶす。そして、軽
く平らにつぶした素材の軸方向一端部以外を上下の金型
で塞いだ状態で、素材Xの軸方向一端からパンチ7を圧
入させ、端部形状(コネクティングロッドであれば、ビ
ッグエンドの凹部及び該凹部に続く両袖部)を形成す
る。コネクティングロッドのビッグエンドのような凹部
及び該凹部に続く両袖部は、上下加圧のみでは材料流動
が少なく、しかも、凹部の上下中間部にバリが発生し、
完全に凹部を成形できないが、パンチ7による水平加圧
を行うと、材料の分配が精度よく行われて仕上形成まで
行うことができる。
ティングロッドのロッド本体部のH形断面や片エンド部
(小端部)の凸形状が概略成形される。なお、この部分
は多少の欠肉部があっても差し支えない。これは、次工
程でバリ出し鍛造した段階で材料が充満するからであ
る。
型鍛造で行うバリ出し鍛造であり、図4はこの工程で得
られる鍛造品Zを示している。Fは本工程で生じたバリ
であり既述のごとく型鍛造に必要なバリである。
Iで材料配分が精度よく行われているため、バリFは最
少限にとどめることができ、鍛造荷重も小さくなる。こ
のように鍛造荷重が小さくてすむこと、および閉塞鍛造
用の組合せ金型でなく上下の金型であることから、金型
内にR部を形成し、鍛造品の角部に丸味Rを付けること
が可能となる。このとき、大端部の凹部及び該凹部に続
く両袖部は必要に応じ図3に符号aで示す土手を設け形
状維持を計っている。仕上鍛造工程IIでは、この土手a
により凹部及び該凹部に続く両袖部には、バリが生じな
い。
鍛造におけるバリ抜き加工と同様のバリ抜き工程であ
る。この工程で図4に示すバリFが除去され、鍛造品Z
が出来あがる。
閉塞鍛造工程Iは後工程でバリ出しが許容されるため、
厳密な精度を要せず無理な成形をしなくてもよい。この
ため、金型寿命が長くなり、装置がシンプルで高能率な
金型間搬送が可能となるため量産に適することとなる。
また、閉塞鍛造工程Iで材料配分が精度よく行われてい
るため、バリを最少限にとどめることができ、材料歩留
りがよく、最終成形を上下金型で行うので、鍛造製品の
角部に丸味を付けることができる。
仕上鍛造工程IIを別工程として順に実行してもよいが、
図5に示す鍛造装置では閉塞鍛造用金型1、仕上鍛造用
金型2およびバリ抜き用金型3を同一ホルダーに取付
け、共通のプレスで作動させるので、各工程I〜III を
同時に進行させることができ、生産性を高めることがで
きる。
Iは後工程でバリ出しが許容されるため、厳密な精度を
要せず無理な成形をしなくてもよい。このため、金型寿
命が長くなり、装置がシンプルで高能率な搬送が可能と
なるため量産に適することとなる。また、閉塞鍛造工程
Iで材料配分が精度よく行われているため、バリを最少
限にとどめることができ、材料歩留りがよく、最終成形
を上下金型で行うので、鍛造製品の角部に丸味を付ける
ことができる。請求項2の発明によれば、閉塞鍛造工程
と仕上鍛造工程とを同時に進行させうるので、必要最少
限の鍛造工程で端部異形棒状製品を量産することができ
る。請求項3の発明によれば、1台のプレスで、閉塞鍛
造工程Iと仕上鍛造工程IIとバリ抜き鍛造工程III を
実行でき、能率よく端部異形棒状製品を鍛造することが
できる。
の工程図である。
法の工程図である。
説明図である。
明図、(B) 図は(A) 図のB矢視断面図、(C) 図は(A) 図
のC矢視断面図である。
金型1〜3を示す概略平面図である。
スの断面図である。
図であり、(A)図は型鍛造法の工程図、(B)図は閉
塞鍛造法の工程図である。
る。
Claims (3)
- 【請求項1】予備成形された棒状または板状の素材を、
上下の金型で素材の軸方向と直交する方向から加圧する
と共に、素材の軸方向からパンチで加圧して素材の少な
くとも一方の端部に凹部及び該凹部に続く両袖部を成形
して仕上鍛造を行う閉塞鍛造工程と、 前記閉塞鍛造工程で得られた素材の前記端部以外の部分
を、上下の金型で素材の軸方向に直交する方向から加圧
してバリ出しを行う仕上鍛造工程と、前記仕上鍛造工程
で得られた素材を、バリ抜き加工するバリ抜き工程を順
に実行することを特徴とする端部異形棒状製品の鍛造方
法。 - 【請求項2】前記閉塞鍛造工程と仕上鍛造工程を同一工
程で行うことを特徴とする請求項1記載の端部異形棒状
製品の鍛造方法。 - 【請求項3】同一プレスの上ダイホルダと下ダイホルダ
のそれぞれに、閉塞鍛造用金型と仕上鍛造用金型とバリ
抜き金型をその順で並べて配置し、かつ閉塞鍛造用金型
を配置した部位には水平パンチを上下の金型内に圧入さ
せる水平パンチ作動機構を取付けていることを特徴とす
る端部異形棒状製品の鍛造装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP12979898A JP3544300B2 (ja) | 1998-05-13 | 1998-05-13 | 端部異形棒状製品の鍛造方法および鍛造装置 |
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